JPH08232978A - 安全機能を有するトルク伝達装置 - Google Patents

安全機能を有するトルク伝達装置

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JPH08232978A
JPH08232978A JP3989395A JP3989395A JPH08232978A JP H08232978 A JPH08232978 A JP H08232978A JP 3989395 A JP3989395 A JP 3989395A JP 3989395 A JP3989395 A JP 3989395A JP H08232978 A JPH08232978 A JP H08232978A
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JP
Japan
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torque
ring
output member
outer ring
transmission device
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Application number
JP3989395A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Mizutani
敏幸 水谷
Yuji Okamoto
裕二 岡本
Shoji Itomi
正二 糸見
Yoshimi Ota
好美 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械式のトルクリミッタを用いて、作動途中
で伝達トルクの大きさを切換えることができるトルク伝
達装置を提供する。 【構成】 ウォーム4と接続する入力部材2と、出力部
材5を軸7により連結し、入力部材2と軸7の間に機械
式のトルクリミッタ8を組込む。軸7に取付けた送りね
じリング22に、ねじで駆動されるナット26と、軸方
向に移動する噛み込みリング27を取付け、このリング
27と入力部材2の対向面にクラッチ歯36、37を設
ける。通常時は、入力部材2からトルクリミッタ8を介
して軸7にトルクを伝達し、軸7が回転すると、ナット
26が移動してクラッチ歯36、37が噛み合い、入力
部材2から直接軸7へトルクが伝わる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、窓などの自動開閉機
構において開閉中の過負荷時に駆動系を空転させるため
のトルク伝達装置に関し、特に、作動途中で伝達トルク
の大きさを切換えることができる伝達装置に関するもの
である。
【0002】
【従来技術及びその課題】自動車のパワーウインドなど
の自動開閉機構においては、開閉の途中で指などの異物
が窓ガラスに挟まった場合に、その開閉の動きを止める
安全装置が求められる。
【0003】この種の安全装置としては、従来、特開昭
61−64982号公報のように、モータの過電流によ
って窓の開閉を制御するものや、特開平5−19335
3号公報のように異物を感知するセンサを使って開閉を
制御するものが提案されている。
【0004】しかし、モータの過電流により窓ガラス上
昇中の過負荷を感知する場合は、通常の上昇時の数倍の
トルクが必要になる締め切り時やモータの起動時に回路
に大きな電流が流れるため、それを考慮した制御が必要
となり、センサを用いた場合でも締め切り時の負荷を考
慮した制御をしなければならず、両装置とも制御が複雑
になりやすく高価になるという問題がある。
【0005】また、窓ガラスに加わるトルクを直接感知
しないために、応答性が悪く、かつ電気回路やセンサ等
の誤作動を避けることができず、安全装置としての信頼
性に欠ける問題がある。
【0006】これに対して、ローラやバネ等の係脱によ
り空転する機械式のトルクリミッタを用いて、モータか
ら窓ガラスの開閉に作用するトルクを直接感知し、過負
荷時に機械的にトルク伝達を切り離すようにできれば、
上記電気式の安全装置に比べて信頼性の高い構造を提供
できる可能性がある。
【0007】しかし、機械式のトルクリミッタは、伝達
できるトルクの大きさが一定であり、この伝達トルクを
窓開閉中の異物噛み込み時の負荷に合せた場合には、窓
ガラスの締め切り時などの大きなトルクを必要とする時
にトルクリミッタが空回りしてしまい、完全な開閉を行
なうことができない。逆に、窓ガラスの締め切り時等で
要するトルクに伝達トルクを合わせると、窓開閉中の安
全装置としてトルクリミッタが機能しなくなる問題があ
る。
【0008】この発明は、上述した問題を解決するため
になされたもので、機械式クラッチを用いて伝達トルク
の大きさを作動途中で切換えることができ、過負荷に対
して安全機能と確実な開閉とを行なうことができるトル
ク伝達装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の第1の手段は、入力部材と出力部材を軸
で連結し、上記入力部材に、出力部材に対して一定のト
ルクが負荷された時に入力部材と軸を空転させるトルク
リミッタを組込み、上記軸に、軸の回転によって出力部
材と入力部材の間を往復動するように駆動される係合部
材を取付け、この係合部材と入力部材に、係合部材が出
力部材から所定量離れた位置で互いに噛み合うクラッチ
を設けたのである。
【0010】また、この発明の第2の手段は、入力部材
と出力部材をトルクリミッタを介して連結し、入力部材
に連結したコイルバネの端部を出力部材にすき間をもっ
て嵌合させ、その出力部材には、出力部材の所定の回転
位置でコイルバネの端部を出力部材に圧着してトルク伝
達状態にするスイッチ手段を組込んだ構造としたのであ
る。
【0011】一方、第3の手段は、上記の各手段におい
て、トルクリミッタを、径方向に弾性変形する外輪の内
側に、円筒状の外径面をもつ内方部材を挿入し、その外
輪の内径面と内方部材の外径面との間にローラを締め代
をもって組込み、外輪の内径面に、上記ローラが中立位
置から正逆方向に回転した時に外輪を拡径させる対の傾
斜面を設け、外輪と内方部材のいずれか一方を入力部材
に、他方を出力部材に連結させて形成したのである。
【0012】なお、そのトルクリミッタの内部に、外輪
の変形量を制限する変形制限部材を設け、その変形制限
部材の一部又は全部を、温度変化によって弾性率が変化
する材料で形成することができる。
【0013】また、上記変形制限部材の一部又は全部
を、線膨張係数が外輪とは異なる材料で形成することが
できる。
【0014】第4の手段は、上記第3の手段に係るトル
クリミッタにおいて、上記外輪を、径方向に積層嵌合す
る複数の弾性リングにより形成し、その各弾性リングの
嵌合面の一部又は全部を、軸方向に傾斜するテーパ面を
もって対向させ、上記各弾性リングを相互に軸方向に相
対移動させる移動手段を備えてなる構成としたのであ
る。
【0015】
【作用】上記第1の手段においては、通常時は、入力部
材からトルクリミッタを介して軸と出力部材にトルクが
伝達される。この時、出力部材に過負荷が作用すると、
トルクリミッタの作動により軸と入力部材が空回りし、
安全装置として機能する。
【0016】出力部材が回転すると、係合部材が入力部
材に向って移動し、出力部材から所定量離れた時点でク
ラッチが噛み合う。これにより、係合部材を介して入力
部材と軸が一体化し、出力部材は入力部材から直接大き
なトルクで回転駆動される。
【0017】一方、第2の手段においては、スイッチ手
段が作動しない間は、コイルバネと出力部材がすき間を
もって空回りするため、入力部材からトルクリミッタを
介して出力部材にトルクが伝達される。この場合、出力
部材に過負荷が作用すると、トルクリミッタの作動によ
り入力部材と出力部材が空転し、安全装置として機能す
る。
【0018】スイッチ手段が作動すると、コイルバネが
出力部材に圧着し、入力部材と出力部材がコイルバネを
介してトルク伝達状態となるため、出力部材は入力部材
から直接大きなトルクで回転駆動される。
【0019】第3の手段のトルク伝達装置は、外輪の径
方向の弾性を調節することにより、伝達トルクの大きさ
を変化させることができる。
【0020】また、外輪の弾性変形を制限する部材に、
温度により弾性率が変化する材料を用いると、温度変化
によって外輪の弾性変形を制限する力が変化するため、
外輪よりローラに加わる力が変化し、トルクリミッタの
伝達トルクを変化させることができる。
【0021】更に変形制限部材に外輪と線膨張係数が異
なる材料を用いると、温度変化による膨張量の差によっ
て外輪を規制する力が変化するため、伝達トルクも変化
する。したがって、変形制限部材の材料を選定すること
により、温度変化に対するトルクリミッタの伝達トルク
の変化率を任意に設定できる。
【0022】第4の手段のトルク伝達装置は、外輪を外
側弾性リングの軸方向の伝達を調節することにより、内
側弾性リングの弾性を変化させ、伝達トルクを変化させ
ることができる。
【0023】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1乃至図6は、窓ガラスの自動開閉機構
(パワーウインド)の駆動装置に、この発明のトルク伝
達装置を組込んだ例を示している。
【0024】図において、1はカバー、2は入力部材で
あり、この入力部材2の外径面にウォームギヤ3が形成
されている。
【0025】このウォームギヤ3には、モータ(図示
略)に接続するウォーム4が噛み合い、そのウォーム4
を介して入力部材2が回転駆動される。
【0026】また、5はドラム形状をした出力部材であ
り、この出力部材5の外径面に、窓ガラスを開閉駆動す
るためのケーブル6が巻き付けられている。
【0027】上記出力部材5と入力部材2は、その中心
軸上に配置した軸7により連結され、この軸7と入力部
材2の間に、入力部材2の回転を軸7に伝える機械式の
トルクリミッタ8が組込まれている。
【0028】このトルクリミッタ8は、図1乃至図4に
示すように、入力部材2の内部孔2aにすき間をもって
嵌合する外輪9と、軸7と共回りする内輪10とを備
え、入力部材2の端部に外輪9の抜け出しを止める押え
蓋11を取付けている。
【0029】上記外輪9は、周面の1ケ所に切り目12
が形成され、この切り目12により径方向に弾性変形可
能になっている。
【0030】また、外輪9の内径面には、等間隔で複数
のポケット15が形成され、この各ポケット15と内輪
10の外径面との間にローラ16が組込まれている。上
記各ポケット15の底面には、その中央位置から円周方
向の反対方向に向って次第に縮径する対の傾斜面17、
18が形成され、この各傾斜面17、18と内輪10の
円筒状の外径面との間で、ローラ16が喰い込むくさび
形空所19を形成している。
【0031】上記ローラ16の径は、くさび形空所19
にわずかに締まり嵌め状態でローラが挿入される大きさ
で形成され、各ポケット15の両側には、ローラ16の
各傾斜面17、18に対する喰い込みを防止するストッ
パ面20、21が形成されている。
【0032】また、外輪9の各ポケット15には、入力
部材2の内側端面に設けた突起13が嵌まり込み、この
突起13により入力部材2のトルクが外輪9に伝達され
るようになっている。
【0033】上記構造のトルクリミッタでは、外輪9が
一方に回転すると、図4に示すように、ローラ16が一
方の傾斜面17と内輪10の間に喰い込んでロック状態
となり、内輪10と外輪9が共回りする。この状態か
ら、内輪10に作用する負荷が増大すると、外輪9が拡
径してローラ16の喰い込み量が増大し、ローラ16が
ストッパ面20に当接した時点でロック作用が喪失し、
それ以上の負荷を支えることができなくなるため、外輪
9が空転する。
【0034】また、外輪9が逆方向に回転すると、ロー
ラ16が他方の傾斜面18と内輪10の間に喰い込み、
上記と同様の作用を行なう。したがって、上記トルクリ
ミッタ8は、両方向の回転において外輪9(入力部材
2)から内輪10(軸7)に加わるトルクが所定量増大
した時にそのトルク伝達を遮断するリミッタとして機能
し、傾斜面17、18のくさび角度やストッパ面20、
21の位置等を変えることにより、伝達トルクの大きさ
を任意に設定できる。
【0035】一方、図1に示すように、入力部材2と出
力部材5の間の軸7表面には、送りねじリング22が組
込まれている。この送りねじリング22は、出力部材5
と共にキー部材23を介して軸7と一体で回転するよう
に取付けられている。
【0036】また、送りねじリング22の外径面には、
ねじ山24と、軸方向に延びるキー25とが形成され、
そのねじ山24に押し込みナット26が螺合しており、
キー25の部分には、噛み合いリング27が軸方向に移
動可能となるように嵌合している。
【0037】上記押し込みナット26の外周面には、カ
バー1に連結した回り止め部材28が嵌合する軸方向の
案内溝29が形成され、送りねじリング22が回転する
と、ねじ山24による推進と回り止め部材28の作用に
より押し込みナット26が軸方向に駆動されるようにな
っている。
【0038】また、押し込みナット26の端面には、先
端に抜け止め用の突起31を設けたフック30が形成さ
れ、このフック30が、噛み合いリング27の端面に形
成された環状溝32に入り込んでいる。このフック30
と環状溝32の奥側端面の間には、押し込みナット26
の軸方向の動きを許容するすき間33が設けられ、その
すき間33に、ナット26と噛み合いリング27を離反
する方向に付勢する圧縮コイルバネ34が組込まれてい
る。
【0039】また、噛み合いリング27と入力部材2の
対向面には、図1及び図6に示すように、それぞれ噛み
合いクラッチ35を形成するクラッチ歯36、37が形
成されている。この各クラッチ歯36、37は、円周方
向に等ピッチで配列された複数の歯から成り、噛み合い
リング27と入力部材2が所定距離まで接近すると互い
に噛み合い、リング27と入力部材2を一体で回転する
ように連結する。
【0040】上記の構造では、押し込みナット26と噛
み合いリング27及び圧縮コイルバネ34が、入力部材
2と出力部材5の間で往復動する係合部材を構成する。
【0041】実施例の窓ガラスの自動開閉機構は上記の
ような構成からなり、図1は窓ガラスが全開した状態を
示している。
【0042】この状態から、窓ガラスを閉めるためにモ
ータを回転させると、ウォーム4により入力部材2が回
転し、トルクリミッタ8の外輪9にトルクが伝えられ、
ローラ16が外輪9の傾斜面17、18の一方と内輪1
0の間に喰い込んでロックする。これにより、内輪10
を介して軸7にトルクが伝達され、送りねじリング2
2、噛み合いリング27及び出力部材5が一体で回転
し、出力部材5に巻取られるケーブル6により窓ガラス
が閉鎖方向に駆動される。
【0043】この窓ガラスの閉鎖途中において、窓ガラ
スに異物が挟まれる等の過負荷が生じ、トルクリミッタ
8の伝達トルク以上の負荷になると、外輪9が拡径して
内輪10が空回りし、軸7に対して入力部材2が空転す
る。
【0044】過負荷が生じずに、軸7にトルクが伝達さ
れ続けると、送りねじリング22が回転し、ねじ山24
の駆動により回り止めされた押し込みナット26が入力
部材2に向かって(図1の右方向)送られる。このナッ
ト26の移動により、圧縮コイルバネ34を介して噛み
合いリング27が軸方向に移動し、入力部材2に接近し
た時点で対向したクラッチ歯36、37が係合する。こ
れにより、モータのトルクが入力部材2からクラッチ3
5を介して直接噛み合いリング27に伝達され、送りね
じリング22を経て軸7に伝達される。
【0045】ここで、上記クラッチ35が噛み合う位置
を、窓ガラスが窓枠に入り込む少し前側となるように設
定することにより、トルクリミッタ8の伝達トルクの大
きさに関係なく窓ガラスを大きな力で窓枠に入り込ませ
ることができ、窓ガラスを確実に締め切ることができ
る。
【0046】なお、上記窓ガラスを締め切る際、入力部
材2と噛み合いリング27間に回転の位相差があり、ク
ラッチ歯36、37の歯の表面同士が当接してクラッチ
35が噛み合わなかった場合は、トルクリミッタ8によ
ってトルクが伝達され、送りねじリング22が押し込み
ナット26を送り出しても、圧縮コイルバネ34がたわ
むことにより噛み合いリング27の軸方向の移動が止め
られる。
【0047】この状態で、窓ガラスが窓枠に当たると、
過負荷となってトルクリミッタ8が機能し、入力部材2
が空転するが、この空転により入力部材2と噛み合いリ
ング27の位相がずれるため、クラッチ35が正規に噛
み合い、入力部材2と出力部材5が一体化される。
【0048】一方、窓ガラスを開ける場合は、モータを
逆回転し、入力部材2を逆方向に回転させる。この場合
は、押し込みナット26と噛み合いリング27が上記と
は反対方向に移動し、窓ガラスが窓枠から抜け出た時点
でクラッチ35の噛み合いが外れるため、それ以降はト
ルクリミッタ8を介してトルクが伝達されるようにな
る。
【0049】図8乃至図18は、第2の実施例を示して
いる。この実施例においては、ドラム形状をした出力部
材5の外周面に、その外周面を複数回めぐる螺旋溝51
が形成され、その螺旋溝51に、窓ガラスを駆動するた
めのワイヤケーブル6が巻き付けられている。
【0050】このワイヤケーブル6は、図11及び図1
2に示すように、両端部がそれぞれ出力部材5に固定さ
れ、その両端側から出力部材5の螺旋溝51に巻き付い
ている。この場合、窓ガラスが全開の状態(図11の状
態)から、出力部材5が窓ガラスを上昇させる方向に回
転すると、左側のワイヤケーブル6aが巻き付き、右側
のワイヤケーブル6bが外れていくように設定されてい
る。反対に、窓ガラスが全閉の状態(図12の状態)か
ら下降する方向に回転すると、上記とは逆方向にワイヤ
ケーブル6の巻き付き状態が変化する。
【0051】また、入力部材2と出力部材5の各端面に
は、対向して環状の凹所52が形成され、その凹所52
の内周面に、それぞれキー53を介して駆動側と従動側
となる嵌合リング54、55が係止されている。
【0052】この各嵌合リング54、55は、外径寸法
がほぼ同一の寸法で形成され、その隣接する端面が突き
合された状態で組込まれている。
【0053】また、上記各嵌合リング54、55の外径
面には、その両リングにまたがるようにバネクラッチと
して機能するコイルバネ56が巻き付けられている。
【0054】このコイルバネ56は、大径部57と小径
部58とから形成されており、その大径部57の内径
が、従動側の嵌合リング55の外径よりも大きい寸法と
され、その嵌合リング55の外側にすき間をもって大径
部57が嵌合している。
【0055】また、小径部58の内径は、駆動側の嵌合
リング54の外径よりも小さな寸法とされ、その嵌合リ
ング54の外径と小径部58が締め代をもって嵌合して
いる。さらに、この小径部58の端部には径方向に屈曲
するフック59が形成され、そのフック59が嵌合リン
グ54(又は入力部材2)に設けた孔60に係合し、コ
イルバネ56と入力部材2が共回りするように連結して
いる。
【0056】さらに、上記出力部材5において、外径面
の1ケ所には、出力部材5の外周面まで貫通する径方向
の貫通孔61が形成され、その貫通孔61に押し付け片
62が移動可能に組込まれている。
【0057】上記貫通孔61の外径端部は、ワイヤーケ
ーブル6が巻き付く螺旋溝51上に開口しており、窓ガ
ラスが窓枠の上端部に入る少し前にワイヤケーブル6が
貫通孔61の上を通るような位置に設定されている。
【0058】また、貫通孔61の内径端部は、コイルバ
ネ56の大径部57の外径側に向かい合うように開口し
ており、押し付け片62は、貫通孔61の内部で螺旋溝
51とコイルバネ56に向かって移動可能になってい
る。
【0059】この押し付け片62は、上端部が、出力部
材5の外周面より若干突出するように貫通孔61に挿入
され、その上端部に螺旋溝51の一部が形成されてい
る。
【0060】この構造においては、ワイヤケーブル6が
出力部材5に巻き付くと、ワイヤケーブル6が押し付け
片62を設けた螺旋溝51を通り、その張力によって押
し付け片62を径方向内側に押し込むことになり、この
押し込みにより、コイルバネ56の大径部57が出力部
材5に取付けた従動側の嵌合リング55に圧着する。こ
の場合、コイルバネ56が縮径する方向に出力部材5が
回転することにより、圧着した大径部57と嵌合リング
55が締まり込み、コイルバネ56と出力部材5をトル
ク伝達状態にする。上記の構造では、ワイヤケーブル6
と押し付け片62が、コイルバネ56のトルク伝達状態
を切換えるスイッチ手段を構成する。
【0061】一方、図8及び図9に示すように、出力部
材5の内径面と、その中心を通る軸7との間には、軸7
(すなわち入力部材2)の回転を出力部材5に伝える機
械式のトルクリミッタ63が組込まれている。
【0062】このトルクリミッタ63は、ローラ16や
傾斜面17、18、ストッパ面20、21を有するとい
う基本的な構造は、前述した第1の実施例のトルクリミ
ッタ8と同じであるが、そのトルクリミッタ8とは異な
り、出力部材5の突起13’がポケット15の一端に嵌
入される。また外輪64が出力部材5の内部孔にすき間
をもって嵌合し、軸7の外径に円筒面65が形成され、
軸7の端部に外輪64の抜け出しを止める蓋66を取付
けている。
【0063】上記外輪64は、周面の1個所を分離した
2つの弾性リング67、68を径方向に積層嵌合させて
形成されその各リング67、68にそれぞれ設けた切れ
目69、70により、全体として径方向に弾性変形可能
になっている。
【0064】また、外輪64において、図15及び図1
6に示すように、外側の弾性リング68の切れ目70に
は、内側の弾性リング67の切れ目69から径方向に突
出した突起71、71が嵌合し、その対向する各突起7
1、71の側面と弾性リング68の切れ目70の端面と
に、軸方向に傾斜するテーパ面72、73が形成されて
いる。
【0065】この両テーパ面72、73は、各弾性リン
グ67、68の幅方向の全長にわたって同じ角度で平行
に傾斜している。
【0066】また、外輪64を収納する出力部材5の内
径面には、ねじ山74が形成され、そのねじ山74に、
外側の弾性リング68を出力部材5の奥側に向かって移
動させるねじリング75が取付けられている。
【0067】さらに、出力部材5の閉塞壁と外側の弾性
リング68との間には、弾性リング68をねじリング7
5に向かって押圧する押圧ばね76が組込まれており、
この押圧ばね76の弾性力により、ねじリング75と外
側の弾性リング68が一体で軸方向に移動する。
【0068】上記構造のトルクリミッタでは、外輪64
において、内側の弾性リング67の最大拡径量に対し
て、内外側の弾性リング67、68間の嵌合すき間を小
さく設定した場合、内側の弾性リング67が拡径する
と、切れ目69が拡がり、突起71が左右に開くが、そ
れに伴って外側の弾性リング68の切れ目70が拡が
り、弾性リング68が拡径する。このとき、内側の弾性
リング67の拡径量が一定であるため、弾性リング68
の切れ目70と突起71に設けたテーパ面72、73間
のすき間量の大きさによって、外側の弾性リング68の
拡径量が変化する。
【0069】上記の場合、外輪64からローラ16に加
わる力(伝達トルクを発生する力)は、内側の弾性リン
グ67の拡径によるものと、外側の弾性リング68の拡
径によるものの総和したものとなり、ねじリング75を
操作して進退させ、外側弾性リング68の内側弾性リン
グ67に対する軸方向の位置を変化させる。これにより
両者のテーパ面73、72の嵌合深さが変わるので、外
側の弾性リング68の拡径量が変化する。これにより、
外輪全体よりローラ16に加わる力が変化し、伝達トル
クを変化させることができる。
【0070】第2の実施例は上記のような構造から成
り、窓ガラスの自動開閉機構に組込む場合は、窓ガラス
を上昇させる(閉じる)場合の出力部材5の回転方向
が、コイルバネ56が縮径する方向、すなわち、コイル
バネ56の大径部57が従動側の嵌合リング55の外径
に締まり込む方向となるように設定する。
【0071】いま、窓ガラスが全開の状態から、モータ
を窓ガラスが閉まる方向に回転させると、窓ガラスが窓
枠に当たるまでは、コイルバネ56と出力部材5の嵌合
リング55が図13に示すようにすき間をもって空回り
状態にあるため、入力部材2のトルクは、軸7からトル
クリミッタ63を経て出力部材5に伝達される。これに
より、図11のように回転する出力部材5に対してワイ
ヤケーブル6が左側より巻き付き、右側から外れていく
ことにより、窓ガラスが上昇する。
【0072】このとき、螺旋溝51に巻き付いていくワ
イヤケーブル6には、窓ガラスを上昇させるための大き
な張力が加わっている。
【0073】また、上記のように窓ガラスが上昇してい
く状態で、窓ガラスと窓枠の間に異物がはさまれると、
窓ガラスに過負荷が加わり、トルクリミッタ63が空転
して窓ガラスの上昇が停止する。
【0074】一方、過負荷が生じずに窓ガラスが上昇
し、窓枠の少し前でワイヤケーブル6が押し付け片62
の上部まで巻き付くと、ケーブルの張力によって押し付
け片62が径方向に押し込まれ、コイルバネ56の大径
部57を出力部材5の嵌合リング55に押し付ける。
【0075】このように、空転状態にあるコイルバネ5
6の大径部57と嵌合リング55に所定の押し付け力F
が加わると、大径部57が嵌合リング55の外径面に圧
着され、その両者の間に摩擦力が生じる。
【0076】この状態で、窓ガラスが窓枠に当たると、
過負荷が生じてトルクリミッタ63が空転し、入力部材
2と出力部材5が相対回転する。それに伴い、駆動側の
嵌合リング54と従動側の嵌合リング55も相対回転す
るため、コイルバネ56において嵌合リング54に固定
する小径部58と嵌合リング55に圧着する大径部57
とが相対回転し、コイルバネ56全体がねじれられる。
【0077】このとき、従動側の嵌合リング55(出力
部材5)の回転がコイルバネ56を縮径させる方向に設
定してあるため、上記ねじれによってコイルバネ56の
大径部57が縮径して嵌合リング55に強く締まり込
む。
【0078】このため、コイルバネ56を介して駆動側
の嵌合リング54と従動側の嵌合リング55の間で直接
トルクが伝達されることになり、出力部材5が回転して
窓ガラスを窓枠に締め切る。
【0079】上記の場合、コイルバネ56のねじれる力
の大小は、コイルバネ56と嵌合リング55間の摩擦
力、即ち、加えられる押し付け力Fによって決まる。す
なわち、押し付け力Fが大きいと、コイルバネ56が大
きな力でねじられ、大きな力でねじられるほど、コイル
バネ56は強く縮径し、従動側の嵌合リング55との締
め代が大きくなる。したがって、コイルバネ56の伝達
トルクの大きさは、嵌合リング55とバネの形状寸法が
一定の場合、押し付け片62による押し込み力F、すな
わちワイヤケーブル6の張力によって決定されることに
なる。
【0080】次に、窓ガラスを下降させる場合は、上記
とは逆の方向にモータが回転し、トルクリミッタ63を
介してトルクが伝達される。このとき、出力部材5は逆
方向に回転し、図12において左側のワイヤケーブル6
aが外れていき、右側のワイヤケーブル6bが巻き付い
ていくことにより、押し付け片62は再び押し込まれ、
図11のような状態になる。
【0081】ところで、上記の下降状態から窓ガラスが
上昇し、その途中で異物等がはさまれた場合を考える
と、過負荷によってトルクリミッタ63が空転し、コイ
ルバネ56がトルク伝達状態に切換わることになる。
【0082】しかし、窓の締め切り時に大きなトルクを
伝達している状態で、左側のワイヤケーブル6aが押し
付け片62を押す力に比較して、窓ガラスの下降時に右
側ワイヤケーブル6bが巻き付くことにより押し付け片
62を押す力は数段小さくなる。したがって、コイルバ
ネ56が嵌合リング55に押し付けられる力は、窓ガラ
スの締め切り時に比較して、下降時および上昇途中は小
さくなる。このように、コイルバネ56の伝達トルクは
押し付け力Fによって決まるため、締め切り時の大きな
力がかかった時のみバネクラッチが所定のトルクを伝達
するようにコイルバネ56を設計すると、上昇途中の安
全装置の機能は失われない。
【0083】図18及び図19は第3の実施例を示して
いる。この例では、出力部材5の外周面に形成する螺旋
溝51を一部変則的な形状とし、窓ガラスの下降時に右
側よりワイヤケーブル6が巻き付く際に、押し付け片6
2を押すことなく出力部材5に巻き付き、締め切り時に
左側のワイヤケーブル6のみが押し付け片62を押すよ
うに形成している。これにより、前述した窓ガラス上昇
時の安全装置としての機能をより安定して確保すること
ができる。
【0084】なお、上述した第1乃至第3の実施例にお
いて、入力部材2又は出力部材5と軸7の間に組込まれ
るトルクリミッタは、実開平4−71827号公報で提
案された2層構造の両方向トルクリミッタを用いること
ができる。
【0085】また、窓ガラス等の自動開閉機構では、窓
ガラスを締め切る方向での異物噛み込みに対する安全機
能があれば充分であるため、トルクリミッタとしては、
その締め切り方向でのみ作動する一方向トルクリミッタ
を用いるようにしてもよい。
【0086】この一方向トルクリミッタとしては、特開
平3−14922号公報で提案されたローラ式トルクリ
ミッタや、特開平5−26256号公報で提案されたば
ね式トルクリミッタ、特開平5−312227号公報で
提案された分離型外輪を用いたトルクリミッタなどを採
用することができる。
【0087】また、図7に示すように、外筒41と内筒
42の間にコイルバネ43と摩擦板44を組込み、摩擦
板44と内筒42のフランジ45との間に生じる摩擦力
によりトルクを伝達する摩擦式のトルクリミッタを、実
施例の入力部材2と軸7の間に組込むようにしてもよ
い。
【0088】一方、図20及び図21は第4の実施例を
示している。この例は、前述した第2の実施例におい
て、トルクリミッタが使用される雰囲気温度の変化に応
じて伝達トルクの大きさを任意に設定できる調整構造を
付加したものである。
【0089】すなわち、この実施例では、トルクリミッ
タ63において、外輪64の内側の弾性リング67の切
れ目69に、全体がゴムで形成された変形制限部材81
を挿入し、その変形制限部材81の両側を切れ目69の
端面に接着している。
【0090】上記の構造においては、モータによって入
力部材2と共に軸7が回転することによりトルクリミッ
タ63の弾性リング67が拡径すると、変形制限部材8
1が引っ張られて外輪64全体の拡径を規制する。これ
により、変形制限部材81を挿入していない状態に比べ
て、外輪64の剛性が高くなる。また、窓ガラス上昇時
に異物等が挟まり、出力部材5に過負荷が生じるとトル
クリミッタ63が空転するが、変形制限部材81が挿入
されているので、空転時に外輪64よりローラ16に加
わる力が大きくなって、伝達トルクは大きくなる。
【0091】この状態で、使用時の雰囲気温度が低温に
なると、ゴムのバネ定数が常温に比べて大きくなるた
め、外輪の拡径を規制する力は大きくなる。従って、低
温時は外輪の剛性がさらに高くなり、伝達トルクも大き
くなる。また、ゴムのバネ定数は低温になるほど大きく
なるため、それに伴い伝達トルクも大きくなる。さら
に、外輪とゴムの線膨張係数の差より、変形制限部材8
1が外輪を規制する力が強くなり、伝達トルクはいっそ
う大きくなる。
【0092】図22及び図23は、第5の実施例を示
し、この例では、上記弾性リング67の切れ目69に形
成した突起71、71の外側面に、それぞれゴム製の変
形制限部材82、82を配置し、この各制限部材82、
82により外輪64の拡径量を制限している。
【0093】上記第4及び第5の実施例では、変形制限
部材81、82のゴムの材質を選定することにより、温
度変化に対する伝達トルクの変化率を任意に設定でき
る。このため、雰囲気温度が低温になるに伴って摺動抵
抗等の増加により駆動に必要な動力が大きくなる機械に
トルクリミッタを組込んだ場合でも、温度変化に応じて
任意トルクを適切に変化させることができ、低温時に機
械を駆動する動力が増加したり、トルクリミッタが空転
して機械を作動できないという不都合を無くすことがで
きる。
【0094】なお、上記第4と第5の実施例において
は、変形制限部材81、82全体をゴムで形成し、温度
変化によって弾性率が変化する特性と、線膨張係数が外
輪とは異なる特性とを合わせもつ材料で形成したが、そ
の一方の特性だけをもつ材料で制限部材を形成するよう
にしても、上記と同様の作用を得ることができる。
【0095】また、変形制限部材81、82は、内側の
弾性リング67ではなく、外輪64の外側の弾性リング
68に取付けても、外輪全体の変形量を温度変化に応じ
て変化させることができる。
【0096】さらに、上記のように変形制限部材によっ
てトルクリミッタの伝達トルクを変化させる構造は、前
述した第1の実施例に対しても同様に適用することがで
きる。
【0097】図24乃至図26は、第6の実施例に示し
ている。この実施例は、図8に示した第2の実施例にお
いて、トルクリミッタ63の発生トルクの調節手段を変
えたものである。即ち、図8の場合は、前述のように、
蓋66の外径面に嵌合したねじリング75を回転させ、
出力部材5のねじ山74に従って進退させる。これによ
り、外側弾性リング68を軸方向に移動させてその拡径
量を変化させることにより、伝達トルクを変化させてい
たが、第6の実施例においては、出力部材5の内径面に
嵌合溝85を形成し、軸7のまわりに若干のすき間をも
って嵌合した蓋86の外径面にリブ87を形成してあ
る。上記のリブ87を若干の締め代(組み込み後もある
程度の力で回転させることができる程度)をもって嵌合
している。
【0098】上記蓋86の内側端面には図26に示すよ
うに、軸穴88のまわりに内側弾性リング67の押さえ
面89が設けられ、その押さえ面89の径方向外側に周
方向の傾斜面90が数箇所(本実施例では3箇所)に等
配に設けられている。
【0099】また、外輪64の外側弾性リング68’
は、その蓋側端面に前記各傾斜面90と対向した位置に
同じ数の突起91が等配に設けられ、ばね76に押し付
けられて各傾斜面90に接触している。その他の構成は
前述の第2実施例と同じである。
【0100】上記第6の実施例において、蓋86を回転
させると、その各傾斜面90と弾性リング68の突起9
1との接触位置が変わり、弾性リング68’が軸方向に
移動する。これによりテーパ面72、73の嵌合状態が
変化し、拡径量が変化して、伝達トルクが変化する。こ
の作用は第2の実施例と同じであるが、本実施例の場合
は、第2の実施例の出力部材5にねじ山74(図8参
照)を形成する必要がなく、また、第2の実施例の蓋6
6とねじリング75の2部材の機能を一部材の蓋86に
より果すことができる。
【0101】図27及び図28は、第7の実施例を示し
ている。この実施例は、入力部材2の外端面に内部孔2
aを設け、その内部孔2aを貫通する軸7のまわりにト
ルクリミッタ63を組込んだものである。トルクリミッ
タ63は、軸7のまわりに内輪91を嵌着した構成以外
は前述の図24の場合と同様である。但し、この場合
は、入力部材2の突起13を外端64の内側弾性リング
67のポケット15に嵌入している。また蓋86のリブ
87を入力部材2に設けた嵌合溝85に嵌合し、この蓋
86を回転させることにより伝達トルクを調節するよう
にしている。
【0102】前記の入力部材2の内端には軸7が回転自
在に貫通するボス部93が突設され、そのボス部93の
外径面に従動側嵌合リング55がキー53により一体に
回転できるように嵌合される。また、出力部材5にも、
前記ボス部93と対向したボス部94が設けられ、キー
95により軸7と一体に回転できるように嵌合される。
このボス部94の外径面にも、キー53により駆動側嵌
合リング54がキー53により一体に回転できるように
嵌合される。
【0103】上記の両嵌合リング53、54のまわりに
はコイルバネ56が嵌合され、その小径部58が駆動側
嵌合リング54のまわりに密着固定され、大径部59が
従動側嵌合リング55のまわりに若干のすき間をもって
嵌合される。また大径部57の外径面の一部に押し付け
片62が接触しており、その押し付け片62は前述の第
2実施例のバネクラッチと同様に外力部材5の外径面に
露出し、ワイヤーケーブル6の張力によりコイルバネ5
の大径部57に押し付けられスイッチ作用をなす。
【0104】以上述べた第7の実施例も前述のものと同
様の作用によりトルクの伝達及び遮断を行うが、トルク
リミッタ63を入力部材2の内部孔2aに組込んだこと
により、出力部材5にはバネクラッチのみが組込まれる
ことになり、前述の他の実施例に比べ出力部材5の外径
が小さくなる。
【0105】これによりワイヤーケーブル6の巻き取り
に要するトルクが小さくなる利点がある。またトルクが
小さくなることによりトルクリミッタ63に加わる力も
小さくなってその寿命が延び、更に全体が小型化される
利点がある。
【0106】
【効果】以上のように、この発明の第1及び第2の手段
は、機械式のトルクリミッタとクラッチを併設し、作動
の途中で伝達トルクの大きさを変化できるので、自動開
閉機構に用いることにより過負荷に対する安全停止機能
と確実な開閉駆動とを共に実現することができる。
【0107】また、トルクの大きさを機械的に感知でき
るため、電気式の安全装置に比べて信頼性が高く、構造
が簡単で安価な安全装置を提供できる利点がある。
【0108】一方、この発明の第3及び第4の手段のト
ルク伝達装置は、外輪の径方向の弾性を調節するだけで
伝達トルクの大きさを変化させることができる便利さが
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示す縦断正面図
【図2】図1のII−II線の断面図
【図3】図2の要部を拡大して示す断面図
【図4】(a)(b)はそれぞれトルクリミッタの作用
状態を示す断面図
【図5】図1のV−V線の断面図
【図6】図1のVI−VI線の断面図
【図7】摩擦式のトルクリミッタを示す断面図
【図8】第2の実施例を示す縦断正面図
【図9】図8のIX−IX線の断面図
【図10】図8の要部を拡大して示す断面図
【図11】(a)(b)(c)はそれぞれ窓ガラス全開
時のワイヤケーブルの巻き付け状態を示す図
【図12】(a)(b)(c)はそれぞれ窓ガラス全閉
時のワイヤケーブルの巻き付け状態を示す図
【図13】(a)(b)はそれぞれ通常時のコイルバネ
と嵌合リングの嵌め合い状態を示す図
【図14】(a)(b)はそれぞれコイルバネ押し込み
時のコイルバネと嵌合リングとの嵌め合い状態を示す図
【図15】トルクリミッタの頂部を拡大して示す断面図
【図16】トルクリミッタの頂部の一部横断平面図
【図17】(a)(b)はそれぞれトルクリミッタの作
用状態を示す断面図
【図18】(a)(b)(c)はそれぞれ第3の実施例
を示す図
【図19】(a)(b)(c)はそれぞれ同上の作用状
態を示す図
【図20】第4の実施例を示す縦断正面図
【図21】図20のXXI −XXI 線の縦断側面図
【図22】第5の実施例を示す縦断正面図
【図23】図22のXXII−XXII線の縦断側面図
【図24】第6の実施例を示す縦断正面図
【図25】図24のXXIV- XXIV線の縦断側面図
【図26】第6の実施例の一部を示す分解斜視図
【図27】第7の実施例を示す縦断正面図
【図28】図27のXXVII −XXVII 線縦断側面図
【符号の説明】
1 カバー 2 入力部材 4 ウォーム 5 出力部材 7 軸 8 トルクリミッタ 9 外輪 10 内輪 15 ポケット 16 ローラ 17、18 傾斜面 20、21 ストッパ面 22 送りねじリング 26 押し込みナット 27 噛み合いリング 28 回り止め部材 34 圧縮コイルバネ 35 クラッチ 36、37 クラッチ歯 51 螺旋溝 54、55 嵌合リング 56 コイルバネ 57 大径部 58 小径部 61 貫通孔 62 押し付け片 63 トルクリミッタ 64 外輪 65 円筒面 67、68 弾性リング 69、70 切れ目 72、73 テーパ面 81、82 変形制限部材 85 嵌合溝 86 蓋 87 リブ 88 軸穴 89 押さえ面 90 傾斜面 91 突起 92 内輪 93 ボス部 94 ボス部 95 キー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力部材と出力部材を軸で連結し、上記
    入力部材に、出力部材に対して一定のトルクが負荷され
    た時に入力部材と軸を空転させるトルクリミッタを組込
    み、上記軸に、軸の回転によって出力部材と入力部材の
    間を往復動するように駆動される係合部材を取付け、こ
    の係合部材と入力部材に、係合部材が出力部材から所定
    量離れた位置で互いに噛み合うクラッチを設けた安全機
    能を有するトルク伝達装置。
  2. 【請求項2】 上記軸の表面にねじを形成し、このねじ
    と回り止め手段により係合部材を軸方向に駆動するよう
    にした請求項1に記載の安全機能を有するトルク伝達装
    置。
  3. 【請求項3】 上記係合部材が、往復動の駆動力を受け
    る部材と、クラッチを備える部材とに分割され、その両
    部材の間に弾性材を介在させて成る請求項1又は2に記
    載の安全機能を有するトルク伝達装置。
  4. 【請求項4】 入力部材と出力部材をトルクリミッタを
    介して連結し、入力部材に連結したコイルバネの端部を
    出力部材にすき間をもって嵌合させ、その出力部材に
    は、出力部材の所定の回転位置で上記コイルバネの端部
    を出力部材に圧着してトルク伝達状態にするスイッチ手
    段を組込んだ安全機能を有するトルク伝達装置。
  5. 【請求項5】 上記出力部材をドラム形状として、その
    外周に動力伝達用のケーブルを巻付け、そのケーブルの
    巻き付けと上記スイッチ手段の作動とを連動させた請求
    項4に記載の安全機能を有するトルク伝達装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のトル
    ク伝達装置において、トルクリミッタが、径方向に弾性
    変形する外輪の内側に、円筒状の外径面をもつ内方部材
    を挿入し、その外輪の内径面と内方部材の外径面との間
    にローラを締め代をもって組込み、外輪の内径面に、上
    記ローラが中立位置から正逆方向に回転した時に外輪を
    拡径させる対の傾斜面を設け、上記外輪と内方部材のい
    ずれか一方を入力部材に、他方を出力部材に連結させて
    形成されている安全機能を有するトルク伝達装置。
  7. 【請求項7】 上記外輪を、径方向に積層嵌合する複数
    の弾性リングにより形成し、その各弾性リングの嵌合面
    の一部又は全部を、軸方向に傾斜するテーパ面をもって
    対向させ、上記各弾性リングを相互に軸方向に相対移動
    させる移動手段を備えてなる請求項6に記載の安全機能
    を有するトルク伝達装置。
  8. 【請求項8】 上記トルクリミッタの内部に、外輪の変
    形量を制限する変形制限部材を設け、その変形制限部材
    の一部又は全部を、温度変化によって弾性率が変化する
    材料で形成した請求項6又は7に記載の安全機能を有す
    るトルク伝達装置。
  9. 【請求項9】 上記トルクリミッタの内部に、外輪の変
    形量を制限する変形制限部材を設け、その変形制限部材
    の一部又は全部を、線膨張係数が外輪とは異なる材料で
    形成した請求項6又は7に記載の安全機能を有するトル
    ク伝達装置。
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