JPH0823216B2 - コンクリート分配装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、コンクリートの分配装置に関する。

〔従来の技術〕

コンクリートの混合物を配給する作業は、ほとんどの
場合、手作業で行われている。作業員は、コンクリート
混合物を手押し車で運び、シャベルで分配している。ホ
ースを通じてコンクリートが供給される場合、ホースは
梁やフロアにおかれ、作業の間、手作業でホースを運ば
なければならない。この作業は、重労働でかなりの危険
を伴う。

従って、この種のコンクリートの配給作業の労力を軽
減するために、種々の装置が考案されている。

米国特許第4,519,768号は、コンクリート混合物の配
給装置を開示している。この装置は、複数の相互に回動
自在に連結されたリンクが複数のチューブからなる供給
管を支持するアーム構造の装置で、建築物のビームに支
持されるようになっている。コンクリートで満たされる
供給管は、かなりの重量をリンクに及ぼすので、回動軸
にはかなりの負荷がかかり、釣り合いをとる必要があ
る。ある程度、回動軸の負荷を補償するために、変形に
対処するために傾斜した構造が望まれる。このため、高
価で重量のある構造になる。また、この装置は、非常に
大型のビル構造用に設計されており、オペレータはアー
ム端部のキャビンで操作するようになっている。

〔発明が解決しようとする課題〕

そこで、本発明の目的は、前記従来技術を有する問題
点を解消し、実際の作業の状況に応じて任意の場所に供
給管をとどかせることができ、軽量で作業員一人または
二人でも運搬することができ、設置が容易で取り扱いや
すい新しい構造のコンクリート分配装置を提供すること
を目的とする。

〔実施例〕

以下、本発明によるコンクリートの分配装置の一実施
例について添付の図面を参照して説明する。

第１図は、本実施例の側面図である。高圧のコンクリ
ート混合の分配装置は、片持梁を含み、全体を符号１で
表すこの片持梁は、捻りに対する強度を有している。図
示した実施例において、この片持梁１は、骨組み構造物
でＡ−Ａで示す垂直軸まわりに回動可能である。このた
め、片持梁１は、回動軸３から同軸的に下方に延び、回
動軸４から上方に延びる垂直支柱２を有している。回動
軸３、４は、旋回軸Ａ−Ａと同軸になっている。

回動軸３、４は、それぞれ片持梁の取り付け部材５、
６に挿通されている。この取付部材５、６は、ボルトな
どの締結部材によって、建築物の一部をなす壁や、梁な
どの静止物体に固定される。

第１図に示されるように、支持物８には、取付部材
５、６に加えて、取付部材５の垂直上方に取付部材７が
固着されている。

片持梁１の上部には、第１の供給管９が支持されてい
る。この第１供給管は、90゜曲がったエルボ管を介して
図示しないコンクリートポンプと接続されている。第１
供給管９の他端は、下方に延び90゜屈曲するエルボ管11
と接続され、さらに90゜屈曲するエルボ管12と接続され
る。エルボ管12は、エルボ管11に軸Ｂ−Ｂについて回動
自在に連結され、第２の供給管13が接続されている。こ
の第２供給管13は、供給管14に接続される。供給管とエ
ルボ管は、コンクリート混合物のリークを防げるように
シールを介して接続される。好ましくは、作業員一人が
取り扱い可能な図示されないホースが先端の供給管に接
続され、コンクリート混合物がそのホースから吐出され
る。

片持梁１は、その一端に垂直支持部16を有し、これに
よって、アッパエルボ管11が支持されるとともに、スト
ライブ15によって補強されている。鉛直軸17は、回動軸
Ｂ−Ｂと同軸であってロワーエルボ管12に溶接されてお
り、片持梁１から延在する支持板18の開口を通って延び
ている。

ステーとしてのスチールケーブル19は、その一端が片
持梁１に乗っている供給管９に取り付けられ、他端が回
動軸Ａ−Ａ回りに取付具20を介して回動自在に繋着し、
間にターンバックル21を用いて必要に応じてスパンを調
整することができる。

支持部16の上端には、前記取付具20と同種の取付具22
が回動軸Ｂ−Ｂ回りに回動自在に取付けられ、この取付
具22を介して第２のスチールケーブル23が繋着してい
る。このスチールケーブル23の他端は、取付具24によっ
て供給管13に取付けられ、ターンバックル25によってそ
のスパンが調整可能になっている。ターンバックル21、
25によって、ケーブル19、23のスパンを調整すること
で、片持梁１と供給管13のバランスをとることができ、
片持梁１と供給管13を水平に支持することができる。

片持梁１並びに供給管が自然に回動してしまうのを防
止するために、ケーブルのスパンの調整をできるだけ正
確に行うことが重要である。このため、好適には、さら
にステーとして延長自在なケーブル26を取付具20、22の
間に張り、さらに供給管14を支持するために同様の延長
自在なケーブル27を張ることが望ましい。

本実施例によれば、第２供給管13をエルボ管12の回動
軸Ｂ−Ｂと同軸上回動自在に繋着するスチールケーブル
23、27によって支持するようにしているので、重量が軽
く、標準サイズのものでは、作業場に一人か二人で搬送
することができる。長さと、供給管の旋回半径ならび本
数は、ステーのテンション、スパンを調整することで、
その状況に応じてアレンジすることができる。図面に示
したように、シャフト17に支持されるキャリアを用いて
カウンタウェイト28を移動自在に設けることができる。
キャリアは、ホイール29、30を備え、先端部の供給管の
地面、床、あるいは支持部31上での移動を容易にする。

このような分配装置によれば、回動軸Ａ−Ａ、Ｂ−Ｂ
回りに供給管を旋回させて所望の地点に向けることがで
きる。また、片持梁をコラムに取付けられるような取付
け具を用いることによって360゜の旋回が可能になり、
片持梁と供給管の長さの分だけの旋回半径の領域をカバ
ーすることができる。供給管の寸法と長さを変えること
で、実際の要求に対応でき、片持梁は伸縮自在のモジュ
ールとして製作し、有効長さを調整することができる。
片持梁、供給管の標準的な長さは１メートルまたは２メ
ートル程度である。

設置を容易とするために、片持梁１の下部には、ホイ
ール29が移動自在に設けられる。この場合、ホイール29
の移動には、スパンを調整可能なケーブルが用いられ
る。

分配装置を鉛直なコラムに取り付ける場合は、このコ
ラムにねじで固定される円筒部材を用い、その円筒部材
の先端にケーブルステーを取付けることができる。その
場合、装置のバランスをとるために、カウンタウェイト
を配置することが好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明のよる一実施例の側面図である。 １……片持梁、２……垂直支柱、５、６……取付け部
材、９……供給管、11、12……エルボ管、13、14……供
給管、19……ステー、21……ターンバックル、23……ス
テー、25……ターンバックル、28……カウンタウェイト

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも二つの管部分から構成された供
   給管（9,13）を有し、その上流側の第１部分にある前記
   供給管（９）は片持梁（１）でほぼ水平に支持され、こ
   の片持梁（１）は垂直な幾何学的軸線（Ａ−Ａ）を中心
   として回動自在に取付けられ、構造部材の一部を構成す
   る梁等に取り外し自在に連結することができ、この構造
   部材のところで供給管第１部分（９）の先端部は垂直な
   スイベル継手（11、12）によって、供給管第１部分
   （９）に対してほぼ平行であるようになっているのが別
   の平面内に配置された供給管第２部分（13）に密封的に
   連続し、 供給管第１部分（９）を支持する片持梁（１）はスパン
   を調節自在の第１ステー（19、26）によって、水平面内
   の位置を調節自在に固定することができ、前記第１ステ
   ー（19、26）の一端は片持梁（１）と同じ幾何学的軸線
   （Ａ−Ａ）の同一軸に回動自在に取付けられており、そ
   の反対端は供給管第１部分（９）に或いは供給管第１部
   分（９）の自由端側に固定され、供給管第２部分（13）
   は、スパンを調節自在の第２ステー（23、27）によって
   ほぼ水平面内の位置を調節自在に固定することができ、
   前記第２ステー（23、27）の一端は、前記スイベル継手
   （11、12）と同じ幾何学的軸線（Ｂ−Ｂ）上に回動可能
   に取付けられており、前記第２ステー（23、27）の他端
   は、供給管第２部分（13）に或いはその自由端側に隣接
   して固定されていることを特徴とするコンクリート分配
   装置。
2. 【請求項２】前記供給管第２部分（13）に釣合錘（28）
   が取り外し自在に配置され、この釣合錘（28）は、前記
   供給管第２部分（13）に連結された前記供給管第１部分
   （９）の自由度の範囲内で移動することができることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のコンクリート
   分配装置。
3. 【請求項３】前記片持梁（１）は上部（16）及び下部
   （18）を有し、これらは前記供給管第２部分（13）を、
   前記上部（16）及び下部（18）を貫通する鉛直な回動軸
   （17）を中心に回動自在に支持することができることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のコンクリート
   分配装置。
4. 【請求項４】前記片持梁（１）が、軸を支持するように
   なった垂直な管、即ち梁を含む骨組構造の形状を有し、
   この管、即ち梁によって前記片持梁は壁等に回動自在に
   連結され、ほぼ水平な梁が前記管、即ち梁の上部から延
   び、前記供給管第１部分（13）の取付体が設けられ、ま
   た、前記管、即ち梁の下部から延びる梁が水平平面に対
   して鋭角をなし、この梁の自由端は、前記片持梁下部を
   構成するほぼ水平な板、並びに上梁に連結され、前記骨
   組み構造は、前記上部の一部を構成する支持体（15）を
   持つ前記板を、その端部に有し前記支持体（15）は軸
   （17）のための取付け体即ち回動点を構成し、この軸５
   は片持梁を前記供給管の前記第２部分に回動自在に連結
   し、更に、調節自在のステー（19、26、23、27）のため
   の取付け体を形成し、その他端は壁等に固定されるか或
   いは前記供給管の前記第２部分に固定され、また別の部
   分は前記供給管の片持梁で支持された部分と前記供給管
   の前記第２部分との間の接合部のための取付け体であ
   り、この接合部は、互いに回動自在に連結された二つの
   曲がり管で構成されていることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載のコンクリート分配装置。
5. 【請求項５】前記供給管の前記第２部分並びにここに連
   結された管の部分が、片持梁に連結されたステー取付け
   体（15）まで延びる調節自在のステー（23、27）のため
   の取付け体を有することを特徴とする特許請求の範囲第
   １項乃至第４項に記載のコンクリート分配装置。
6. 【請求項６】前記釣合錘を支持する梁が、互いに入れ子
   式に連結された二つの部分からなることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項に記載のコンクリート分配装置。
7. 【請求項７】前記片持梁がその移動のためのホイール対
   （29）を有し、前記供給管の前記第２部分が、支持操舵
   ホイール（30）を支持することを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載のコンクリート分配装置。
8. 【請求項８】前記片持梁に連結された前記ホイール対
   （29）が、分配装置を定置の支持体にねじ装置等で好ま
   しくは回動自在に連結するため、持ち上げることができ
   るように、片持梁の傾斜表面に沿って移動自在であるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のコンクリ
   ート分配装置。