JPH08231506A - ピリジン塩基類の分離方法 - Google Patents

ピリジン塩基類の分離方法

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JPH08231506A
JPH08231506A JP6198695A JP6198695A JPH08231506A JP H08231506 A JPH08231506 A JP H08231506A JP 6198695 A JP6198695 A JP 6198695A JP 6198695 A JP6198695 A JP 6198695A JP H08231506 A JPH08231506 A JP H08231506A
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Fumio Toda
芙三夫 戸田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 複数のピリジン塩基類を含有する混合物にベ
ンゾピナコールを混合して、少なくとも1種のピリジン
塩基類とベンゾピナコールとの間で包接錯体化反応を行
い、得られた反応混合物から包接錯体の分解温度未満で
包接錯体を形成しなかったピリジン塩基類を留出させ、
次いで包接錯体をその分解温度以上に加熱して、包接錯
体中のピリジン塩基類を遊離して留出させてピリジン塩
基類を分離する。 【効果】 少ないエネルギーで安価な設備費でしかも簡
単な操作でピリジン塩基類の混合物から各ピリジン塩基
類を分別回収することができる。しかも、従来の蒸留に
よる分離精製法では極めて困難であった、沸点の接近し
た3−ピコリン、4−ピコリンを含有する混合物から各
化合物を分別回収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピリジン塩基類の分離
方法に関するものである。ピリジン塩基類は医薬、農薬
の原料、さらには溶剤として産業上重要である。
【0002】
【従来の技術】ピリジン塩基類は、タール分留、あるい
はアセトアルデヒドとアンモニア、またはアセトアルデ
ヒド、ホルムアルデヒドとアンモニアからの合成、等に
よって得られる。しかしながら、このようにして得られ
るピリジン塩基類は数種のピリジン塩基の混合物である
ため、相互に分離する必要があり、一般には蒸留法で分
離精製されるが、この方法は、(1)沸点の接近してい
る化合物、例えば3−ピコリン、4−ピコリン及び2,
6−ルチジンなどの混合物から各々を単離することは極
めて困難である:(2)大量のエネルギーを必要とする
ばかりか、回収率が低く、コストが高くつく:という欠
点を有しており、実用的でない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、過去にピ
リジン塩基類の分離方法について研究を行っており、下
記の化1で表されるベンゾピナコール及びこれに類似す
る化合物が選択的にピリジン塩基類と結晶性の包接錯体
を形成し、これを濾別分離することによりピリジン塩基
類含有混合物からピリジン塩基類を分離できることを見
出している(特開昭61−15872号)。
【0004】
【化1】
【0005】しかし、この方法は、包接錯体を形成後、
濾別分離する方法であるので、濾過器を必要とし、操作
が煩雑で、設備費も高くなるという欠点を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、さらにピリ
ジン塩基類の分離法について鋭意研究を重ねた結果、複
数のピリジン塩基類を含有する混合物の少なくとも1種
のピリジン塩基類とピリジン塩基類の包接錯体形成剤と
の間で包接錯体化反応を行い、得られた反応混合物から
包接錯体の分解温度未満で包接錯体を形成しなかったピ
リジン塩基類を留出させ、次いで包接錯体をその分解温
度以上に加熱して、包接錯体中のピリジン塩基類を遊離
して留出させれば、包接錯体の濾別分離工程を経ること
なく、ピリジン塩基類を分離できることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、複数のピリジン塩基
類を含有する混合物(以下、ピリジン塩基類含有混合物
という)にピリジン塩基類の包接錯体形成剤(以下、本
包接錯体形成剤という)を混合して、少なくとも1種の
ピリジン塩基類と包接錯体形成剤との間で包接錯体化反
応を行い、得られた反応混合物から包接錯体の分解温度
未満で包接錯体を形成しなかったピリジン塩基類を留出
させ、次いで包接錯体をその分解温度以上に加熱して、
包接錯体中のピリジン塩基類を遊離して留出させること
を特徴とするピリジン塩基類の分離方法に関するもので
ある。
【0008】このように、本発明によれば、一つの容器
で連続的に包接錯体形成、包接錯体不形成物の留出及び
包接錯体の分解を行うことができ、包接錯体の濾別分離
操作が不要となり、しかも本包接錯体形成剤を使用する
ので、少ないエネルギーで、安価な設備費で、簡単な操
作でかつ効果的に混合物中のピリジン塩基類を分離回収
し、かつ精製することができるのである。
【0009】本発明方法は、混合物中の各ピリジン塩基
類を分離するのに有用であるのみならず、分離したピリ
ジン塩基類を更に精製する目的にも使用し得ることは言
うまでもない。即ち、包接錯体と分離したピリジン塩基
類、または包接錯体より加熱遊離したピリジン塩基類に
再び本包接錯体形成剤を加えて包接錯体を形成させるこ
とにより、この純度を高めることができる。
【0010】本発明を実施するには、ピリジン塩基類含
有混合物に本包接錯体形成剤を加え、要すれば溶剤を加
え、また要すれば、加熱して包接錯体化反応を完全に行
わせ、包接錯体を形成しなかったピリジン塩基類を包接
錯体の分解温度未満で留出させ、このピリジン塩基類を
分離する。残った包接錯体をその分解温度以上に加熱し
て包接錯体から遊離したピリジン塩基を留出させ、ピリ
ジン塩基類を分離する。また、蒸留残査である本包接錯
体形成剤は繰り返し使用することができる。
【0011】前述の反応で形成される包接錯体は、通
常、1:1〜1:2のモル比の本包接錯体形成剤とピリ
ジン塩基類とからなっている。尚、本発明に係る本包接
錯体形成剤には、ベンゾピナコールが挙げられるが、さ
らにはピリジン塩基類と選択的に包接錯体を形成するこ
とを条件としてベンゾピナコールに類似するその他の化
合物群も含まれることは、当業者にとっては自明のこと
であろう。その様な化合物として、例えば、S−2,
2’−ジメチルベンゾピナコール、S−3,3’−ジメ
チルベンゾピナコール、S−4,4’−ジメチルベンゾ
ピナコールなどを挙げることができる。
【0012】本発明の方法は種々のピリジン塩基類を含
有する混合物に有効に適用することができるが、中で
も、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコ
リン及び2,6−ルチジンの1種またはそれ以上を含有
する混合物中の特定のピリジン塩基類を分別回収するの
に適している。これらの内、沸点の接近した3−ピコリ
ン、4−ピコリン及び2,6−ルチジンよりなる群から
選ばれた少なくとも2種以上のピリジン塩基類を含有す
る混合物から各ピリジン塩基類を分別回収する場合に、
本発明方法は特に有効である。
【0013】包接錯体を形成させる際の本包接錯体形成
剤の使用量は特に制限されないが、通常、ピリジン塩基
類に対して約0.1〜約2倍モルである。
【0014】必要に応じて用いられる溶剤は、本包接錯
体形成剤と錯体を形成しないものであることが好ましい
が、錯体を形成するものであっても、ピリジン塩基類よ
りも錯体を形成し難いものであれば使用することができ
る。そのような溶剤としては、例えば、ベンゼン、トル
エン、n−ヘキサン等を挙げることができる。
【0015】包接錯体化の反応温度はピリジン塩基類の
沸点以下であれば特に制限されることなく、反応時間
は、通常1〜24時間である。
【0016】包接錯体を形成しなかったピリジン塩基類
は、包接錯体の分解温度未満で、要すれば減圧にして留
出させればよい。包接錯体のピリジン塩基類を回収する
には、錯体の分解温度以上に加熱し、要すれば減圧にし
てそのピリジン塩基類を留出させればよい。また、これ
らの留出液中のピリジン塩基類の純度が低い場合、或い
は多種の化合物が混合している場合等には、包接錯体化
及びピリジン塩基類の留出を繰り返して行い、目的とす
るピリジン塩基類を許容し得る純度で分別回収する。
【0017】包接錯体の分解温度は、包接錯体中のピリ
ジン塩基類が包接錯体から遊離する温度であり、本包接
錯体形成剤とピリジン塩基類との種類、両者のモル比な
どにより異なるものである。
【0018】
【実施例】
実施例1 4−ピコリン(51.0重量%)と3−ピコリン(4
9.0重量%)とからなる混合ピコリンと、混合ピコリ
ンの4−ピコリンに対して0.5倍モルのベンゾピナコ
ールとを混合し、室温放置1時間後、5mmHgの減圧
下35℃でピコリンを留出させた(留出液1)。更に5
mmHgの減圧下120℃に加熱しピコリンを留出させ
た(留出液2)。これらの留出液をガスクロマトグラフ
ィーにかけて分析した。その結果を表1に示す。
【0019】次に、このようにして得られた留出液2に
ついて上記と同様にして包接錯体化反応及びピコリンの
留出を行い、留出液1及び留出液2を得た。さらに、第
2番目の留出液2について上記と同様にして包接錯体化
反応及びピコリンの留出を行い、留出液1及び留出液2
を得た。これらの留出液をガスクロマトグラフィーにか
けて分析した。その結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】(注)BPO =ベンゾピナコール MPC =混合ピコリン *印…ベンゾピナコールは直前のテストで得られた蒸留
残査(120 ℃加熱蒸留の釜残)を再使用した。
【0022】実施例2 4−ピコリン(51.0重量%)と3−ピコリン(4
9.0重量%)とからなる混合ピコリンを、4−ピコリ
ン(70.0重量%)と3−ピコリン(30.0重量
%)とからなる混合ピコリンにかえた以外は、実施例1
と同様にして各留出液を得た。これらの留出液をガスク
ロマトグラフィーにかけて分析した。その結果を表2に
示す。
【0023】
【表2】
【0024】(注)BPO =ベンゾピナコール MPC =混合ピコリン *印…ベンゾピナコールは直前のテストで得られた蒸留
残査(120℃加熱蒸留の釜残)を再使用した。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、少ないエネルギーで安
価な設備費でしかも簡単な操作でピリジン塩基類の混合
物から各ピリジン塩基類を分別回収することができる。
しかも、従来の蒸留による分離精製法では極めて困難で
あった、沸点の接近した3−ピコリン、4−ピコリンを
含有する混合物から各化合物を分別回収することができ
る。従って、本発明の方法は、工業的に極めて有利なピ
リジン塩基類の分離法である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のピリジン塩基類を含有する混合物
    にピリジン塩基類の包接錯体形成剤を混合して、少なく
    とも1種のピリジン塩基類と包接錯体形成剤との間で包
    接錯体化反応を行い、得られた反応混合物から包接錯体
    の分解温度未満で包接錯体を形成しなかったピリジン塩
    基類を留出させ、次いで包接錯体をその分解温度以上に
    加熱して、包接錯体中のピリジン塩基類を遊離して留出
    させることを特徴とするピリジン塩基類の分離方法。
  2. 【請求項2】 ピリジン塩基類の包接錯体形成剤がベン
    ゾピナコールである請求項1記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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