JPH08231475A - 芳香族ジアミン化合物 - Google Patents

芳香族ジアミン化合物

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JPH08231475A
JPH08231475A JP4083395A JP4083395A JPH08231475A JP H08231475 A JPH08231475 A JP H08231475A JP 4083395 A JP4083395 A JP 4083395A JP 4083395 A JP4083395 A JP 4083395A JP H08231475 A JPH08231475 A JP H08231475A
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JP
Japan
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compound
bis
formula
aromatic diamine
tert
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Application number
JP4083395A
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English (en)
Inventor
Osamu Suzuki
収 鈴木
Hirohiko Yokomizo
裕彦 横溝
Takeshi Arai
剛 新井
Namiko Nakajima
奈美子 中嶋
Teru Ariga
輝 有賀
Yoji Azuma
陽二 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Holdings Inc
Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱による結晶化が起こりにくく、薄膜形状の
一様性を長期にわたって安定に保持することができる、
有機EL素子用の正孔輸送材料、有機薄膜光電池用の正
孔輸送材料、電子写真用のキャリア輸送材料等として有
用な芳香族ジアミン化合物を提供する。 【構成】 下記一般式(1)で表される芳香族ジアミン
化合物及びそれを含む有機EL素子用正孔輸送材料。 【化1】 (式中、R1は1個または複数個の低級アルキル基また
はフェニル基であり、R2は1個または複数個の低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子または水素
原子を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族ジアミン化合物に
関する。詳しくは、本発明は有機EL(エレクトロルミ
ネッセンス)素子用の正孔輸送材料、有機薄膜光電池用
の正孔輸送材料または電子写真用のキャリア輸送材料と
して利用しうる芳香族ジアミン化合物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ある種の芳香族ジアミン化合物は、有機
EL素子用の正孔輸送材料、有機薄膜光電池用の正孔輸
送材料、電子写真用のキャリア輸送材料等として利用し
うることが知られており、例えば下記式(2)で表され
る1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)
シクロヘキサンを有機EL素子用の正孔輸送材料として
用いることが報告されている(特開昭59−19439
3号公報参照)。
【0003】
【化2】
【0004】しかしながら、上記式(2)で表される化
合物は、真空蒸着装置等を用いてアモルファス薄膜を形
成させた場合、結晶化によって薄膜形状の一様性が徐々
に失われていく現象を起こしやすい化合物であった。
【0005】このため、有機EL素子にこれを組み込ん
で使用した場合、前述のような薄膜形状の変化により局
所的に未発光部分が生じて素子全体としての輝度が低下
し、また、陰極金属の剥離により素子が破壊されるなど
の問題が生じていた。従って、薄膜形状の一様性が長期
にわたって安定に保持される材料の開発が求められてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の正孔輸送材料の難点を解消し、より長期にわたって
薄膜形状の一様性を安定的に保持することができる芳香
族ジアミン化合物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の置換基を有
する芳香族ジアミン化合物が上記目的を達成することが
できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、下記一般式
(1)で表されることを特徴とする、芳香族ジアミン化
合物、に存する。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1は1個または複数個の低級ア
ルキル基またはフェニル基であり、R2は1個または複
数個の低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子または水素原子を示す。) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の上記一般式(1)で表される芳香
族ジアミン化合物においては、式(1)中、R1は1個
または複数個の低級アルキル基またはフェニル基であ
る。このうち低級アルキル基は、好ましくは炭素数1〜
8、より好ましくは1〜5のものであり、具体的にはメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペ
ンチル基等が挙げられる。また、R1が複数個ある場合
は、それらは相互に同じであっても、また異なっていて
も良い。
【0012】R2は1個または複数個の低級アルキル
基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子または水素原子を
示している。その低級アルキル基としては、好ましくは
炭素数1〜8、より好ましくは1〜5のものであり、具
体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−
ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。また、そのアル
キル基の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよ
く、具体的にはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロ
エチル基、トリクロロメチル基等を挙げることもでき
る。
【0013】また、前記低級アルコキシ基としては、好
ましくは炭素数1〜8、より好ましくは1〜4のもので
あり、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0014】また、R2が複数個ある場合は、それらは
相互に同じであっても、また異なっていても良い。上記
一般式(1)から明らかなように、本発明の芳香族ジア
ミン化合物は、従来公知の芳香族ジアミン化合物(2)
のシクロヘキサン環に、低級アルキル基またはフェニル
基を1個または複数個導入したものである。すなわち、
本発明においては、従来の芳香族ジアミン化合物よりも
薄膜形状の安定性を高めるために、立体的に嵩高い置換
基を分子中に導入したり、分子の対象性を低くしたりす
ることによって、分子が規則的に配列することを妨げ、
アモルファス状態から結晶状態への相変化に基づく体積
変化が起こらないようにしているのである。
【0015】上記式(1)で表される本発明の化合物
は、以下に示すように、一般式(3)で表される芳香族
ジアミン化合物中間体(以下、単に「中間体化合物」と
いう場合がある。)と一般式(4)で表されるハロゲン
化アリールの過剰量とを、銅粉(または酸化銅あるいは
ハロゲン化銅)と塩基性物質等の存在下、反応させるこ
とにより製造することができる。
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R1及びR2は前記一般式(1)に
おけるものと同義である。Zはハロゲン原子を表す。) 上記一般式(4)のハロゲン化アリールとしては、ヨー
ドベンゼン、クロロヨードベンゼン、フルオロヨードベ
ンゼン、ヨードトルエン、フルオロヨードトルエン、ヨ
ードアニソール、ジクロロヨードベンゼン、ジフルオロ
ヨードベンゼン、ジメチルヨードベンゼン、エチルヨー
ドベンゼン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨー
ドベンゼン、nーブチルヨードベンゼン、tertーブ
チルヨードベンゼン、トリクロロヨードベンゼン、テト
ラクロロヨードベンゼン、テトラメチルヨードベンゼ
ン、ペンタメチルヨードベンゼン等を使用することがで
きる。
【0018】上記塩基性物質としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等を使用することが
でき、上記式で表される反応は、通常は無溶媒で行う
が、ドデカン、トリデカン、デカリン等の沸点の高い飽
和炭化水素系溶媒や、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、トリメチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン等の芳
香族炭化水素系溶媒等を使用しても差し支えない。
【0019】上述した反応では、ハロゲン化アリール
(4)は中間体化合物(3)に対して例えば5倍モル以
上、好ましくは5倍モル〜7倍モル、銅粉はハロゲン化
アリール(4)に対して例えば1〜2倍モル、塩基性物
質はハロゲン化アリール(4)に対して例えば1〜1.
2倍モル程度使用する。反応温度としては、150〜2
50℃程度であり、例えばハロゲン化アリール(4)の
沸点近傍で反応させるのが好ましい。又、反応時間とし
ては、例えば3〜8時間程度である。
【0020】一方、上記一般式(3)で表される本発明
の中間体化合物は、例えば以下に示すように、下記一般
式(5)で表されるシクロヘキサノン誘導体とアニリン
(6)とを、濃塩酸の存在下、撹拌して反応させること
により製造することができる。
【0021】
【化5】
【0022】上記一般式(5)におけるR1は、前記一
般式(1)におけるものと同義であり、1個または複数
個の低級アルキル基またはフェニル基を示している。シ
クロヘキサノン誘導体(5)の具体例としては、ジメチ
ルシクロヘキサノン、tert−ブチルシクロヘキサノ
ン、メチルシクロヘキサノン、エチルシクロヘキサノ
ン、フェニルシクロヘキサノン、イソプロピルシクロヘ
キサノン、メチルイソプロピルシクロヘキサノン、se
c−ブチルシクロヘキサノン、ペンチルシクロヘキサノ
ン、n−プロピルシクロヘキサノン、などが挙げられ
る。
【0023】尚、シクロヘキサノン誘導体と反応させる
化合物は、アニリンに限定されるものではなく、アミノ
基のp位が無置換であれば他の位置に置換基を有するア
ニリン誘導体であってもよい。このようなアニリン誘導
体としては、例えばアミノベンゾニトリル、アミノイソ
フタロニトリル、アミノベンゾトリフルオリド、アミノ
クロロベンゾトリフルオリド、アミノフルオロベンゾト
リフルオリド、アミノ−N,N−ジメチルアニリン、
3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、クロロ
メチルアニリン、ジクロロアニリン、ジフルオロアニリ
ン、ジメトキシアニリン、ジメチルアニリン、エチルア
ニリン、メチルアニリン、sec−ブチルアニリンなど
が挙げられる。
【0024】上記の反応では、アニリン(6)はシクロ
ヘキサノン誘導体(5)に対し、例えば2.1倍モル以
上、好ましくは2.1〜2.3倍モル使用し、濃塩酸は
アニリン(6)に対し、例えば2倍モル以上、好ましく
は2〜3倍モル使用する。この反応は無溶媒あるいは低
級アルコール中で行われ、反応温度としては、好ましく
は100〜140℃程度であり、例えば120℃程度、
又、反応時間としては、好ましくは100〜150時間
程度である。
【0025】このようにして得られる本発明の芳香族ジ
アミン化合物の具体例としては、1,1−ビス(4−ジ
フェニルアミノフェニル)−4−tert−ブチルシク
ロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノ
フェニル)−4−tert−ブチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ジ−m−トリルアミノフェニル)−
4−tert−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ジ−p−イソプロピルフェニルアミノフェニル)
−2,2−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4
−ジ−3,4−ジメチルフェニルアミノフェニル)−4
−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ
−3−フルオロフェニルアミノフェニル)−3−イソブ
チルシクロヘキサン、
【0026】1,1−ビス(4−ジ−3−メトキシフェ
ニルアミノフェニル)−3−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ジ−3−エチルフェニルアミノフェ
ニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビ
ス(4−ジ−4−トリフルオロメチルフェニルアミノフ
ェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ジ−4−tert−ブチルフェ
ニルアミノフェニル)−2−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ジ−3−エトキシフェニルアミノフ
ェニル)−3−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ジ−3−クロロフェニルアミノフェニル)−4−
n−プロピルシクロヘキサン、
【0027】1,1−ビス(4−ジ−4−メチルアミノ
フェニル)−3−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ジ−3ーエチルアミノフェニル)−3−メチルシ
クロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−4ーtert−
ブチルアミノフェニル)−3−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ジ−3,4−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−
ジ−3ーフルオロアミノフェニル)−3−メチルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−4−トリフルオロメ
チルアミノフェニル)−3−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ジ−3,4−ジクロルアミノフェニ
ル)−3−メチルシクロヘキサン、
【0028】1,1−ビス(4−ジアミノフェニル)−
3−エチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−4
−メチルアミノフェニル)−3−エチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ジ−3ーエチルアミノフェニ
ル)−3−エチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−
ジ−4ーtert−ブチルアミノフェニル)−3−エチ
ルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−3,4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−エチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ジ−3−メトキシアミノフェニル)
−3−エチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−
3ーフルオロアミノフェニル)−3−エチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(4−ジ−4−トリフルオロメチル
アミノフェニル)−3−エチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(4−ジ−3,4−ジクロルアミノフェニル)−
3−エチルシクロヘキサン、
【0029】1,1−ビス(4−ジアミノフェニル)−
3,4−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−
ジ−4−メチルアミノフェニル)−3,4−ジメチルシ
クロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−4ーtert−
ブチルアミノフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(4−ジ−3,4−ジメチルアミノ
フェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(4−ジ−3−メトキシアミノフェニル)−3,
4−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−
3ーフルオロアミノフェニル)−3,4−ジメチルシク
ロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−4−トリフルオロ
メチルアミノフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(4−ジ−3,4−ジクロルアミノ
フェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
【0030】1,1−ビス(4−ジ−3ーエチルアミノ
フェニル)−tert−ブチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(4−ジ−4ーtert−ブチルアミノフェニ
ル)−tert−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ジ−3,4−ジメチルアミノフェニル)−ter
t−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−3
−メトキシアミノフェニル)−tert−ブチルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−3ーフルオロアミノ
フェニル)−tert−ブチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(4−ジ−4−トリフルオロメチルアミノフェニ
ル)−tert−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ジ−3,4−ジクロルアミノフェニル)−ter
t−ブチルシクロヘキサン、等が挙げられる。
【0031】本発明の芳香族ジアミン化合物は、有機E
L素子用の正孔輸送材料、有機薄膜光電池用の正孔輸送
材料または電子写真用のキャリア輸送材料等として利用
しうるものであり、例えば有機EL素子用の正孔輸送材
料とする場合は、本発明の芳香族ジアミン化合物を、例
えばインジウム・スズ複合酸化物の透明陽極上に蒸着す
ると共に、アルミニウム・キノリノール錯体を発光層と
して蒸着し、更に陰極にマグネシウム合金等を蒸着すれ
ばよい。
【0032】本発明の芳香族ジアミン化合物は、従来公
知の化合物(2)のシクロヘキサン環に低級アルキル基
またはフェニル基を導入したものに相当するものであ
り、立体的に嵩高くなり、しかも分子の平面性及び対称
性が減少している。よって、熱による結晶化が起こりに
くいために薄膜形状が一様に保たれる化合物であり、例
えば前述のように有機EL素子に組み込むことにより優
れた正孔輸送材料となるものである。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 <実施例1> [1,1−ジ−4−アミノフェニル−tert−ブチル
シクロヘキサンの合成]4−tert−ブチルシクロヘ
キサノン10.3gとアニリン12.5gとを混合し、
氷冷しながら濃塩酸11.7mlを徐々に加えた後、1
20℃に加熱し、140時間撹拌した。反応混合物を1
N塩酸中に懸濁させ、クロロホルムで洗浄後、水相を水
酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性にしてクロロホルム
で抽出した。
【0034】クロロホルム相を水洗・乾燥後、クロロホ
ルムとアニリンとを留去して粗生成物を得た。この粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、
1,1−ジ−4−アミノフェニル−tert−ブチルシ
クロヘキサン13.5g(収率63%)を得た。
【0035】[1,1−ビス(4−ジフェニルアミノフ
ェニル)−4−tert−ブチルシクロヘキサン(化合
物番号1)の合成]1,1−ジ−4−アミノフェニル−
tert−ブチルシクロヘキサン2.03g、ヨードベ
ンゼン33.8g、銅粉2.5g及び炭酸カリウム3.
5gを、窒素雰囲気下、183〜184℃で5時間撹拌
還流し、粗生成物4.9gを得た。
【0036】これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、1,1−ビス(4−ジフェニルアミノフェ
ニル)−4−tert−ブチルシクロヘキサンの白色粉
末3.62g(収率92%)を得、更に、昇華精製によ
り高純度化した。
【0037】上述した合成法に準じて、更に本発明の構
造を有する化合物(化合物番号2〜12)を合成した。
以下に、得られた化合物番号1〜12の化合物の構造式
及び分析データをまとめて示す。
【0038】化合物番号1 [構造式]
【0039】
【化6】
【0040】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=0.79(9H,
s)、1.20(3H,m)、1.68(2H,m)、
1.85(2H,m)、2.63(2H,m)、6.9
−7.3(28H,m) IR(KBr):2910、1591、1487、12
56、755、689cm-1 元素分析 分析値:C88.25%、H7.36%、N
4.39% 計算値:C88.14%、H7.40%、N4.47%
【0041】化合物番号2 [構造式]
【0042】
【化7】
【0043】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=0.79(9H,
s)、1.22(3H,m)、1.69(2H,m)、
1.85(2H,m)、2.29(12H,s)、2.
62(2H,m)、6.9−7.3(24H,m) IR(KBr):2896、1502、1252、80
1cm-1 元素分析 分析値:C87.82%、H7.92%、N
4.26% 計算値:C87.93%、H7.97%、N4.10%
【0044】化合物番号3 [構造式]
【0045】
【化8】
【0046】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=0.79(9H,
s)、1.21(3H,m)、1.68(2H,m)、
1.84(2H,m)、2.24(12H,s)、2.
63(2H,m)、6.9−7.3(24H,m) IR(KBr):2905、1598、1579、15
01、1482、1306、782、672cm-1 元素分析 分析値:C88.05%、H8.01%、N
3.94% 計算値:C87.93%、H7.97%、N4.10%
【0047】化合物番号4 [構造式]
【0048】
【化9】
【0049】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=0.95(3H,
s)、0.98(3H,s)、1.18(24H,
d)、1.25−1.82(4H,m)、2.11−
2.52(3H,m)、6.9−7.3(24H,m) IR(KBr):2902、1498、1253、79
8cm-1 元素分析 分析値:C87.45%、H8.71%、N
3.84% 計算値:C87.68%、H8.67%、N3.65%
【0050】化合物番号5 [構造式]
【0051】
【化10】
【0052】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=0.88(6H,
d)、1.02−1.83(4H,m)、2.12(1
2H,s)、2.16(12H,s)、2.11−2.
51(6H,m)、6.9−7.3(20H,m) IR(KBr):2903、1602、1578、15
02、1486、832cm-1 元素分析 分析値:C87.92%、H8.32%、N
3.76% 計算値:C87.80%、H8.34%、N3.86%
【0053】化合物番号6 [構造式]
【0054】
【化11】
【0055】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=0.92(3H,
t)、0.94(3H,d)、1.13−1.83(7
H,m)、2.11−2.51(5H,m)、7.0−
7.4(24H,m) IR(KBr):2897、1596、1577、14
98、1483、1300、1230、782、668
cm-1 元素分析 分析値:C79.14%、H6.02%、N
4.05% 計算値:C79.06%、H6.06%、N4.01%
【0056】化合物番号7 [構造式]
【0057】
【化12】
【0058】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=0.93(3H,
d)、1.21−1.83(4H,m)、2.12−
2.52(5H,m)、3.72(12H,s)、6.
8−7.3(24H,m) IR(KBr):2906、1603、1578、14
98、1481、1308、1245、1030、78
3、669cm-1 元素分析 分析値:C80.01%、H6.88%、N
3.91% 計算値:C80.08%、H6.86%、N3.97%
【0059】化合物番号8 [構造式]
【0060】
【化13】
【0061】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=0.92(6H,
d)、1.18(12H,t)、1.20−1.82
(4H,m)、2.13−2.51(12H,m)、
6.8−7.3(24H,m) IR(KBr):2901、1608、1577、14
96、1483、1301、784、674cm-1 元素分析 分析値:C87.62%、H8.26%、N
4.12% 計算値:C87.84%、H8.22%、N3.94%
【0062】化合物番号9 [構造式]
【0063】
【化14】
【0064】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=0.88(6H,
d)、0.92(3H,d)、1.19−1.83(5
H,m)、2.13−2.52(4H,m)、6.8−
7.3(24H,m) IR(KBr):2898、1498、1254、11
47、794cm-1 元素分析 分析値:C66.49%、H4.74%、N
3.20% 計算値:C66.81%、H4.71%、N3.12%
【0065】化合物番号10 [構造式]
【0066】
【化15】
【0067】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=1.21(36H,
s)、1.17−1.84(4H,m)、2.12−
2.53(5H,m)、6.8−7.4(29H,m) IR(KBr):2911、1592、1498、14
84、1254、802、754、685cm-1 元素分析 分析値:C80.33%、H7.45%、N
3.61% 計算値:C80.49%、H7.42%、N3.68%
【0068】化合物番号11 [構造式]
【0069】
【化16】
【0070】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=0.92(3H,
d)、1.42(12H,t)、1.12−1.84
(4H,m)、2.12−2.52(5H,m)、3.
83(8H,q)、6.8−7.4(24H,m) IR(KBr):2904、1598、1577、14
99、1482、1307、1244、1032、78
6、659cm-1 元素分析 分析値:C80.33%、H7.45%、N
3.61% 計算値:C80.49%、H7.42%、N3.68%
【0071】化合物番号12 [構造式]
【0072】
【化17】
【0073】[分析データ]1 H−NMR(CDCl3):δ=0.91(3H,
t)、0.98(2H,m)、1.13−1.83(5
H,m)、2.12−2.51(6H,m)、6.8−
7.3(24H,m) IR(KBr):2907、1602、1577、14
98、1483、1301、1092、785、673
cm-1 元素分析 分析値:C72.21%、H5.39%、N
3.82% 計算値:C72.01%、H5.37%、N3.73%
【0074】上記合成の結果として、中間体化合物の収
率及び本発明の芳香族ジアミン化合物の収率をまとめて
表1に示す。
【0075】
【表1】 表1 ──────────────────────────────── 化合物番号 中間体化合物の収率 本発明化合物の収率 ──────────────────────────────── 1 63% 92% 2 63% 90% 3 63% 85% 4 58% 75% 5 62% 82% 6 53% 88% 7 66% 85% 8 57% 86% 9 58% 87% 10 64% 78% 11 66% 81% 12 55% 83% ────────────────────────────────
【0076】<実施例2>(蒸着薄膜の熱安定性試験) 石英板(25mm×25mm×1mm)をまずイオン交
換水で10分間超音波洗浄し、更にエタノールで10分
間超音波洗浄した後に乾燥し、真空蒸着装置VC−21
(東京真空(株)製)の基板ホルダーに固定した。タン
グステン製のボートに1,1−ビス(4−ジフェニルア
ミノフェニル)−4−tert−ブチルシクロヘキサン
10mgを入れ、真空蒸着装置に取り付けて、ベルジャ
ー内を1.5×10-5Torrまで減圧した。
【0077】その後、上述した化合物番号1〜12の化
合物のいずれかを入れたボートに38Aの電流を流して
加熱し、その化合物を石英板に蒸着し、膜厚100nm
の蒸着薄膜を形成させた。これをガラス製のシャーレに
移し、37℃のインキュベータに入れて保存した。
【0078】この薄膜の全面を24時間毎に偏光顕微鏡
で観察し、結晶の有無を目視で確認した。薄膜の安定性
の評価は石英板上に形成させた蒸着薄膜の結晶化を確認
するまでに要した時間に基づいて決定した。一週間以内
で結晶化を確認できたものは×(不良)、一週間から一
ヶ月の間で結晶化を確認できたものは△(やや良)、一
ヶ月以上結晶化を確認できなかったものは○(良好)と
した。
【0079】従来の芳香族ジアミン化合物として、前記
式(2)で表される化合物についても同様にして結晶化
に要した時間を測定し、安定性の評価を行った。その結
果を表2に示す。
【0080】
【表2】 ○:一ヶ月以上結晶化を確認できなかった。 △:一週間から一ヶ月の間で結晶化を確認した。 ×:一週間以内で結晶化を確認した。
【0081】表2に示したように、従来の化合物では蒸
着薄膜形成後一週間以内で結晶化が確認されたのに対
し、本発明の化合物では殆どの場合において、一ヶ月以
上結晶化が確認されず良好な安定性を示した。
【0082】<実施例3>(有機EL素子の製造例) 図1に示すように、膜厚100nmのインジウム・スズ
複合酸化物(以下、ITOと略す。)が付いているガラ
ス基板(25mm×25mm×1mm)を、ITO透明
電極1として用いた。このITO透明電極(透明支持基
板)1を、まずイオン交換水で10分間超音波洗浄し、
更にエタノールで10分間超音波洗浄した後に乾燥し、
真空蒸着装置(東京真空(株)製、VC−21)の基板
ホルダーに固定した。
【0083】タングステン製のボートに、有機EL素子
用正孔輸送材料として1,1−ビス(4−ジフェニルア
ミノフェニル)−4−tert−ブチルシクロヘキサン
(前記化合物番号1に相当する化合物)を5mg入れ、
更に別のタングステン製ボートにアルミニウム・キノリ
ノール錯体(以下、Alq3と略す。)を10mg入
れ、真空蒸着装置に取り付けた。次に、るつぼにアルミ
ニウム23mgを入れ、前記真空蒸着装置に取り付け、
ベルジャー内を1.5×10-5Torrまで減圧した。
【0084】その後、前記化合物(化合物番号1)の入
ったボートを加熱し、透明支持基板1の上に蒸着させ
て、膜厚50nmの正孔輸送層2を形成させた。次に、
前記Alq3の入ったボートを加熱し、透明支持基板1
上に形成した正孔輸送層2の上に蒸着させ、膜厚50n
mの発光層3を形成させた。最後に、アルミニウムの入
ったるつぼを加熱し、発光層3の上に蒸着させて膜厚1
00nmのアルミニウム対向電極4を形成させることに
より、有機EL素子を製造した。
【0085】この素子のITO透明電極1を正極、アル
ミニウム対向電極4を負極として、直流電流を印加した
ところ、駆動電圧10Vで2000cd/m2の緑色発
光を得た。この素子の耐久性は良好であった。
【0086】
【発明の効果】本発明の上記一般式(1)で表される芳
香族ジアミン化合物は、従来同様の目的で使用されてき
た上記式(2)で表される芳香族ジアミン化合物に比べ
て、シクロヘキサン環に種々の低級アルキル基やフェニ
ル基を持つものであり、立体的に嵩高く且つ分子の平面
性及び対称性が減少しているため、熱による結晶化が起
こりにくく、従来の化合物に比べて薄膜形状の一様性を
長期にわたって安定に保持することができる。
【0087】よって、有機EL素子用の正孔輸送材料、
有機薄膜光電池用の正孔輸送材料または電子写真用のキ
ャリア輸送材料として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の芳香族ジアミン化合物を使用
して実施例3で製造した有機EL素子の構造を示す図で
ある。
【符号の説明】
1・・・ITO透明電極 2・・・正孔輸送層 3・・・発光層 4・・・アルミニウム対向電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 剛 東京都足立区西新井栄町1−18−1 日清 紡績株式会社東京研究センター内 (72)発明者 中嶋 奈美子 東京都足立区西新井栄町1−18−1 日清 紡績株式会社東京研究センター内 (72)発明者 有賀 輝 東京都三鷹市下連雀5−1−1 日本無線 株式会社内 (72)発明者 東 陽二 東京都三鷹市下連雀5−1−1 日本無線 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表されることを特徴と
    する、芳香族ジアミン化合物。 【化1】 (式中、R1は1個または複数個の低級アルキル基また
    はフェニル基であり、R2は1個または複数個の低級ア
    ルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子または水素
    原子を示す。)
  2. 【請求項2】請求項1記載の芳香族ジアミン化合物を含
    む、有機EL素子用正孔輸送材料。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006104183A (ja) * 2004-09-10 2006-04-20 Canon Inc アミン化合物、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
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JP2009161516A (ja) * 2007-12-11 2009-07-23 Konica Minolta Business Technologies Inc アミン化合物、電子写真感光体及び画像形成装置
EP2292583A2 (en) * 2004-03-31 2011-03-09 E. I. du Pont de Nemours and Company Triarylamine compounds for use as charge transport materials
CN106565507A (zh) * 2016-10-17 2017-04-19 中节能万润股份有限公司 一种含1,1‑双(4‑氨基苯基)环己烷基团的空穴传输材料及其制备方法和应用

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