JPH08231365A - 美白剤 - Google Patents

美白剤

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JPH08231365A
JPH08231365A JP7036683A JP3668395A JPH08231365A JP H08231365 A JPH08231365 A JP H08231365A JP 7036683 A JP7036683 A JP 7036683A JP 3668395 A JP3668395 A JP 3668395A JP H08231365 A JPH08231365 A JP H08231365A
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arctostaphylos
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nevadensis
arctostaphyros
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道▲徳▼ 久保
Hideaki Matsuda
秀秋 松田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルクトスタフィロス ビスシダ、アルクト
スタフィロス パツラ、アルクトスタフィロス カネス
センス、アルクトスタフィロス コルンビアナ及びアル
クトスタフィロス ネバデンシスから選ばれる植物並び
にこれらの植物の抽出物からなる群より選ばれる1種又
は2種以上を含有する美白剤。 【効果】 美白効果に優れ、シミ、ソバカス等の色素沈
着症を予防・改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、美白効果に優れ、シ
ミ、ソバカス等の色素沈着症を予防・改善することがで
きる美白剤に関する。
【0002】
【従来の技術】シミ、ソバカス、色黒や、ステロイド等
の薬物による皮膚の黒化症などの色素沈着症は、皮膚に
メラニン色素が過剰に沈着するために発生する疾患であ
る。このメラニンは、動植物界に広く分布しているが、
脊髄動物においては、メラノサイト中の細胞質顆粒メラ
ノソームで、チロシンがチロシナーゼにより酸化され
て、ドーパ、ドーパキノンが生合成され、更にドーパキ
ノンは紫外線による自動酸化によってインドールキノン
等になり、複雑な経路を経てメラニンが生合成されるこ
とが知られている。
【0003】このような色素沈着症は、特に女性にとっ
て美容上好ましくないものであり、従来、その治療に
は、L−アスコルビン酸又はその誘導体、コウジ酸、ア
ルブチン等のメラニン抑制効果を有する化合物が使用さ
れている。また、ウワウルシ(Arctostaphy
los uva−ursi)又はその抽出物を含有する
美白剤についても検討されている(特開平6−1666
09号公報)。しかしながら、これらの化合物はその美
白効果などの点で充分満足できるものではなかった。
【0004】一方、アルクトスタフィロス ビスシダ、
アルクトスタフィロス パツラ、アルクトスタフィロス
カネスセンス、アルクトスタフィロス コルンビアナ
及びアルクトスタフィロス ネバデンシスは、古来、ア
メリカインディアンがアレルギー性皮膚炎に用いていた
とされているのみであり、その美白効果などについては
知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、美白効果に優れ、シミ、ソバカス等の色素沈着症を
予防・改善することができる美白剤を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、特定の植物又はその
抽出物を有効成分とする美白剤が、充分な美白効果を有
し、シミ、ソバカス等の色素沈着症を顕著に予防・改善
できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、アルクトスタフィロ
ス ビスシダ、アルクトスタフィロス パツラ、アルク
トスタフィロス カネスセンス、アルクトスタフィロス
コルンビアナ及びアルクトスタフィロス ネバデンシ
スから選ばれる植物並びにこれらの植物の抽出物からな
る群より選ばれる1種又は2種以上を含有する美白剤を
提供するものである。
【0008】また、本発明は、アルクトスタフィロス
ビスシダ アルクトスタフィロスパツラ、アルクトスタ
フィロス カネスセンス、アルクトスタフィロス コル
ンビアナ及びアルクトスタフィロス ネバデンシスから
選ばれる植物並びにこれらの植物の抽出物からなる群よ
り選ばれる1種又は2種以上を含有する皮膚外用剤を提
供するものである。
【0009】本発明で用いられる植物は、アルクトスタ
フィロス ビスシダ(Arctostaphylos
viscida:以下、AVIと略す)、アルクトスタ
フィロス パツラ(Arctostaphylos p
atura:以下、APAと略す)、アルクトスタフィ
ロス カネスセンス(Arctostaphylosc
anescens:以下、ACAと略す)、アルクトス
タフィロス コルンビアナ(Arctostaphyl
os columbiana:以下、ACOと略す)及
びアルクトスタフィロス ネバデンシス(Arctos
taphylos nevadensis:以下、AN
Eと略す)から選ばれるものである。これらの植物は、
植物を構成する部位全て又は葉、茎、根、花等の一部を
そのまま用いることができ、これらを乾燥した後、粉砕
して粉末状にして用いることもできる。
【0010】また、本発明においては、これらの植物の
抽出物を用いることができる。抽出物を得る方法として
は、例えばこれらの植物の葉、根、茎、花等を水及び/
又は親水性有機溶媒を用いて抽出して抽出液を得る方
法;更にこのような抽出液から、凍結乾燥、噴霧乾燥、
減圧留去等により粉末を得る方法などが挙げられる。親
水性有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール
等の炭素数1〜4の低級アルコール、アセトンなどが挙
げられ、特にエタノールが好ましい。これらの溶媒は単
独でも、2種以上を組合わせて使用してもよく、また、
水とこれらの親水性有機溶媒を混合して使用してもよ
い。好ましい抽出溶媒としては、含水アルコールが挙げ
られ、特に含水エタノールが好ましい。これらの抽出溶
媒の使用量は特に制限されないが、植物の重量に対して
等倍〜50倍量であるのが好ましい。抽出方法は特に制
限されないが、例えばエキス剤、チンキ剤等を製する際
に用いられる冷浸法、温浸法、パーコーレーション法等
を適用することができる。得られた抽出液はそのまま、
又は更に濃縮したり、希釈したり、精製したりして用い
ることができる。更に、これらの抽出液や粉末を、カラ
ムクロマトグラフィーなどを用いて精製することによ
り、単一成分としたものを用いることもできる。
【0011】本発明の美白剤は、これらの植物及びその
抽出物から選ばれる1種又は2種以上を有効成分とする
ものである。前記植物又はその抽出物は、そのまま美白
剤として使用することができ、更に通常の化粧料、医薬
部外品、医薬品等に用いられる成分と混合して美白剤と
することもできる。この場合、前記植物又はその抽出物
は、美白剤の全組成中に、植物の乾燥固形分(抽出物の
場合は抽出に用いた植物の乾燥固形分)として0.00
01〜20重量%、特に0.01〜10重量%配合する
のが好ましい。
【0012】このようにして得られる本発明の美白剤
は、例えば経口投与、局所投与等の方法で用いることが
できるが、皮膚外用剤に配合して、皮膚に塗布するのが
簡便であり好ましい。ここで、皮膚外用剤としては、軟
膏剤、リニメント剤、ローション剤等の薬用外用剤;ク
リーム、化粧水、乳液、ファンデーション、油性化粧
料、パック剤、皮膚洗浄剤等の化粧料などが挙げられ
る。
【0013】これらの皮膚外用剤は、全組成中に、前記
植物又はその抽出物を、植物の乾燥固形分(抽出物の場
合は抽出に用いた植物の乾燥固形分)として0.000
1〜20重量%、特に0.01〜10重量%配合するの
が好ましく、通常の方法に従って製造することができ
る。その際には、前記植物又はその抽出のほか、通常の
皮膚外用剤に用いられる成分、例えば油剤、界面活性
剤、保湿剤、紫外線吸収剤、薬効成分、アルコール類、
防腐剤、増粘剤、色素、香料等を、本発明の効果を損わ
ない範囲で適宜組合わせて配合することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明の美白剤は、メラニン色素の産生
を抑制することができ、美白効果に優れ、シミ、ソバカ
ス等の色素沈着症を予防・改善することができる。この
ため、皮膚外用剤、色素沈着症予防治療剤等に好適に使
用することができる。
【0015】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0016】参考例1 AVI、APA、ACA、ACO又はANEの乾燥粗切
葉に10倍量の50%エタノールを加え、約30分で、
90℃となるように昇温し、90〜100℃で2時間抽
出した後、液温60〜70℃で濾紙濾過し、第一抽出液
を得た。残渣に前記と同量の50%エタノールを加え、
同様に2時間熱時抽出した後、濾過して第二抽出液を得
た。第一抽出液及び第二抽出液を合わせ、60℃以下で
減圧下(減圧度120mmHg以下)で濃縮し、AVI、A
PA、ACA、ACO又はANEの50%エタノール抽
出液(用いた50%エタノールに対する抽出液の収率:
AVI;34.9%、APA;35.3%、ACA;3
2.2%、ACO;30.3%、ANE;33.8%)
を得た。また、同様に、対照品として、ウワウルシ(以
下、AUVと略す)の50%メタノール抽出液(用いた
50%エタノールに対する抽出液の収率;38.8%)
を得た。
【0017】実施例1(チロシナーゼ酵素活性阻害) 参考例1で得られた抽出液からなる美白剤、及び標準品
アルブチンについて、チロシナーゼ酵素阻害活性を調べ
た。すなわち、H.S.Mason(Biochem.
Biophys.Acta.,111,134(196
5))、T.Nagatsu(Experienti
a,28,634(1972))の方法に従って、表1
に示す濃度の被検液1mlに基質ドーパ溶液(0.03
%、pH6.8リン酸緩衝液に溶解)1mlを加え、25℃
で5分間インキュベートし、更に酵素チロシナーゼ液
(30U/ml、pH6.8リン酸緩衝液に溶解)1mlを添
加し、25℃で5分間インキュベートした。反応後、4
75nmにおける吸光度を測定した(D1)。別に、ドー
パを添加せずに同様の操作を行い、吸光度(D2)を測
定し、更に被検液無添加時におけるドーパクロムの生成
量として吸光度(D3)を測定した。このD1、D2及び
3を用い、下記式からドーパクロムの生成阻害率を求
め、チロシナーゼ活性の指標とした。また、被検体間の
作用強度としては、各被検体の50%阻害濃度(I
50:μg/ml)をLitchfield−Wilco
xon法で求め、比較した。結果を表1に示す。
【0018】
【数1】
【0019】
【表1】
【0020】表1の結果から明らかなように、AVI、
APA、ACA、ACO又はANEの抽出液からなる本
発明の美白剤は、いずれもチロシナーゼ酵素活性を極め
て微量で抑制した。これに対し、AUV抽出液及びアル
ブチンのチロシナーゼ酵素阻害活性は弱いものであっ
た。
【0021】実施例2(ドーパクロムからの自動酸化阻
害によるメラニン産生阻害) 参考例1で得られた抽出液からなる美白剤、及び標準品
アルブチンについて、メラニン産生阻害作用を調べた。
すなわち、H.S.Mason(Biochem.Bi
ophys.Acta.,111,134(196
5))、T.Nagatsu(Experienti
a,28,634(1972))の方法に従って、基質
ドーパ溶液(0.03%、pH6.8リン酸緩衝液に溶
解)1mlに酵素チロシナーゼ液(30U/ml、pH6.8
リン酸緩衝液に溶解)1mlを添加し、25℃で5分間イ
ンキュベートした後、更に表2に示す濃度の被検液を加
え、60分間インキュベートした。1N塩酸0.2mlで
反応を停止させ、3,000rpm で15分間遠心分離を
行い、沈渣を得た。この沈渣を、更に6N塩酸1ml×1
回、蒸留水2ml×2回の遠心分離で洗浄した後、2mlの
ソルエン(パッカード社製)に溶解した。溶解しにくい
ときは、ソニケーターにて強制溶解させた。溶解液の吸
光度を400nmで測定し、標準品メラニンの吸光度曲線
からメラニン量を算出し、阻害率を求めた。また、被検
体の50%阻害濃度(IC50:μg/ml)をLitch
field−Wilcoxon法で求めた。結果を表2
に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表2の結果から明らかなように、AVI、
APA、ACA、ACO又はANEの抽出液からなる本
発明の美白剤は、いずれも微量でドーパクロムからの自
動酸化によるメラニン産生を強く抑制した。
【0024】実施例3(SOD様活性) 参考例1で得られた抽出液からなる美白剤、及び標準品
アルブチンについて、SOD様活性を亜硝酸法(Y.O
yanagi,Anal.Biochem.,142,
290(1984))により測定した。すなわち、0.
5mMヒポキサンチンと10mM塩酸ヒドロキシルアミン、
及び被検体を含んだEDTA−リン酸緩衝液(pH8.
2)0.8mlを、37℃で10分間インキュベートし
た。次に、5mU/mlキサンチンオキシダーゼ0.2mlを
添加し、30分間インキュベートした。発色剤(N−1
−ナフチルエチレンジアミン、スルファニル酸、酢酸の
混液)2mlを加え、室温で30分間放置した後、生じた
スーパーオキサイド量を550nmにおける吸光度で測定
し、阻害率を求めた。また、被検体の50%阻害濃度
(IC50:μg/ml)をLitchfield−Wil
coxon法で求めた。結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】表3の結果から明らかなように、AVI、
APA、ACA、ACO又はANEの抽出液からなる本
発明の美白剤は、いずれも微量でSOD様活性を示し
た。
【0027】実施例4参考例1で得られた抽出液のう
ち、APA抽出液及びAVI抽出液からなる美 白剤の0.005%メタノール溶液について、紫外部波
長(250〜400nm)における吸光度を測定した。結
果を図1及び図2に示す。図1及び図2から明らかなよ
うに、APA抽出液、AVI抽出液には、280nm付近
において紫外部波長を吸収するカーブが認められた。
【0028】実施例5(エモリエントクリーム) 以下に示す組成のエモリエントクリームを常法により製
造した。得られたクリームは、美白効果に優れたもので
あり、シミ、ソバカス等の色素沈着症を改善することが
できた。
【0029】
【表4】 (組成) (重量%) ステアリン酸 2.0 ステアリルアルコール 7.0 還元ラノリン 2.0 スクワレン 5.0 オクチルデカノール 6.0 ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0 親油型モノオキシステアリン酸グリセリン 2.0 香料 0.3 防腐剤、酸化防止剤 適量 プロピレングリコール 5.0 APA抽出液(参考例1) 1.0 精製水 全体で100となる量
【0030】実施例6(エモリエントローション) 以下に示す組成のエモリエントローションを常法により
製造した。得られたローションは、美白効果に優れたも
のであり、シミ、ソバカス等の色素沈着症を改善するこ
とができた。
【0031】
【表5】 (組成) (重量%) ステアリン酸 0.2 セタノール 1.5 ワセリン 3.0 ラノリンアルコール 2.0 流動パラフィン 10.0 ポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル 2.0 香料 0.3 グリセリン 3.0 プロピレングリコール 5.0 トリエタノールアミン 1.0 APA抽出液(参考例1) 2.0 精製水 全体で100となる量
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られたAPA抽出液の紫外部波長
における吸光度を示す図である。
【図2】参考例1で得られたAVI抽出液の紫外部波長
における吸光度を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルクトスタフィロス ビスシダ、アル
    クトスタフィロスパツラ、アルクトスタフィロス カネ
    スセンス、アルクトスタフィロス コルンビアナ及びア
    ルクトスタフィロス ネバデンシスから選ばれる植物並
    びにこれらの植物の抽出物からなる群より選ばれる1種
    又は2種以上を含有する美白剤。
  2. 【請求項2】 色素沈着症予防治療剤である請求項1記
    載の美白剤。
  3. 【請求項3】 アルクトスタフィロス ビスシダ、アル
    クトスタフィロスパツラ、アルクトスタフィロス カネ
    スセンス、アルクトスタフィロス コルンビアナ及びア
    ルクトスタフィロス ネバデンシスから選ばれる植物並
    びにこれらの植物の抽出物からなる群より選ばれる1種
    又は2種以上を含有する皮膚外用剤。
  4. 【請求項4】 美白用又は色素沈着症予防治療用である
    請求項3記載の皮膚外用剤。
  5. 【請求項5】 アルクトスタフィロス ビスシダ、アル
    クトスタフィロスパツラ、アルクトスタフィロス カネ
    スセンス、アルクトスタフィロス コルンビアナ又はア
    ルクトスタフィロス ネバデンシスから得られる抽出
    物。
  6. 【請求項6】 アルクトスタフィロス ビスシダの葉、
    アルクトスタフィロス パツラの葉、アルクトスタフィ
    ロス カネスセンスの葉、アルクトスタフィロス コル
    ンビアナの葉又はアルクトスタフィロス ネバデンシス
    の葉から得られる抽出物。
  7. 【請求項7】 水及び/又は親水性有機溶媒により抽出
    される請求項5又は6記載の抽出物。
  8. 【請求項8】 親水性有機溶媒がエタノールである請求
    項7記載の抽出物。
  9. 【請求項9】 冷浸法、温浸法又はパーコーレーション
    法により得られる請求項5〜8のいずれか1項記載の抽
    出物。
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