JPH08230558A - 車両用前照灯のリフレクタ - Google Patents
車両用前照灯のリフレクタInfo
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- JPH08230558A JPH08230558A JP4195795A JP4195795A JPH08230558A JP H08230558 A JPH08230558 A JP H08230558A JP 4195795 A JP4195795 A JP 4195795A JP 4195795 A JP4195795 A JP 4195795A JP H08230558 A JPH08230558 A JP H08230558A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 リフレクタの反射面を、例えばブロックK
1,同K2,同L1,同L2のように区分して構成した
場合、(A)図のごとくブロックの境界線に形成される
エッジeによる弊害(配光パターンを悪くしたり、成形
用金型の製作を困難にしたり、同金型の耐用命数を縮め
たりする)を解消する。 【構成】 (B)図に示すように、前記のエッジeに丸
味を付してアール面rとする。これによりシャープなエ
ッジが無くなって、配光パターンが改善され、金型の製
作が容易になり、かつ、金型の耐用命数が伸びる。
1,同K2,同L1,同L2のように区分して構成した
場合、(A)図のごとくブロックの境界線に形成される
エッジeによる弊害(配光パターンを悪くしたり、成形
用金型の製作を困難にしたり、同金型の耐用命数を縮め
たりする)を解消する。 【構成】 (B)図に示すように、前記のエッジeに丸
味を付してアール面rとする。これによりシャープなエ
ッジが無くなって、配光パターンが改善され、金型の製
作が容易になり、かつ、金型の耐用命数が伸びる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リフレクタの反射光束
によってほぼ所望の配光パターンを形成し、前面レンズ
は素通しのレンズ、もしくは素通しに類似するレンズで
足りるようにした車両用前照灯に係り、配光特性を向上
せしめるとともに、リフレクタ成型用金型の耐用命数を
延長するように改良した車両用前照灯のリフレクタに関
するものである。
によってほぼ所望の配光パターンを形成し、前面レンズ
は素通しのレンズ、もしくは素通しに類似するレンズで
足りるようにした車両用前照灯に係り、配光特性を向上
せしめるとともに、リフレクタ成型用金型の耐用命数を
延長するように改良した車両用前照灯のリフレクタに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用前照灯は、走行方向前方の路上を
照明し得ることが必要であり、かつ、対向車に対して眩
惑を与えてはならないので、配光特性が法定されてい
る。図4は従来例に係る自動車用前照灯の配光パターン
を説明するために示したものであって、(A)は左側通
行の場合に路上前方のスクリーンを照射したときの等照
度曲線図表であり、(B)は上記の配光パターンを形成
するように構成された前照灯の垂直断面図である。
(A)図に付記した軸Hは水平軸、軸Vは垂直軸であ
る。この(A)図において具体的には、H軸は、仮想の
水平な平原を走行している場合の地平線に相当し、V軸
の左方は自己走行車線側、V軸の右方は対向車線側であ
る。対向車線側においては、配光エリアが水平軸Hより
も上方にハミ出さないように配光設計されている。また
自己車線側は、図示の線Cよりも左下方にのみ配光され
る。図示の線Cは斜めカットライン、図示の線Dは水平
カットラインであり、両者を総称してカットラインと呼
ばれる。
照明し得ることが必要であり、かつ、対向車に対して眩
惑を与えてはならないので、配光特性が法定されてい
る。図4は従来例に係る自動車用前照灯の配光パターン
を説明するために示したものであって、(A)は左側通
行の場合に路上前方のスクリーンを照射したときの等照
度曲線図表であり、(B)は上記の配光パターンを形成
するように構成された前照灯の垂直断面図である。
(A)図に付記した軸Hは水平軸、軸Vは垂直軸であ
る。この(A)図において具体的には、H軸は、仮想の
水平な平原を走行している場合の地平線に相当し、V軸
の左方は自己走行車線側、V軸の右方は対向車線側であ
る。対向車線側においては、配光エリアが水平軸Hより
も上方にハミ出さないように配光設計されている。また
自己車線側は、図示の線Cよりも左下方にのみ配光され
る。図示の線Cは斜めカットライン、図示の線Dは水平
カットラインであり、両者を総称してカットラインと呼
ばれる。
【0003】図4(B)に示した従来例の前照灯は、回
転放物面状リフレクタ6を有している。Zはその光軸、
Fは焦点である。この焦点Fよりも僅かに前方に位置せ
しめて光源位置7を設定し、シェード8を備えた光源
(図示省略)が上記光源位置7に配置される。光源位置
7から矢印a,a′のように出射した光は回転放物面状
リフレクタ6によって矢印b,b′のごとく、ほぼ光軸
Zと平行に(詳しくは、僅かに収束傾向に)反射され、
プリズムレンズ9で調光されて前掲の(A)図のような
配光パターンを形成する。この場合(B)図に示したシ
ェード8は、光源から出射した光束の一部分をカットし
て(A)について説明したカットラインC,Dを形成せ
しめる。図4(B)の従来例におけるプリズムレンズ9
を素通しのレンズで足りさせるよう、ないし、簡単なプ
リズムレンズで足りるようにするため、回転放物面状リ
フレクタを改良した特殊リフレクタを構成して、この特
殊リフレクタによる反射光束が(A)図に示した配光パ
ターンを作るような技術が研究されている。図5は素通
しのレンズを用いて所望の配光パターンが得られるよう
に、本発明者が創作した試案に係る自動車用前照灯を示
し、(A)は正面図、(B)は垂直断面側面図である。
転放物面状リフレクタ6を有している。Zはその光軸、
Fは焦点である。この焦点Fよりも僅かに前方に位置せ
しめて光源位置7を設定し、シェード8を備えた光源
(図示省略)が上記光源位置7に配置される。光源位置
7から矢印a,a′のように出射した光は回転放物面状
リフレクタ6によって矢印b,b′のごとく、ほぼ光軸
Zと平行に(詳しくは、僅かに収束傾向に)反射され、
プリズムレンズ9で調光されて前掲の(A)図のような
配光パターンを形成する。この場合(B)図に示したシ
ェード8は、光源から出射した光束の一部分をカットし
て(A)について説明したカットラインC,Dを形成せ
しめる。図4(B)の従来例におけるプリズムレンズ9
を素通しのレンズで足りさせるよう、ないし、簡単なプ
リズムレンズで足りるようにするため、回転放物面状リ
フレクタを改良した特殊リフレクタを構成して、この特
殊リフレクタによる反射光束が(A)図に示した配光パ
ターンを作るような技術が研究されている。図5は素通
しのレンズを用いて所望の配光パターンが得られるよう
に、本発明者が創作した試案に係る自動車用前照灯を示
し、(A)は正面図、(B)は垂直断面側面図である。
【0004】上記図5(A)に見られるように、特殊リ
フレクタ10は、その反射面を点線によって14個のブ
ロックに区分されている。この場合の区分とは、設計段
階において図面上で区分したものであって、実体の部材
を分割する意味ではない。
フレクタ10は、その反射面を点線によって14個のブ
ロックに区分されている。この場合の区分とは、設計段
階において図面上で区分したものであって、実体の部材
を分割する意味ではない。
【0005】K1〜K5,L1〜L5,M1〜M5の各
記号は、それぞれのブロックを表している。図5(B)
に示したZは光軸、11は光源位置である。本試案にお
ける特殊リフレクタは、前記の各ブロックK1〜M5が
複合されたものであるから、該特殊リフレクタ10全体
としての単一の焦点を厳密に特定することは出来ない
が、前記の光源位置11は焦点の近傍に設定される。上
記特殊リフレクタ10の前面開口部を覆って素通しレン
ズ13が配置されている。そして、光源位置11からの
直射光が前記素通しレンズ13に到達しないようにシェ
ード12が設置されている。
記号は、それぞれのブロックを表している。図5(B)
に示したZは光軸、11は光源位置である。本試案にお
ける特殊リフレクタは、前記の各ブロックK1〜M5が
複合されたものであるから、該特殊リフレクタ10全体
としての単一の焦点を厳密に特定することは出来ない
が、前記の光源位置11は焦点の近傍に設定される。上
記特殊リフレクタ10の前面開口部を覆って素通しレン
ズ13が配置されている。そして、光源位置11からの
直射光が前記素通しレンズ13に到達しないようにシェ
ード12が設置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の試験,研究
の結果、図5に示した試案の前照灯の創作により、図4
(A)に示したような配光パターンが得られ、本邦にお
ける法規をクリヤーすること、および、輸出仕向地の法
規もクリヤーできることを確認した。ところが、例えば
図5(A)に示したように反射面を複数個のブロックに
区分して、該複数個のブロックのそれぞれに所望の配光
を形成させようとすると、隣接するブロックの境界線に
沿って段差が出来る。この場合、例えばブロックK1に
対してブロックK2やブロックL1との間に段差を生じ
させないで接続するように設計しても、これらとブロッ
クL2との間に段差を生じてしまう。図1(A)は、ブ
ロックL1とブロックL2との間に段差を生じた状態を
模式的に描いた斜視図である。段差を理解し易いように
段差寸法を拡大誇張して描いてあるので、写実的な図形
ではない。本図1(A)に示した面Pによる断面平面図
を図2(A)に示す。本図も模式的に描いてあって写実
的な投影図ではない。ブロックL1とブロックL2との
間に段差dが形成されていて、この段差面とブロックL
2との境界に稜角(エッジ)eが形成されている。図2
(A)に示したZは当該前照灯の光軸、11は光源位置
である。
の結果、図5に示した試案の前照灯の創作により、図4
(A)に示したような配光パターンが得られ、本邦にお
ける法規をクリヤーすること、および、輸出仕向地の法
規もクリヤーできることを確認した。ところが、例えば
図5(A)に示したように反射面を複数個のブロックに
区分して、該複数個のブロックのそれぞれに所望の配光
を形成させようとすると、隣接するブロックの境界線に
沿って段差が出来る。この場合、例えばブロックK1に
対してブロックK2やブロックL1との間に段差を生じ
させないで接続するように設計しても、これらとブロッ
クL2との間に段差を生じてしまう。図1(A)は、ブ
ロックL1とブロックL2との間に段差を生じた状態を
模式的に描いた斜視図である。段差を理解し易いように
段差寸法を拡大誇張して描いてあるので、写実的な図形
ではない。本図1(A)に示した面Pによる断面平面図
を図2(A)に示す。本図も模式的に描いてあって写実
的な投影図ではない。ブロックL1とブロックL2との
間に段差dが形成されていて、この段差面とブロックL
2との境界に稜角(エッジ)eが形成されている。図2
(A)に示したZは当該前照灯の光軸、11は光源位置
である。
【0007】図1(A),図2(A)に例示したよう
に、稜角(エッジ)eを有する段差dが出来ると、 (b)リフレクタを成形するための金型を加工する際、
段差付近の精度が悪くなって、その結果、成形されたリ
フレクタの配光パターンに光ダマリや光ムラが出来る
(図3を参照して後に詳しく述べる)。 (b)稜角(エッジ)付近の金型強度が低く、金型の耐
用命数が低くなる。 (c)成形されたリフレクタの素材にアルミニウム反射
膜を蒸着させる場合、これに伴うアンダーコートやトッ
プコートの液留まりが出来て、反射面の精度を害し、配
光特性が低下する。図3(A)は、ブロックL1で反射
された光束によって形成される配光パターンとブロック
L2で反射された光束によって形成される配光パターン
とを比較するように配列した図表である。この例では、
前述のようにブロックL2の周縁部に稜角(エッジ)e
が出来ているので、本図3(A)に示した2個の配光パ
ターンのうち、ブロックL2で形成された配光パターン
に、斑点を付して示したように光ダマリが出来ている。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、
(イ)リフレクタを成形するための金型の加工が容易
で、高精度が得られ、(ロ)同じく金型の耐久性が大き
く、(ハ)アンダーコートやトップコートに液留まりを
生じて配光特性を低下させる虞れの無い、ブロック区分
式のリフレクタを提供することを目的とする。
に、稜角(エッジ)eを有する段差dが出来ると、 (b)リフレクタを成形するための金型を加工する際、
段差付近の精度が悪くなって、その結果、成形されたリ
フレクタの配光パターンに光ダマリや光ムラが出来る
(図3を参照して後に詳しく述べる)。 (b)稜角(エッジ)付近の金型強度が低く、金型の耐
用命数が低くなる。 (c)成形されたリフレクタの素材にアルミニウム反射
膜を蒸着させる場合、これに伴うアンダーコートやトッ
プコートの液留まりが出来て、反射面の精度を害し、配
光特性が低下する。図3(A)は、ブロックL1で反射
された光束によって形成される配光パターンとブロック
L2で反射された光束によって形成される配光パターン
とを比較するように配列した図表である。この例では、
前述のようにブロックL2の周縁部に稜角(エッジ)e
が出来ているので、本図3(A)に示した2個の配光パ
ターンのうち、ブロックL2で形成された配光パターン
に、斑点を付して示したように光ダマリが出来ている。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、
(イ)リフレクタを成形するための金型の加工が容易
で、高精度が得られ、(ロ)同じく金型の耐久性が大き
く、(ハ)アンダーコートやトップコートに液留まりを
生じて配光特性を低下させる虞れの無い、ブロック区分
式のリフレクタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的(配光パター
ン改良・金型耐久性向上)を達成するため本発明のリフ
レクタの構成は、リフレクタの反射面が複数個のブロッ
クに区分されていて、光源から出射して上記各ブロック
の反射面で反射された光束が重畳されたときほぼ所望の
配光パターンが形成される方式の車両用前照灯におい
て、隣接しているブロックそれぞれの反射面が境界部に
段差を生じている個所について、反射面と段差面とが稜
角をなして交らないようにアールが付されていて、反射
面と段差面とが曲面によって接続されていることを特徴
とする。
ン改良・金型耐久性向上)を達成するため本発明のリフ
レクタの構成は、リフレクタの反射面が複数個のブロッ
クに区分されていて、光源から出射して上記各ブロック
の反射面で反射された光束が重畳されたときほぼ所望の
配光パターンが形成される方式の車両用前照灯におい
て、隣接しているブロックそれぞれの反射面が境界部に
段差を生じている個所について、反射面と段差面とが稜
角をなして交らないようにアールが付されていて、反射
面と段差面とが曲面によって接続されていることを特徴
とする。
【0009】
【作用】上述の手段によると、隣接するブロック相互の
境界付近に段差があっても、該段差部にシャープな稜角
(エッジ)が無いので、金型の加工に格別の困難が無
く、金型の耐用命数も延長される。さらに、成形された
リフレクタの素材に反射膜を蒸着する際、アンダーコー
トやトップコートの液留まりが出来ないので配光特性を
低下させる虞れが無い。以上の作用が総合されて製造コ
ストが低減され、しかも配光特性が向上する。
境界付近に段差があっても、該段差部にシャープな稜角
(エッジ)が無いので、金型の加工に格別の困難が無
く、金型の耐用命数も延長される。さらに、成形された
リフレクタの素材に反射膜を蒸着する際、アンダーコー
トやトップコートの液留まりが出来ないので配光特性を
低下させる虞れが無い。以上の作用が総合されて製造コ
ストが低減され、しかも配光特性が向上する。
【0010】
【実施例】次に、図1および図2を併せて参照しつつ本
発明の実施例について説明する。図1(A)は先に説明
したように、従来例のブロックの境界部を模式的に描い
た斜視図である。同図(B)は本実施例におけるブロッ
クの境界部を上掲の(A)図と対比して描いた模式的な
斜視図であって、(A)図におけると同様に段差寸法を
誇張して拡大してある。また図2(B)は、従来例を描
いた図2(A)と対比して描いた拡大した断面平面図で
ある。図1,図2とも、(B)図に示したブロックL
2′は、(A)図の従来例におけるL2に対応する構成
部分であるが、従来例のブロックL2の外周境界部に鋭
い稜角(エッジ)eが形成されていた部分に本発明を適
用してアールを付し、アール面rが形成されている。図
2(B)に表されているように、ブロックL1とブロッ
クL2′との間の段差は無くなった訳ではなく、潜在的
な段差d′は残っている。しかし、エッジeが無くなっ
ているので、段差面とブロックL2′とが曲面によって
滑らかに接続されている。従来例(図2(A)参照)に
おいてはブロックL2と段差dとの間にシャープなエッ
ジeが形成されていたが、本実施例(図2(B)参照)
においては前記の潜在的な段差d′とブロックL2′と
が滑らかな曲面で接続されている。
発明の実施例について説明する。図1(A)は先に説明
したように、従来例のブロックの境界部を模式的に描い
た斜視図である。同図(B)は本実施例におけるブロッ
クの境界部を上掲の(A)図と対比して描いた模式的な
斜視図であって、(A)図におけると同様に段差寸法を
誇張して拡大してある。また図2(B)は、従来例を描
いた図2(A)と対比して描いた拡大した断面平面図で
ある。図1,図2とも、(B)図に示したブロックL
2′は、(A)図の従来例におけるL2に対応する構成
部分であるが、従来例のブロックL2の外周境界部に鋭
い稜角(エッジ)eが形成されていた部分に本発明を適
用してアールを付し、アール面rが形成されている。図
2(B)に表されているように、ブロックL1とブロッ
クL2′との間の段差は無くなった訳ではなく、潜在的
な段差d′は残っている。しかし、エッジeが無くなっ
ているので、段差面とブロックL2′とが曲面によって
滑らかに接続されている。従来例(図2(A)参照)に
おいてはブロックL2と段差dとの間にシャープなエッ
ジeが形成されていたが、本実施例(図2(B)参照)
においては前記の潜在的な段差d′とブロックL2′と
が滑らかな曲面で接続されている。
【0011】隣接するブロック相互の間に形成される段
差にアールを付してシャープエッジを無くするというこ
とが本発明の基本的な考え方であるが、図2に示した実
施例のように、二つのブロックL1,L2のうちで光源
位置11に近い方のブロックと段差との間にアールを付
けることが望ましい。その理由は図2(B)から容易に
理解できるように、光源位置11に近い方のブロックL
2′と潜在化された段差d′との間がアール面rで接続
されると、光源位置から遠い方のブロックL1に段差が
影を落とさなくなるからである。
差にアールを付してシャープエッジを無くするというこ
とが本発明の基本的な考え方であるが、図2に示した実
施例のように、二つのブロックL1,L2のうちで光源
位置11に近い方のブロックと段差との間にアールを付
けることが望ましい。その理由は図2(B)から容易に
理解できるように、光源位置11に近い方のブロックL
2′と潜在化された段差d′との間がアール面rで接続
されると、光源位置から遠い方のブロックL1に段差が
影を落とさなくなるからである。
【0012】図2(A)の従来例に示したような凸形の
エッジeを有するリフレクタを射出成形しようとする
と、成形用の金型に該凸形エッジをネガティブにしたシ
ャープなV字溝を作らねばならないが、図2(B)の実
施例のような凸形のアール面rを形成するには丸形溝
(溝と直角な面による断面において溝底に丸味を有す
る、上開き形のU字溝)を作れば良いので、金型の製作
が容易であり、金型の耐久性も良い。さらに、成形され
たリフレクタの素材にシャープなエッジが無いので、ア
ルミニウム反射膜の蒸着処理におけるアンダーコートや
トップコートの液留まりを生じないので、配光特性が改
善される。図3(B)は、本実施例におけるブロックK
1,K2,L1およびL2による反射光束の配光パター
ンを、先に述べた従来例に係る同図(A)と対比して描
いた図表である。従来例においてはブロックL2の周辺
にシャープなエッジeが有ったため(図1(A)参照)
その結果として図3(A)のブロックL2の配光パター
ンに斑点を付して示した光ダマリを生じていたが、本実
施例の配光パターン(図3(B)参照)のブロックL
2′部分には光ダマリが認められなくなっている。本実
施例において形成されたアール面rは図1(B)に描か
れているように縦方向の円柱面に類似する形状をなして
いるので、反射光を左右方向に拡散させるように作用す
る。このため、図3(A)のブロックL2に現われてい
る光ダマリが図3(B)のブロックL2′では左右方向
に拡散されて、H線(水平線)の下方に横長のパターン
を形成している。このようにH線の下方で対向車線側に
横長に延伸したパターンは自動車用の前照灯として誠に
好適である。
エッジeを有するリフレクタを射出成形しようとする
と、成形用の金型に該凸形エッジをネガティブにしたシ
ャープなV字溝を作らねばならないが、図2(B)の実
施例のような凸形のアール面rを形成するには丸形溝
(溝と直角な面による断面において溝底に丸味を有す
る、上開き形のU字溝)を作れば良いので、金型の製作
が容易であり、金型の耐久性も良い。さらに、成形され
たリフレクタの素材にシャープなエッジが無いので、ア
ルミニウム反射膜の蒸着処理におけるアンダーコートや
トップコートの液留まりを生じないので、配光特性が改
善される。図3(B)は、本実施例におけるブロックK
1,K2,L1およびL2による反射光束の配光パター
ンを、先に述べた従来例に係る同図(A)と対比して描
いた図表である。従来例においてはブロックL2の周辺
にシャープなエッジeが有ったため(図1(A)参照)
その結果として図3(A)のブロックL2の配光パター
ンに斑点を付して示した光ダマリを生じていたが、本実
施例の配光パターン(図3(B)参照)のブロックL
2′部分には光ダマリが認められなくなっている。本実
施例において形成されたアール面rは図1(B)に描か
れているように縦方向の円柱面に類似する形状をなして
いるので、反射光を左右方向に拡散させるように作用す
る。このため、図3(A)のブロックL2に現われてい
る光ダマリが図3(B)のブロックL2′では左右方向
に拡散されて、H線(水平線)の下方に横長のパターン
を形成している。このようにH線の下方で対向車線側に
横長に延伸したパターンは自動車用の前照灯として誠に
好適である。
【0013】
【発明の効果】本発明を適用すると、隣接するブロック
相互に境界付近に段差が有っても、該段差部にシャープ
な稜角(エッジ)が無いので、金型の加工に格別の困難
が無く、金型の耐用命数も延長される。さらに、成形さ
れたリフレクタの素材に反射膜を蒸着する際、アンダー
コートやトップコートの液留まりが出来ないので配光特
性を低下させる虞れが無い。以上の作用が総合されて製
造コストが低減され、しかも配光特性が向上するという
優れた実用的効果を奏する。
相互に境界付近に段差が有っても、該段差部にシャープ
な稜角(エッジ)が無いので、金型の加工に格別の困難
が無く、金型の耐用命数も延長される。さらに、成形さ
れたリフレクタの素材に反射膜を蒸着する際、アンダー
コートやトップコートの液留まりが出来ないので配光特
性を低下させる虞れが無い。以上の作用が総合されて製
造コストが低減され、しかも配光特性が向上するという
優れた実用的効果を奏する。
【図1】リフレクタの反射面を区分したブロックの模式
的な斜視図を示し、(A)は従来例、(B)は実施例を
それぞれ描いてある。
的な斜視図を示し、(A)は従来例、(B)は実施例を
それぞれ描いてある。
【図2】上掲の図1に示した構成部分の模式的な断面平
面図であって、(A)は従来例、(B)は実施例をそれ
ぞれ描いてある。
面図であって、(A)は従来例、(B)は実施例をそれ
ぞれ描いてある。
【図3】リフレクタの反射面をブロックに区分して描い
た配光パターンを示し、(A)は従来例における配光パ
ターン図表であり、(B)は実施例における配光パター
ンの図表である。
た配光パターンを示し、(A)は従来例における配光パ
ターン図表であり、(B)は実施例における配光パター
ンの図表である。
【図4】従来例に係る自動車用前照灯の配光パターンを
説明するために示したものであって、(A)は左側通行
の場合に路上前方のスクリーンに照射したときの等照度
曲線図表であり、(B)は上記の配光パターンを形成す
るように構成された前照灯の垂直断面図である。
説明するために示したものであって、(A)は左側通行
の場合に路上前方のスクリーンに照射したときの等照度
曲線図表であり、(B)は上記の配光パターンを形成す
るように構成された前照灯の垂直断面図である。
【図5】素通しのレンズを用いて所望の配光パターンが
得られるように、本発明者が創作した試案に係る自動車
用前照灯を示し、(A)は正面図、(B)は垂直断面側
面図である。
得られるように、本発明者が創作した試案に係る自動車
用前照灯を示し、(A)は正面図、(B)は垂直断面側
面図である。
6…回転放物面状リフレクタ、7…光源位置、8…シェ
ード、9…プリズムレンズ、10…特殊リフレクタ、1
1…光源位置、12…シェード、13…素通しレンズ、
K1,K2,L1,L2,L2′…リフレクタの反射面
を区分したブロック、d…ブロック間の段差、d′…ブ
ロック間の潜在的な段差、e…ブロックの周縁の稜角
(エッジ)、r…ブロックの周縁のエッジに丸味を付し
て形成して構成したアール面、P…切断面、Z…リフレ
クタの光軸。
ード、9…プリズムレンズ、10…特殊リフレクタ、1
1…光源位置、12…シェード、13…素通しレンズ、
K1,K2,L1,L2,L2′…リフレクタの反射面
を区分したブロック、d…ブロック間の段差、d′…ブ
ロック間の潜在的な段差、e…ブロックの周縁の稜角
(エッジ)、r…ブロックの周縁のエッジに丸味を付し
て形成して構成したアール面、P…切断面、Z…リフレ
クタの光軸。
Claims (2)
- 【請求項1】 リフレクタの反射面が複数個のブロック
に区分されていて、 光源から出射して上記各ブロックの反射面で反射された
光束が重畳されたときほぼ所望の配光パターンが形成さ
れる方式の車両用前照灯において、 隣接しているブロックそれぞれの反射面が境界部に段差
を生じている個所について、反射面と段差面とが稜角を
なして交らないようにアールが付されていて、反射面と
段差面とが曲面によって接続されていることを特徴とす
る、車両用前照灯のリフレクタ。 - 【請求項2】 境界部において段差を生じている隣接ブ
ロックの反射面のうち、境界部付近において光源に近い
方の反射面と段差面とが曲面で接続されていることを特
徴とする、請求項1に記載した車両用前照灯のリフレク
タ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4195795A JPH08230558A (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | 車両用前照灯のリフレクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4195795A JPH08230558A (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | 車両用前照灯のリフレクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08230558A true JPH08230558A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=12622677
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4195795A Pending JPH08230558A (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | 車両用前照灯のリフレクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08230558A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002160256A (ja) * | 2000-11-24 | 2002-06-04 | Koito Mfg Co Ltd | 合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および合成樹脂製灯具構成部材 |
JP2011028979A (ja) * | 2009-07-24 | 2011-02-10 | Stanley Electric Co Ltd | 車両用灯具 |
CN110274210A (zh) * | 2018-03-15 | 2019-09-24 | 株式会社小糸制作所 | 车辆用前照灯 |
-
1995
- 1995-03-01 JP JP4195795A patent/JPH08230558A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002160256A (ja) * | 2000-11-24 | 2002-06-04 | Koito Mfg Co Ltd | 合成樹脂製灯具構成部材の表面被膜形成方法および合成樹脂製灯具構成部材 |
JP2011028979A (ja) * | 2009-07-24 | 2011-02-10 | Stanley Electric Co Ltd | 車両用灯具 |
CN110274210A (zh) * | 2018-03-15 | 2019-09-24 | 株式会社小糸制作所 | 车辆用前照灯 |
CN110274210B (zh) * | 2018-03-15 | 2021-08-20 | 株式会社小糸制作所 | 车辆用前照灯 |
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