JPH08229974A - 中空射出成形方法およびその装置 - Google Patents

中空射出成形方法およびその装置

Info

Publication number
JPH08229974A
JPH08229974A JP3792895A JP3792895A JPH08229974A JP H08229974 A JPH08229974 A JP H08229974A JP 3792895 A JP3792895 A JP 3792895A JP 3792895 A JP3792895 A JP 3792895A JP H08229974 A JPH08229974 A JP H08229974A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten resin
cavity
press
thick
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3792895A
Other languages
English (en)
Inventor
Akimasa Kaneishi
彰雅 兼石
Kenji Kono
憲治 河野
Yasuyuki Suga
康之 菅
Hiroshi Hayashi
啓 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp, Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP3792895A priority Critical patent/JPH08229974A/ja
Publication of JPH08229974A publication Critical patent/JPH08229974A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1732Control circuits therefor

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高圧ガスの圧入圧力に段階的な圧力差をもたせ
ることにより、高圧ガスの洩れによる薄肉部対応部分で
の中空部の形成を防止して、厚肉部対応部分に所望する
大きさの中空部を形成する。 【構成】型閉じされた状態で内部に所定形状のキャビテ
ィを形成する開閉可能な成形型の上記キャビティ内に溶
融樹脂を射出したのち、この射出した溶融樹脂の厚肉部
対応部分の内部に対して高圧ガスを圧入し始める高圧ガ
スの圧入初期に、ピストンのヘッド側室への移動速度を
遅くすることで、溶融樹脂の厚肉部対応部分に対して高
圧ガスの圧入圧力を低くして圧入する。そして、溶融樹
脂の薄肉部対応部分の固化が促進した圧入初期終了後
に、ピストンのヘッド側室への移動速度を速くすること
で、溶融樹脂の厚肉部対応部分に対して高圧ガスの圧入
圧力を圧入初期よりも高くして圧入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャビティ内に射出し
た溶融樹脂の内部に加圧流体を圧入して中空部を形成す
るようにした中空射出成形方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、中空射出成形装置では、型閉じ
された状態で内部に所定形状のキャビティを形成する開
閉可能な金型などの成形型の上記キャビティ内に射出ゲ
ートから溶融樹脂を射出する一方、この射出した溶融樹
脂の内部に流体通路を経由して流体圧入手段により加圧
流体を圧入することによって中空部を有する成形品を成
形するようにしている。この場合、溶融樹脂の内部への
加圧流体の圧入位置は、キャビティ内で溶融樹脂が固化
する際の熱収縮が顕著に現れる部位、たとえばキャビテ
ィの型閉じ方向に厚肉な成形品の厚肉部に対応する溶融
樹脂の厚肉部対応部分とされ、この熱収縮によるヒケを
防止するために加圧流体を圧入して成形品の品質の安定
化を図っている。
【0003】また、流体通路の先端に、キャビティ内の
複数箇所に開口する複数の加圧流体圧入口を設け、この
各加圧流体圧入口から同時に同じ圧力の加圧流体を溶融
樹脂の内部に圧入することにより、該溶融樹脂の内部に
複数の中空部を形成することも行われている。
【0004】ところが、キャビティ内に射出した溶融樹
脂は、たとえば射出ゲートに近い部分と離れた部分とで
圧力差が存在し、また、成形品の肉厚差に対応するキャ
ビティ内での溶融樹脂の型閉じ方向の断面差によっても
圧力差が存在するため、溶融樹脂の圧力が低い位置に加
圧流体が過分に圧入する反面、溶融樹脂の圧力が高い位
置に対する加圧流体の圧入が不足するといった問題があ
った。
【0005】そこで、このような問題を解決するため
に、例えば、特開平5−261748号公報に開示され
るように、溶融樹脂の圧力が高い位置に対する加圧流体
の圧入を、溶融樹脂の圧力が低い位置に対する加圧流体
の圧入よりも、加圧流体の圧入時期を早める制御および
圧入圧力を高くする制御のうちの少なくとも一方の制御
によりその圧入タイミングに差をもたせることで、溶融
樹脂の圧力差に関係なく円滑に中空部を形成する中空射
出成形方法が提案され、公知となっている。そして、上
記加圧流体の圧入圧力は、溶融樹脂の圧力差に関係なく
一定圧条件のもとで行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、溶融樹脂の
内部に大きな中空部を形成する場合、溶融樹脂の温度が
高いうちに加圧流体を圧入する必要がある。しかし、こ
のような大きな中空部を形成するに必要な加圧流体を温
度の高い溶融樹脂の内部に一定圧条件で一気に圧入する
と、加圧流体が溶融樹脂内部の不要な部分つまり中空部
不要部分に洩れてその中空部不要部分に中空部が形成さ
れ、中空部を必要とする溶融樹脂の中空部必要部分の内
部に所望する大きさの中空部を形成することができな
い。
【0007】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、加圧流体の圧入圧力に段
階的な圧力差をもたせることにより、加圧流体の洩れに
よる中空部不要部分での中空部の形成を防止して、中空
部必要部分に所望する大きさの中空部を形成することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明が講じた解決手段は、型閉じさ
れた状態で内部に所定形状のキャビティを形成する開閉
可能な成形型の上記キャビティ内に溶融樹脂を射出した
のち、この射出した溶融樹脂の内部に流体通路を経由し
て加圧流体を圧入することにより中空部を有する成形品
を成形するようにした中空射出成形方法として、上記溶
融樹脂の内部に対する加圧流体の圧入圧力を、加圧流体
の圧入初期に低くし、その後圧入初期よりも高くするよ
うにしている。
【0009】請求項2記載の発明が講じた解決手段は、
請求項1記載の発明の前提を同様に前提とし、成形品
は、キャビティの型閉じ方向で互いに肉厚が異なる厚肉
部および薄肉部を有してなるものである。そして、加圧
流体の圧入圧力を、上記厚肉部に対応する溶融樹脂の厚
肉部対応部分の内部に対して圧入初期に低くして圧入
し、上記薄肉部に対応する溶融樹脂の薄肉部対応部分の
固化が促進した後、該溶融樹脂の厚肉部対応部分の内部
に対する加圧流体の圧入圧力を圧入初期よりも高くして
圧入するようにしている。
【0010】請求項3記載の発明が講じた解決手段は、
請求項1又は請求項2記載の発明の構成要件に加えて、
加圧流体を流体通路からキャビティ内の溶融樹脂内部に
圧入する際、キャビティ内の複数箇所に開口する複数の
加圧流体圧入口を通して行う。
【0011】請求項4記載の発明が講じた解決手段は、
請求項2記載の発明の成形品を特定し、キャビティの型
閉じ方向と直交する方向に長い長尺物とし、厚肉部対応
部分を、上記成形品と対応してキャビティの型閉じ方向
と直交する方向に比較的広くなるものとする。そして、
加圧流体を流体通路からキャビティ内の溶融樹脂内部に
圧入する際、成形品の長手方向略中央部に対応する溶融
樹脂の厚肉部対応部分の略中央部対応位置から内部に圧
入して長手方向の両側に導くようにしている。
【0012】請求項5記載の発明が講じた解決手段は、
請求項2記載の発明の溶融樹脂の厚肉部対応部分を特定
し、成形品の裏面より突出するリブに対応させている。
【0013】さらに、請求項6記載の発明が講じた解決
手段は、型閉じされた状態で内部に所定形状のキャビテ
ィを形成する開閉可能な成形型の上記キャビティ内に溶
融樹脂を射出する一方、この射出した溶融樹脂の内部に
流体通路を経由して加圧流体を圧入することによって中
空部を有する成形品を成形するようにした中空射出成形
装置を前提とし、上記成形品に、キャビティの型閉じ方
向で互いに肉厚が異なる厚肉部および薄肉部を設ける。
さらに、上記キャビティ内に、上記厚肉部に対応する溶
融樹脂の厚肉部対応部分の内部に流体通路を介して加圧
流体を圧入する加圧流体圧入口を開口させるとともに、
該加圧流体圧入口から上記溶融樹脂の厚肉部対応部分の
内部に圧入される加圧流体の圧入圧力を制御する制御手
段を設ける。そして、上記制御手段を、加圧流体の圧入
圧力をその圧入初期に低くし、上記薄肉部に対応する溶
融樹脂の薄肉部対応部分の固化が促進した後に圧入初期
よりも高くするように設ける構成としたものである。
【0014】
【作用】上記の構成により、請求項1および請求項2記
載の発明では、中空部を必要とする溶融樹脂の中空部必
要部分つまり厚肉部対応部分の内部に所望する大きさの
中空部を形成する場合、厚肉部対応部分(中空部必要部
分)の内部に対する加圧流体の圧入圧力は、キャビティ
内の溶融樹脂の温度が高い圧入初期では低くして圧入
し、中空部を不要とする溶融樹脂の中空部不要部分つま
り薄肉部対応部分に加圧流体が流失するのを防止する。
そして、この薄肉部対応部分(中空部不要部分)の固化
が促進した圧入初期終了後に、上記厚肉部対応部分の内
部に対して今度は加圧流体の圧入圧力を圧入初期よりも
高くして圧入している。
【0015】これにより、厚肉部対応部分に対する加圧
流体の圧入圧力に段階的な圧力差がもたらされ、加圧流
体の流失による薄肉部対応部分での中空部の形成が防止
されて、厚肉部対応部分に所望する大きさの中空部が形
成される。
【0016】請求項3記載の発明では、流体通路先端の
複数の加圧流体圧入口がキャビティ内に開口しているの
で、溶融樹脂の中空部必要部分同士が中空部不要部分を
挟んで互いに近接していても、互いの中空部必要部分か
ら中空部不要部分への加圧流体の流失が防止され、互い
に近接する中空部必要部分において所望する大きさの中
空部が形成される。
【0017】請求項4記載の発明では、加圧流体を流体
通路を介してキャビティ内の厚肉部対応部分の略中央部
対応位置から内部に圧入することにより、溶融樹脂の内
部に長手方向に延びる所望の中空部が迅速に形成され
る。
【0018】請求項5記載の発明では、厚肉部対応部分
が成形品の裏面より突出するリブに対応しているので、
リブの熱収縮による成形品表面のヒケが防止され、成形
品の品質を損なうことなく剛性強度が高められる。
【0019】さらに、請求項6記載の発明では、制御手
段により、厚肉部対応部分の内部に対する加圧流体の圧
入圧力をキャビティ内の溶融樹脂の温度が高い圧入初期
に低くして圧入して、薄肉部対応部分への加圧流体の流
失を防止し、その後、薄肉部対応部分の固化が促進した
ときに、上記厚肉部対応部分の内部に対して今度は加圧
流体の圧入圧力を圧入初期よりも高くして圧入すること
で、厚肉部対応部分に対する加圧流体の圧入圧力に段階
的な圧力差がもたらされ、加圧流体の流失による薄肉部
対応部分での中空部の形成が防止されて、厚肉部対応部
分に所望する大きさの中空部が形成される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0021】図2は本発明の一実施例に係る中空射出成
形装置を示し、この成形装置1は、成形品としての自動
車のバンパ2の内部に中空状を形成する際に用いられる
ものである。
【0022】上記成形装置1は、型閉じされた状態で内
部に所定形状のキャビティ3を形成する開閉可能な成形
型4と、この成形型4のキャビティ3内に溶融樹脂5
(例えば熱可塑性樹脂など)を射出する射出成形機6
と、この射出成形機6によりキャビティ3内にゲ―ト9
を介して射出された溶融樹脂5の内部に加圧流体として
の高圧ガスを注入(圧入)して中空部7を形成するガス
圧入装置8とを備えている。
【0023】上記成形型4は、固定式の上型11と、該
上型11に対して昇降移動可能な可動式の下型12とか
らなり、上型11に下型12を接合して型閉じしたとき
にこれら上型11と下型12との間にキャビティ3が形
成されるようになっている。また、上記上型11には、
上記射出成形機6から射出された溶融樹脂5をキャビテ
ィ3内に導入するためのホットランナ13が設けられて
いる。一方、上記下型12には、溶融樹脂5(バンパ
2)の内部で中空部7を必要とする中空部必要部分に対
応するキャビティ3に臨む部分に、それぞれ高圧ガス注
入用の開口部(図示せず)が設けられている。
【0024】上記ガス注入装置8は、高圧ガスを流通可
能とするノズル21と、加圧流体圧入口としての注入口
22aを上記下型12の各開口部にそれぞれ脱着自在に
嵌挿させるように、該ノズル21の先端より分岐する分
岐ノズル22,…と、上記各注入口22aを上記開口部
に向けて進退移動させる図外のノズル駆動機構部と、上
記ノズル21の基端から分岐ノズル22の先端に亘って
その内部に設けられ、各注入口22a側に向けて分岐す
る流体通路としての高圧ガス用のガス通路(図示せず)
と、上記ノズル21の基端であるガス通路始端の供給口
21aに接続され、内部に高圧圧縮ガス(例えば150
kgf/cm2 の窒素ガス)を貯留するガスボンベ23
と、ピストン24aにより仕切られたヘッド側室24b
を上記ノズル21(ガス通路)の途中に介設させるガス
計量シリンダ24と、上記ガスボンベ23とガス計量シ
リンダ24との間のノズル21に設けられ、その基端側
より順次介設された圧力調整弁25および流量制御弁2
6と、上記各ガス注入口22aに設けられ、キャビティ
3内からの溶融樹脂5の逆流を防止する逆止弁(図示せ
ず)と、上記ガス計量シリンダ24と逆止弁との間のノ
ズル21に介設された開閉制御弁27と、上記各分岐ノ
ズル22に介設された開閉弁20a〜20dと、上記逆
止弁と開閉制御弁27との間のノズル21に一端が接続
され、他端が大気に開放するベント通路28と、該ベン
ト通路28に介設され、このベント通路28の開閉を行
うベントバルブ29とを備えている。上記圧力調整弁2
5および流量制御弁26は、ガスボンベ23内の高圧圧
縮ガスを例えば30kgf/cm2 に調圧してガス計量
シリンダ24のヘッド側室24bに圧送するようにして
いる。一方、上記開閉制御弁27および各開閉弁20a
〜20dは、上記ガス計量シリンダ24のピストン24
aのヘッド側室24b側への移動に伴い開放するように
なっていて、ガス計量シリンダ24よりも先端側のノズ
ル21に圧送された高圧ガスを各分岐ノズル22の注入
口22aからキャビティ3内の溶融樹脂5に注入するよ
うになされている。また、上記ガス計量シリンダ24の
ピストン24aは、該ピストン24aの位置を検出する
位置検出器30aを有するシリンダ駆動用サーボモータ
30により駆動するようになされており、このシリンダ
駆動用サーボモータ30は、各分岐ノズル22の注入口
22aからの溶融樹脂5に対する高圧ガスの圧入圧力を
制御する制御手段としてのシーケンスコントローラ31
からの信号を受けたサーボモータコントローラ32から
の指令信号により駆動するようになっている。上記シリ
ンダ駆動用サーボモータ30の位置検出器30aからの
出力信号は上記シーケンスコントローラ31に入力され
るようになっていて、ピストン24aの位置が確認でき
るようにしている。
【0025】上記バンパ2は、図3にも示すように、キ
ャビティ3の型閉じ方向と直交する方向に長い長尺物で
あり、該バンパ2には、キャビティ3の型閉じ方向に厚
肉な厚肉部に形成された補強リブ2a,…が裏面側より
一体的に突出して設けられている。一方、上記各補強リ
ブ2aに対応しない残る部分は、キャビティ3の型閉じ
方向に薄肉な略均一の薄肉部に形成されている。つま
り、バンパ2の厚肉部(各補強リブ2a)に対応する溶
融樹脂5の厚肉部対応部分5aは、バンパ2と対応して
キャビティ3の型閉じ方向と直交する方向に比較的広く
なるものであり、高圧ガスをガス通路からキャビティ3
内の溶融樹脂5の厚肉部対応部分5a内部に圧入する
際、バンパ2の長手方向略中央部に対応する溶融樹脂5
の厚肉部対応部分5aの略中央部対応位置から内部に注
入して長手方向の両側に導くようになっており、この厚
肉部対応部分5aが上記中空部必要部分とされている。
【0026】次に、中空射出成形方法の一例について説
明する。
【0027】先ず、溶融樹脂5を射出成形機6よりホッ
トランナ13を介して成形型4のキャビティ3内に射出
し、その射出直後にガス注入装置8により溶融樹脂5の
厚肉部対応部分にノズル21および各分岐ノズル22を
介して高圧ガスを圧入し始める。この高圧ガスの圧入初
期においては、シーケンスコントローラ31によるサー
ボモータコントローラ32を介したシリンダ駆動用サー
ボモータ30の駆動制御によってピストン24aのヘッ
ド側室24bへの移動速度を遅くすることで、図1に示
すように、溶融樹脂5の厚肉部対応部分5aに対する高
圧ガスの圧入圧力を低くして圧入する。
【0028】その後、バンパ2の薄肉部に対応する溶融
樹脂5の薄肉部対応部分5bの固化が促進した圧入初期
終了時に、シリンダ駆動用サーボモータ30の駆動制御
によってピストン24aのヘッド側室24bへの移動速
度を速くすることで、図1に示すように、溶融樹脂5の
厚肉部対応部分5aに対する高圧ガスの圧入圧力を圧入
初期よりも高くして圧入する。この場合、圧入圧力の波
形は、一定圧力で圧入する場合に1段階であったもの
が、図1に示すような2段階の段階的なものにしてい
る。
【0029】そして、溶融樹脂5の各厚肉部対応部分5
aに所望する大きさの中空部7が形成された後にキャビ
ティ3内で溶融樹脂5の固化が完了すると、ノズル駆動
機構部によって各分岐ノズル22(各注入口22a)を
反開口部側に後退移動させるとともに、ベントバルブ2
9を開放させて、中空部7内の高圧ガスを大気に解放
し、下型12を下降させて成形型4内からバンパ2を取
り出す。
【0030】したがって、上記実施例では、中空部7を
必要とする溶融樹脂5の中空部必要部分つまり厚肉部対
応部分5aの内部に所望する大きさの中空部7を形成す
る場合、厚肉部対応部分5aの内部に対する高圧ガスの
圧入圧力は、キャビティ3内の溶融樹脂5の温度が高い
圧入初期に、ピストン24aのヘッド側室24bへの移
動速度を遅くすることで低くして圧入し、中空部7を不
要とする中空部不要部分つまり薄肉部対応部分5bに高
圧ガスが流出するのを防止する。そして、この薄肉部対
応部分5bの固化が促進した圧入初期終了後に、上記厚
肉部対応部分5aの内部に対して今度はピストン24a
のヘッド側室24bへの移動速度を速くすることで高圧
ガスの圧入圧力を高くして圧入している。
【0031】これにより、厚肉部対応部分5aに対する
高圧ガスの圧入圧力に段階的な圧力差がもたらされ、高
圧ガスの流失による薄肉部対応部分5bでの中空部の形
成が防止されて、厚肉部対応部分5aに所望する大きさ
の中空部7を形成することができる。
【0032】また、各分岐ノズル22先端の注入口22
aがキャビティ3内に開口しているので、溶融樹脂5の
厚肉部対応部分5a,5a同士が薄肉部対応部分5bを
挟んで互いに近接していても、互いの厚肉部対応部分5
a,5aから薄肉部対応部分5bへの高圧ガスの流失が
防止され、互いに近接する厚肉部対応部分5a,5aに
おいて所望する大きさの中空部7を形成することができ
る。
【0033】しかも、高圧ガスは、キャビティ3の型閉
じ方向と直交する方向に長尺なバンパ2の略中央部に対
応する厚肉部対応部分5aの略中央部対応位置から内部
に圧入されて長手方向の両側に導かれるので、厚肉部対
応部分5aに長手方向に延びる所望の中空部7を迅速に
形成することができる。
【0034】さらに、厚肉部対応部分5aがバンパ2の
裏面より突出する補強リブ2aに対応しているので、補
強リブ2aの熱収縮によるバンパ2表面のヒケが防止さ
れ、バンパ2の品質を損なうことなく剛性強度を高める
ことができる。
【0035】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、その他種々の変形例を包含するものである。
例えば、上記実施例では、加圧流体として窒素ガスを用
いたが、常温常圧でガス状または液状のもので、圧入時
の温度と圧力下において、溶融樹脂と反応または混合し
ないものであればなんでも良く、具体的には、炭酸ガ
ス、空気、ヘリウムガス、水、グリセリン、流動パラフ
ィンなどがあり、なかでも、窒素ガス、ヘリウムガスな
どの不活性ガスが好ましい。
【0036】また、上記実施例では、バンパを成形する
場合について述べたが、インストルメントパネルやドア
ミラーなどを成形する場合にも適用できる。
【0037】
【発明の効果】以上の如く、請求項1および請求項2記
載の発明における中空射出成形方法によれば、厚肉部対
応部分などの中空部必要部分の内部に対する加圧流体の
圧入圧力を、キャビティ内の溶融樹脂の温度が高い圧入
初期では低くして圧入し、薄肉部対応部分などの中空部
不要部分の固化が促進した圧入初期終了後に、上記中空
部必要部分の内部に対して加圧流体の圧入圧力を圧入初
期よりも高い段階的な圧力差をもたせて圧入するので、
加圧流体の流失による中空部不要部分での中空部の形成
を防止することができるとともに、中空部必要部分に所
望する大きさの中空部を形成することができる。
【0038】請求項3記載の発明における中空射出成形
方法によれば、流体通路先端の複数の加圧流体圧入口を
キャビティ内に開口させたので、中空部不要部分を挟ん
で互いに近接する中空部必要部分からの中空部不要部分
への加圧流体の流失を防止して、各中空部必要部分に所
望する大きさの中空部を形成することができる。
【0039】請求項4記載の発明における中空射出成形
方法によれば、厚肉部対応部分の略中央部対応位置から
加圧流体を圧入して長手方向の両側に導くので、厚肉部
対応部分に長手方向に延びる所望の中空部を迅速に形成
することができる。
【0040】請求項5記載の発明における中空射出成形
方法によれば、厚肉部対応部分を成形品裏面のリブに対
応させたので、成形品の品質を損なうことなく剛性強度
を高めることができる。
【0041】さらに、請求項6記載の発明における中空
射出成形装置によれば、厚肉部対応部分の内部に対する
加圧流体の圧入圧力を圧入初期では低くして圧入し、薄
肉部対応部分の固化が促進したときに、上記厚肉部対応
部分の内部に対して加圧流体の圧入圧力を圧入初期より
も高い段階的な圧力差をもたせて圧入するので、加圧流
体の流失による薄肉部対応部分での中空部の形成を防止
することができるとともに、厚肉部対応部分に所望する
大きさの中空部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る溶融樹脂の射出特性と高
圧ガスの圧力特性とを示す特性図である。
【図2】成形装置の概略構成図である。
【図3】バンパの正面図である。
【符号の説明】
1 中空射出成形装置 2 バンパ(成形品) 2a 補強リブ(リブ) 3 キャビティ 4 成形型 5 溶融樹脂 5a 厚肉部対応部分 5b 薄肉部対応部分 7 中空部 22a 注入口(加圧流体圧入口) 31 シーケンスコントローラ(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 憲治 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 菅 康之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 林 啓 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型閉じされた状態で内部に所定形状のキ
    ャビティを形成する開閉可能な成形型の上記キャビティ
    内に溶融樹脂を射出したのち、この射出した溶融樹脂の
    内部に流体通路を経由して加圧流体を圧入することによ
    り中空部を有する成形品を成形するようにした中空射出
    成形方法において、 上記溶融樹脂の内部に対する加圧流体の圧入圧力を、加
    圧流体の圧入初期に低くし、その後圧入初期よりも高く
    するようにしたことを特徴とする中空射出成形方法。
  2. 【請求項2】 型閉じされた状態で内部に所定形状のキ
    ャビティを形成する開閉可能な成形型の上記キャビティ
    内に溶融樹脂を射出したのち、この射出した溶融樹脂の
    内部に流体通路を経由して加圧流体を圧入することによ
    り中空部を有する成形品を成形するようにした中空射出
    成形方法において、 上記成形品は、キャビティの型閉じ方向で互いに肉厚が
    異なる厚肉部および薄肉部を有してなり、 上記加圧流体の圧入圧力を、上記厚肉部に対応する溶融
    樹脂の厚肉部対応部分の内部に対して圧入初期に低くし
    て圧入し、上記薄肉部に対応する溶融樹脂の薄肉部対応
    部分の固化が促進した後、該溶融樹脂の厚肉部対応部分
    の内部に対する加圧流体の圧入圧力を圧入初期よりも高
    くして圧入するようにしている請求項1記載の中空射出
    成形方法。
  3. 【請求項3】 上記加圧流体を流体通路からキャビティ
    内の溶融樹脂内部に圧入する際、上記キャビティ内の複
    数箇所に開口する複数の加圧流体圧入口を通して行う請
    求項1または請求項2記載の中空射出成形方法。
  4. 【請求項4】 上記成形品は、キャビティの型閉じ方向
    と直交する方向に長い長尺物であり、 上記厚肉部対応部分は、上記成形品と対応してキャビテ
    ィの型閉じ方向と直交する方向に比較的広くなるもので
    あり、 上記加圧流体を流体通路からキャビティ内の溶融樹脂内
    部に圧入する際、成形品の長手方向略中央部に対応する
    溶融樹脂の厚肉部対応部分の略中央部対応位置から内部
    に圧入して長手方向の両側に導くようにしている請求項
    2記載の中空射出成形方法。
  5. 【請求項5】 上記溶融樹脂の厚肉部対応部分は、上記
    成形品の裏面より突出するリブに対応している請求項2
    記載の中空射出成形方法。
  6. 【請求項6】 型閉じされた状態で内部に所定形状のキ
    ャビティを形成する開閉可能な成形型の上記キャビティ
    内に溶融樹脂を射出する一方、この射出した溶融樹脂の
    内部に流体通路を経由して加圧流体を圧入することによ
    って中空部を有する成形品を成形するようにした中空射
    出成形装置において、 上記成形品は、キャビティの型閉じ方向で互いに肉厚が
    異なる厚肉部および薄肉部を有してなり、 上記キャビティ内には、上記厚肉部に対応する溶融樹脂
    の厚肉部対応部分の内部に流体通路を介して加圧流体を
    圧入する加圧流体圧入口が開口しているとともに、 該加圧流体圧入口から上記溶融樹脂の厚肉部対応部分の
    内部に圧入される加圧流体の圧入圧力を制御する制御手
    段が設けられており、 上記制御手段は、加圧流体の圧入圧力をその圧入初期に
    低くし、上記薄肉部に対応する溶融樹脂の薄肉部対応部
    分の固化が促進した後に圧入初期よりも高くするように
    設けられていることを特徴とする中空射出成形装置。
JP3792895A 1995-02-27 1995-02-27 中空射出成形方法およびその装置 Pending JPH08229974A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3792895A JPH08229974A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 中空射出成形方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3792895A JPH08229974A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 中空射出成形方法およびその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08229974A true JPH08229974A (ja) 1996-09-10

Family

ID=12511226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3792895A Pending JPH08229974A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 中空射出成形方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08229974A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108715018A (zh) * 2018-06-12 2018-10-30 上海均诺汽车零部件有限公司 汽车氛围灯光导体注塑工艺

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108715018A (zh) * 2018-06-12 2018-10-30 上海均诺汽车零部件有限公司 汽车氛围灯光导体注塑工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4555225A (en) Apparatus for making a twin-wall, internally corrugated plastic structural part with a smooth non-cellular skin
US5759459A (en) Method for producing plastic objects
US4474717A (en) Method of making a twin-wall internally corrugated plastic structural part with a smooth non-cellular skin
US5098637A (en) Process for injection molding and hollow plastic article produced thereby
US5470219A (en) Runnerless injection molding of synthetic resin with a valve gate
EP0400135B1 (en) Injection mold method
US5928677A (en) Apparatus for producing hollow plastic objects with pressurized gas injection after overflow cut-off
JPH09187834A (ja) 射出成形方法および装置
US5273707A (en) Method of injection molding
EP0823871B1 (en) Method and system for injection molding utilizing a variable volume spill cavity and article produced thereby
US5643527A (en) Method of injection molding
US5776412A (en) Method and apparatus for producing plastic objects with solid sections and hollow sections
JPH0550972B2 (ja)
US6716387B2 (en) Process for pressure assisted molding of hollow articles
US6855280B2 (en) Method for injection molding of plastic materials using gas holding pressure in mold
JPH08229974A (ja) 中空射出成形方法およびその装置
JP3482027B2 (ja) 中空射出成形方法およびその装置
JP2000225633A (ja) 中空成形用金型装置
JP3418495B2 (ja) 射出成形方法
JP2704715B2 (ja) 中空物の射出成形方法及びその装置
KR100410994B1 (ko) 중공 사출 장치 및 사출 방법
JPH05261748A (ja) 中空射出成形方法及びその成形品
JPH09207155A (ja) 中空射出成形装置及び方法
CA1242058A (en) Method of making a twin-wall, internally corrugated plastic structural part with a smooth non-cellular skin and apparatus therefore
JPH0834738B2 (ja) 射出圧縮成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02