JPH08227070A - ポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示素子 - Google Patents

ポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示素子

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JPH08227070A
JPH08227070A JP3221195A JP3221195A JPH08227070A JP H08227070 A JPH08227070 A JP H08227070A JP 3221195 A JP3221195 A JP 3221195A JP 3221195 A JP3221195 A JP 3221195A JP H08227070 A JPH08227070 A JP H08227070A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal film
display element
dispersion type
polymer dispersion
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JP3221195A
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English (en)
Inventor
Tomiya Abe
富也 阿部
Shiro Konishi
史郎 小西
Masahiro Okabe
雅寛 岡部
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電圧保持率を向上させ、応用範囲を大幅に拡
大する。 【構成】 水溶性ポリママトリックス中に液晶の小滴が
分散されているポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示
素子において、上記ポリマ分散型液晶フィルムに酸化マ
グネシウムを含有させる。その酸化マグネシウムは、そ
の平均粒子径が 0.1マイクロメーター以下であると共
に、その含有量が液晶に対して 0.1〜 5重量%であるこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子、特にポリ
マ分散型液晶フィルムを用いた表示素子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリママトリックス中に液晶が分散され
た、いわゆるポリマ分散型液晶フィルムは、通常の液晶
ディスプレイに比べ偏光板を使用しないため表示が明る
いこと、画面を大型化できること等の種々の利点を有し
ている。
【0003】このポリマ分散型液晶フィルムのポリママ
トリックス中の液晶小滴を均一に分散させる方法として
は、重合、熱、溶媒除去等による相分離による方法と、
ポリビニルアルコールに代表される水溶性ポリマの水溶
液と液晶のエマルジョンを利用する方法の2つがある
が、水溶性ポリマの水溶液とエマルジョンを利用する方
法は、相分離による方法に比較して液滴の制御や、フィ
ルム作成が容易である等の利点を有する。
【0004】このエマルジョンを使用するフィルム作成
方法は、水溶性ポリマ水溶液中に液晶が液滴として分散
しているエマルジョンをITO(Indium Tin Oxide)等の
透明導電性膜を具備した電極基板上にドクターブレード
などの塗工器具により塗布した後、膜を乾燥させ、さら
に、もう一方の電極基板を貼合わせることからなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のポリ
マ分散型液晶フィルムを用いた表示素子は、一般の液晶
表示素子と比べて表示が明るく画面の大型化を図れる等
の利点を有するが、素子の電圧保持率が低く、特に長期
加熱した場合に著しく低下してしまうという問題を有し
ている。このため、TFT(薄膜トランジスター)に代
表される高精彩なアクティブマトリックスを利用したデ
ィスプレイは実現されておらず、その応用が大幅に制限
される。
【0006】そこで、本発明は、上記の問題点を解消
し、電圧保持率を向上させて応用範囲を大幅に拡大する
ことができる新規なポリマ分散型液晶フィルムを用いた
表示素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示素
子は、水溶性ポリママトリックス中に液晶の小滴が分散
されているポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示素子
において、上記ポリマ分散型液晶フィルムに酸化マグネ
シウムを含有したものである。酸化マグネシウムは、そ
の平均粒子径が0.1マイクロメーター以下であると共
に、その含有量が液晶に対して 0.1〜 5重量%であるこ
とが好ましい。
【0008】本発明における水溶性ポリマとしては、特
に限定するものでないが、通常の水溶性ポリマ、具体的
にはポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース等を挙げることができ、さらに、これらを
適当な精製法により導電性の不純物を除去し高純度化し
たものを用いることが好ましい。
【0009】液晶としては、特に限定されるものではな
いが、アゾメチン化合物、アゾキシ化合物、シアノビフ
ェニル類、シアノフェニルエステル、安息香酸エステ
ル、シアノ置換フェニルピリジン、アルコキシ置換フェ
ニルピリジン、フェニルジオキサン、アルケニルシクロ
ヘキシルベンゾニトリル等及びそれらの混合物に代表さ
れるネマチック液晶などが挙げられ、さらに、これらを
適当な精製法により導電性の不純物を除去したものを用
いることが望ましい。さらに、このネマチック液晶にコ
ントラスト比を高める目的で2色性色素を添加してもよ
い。
【0010】酸化マグネシウム(MgO)は、特に限定
されるものではないが、ポリマ分散型液晶膜の膜厚の均
一性の制限から、平均粒径が 0.2マイクロメーター以下
であることが必要であり、望ましく 0.1マイクロメータ
ーがよい。また、酸化マグネシウムの添加量は、特に限
定されないが、液晶に対して 0.1〜 5重量%の範囲が好
ましい。これは、添加量が 0.1重量%未満では効果は期
待できず、また、 5重量%を越えるとMgO粒子の凝集
のため膜厚が不均一となり、貼合わせできる膜は得られ
ないなどの問題点があるからである。
【0011】
【作用】ポリマ分散型液晶を用いた表示素子の長期加熱
による電圧保持率の低下は、ポリマ分散型液晶の導電性
不純物が大きな原因であり、特に、ポリマの高純度化
(高抵抗化)が重要であると報告されていることから(S
ID 90 DIGEST,P220-223)、本発明者らは、鋭意研究した
結果、ポリマ分散型液晶中の導電性不純物の影響を少な
くする手段として、平均粒子径が 0.1マイクロメーター
以下である酸化マグネシウムが有効であることを見出し
た。
【0012】従って、ポリマ分散型液晶フィルムに酸化
マグネシウムを含有することにより、導電性不純物の影
響が少なく、電圧保持率が向上する。これによって、電
圧保持率特性に優れた表示素子を得られ、その応用範囲
が大幅に拡大する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を示し、さらに詳細
な説明とする。
【0014】(実施例1)メルク社液晶TL205を4
グラムと、宇部興産社製高純度マグネシア100A(平
均粒径 0.010〜 0.014マイクロメーター MgO)を0.
04グラムと、ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバー
ル205)の10重量%水溶液を10グラムとを、4枚羽式
のホモジナイザーで5,000RPMの回転数で10分撹拌してエ
マルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡のため3日
間放置した後、透明電極付きガラス基板に30μmのギャ
ップのドクターブレードで塗布し、さらに、20℃40%R
Hの環境で24時間放置して、水分を乾燥させた。その
後、対向電極基板として透明電極付きガラス基板を貼合
わせ、その周辺部をエポキシ樹脂でシールし、ポリマ分
散型液晶フィルム層厚さ 7μmの液晶セル(表示素子)
を得た。この素子の電圧保持率は95%であり、またこの
素子を60℃ 1,000時間放置した後の電圧保持率は93%で
あり、加熱後の電圧保持率の低下は殆どみられなかっ
た。尚、ここで電圧保持率は、図1及び図2に示すよう
に、パルス幅t秒の±V0 ボルトの電気信号をサンプル
にT秒なる周期で印加し、サンプルに実際かかっている
電圧Vs とした時、下記数1の式のように定義されるも
のとする。この時、t= 100マイクロ秒、T=16ミリ
秒、V0 =10ボルトの条件で測定した。
【0015】
【数1】
【0016】(実施例2)メルク社液晶TL205を4
グラムと、宇部興産社製高純度マグネシア500A(平
均粒径 0.045〜 0.060マイクロメーター MgO)を0.
04グラムと、ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバー
ル205)の10重量%水溶液を10グラムとを、4枚羽式
のホモジナイザーで5,000RPMの回転数で10分撹拌してエ
マルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡のため3日
間放置した後、透明電極付きガラス基板に30μmのギャ
ップのドクターブレードで塗布し、さらに、20℃40%R
Hの環境で24時間放置して、水分を乾燥させた。その
後、対向電極基板として透明電極付きガラス基板を貼合
わせ、その周辺部をエポキシ樹脂でシールし、ポリマ分
散型液晶フィルム層厚さ 7μmの液晶セル(表示素子)
を得た。この素子の電圧保持率は97%であり、またこの
素子を60℃ 1,000時間放置した後の電圧保持率は96%で
あり、加熱後の電圧保持率の低下は殆どみられなかっ
た。
【0017】(比較例1)メルク社液晶TL205を4
グラムと、ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバール
205)の10重量%水溶液を10グラムとを、4枚羽式の
ホモジナイザーで5,000RPMの回転数で10分撹拌してエマ
ルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡のため3日間
放置した後、透明電極付きガラス基板に30μmのギャッ
プのドクターブレードで塗布し、さらに、20℃40%RH
の環境で24時間放置して、水分を乾燥させた。その後、
対向電極基板として透明電極付きガラス基板を貼合わ
せ、その周辺部をエポキシ樹脂でシールし、ポリマ分散
型液晶フィルム層厚さ 7μmの液晶セル(表示素子)を
得た。この素子の電圧保持率は90%であり、またこの素
子を60℃ 1,000時間放置した後の電圧保持率は60%に低
下してしまった。
【0018】(比較例2)メルク社液晶TL205を4
グラムと、宇部興産社製高純度マグネシア500A(平
均粒径 0.045〜 0.060マイクロメーター MgO)を
0.001グラムと、ポリビニルアルコール(クラレ社製ポ
バール205)の10重量%水溶液を10グラムとを、4枚
羽式のホモジナイザーで5,000RPMの回転数で10分撹拌し
てエマルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡のため
3日間放置した後、透明電極付きガラス基板に30μmの
ギャップのドクターブレードで塗布し、さらに、20℃40
%RHの環境で24時間放置して、水分を乾燥させた。そ
の後、対向電極基板として透明電極付きガラス基板を貼
合わせ、その周辺部をエポキシ樹脂でシールし、ポリマ
分散型液晶フィルム層厚さ 7μmの液晶セル(表示素
子)を得た。この素子の電圧保持率は88%であり、また
この素子を60℃ 1,000時間放置した後の電圧保持率は61
%に低下してしまった。
【0019】(比較例3)メルク社液晶TL205を4
グラムと、宇部興産社製高純度マグネシア500A(平
均粒径 0.045〜 0.060マイクロメーター MgO)を
0.3グラムと、ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバ
ール205)の10重量%水溶液を10グラムとを、4枚羽
式のホモジナイザーで5,000RPMの回転数で10分撹拌して
エマルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡のため3
日間放置した後、透明電極付きガラス基板に30μmのギ
ャップのドクターブレードで塗布し、さらに、20℃40%
RHの環境で24時間放置して、水分を乾燥させた。乾燥
後、膜の平坦が悪く、対向電極基板として透明電極付き
ガラス基板の貼合わせができなかった。
【0020】(比較例4)メルク社液晶TL205を4
グラムと、宇部興産社製高純度マグネシア2000A
(平均粒径0.19〜0.24マイクロメーター MgO)を0.
04グラムと、ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバー
ル205)の10重量%の水溶液を10グラムとを、4枚羽
式のホモジナイザーで5,000RPMの回転数で10分撹拌して
エマルジョンを得た。このエマルジョンを脱泡のため3
日間放置した後、透明電極付きガラス基板に30μmのギ
ャップのドクターブレードで塗布し、さらに、20℃40%
RHの環境で24時間放置して、水分を乾燥させた。乾燥
後、膜の平坦が悪く、対向電極基板として透明電極付き
ガラス基板の貼合わせができなかった。
【0021】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、電圧保持
率特性に優れたポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示
素子が得られ、その応用範囲が大幅に拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】素子に入力される電圧VINPUT と時間との関係
を示す図である。
【図2】実際に素子にかかっている電圧Vs と時間との
関係を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ポリママトリックス中に液晶の小
    滴が分散されているポリマ分散型液晶フィルムを用いた
    表示素子において、上記分散型液晶フィルムに酸化マグ
    ネシウムを含有したことを特徴とするポリマ分散型液晶
    表示素子。
  2. 【請求項2】 上記酸化マグネシウムは、平均粒子径が
    0.1マイクロメーター以下であると共に、その含有量が
    液晶に対して 0.1〜 5重量%である請求項1記載の表示
    素子。
JP3221195A 1995-02-21 1995-02-21 ポリマ分散型液晶フィルムを用いた表示素子 Pending JPH08227070A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007156054A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Seiko Epson Corp 液晶装置、液晶装置の製造方法、並びに電子機器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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