JPH08225589A - 修飾オリゴヌクレオチド、それらの製造、およびそれらの使用 - Google Patents

修飾オリゴヌクレオチド、それらの製造、およびそれらの使用

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JPH08225589A
JPH08225589A JP7311636A JP31163695A JPH08225589A JP H08225589 A JPH08225589 A JP H08225589A JP 7311636 A JP7311636 A JP 7311636A JP 31163695 A JP31163695 A JP 31163695A JP H08225589 A JPH08225589 A JP H08225589A
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alkyl
group
alkoxy
hydrogen
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JP7311636A
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English (en)
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Frank Seela
フランク、ゼーラ
Horst Dr Thomas
ホルスト、トーマス
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Hoechst AG
Original Assignee
Hoechst AG
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 標的核酸と一層安定なハイブリダイゼーショ
ンを形成するオリゴヌクレオチドの提供。 【構成】 下記式Iを有するオリゴヌクレオチド、およ
び生理学的に許容可能なその塩。 【化1】 [式中、Bは、それぞれ独立して、ヌクレオチド化学で
普通に用いられる塩基であり、少なくとも1個のBは下
記式IIの塩基であり、 【化2】 、かつ曲線状の括弧は、Rおよび隣接するホスホリル
または−Y′−R1a基が2′および3′位、または逆に
3′および2′位のいずれにも位置することができるこ
とを示している。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、修飾された塩基を含み、重要な物理的、生物
学的および薬理学的特性を有する新規なオリゴヌクレオ
チド、それらの製造法、および遺伝子発現の阻害剤(ア
ンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、センスオ
リゴヌクレオチド、およびトリプレックス形成オリゴヌ
クレオチド)として、核酸検出用のプローブとして、分
子生物学における助剤として、および医薬または診断薬
としてのそれらの使用に関する。
【0002】発明の背景 オリゴヌクレオチドの多数の化学修飾は、文献により知
られている。これらの修飾は、糖−リン酸骨格またはヌ
クレオチド塩基に影響を与えることがある。当該技術分
野の状況は、例えばUhlmann & Peyman, Chem. Rev., 19
90, 90, 543 およびMilligan et al., J. Med. Chem.,
1993, 36,1923 に概説されている。一般に、未修飾オリ
ゴヌクレオチドは、細胞中および細胞培養液中のいずれ
でも核溶解活性(nucleolytic activities)によって極め
て迅速に分解されるので、オリゴヌクレオチドを化学的
に修飾する必要がある。糖−リン酸主鎖を替えることに
より、またはリン酸ブリッジ、糖残基またはヌクレオチ
ド塩基を修飾することにより、核溶解性分解に対して安
定化することができる[Milligan et al.,同上、および
Uhlmann & Peyman, 同上]。
【0003】ヌクレオチドの分解に対して安定性が増加
したオリゴヌクレオチドを生じる修飾の他に、修飾した
オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション挙動を変
更して、例えば細胞内核酸(いわゆる、標的核酸)と更
に安定なハイブリダイゼーション複合体(二本鎖)を形
成することができるようにする修飾も興味深い。例え
ば、塩基を修飾することによってオリゴヌクレオチドの
ハイブリダイゼーション特性を変更することもできる。
この方法で修飾されたオリゴヌクレオチドの変更された
ハイブリダイゼーション特性は、例えば未修飾オリゴヌ
クレオチドで得られるものとは異なる二本鎖の融解温度
(T値)から認識することができる。
【0004】従って、例えば、5−ブロモウラシルを含
むオリゴヌクレオチドは、対応する未置換塩基(ウラシ
ル)を含むオリゴヌクレオチドの場合よりも、相補性核
酸と更に安定なハイブリダイゼーション複合体を形成す
る[G.D. Fasman, CRC Hand-book of Biochemistry and
Molecular Biology, 第3版、1975年、NucleicAci
ds,第I巻、58 - 585]。また、PCT出願WO93/
10820号明細書には、修飾したウラシルまたはシト
シン塩基を含みかつ未修飾オリゴヌクレオチドによって
形成されるものより安定な標的核酸と二本鎖または三本
鎖構造を形成することができるオリゴヌクレオチドが開
示されている。塩基類似体2−アミノアデニンを含むオ
リゴヌクレオチドは、改良されたハイブリダイゼーショ
ン特性を示すことも記載されている[Chollet et al.,
(1988), Nucleic Acid Research, 16, 305-317]。ドイ
ツ国特許出願第P4415370.8号明細書には、オ
リゴヌクレオチドに8−アザプリン塩基を配合すると、
標的核酸との対応するハイブリダイゼーション複合体の
安定性が増加することが開示されている。また、WO9
3/09127号明細書には、置換または未置換7−デ
アザプリン塩基を含み、かつその結果、標的分子(二本
鎖DNA)と更に容易に三本鎖構造を形成することがで
きるオリゴヌクレオチドが開示されている。7位が置換
されている7−デアザプリン塩基を含むオリゴヌクレオ
チドは、WO94/22892号およびWO94/24
144号明細書にも開示されている。
【0005】しかしながら、二本鎖の安定性を増加させ
る塩基の修飾を予測することはできない。従って、二本
鎖の安定性を減少させる塩基修飾の多数の例が知られて
いる。例えば、PCT出願WO92/002258号明
細書には、標的核酸に対する結合親和性が少ないピリミ
ジン修飾オリゴヌクレオチドが記載されている。プリン
環の8位に導入されるメチルまたは臭素置換基も、対応
する二本鎖の安定性を減少させる[E. N. Kanaya et a
l., Biochemistry, (1987), 26, 7159、およびBiochemi
stry, 1984, 23, 4219] 。7−デアザアデニンを含むオ
リゴヌクレオチドでは、アデニンを含むオリゴヌクレオ
チドの場合よりも、相補性オリゴヌクレオチドとの安定
な二本鎖の数が有意に少ない[Seela et al., Nucleic A
cidResearch, (1982), 10, 1389] 。
【0006】
【発明の概要】それ故、本発明の目的は、有利な特性を
有する利用可能な新規なオリゴヌクレオチドを製造する
ことである。
【0007】意外なことには、少なくとも1個の置換し
た7−デアザプリンを有するオリゴヌクレオチドは、未
置換7−デアザプリン塩基を有する匹敵するオリゴヌク
レオチドによって形成されるものより有意に一層安定な
標的核酸とのハイブリダイゼーション複合体を形成する
事を見いだした。
【0008】従って、本発明は、下記式Iのオリゴヌク
レオチドおよび生理学的に許容可能なその塩に関する。
【0009】
【化7】 [式中、Bは、それぞれ独立して、ヌクレオチド化学で
普通に用いられる塩基であり、少なくとも1個のBは下
記式IIの塩基であり、
【0010】
【化8】 (式中、R15およびR16は、それぞれ独立して、 1. 水素、 2. ハロゲン、 3. (C〜C10)−アルキル、 4. (C〜C10)−アルケニル、 5. (C〜C10)−アルキニル、 6. NO、 7. NH、 8. シアノ、 9. −S−(C〜C)−アルキル、 10. (C〜C)−アルコキシ、 11. (C〜C20)−アリールオキシ、 12. SiH14. 3.、4.または5.に記載の基であって、S
H、S−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−
アルコキシ、OH、−NR(c)R(d)、−CO−R
(b)、−NH−CO−NR(c)R(d)、−NR
(c)R(g)、−NR(e)R(f)または−NR
(e)R(g)の群からの1個以上の基によって、また
は式 −[O−(CH−NR(c)R(d) のポリアルキレングリコール基によって置換されている
ものであり、但し、rおよびsは、それぞれ独立して、
1〜18、好ましくは1〜6の整数であり、またOH、
SH、−CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R
(d)、−NR(c)R(d)、−NR(e)R
(f)、−NR(e)R(g)または−NR(c)R
(g)のような官能基は更に、適宜もう一つのリンカー
を介して、細胞内取り込みに好都合でありまたはDNA
またはRNAプローブの標識に利用できる、またはオリ
ゴヌクレオチド類似体が標的核酸にハイブリダイゼーシ
ョンするときには、結合、架橋または開裂と同時に後者
の核酸を攻撃する1個以上の基に結合することができ、
15. 3.、4.または5.に定義されている基であ
って、1個以上のH原子がハロゲン、好ましくはフッ素
によって置換されているものであり、R(a)は、O
H、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C20)−ア
リールオキシ、NHまたはNH−Tであり、Tは、適
宜もう一つのリンカーを介して、細胞内取り込みに好都
合でありまたはDNAまたはRNAプローブの標識に利
用できる、またはオリゴヌクレオチド類似体が標的核酸
にハイブリダイゼーションするときには、結合、架橋ま
たは開裂と同時に後者の核酸を攻撃する1個以上の基に
結合しているアルキルカルボキシル基またはアルキルア
ミノ基であり、R(b)は、ヒドロキシル、(C〜C
)−アルコキシ、または−NR(c)R(d)であ
り、R(c)およびR(d)は、それぞれ独立して、H
であるか、または−NR(e)R(f)または−NR
(e)R(g)によって置換されていないまたは置換さ
れている(C〜C)−アルキルであり、R(e)お
よびR(f)は、それぞれ独立して、Hまたは(C
)−アルキルであり、R(g)は、(C〜C
−アルキル−COOHであり、但し、R15およびR
16は、それぞれ同時に水素、NO、NH、シアノま
たはSiHとなることはできず、EおよびFは、それ
ぞれ独立して、H、OHまたはNHであり、Rは、
水素、C〜C18−アルキル、C〜C18−アルケニ
ル、C〜C18−アルキニル、C〜C18−アルキルカ
ルボニル、C〜C19−アルケニルカルボニル、C
19−アルキニルカルボニル、(C〜C14)−アリー
ル−(C〜C)−アルキル、ヌクレオチド化学で普
通に用いられる保護基、または下記式IIIaの基であり、 1aは、水素、C〜C−アルキル、C〜C18−ア
ルケニル、C〜C18−アルキニル、C〜C18−アル
キルカルボニル、C〜C19−アルケニルカルボニル、
〜C19−アルキニルカルボニル、(C〜C14)−
アリール−(C〜C)−アルキル、または下記式II
Ibの基であり、 は、水素、ヒドロキシル、C〜C18−アルコキ
シ、C〜C−アルケニルオキシ、特にアリルオキ
シ、ハロゲン、アジドまたはNHであり、aは、オキ
シ、スルファンジイルまたはメチレンであり、nは、≧
1の整数であり、Wは、オキソ、チオキソまたはセレン
オキソであり、Vは、オキシ、スルファンジイルまたは
イミノであり、Yは、オキシ、スルファンジイル、イミ
ノまたはメチレンであり、Y′はオキシ、スルファンジ
イル、イミノ、(CHまたはV((CHm′
であり、但し、mは1〜18の整数であり、Xはヒドロ
キシルまたはメルカプトであり、Uは、ヒドロキシル、
メルカプト、SeH、C〜C18−アルコキシ、C
18−アルキル、C〜C20−アリール、(C
14)−アリール−(C〜C)−アルキル、NHR
、NR、または下記式IVの基であり、 (OCHCHO(CHCH (IV) 但し、Rは、C〜C18−アルキル、C〜C20−ア
リール、(C〜C14)−アリール−(C〜C)−
アルキル、2−(CH−[NH(CH
−NRであり、式中、cは2〜6の整数であり、
dは0〜6の整数であり、Rは、それぞれ独立して、
水素、またはC〜C−アルキル、またはC〜C
アルコキシ−C〜C−アルキルであり、Rは、C
〜C18−アルキル、C〜C20−アリール、(C
10)−アリール−(C〜C)−アルキルである
か、またはNRの場合には、Rおよびそれらが
結合している窒素原子と一緒になって、O、SおよびN
の群からのヘテロ原子を更に含むことができる5〜6員
の複素環となり、pは、1〜100の整数であり、q
は、0〜22の整数であり、Rは、水素であるか、ま
たは例えばヒドロキシル、アミノ、C〜C18−アルキ
ルアミノ、COOH、CONH、COO(C
)−アルキルまたはハロゲンなどの官能基であり、
ZおよびZ′は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、メ
ルカプト、SeH、C〜C22−アルコキシ、−O−
(CH−NR(但し、bは1〜6の整数で
あり、RはC〜C−アルキルであるか、またはR
およびRがそれらが結合している窒素原子と一緒に
なって、3〜6員環を形成する)、C〜C18−アルキ
ル、C〜C20−アリール、(C〜C14)−アリール
−(C〜C)−アルキル、(C〜C14)−アリー
ル−(C〜C)−アルコキシ(但し、アリールはヘ
テロアリールでもあり、かつアリールは場合によって
は、カルボキシル、アミノ、ニトロ、C〜C−アル
キルアミノ、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、
ハロゲン、およびシアノの群からの1、2または3個の
同一であるかまたは異なる基によって置換されてい
る)、C〜C18アルキルメルカプト、NHR、NR
、式IVの基、または細胞内取り込みに好都合であ
りまたはDNAまたはRNAプローブの標識に利用でき
る、またはオリゴヌクレオチド類似体が標的核酸にハイ
ブリダイゼーションするときには、結合、架橋または開
裂と同時に後者の核酸を攻撃する基である)、かつ曲線
状の括弧は、Rおよび隣接するホスホリルまたは−
Y′−R1a基が2′および3′位、または逆に3′およ
び2′位のいずれにも位置することができることを示
し、それぞれのヌクレオチドはそのDまたはL配置で存
在し、また塩基Bはα−またはβ−位に位置することが
できることを示している。]
【0011】
【発明の具体的説明】ヌクレオチド化学で普通に用いら
れる塩基は、例えば、アデニン、シトシン、チミン、グ
アニン、ウラシルまたはヒポキサンチンのような天然塩
基、またはプリン、8−アザプリン、2,6−ジアミン
プリン、7−デアザアデニン、7−デアザグアニン、N
,N−エタノシトシン、N,N−エタノ−2,
6−ジアミノプリン、シュードイソシトシン、5−メチ
ルシトシン、5−フルオロウラシル、5−(C
)−アルキニルウラシル、5−(C〜C)−ア
ルキニルシトシン、またはそれらのプロドラッグ形態な
どの非天然塩基を意味するものと理解すべきである。
【0012】少なくとも1個の7−デアザグアニン塩基
(EがNHでありFがOHである)または7−デアザ
アデニン(EがHであり、FがNHである)であり、
7位が置換されている、式Iのオリゴヌクレオチドが、
好ましい。7位が置換されている少なくとも1個の7−
デアザアデニン塩基および適宜、7位が置換されている
1個以上の7−デアザグアニン塩基を更に有する式Iの
オリゴヌクレオチドが特に好ましい。
【0013】7および8位が置換されている少なくとも
1個以上の7−デアザプリン塩基(二置換7−デアザプ
リン塩基)を有する式Iのオリゴヌクレオチドは、本発
明のもう一つの好ましい態様を表わす。二置換7−デア
ザプリン塩基を有する式Iのオリゴヌクレオチドにおい
て、二置換7−デアザプリン塩基が2.、3.、4.、
5.、14.および15.においてR16で定義されてい
る8位の置換基を有するものが好ましい。ハロゲン、例
えばフッ素が、8位では特に好ましい。3.、4.、
5.、14.および15.においてR15で定義されてい
る置換基、特にヘキシニルが、7位の好ましい置換基で
ある。式Iのオリゴヌクレオチドにおいて、R15が、
1. NO、 2. NH、 3. −S−(C〜C)−アルキル、 4. (C〜C)−アルコキシ、 5. (C〜C20)−アリールオキシ、 6. SiH8. SH、S−(C〜C)−アルキル、(C
)−アルコキシ、OH、−NR(c)R(d)、−
CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R(d)、
−NR(c)R(g)、−NR(e)R(f)または−
NR(e)R(g)の群からの1個以上の基によって、
または式 −[O−(CH−NR(c)R(d) のポリアルキレングリコール基によって置換されている
(C〜C10)−アルキル、(C〜C10)−アルケニ
ル、または(C〜C10)−アルキニルであり、但し、
rおよびsは、それぞれ独立して、1〜18、好ましく
は1〜6の整数であり、またOH、SH、−CO−R
(b)、−NH−CO−NR(c)R(d)、−NR
(c)R(d)、−NR(e)R(f)、−NR(e)
R(g)または−NR(c)R(g)のような官能基は
更に、適宜もう一つのリンカーを介して、細胞内取り込
みに好都合でありまたはDNAまたはRNAプローブの
標識に利用できる、またはオリゴヌクレオチド類似体が
標的核酸にハイブリダイゼーションするときには、結
合、架橋または開裂と同時に後者の核酸を攻撃する1個
以上の基に結合することができ、または 9. (C〜C10)−アルキル、(C〜C10)−ア
ルケニル、または(C〜C10)−アルキニルであり、
1個以上のH原子がハロゲン、好ましくはフッ素によっ
て置換されているものであり、R16が、水素であるもの
も、好ましい。
【0014】7−デアザプリン塩基の7位だけが置換さ
れているときには(R16=H)、C〜C10−アルキ
ル、C〜C10−アルケニル、またはC〜C10−アル
キニル基において、1個以上のH原子がハロゲン、好ま
しくはフッ素で置換されているものが、7位にとって特
に好ましい。一般的には、7−デアザプリン含有オリゴ
ヌクレオチドにおいて、7−デアザプリン塩基が7位お
よび/または8位の電子吸引性置換基を表わすものが好
ましい。
【0015】式Iのオリゴヌクレオチドにおいて、塩基
が糖のβ位に配置され、ヌクレオチドがD配置であり、
が2′位にあり、aが酸素であるものも好ましい。
アザプリン環系の7位は、置換基R15が位置する位置を
意味するものと理解すべきである。したがって、置換基
16は、8位に位置している。相補性核酸(標的核酸)
に結合するときには、新規なオリゴヌクレオチドは、天
然オリゴヌクレオチドによって示されるものよりも優れ
ている結合親和性を示す。
【0016】新規オリゴヌクレオチドのもう一つの利点
は、酸およびヌクレアーゼに対する安定性は、天然プリ
ン塩基を含むオリゴヌクレオチドと比較して増加してい
ることである。これらのオリゴヌクレオチドが治療に用
いられるときには、リン酸主鎖、リボース単位またはオ
リゴヌクレオチド末端などの修飾を更にこれらのオリゴ
ヌクレオチドに導入するのが有利である[J.S. Cohen,
Topics in Molecular and Structural Biology, 12 (19
89), Macmillan Press, E. Uhlmann et al.,上記]。例
えば、自体既知の糖リン酸主鎖の修飾により、新規なオ
リゴヌクレオチドが生じ、ヌクレアーゼの攻撃に対して
更に効率的に保護されることになり、有利である。
【0017】従って、V、Y、Y′およびWの意味が、
チオキソ、セレノキソ、オキシ、オキソ、スルファンジ
イル、イミノまたはメチレンであり、Uの意味がヒドロ
キシル、メルカプトまたはメチルである、式Iの化合物
も好ましい。これらの化合物は、Rが更にヒドロキシ
ルまたは水素であり、特に水素である場合に、極めて好
ましい。RおよびR1aが水素である、式Iの化合物
も、好ましい態様を表わす。Rおよび/またはR1a
水素であり、Rがヒドロキシルまたは水素であり、U
がヒドロキシルまたはメルカプトであり、V、Y、Y′
およびWの意味がチオキソ、オキシ、オキソまたはヒド
ロキシルである、式Iの化合物が特に好ましい。
【0018】ヌクレオチド化学で普通に用いられる保護
基は、例えばアミノ保護基、ヒドロキシル保護基、また
はE. Sonveaux, 1986, Bioorganic Chemistry, 14, 274
-325またはS.L. Beaucage et al., 1992, Tetrahedro
n, 48, 2223 - 2311に記載されているような他の保護基
を意味するものと理解すべきである。アルキル、アルケ
ニルおよびアルキニルは、直鎖状でもまたは分岐状でも
よく、アルカノイルまたはアルコキシのような、前記基
から誘導される基にも同様に適用される。
【0019】(C〜C10)−アルキルは、特に、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルである。ハロ
ゲン化した(C〜C10)−アルキルの例は、CH
、CF、CHF、CF−CH−CH−、
CF−CF−CH−、CF(CF−CH
CF(CF−CH−CH−である。
【0020】(C〜C10)−アルケニルは、例えば、
ビニル、(−CH=CH)、1−プロペニル(−CH
=CH−CH)、2−メチル−1−プロペニル(−C
H=C(CH)−CH)、1−ブテニル(−CH=
CH−CH−CH)、1−ペンテニル、1−ヘキセ
ニル、1−ヘプテニルおよび1−オクテニルである。ハ
ロゲン化(C〜C10)−アルケニルは、−CH=CF
、−CH=CH−CFおよび−CF=CF−CF
である。
【0021】(C〜C10)−アルキニルは、例えば、
エチニル(−CCH)、1−プロピニル(−CC−
CH)、1−ブチニル(−CC−CH−C
)、3−メチル−ブチニル(−CC−CH(CH
)−CH)、3,−3−ジメチル−ブチニル(−C
C−C(CH)、1−ペンチニル、1,3−ペ
ンタジイニル(−CC−CC−CH)、1−ヘキ
シニルおよび1−ヘプチニルである。ハロゲン化した
(C〜C10)−アルキニルは、−CC−CHF、
−CC−CF、−CC−(CH−CF
および−CC−(CF−CFである。なお、
は三重結合を表すものとする。
【0022】シクロアルキルは、アルキル置換した環を
意味するものと理解される。(C〜C20)−アリール
は、例えば、フェニル、ナフチル、またはビフェニリ
ル、好ましくはフェニルである。ハロゲンは、ヨウ素、
臭素、塩素またはフッ素を意味するものと理解すべきで
ある。
【0023】ヘテロアリールは、特にフェニルまたはナ
フチルから誘導される基であって、1個以上のCH基が
Nで置換されておりおよび/または少なくとも2つの隣
接するCH基がS、NHまたはOで置換されて(5員芳
香族環を形成)いることを意味するものと理解される。
更に、二環式基の縮合部位の一方または両方の原子は窒
素原子(インドリジニル基において)であることができ
る。ヘテロアリールは、特にフラニル、チエニル、ピロ
リル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テト
ラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリ
ル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジ
ニル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、キノ
リル、イソキノリル、フタラジニル、キノキサリニル、
キナゾリニル、およびシンノリニルである。
【0024】モルホリニル基およびイミダゾリジニル基
は、基NRにおいて、RおよびRが、これら
と結合している窒素原子と一緒になって、更に別のヘテ
ロ原子を含む5または6員の複素環を形成するものの例
として挙げることができる。
【0025】式(I) の化合物の生理学的に許容可能な塩
は、Remington's PharmaceuticalSciences (第17
版、1418頁(1985年))に記載されているよう
に、無機および有機塩の両方を意味するものと理解され
る。物理的および化学的安定性および溶解度により、ナ
トリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびアンモニ
ウム塩は、取り分け酸性基に好ましい。
【0026】本発明は、α−およびβ−D−またはL−
リボフラノシド、α−およびβ−D−またはL−デオキ
シリボフラノシド、および対応する炭素環式の5員環類
似体に限定されず、キシロフラノースおよびアラビノフ
ラノース誘導体、環拡大および環縮小糖、および環架橋
した糖誘導体または様々な種類の適当な糖誘導体などの
他の糖構築ブロックから組み立てられるオリゴヌクレオ
チド類似体にも適用される。更に、本発明は、式Iの例
によって記載されるホスフェート基の誘導体に限定され
ず、既知のデホスホ誘導体にも関する。
【0027】従って、新規なオリゴヌクレオチドは、様
々な方法で天然構造を修飾することから得ることができ
る。本質的に既知の方法によって導入されるこのような
修飾の例は、下記の通りである。 a) ホスフェートブリッジの修飾 下記のものを、例として挙げることができる。ホスホロ
チオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネー
ト、ホスホロアミデート、ボラノホスフェート、メチル
ホスフェート、エチルホスフェート、およびフェニルホ
スホネート。ホスホロチオエート、ホスホロジチオエー
トおよびメチルホスホネートは、ホスフェートブリッジ
の好ましい修飾物である。
【0028】b) ホスフェートブリッジの置換 下記のものを、例として挙げることができる。アセタミ
ド、ホルムアセタール、3′−チオホルムアセタール、
メチルヒドロキシルアミン、オキシム、メチレンジメチ
ルヒドラゾ、ジメチレンスルホン、およびシリル基。ア
セタミド、ホルムアセタールおよび3′−チオホルムア
セタールによる置換が好ましい。
【0029】c) 糖の修飾 下記のものを、例として挙げることができる。α−アノ
マー性糖、2′−O−メチルリボース、2′−O−ブチ
ルリボース、2′−O−アリルリボース、2′−フルオ
ロ−2′−デオキシリボース、2′−アミノ−2′−デ
オキシリボース、α−アラビノフラノース、および炭素
環式糖類似物。好ましい就職物は、2′−O−メチルリ
ボースおよび2′−O−n−ブチルリボースによるもの
である。O−リボースの2′および3′炭素原子が二重
結合を介して結合しており、それぞれの場合に置換基と
して水素原子を有する修飾が、特に好ましい。
【0030】d) 糖およびホスフェートブリッジの修
飾 例として挙げることができるものは、ペプチド核酸(P
NA′s)であって、糖/ホスフェート主鎖がアミノエ
チルグリシン主鎖(ドイツ国特許出願第P440853
1.1号明細書参照)およびカルバメート−架橋したモ
ルホリノオリゴマーによって置換されているものであ
る。PNA′sは、ドイツ国特許出願第P440852
8.1号明細書に記載されているように、核酸に結合す
ることもできる。
【0031】e) 塩基、特にピリミジン塩基の他の修
飾 例として、下記のものを挙げることができる。5−プロ
ピニル−2′−デオキシウリジン、5−プロピニル−
2′−デオキシシチジン、5−ヘキシニル−2′−デオ
キシウリジン、5−ヘキシニル−2′−デオキシシチジ
ン、5−フルオロ−2′−デオキシシチジン、5−フル
オロ−2′−デオキシウリジン、5−ヒドロキシメチル
−2′−デオキシウリジン、5−メチル−2′−デオキ
シシチジン、および5−ブロモ−2′−デオキシシチジ
ン。5−プロピニル−2′−デオキシウリジン、5−ヘ
キシニル−2′−デオキシウリジン、5−ヘキシニル−
2′デオキシシチジン、および5−プロピニル−2′−
デオキシシチジンが好ましい修飾である。
【0032】f) 3′−3′および5′−5′反転
[例えば、M. Koga et al., J. Org. Chem., 56 (199
1), 3757]
【0033】g) 5′−複合体および3′−複合体 細胞内摂取に好都合な基の例は、様々な親油性基、例え
ば−O−(CH−CH(但し、xは6〜18の
整数)、−O−(CH−CH=CH−(CH
−CH(但し、nおよびmは、それぞれ独立して6
〜12の整数)、−O−(CHCHO)−(CH
−CH、−O−(CHCHO)−(CH
13−CH、および−O−(CHCHO)
(CH15−CH、およびステロイド基、例えばコ
レステリル、またはビタミン基、例えばビタミンE、ビ
タミンAまたはビタミンD、および天然のキャリヤー系
を利用する他の複合体、例えば胆汁酸、葉酸、2−(N
−アルキル,N−アルコキシ)−アミノアントラキノ
ン、およびマンノースとオリゴヌクレオチドのレセプタ
ーによって媒介されるエンドサイトーシスを生じる対応
するレセプターのペプチド、例えばEGF(上皮成長因
子)、ブラジキニンおよびPDGF(血小板由来成長因
子)、との複合体である。標識基は、蛍光性基、例えば
ダンシル(=N−ジメチル−1−アミノナフチル−5−
スルホニル)誘導体、フルオレセイン誘導体、またはク
マリン誘導体、または化学発光基、例えばアクリジン誘
導体、およびELISAによって検出することができる
ジゴキシゲニン系、ビオチン/アビジン系によって検出
することができるビオチン基、または官能基を有するリ
ンカーアームであって、続いて検出可能なレポーター基
を有する誘導体を形成できるもの、例えば、アクリジニ
ウム活性エステルを用いて化学発光プローブに転換され
るアミノアルキルリンカーである。他の好適なリンカー
は、公表された特許出願EP251786号明細書およ
びWO93/09217号明細書から当業者には知られ
ている。
【0034】h) 7−デアザプリンについての7位お
よび/または8位の複合 DNAまたはRNAプローブを標識するのに用いられ
る、または細胞内摂取に好都合である基を、7−デアザ
プリンの7位および/または8位で複合することもでき
る。特殊な結合基を介して、7−デアザイプリンの7位
でビオチンまたはイミノビオチン基が複合している7−
デアザプリンヌクレオシドは、EP63 879号明細
書に開示されている。
【0035】DNAまたはRNAプローブに対する標識
基は、蛍光基、例えばダンシル(=N−ジメチル−1−
アミノナトリウム−5−スルホニル)誘導体、フルオレ
セイン誘導体、またはクマリン誘導体、またはアクリジ
ン誘導体などの化学発光基、およびELISAによって
検出することができるジゴキシゲニン系、またはビオチ
ン/アビジン系によって検出可能なビオチン基、および
既にg)に記載されている挿入剤および化学活性基(Be
aucage et al., Tetrah., (1993), Vol. 49,No. 10, 19
25-1963も参照)を意味するものと理解すべきである。
【0036】細胞内摂取に好都合な基の例は、ステロイ
ド基、例えばコレステリル、またはビタミン基、例えば
ビタミンE、ビタミンAまたはビタミンD、および天然
のキャリヤー系を利用する他の複合体、例えば胆汁酸、
葉酸、2−(N−アルキル,N−アルコキシ)−アミノ
アントラキノン、およびマンノースとオリゴヌクレオチ
ドのレセプターによって媒介されるエンドサイトーシス
を生じる対応するレセプターのペプチド、例えばEGF
(上皮成長因子)、ブラジキニンおよびPDGF(血小
板由来成長因子)、との複合体である。
【0037】一般的に、記載された基は、オリゴヌクレ
オチドの水準(例えば、SH基によって)、またはモノ
マーの水準(ホスホネート、ホスホアミダイト、または
トリホスフェート)のいずれで導入することもできる。
モノマーの場合には、特にトリホスフェートの場合に
は、レポーター基または挿入剤基を導入する側鎖を保護
された状態にしておき、側鎖の保護基を除去し、且つホ
スホリル化の後に、対応するレポーター基または挿入剤
基の場合によっては活性化した誘導体と反応させるのが
有利である。
【0038】典型的な標識基は、フルオレセイン誘導
体:
【化9】 およびジゴキシゲニン複合体:
【0039】
【化10】 である。
【0040】核酸と結合し、またはそれらとインターカ
レーションし、および/またはそれらを開裂しまたは架
橋するオリゴヌクレオチド類似体は、アクリジン、プソ
ラレン、フェナントリジン、ナフトキノン、ダウノマイ
シン、またはクロロエチルアミノアリール複合体を含
む。典型的な挿入および架橋基は、
【0041】アクリジニウムエステル:
【化11】
【0042】フルオレセイン誘導体:
【化12】 [式中、xは2〜18,好ましくは4、であり、RはH
またはC〜C−アルキル(x=4およびR=CH
では、「フルオレセイン」)である。]
【0043】ビオチン複合体(=「ビオチン」、R=F
mocに対して):
【化13】 (式中、RはHまたはアミノ保護基である)
【0044】アクリジン誘導体:
【化14】 (式中、xは、2〜12、好ましくは4である)
【0045】下記式の化合物:
【化15】 (式中、xは2〜12、好ましくは4である)
【0046】トリメチルプソラレン複合体:
【化16】 (式中、Xは−NHまたは−O−であり、XがOのとき
「プソラレン」である)
【0047】フェナントロリン複合体:
【化17】
【0048】プソラレン複合体:
【化18】
【0049】ナフトキノン複合体:
【化19】
【0050】ダウノマイシン誘導体:
【化20】
【0051】下記の化合物:
【化21】 (式中、xは1〜18であり、Xはアルキル、ハロゲ
ン、NO、CN、または
【0052】および下記の化合物である。
【化22】 (式中、xは1〜18であり、Xはアルキル、ハロゲ
ン、NO、CN、または
【0053】本発明は、更に下記式Vの化合物にも関す
る。
【化23】 [式中、Vは、オキシ、スルファンジイル、またはイミ
ノであり、Yは、オキシ、スルファンジイル、または
メチレンであり、aは、オキシ、スルファンジイル、ま
たはメチレンであり、R2bは、水素、OR12、C〜C
18−アルコキシ、C〜C−アルケニルオキシ、特に
アリルオキシ、ハロゲン、アジド、またはNR1011
あり、Rは、ヌクレオチド化学で普通に用いられる保
護基であり、R1bは、アミドまたはメチルイミド結合に
よってアミノ官能化したまたはメチルアミノ官能化した
支持体に結合しているスクシニル基であるか、または下
記式IIIcまたはIIIdの基であり、 (式中、Uは、(C〜C18)−アルコキシ、(C
18)−アルキル、(C〜C20)−アリール、(C
〜C14)−アリール−(C〜C)−アルキル、O−
、S−R、または下記式IVの基であり、 (OCHCHO(CHCH (IV) 但し、Rは、水素であり、Qは、基−NRであ
り、Rは、−(CH−CNであり、Rおよび
は、同一であるかまたは異なるものであり、C
−アルキル、特にイソプロピルまたはエチルである
か、またはそれらが結合している窒素原子と一緒になっ
て、O、SおよびNの群からの別のヘテロ原子を更に含
むことができる5〜9員の複素環、特に
【化24】 である)、E′およびF′は、それぞれ独立して、H、
OR12、またはNR1011であり、R10およびR11は、
同一であるかまたは異なるものであり、水素またはヌク
レオチド化学で普通に用いられるアミノ保護基である
か、またはR10およびR11が一緒になって、ヌクレオチ
ド化学で普通に用いられるアミノ保護基を形成し、R12
は、水素であるか、またはヌクレオチド化学で普通に用
いられるヒドロキシル保護基、例えばt−ブチルジメチ
ル−シリル、ジメトキシトリフェニルメチル(DM
T)、トリイソプロピル−シリル、o−ニトロ−ベンジ
ル、p−ニトロ−ベンジル、iBu、2−フルオロフェ
ニル−4−メトキシピペリジン−4−イル(FPM
P)、またはメチルであり、R15およびR16は、それぞ
れ独立して、 1. 水素、 2. ハロゲン、 3. (C〜C10)−アルキル、 4. (C〜C10)−アルケニル、 5. (C〜C10)−アルキニル、 6. NO、 7. NH、 8. シアノ、 9. −S−(C〜C)−アルキル、 10. (C〜C)−アルコキシ、 11. (C〜C20)−アリールオキシ、 12. SiH14. 3.、4.または5.に定義されている基であ
って、SH、S−(C〜C)−アルキル、(C
)−アルコキシ、OH、−NR(c)R(d)、−
CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R(d)、
−NR(c)R(g)、−NR(e)R(f)または−
NR(e)R(g)の群からの1個以上の基によって、
または式 −[O−(CH−NR(c)R(d) のポリアルキレングリコール基によって置換されている
ものであり、但し、rおよびsは、それぞれ独立して、
1〜18、好ましくは1〜6の整数であり、またOH、
SH、−CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R
(d)、−NR(c)R(d)、−NR(e)R
(f)、−NR(e)R(g)または−NR(c)R
(g)のような官能基は、適宜もう一つのリンカーを介
して、細胞内取り込みに好都合でありまたはDNAまた
はRNAプローブの標識に利用できる、またはオリゴヌ
クレオチド類似体が標的核酸にハイブリダイゼーション
するときには、結合、架橋または開裂と同時に後者の核
酸を攻撃する1個以上の基に結合することができ、 15. 3.、4.または5.に定義されている基であ
って、1個以上のH原子がハロゲン、好ましくはフッ素
によって置換されているものであり、R(a)は、O
H、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C20)−ア
リールオキシ、NHまたはNH−Tであり、Tは、場
合によってはもう一つのリンカーを介して、細胞内取り
込みに好都合でありまたはDNAまたはRNAプローブ
の標識に利用できる、またはオリゴヌクレオチド類似体
が標的核酸にハイブリダイゼーションするときには、結
合、架橋または開裂と同時に後者の核酸を攻撃する1個
以上の基に結合しているアルキルカルボキシル基または
アルキルアミノ基であり、R(b)は、ヒドロキシル、
(C〜C)−アルコキシ、または−NR(c)R
(d)であり、R(c)およびR(d)は、それぞれ独
立して、Hであるか、または−NR(e)R(f)また
は−NR(e)R(g)によって置換されていないまた
は置換されている(C〜C)−アルキルであり、R
(e)およびR(f)は、それぞれ独立して、Hまたは
(C〜C)−アルキルであり、R(g)は、(C
〜C)−アルキル−COOHであり、但し、R15およ
びR16は、それぞれ同時に水素、NO、NH、シア
ノまたはSiHとなることはできず、OH、NH
たはCOOHのような官能基は、適宜ヌクレオチド化学
で普通に用いられる保護基で保護され、かつ曲線状の括
弧はR2bおよび隣接の−Y−R1b基が2′および3′
位に位置することができ、または逆に3′および2′位
に位置することができることを示している。]
【0054】好ましい態様は、式(V) の化合物におい
て、V、Yおよびaが酸素であり、R2bが水素または
OR12、特に水素であり、R1bが式(IIIc)または(IIId)
の基であり、但しUはO−(CH−CNであり、
およびRは同一であるかまたは異なるものであ
り、イソプロピルまたはエチルであるか、またはそれら
が結合しているNと一緒になって脂肪族複素環、好まし
くはピロリジノである物によって表わされる。これらの
化合物は、更に塩基が糖のβ位に位置し、R2bが2′位
に位置する場合には、特に好ましい。
【0055】式(V) の化合物において、EがNR1011
であり、FがHであるものも好ましく、極めて一般的に
は、式Iの好ましいオリゴヌクレオチドを製造するのに
用いることができる式(V) の化合物が好ましい。好まし
いアミノ保護基の例は、アシルまたはアミジン保護基で
ある。
【0056】普通は塩として存在する式(IIId)の基は、
無機または有機塩、例えばアルカリ金属、アルカリ土類
金属またはアンモニウム塩のような、Remington'sPharm
aceutical Sciences (第17版、1418頁(198
5年))に記載されているものを意味するものと理解す
べきである。トリエチルアンモニウムおよびピリジニウ
ム塩を、例として挙げることができる。しかしながら、
本発明は、式(IIId)の基が遊離酸として含まれる式(V)
の化合物も包含する。式Vの化合物は、式Iの新規なオ
リゴヌクレオチドを製造するための構造成分として用い
ることができる。
【0057】EP251 786号明細書には、7−デ
アザプリンヌクレオチド、およびそのモノホスフェー
ト、ジホスフェートまたはトリホスフェートであって、
7−プリン位にアルキニルアミノ基を有するものが開示
されている。アルキニルアミノ基は、蛍光標識分子をヌ
クレオチドにカップリングさせることができるリンカー
として用いられる。次いで、蛍光標識を備えているジデ
オキシヌクレオチドを、Sanger法により配列決定され且
つ蛍光分光光度法によって直接検出されるジデオキシの
連鎖停止剤分子として用いることができる。米国特許第
5,241,060号明細書には、7−デアザプリン上
に検出可能な基を有する7−デアザプリンヌクレオチド
が開示されている。
【0058】本発明は、下記式VIの化合物にも関する。
【化25】 (式中、それぞれ独立して、U′=U″=U″′は、ヒ
ドロキシルまたはメルカプトであり、且つU′は更にB
であることもでき、eおよびfは、0または1であ
り、R13は、水素、OH、C〜C18−アルコキシ、ま
たはC〜C−アルケニルオキシ、特にアリルオキシ
であり、EおよびFは、それぞれ独立して、H、OH、
またはNHであり、R15およびR16は、それぞれ独立
して、 1. 水素、 2. ハロゲン、 3. (C〜C10)−アルキル、 4. (C〜C10)−アルケニル、 5. (C〜C10)−アルキニル、 6. NO、 7. NH、 8. シアノ、 9. −S−(C〜C)−アルキル、 10. (C〜C)−アルコキシ、 11. (C〜C20)−アリールオキシ、 12. SiH14. 3.、4.または5.に定義されている基であ
って、SH、S−(C〜C)−アルキル、(C
)−アルコキシ、OH、−NR(c)R(d)、−
CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R(d)、
−NR(c)R(g)、−NR(e)R(f)または−
NR(e)R(g)の群からの1個以上の基によって、
または式 −[O−(CH−NR(c)R(d) のポリアルキレングリコール基によって置換されている
ものであり、但し、rおよびsは、それぞれ独立して、
1〜18、好ましくは1〜6の整数であり、またOH、
SH、−CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R
(d)、−NR(c)R(d)、−NR(e)R
(f)、−NR(e)R(g)または−NR(c)R
(g)のような官能基は更に、適宜もう一つのリンカー
を介して、細胞内取り込みに好都合でありまたはDNA
またはRNAプローブの標識に利用できる、またはオリ
ゴヌクレオチド類似体が標的核酸にハイブリダイゼーシ
ョンするときには、結合、架橋または開裂と同時に後者
の核酸を攻撃する1個以上の基に結合することができ、
または、 15. 3.、4.または5.に定義されている基であ
って、1個以上のH原子がハロゲン、好ましくはフッ素
によって置換されているものであり、R(a)は、O
H、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C20)−ア
リールオキシ、NHまたはNH−Tであり、Tは、適
宜もう一つのリンカーを介して、細胞内取り込みに好都
合でありまたはDNAまたはRNAプローブの標識に利
用できる、またはオリゴヌクレオチド類似体が標的核酸
にハイブリダイゼーションするときには、結合、架橋ま
たは開裂と同時に後者の核酸を攻撃する1個以上の基に
結合しているアルキルカルボキシル基またはアルキルア
ミノ基であり、R(b)は、ヒドロキシル、(C〜C
)−アルコキシ、または−NR(c)R(d)であ
り、R(c)およびR(d)は、それぞれ独立して、H
であるか、または−NR(e)R(f)または−NR
(e)R(g)によって置換されていないまたは置換さ
れている(C〜C)−アルキルであり、R(e)お
よびR(f)は、それぞれ独立して、Hまたは(C
)−アルキルであり、R(g)は、(C〜C
−アルキル−COOHであり、但し、R15およびR
16は、それぞれ同時に水素、NO、NH、シアノま
たはSiHとなることはできず、式VIの化合物におい
て、R16がHであり、かつR15が−NR(c)R(d)
または−NR(e)R(f)によって置換されている
(C〜C10)−アルキニルであるものは除き、かつE
がOHまたはNHであり、FがOHであり、R16が水
素であり、R15がBr、Cl、F、シアノ、(C〜C
)−アルキル、(C〜C)−アルケニル、または
(C〜C)−アルキニルであるときには、eおよび
fは0ではない。)
【0059】本発明は、一般的に用いられる方法で放射
性標識(例えば、αP原子が32P、U′が35S)を有す
る式VIの化合物も包含する。式VIの化合物において、
U′がヒドロキシルまたはメルカプトであり、U″=
U″′がヒドロキシルであり、eおよび/またはfが1
であるものが、好ましい。式VIの化合物は、eおよびf
が1であるとき、特に好ましい。
【0060】普通は塩として存在する式VIの化合物は、
無機または有機塩、例えばアルカリ金属、アルカリ土類
金属またはアンモニウム塩を含む[Remington'sPharmac
eutical Sciences (第17版、1418頁(1985
年)]。トリエチルアンモニウムおよびピリジニウム塩
を、例として挙げることができる。新規なVIの化合物
は、ホスフェート基が遊離酸として含まれている化合物
も包含する。
【0061】式VIの新規な化合物は、通常は分子生物
学、例えばPCR反応(e=f=1、R13=OH)にお
ける助剤として、または金属イオン封鎖(e=f=1、
13=HまたはOH)に用いることができる。式VIのP
CR反応において、RがHであり、R15がハロゲンで
ある化合物が好ましい。
【0062】核酸の金属イオン封鎖に新規な7−デアザ
プリンヌクレオチドを使用することは、幾つかの理由か
ら有利である。例えば、Sanger配列決定法(ジデオキシ
技術)においてGC濃度が高いヌクレオチド領域で見ら
れることが多く、しかもヌクレオチド配列の正確な決定
を妨げるバンド圧縮が、除去されまたは少なくとも少な
くなる。また、配列決定の際にDNAポリメラーゼまた
はRNAポリメラーゼによって合成される二本鎖核酸
は、7−、8−または7,8−置換した7−デアザプリ
ン塩基の取り込みによって安定化する。従って、核酸の
配列決定で普通に用いられる未置換の7−デアザグアノ
シンヌクレオチドを用いるよりも、置換した7−デアザ
プリンヌクレオチドを用いる方が、GC濃度が高いDN
Aストレッチにおいてバンド圧縮をなくする上で有利で
ある(EP212536号明細書)。配列決定において
置換した7−デアザプリンヌクレオチドを用いることの
もう一つの利点は、配列決定反応中に合成される核酸分
子を蛍光分光光度法によって検出することができるよう
にするレポーター基の形態での蛍光残基を、一連の続い
て起こる反応において置換基に導入することができるこ
とである。
【0063】更に、オリゴヌクレオチドに自己蛍光性の
置換7−デアザプリン塩基を取り込むことによって、置
換7−デアザプリン塩基の自己蛍光によって直接オリゴ
ヌクレオチドを検出することができるようになる。従っ
て、未置換型の7−デアザプリン塩基は蛍光性がなく、
アルキニル基、例えばヘキシニルを7位に導入すると、
蛍光性になる。これらの化合物の自己蛍光は、280n
mの波長の光線で励起した後、350nm(放射)で測
定することができる。
【0064】式VIの化合物は、対応する置換7−デアザ
プリンヌクレオチドから出発して、周知の方法を用いて
製造することができる。式VIの化合物は、1,8−ビス
(ジメチルアミノ)ナフタレンおよびトリメチルホスフ
ェートの存在下にて、Ludwigによる簡略化した1ポット
法によって好ましく製造することができる[J. Ludwiget
al., (1981), Acta Biochem. Biophys. Sci. Hung., 1
6, 131 ]。
【0065】本発明は、下記式VII の化合物にも関す
る。
【化26】 (式中、EおよびFは、それぞれ独立して、H、OHま
たはNHであり、OHおよびNHはヌクレオチド化
学で普通に用いられる保護基によって適宜保護され、R
15およびR16は、それぞれ独立して、水素、(C〜C
10)−アルキル、(C〜C10)−アルケニル、(C
〜C10)−アルキニル、I、Cl、Br、F、シアノで
あるか、または(C〜C10)−アルキル、(C〜C
10)−アルケニル、または(C〜C10)−アルキニル
であって、1個以上のH原子がハロゲン、好ましくはフ
ッ素によって置換されているものであり、R15およびR
16は、同時に水素およびシアノとなることはできず、か
つR16が水素であり、EがNHであり、FがOHであ
るときには、R15はIではなく、R14は、それぞれ独立
して、Hであるかまたはヌクレオチド化学で普通に用い
られる保護基である。)
【0066】本発明は、式I、V、VIおよびVII の化合
物の総ての互変異性形態、および特に、式IIの7−デア
ザプリン塩基の総ての互変異性形態も包含する。極めて
一般的な方法では、式V、VIおよびVII の化合物におい
て、式Iの好ましいオリゴヌクレオチドの製造のための
出発化合物または中間体として用いることができるもの
も、好ましい。
【0067】本発明は、更に、式Iの新規なオリゴヌク
レオチドの製造法に関する。オリゴヌクレオチドの化学
合成で普通に用いられる標準的な条件を、置換7−デア
ザプリンを含む新規なオリゴヌクレオチドの製造に適用
することができる。
【0068】式Iの新規なオリゴヌクレオチドは、適宜
自動合成装置を用いて溶液中でまたは、好ましくは固相
上で製造する。式Iのオリゴマーは、それぞれの場合に
ヌクレオチド塩基を有するモノヌクレオチドを適当に誘
導体形成した支持体または成長するオリゴマー鎖に連続
的に縮合することによって段階的に組み立てることがで
きる。あるいは、式Iのオリゴヌクレオチドは、ジヌク
レオチドまたはトリヌクレオチドを互いに結合すること
によって構築されることもできる[S. Beaucage et a
l., Tetrah., Vol. 48, No. 12, 2223-2311, (1992);お
よびTetrah., Vol. 48, No. 28, 6123-6294, (1993)
]。この方法は、修飾したホスフェートブリッジを有
するオリゴヌクレオチドを合成するときに、特に有利で
ある。
【0069】オリゴヌクレオチドは、当業者に知られて
いる方法、例えばトリエステル法、H−ホスホネート法
またはホスホルアミダイト法を用いて構築される[E. S
onveaux, (1986), Bioorganic Chemistry, 14, 274-32
5; S.L. Beaucage et al., (1992), Tetrahedron, 48,
2223-2311]。式Vのヌクレオチドモノマー構造成分、
特に好ましくは、式Vにおいて、E′がNR1011であ
り、F′がOR12であり、あるいはF′がNR1011
あり、E′がHであるものが、7−デアザプリン誘導体
を導入するのに好ましく用いられる。
【0070】式Vの化合物は、オリゴヌクレオチド固相
合成用の構造成分として、対応する7−デアザプリンヌ
クレオシドから出発して、製造することができる。置換
基は、周知の方法を用いて7−デアザプリン環系の7位
に導入することができる。例えば、7位がハロゲンまた
はメチルで置換されている7−デアザプリンヌクレオシ
ドの製造は、Seela らによって報告されている[Helvet
ica Chimica Acta, (1994) 77, 897-903]。式Vのアル
ケニル−またはアルキニル−置換した7−デアザプリン
誘導体は、既知の5−ヨードツベルシジン(=7−I−
7−デアザアデノシン、Seela et al.の前記文献を参
照)から出発して、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(O)の存在下で、クロス−カップリン
グ反応によって7−デアザプリン環系の7位にアルケニ
ルまたはアルキニル基をカップリングすることによって
製造することができる。7−デアザプリンの2位に電子
供給性置換基(例えば、アミノ基)を有するヌクレオシ
ドを出発化合物として用いるときには、親電子性置換基
(例えば、ハロゲン)を7−デアザプリン環系の8位に
導入することができる。2−アミノ基が、例えばアセチ
ル化されていると、親電子置換基は7位に向かう。従っ
て、本発明は、親電子置換基(例えば、ハロゲン)を7
−デアザヌクレオシドの7または8位に位置選択的に挿
入する方法にも関する。従って、ハロゲン化したヌクレ
オシドを、前記のパラジウム−触媒を用いたクロス−カ
ップリング反応によってアルキル、アルケニルまたはア
ルキニル基などの他の置換基を挿入するための出発化合
物として用いることができる。アルコキシ誘導体または
置換アミン誘導体を親核置換によって導入することがで
き、ニトロ基を親電子置換によって導入することができ
る。
【0071】7,8−ビス−アルキニル化した7−デア
ザプリンの場合には、Bergman 反応を用いて、あるいは
光化学的手段によってビラジカルを生成させることがで
き、または別の環系を融合させることができる[N. Trr
ro et al., Tetrahedron Letters, 1994, Vol. 35, 808
9 ]。
【0072】7−デアザプリン塩基のアミノ基および糖
の遊離の5′−ヒドロキシル基に好適な保護基を導入し
た後、モノマーを対応するホスホネートまたはホスホル
アミダイト誘導体に転換する。ホルムアミジン保護基
((ジメチルアミノ)メチリデン)またはアシル保護基
(例えば、ベンゾイルまたはフェノキシアセチル)の形
態などの適当なアミノ保護基が、周知の方法を用いて挿
入される[L.J. McBridge et al., (1983), Tetrahedro
n Lett., 24, 2953; G.S. Ti et al., (1982) J.Am. Ch
em. Soc., 104, 1316; H. Schaller et al., (1963),
J. Am. Chem. Soc., 85, 3821 ]が、アミノ基がアシル
化されているときには、Schallerのペルアシル化法を用
いるのが有利である。糖の遊離の5′−OH基に好適な
保護基の一例は4,4′−ジメトキシトリチルであり、
この挿入も同様に既知の方法を用いて行なわれる[C.B.
Reese, (1978), Tetrahedron, 34, 3143; D. Flockerz
i etal., (1981), Liebigs Ann. Chem., 1568]。この
方法で保護されたモノマーは、Froehlerらの方法によっ
て対応するホスホネートに転換することができる[B.C.
Froehler et al., (1986), Nucl. Acid Res., 14, 539
9] 。例えば、シアノエチル−ホスホルアミダイト誘導
体は、無水のジクロロメタン中でモノマーをクロロ−β
−シアノエトキシ(N,N−ジイソプロピルアミノ)ホ
スファンと反応させることによって製造することができ
る[N.D. Sinha et al., (1984) Nucl.Acid Res., 12,
4539 ]。
【0073】式Iの化合物のオリゴヌクレオチド残基が
3′末端および/または5′末端で修飾されているもの
は、この修飾に関してEP−A 0 552 766号
明細書に記載の方法を用いて合成される。
【0074】本発明は、医薬を製造する目的での式Iの
新規なオリゴヌクレオチドの使用、および新規なオリゴ
ヌクレオチドを生理学的に許容可能な賦形剤、および好
適な添加剤および/または補助物質を適宜混合すること
を含んでなる医薬の製造法にも関する。
【0075】極めて一般的な方法では、本発明は、式I
のオリゴヌクレオチドを、医薬の治療上有効な成分とし
て使用することにも及ぶ。一般的には、治療上有効なオ
リゴヌクレオチド誘導体は、アンチセンスオリゴヌクレ
オチド、三本鎖形成オリゴヌクレオチド、アプタマー(a
ptamers)またはリボザイム(ribozymes) 、特にアンチセ
ンスオリゴヌクレオチドを意味するものと理解される。
【0076】更に、本発明は、例えば、生物学的試料中
の独特な二本鎖または一本鎖核酸分子の存在または非存
在をまたはその量を検出するための診断試薬として少な
くとも1個の置換7−デアザプリン、好ましくは7−デ
アザアデニンまたは7−デアザグアニンを含むオリゴヌ
クレオチドの使用にも関する。本発明による使用には、
オリゴヌクレオチドの長さは、4〜100、好ましくは
約5〜40、特に約6〜30のヌクレオチドである。別
の状況では、前記の好ましい範囲、修飾、および複合
は、この場合にも適用される。
【0077】本発明の医薬は、例えばHIV、HSV−
1、HSV−2、インフルエンザ、VSV、B型肝炎ま
たはパピローマウイルスなどのウイルスによって引き起
こされる疾病を治療するのに用いることができる。
【0078】新規なアンチセンスオリゴヌクレオチド誘
導体、すなわち、アンチセンスオリゴヌクレオチドであ
って、少なくとも1種類のプリン塩基が置換7−デアザ
プリン塩基によって置換されており、かつこれらの標的
に対して有効なものは、例えば、下記のような塩基配列
を有する。 a) HIVに対するもの、例えば 5'-ACACCCAATTCTGAAAATGG-3' (I) 、または 5'-AGGTCCCTGTTCGGGCGCCA-3' (II)、または 5'-GTCGACACCCAATTCTGAAAATGGATAA-3' (III) 、または 5'-GCTATGTCGACACCCAATTCTGAAA-3' (IV)、または 5'-TCGTCGCTGTCTCCGCTTCTTCTTCCTGCCA (VI)、または b)HSV−1に対するもの、例えば 5'-GCGGGGCTCCATGGGGGTCG-3' (VII) 本発明の医薬は、例えば癌の治療にも好適である。例え
ば、癌の発生または癌の成長に関与する標的に向けられ
たオリゴヌクレオチド配列を、この本発明で用いること
ができる。
【0079】このような標的の例は、下記の通りであ
る。 1) c−myc、N−myc、c−myb、c−fo
s、c−fos/jun、PCNAおよびp120など
の核発癌タンパク質(nuclear oncoprotein )、 2) EJ−ras、c−Ha−ras、N−ras、
rrg、bcl−2、cdc−2、c−raf−1、c
−mos、c−srcおよびcablなどの、細胞質/
膜−に関与した発癌タンパク質、 3) EGFレセプター、c−erbA、レチノイドレ
セプター、タンパク質キナーゼ制御サブユニットおよび
c−fmsなどの細胞レセプター、 4) サイトカイン、成長因子、および細胞外マトリッ
クス、例えばCSF−1、IL−6、IL−1a、IL
−1b、IL−2、IL−4、bFGF、ミエロブラス
チンおよびフィブロネクチン。
【0080】式Iの新規なアンチセンスオリゴヌクレオ
チドであって、これらの標的に対して有効なものは、例
えば、下記の塩基配列を有する。 a) c−Ha−rasに対するもの、例えば 5'-CAGCTGCAACCCAGC-3' (VIII) c) c−myc、例えば 5'-GGCTGCTGGAGCGGGGCACAC-3' (IX) 5'-AACGTTGAGGGGCAT-3' (X) d) c−myb、例えば 5'-GTGCCGGGGTCTTCGGGC-3' (XI) e) c−fos、例えば 5'-GGAGAACATCATGGTCGAAAG-3' (XII) 5'-CCCGAGAACATCATGGTCGAAG-3' (XIII) 5'-GGGGAAAGCCCGGCAAGGGG-3' (XIV) f) p120、例えば 5'-CACCCGCCTTGGCCTCCCAC-3' (XV) g) EGFレセプター、例えば 5'-GGGACTCCGGCGCAGCGC-3' (XVI) 5'-GGCAAACTTTCTTTTCCTCC-3' (XVII) h) p53腫瘍抑制剤、例えば 5'-GGGAAGGAGGAGGATGAGG-3' (XVIII) 5'-GGCAGTCATCCAGCTTCGGAG-3'r (XIX)
【0081】本発明の医薬は、インテグリン、または細
胞−細胞接着レセプター、例えばVLA−4、VLA−
2、ICAM、VCAMまたはELAMによって影響を
及ぼす、疾患を治療などに一層好適である。
【0082】これらの標的に対して有効な新規なアンチ
センスオリゴヌクレオチド誘導体は、例えば下記の塩基
配列を有する。a) VLA−4、例えば 5'-GCAGTAAGCATCCATATC-3' (XX)、または b) ICAM、例えば 5'-CCCCCACCACTTCCCCTCTC-3' (XXI) 5'-CTCCCCCACCACTTCCCCTC-3' (XXII) 5'-GCTGGGAGCCATAGCGAGG-3' (XXIII) c) ELAM−1、例えば 5'-ACTGCTGCCTCTTGTCTCAGG-3' (XXIV) 5'-CAATCAATGACTTCAAGAGTTC-3' (XXV)
【0083】本発明の医薬は、再狭窄などの予防に好適
である。例えば、増殖または移動に関与する標的に対し
て向けられた関連において用いることができる。これら
の標的の例は、下記の通りである。 1) T核トランスアクティベータータンパク質および
サイクリン、例えば、c−myc、c−myb、c−f
os、c−fos/jun、サイクリンおよびcdc2
キナーゼ。 2) マイトジェンまたは成長因子、例えばFDGF、
bFGF、EGF、HB−EGF、およびTGF−β。 3) 細胞レセプター、例えばbFGFレセプター、E
GFレセプター、およびPDGFレセプター。
【0084】これらの標的に有効な式Iを有する新規な
オリゴヌクレオチドは、例えば下記の塩基配列などを有
する。 a) c−myb 5'-GTGTCGGGGTCTCCGGGC-3' (XXVI) b) c−myc 5'-CACGTTGAGGGGCAT-3' (XXVII) c) cdc2キナーゼ 5'-GTCTTCCATAGTTACTCA-3' (XXVIII) d) PCNA(ラットの増殖性細胞核抗原) 5'-GATCAGGCGTGCCTCAAA-3' (XXIX)
【0085】これらの医薬は、経口投与することができ
る医薬製剤の形態で、例えば錠剤、コーティング錠剤、
硬質または軟質ゼラチンカプセル、溶液、エマルジョン
または懸濁液の形態で、用いることができる。この医薬
を、タンパク質などの追加成分を適宜含むリポソームに
包含させたものも、同様に好適な投与形態を表わしてい
る。これらの医薬は、座薬の形態で直腸に投与すること
もでき、または注射溶液の形態で非経口的に投与するこ
ともできる。医薬製剤を製造するために、これらの化合
物を、治療上不活性な有機および無機賦形剤中で加工す
ることができる。錠剤、コーティング錠剤、および硬質
ゼラチンカプセル用の賦形剤の例は、ラクトース、コー
ンスターチまたはその誘導体、獣脂酸およびステアリン
酸、またはそれらの塩である。溶液の製造に適当な賦形
剤は、水、ポリオール、スクロース、転化糖およびグル
コースである。注射溶液に好適な賦形剤は、水、アルコ
ール、ポリオール、グリセロール、および植物油であ
る。座薬に好適な賦形剤は、植物油および硬化油、ワッ
クス、脂肪、および半液状ポリオールである。医薬製剤
は、防腐剤、溶剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、
着色料、矯味料、浸透圧を変化させるための塩、緩衝
剤、コーティング剤、酸化防止剤、および他の治療上活
性な化合物を、適宜含むこともできる。
【0086】好ましい投与形態は、カテーテルなどを用
いる局部投与、局所投与、または注射である。注射に
は、アンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を、液体溶
液、好ましくは生理学的に許容可能な緩衝剤、例えばハ
ンクス溶液またはリンガー溶液などに処方される。しか
しながら、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、固体状
で処方し、使用前に溶解または懸濁させることもでき
る。全身投与に好ましい投与料は、体重1kg当たりお
よび1日当たり約0.01mg〜約50mgである。
【0087】極めて一般的には、本発明は、式Iの化合
物のDNA診断におけるNDAプローブまたはプライマ
ーとしての、一般的には分子生物学における助剤として
の使用にまで及ぶ。
【0088】個々のDNA分子は、電子顕微鏡法によ
り、例えば走査−トンネル型顕微鏡で視覚化することが
できる。ピリミジン塩基は、5位にメチル基があるため
電子顕微鏡的に区別することができるが、プリン塩基の
アデニンおよびグアニンの場合にはこれはできない。そ
れ故、核酸分子の塩基配列を電子顕微鏡的に直接的に解
読することはできない。しかしながら、検討を行なう核
酸分子が未修飾グアニン塩基の代わりに置換7−デアザ
グアニン誘導体を含む場合には、置換7−デアザグアニ
ン塩基は電子顕微鏡では未置換アデニン塩基と識別する
ことができる(また、逆にグアニン塩基は置換7−デア
ザアデニン塩基と識別することができる)。従って、7
−置換7−デアザプリン塩基を含む核酸の塩基配列は、
電子顕微鏡によって解読することができる。
【0089】
【実施例】実施例において命名した化合物(1) 〜(25)の
構造式を示すと以下の通りである。
【化27】
【化28】
【化29】
【0090】デオキシツベルシジン誘導体(1) 〜(3)
(ツベルシジン=7−デアザアデノシン)は、Seela ら
の方法を用いて製造する[Helvetica Chimica Acta, 19
94, 77, 897-903 ]。対応するリボヌクレオシド誘導体
は、出発化合物としてツベルシジン誘導体を用いて、下
記の実施例と同様にして製造することができる。
【0091】実施例1 4−ベンゾイルアミノ−5−クロロ−7−(2−デオキ
シ−β−D−エリスロペントフラノシル)−7H−ピロ
ロ[2,3−d]ピリミジン(4) 5−クロロデオキシツベルシジン(1) 1.14g(4.
0ミリモル)を乾燥ピリジンと共に2回蒸発させ、乾燥
ピリジン10mlに溶解させた後、この溶液をトリチル
メチルクロロシラン5.2ml(40.6ミリモル)と
一緒に、室温で2時間攪拌する。次に、新たに蒸留した
塩化ベンゾイル520μl(4.1ミリモル)を加え、
混合物を室温で更に2時間攪拌する。水4ml、および
更に5分後に、25%アンモニア水溶液8mlを、氷冷
しながら滴加する。混合物を室温で30分間攪拌した
後、蒸発乾固させる。残渣を水20mlに吸収させ、こ
の溶液を酢酸エチル30mlずつで3回抽出する。有機
相をNaSO上で乾燥し、蒸発させ、残渣をシリカ
ゲル上でクロマトグラフィ処理を行なう(20×5cm
カラム、ジクロロメタン/メタノール=9:1)。溶媒
を蒸発させ、残渣をメタノール/水から再結晶した後、
一層遅く移動する主画分から、無色結晶状の化合物(4)
930mg(2.4ミリモル、60%)が得られる。融
点190℃。 TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=
9:1):R=0.4。UV(MeOH):λmax
=274nm(5300)、305nm(5600)。 H−NMR([D]DMSO):δ=2.31
(m,2′α−H),2.57(m,2′β−H),
3.58(m,2H,5′−H),3.89(m,4′
−H),4.41(m,3′−H),5.00(t,J
=5.0Hz,5′−OH),5.33(d,J=5.
3Hz,3′−OH),6.72(pt,J=6.75
Hz,1′−H),7.44〜7.65(m,3H,メ
タ−およびパラ−HBz),8.00(s,6−H),
8.05(d,2H,オルト−HBz),8.72(s,
2−H),11.2(br,4−NH)。 C1817ClN(388.8) 計算値 C55.61, H4.41, N14.4
1; 実測値 C55.71, H4.54, N14.3
0。
【0092】実施例2 4−ベンゾイルアミノ−5−ブロモ−7−(2−デオキ
シ−β−D−エリスロペントフラノシル)−7H−ピロ
ロ[2,3−d]ピリミジン(5) 5−ブロモデオキシツベルシジン(2) 1.31g(4.
0ミリモル)を乾燥ピリジンと共に2回蒸発させ、乾燥
ピリジン10mlに溶解させた後、この溶液をトリチル
メチルクロロシラン5.2ml(40.6ミリモル)と
一緒に、室温で2時間攪拌する。次に、新たに蒸留した
塩化ベンゾイル520μl(4.1ミリモル)を加え、
混合物を室温で更に2時間攪拌する。水4ml、および
更に5分後に、25%アンモニア水溶液8mlを、氷冷
しながら滴加する。混合物を室温で30分間攪拌した
後、化合物14bと同様に処理する。シリカゲル上でク
ロマトグラフィ処理を行ない(20×5cmカラム、ジ
クロロメタン/メタノール=9:1)、溶媒を蒸発さ
せ、メタノール/水から再結晶した後、無色結晶1.2
g(2.8ミリモル、70%)が得られる。融点198
℃。 TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=
9:1):R=0.4。 UV(MeOH):λmax=274nm(460
0)、308nm(4500)。 H−NMR([D]DMSO):δ=2.27
(m,2′α−H),2.50(m,2′β−H,DM
SOと重複),3.56(m,2H,5′−H),3.
86(m,4′−H),4.38(m,3′−H),
5.01(t,J=5.0Hz,5′−OH),5.3
4(d,J=5.3Hz,3′−OH),6.69(p
t,J=6.7Hz,1′−H),7.52〜7.64
(m,3H,メタ−およびパラ−HBz),8.04
(d,2H,オルト−HBz),8.04(s,6−
H),8.72(s,2−H),11.0(br,4−
NH)。 C1817BrN(433.3) 計算値 C49.90, H3.96, N12.9
3; 実測値 C50.04, H4.10, N13.0
5。
【0093】実施例3 4−ベンゾイルアミノ−7−(2−デオキシ−β−D−
エリスロペントフラノシル)−5−メチル−7H−ピロ
ロ[2,3−d]ピリミジン(6) 5−メチルデオキシツベルシジン(3) 1.06g(4.
0ミリモル)を無水ピリジン20mlずつと共に2回再
蒸発させ、乾燥ピリジン10mlに溶解させた後、この
溶液をトリチルメチルクロロシラン5.2ml(40.
6ミリモル)と一緒に、室温で2時間攪拌する。次に、
新たに蒸留した塩化ベンゾイル520μl(4.1ミリ
モル)を加え、混合物を室温で更に2時間攪拌する。化
合物(4) についてと同様にして処理を行ない、次いでシ
リカゲル上でクロマトグラフィ処理を行ない(20×5
cmカラム、ジクロロメタン/メタノール=9:1)、
溶媒を蒸発させ、メタノール/水から再結晶した後、更
にゆっくり移動する主要画分から、無色結晶(化合物
6)1.1g(2.9ミリモル、73%)が得られる。
融点196℃。 TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=
9:1):R=0.3。 UV(MeOH):λmax=274nm(705
0)、309nm(5500)。 H−NMR([D]DMSO):δ=2.09
(m,2′α−H),2.21(s,5−CH)、
2.50(m,2′β−H,DMSOと重複),3.5
3(m,2H,5′−H),3.83(m,4′−
H),4.36(m,3′−H),4.97(t,J=
5.0Hz,5′−OH),5.32(d,J=5.3
Hz,3′−OH),6.65(pt,J=6.7H
z,1′−H),7.53(s,6−H),7.53〜
7.66(m,3H,メタ−およびパラ−HBz),8.
05(d,2H,オルト−HBz),8.60(s,2−
H),10.95(br,4−NH)。 C1920(368.4) 計算値 C61.95, H5.47, N15.2
1; 実測値 C62.08, H5.65, N15.0
0。
【0094】実施例4 5−ブロモ−4−[(1−ジメチルアミノ)メチレン]
アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペント
フラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
(7) N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール1.
5ml(8.75ミリモル)を、化合物(2) 200mg
(0.61ミリモル)をジメチルホルムアミド15ml
に溶解したものに加え、反応溶液を室温で2時間攪拌す
る。次いで、これを濃縮乾固し、油状残渣をトルエンと
共に2回、およびアセトンと共に2回再蒸発させる。粗
生成物をシリカゲルに吸着させ、カラムクロマトグラフ
ィにより精製する(20×5cmカラム、ジクロロメタ
ン/メタノール=9:1)。主要画分を濃縮して、残渣
をアセトン/メタノール=9:1から再結晶すると、化
合物(7) が無色板状結晶(150mg、0.4ミリモ
ル、65%)として得られる。融点177℃。 TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=
9:1):R=0.65。 H−NMR([D]DMSO):δ=2.20
(m,2′α−H),2.50(m,2′β−H,DM
SOと重複),3.18,3.19(2s,2N−CH
),3.54(m,2H,5′−H),3.86
(m,4′−H),4.35(m,3′−H),5.0
1(t,J=5.5Hz,5′−OH),5.26
(d,J=5.0Hz,3′−OH),6.57(p
t,J=6.9Hz,1′−H),7.70(s,6−
H),8.34(s,2−H),8.82(s,N=C
H)。 C1418BrN(384.2) 計算値 C43.77, H4.72, N18.2
3; 実測値 C43.92, H4.80, N18.1
1。
【0095】実施例5 4−ベンゾイルアミノ−5−クロロ−7−[(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−5′−O
−(4,4′−ジメトキシトリフェニルメチル)]−7
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(8) 化合物(4) 500mg(1.28ミリモル)を乾燥ピリ
ジンと共に2回蒸発させた後、無水ピリジン20mlに
溶解する。塩化ジメトキシトリチル650mg(1.9
5ミリモル)を加え、混合物を室温で1時間攪拌する。
次に、これを5%NaHCO水溶液10mlで加水分
解し、ジクロロメタン25mlずつで2回抽出する。合
わせた有機相をNaSO上で乾燥した後、シリカゲ
ル(20×5cmカラム、ジクロロメタン/メタノール
=9:1)でクロマトグラフィ処理を行なう。主要画分
を濃縮し、アセトンと共に蒸発させた後に得られる残渣
として、黄色味を帯びた気泡生成物680mg(0.9
9ミリモル%、77%)を得る。精製のため、物質を少
量のジクロロメタンに溶解し、この溶液を激しく攪拌し
ながら、200倍過剰量のn−ヘキサンにゆっくりと滴
加する。化合物(8)は、白色非晶質固形生成物として単
離する。 TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=
9:1):R=0.5。 H−NMR([D]DMSO):δ=2.30
(m,2′α−H),2.50(m,2′β−H、DM
SOと重複),3.15(m,2H,5′−H),3.
73(s,6H,2OCH),3.98(m,4′−
H),4.42(m,3′−H),5.40(d,J=
5.0Hz、3′−OH),6.69(pt,J=6.
7Hz,1′−H),6.84(m,4H,DMT),
7.2〜7.8(m,12H,芳香族プロトン),7.
87(s,6−H),8.06(d,2H,オルト−H
Bz),8.70(s,2−H),11.0(br,4−
NH)。 C3935ClN(691.2) 計算値 C67.77, H5.10, N8.11; 実測値 C67.70, H5.05, N8.19。
【0096】実施例6 4−ベンゾイルアミノ−5−ブロモ−7−[(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−5′−O
−(4,4′−ジメトキシトリフェニルメチル)]−7
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(9) 化合物(5) 500mg(1.15モル)を乾燥ピリジン
と共に2回蒸発させた後、無水のピリジン20mlに溶
解させる。塩化ジメトキシトリチル585mg(1.7
5ミリモル)を加え、混合物を室温で1時間攪拌する。
次いで、これを5%NaHCO水溶液10mlで加水
分解し、ジクロロメタン25mlずつで2回抽出する。
合わせた有機相をNaSO上で乾燥した後、シリカ
ゲル(20×5cmカラム、ジクロロメタン/メタノー
ル=9:1)でクロマトグラフィ処理を行なう。主要画
分を濃縮し、アセトンと共に蒸発させた後に得られる残
渣として、黄色味を帯びた気泡生成物620mg(0.
93ミリモル、80%)を得る。精製のため、物質を少
量のジクロロメタンに溶解し、この溶液を激しく攪拌し
ながら、200倍過剰量のn−ヘキサンにゆっくりと滴
加する。化合物(9)は、白色非晶質の固形生成物として
沈澱し、吸引により濾別する。 TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=
9:1):R=0.55。H−NMR([D]D
MSO):δ=2.30(m,2′α−H),2.50
(m,2′β−H、DMSOと重複),3.15(m,
2H,5′−H),3.73(s,6H,2OC
),3.98(m,4′−H),4.42(m,
3′−H),5.40(d,J=5.0Hz、3′−O
H),6.69(pt,J=6.7Hz,1′−H),
6.84(m,4H,DMT),7.2〜7.8(m,
12H,芳香族プロトン),7.87(s,6−H),
8.06(d,2H,オルト−HBz),8.70(s,
2−H),11.0(br,4−NH)。 C3935BrN(735.6) 計算値 C63.68, H4.79, N7.62; 実測値 C63.85, H4.67, N7.52。
【0097】実施例7 4−ベンゾイルアミノ−7−[(2−デオキシ−β−D
−エリスロペントフラノシル)−5′−O−(4,4′
−ジメトキシトリフェニルメチル)]−5−メチル−7
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(10) 化合物(6) 500mg(1.36ミリモル)を乾燥ピリ
ジン20mlと共に2回蒸発させた後、無水のピリジン
20mlに溶解させ、この溶液を塩化ジメトキシトリチ
ル690mg(2.1ミリモル)と共に室温で1時間攪
拌する。混合物を化合物(8) について用いるのと同じ方
法で処理し、シリカゲル(20×5cmカラム、ジクロ
ロメタン/メタノール=9:1)でクロマトグラフィ処
理を行なう。主要画分から、黄色味を帯びた気泡生成物
として、完全に保護された化合物(10)720mg(1.
05ミリモル%、77%)を得る。n−ヘキサンから再
沈澱によって精製すると、無色非晶質の固形生成物が得
られる。 TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=
9:1):R=0.5。 H−NMR([D]DMSO):δ=2.08
(s,5−CH),2.30(m,2′α−H),
2.50(m,2′β−H、DMSOと重複),3.1
0(m,2H,5′−H),3.73(s,6H,2O
CH),3.97(m,4′−H),4.44(m,
3′−H),5.39(d,J=5.0Hz、3′−O
H),6.67(pt,J=6.7Hz,1′−H),
6.85(m,4H,DMT),7.2〜7.8(m,
12H,芳香族プロトン),7.58(s,6−H),
8.06(d,2H,オルト−HBz),8.60(s,
2−H),11.0(br,4−NH)。 C4038(670.8) 計算値 C71.63, H5.71, N8.35; 実測値 C71.48, H5.71, N8.36。
【0098】実施例8 4−ベンゾイルアミノ−5−クロロ−7−[(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−5′−O
−(4,4′−ジメトキシトリフェニルメチル)]−7
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−3′−(トリエ
チルアンモニウムホスホネート)(11) 1,2,4−1H−トリアゾール840mg(12.0
ミリモル)を、室温およびアルゴン雰囲気下にて、三塩
化リン315μl(3.7ミリモル)およびN−メチル
モルホリン4.1ml(37.0ミリモル)を無水ジク
ロロメタン40mlに溶解したものに加える。混合物を
30分間攪拌した後、0℃に冷却し、完全に保護したヌ
クレオシド(8) 500mg(0.74ミリモル)を乾燥
ジクロロメタン10mlに溶解したものを10分間で滴
加する。混合物を室温で更に10分間攪拌し、1M重炭
酸トリエチルアンモニウム緩衝液(TBC、pH=7.
5)30mlを加える。相分離を行ない、水相をCH
Clで数回抽出した後、合わせた有機相をNaSO
上で乾燥する。溶媒を留去し、残っている気泡生成物
をシリカゲル(20×5cmカラム、0.5リットル
ジクロロメタン/EtN=98:2、次いでジクロロ
メタン/メタノール/EtN=88:10:2)上で
クロマトグラフィ処理する。主要画分を濃縮した後、残
渣をジクロロメタン50mlに吸収させ、この溶液を
0.1M TBC緩衝液25mlずつで5回抽出する。
有機相をNaSO上で乾燥して、溶媒を留去する
と、ホスホネート(11)445mg(0.52ミリモル、
70%)が無色気泡生成物として得られる。更に精製す
るため、この気泡生成物を、完全に保護されたヌクレオ
シド(8) について用いたのと同様な方法でn−ヘキサン
から再沈澱する。 TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=
9:1):R=0.6。 H−NMR([D]DMSO):δ=1.16
(t,9H,(CHCHN),2.50(m,
2′α−H、DMSOと重複),2.74(m,2′β
−H),3.00(q,6H,(CHCH
N),3.33(m,2H,5′−H),3.72
(s,6H,2OCH),4.15(m,4′−
H),4.78(m,3′−H),6.66(d,J=
585.8Hz,P−H),6.69(pt,J=7.
8Hz,1′−H),6.84(m,4H,DMT),
7.2〜7.7(m,12H,芳香族プロトン),7.
79(s,6−H),8.04(d,2H,オルト−H
Bz),8.69(s,2−H),10.6(br,4−
NH)。31 P−NMR([D]DMSO):δ=1.16pp
m(dd, J(PH)=588Hz,J(PH)
=8.6Hz。 C4551ClNP(900.8)。
【0099】実施例9 4−ベンゾイルアミノ−5−ブロモ−7−[(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−5′−O
−(4,4′−ジメトキシトリフェニルメチル)]−7
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−3′−(トリエ
チルアンモニウムホスホネート)(12) 1,2,4−1H−トリアゾール770mg(11.0
ミリモル)を、室温およびアルゴン雰囲気下にて、三塩
化リン290μl(3.4ミリモル)およびN−メチル
モルホリン3.8ml(34.0ミリモル)を無水ジク
ロロメタン30mlに溶解したものに加える。混合物を
30分間攪拌した後、0℃に冷却し、完全に保護したヌ
クレオシド(9) 500mg(0.68ミリモル)を乾燥
ジクロロメタン10mlに溶解したものを10分間で滴
加する。混合物を室温で更に10分間攪拌し、1M重炭
酸トリエチルアンモニウム緩衝液(TBC、pH=7.
5)30mlを加える。相分離を行ない、水相をCH
Clで数回抽出した後、合わせた有機相をNaSO
上で乾燥する。溶媒を留去し、残っている気泡生成物
をシリカゲル(20×5cmカラム、0.5リットル
ジクロロメタン/EtN=98:2、次いでジクロロ
メタン/メタノール/EtN=88:10:2)上で
クロマトグラフィ処理する。主要画分を濃縮した後、残
渣をジクロロメタン50mlに吸収させ、この溶液を
0.1M TBC緩衝液25mlずつで5回抽出する。
有機相をNaSO上で乾燥して、溶媒を留去する
と、ホスホネート(12)410mg(0.46ミリモル、
67%)が無色気泡生成物として得られる。更に精製す
るため、この気泡生成物を、完全に保護されたヌクレオ
シド(9) について用いたのと同様な方法でn−ヘキサン
から再沈澱する。 TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=
9:1):R=0.7。 H−NMR([D]DMSO):δ=1.16
(t,9H,(CHCHN),2.50(m,
2′α−H、DMSOと重複),2.78(m,2′β
−H),3.00(q,6H,(CHCH
N),3.22(m,2H,5′−H),3.73
(s,6H,2OCH),4.17(m,4′−
H),4.82(m,3′−H),6.68(d,J=
588.5Hz,P−H),6.69(pt,J=6.
7Hz,1′−H),6.90(m,4H,DMT),
7.2〜7.8(m,12H,芳香族プロトン),7.
86(s,6−H),8.07(d,2H,オルト−H
Bz),8.70(s,2−H),11.05(br,4
−NH)。31 P−NMR([D]DMSO):δ=1.16pp
m(dd, J(PH)=588Hz,J(PH)
=8.6Hz。 C4551BrNP(900.8)。
【0100】実施例10 4−ベンゾイルアミノ−7−[(2−デオキシ−β−D
−エリスロペントフラノシル)−5′−O−(4,4′
−ジメトキシトリフェニルメチル)]−5−メチル−7
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−3′−(トリエ
チルアンモニウムホスホネート)(13) 1,2,4−1H−トリアゾール0.78g(11.3
ミリモル)を、室温およびアルゴン雰囲気下にて、無水
のジクロロメタン25ml、三塩化リン290μl
(3.4ミリモル)およびN−メチルモルホリン3.4
4g(34.0ミリモル)の溶液に加える。これを30
分間攪拌した後、反応溶液を0℃に冷却し、完全に保護
したヌクレオシド(10)500mg(0.75ミリモル)
をジクロロメタン15mlに溶解したものを10分間で
滴加する。混合物を室温で更に20分間攪拌した後、1
M重炭酸トリエチルアンモニウム緩衝液(TBC、pH
=7.5)で加水分解を行なう。相分離を行なった後、
水相をジクロロメタン20mlずつで3回抽出し、有機
相を乾燥して、蒸発濃縮した後、残渣をシリカゲル(2
0×5cmカラム、0.5リットル ジクロロメタン/
EtN=98:2、次いでジクロロメタン/メタノー
ル/EtN=88:10:2)上でクロマトグラフィ
処理する。主要画分を濃縮した後、残渣をジクロロメタ
ン50mlに吸収させ、この溶液を0.1M TBC緩
衝液で数回抽出する。有機相をNaSO上で乾燥し
て、溶媒を留去すると、化合物(13)440mg(0.5
3ミリモル、70%)が無色気泡生成物として得られ
る。 TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=
9:1):R=0.65。H−NMR([D]D
MSO):δ=1.16(t,9H,(CHCH
N),2.09(s,5−CH),2.24(m,
2′α−H),2.67(m,2′β−H),3.00
(q,6H,(CHCHN),3.20(m,
2H,5′−H),3.73(s,6H,2OC
),4.13(m,4′−H),4.83(m,
3′−H),6.65(pt,J=6.5Hz,1′−
H),6.68(d,J=588.5Hz,P−H),
6.85(m,4H,DMT),7.2〜7.6(m,
12H,芳香族プロトン),7.58(s,6−H),
8.05(d,2H,オルト−HBz),8.60(s,
2−H),10.98(br,4−NH)。31 P−NMR([D]DMSO):δ=1.08pp
m(dd,J(PH)=577Hz,J(PH)=
8.9Hz。 C4654P(835.8)。
【0101】実施例11 4−アミノ−5−ブロモ−7−(2−デオキシ−β−D
−エリスロペントフラノシル)−7H−ピロロ[2,3
−d]ピリミジン=5′−O−トリホスフェート、トリ
エチルアンモニウム塩 化合物(2) (33mg、0.1ミリモル)を、1,8−
ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(33mg、0.1
5ミリモル)と共に、緩やかに加熱しながらトリメチル
ホスフェート(0.25ml)に溶解する。溶液を0℃
に冷却した後、新たに蒸留したPOCl(12μl、
0.13ミリモル)を加える。反応混合物を4℃に4時
間保持し、トリ−n−ブチルアンモニウムジホスフェー
ト(DMF中0.5ミリモル、1ml)およびトリ−n
−ブチルアミン(100μl、0.42ミリモル)を含
んでなる溶液を加える。混合物を0℃で3分間攪拌した
後、1M TBC緩衝液(10ml)を加え、全混合物
を蒸発乾固する。残渣をDEADセファデックス(1.
5×20cmカラム、HCO 型)上でクロマトグラ
フィ処理を行なう。カラムをHO約500mlで洗浄
した後、HO/0.9M TBC緩衝液の線状グラデ
ィエント(それぞれの場合1リットル)を用いてクロマ
トグラフィを行なった。この操作法の際に、トリホスフ
ェート(0.019mM、20%)が約0.5M TB
C緩衝液で得られる。 TLC(シリカゲル、i−プロパノール/HO/NH
,3:1:1):R=0.2。 UV(HO):λmax=269nm。31 P−NMR(0.1M トリス−HCl,pH8.
0,100mM EDTA/DO):−11.87
(d,J=20.2,P);−10.98(td,J
=20.0および6.0,Pα);−23.06(t,
J=20.2,Pβ)。
【0102】実施例12 4−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3
−d]ピリミジン(14) (5−ヨード−2′−デオキシ
−ツベルシジン) 25%アンモニア水を、4−クロロ−7−[2−デオキ
シ−3,5−ジ−O−(4−トルオイル)−β−D−エ
リスロペントフラノシル)−5−ヨード−7H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジン1.0gをジオキサン(80
ml)に溶解したものに加える。混合物を、110℃の
スチール製シリンダー中で48時間攪拌する。溶媒を留
去した後、濃縮残渣をシリカゲル(20×5cmカラ
ム、溶媒B)上でクロマトグラフィ処理を行なう。Me
OHから無色結晶生成物が得られる(0.75g、2.
0ミリモル、45%)。融点194℃。 TLC:R0.4(CHCl/MeOH,9:
1)。 UV(MeOH)283nm(5800)。 H−NMR(D−DMSO):2.16(m,H−
2′α),2.46(m,H−2′β,DMSOと重
複),3.54(m,2−H,H−5′),3.81
(m,H−4′),4.33(m,H−3′),5.0
0(t,J=5.1Hz,5′−OH),5.23
(d,J=5.1Hz,3′−OH),6.49(p
t,J=6.7Hz,H−1′),6.65(br,N
),7.65(s,H−6),8.10(s,H−
2)。13C−NMR(D−DMSO)157.3(C
−4),152.0(C−2),149.8(C−7
a),126.9(C−6),103.2(C−4
a),87.5(C−4′),83.0(C−1′),
71.0(C−3′),62.0(C−5′),51.
9(C−5)、39.8(C−2′)。 元素分析 C1113INに対する計算値: C35.13, H3.48, N14.90; 実測値 C35.33, H3.69,
N15.01。
【0103】実施例13 5−ヨード−2′−デオキシツベルシジン(14)の架橋反
応 5−ヨード−2′−デオキシツベルシジン(14)(200
mg、0.532ミリモル)およびヨウ化銅(I)(1
0mg、10モル%)を、予めアルゴンを流しておいた
乾燥DMF3mlに懸濁させ、アルキン(6〜15当
量)、乾燥トリエチルアミン(108mg、1.06ミ
リモル、2当量)、およびテトラキス(トリスフェニル
ホスフィン)−パラジウム(0)(30.75mg、
0.027ミリモル、5モル%)をこの混合物に加え
る。数時間以内に、この混合物は透明な黄色溶液に変化
する。出発化合物を使い切るまで反応を継続する(薄層
クロマトグラフィによって観察)。次に、反応混合物を
メタノール/ジクロロメタン(1:1)5mlで希釈
し、Dowex 1x8(100〜200メッシュ、5
00mg、重炭酸塩型)を加える。15分攪拌した後、
ガスの発生が止んだら、反応混合物を更に30分間攪拌
する。次いで、これを濾過し、マトリックスをメタノー
ル/ジクロロメタン(1:1)で洗浄する。濾液を合わ
せて、乾燥する。乾燥した残渣を、直ちにシリカゲルカ
ラム(25g)上でメタノール含量を増加する(10、
15、20%)ジクロロメタンを用いてクロマトグラフ
ィ処理を行なう。主要画分を蒸発させると、置換した
2′−デオキシ−ツベルシジン誘導体が得られる。
【0104】実施例14 4−ベンゾイルアミノ−5−(1−プロピニル−3−ト
リフルオロアセタミド)−7−[(2−デオキシ−β−
D−エリスロペントフラノシル)−5′−O−(4,
4′−ジメトキシトリフェニルメチル)]−7H−ピロ
ロ[2,3−d]−ピリミジン−3′−(トリエチルア
ンモニウムホスホネート) (15) a) 7−デアザ−2′−デオキシ−7−(1−プロピ
ニル−3−トリフルオロアセタミド)−アデノシン 実施例12からの5−ヨード−2′−ツベルシジン(14)
を、実施例13に記載した条件下で、9時間、N−プロ
パルギルトリフルオロアセタミドにカップリングする。
下記の量を使用する:5−ヨード−2′−デオキシ−ツ
ベルシジン(14)(200mg、0.532ミリモル)、
ヨウ化銅(I)(5.0mg、0.0236ミリモル、
5モル%)、DMF(3ml)、N−プロパギル−トリ
フルオロアセタミド(482mg、3.2ミリモル、6
当量)、トリエチルアミン(108mg、1.06ミリ
モル、2当量)、およびテトラキス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム(0)(61.5mg、0.053
2ミリモル、10モル%)。クロマトグラフィの後、固
形生成物を酢酸エチルから再結晶させる:淡黄色結晶
(70mg、0.176ミリモル、33%)。融点18
7〜188℃。TLC:R0.30(CHCl
MeOH,9:1)。UV(MeOH)237(14,
400),279(14,200)。H−NMR(D
−DMSO)10.07(s,1H,NHTFA),
8.12(s,1H,H−2),7.76(s,1H,
H−6),6.79(ブロードs、2H,NH),
6.49(pt,1H,H−1′,J=6.6Hz),
5.25(d,1H,3′−OH,J=3.0Hz),
5.05(t,1H,5′−OH,J=4.5Hz),
4.35(m,1H,H−3′),4.32(d,2
H,CH,J=4.2Hz),3.84(m,1H,
H−4′),3.56(m,2H,H−5′),2.4
7(m,1H,H−2′β),2.19(m,1H,H
−2′α)。13 C−NMR(D−DMSO):157.4(C−
4),156.4および156.1(C=O),15
2.7(C−2),149.2(C−7a),126.
5(C−6),116.8および114.6(C
),102.2(C−4a),94.0(C−
5),87.5(C−4′),86.7および76.2
(C=C),83.2(C−1′),70.9(C−
3′),61.8(c−5′),39.6(C−2′,
DMSOと重複),29.9(CH)。 元素分析 C1616に対する計算値: C48.13, H4.04, N17.54; 実測値: C48.26, H4.13,
N17.58。 b) 4−ベンゾイルアミノ−5−(1−プロピニル−
3−トリフルオロアセタミド)−7−[(2−デオキシ
−β−D−エリスロペントフラノシル)−7H−ピロロ
[2,3−d]−ピリミジン ベンゾイルアミノ保護基を、実施例1と同様にして7−
デアザ−2′−デオキシ−7−(1−プロピニル−3−
トリフルオロアセタミド)−アデノシンに挿入する。 c) 4−ベンゾイルアミノ−5−(1−プロピニル−
3−トリフルオロアセタミド)−7−[(2−デオキシ
−β−D−エリスロペントフラノシル)−5′−O−
(4,4′−ジメトキシトリフェニルメチル)]−7H
−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン Dmt−ヒドロキシル保護基を、実施例5と同様にして
4−ベンゾイルアミノ−5−(1−プロピニル−3−ト
リフルオロアセタミド)−7−[(2−デオキシ−β−
O−エリスロペントフラノシル)−7H−ピロロ[2,
3−d]ピリミジンに挿入する。 d) 標記化合物(15)を、実施例8と同様にして4−ベ
ンゾイルアミノ−5−(1−プロピニル−3−トリフル
オロアセタミド)−7−[(2−デオキシ−β−D−エ
リスロペントフラノシル)−5′−O−(4,4′−ジ
メトキシトリフェニルメチル)]−7H−ピロロ[2,
3−d]−ピリミジンから製造する。
【0105】実施例15 4−ベンゾイルアミノ−5−(1−ペンチニルトリフル
オロアセタミド)−7−[(2−デオキシ−β−D−エ
リスロペントフラノシル)−5′−O−(4,4′−ジ
メトキシトリフェニルメチル)]−7H−ピロロ[2,
3−d]−ピリミジン−3′−(トリエチルアンモニウ
ムホスホネート) (16) a) 7−デアザ−2′−デオキシ−7−(1−ペンチ
ニルトリフルオロアセタミド)−アデノシン 実施例12からの5−ヨード−2′−ツベルシジン(14)
を、実施例13に記載した条件下で、48時間、5−ト
リフルオロアセタミド−1−ペンチンにカップリングす
る。下記の量を使用する:5−ヨード−2′−デオキシ
−ツベルシジン(200mg、0.532ミリモル)、
ヨウ化銅(I)(5.0mg、0.0236ミリモル、
5モル%)、DMF(3ml)、5−トリフルオロアセ
タミド−1−ペンチン(953mg、5.32ミリモ
ル、10当量)、トリエチルアミン(108mg、1.
06ミリモル、2当量)、およびテトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(0)(61.5mg、
0.0532ミリモル、10モル%)。クロマトグラフ
ィの後、液体から結晶化により薄く黄色味を帯びた油状
残渣を(84.1mg、0.197ミリモル、37%)
を得る。融点51〜52℃。TLC:R0.35(C
Cl/MeOH,9:1)。UV(MeOH)m
ax=239(14,300),280(10,90
0)。 H−NMR(D−DMSO):8.08(s,1
H,H−2),7.64(s,1H,H−6),6.4
6(pt,1H,H−1′,J=6.9Hz),4.3
2(m,1H,H−3′),3.80(m,1H,H−
4′),3.59〜3.28(数個のm,2H,H−
5′,CH −CHCH −N),2.47(m,
1H,H−2′β),2.17(m,1H,H−2′
α),1.76(quintet,2H,CHCH
−CH−N。13 C−NMR(D−DMSO):157.6(C−
4),156.5および156.2(C=O),15
2.7(C−2),149.2(C−7a),125.
7(C−6),118.5および114.0(C
),102.3(C−4a),95.5(C−
5),91.6(C=C,1″),87.6(C−
4′),83.2(C−1′),74.0(C=C,
2″),71.0(C−3′),62.0(C−
5′),39.6および38.6(C−2′およびCH
,DMSOと重複),27.7(CH),16.6
(CH)。 元素分析 C1820に対する計算値: C50.59, H4.72, N16.39; 実測値: C50.65, H4.82,
N16.32。 標記化合物(16)は、実施例14b)、14c)および1
4d)と同様にして7−デアザ−2′−デオキシ−7−
(1−ペンチニルトリフルオロアセタミド)アデノシン
から得られる。
【0106】実施例16 2′−デオキシ−7−デアザ−7−(2−カルボキシエ
テニル)アデノシン(17)実施例12からの5−ヨード−
2′−ツベルシジン(14)を、実施例13に記載した条件
下で、65時間、アクリル酸メチルにカップリングす
る。下記の量を使用する:5−ヨード−2′−デオキシ
−ツベルシジン(200mg、0.532ミリモル)、
ヨウ化銅(I)(5.0mg、0.0236ミリモル、
5モル%)、DMF(3ml)、トリエチルアミン(1
08mg、1.06ミリモル、2当量)、アクリル酸メ
チル(686mg、8.0ミリモル、15当量)、およ
びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)(61.5mg、0.0532ミリモル、10モ
ル%)。クロマトグラフィにより精製すると、淡黄色気
泡生成物が得られ、ジクロロメタンで洗浄すると、固形
物質71.1mg(40%)が得られる。融点101〜
102℃。TLC:R0.40(CHCl/Me
OH,9:1)。UV(MeOH)max=268.0
(13,500),324.8(11,900)。 H−NMR(D−DMSO):8.11(2s,2
H,H−2およびH−6),7.94(d,1H,H−
1″,J=15.6Hz),6.86(s,2H,NH
),6.51(pt,1H,H−1′,J=6.6H
z),6.4(d,1H,H−2″,J=15.6H
z),5.26(d,1H,3′−OH,J=3.6H
z),5.04(t,1H,5′−OH,J=5.1H
z),4.36(m,1H,H−3′),3.83
(m,1H,H−4′),3.70(s,3H,OCH
),3.55(m,1H,H−5′),2.45
(m,1H,H−2′β),2.22(m,1H,H−
2′α)。13 C−NMR(D−DMSO):166.9(C=
O),158.0(C−4),152.1(C−2),
151.2(C−7a),137.4(H−C=
O),123.7(C−6),115.5(H=CH
−C=O),111.5(C−5),101.0(C−
4a),87.6(C−4′),83.2(C−
1′),70.9(C−3′),62.0(C−
5′),51.2(OCH),39.6(C−2′,
DMSOと重複)。 元素分析 C1518に対する計算値: C53.89, H5.43, N16.76; 実測値: C53.79, H5.56,
N16.74。
【0107】実施例17 7−[2−デオキシ−3,5−ジ−O−(2−メチルプ
ロピオニル)−β−D−エリスロペントフラノシル)−
4−メトキシ−2−[(ホルミル)アミノ]−7H−ピ
ロロ[2,3−d]−ピリミジン (18) 7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペントフラノシ
ル)−4−メトキシ−2−[(ホルミル)アミノ]−7
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1.0g、3.
3ミリモル)[F. Seela, H. Driller, Nucleosides, N
ucleotides, 1989, 8, 1-21]をアセトニトリル(20m
l)に加えたものを、トリエチルアミン(23ミリモ
ル)の存在下で、無水イソ酪酸と共に、室温で15時間
攪拌した。溶媒を留去し、残渣をメタノールと共に再蒸
発させる。次いで、これを塩化メチレン/アセトン(9
5:5)の溶離剤でクロマトグラフィ処理を行ない、主
要画分を単離し、成分化合物をシクロヘキサンから再結
晶させる。無色固形生成物1.26g(89%)。 H−NMR([D]DMSO),δ:1.05〜
1.14(m,4CH),2.60,2,90(m,
CHおよび2′−Ha,b),4.02(s,OC
),4.16(m,5′−H),4.26(m,
4′−H),5.35(m,3′−H),6.47
(m,1′−H),6.52(d,5−H),7.39
(d,6−H),9.44(d,NH),10.71
(d,HCO)。
【0108】実施例18 5−ブロモ−7−[2−デオキシ−3,5−ジ−O−
(2−メチルプロピオニル)−β−D−エリスロペント
フラノシル)−4−メトキシ−2−[(ホルミル)アミ
ノ]−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン (19) 化合物18(10.1ミリモル)をジメチルホルムアミ
ドに溶解したものを、N−ブロモスクシンイミド(1
0.1ミリモル)と共に、室温で1時間攪拌した。5%
NaHCO水溶液数滴を溶液に加えて緩衝し、次に、
塩化メチレンを加える。有機相を水と振盪し、分離し、
硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させる。残渣をシリカ
ゲルカラム上でジクロロメタン/アセトン(95:5)
の溶離剤でクロマトグラフィを行なうと、2種類の画分
を生じる。移動の遅い主要画分からの蒸発残渣は、固形
生成物として無色生成物(19)(75%)を生成する。 H−NMR([D]DMSO),δ:1.05〜
1.14(m,4CH),2.60,2,88(m,
CHおよび2′−Ha,b),4.04(s,OC
),4.16(m,5′−H),4.22(m,
4′−H),5.34(m,3′−H),6.46
(m,1′−H),7.60(d,6−H),9.43
(d,NH),10.86(d,HCO)。 前記の反応からの速やかに移動する画分から、無色固形
生成物が得られ、これは5,6−ジブロモ−7−[2−
デオキシ−3,5−ジ−O−(2−メチルプロピオニ
ル)−β−D−エリスロペントフラノシル]−4−メト
キシ−2−[(ホルミル)アミノ]−7H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジンと特性決定された。 H−NMR([D]DMSO),δ:0.99〜
1.13(m,4CH),2.59,3.58(m,
CHおよび2′−Ha,b),4.03(s,OC
),4.16(m,5′−H),4.30(m,
4′−H),5.56(m,3′−H),6.39
(m,1′−H),9.42(d,NH),10.91
(s,HCO)。
【0109】実施例19 5−クロロ−7−[2−デオキシ−3,5−ジ−O−
(2−メチルプロピオニル)−β−D−エリスロペント
フラノシル]−4−メトキシ−2−アミノ−7H−ピロ
ロ[2,3−d]−ピリミジン (20) N−クロロスクシンイミドを用いて、化合物(19)と同様
にして物質を製造して処理した。ハロゲン化反応時間は
8時間であった。アセトニトリル/DMF(4:1)を
溶媒として用いた。無色生成物(70%)。 H−NMR([D]DMSO),δ:1.07〜
1.13(m,4CH),2.59,2,74(m,
CHおよび2′−Ha,b),3.93(s,OC
),4.15(m,5′−H),4.21(m,
4′−H),5.25(m,3′−H),6.39
(m,1′−H),6.47(5,NH),7.20
(d,6−H)。 無色固形生成物の形態での化合物5,6−ジクロロ−7
−[2−デオキシ−3,5−ジ−O−(2−メチル−プ
ロピオニル)−β−D−エリスロペントフラノシル]−
4−メトキシ−2−アミノ−7H−ピロロ[2,3−
d]ピリミジンを、副生成物として得た。 H−NMR([D]DMSO),δ:1.03〜
1.13(m,4CH),2.58,3.40(m,
CHおよび2′−Ha,b),3.93(s,OC
),4.16(m,5′−H),4.37(m,
4′−H),5.44(m,3′−H),6.37
(m,1′−H),6.58(5,NH)。
【0110】実施例20 2−アミノ−7−(2′−デオキシ−β−エリスロペン
トフラニノシル)−3,7−ジヒドロ−5−ブロモ−4
−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン(21) 化合物(19)を、既知の方法を用いて反応させる[F. See
la, B. Westermann,U. Bindig, J. Chem. Soc. Perkin
Trans I, 1988, 699]。化合物(19) 500mgを、2N NaOH200ml中で3時間還
流温度で加熱する。冷却した溶液を氷酢酸で中和し、無
機残渣を濾別し、水性相を蒸発させる。水から再結晶さ
せると、(21)の無色結晶を生じる。
【0111】実施例21 2−アミノ−7−(2′−デオキシ−β−エリスロペン
トフラニノシル)−3,7−ジヒドロ−5−ブロモ−4
−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン(22) 実施例20に記載の方法と同様にして、化合物(20)から
出発して、化合物(22)を製造する。水から再結晶する
と、(22)の無色結晶を生じる。
【0112】実施例22 4−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラニノシル)−5−トリメチルシリルエチニル−
7H−4−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(23) 実施例13におけるカップリング反応の一般的方法に従
って、トリメチルシリルアセチレンから化合物(20)から
出発して、化合物(23)を製造する。無色固形生成物、収
率54%。 計算値: C55.47, H6.40,
N16.17; 実測値: C55.57, H6.53,
N16.20。 H−NMR(DMSO):8.12(s,1H,H−
2),7.80(s,1H,H−6),6.76(ブロ
ード、2H,NH),6.47(「t」,1H,H−
1′,J=6.7Hz),5.23(d,1H,3′−
OH,J=3.3Hz),5.07(t,1H,5′−
OH),4.33(m,1H,H−3′),3,87
(m,1H,H−4′),3.54(m,2H,H−
5′),2.46(m,1H,H−2′),2.17
(m,1H,H−2′),0.73(s,9H,M
e)。
【0113】実施例23 4−アミノ−7−[2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル]−5−エチニル−7H−ピロロ[2,
3−d]ピリミジン (24) 化合物(23)200mgをMeOH20mlに溶解させ
る。KCO8mgを加えて1時間攪拌すると、加水
分解を生じる。溶液をロータリーエバポレーターで蒸発
させた後、残渣をシリカゲル上で塩化メチレン/MeO
H(8:1)の溶離剤でクロマトグラフィ処理を行な
う。MeOHから再結晶させると、無色結晶生成物を生
じる(73%)。 計算値: C56.93, H5.15,
N20.43; 実測値: C56.77, N5.71,
N20.42。 H−NMR(DMSO):8.13(s,1H,H−
2),7.81(s,1H,H−6),6.65(ブロ
ード、2H,NH),6.49(t,1H,H−
1′),5.25(m,1H,3′−OH),5.05
(m,1H,5′−OH),4.36(m,1H,H−
3′),4.26(s,1H,エチン),3,84
(s,1H,H−4′),3.56(m,2H,H−
5′),2.47(m,1H,H−2′),2.21
(m,1H,H−2′)。
【0114】実施例24 4−アミノ−7−[2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル]−5−ヘキシニル−7H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジン (25) 架橋反応( 実施例13)の一般的方法に従って、1−ヘ
キシンを用いて、化合物(25)を製造する。MeOHから
再結晶すると、無色結晶生成物を生じる(収率48
%)。 計算値: C61.80, H6.71,
N19.96; 実測値: C61.68, N6.60,
N16.90。 H−NMR(DMSO):8.31(s,1H,H−
2),7.65(s,1H,H−6),6.65(ブロ
ード、2H,NH),6.49(「t」,1H,H−
1′),5.24(m,1H,3′−OH),5.05
(m,1H,5′−OH),4.50(m,1H,H−
3′),3,84(s,1H,H−4′),3.56
(m,2H,H−5′),2.48(m,2H,CH
C=),2.46(m,1H,H−2′),2.18
(m,1H,H−2′),1.54(m,2H,C
),1.43(m,2H,CH),=0.93
(m,2H,CH)。
【0115】実施例25 2−アミノ−6−クロロ−7−[2−デオキシ−3,5
−ジ−O−アセチル−β−D−エリスロペントフラノシ
ル]−4−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリ
ミジン N−クロロスクシンイミド36.6mg(0.27ミリ
モル)を、2−アミノ−7−(2−デオキシ−3,5−
ジ−O−アセチル−β−D−エリスロペントフラノシ
ル)−4−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリ
ミジン50mgをジクロロメタン3mlに溶解したもの
に加え、混合物を室温で12時間攪拌する。溶媒をスト
リッピングして、残渣をシリカゲル上でCHCl
アセトン(9:1)でクロマトグラフィ処理を行なう。
移動速度の遅い主要画分から、無色気泡生成物30mg
(54%)が得られる。H−NMR D(DMS
O):1.99(s,3H,CH),2.09(s,
3H,CH),2.37(m,1H,H−2′b),
3.93(s,3H,OCH),4.18(m,2
H,H−5′),4.43(m,1H,H−4),5.
44(m,1H,H−3′),6.38(m,1H,H
−1′),6.42(s,1H,H−5)。13C−NM
R(DMSO):20.48(CH),20.76
(CH),33.78(C−2′),52.99(O
CH),63.47(C−5′),74.31(C−
3′),80.91(C−4′),82.95(C−
1′),96.45(C−4a),98.65(C−
5),118.12(C−6),153.69(C−7
a),159.25(C−2),162.16(C−
4),169.98(C=O),170.09(C=
O)。
【0116】実施例26 2−アミノ−5,6−ジクロロ−7−[2−デオキシ−
3,5−ジ−O−アセチル−β−D−エリスロペントフ
ラノシル]−4−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−
d]ピリミジン 移動速度の速い画分は、無色気泡生成物を生じる。6m
g(9.9%)。 H−NMR(DMSO):1.98(s,3H,CH
),2.07(s,3H,CH),2.24(m,
1H,H−2′b),2.73(m,1H,H−2′
a),3.94(s,3H,OCH),4.14
(m,2H,H−5′),4.39(m,1H,H−
4),5.40(m,1H,H−3′),6.39
(m,1H,H−1′),6.59(s,2H,N
)。13 C−NMR(DMSO):20.47(CH),2
0.75(CH),34.06(C−2′),53.
34(OCH),63.41(C−5′),74.0
9(C−3′),81.01(C−4′),83.26
(C−1′),94.59(C−4a),102.08
(C−5),115.16(C−6),151.94
(C−7a),159.59(C−2),162.08
(C−4),169.97(C=O),170.07
(C=O)。 UV(MeOH):λmax(ε):290nm(85
00),264nm(13100),226nm(22
700)。
【0117】実施例27 7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペントフラノシ
ル)−4−[(ジメチルアミノ)−メチリデン]アミノ
−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
(26) 5−ヨード−2′−デオキシツベルシジン(14)(400
mg,1.06ミリモル)をメタノール(20ml)に
溶解したものを、N,N−ジメチルホルムアミドジメチ
ルアセチル(2.0g、16.8ミリモル)と共に40
℃で2時間攪拌する。溶媒を留去した後、残渣をフラッ
シュクロマトグラフィ(FC)(カラム:20×5c
m,CHCl/MeOH,9:1)によって精製す
る。主要画分は無色気泡生成物(389mg,85%)
を生じる。TLC(薄層クロマトグラフィ、シリカゲ
ル、CHCl/MeOH,9:1):R0.4
6。UV(MeOH:max=229nm(1740
0),277nm(10400),323nm(190
00)。 H−NMR(D−DMSO):2.18(m,1
H,Hα−2′);2.47(m,1H,Hβ−2′,
DMSOと重複);3.18,3.22(2s,6H,
N(CH);3.54(m,2H,H−5′);
3.81(m,1H,H−4′);4.32(m,1
H,H−3′);5.00(t,J=5.4Hz,1
H,5′−OH);5.23(d,J=3.9Hz,1
H,3′−OH);6.52(「t」,J=7.0H
z,1H,H−1′);7.70(s,1H,H−
6);8.30(s,1H,H−2);8.82(s,
1H,N=CH)。 元素分析 C1418Iに対する計算値: C38.99, H4.21, N16.24; 実測値: C39.09, H4.27,
N16.10。
【0118】実施例28 7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペントフラノシ
ル)−4−[(ジメチルアミノ)−メチリデン]アミノ
−5−ヘキシニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミ
ジン (27) 5−ヘキシニル−2′−デオキシツベルシジン(25)(4
00mg、1.21ミリモル)をメタノール(20m
l)に溶解したものを、N,N−ジメチルホルムアミド
ジメチルアセタール(2.0g、16.8ミリモル)と
共に、40℃で2時間攪拌する。溶媒を留去した後、残
渣をフラッシュクロマトグラフィ(FC)(カラム:2
0×5cm,CHCl/MeOH,9:1)によっ
て精製する。主要画分は無色気泡生成物(373mg,
80%)を生じる。TLC(薄層クロマトグラフィ、シ
リカゲル、CHCl/MeOH,9:1):R
0.51。UV(MeOH:max=278(121
00),321(10400)。 H−NMR(D−DMSO):δ=0.91(t,
J=7.3Hz,3H,CH),1.45(sext
et,J=7.2Hz,2H,CH−CH);1.
53(quintet,J=7.3Hz,2H,CH
CH−CH);2.18(m,1H,Hα
2′);2.47(m,3H,Hβ−2′,CC−C
,DMSOと重複);3.16,3.18(2s,
6H,N(CH);3.56(m,2H,H−
5′);3.83(m,1H,H−4′);4.35
(m,1H,H−3′);5.02(t,J=5.5H
z,1H,5′−OH);5.26(d,J=3.9H
z,1H,3′−OH);6.50(「t」,J=7.
0Hz,1H,H−1′);7.64(s,1H,H−
6);8.32(s,1H,H−2);8.76(s,
1H,N=CH)。
【0119】実施例29 7−[2−デオキシ−5−O−(4,4′−ジメトキシ
トリフェニルメチル)−β−D−エリスロペントフラノ
シル]−4−[(ジメチルアミノ)−メチリデン]アミ
ノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジ
ン (28) 4,4′−ジメトキシトリフェニルメチル クロリド
(256mg、0.76ミリモル)を、化合物(26)(3
00mg、0.70ミリモル)を乾燥ピリジン(3m
l)に溶解したものに、アルゴン雰囲気下にて加える。
混合物を50℃で2時間攪拌した後、5%NaHCO
水溶液(15ml)を加える。水相をCHCl(5
0mlずつ3回)で抽出する。合わせた有機相をNa
SO上で乾燥した後、蒸発させる。残渣をフラッシュ
クロマトグラフィ(FC)(カラム:20×5cm、
B)処理に付すと、無色気泡生成物(360mg、70
%)を得る。TLC(シリカゲル、B):R0.6
0。 UV(MeOH)max=236(38400),27
5(14200),322(18900)。 H−NMR(D−DMSO):2.24(m,1
H,Hα−2′);2.47(m,1H,Hβ−2′,
DMSOと重複);3.18(m,2H,H−5′,N
aCHと重複);3.18,3.22(2s,6H,
N(CH);3.72(s,6H,2OC
);3.92(m,1H,H−4′);4.37
(m,1H,H−3′);5.30(d,J=4.0H
z,1H,3′−OH);6.54(「t」,J=6.
6Hz,1H,H−1′);6.84(m,4H,芳香
族H);7.22〜7.38(m,9H,芳香族H);
7.56(s,1H,H−6);8.31(s,1H,
H−2);8.82(s,1H,N=CH)。 元素分析 C3536Iに対する計算値: C57.30, H4.95, N9.55; 実測値: C57.48, H5.12,
N9.44。
【0120】実施例30 7−[2−デオキシ−5−O−(4,4′−ジメトキシ
トリフェニルメチル)−β−D−エリスロペントフラノ
シル]−4−[(ジメチルアミノ)−メチリデン]アミ
ノ−5−ヘキシニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリ
ミジン (29) 4,4′−ジメトキシトリフェニルメチル クロリド
(290mg、0.86ミリモル)を、化合物(27)(3
00mg、0.78ミリモル)を乾燥ピリジン(3m
l)に溶解したものに、アルゴン雰囲気下にて加える。
混合物を50℃で2時間攪拌した後、5%NaHCO
水溶液(15ml)を加える。水相をCHCl(5
0mlずつ3回)で抽出する。合わせた有機相をNa
SO上で乾燥した後、蒸発させる。フラッシュクロマ
トグラフィ(FC)(カラム:20×5cm、B)処理
を行なうと、無色気泡生成物(360mg、62%)を
得る。TLC(シリカゲル、B):R0.60。 UV(MeOH)max=276(17500),32
0(12900)。 H−NMR(D−DMSO):δ=0.91(t,
J=7.3Hz,3H,CH);1.45(sext
et,J=7.2Hz,2H,CH−CH);1.
53(quintet,J=7.3Hz,2H,CH
−CH−CH);2.18(m,1H,Hα
2′);2.47(m,1H,Hβ−2′,CC−C
、DMSOと重複);3.16,3.18(2s,
6H,N(CH);3.18(m,2H,H−
5′,N(CHと重複);3.71(s,6H,
2OCH);3.91(m,1H,H−4′);4.
34(m,1H,H−3′);5.28(d,J=3.
9Hz,1H,3′−OH);6.53(「t」,J=
7.0Hz,1H,H−1′);6.82(m,4H,
芳香族H);7.20〜7.36(m,9H,芳香族
H);7.56(s,1H,H−6);8.30(s,
1H,H−2);8.97(s,1H,N=CH)。
【0121】実施例31 7−[2−デオキシ−5−O−(4,4′−ジメトキシ
トリフェニルメチル)−β−D−エリスロペントフラノ
シル]−4−[(ジメチルアミノ)−メチリデン]アミ
ノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジ
ン−3′−(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロ
ピルホスホルアミダイト (30) クロロ(2−シアノエトキシ)−N,N−ジイソプロピ
ルアミノホスフィン(194mg、0.82ミリモル)
を、乾燥したヌクレオシド(28)(300mg、0.41
ミリモル)および無水のN,N−ジイソプロピルエチル
アミン(212mg、1.64ミリモル)を乾燥THF
(2ml)に攪拌溶解したものに、アルゴン雰囲気下に
て加える。混合物を30分間攪拌した後、濾別する。濾
液に酢酸エチル(30ml)を加え、全混合物を氷冷し
た10%NaHCO水溶液(2×10ml)および水
10mlで2回抽出する。有機相を無水NaSO
で乾燥した後、蒸発させる。フラッシュクロマトグラフ
ィ(FC)(カラム:10×3cm、石油エーテル/ア
セトン)処理を行なうと、無色気泡生成物(222m
g、60%)を得る。TLC(シリカゲル、石油エーテ
ル/アセトン、1:1):R0.38,0.45。31 P−NMR CDCl:149.0,149.2。
【0122】実施例32 7−[2−デオキシ−5−O−(4,4′−ジメトキシ
トリフェニルメチル)−β−D−エリスロペントフラノ
シル]−4−[(ジメチルアミノ)−メチリデン]アミ
ノ−5−ヘキシニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリ
ミジン−3′−(2−シアノエチル)−N,N−ジイソ
プロピルホスホルアミダイト (31) クロロ(2−シアノエトキシ)−N,N−ジイソプロピ
ルアミノホスフィン(194mg、0.82ミリモル)
を、乾燥したヌクレオシド(29)(300mg、0.44
ミリモル)および無水のN,N−ジイソプロピルエチル
アミン(212mg、1.64ミリモル)を乾燥THF
(2ml)に攪拌溶解したものに、アルゴン雰囲気下に
て加える。混合物を30分間攪拌した後、濾別する。濾
液に酢酸メチル(30ml)を加え、全混合物を氷冷し
た10%NaHCO水溶液(2×10ml)および水
10mlで2回抽出する。有機相を無水NaSO
で乾燥した後、蒸発させる。フラッシュクロマトグラフ
ィ(FC)(カラム:10×3cm、石油エーテル/ア
セトン)処理を行なうと、黄色気泡生成物(229m
g、60%)を得る。R0.45,0.53。31 P−NMR CDCl:149.0,149.3。
【0123】実施例33 4−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−5−メチル−チオ−7H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジン (32) 2′,3′,5′−トリ−O−アセチル−7−デアザア
デノシンから出発して、この化合物を酢酸中で塩化チオ
シアンと反応させることによって、対応する5−チオシ
アン酸誘導体を形成する。2−メルカプトエタノールで
還元した後、メチル化を行なうと、保護されていない糖
残基を有する5−メチルチオ誘導体を生成する(Watana
be et al., Nucleosides & Nucleotides, 1(2), 191-20
3, 1982)。3′,5′−OH基を選択的にシリル化した
後、対応するチオノエステルを介してBarton脱酸素化す
ることによって、メチルチオ化合物(32)が得られる。
【0124】実施例34 4−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−5−モルホリノメチル−7H−ピロ
ロ[2,3−d]ピリミジン (33) (33)は、マンニッヒ反応を用いて製造することができ
る。5−モルホリノメチル誘導体(Watanabe et al., Nu
cleosides & Nucleotides, 1(2), 191-203, 1982)は、
ツベルシジンをパラホルムアルデヒドおよびモルホリン
と共にDMF中で加熱することによって得られる。5−
モルホリノ誘導体(33)は、実施例33に記載のシリル化
および脱酸素化によって得られる。
【0125】実施例35 4−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−5−トリフルオロメチル−7H−ピ
ロロ[2,3−d]ピリミジン (34) 化合物34は、Nairらの方法に従って化合物(14)をCF
Cuと反応させることによって得られる(J. Am. Chem.
Soc., 111, 8502-8504, 1989)。
【0126】実施例36 4−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−5−ニトロ−7H−ピロロ[2,3
−d]ピリミジン (35)および4−アミノ−7−(2−
デオキシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−6−
ニトロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン (36) 2′,3′,5′−トリ−O−アセチル−7−デアザア
デニンを、塩化メチレン中でHNO/HSOで処
理することによって、5−および6−置換ニトロ誘導体
からなる混合物が得られる。5−ニトロ誘導体(Watanab
e et al., Nucleosides & Nucleotides, 1(2), 191-20
3, 1982) は、主生成物として生じる。脱アシル化、
3′,5′−OHシリル化および2′−脱酸素化によ
り、化合物(35)および(36)が得られる。
【0127】実施例37 4−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−6−シアノ−7H−ピロロ[2,3
−d]ピリミジン (37) 化合物(32)の酸化により、5−メチルスルホン誘導体が
得られる。DMF中でNaCNで処理すると、6−シア
ノ誘導体(37)、トヨカマイシンの位置異性体(Watanabe
et al., Nucleosides & Nucleotides, 1(2), 191-203,
1982) を生じる。シリル化および脱酸素化は、実施例3
3に従って行なう。
【0128】実施例38 4−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−5−カルボキシ−7H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジン (38) 化合物(38)は、化合物(37)を加水分解することによって
得られる。
【0129】実施例39 4−アミノ−5,6−ジブロモ−7−(2−デオキシ−
β−D−エリスロペントフラノシル)−7H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジン (66) 2′−デオキシツベルシジン(1.0g、4.0ミリモ
ル)およびNaOAc(0.78g、8.0ミリモル)
を乾燥DMF(10ml)に溶解したものに、NBS
(1.42g、8.0ミリモル、乾燥DMF4mlに溶
解したもの)を室温で加える。赤色溶液を10分間攪拌
した後、蒸発させる。フラッシュクロマトグラフィ(カ
ラム:20×5cm,CHCl/MeOH,9:
1)、速やかに移動する方の画分を蒸発させた後、イソ
プロパノールから再結晶することにより、標記化合物(3
8)が無色結晶生成物(400mg、25%)として得ら
れる。移動速度の遅い画分を単離すると、5−ブロモ−
2′−デオキシツベルシジン(130mg、10%)が
得られる。方法B:NBS(1.42g、8.0ミリモ
ル、乾燥DMF4mlに溶解したもの)を5−ブロモ−
2′−デオキシ−ツベルシジン(1.3g、4.0ミリ
モル)およびNaOAc(0.785g、8.0ミリモ
ル)を乾燥DMF(10ml)に溶解したものに加え
る。精製は、方法Aを参照して行う。収率:490m
g、21の30%。融点:181℃。 TLC(シリカゲル、CHCl/MeOH,9:
1):R0.40。 H−NMR(D−DMSO):δ=2.12(m,
α−2′);2.50(m,Hβ−2′);3.51
(m,2H,H−5′);3.84(m,1H,H−
4′);4.44(m,1H,H−3′);5.20
(br,2H,5′−OH,3′−OH);6.42
(「t」,J=6.2Hz,1H,H−1′);6.9
3(br,2H,NH);8.10(s,1H,H−
2)。
【0130】実施例40 4−アミノ−5,6−ジクロロ−7−(2−デオキシ−
β−D−エリスロペントフラノシル)−7H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジン (39) 標記化合物(39)は、5−クロロ−ヌクレオシド(1) をN
−クロロスクシンイミドで塩素化することによって得ら
れる。
【0131】実施例41 4−アミノ−5−ヨード−6−クロロ−7−(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−7H−ピ
ロロ[2,3−d]ピリミジン (40) 標記化合物(40)は、5−ヨード−ヌクレオシド(14)をN
−クロロスクシンイミドで塩素化することによって得ら
れる。
【0132】実施例42 4−アミノ−5−ヨード−6−ブロモ−7−(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−7H−ピ
ロロ[2,3−d]ピリミジン (41) 標記化合物(41)は、5−ヨード−ヌクレオシド(14)をN
−ブロモスクシンイミドで臭素化することによって得ら
れる。
【0133】実施例43 4−アミノ−5−ブロモ−6−ヨード−7−(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−7H−ピ
ロロ[2,3−d]ピリミジン (42) 標記化合物(42)は、5−ブロモ−ヌクレオシド(2) をN
−ヨードスクシンイミドでヨウ素化することによって得
られる。
【0134】実施例44 4−アミノ−5−クロロ−6−ブロモ−7−(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−7H−ピ
ロロ[2,3−d]ピリミジン (43) 標記化合物(43)は、5−クロロ−ヌクレオシド(1) をN
−ブロモスクシンイミドで臭素化することによって得ら
れる。
【0135】実施例45 4−アミノ−5−クロロ−6−ヨード−7−(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−7H−ピ
ロロ[2,3−d]ピリミジン (44) 標記化合物(44)は、5−クロロ−ヌクレオシド(2) をN
−ヨードスクシンイミドでヨウ素化することによって得
られる。
【0136】実施例46 5−クロロ−7−[2−デオキシ−3,5−ジ−O−
(2−メチルプロピオニル)−β−D−エリスロペント
フラノシル]−2−[(ホルミル)アミノ]−4−メト
キシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン (45) N−クロロスクシンイミド(87mg、0.67ミリモ
ル)を、化合物(18)(300mg、0.67ミリモル、
DMF5ml中)の溶液に加える。これを(室温で20
時間)攪拌した後、溶液をCHCl/5%NaHC
水溶液(50ml、9:1)に加える。有機層を分
離し、水で洗浄して、NaSO上で乾燥し、濾過し
て、蒸発させる。蒸発残渣をCHClに溶解し、こ
の溶液をシリカゲル(カラム:5×20cm、CH
/アセトン,95:5)上でクロマトグラフィ処理
を行なう。主要画分を濃縮し、n−ヘキサンを残渣に加
える。沈澱した無色結晶生成物(230mg、71%)
を単離する。 融点:119〜120℃。 H−NMR([D]DMSO):δ=1.09
(d,J=7.0,CH),1.15(d,J=6.
9,CH),2.45,2.60,2.63,2.8
9(4m,CHおよびHα,β−C(2′)),4.0
6(s,OCH),4.18(m,H−C(5′),
4.28(m,H−C(4′)),5.35(m,H−
C(3′)),6.47(m,H−C(1′)),7.
58(s,H−C(6)),9.45(d,J=8.
9,NH),10.84(d,J=9.6,HCO)。 元素分析 C2127ClN(482.9)に対する計算値: C52.23, H5.64, N11.60; 実測値: C52.51, H5.69,
N11.65。
【0137】実施例47 7−[2−デオキシ−3,5−ジ−O−(2−メチルプ
ロピオニル)−β−D−エリスロペントフラノシル]−
2−[(ホルミル)アミノ]−5−ヨード−4−メトキ
シ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン (46) 化合物(46)を、化合物(18)(500mg、1.11ミリ
モル)およびN−ヨードスクシンイミド(264mg、
1.16ミリモル)から出発して、化合物(45)に記載の
方法で製造する。反応時間は23時間である。シクロヘ
キサンから無色結晶生成物(590mg、92%)が得
られる。 H−NMR([D]DMSO):δ=1.9(d,
J=7.0,CH),1.15(d,J=7.0,C
),2.46,2.60,2.89,(3m,CH
およびHα,β−C(2′)),4.06(s,OCH
),4.17(m,H−C(5′),4.27(m,
H−C(4′)),5.35(m,H−C(3′)),
6.46(m,H−C(1′)),7.62(s,H−
C(6)),9.55(d,J=9.7,NH),1
0.81(d,J=9.9,HCO)。元素分析 C2127IN(574.4)に対する計算値: C43.91, H4.74, N9.75; 実測値: C43.98, H4.75,
N9.82。
【0138】実施例48 6−クロロ−7−[2−デオキシ−3,5−ジ−O−
(2−メチルプロピオニル)−β−D−エリスロペント
フラノシル]−2−[(ホルミル)アミノ]−5−ヨー
ド−4−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミ
ジン (47) 標記化合物(47)は、5−ヨード−ヌクレオシド(46)をN
−クロロスクシンイミドで塩素化することによって得ら
れる。
【0139】実施例49 5−ブロモ−6−クロロ−7−[2−デオキシ−3,5
−ジ−O−(2−メチルプロピオニル)−β−D−エリ
スロペントフラノシル]−2−[(ホルミル)アミノ]
−4−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジ
ン (48) 標記化合物(48)は、5−ブロモ−ヌクレオシド(2) をN
−クロロスクシンイミドで塩素化することによって得ら
れる。
【0140】実施例50 7−[2−デオキシ−3,5−ジ−O−(2−メチルプ
ロピオニル)−β−D−エリスロペントフラノシル]−
5,6−ジクロロ−2−[(ホルミル)アミノ]−4−
メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン (4
9) N−クロロスクシンイミド(117mg、0.9ミリモ
ル)を、化合物(45)の溶液(200mg、0.4ミリモ
ル、DMF5ml中)に加える。(室温で16時間)攪
拌を行なった後、溶液をCHCl/5%NaHCO
水溶液(50ml、9:1)に加える。有機層を分離
し、水で洗浄して、NaSO上で乾燥し、濾過し
て、蒸発させる。蒸発残渣をCHClに溶解し、こ
の溶液をシリカゲル(カラム:5×20cm、CH
/アセトン,95:5)上でクロマトグラフィ処理
を行なう。主要画分を分離する。溶媒を留去し、シクロ
ヘキサンから結晶化させると、無色結晶生成物(149
mg、72%)が得られる。 融点:127〜128℃。 H−NMR([D]DMSO):δ=1.01(d
d,CH),1.14(d,J=7.0,CH),
2.44,2.47,2.60,3.53(4m,CH
およびHα,β−C(2′)),4.05(s,OCH
),4.17(m,H−C(5′),4.30(m,
H−C(4′)),5.56(m,H−C(3′)),
6.41(m,H−C(1′)),9.44(d,J=
9.1,NH),10.94(d,J=9.8,HC
O)。 元素分析 C2126Cl(517.4)に対する計算
値:C48.75, H5.07, N10.83; 実測値: C49.04, H5.09,
N10.66。
【0141】実施例51 5−クロロ−6−ヨード−7−[2−デオキシ−3,5
−ジ−O−(2−メチルプロピオニル)−β−D−エリ
スロペントフラノシル]−2−[(ホルミル)アミノ]
−4−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジ
ン (50) 標記化合物(50)は、5−クロロ−ヌクレオシド(45)をN
−ヨードスクシンイミドでヨウ素化することによって得
られる。
【0142】実施例52 2−アミノ−5,6−ジクロロ−7−(2−デオキシ−
β−D−エリスロペントフラノシル)−3,7−ジヒド
ロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン
(51) 化合物(49)(200mg、0.4ミリモル)を2N N
aOH水溶液(8ml)に懸濁したものを、還流下にて
3時間沸騰させる。溶液を濃AcOHで中和した後、反
応生成物を濾過して、水で洗浄して、乾燥する。CH
CNから結晶させると、無色結晶生成物(128mg、
96%)が得られる。 H−NMR([D]DMSO):δ=2.22
(m,Hα−C(2′)),2.92(m,Hβ−C
(2′)),3.52(m,H−C(5′)),3.7
2(m,H−C(4′)),4.33(m,H−C
(3′)),4.81(t,5′−OH),5.22
(d,3′−OH),6.35(dd,H−C
(1′)),6.46(br.,NH),10.75
(s,NH)。
【0143】実施例53 2−アミノ−5−ヨード−6−クロロ−7−(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−3,7−
ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4
−オン (52) 標記化合物(52)は、化合物(47)から出発して、実施例5
2に記載されたのと同様にして製造する。
【0144】実施例54 2−アミノ−5−ブロモ−6−クロロ−7−(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−3,7−
ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4
−オン (53) 標記化合物(53)は、化合物(48)から出発して、実施例5
2に記載されたのと同様にして製造する。
【0145】実施例55 2−アミノ−5−クロロ−6−ヨード−7−(2−デオ
キシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−3,7−
ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4
−オン (54) 標記化合物(54)は、化合物(50)から出発して、実施例5
2に記載されたのと同様にして製造する。
【0146】実施例56 2−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−5−メチル−3,7−ジヒドロ−4
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン(55) 標記化合物(55)は、Winkelerらの報告した方法によって
製造される(LiebigsAnn. Chem., 1984, 708)。
【0147】実施例57 2−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−6−メチル−3,7−ジヒドロ−4
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン(56) 標記化合物(56)は、実施例55と同様にして製造され
る。
【0148】実施例58 2−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−5,6−ジメチル−3,7−ジヒド
ロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン
(57) 標記化合物(57)は、実施例55と同様にして製造され
る。
【0149】実施例59 2−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−5−ヨード−3,7−ジヒドロ−4
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン(58) 標記化合物(58)は、化合物(46)(200mg、0.35
ミリモル)から出発して、実施例51と同様にして製造
される。MeCNから、無色結晶生成物(126mg、
92%)が得られる。融点:218〜220℃。UV
(MeOH):λmax266(12,000),28
5(sh,8400)。 H−NMR([D]DMSO):δ=2.08
(m,Hα−C(2′)),2.30(m,Hβ−C
(2′)),3.48(m,H−C(5′)),3.7
4(m,H−C(4′)),4.26(m,H−C
(3′)),4.89(t,5′−OH),5.18
(d,3′−OH),6.25(dd,H−C
(1′)),6.34(br.,NH),7.09
(s,H−C(6)),10.51(br.,NH)。 C1113IN(392.2)に対する計算値: C33.69, H3.34, N14.29; 実測値: C33.78, H3.42,
N14.29。
【0150】実施例60 7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペントフラノシ
ル)−5−ヨード−2−イソブチリルアミノ−3,7−
ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4
−オン(59) ピリジンを留去することによって3回乾燥した後、化合
物(58)(300mg、0.76ミリモル、乾燥ピリジン
4mlに溶解)をトリメチルクロロシラン0.48ml
(3.78ミリモル)で処理する。溶液を15分間攪拌
する。無水イソ酪酸0.62ml(3.78ミリモル)
を加えた後、溶液を室温で3時間放置する。反応混合物
を氷浴で冷却した後、水1mlを加える。5分後に、2
5%強度のアンモニア水溶液1mlを加え、混合物を1
5分間攪拌する。次に、溶液をほぼ乾固する。水から結
晶させると、無色の結晶生成物(312mg、89%)
が得られる。 H−NMR([D]DMSO):δ=1.10(2
CH),2.12(m,Hβ−C(2′)),2.
37(m,Hα−C(2′)),3.50(m,H−C
(5′)),3.78(m,H−C(4′)),4.3
0(m,H−C(3′)),4.89(t,5′−O
H),5.20(d,3′−OH),6.35(dd,
H−C(I′)),7.43(s,H−C(6)),1
1.49,11.76(2s,2NH)。 C1519IN(462.2)に対する計算値: C38.98, H4.14, N12.12; 実測値: C39.11, H4.37,
N11.96。
【0151】実施例61 7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペントフラノシ
ル)−5−メチル−2−イソブチリルアミノ−3,7−
ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4
−オン(60) ピリジンを留去することによって3回乾燥した後、化合
物(55)(500mg、1.78ミリモル、乾燥ピリジン
9mlに溶解)をトリメチルクロロシラン1.2ml
(9ミリモル)で処理する。溶液を15分間攪拌する。
無水イソ酪酸1.2ml(9ミリモル)を加えた後、溶
液を室温で3時間放置する。反応混合物を氷浴で冷却し
た後、水1.8mlを加える。5分後に、25%強度の
アンモニア水溶液1.8mlを加え、反応を15分間継
続する。次に、溶液をほぼ乾固させ、水10mlに吸収
させると、無色の結晶生成物(555mg、89%)が
極めて速やかに生成する。薄層クロマトグラフィ(シリ
カゲル、CHCl/MeOH,9:1)R=0.
7。 H−NMR([D]DMSO):δ=1.10
(d,J=6.5Hz,2CH−C),2.11,
2.28(2m,2H−C(2′)),2.23(s,
CH),2.73(q,J=6.6Hz,CH),
3.48(m,2H−C(5′)),3.75(m,H
−C(4′)),4.29(m,H−C(3′)),
4.85(m,OH−C(5′)),5.20(m,O
H−C(3′)),6.36(t,J=6.7Hz,H
−C(1′)),6.94(s,H−C(6)),1
1.42,11.67(2s,2NH)。 元素分析 C1622(350.37)に対する計算値: C54.84, H6.33, N15.99; 実測値: C54.76, H6.46,
N16.01。
【0152】実施例62 7−[2−デオキシ−5−O−(4,4′−ジメトキシ
トリチル)−β−D−エリスロペントフラノシル]−5
−ヨード−2−イソブチリルアミノ−3,7−ジヒドロ
−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン(6
1) 無水ピリジンを留去することによって化合物(59)を繰り
返し乾燥する。化合物(59)400mg(0.87ミリモ
ル)をこの方法で乾燥して、乾燥ピリジン5mlに溶解
する。4,4′−ジメトキシトリチル クロリド(32
8mg、0.95ミリモル)を室温で加えた後、反応混
合物を一晩攪拌する。次に、MeOH(3ml)および
5%NaHCO水溶液を加える。水相をCHCl
で3回抽出する。有機相を乾燥し(NaSO)、蒸
発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(カラム:
10×5cm、溶媒、CHCl/アセトン,9:
1)処理を行なう。主要画分から材料を単離すると、無
色非晶質の標記化合物(61)(600mg、91%)が得
られる。 H−NMR([D]DMSO):δ=1.13
(m,4 CH),2.24(m,H−C
(2′)),2.77(m,CH),3.12(m,H
−C(5′)),3.75(s,2 CHO),3.
93(m,H−C(4′)),4.35(m,H−C
(3′)),5.30(d,3′−OH),6.39
(dd,H−C(1′)),6.86〜7.39(m,
芳香族H+H−C(6)),11.54,11.82
(2s,2NH)。 元素分析 C3637(764.6)に対する計算値: C56.55, H4.88, N7.33; 実測値: C56.42, H4.82,
N7.30。
【0153】実施例63 7−[2−デオキシ−5−O−(4,4′−ジメトキシ
トリチル)−β−D−エリスロペントフラノシル]−5
−メチル−2−イソブチリルアミノ−3,7−ジヒドロ
−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン(6
2) (MeO)TrCl(448mg、1.3ミリモル)
を化合物(60)(390mg、1.1ミリモル、乾燥ピリ
ジンから蒸発させることによって乾燥し、乾燥したピリ
ジン8mlに懸濁させたもの)に加え、反応混合物を室
温で4時間攪拌する。MeOH(5ml)を加えた後、
反応混合物を5%NaHCO水溶液(80ml)で処
理する。CHCl(3×50ml)で抽出した後、
有機相を合わせて、乾燥し(無水NaSO)、蒸発
させる。残渣をCHClに溶解して、この溶液をフ
ラッシュクロマトグラフィ(シリカゲルカラム:4×8
cm、溶媒、CHCl/MeOH,95:5、微量
のEtNを含有)処理を行なう。主要画分を単離し、
標記化合物(62)が無色粉末生成物(654mg、90
%)として得られる。薄層クロマトグラフィ(シリカゲ
ル、CHCl/MeOH,95:5):R=0.
3。 H−NMR([D]DMSO):δ=1.10
(d,J=6.7Hz,2CH−C),2.16
(s,CH);2.20,2.40(2m,2H−C
(2′)),2.74(q,J=6.8Hz,CH);
3.12(m,H−C(5′)),3.72(s,2C
O);3.89(m,H−C(4′)),4.34
(m,H−C(3′));5.30(d,J=3.7H
z,OH−C(3′));6.38(t,J=6.7H
z,H−C(1′)),6.7〜7.4(m,芳香族H
およびHC(6)),11.46,11.71(2s,
2NH)。 元素分析 C3740(652.72)に対する計算値: C68.08, H6.18, N8.58; 実測値: C68.25, H6.29,
N8.50。
【0154】実施例64 7−[2−デオキシ−5−O−(4,4′−ジメトキシ
トリチル)−β−D−エリスロペントフラノシル]−5
−ヨード−2−イソブチリルアミノ−3,7−ジヒドロ
−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン−
3′−トリエチルアンモニウムホスホネート(63) 1,2,4−トリアゾール(480mg、6.8ミリモ
ル)を、PCl(180μl、2ミリモル)およびN
−メチルモルホリン(2.2ml)をCHCl(1
2ml)に溶解したものに加える。溶液を30分間攪拌
した後、0℃まで徐々に冷却する。化合物(61)306m
g(0.4ミリモル)(CHCl12mlに溶解し
たもの)を徐々に加え、混合物を0℃で30分間攪拌す
る。その後、これを1M (EtNH)HCO(T
BC、pH8.0、25ml)に加え、全混合物を振盪
して、相分離を行なう。水相をCHCl(3×30
ml)で抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥し(Na
SO)、蒸発させる。0.1M TBCで抽出した
後(8×20ml)、NaSOで乾燥し、蒸発させ
た後、クロマトグラフィ(カラム:10×5cm、溶媒
CHCl/EtN,98:2,次いでCHCl
/MeOH/EtN(88:10:2))処理を行
なうと、標記化合物(63)(320mg、86%)が無色
気泡生成物として得られる。 H−NMR([D]DMSO):δ=1.15
(m,5 CH),2.36〜2.37(m,H−C
(2′)),2.76(m,CH),2.98(m,3
CH),3.20(m,H−C(5′)),3.7
5(s,2 MeO),4.11(m,H−C
(4′)),4.80(m,H−C(3′)),6.4
4(dd,H−C(1′)),6.09(s,pH),
6.87〜7.39(m,芳香族H+H−C(6)),
11.79(br.,2NH)。31 P−NMR([D]DMSO):1.05(
(P,H)=587,J(P,H−C(3′))=
8.3Hz。
【0155】実施例65 7−[2−デオキシ−5−O−(4,4′−ジメトキシ
トリチル)−β−D−エリスロペントフラノシル]−5
−メチル−2−イソブチリルアミノ−3,7−ジヒドロ
−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン、
3′−トリエチルアンモニウムホスホネート(64) 1,2,4−トリアゾール(523mg、7.3ミリモ
ル)を、PCl(200μl、2.26ミリモル)お
よびN−メチルモルホリン(2.5ml)をCHCl
(14ml)に溶解したものに加える。溶液を30分
間攪拌した後、0℃まで徐々に冷却する。化合物(62)3
00mg(0.46ミリモル)(CHCl14ml
に溶解したもの)を徐々に加え、混合物を0℃で30分
間攪拌する。その後、これを1M (EtNH)HC
(30ml)に加え、全混合物を振盪して、相分離
を行なう。水相をCHCl(3×40ml)で抽出
する。合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、
濃縮する。濃縮残渣を、フラッシュクロマトグラフィ
(シリカゲル:3×7cmカラム、CHCl/Me
OH/EtN,88:10:2)処理を行なう。主要
画分を集めて蒸発させ、残渣をCHClに溶解し、
この溶液を0.1M(EtNH)HCO(5×15
ml)で洗浄する。有機相を無水NaSOで乾燥さ
せ、蒸発させる。標記化合物(64)が、無色気泡生成物
(270mg、72%)として得られる。薄層クロマト
グラフィ(シリカゲル、CHCl/MeOH/Et
N,88:10:2):R=0.5。 H−NMR([D]DMSO):δ=1.16
(m,5 CH),2.19(s,CH),2.3
0(m,H−C(2′)),2.74(m,J=6.3
Hz,CH),3.00(m,J=6.4Hz,3CH
),3.13,3.18(2m,2H−C
(5′)),3.75(s,2CHO),4.01
(m,H−C(4′)),4.77(m,H−C
(3′)),6.43(d,J(P,H)=346H
z,PH),6.45(t,J=6.7Hz,H−C
(1′)),6.8〜7.4(m,芳香族HおよびH−
C(6)),11.67,11.69(2s,2N
H)。31 P−NMR([D]DMSO):0.94(
(P,H)=354Hz,J(P,H−C(3′))
=8.1Hz。 元素分析元素分析 C4356P(817.89)に対する計算値: C63.14, H6.90, N8.56; 実測値: C63.06, H6.88,
N8.51。
【0156】実施例66 2−アミノ−7−(2−デオキシ−β−D−エリスロペ
ントフラノシル)−5−(1−ヘキシニル)−3,7−
ジヒドロ−4H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4
−オン (65) ヨウ化銅(38.1mg、0.2ミリモル)、トリエチ
ルアミン(2.8ml、2ミリモル)テトラキス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウム(0)(40.5m
g、0.1ミリモル)および1−ヘキシン(492m
g、6ミリモル)を、化合物(58)のアルゴンを流した溶
液(390mg、1ミリモル、乾燥DMF5ml中)に
加え、溶液を室温で24時間攪拌する。次に、これを蒸
発させ、残渣をシリカゲルカラム(5×25cm)上に
置く。5%、10%、および20%MeOH/CH
で段階的溶出により、標記化合物(65)が得られる。
MeCNから再結晶を行なうと、無色固形生成物(12
0mg、35%)が得られる。 H−NMR([D]DMSO):δ=0.94
(m,CH),1.49,2.38(m,CH),
2.0(m,Hα−C(2′))、2.35(m,Hβ
−C(2′)),3.50(m,H−C(5′)),
3.76(m,H−C(4′)),4.(m,H−C
(3′)),4.88(t,5′−OH),5.18
(d,J=3.5,3′−OH),6.27(m,H−
C(1′)+NH),7.13(s,H−C
(6)),10.34(br.,NH)。 MS:m/e 346(M)。
【0157】実施例67 ホスホネート法によるオリゴデオキシリボヌクレオチド
の固相合成 オリゴデオキシリボヌクレオチド合成は、自動380B
型DNA合成装置(Applied Biosystems,バイターシュタ
ット) で、ホスホネート法によってDNAフラグメント
を3′−5′方向に合成することによって固相(CP
G:(商品名)Controlled Pore Glass)上で、1マイク
ロモルの規模で行なった。反応サイクル(脱トリチル
化、カップリング、キャッピングおよび酸化)は、ホス
ホネート化学のために開発されたプログラムに従って行
った[H. Koester, K. Kulikowsky, T. Liese, W. Heik
ens, V. Kohli, Tetrahadron, 1981, 37, 363 ]。塩基
で保護されたオリゴヌクレオチドであって、その5′−
ヒドロキシル基もDmtで保護されているものを、25
%アンモニア水溶液を用いて30分以内に支持体から開
裂した。複素環の保護基は、同じ媒質中で60℃で48
時間以内に除去した。(5′−OH保護基の早すぎる除
去を回避するため)トリエチルアミン1滴を加えて、試
料をSpeed-Vac (商品名)濃縮装置で約200μlまで
濃縮した。この状態で、これらの試料は−25℃で数か
月間保存することができる。
【0158】実施例68 ホスホルアミダイト法によるオリゴデオキシリボヌクレ
オチドの固相合成 オリゴデオキシリボヌクレオチド合成は、自動380B
型DNA合成装置(Applied Biosystems,バイターシュタ
ット) で、最初のヌクレオシド単位がその3′末端を介
して結合するCPG(商品名)(Controlled Pore Glas
s) またはFractosil(商品名)を用いて、固
相ホスホルアミダイト法によって1マイクロモルの規模
で行なった。下記の段階を行なった。 1. 無水アセトニトリルでの洗浄、 2. ジクロロメタン中3%トリクロロ酢酸による処
理、 3. 無水アセトニトリルでの洗浄、 4. 無水アセトニトリル0.3ml中での5′−O−
ジメトキシトリチルヌクレオシド−3′−β−シアノエ
チル=ホスファイト−ジイソプロピルアミダイト10マ
イクロモルおよびテトラゾール50マイクロモルとの縮
合、 5. アセトニトリルでの洗浄、 6. 40%ルチジンおよび10%ジメチルアミノピリ
ジンを含むTHF中での20%無水酢酸によるキャッピ
ング、 7. アセトニトリルでの洗浄、 8. ヨウ素(1.3g、THF/水/ピリジン,7
0:20:5=v:v:v)による酸化。 下記のDNA反応サイクルと呼ばれる段階1〜8を繰り
返し、それぞれの場合に段階4で用いられる配列に相当
する5′−O−ジメトキシトリチル(ヌクレオチド塩
基)−3′−β−シアノエチルホスファイト−ジイソプ
ロピルアミダイトを用いて、合成される配列によってオ
リゴヌクレオチドを構築した。合成が完了したならば、
実施例67に記載したのと同様にして処理を行なう。
【0159】実施例69 トリチル−保護されたおよび脱保護されたオリゴヌクレ
オチドのHPLC精製 第一の精製段階では、DMTで保護したオリゴマーをR
P−18シリカゲル上でHPLC(溶離剤系I、下記を
参照)によって精製し、蒸発乾固し、乾燥メタノールで
数回蒸発を繰り返した後、氷冷しながら、80%強度の
酢酸に10分間暴露することによって脱トリチル化し
た。その後、0℃でトリチルエチルアミン(1〜2m
l)を滴加して、酸を中和し、ほぼ濃縮乾固した後、無
水メタノールで更に2回蒸発を繰り返した。残渣を、2
回蒸留した水500μlに吸収させた後、完全に脱保護
したオリゴヌクレオチドを、RP−18シリカゲル(溶
離剤系II、下記を参照)上でHPLCによって再度精
製した。合わせた主要画分を蒸発させ、残渣を2回蒸留
した水500μlに溶解し、この溶液をショートRP−
18カラム(溶離剤系III、下記を参照)を通して脱
塩した。Speed-Vac 濃縮装置で凍結乾燥した後、オリゴ
ヌクレオチドを二回蒸留した水100μlに吸収させ、
この溶液を−25℃で保存した。
【0160】下記のHPLC溶離剤を用いた。 A: 0.1M酢酸トリチルエチルアンモニウム、pH
7.0/5%強度アセトニトリル、 B: 2回蒸留水、 C: アセトニトリル、 D: メタノール/水、3:2。 上記溶離剤からなる下記のグラディエント系を用いた。 I: 3分、15%C/A;7分、15〜40%C/
A;5分、40%C/A、5分、40〜15%C/A。 II: 20分、0〜20%C/A、5分、20%C/
A。 III:100%A。 IV: 30分、B;10分、D。 V: 12分、100%A;8分、0〜40%C/
A;5分、40〜0%C/A。
【0161】オリゴマーは、下記の保持時間で観察され
た。 合成したオリゴヌクレオチドのHPLC保持時間 オリゴマー(5′→3′方向) 保持時間(分) トリチルあり トリチルなし d(A12) 11.6 15.5 d(T12) 11.5 13.7 d(c11A) 12.3 15.3 d(Br11A) 12.7 19.1 d(Me11A) 12.2 18.1 d(A−T) 13.5 20.1 d(cA−T) 13.6 20.5 d(ClA−T) 12.8 19.9 d(BrA−T) 12.3 17.8d(MeA−T) 12.6 17.9
【0162】実施例70 酵素加水分解によるオリゴデオキシリボヌクレオチドの
特性決定 オリゴヌクレオチド(それぞれの場合に0.5A260
位)を0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH=8.3、
200μl)に溶解し、ヘビ毒ホスホジエステラーゼ
(3μg)と共に37℃で45分間インキュベーション
する。次に、アルカリホスファターゼ(3μg)を加
え、温度を37℃に更に30分間保持する。精製するヌ
クレオシド混合物を、逆相HPLC(溶離剤系V)を用
いてUV分光光度法によって分析する。相当するオリゴ
ヌクレオチドのヌクレオシド組成をピーク面積および2
60nmにおけるヌクレオシドの消光係数(dA:15
400,dC:7300,dG:11700,dT:8
800,BrdcA:5300,MedcA:49
00,CldcA:6300)に基づいて定量するこ
とができる。
【0163】実施例71 オリゴヌクレオチドの酵素加水分解による開裂の淡色性
遷移の測定 オリゴヌクレオチドの0.2A260 単位を、0.1Mト
リス−HCl緩衝液(pH=8.3、200μl)中で
ヘビ毒ホスホジエステラーゼで加水分解する。開裂の前
および後の260nmにおけるUV吸収から、下記の式
に従って、酵素吸収を考慮して、%での淡色性遷移を計
算することができる。 H酵素=[(εモノマー−εポリマー)×
(εモノマー-1]×100%
【0164】実施例72値のUV分光光度法およびCD分光光度法による測
定および熱力学的データーの計算 オリゴヌクレオチドのT値は、Cary1型UV−可
視分光光度計(Varian、メルボルン、オーストラリア)
を用いて測定した。温度は、毎分0.5℃または1.0
℃ずつ直線的に変化させた。溶融温度を検討するため、
60mMカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.5、1
M NaCl、100mM MgCl)1ml中で
0.2および0.8A260 単位のオリゴマー濃度を用い
た。非自己相補性オリゴヌクレオチドについての実験で
は、一本鎖濃度は0.2〜0.6ODであった。%で現
した溶融染色性遷移は、下記の式に従って、溶融前およ
び後の吸収の差から得られる。 Hmelt=[(A−A)A -1]×100
【0165】溶融曲線は、下記の式に従って二状態モデ
ル(「重なり/非重なり(stacked/untacked)」)に基づ
いたプログラムを用いて分析した。 lnK=ln[(E−E)/(E−E)]=S/R
−H/RT (式中、E=相当する波長における吸収、S=重なり、
およびU=非重なりである。)温度依存性のCDスペク
トルを、温度制御のされた石英製セルを有するJasco 60
0 分光旋光計を用いて、200〜350nmの波長範囲
でプロットした。温度は、60mM カコジル酸ナトリ
ウム緩衝液および0.1M、1および4MNaCl中3
〜15μMの濃度で5〜80℃の範囲で5〜10℃の間
隔で増加させた。
【0166】実施例73 オリゴヌクレオチドのTオリゴマー Tm[℃] d(A12)×d(T12) 44 d(C11A)×d(T12) 30 d(Br11A)×d(T12) 53 d(Me11A)×d(T12) 48 [d(A−T) 33 [d(cA−T) 36 [d(BrA−T) 55 [d(ClA−T) 59 [d(MeA−T) 41 [d(ヘキシニルA−T) 50 [d(IA−T) 60 [d(G−C) 60 [d(cG−C) 53 [d(MeG−C) 58 [d(I G−C) 70 : 60mMカコジル酸ナトリウム、100mM M
gCl、pH7.1を含む1M NaC中で測定。 : オリゴマー濃度:7.5μM一本鎖。 : オリゴマー濃度:15μM一本鎖。 : オリゴマー濃度:10μM一本鎖。
【0167】実施例74 EcoRIエンドデオキシリボヌクレアーゼによる自己
相補性オリゴヌクレオチドのホスホジエステル加水分解 適当なオリゴヌクレオチドの0.5A260 単位を、(5
0μMトリス−HCl緩衝液、pH7.5、100mM
NaCl、10mM 塩化マグネシウム、および1m
Mジチオエリスロースからなる)緩衝液100μlに溶
解させ、EcoRIエンドデオキシリボヌクレアーゼ
(高濃度、5μl=250単位)をこの溶液に加える。
次に、混合物を37℃でインキュベーションし、それぞ
れの場合に10μlの容積の試料を30分間隔で採取
し、逆相HPLC(溶離剤系II)によって分析した。
【0168】実施例75 ヌクレアーゼの安定性の試験 検討を行なうオリゴヌクレオチド10ナノモルを、RP
MI媒質中20%強度のウシ胎児血清450μlおよび
2回蒸留水に溶解し、この溶液を3℃でインキュベーシ
ョンする。次に、ゲル電気泳動の10μl試料またはH
PLC用の20μl試料を、直後、および1、2、4、
7および24時間後に採取し、ホルムアミド5μlまた
は10μlを加え、95℃で5分間加熱することによっ
て、反応を停止する。ゲル電気泳動のために、試料を1
5%ポリアクリルアミドゲル(2%BIS)上に置き、
これを約3000ボルト時で展開する。バンドを銀染色
によって可視化する。HPLC分析のため、試料をGen-
Pak fax HPLCカラム(Waters/Millipore) に注入
し、5〜50%緩衝液A/B(緩衝液A:アセトニトリ
ル/水、1:4(v:v)pH6.8中10mMリン酸
二水素ナトリウム、0.1M NaCl;緩衝液B:
1.5M NaClを含むこと以外はAと同じ)を用い
て1ml/分でクロマトグラフィを行なう。
【0169】実施例76 抗ウイルス活性の試験 ヒトに対する病原性を有する各種ヘルペスウイルスに対
する試験物質の抗ウイルス活性を、細胞培養試験系で検
討する。実験のため、血清を含むダルベッコのMEM
(5%ウシ胎児血清、FCS)中サル腎細胞(Vero、2
×10/ml)を96穴マイクロタイタープレートに
播種し、5%CO中で37℃で24時間インキュベー
ションする。次いで、血清を含む培地を吸引除去し、細
胞を無細胞ダルベッコMEM(−FCS)で2回洗浄す
る。試験物質は、予めHOで希釈して600μMの濃
度として、−18℃で保存する。ダルベッコの最小必須
培地(MEM)でのそれ以上の希釈段階を行なって試験
する。個々の試験物質の希釈物をそれぞれ100μl
を、無血清ダルベッコMEM(−FCS)100μlと
共に洗浄した細胞に加える。5%COにおいて、37
℃で3時間インキュベーションした後、細胞を、セルロ
ーン(cell lawn) が3日以内に完全に破壊される濃度の
単純ヘルペス1型(ATCC VR733、HSV−1
F株)または単純ヘルペス2型(ATCC VR73
4、HSV−2 G株)に感染させる。HSV−1の場
合には、感染強度はウェル当たり500プラーク形成単
位(PFU)であり、HSV−2の場合には、350P
FU/ウェルである。このとき、実験混合物は、100
U/mlのペニシリンGおよび100mg/mlのスト
レプトマイシンを補充したMEM中に80μM〜0.0
4μMの濃度で試験物質を含んでいる。総ての実験はコ
ントロール以外は2回ずつ測定を行ない、コントロール
はプレート当たり8回行なった。実験混合物を、5%C
中で37℃で17時間インキュベーションする。試
験物質の細胞毒性を、20時間の総インキュベーション
時間の後に細胞培養物の顕微鏡評価によって測定する。
特定の実験条件下で顕微鏡的に認められる細胞の損傷を
全く引き起こさない最高の製剤濃度を、最大許容投与量
(MTD)と呼ぶ。次に、FCSを4%の最終濃度に加
え、プレートを5%COにおいて37℃で更に55時
間インキュベーションする。未処理感染コントロール
は、完全に展開した細胞障害作用(CPE)を示す。細
胞培養物を顕微鏡的に評価した後、フィンターのウイル
ス染色法(1966年)を用いて中性レッドで染色す
る。試験物質の抗ウイルス活性は、ウイルスの細胞障害
作用から細胞の30〜60%を保護するのに要する最小
阻止濃度(MIC)として定義される。
【0170】本明細書においては以下の略号が用いられ
る。 略号 Bz ベンゾイル br. ブロードな CD 円偏光二色性 d 二重線 TLC 薄層クロマトグラフィ dG 2′−デオキシグアノシン dA 2′−デオキシアデノシン dC 2′−デオキシシチジン dT 2′−デオキシチミジン (D)DMSO ジメチルスルホキシド、重水素化、6倍 DMF ジメチルホルムアミド DNA デオキシリボ核酸 Dmt 4,4′−ジメトキシトリチル (4,4′−ジメトキ シトリフェニルメチル) EDTA エチレンジアミン四酢酸 EtOAc 酢酸エチル EtN トリエチルアミン FC フラッシュクロマトグラフィ G 自由エンタルピー h 時 H 二本鎖形成のエンタルピー HPLC 高圧液体クロマトグラフィ Hyp. 淡色性遷移 ibu イソブチリル J カップリング定数 K ミカエリス−メンテン定数 NMR 核磁気共鳴 PAGE ポリアクリルアミドゲル電気泳動 PCR ポリメラーゼ連鎖反応 ppm 百万分率 2−PrOH イソプロパノール R 溶離剤の先端に対するTLCにおける保持 RNA リボ核酸 RP 逆相 s 一重線 S 二本鎖形成のエントロピー M.p. 融点 SVPD 蛇毒ホスホジエステラーゼ t 三重線 TBC 重炭酸トリエチルアンモニウム T オリゴマー融解温度 UV 紫外 Vmax 最大反応速度 cA 7−デアザアデノシン BrA 7−ブロモ−7−デアザアデノシン ClA 7−クロロ−7−デアザアデノシン IA 7−ヨード−7−デアザアデノシン MeA 7−メチル−7−デアザアデノシン cG 7−デアザグアノシン IG 7−ヨード−7−デアザグアノシン Me 7−メチル−7−デアザグアノシン λ 波長 ε 分子吸光係数

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式Iを有するオリゴヌクレオチド、お
    よび生理学的に許容可能なその塩。 【化1】 [式中、 Bは、それぞれ独立して、ヌクレオチド化学で普通に用
    いられる塩基であり、少なくとも1個のBは下記式IIの
    塩基であり、 【化2】 (式中、 R15およびR16は、それぞれ独立して、 1. 水素、 2. ハロゲン、 3. (C〜C10)−アルキル、 4. (C〜C10)−アルケニル、 5. (C〜C10)−アルキニル、 6. NO、 7. NH、 8. シアノ、 9. −S−(C〜C)−アルキル、 10. (C〜C)−アルコキシ、 11. (C〜C20)−アリールオキシ、 12. SiH14. 3.、4.または5.に記載の基であって、S
    H、S−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−
    アルコキシ、OH、−NR(c)R(d)、−CO−R
    (b)、−NH−CO−NR(c)R(d)、−NR
    (c)R(g)、−NR(e)R(f)または−NR
    (e)R(g)の群からの1個以上の基によって、また
    は式 −[O−(CH−NR(c)R(d) のポリアルキレングリコール基によって置換されている
    ものであり、但し、rおよびsは、それぞれ独立して、
    1〜18、好ましくは1〜6の整数であり、OH、S
    H、−CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R
    (d)、−NR(c)R(d)、−NR(e)R
    (f)、−NR(e)R(g)または−NR(c)R
    (g)のような官能基は更に、適宜もう一つのリンカー
    を介して、細胞内取り込みに好都合でありまたはDNA
    またはRNAプローブの標識に利用できる、またはオリ
    ゴヌクレオチド類似体が標的核酸にハイブリダイゼーシ
    ョンするときには、結合、架橋または開裂と同時に後者
    の核酸を攻撃する1個以上の基に結合することができ、
    または15. 3.、4.または5.に定義されている
    基であって、1個以上のH原子がハロゲン、好ましくは
    フッ素によって置換されているものであり、 R(a)は、OH、(C〜C)−アルコキシ、(C
    〜C20)−アリールオキシ、NHまたはNH−Tで
    あり、Tは、適宜もう一つのリンカーを介して、細胞内
    取り込みに好都合でありまたはDNAまたはRNAプロ
    ーブの標識に利用できる、またはオリゴヌクレオチド類
    似体が標的核酸にハイブリダイゼーションするときに
    は、結合、架橋または開裂と同時に後者の核酸を攻撃す
    る1個以上の基に結合しているアルキルカルボキシル基
    またはアルキルアミノ基であり、 R(b)は、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキ
    シ、または−NR(c)R(d)であり、R(c)およ
    びR(d)は、それぞれ独立して、Hであるか、または
    −NR(e)R(f)または−NR(e)R(g)によ
    って置換されていないまたは置換されている(C〜C
    )−アルキルであり、 R(e)およびR(f)は、それぞれ独立して、Hまた
    は(C〜C)−アルキルであり、 R(g)は、(C〜C)−アルキル−COOHであ
    り、但し、R15およびR16は、それぞれ同時に水素、N
    、NH、シアノまたはSiHとなることはでき
    ず、 EおよびFは、それぞれ独立して、H、OHまたはNH
    であり、 Rは、水素、C〜C18−アルキル、C〜C18−ア
    ルケニル、C〜C18−アルキニル、C〜C18−アル
    キルカルボニル、C〜C19−アルケニルカルボニル、
    〜C19−アルキニルカルボニル、(C〜C14)−
    アリール−(C〜C)−アルキル、ヌクレオチド化
    学で普通に用いられる保護基、または下記式IIIaの基で
    あり、 1aは、水素、C〜C−アルキル、C〜C18−ア
    ルケニル、C〜C18−アルキニル、C〜C18−アル
    キルカルボニル、C〜C19−アルケニルカルボニル、
    〜C19−アルキニルカルボニル、(C〜C14)−
    アリール−(C〜C)−アルキル、または下記式II
    Ibの基であり、 は、水素、ヒドロキシル、C〜C18−アルコキ
    シ、C〜C−アルケニルオキシ、特にアリルオキ
    シ、ハロゲン、アジドまたはNHであり、 aは、オキシ、スルファンジイルまたはメチレンであ
    り、 nは、≧1の整数であり、 Wは、オキソ、チオキソまたはセレンオキソであり、 Vは、オキシ、スルファンジイルまたはイミノであり、 Yは、オキシ、スルファンジイル、イミノまたはメチレ
    ンであり、 Y′はオキシ、スルファンジイル、イミノ、(CH
    またはV(CHm′であり、但し、mは1〜18
    の整数であり、 Xはヒドロキシルまたはメルカプトであり、 Uは、ヒドロキシル、メルカプト、SeH、C〜C18
    −アルコキシ、C〜C18−アルキル、C〜C20−ア
    リール、(C〜C14)−アリール−(C〜C)−
    アルキル、NHR、NR、または下記式IVの基
    であり、 (OCHCHO(CHCH (IV) 但し、 Rは、C〜C18−アルキル、C〜C20−アリー
    ル、(C〜C14)−アリール−(C〜C)−アル
    キル、2−(CH−[NH(CH−N
    であり、式中、cは2〜6の整数であり、dは
    0〜6の整数であり、Rは、それぞれ独立して、水
    素、またはC〜C−アルキル、またはC〜C
    ルコキシ−C〜C−アルキルであり、 Rは、C〜C18−アルキル、C〜C20−アリー
    ル、(C〜C10)−アリール−(C〜C)−アル
    キルであるか、またはNRの場合には、Rおよ
    びそれらが結合している窒素原子と一緒になって、O、
    SおよびNの群からのヘテロ原子を更に含むことができ
    る5〜6員の複素環となり、 pは、1〜100の整数であり、 qは、0〜22の整数であり、 Rは、水素であるか、または例えばヒドロキシル、ア
    ミノ、C〜C18−アルキルアミノ、COOH、CON
    、COO(C〜C)−アルキルまたはハロゲン
    などの官能基であり、 ZおよびZ′は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、メ
    ルカプト、SeH、C〜C22−アルコキシ、−O−
    (CH−NR(但し、bは1〜6の整数で
    あり、RはC〜C−アルキルであるか、またはR
    およびRがそれらが結合している窒素原子と一緒に
    なって、3〜6員環を形成する)、C〜C18−アルキ
    ル、C〜C20−アリール、(C〜C14)−アリール
    −(C〜C)−アルキル、(C〜C14)−アリー
    ル−(C〜C)−アルコキシ(但し、アリールはヘ
    テロアリールでもあり、かつアリールは場合によって
    は、カルボキシル、アミノ、ニトロ、C〜C−アル
    キルアミノ、C〜C−アルコキシ、ヒドロキシル、
    ハロゲン、およびシアノの群からの1、2または3個の
    同一であるかまたは異なる基によって置換されてい
    る)、C〜C18アルキルメルカプト、NHR、NR
    、式IVの基、または細胞内取り込みに好都合であ
    りまたはDNAまたはRNAプローブの標識に利用でき
    る、またはオリゴヌクレオチド類似体が標的核酸にハイ
    ブリダイゼーションするときには、結合、架橋または開
    裂と同時に後者の核酸を攻撃する基である)、、かつ曲
    線状の括弧は、Rおよび隣接するホスホリルまたは−
    Y′−R1a基が2′および3′位、または逆に3′およ
    び2′位のいずれにも位置することができることを示
    す。]
  2. 【請求項2】R15が、1. NO、 2. NH、 3. −S−(C〜C)−アルキル、 4. (C〜C)−アルコキシ、 5. (C〜C20)−アリールオキシ、 6. SiH8. (C〜C10)−アルキル、(C〜C10)−ア
    ルケニル、または(C〜C10)−アルキニルであっ
    て、SH、S−(C〜C)−アルキル、(C〜C
    )−アルコキシ、OH、−NR(c)R(d)、−C
    O−R(b)、−NH−CO−NR(c)R(d)、−
    NR(c)R(g)、−NR(e)R(f)、または−
    NR(e)R(g)の群からの1以上の基によって、ま
    たは式−[O−(CH−NR(c)R(d)
    のポリアルキレングリコール基によって置換されている
    ものであり、但し、rおよびsは、それぞれ独立して、
    1〜18、好ましくは1〜6の整数であり、OH、S
    H、−CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R
    (d)、−NR(c)R(d)、−NR(e)R
    (f)、−NR(e)R(g)または−NR(c)R
    (g)のような官能基は更に、適宜もう一つのリンカー
    を介して、細胞内取り込みに好都合でありまたはDNA
    またはRNAプローブの標識に利用できる、またはオリ
    ゴヌクレオチド類似体が標的核酸にハイブリダイゼーシ
    ョンするときには、結合、架橋または開裂と同時に後者
    の核酸を攻撃する1個以上の基に結合することができ、
    または 9. (C〜C10)−アルキル、(C〜C10)−ア
    ルケニル、または(C〜C10)−アルキニルであっ
    て、1個以上のH原子がハロゲン、好ましくはフッ素に
    よって置換されているものであり、 R16が、水素である、請求項1に記載のオリゴヌクレオ
    チド。
  3. 【請求項3】塩基Bがβ位に位置し、ヌクレオチドがD
    配置で存在し、Rが2′位に位置し、aが酸素であ
    り、nが2〜99の整数である、請求項1または2に記
    載のオリゴヌクレオチド。
  4. 【請求項4】Rが、水素、C〜C−アルキル、特
    にメチル、または式IIIaの基であり、 R1aが、水素、C〜C−アルキル、特にメチル、ま
    たは式IIIbの基であり、 Rが、水素、C〜C−アルコキシ、C〜C
    アルケニルオキシ、特にアリルオキシ、またはヒドロキ
    シルであり、特に水素であり、 nが、4〜39、特に5〜29の整数であり、 mが、1〜6の整数、特に1であり、 Uが、ヒドロキシル、メルカプト、C〜C−アルコ
    キシ、C〜C−アルキル、NRまたはNHR
    、特にヒドロキシルまたはC〜C−アルキルであ
    り、但し、Rは、C〜C−アルキル、好ましくは
    〜C−アルキルであるか、またはメトキシエチル
    であり、 B、W、V、Y、Y′、XおよびZは、請求項1に記載
    した意味を表わす、請求項1〜3のいずれか一項に記載
    のオリゴヌクレオチド。
  5. 【請求項5】V、YおよびY′の意味が、オキシ、スル
    ファンジイルまたはイミノであり、Wの意味がオキソま
    たはチオキソである、請求項1〜4のいずれか一項に記
    載のオリゴヌクレオチド。
  6. 【請求項6】Uの意味が、ヒドロキシル、メチルまたは
    メルカプトである、請求項1〜5のいずれか一項に記載
    のオリゴヌクレオチド。
  7. 【請求項7】Rおよび/またはR1aが、水素である、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチ
    ド。
  8. 【請求項8】それぞれの場合に1個のヌクレオチド塩基
    を有するヌクレオチドを適当に誘導体形成した支持体ま
    たは伸長しているオリゴマー鎖に連続的に縮合させるこ
    とを含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の
    式Iを有するオリゴヌクレオチドおよび生理学的に許容
    可能なその塩の製造法。
  9. 【請求項9】医薬または診断試薬を製造するための、請
    求項1〜7のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド
    の使用。
  10. 【請求項10】少なくとも1個の請求項1〜7のいずれ
    か一項に記載のオリゴヌクレオチドを生理学的に許容可
    能な賦形剤、および適宜好適な添加剤および/または補
    助物質と混合する、医薬または診断試薬の製造法。
  11. 【請求項11】請求項1〜7のいずれか1項に記載の化
    合物を1種類以上を、適宜生理学的に許容可能な賦形剤
    および/または補助物質と一緒に含む、医薬または診断
    試薬。
  12. 【請求項12】下記式Vを有するヌクレオチドモノマ
    ー。 【化3】 [式中、 Vは、オキシ、スルファンジイル、またはイミノであ
    り、 Yは、オキシ、スルファンジイル、またはメチレンで
    あり、 aは、オキシ、スルファンジイル、またはメチレンであ
    り、 R2bは、水素、OR12、C〜C18−アルコキシ、C
    〜C−アルケニルオキシ、特にアリルオキシ、ハロゲ
    ン、アジド、またはNR1011であり、 Rは、ヌクレオチド化学で普通に用いられる保護基で
    あり、 R1bは、アミドまたはメチルイミド結合によってアミノ
    官能化したまたはメチルアミノ官能化した支持体に結合
    しているスクシニル基であるか、または下記式IIIcまた
    はIIIdの基であり、 (式中、 Uは、(C〜C18)−アルコキシ、(C〜C18)−
    アルキル、(C〜C20)−アリール、(C〜C14
    −アリール−(C〜C)−アルキル、O−R、S
    −R、または下記式IVの基であり、 (OCHCHO(CHCH (IV) 但し、Rは、水素であり、 Qは、基−NRであり、 Rは、−(CH−CNであり、 RおよびRは、同一であるかまたは異なるものであ
    り、C〜C−アルキル、特にイソプロピルまたはエ
    チルであるか、またはそれらが結合している窒素原子と
    一緒になって、O、SおよびNの群からの別のヘテロ原
    子を更に含むことができる5〜9員の複素環、特に下記
    式: 【化4】 である)、 E′およびF′は、それぞれ独立して、H、OR12、ま
    たはNR1011であり、 R10およびR11は、同一であ
    るかまたは異なるものであり、水素またはヌクレオチド
    化学で普通に用いられるアミノ保護基であるか、または
    10およびR11が一緒になって、ヌクレオチド化学で普
    通に用いられるアミノ保護基を形成し、 R12は、水素であるか、またはヌクレオチド化学で普通
    に用いられるヒドロキシル保護基、例えばt−ブチルジ
    メチル−シリル、トリイソプロピル−シリル、o−ニト
    ロ−ベンジル、p−ニトロ−ベンジル、または2−フル
    オロフェニル−4−メトキシピペリジン−4−イル(F
    PMP)であり、 R15およびR16は、それぞれ独立して、 1. 水素、 2. ハロゲン、 3. (C〜C10)−アルキル、 4. (C〜C10)−アルケニル、 5. (C〜C10)−アルキニル、 6. NO、 7. NH、 8. シアノ、 9. −S−(C〜C)−アルキル、 10. (C〜C)−アルコキシ、 11. (C〜C20)−アリールオキシ、 12. SiH14. 3.、4.または5.に記載の基であって、S
    H、S−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−
    アルコキシ、OH、−NR(c)R(d)、−CO−R
    (b)、−NH−CO−NR(c)R(d)、−NR
    (c)R(g)、−NR(e)R(f)または−NR
    (e)R(g)の群からの1個以上の基によって、また
    は式 −[O−(CH−NR(c)R(d) のポリアルキレングリコール基によって置換されている
    ものであり、但し、rおよびsは、それぞれ独立して、
    1〜18、好ましくは1〜6の整数であり、OH、S
    H、−CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R
    (d)、−NR(c)R(d)、−NR(e)R
    (f)、−NR(e)R(g)または−NR(c)R
    (g)のような官能基は、適宜もう一つのリンカーを介
    して、細胞内取り込みに好都合でありまたはDNAまた
    はRNAプローブの標識に利用できる、またはオリゴヌ
    クレオチド類似体が標的核酸にハイブリダイゼーション
    するときには、結合、架橋または開裂と同時に後者の核
    酸を攻撃する1個以上の基に結合することができ、また
    は 15. 3.、4.または5.に定義されている基であ
    って、1個以上のH原子がハロゲン、好ましくはフッ素
    によって置換されているものであり、 R(a)は、OH、(C〜C)−アルコキシ、(C
    〜C20)−アリールオキシ、NHまたはNH−Tで
    あり、Tは、場合によってはもう一つのリンカーを介し
    て、細胞内取り込みに好都合でありまたはDNAまたは
    RNAプローブの標識に利用できる、またはオリゴヌク
    レオチド類似体が標的核酸にハイブリダイゼーションす
    るときには、結合、架橋または開裂と同時に後者の核酸
    を攻撃する1個以上の基に結合しているアルキルカルボ
    キシル基またはアルキルアミノ基であり、 R(b)は、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキ
    シ、または−NR(c)R(d)であり、 R(c)およびR(d)は、それぞれ独立して、Hであ
    るか、または−NR(e)R(f)または−NR(e)
    R(g)によって置換されていないまたは置換されてい
    る(C〜C)−アルキルであり、 R(e)およびR(f)は、それぞれ独立して、Hまた
    は(C〜C)−アルキルであり、 R(g)は、(C〜C)−アルキル−COOHであ
    り、但し、R15およびR16は、それぞれ同時に水素、N
    、NH、シアノまたはSiHとなることはでき
    ず、 OH、NHまたはCOOHのような官能基は、適宜ヌ
    クレオチド化学で普通に用いられる保護基で保護されて
    おり、かつ曲線状の括弧はR2bおよび隣接の−Y−R
    1b基が2′および3′位に位置することができ、または
    逆に3′および2′位に位置することができることを示
    す。]
  13. 【請求項13】R15が 1. NO、 2. NH、 3. −S−(C〜C)−アルキル、 4. (C〜C)−アルコキシ、 5. (C〜C20)−アリールオキシ、 6. SiH8. (C〜C10)−アルキル、(C〜C10)−ア
    ルケニル、または(C〜C10)−アルキニルであっ
    て、群SH、S−(C〜C)−アルキル、(C
    )−アルコキシ、OH、−NR(c)R(d)、−
    CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R(d)、
    −NR(c)R(g)、−NR(e)R(f)、または
    −NR(e)R(g)からの1個以上の基によって、ま
    たは式−[O−(CH−NR(c)R(d)
    (式中、rおよびsは、それぞれ独立して、1〜18、
    好ましくは1〜6の整数である)のポリアルキレングリ
    コール基によって置換されているものであり、OH、S
    H、−CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R
    (d)、−NR(c)R(d)、−NR(e)R
    (f)、−NR(e)R(g)または−NR(c)R
    (g)のような官能基は更に、適宜もう一つのリンカー
    を介して、細胞内取り込みに好都合でありまたはDNA
    またはRNAプローブの標識に利用できる、またはオリ
    ゴヌクレオチド類似体が標的核酸にハイブリダイゼーシ
    ョンするときには、結合、架橋または開裂と同時に後者
    の核酸を攻撃する1個以上の基に結合することができ、
    または 9. (C〜C10)−アルキル、(C〜C10)−ア
    ルケニル、または(C〜C10)−アルキニルであっ
    て、1個以上のH原子がハロゲン、好ましくはフッ素に
    よって置換されているものであり、 R16が水素である、請求項12に記載の式Vを有するヌ
    クレオチドモノマー。
  14. 【請求項14】式Vの対応するヌクレオシドモノマー
    を、好適なアミノ保護基またはヒドロキシル保護基を挿
    入した後、対応するホスホネート誘導体またはホスホル
    アミダイト誘導体に転換する、請求項12または13に
    記載の式Vのヌクレオチドモノマーの製造法。
  15. 【請求項15】標的核酸と一緒に安定なハイブリダイゼ
    ーション複合体を形成するオリゴヌクレオチドを製造す
    るための請求項12または13に記載のヌクレオチドモ
    ノマーの使用。
  16. 【請求項16】下記式VIを有する化合物。 【化5】 (式中、それぞれ独立して、 U′=U″=U″′は、ヒドロキシルまたはメルカプト
    であり、 eおよびfは、0または1であり、 R13は、水素、OH、C〜C18−アルコキシ、または
    〜C−アルケニルオキシ、特にアリルオキシであ
    り、 EおよびFは、それぞれ独立して、H、OH、またはN
    であり、 R15およびR16は、それぞれ独立して、 1. 水素、 2. ハロゲン、 3. (C〜C10)−アルキル、 4. (C〜C10)−アルケニル、 5. (C〜C10)−アルキニル、 6. NO、 7. NH、 8. シアノ、 9. −S−(C〜C)−アルキル、 10. (C〜C)−アルコキシ、 11. (C〜C20)−アリールオキシ、 12. SiH14. 3.、4.または5.に記載の基であって、S
    H、S−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−
    アルコキシ、OH、−NR(c)R(d)、−CO−R
    (b)、−NH−CO−NR(c)R(d)、−NR
    (c)R(g)、−NR(e)R(f)または−NR
    (e)R(g)の群からの1個以上の基によって、また
    は式 −[O−(CH−NR(c)R(d) のポリアルキレングリコール基によって置換されている
    ものであり、但し、rおよびsは、それぞれ独立して、
    1〜18、好ましくは1〜6の整数であり、OH、S
    H、−CO−R(b)、−NH−CO−NR(c)R
    (d)、−NR(c)R(d)、−NR(e)R
    (f)、−NR(e)R(g)または−NR(c)R
    (g)のような官能基は更に、適宜もう一つのリンカー
    を介して、細胞内取り込みに好都合でありまたはDNA
    またはRNAプローブの標識に利用できる、またはオリ
    ゴヌクレオチド類似体が標的核酸にハイブリダイゼーシ
    ョンするときには、結合、架橋または開裂と同時に後者
    の核酸を攻撃する1個以上の基に結合することができ、 15. 3.、4.または5.に定義されている基であ
    って、1個以上のH原子がハロゲン、好ましくはフッ素
    によって置換されているものであり、 R(a)は、OH、(C〜C)−アルコキシ、(C
    〜C20)−アリールオキシ、NHまたはNH−Tで
    あり、Tは、適宜もう一つのリンカーを介して、細胞内
    取り込みに好都合でありまたはDNAまたはRNAプロ
    ーブの標識に利用できる、またはオリゴヌクレオチド類
    似体が標的核酸にハイブリダイゼーションするときに
    は、結合、架橋または開裂と同時に後者の核酸を攻撃す
    る1個以上の基に結合しているアルキルカルボキシル基
    またはアルキルアミノ基であり、 R(b)は、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキ
    シ、または−NR(c)R(d)であり、 R(c)およびR(d)は、それぞれ独立して、Hであ
    るか、または−NR(e)R(f)または−NR(e)
    R(g)によって置換されていないまたは置換されてい
    る(C〜C)−アルキルであり、 R(e)およびR(f)は、それぞれ独立して、Hまた
    は(C〜C)−アルキルであり、 R(g)は、(C〜C)−アルキル−COOHであ
    り、但し、R15およびR16は、それぞれ同時に水素、N
    、NH、シアノまたはSiHとなることはでき
    ず、 式VIの化合物において、R16がHであり、かつR15が−
    NR(c)R(d)または−NR(e)R(f)によっ
    て置換されている(C〜C10)−アルキニルであるも
    のは除き、かつEがOHまたはNHであり、FがOH
    であり、R16が水素であり、R15がBr、Cl、シア
    ノ、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アル
    ケニル、または(C〜C)−アルキニルであるとき
    には、eおよびfは0ではない。)
  17. 【請求項17】請求項16に記載の式VIのヌクレオチド
    モノマーの、分子生物学における助剤としての使用。
  18. 【請求項18】下記式VII を有する化合物。 【化6】 (式中、 EおよびFは、それぞれ独立して、H、OHまたはNH
    であり、OHおよびNHは、ヌクレオチド化学で普
    通に用いられる保護基によって適宜保護され、 R15およびR16は、それぞれ独立して、水素、(C
    10)−アルキル、(C〜C10)−アルケニル、(C
    〜C10)−アルキニル、I、Cl、Br、F、シアノ
    であるか、または(C〜C10)−アルキル、(C
    10)−アルケニル、または(C〜C10)−アルキニ
    ルであって、1個以上のH原子がハロゲン、好ましくは
    フッ素によって置換されているものであり、 R15およびR16は、同時に水素およびシアノとなること
    はできず、かつR16が水素であり、EがNHであり、
    FがOHであるときには、R15はIではなく、 R14は、それぞれ独立して、Hであるかまたはヌクレオ
    チド化学で普通に用いられる保護基である。)
  19. 【請求項19】7位および/または8位が置換されてい
    る、7−デアザプリンヌクレオチドの、核酸の配列決定
    への使用。
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