JPH08225372A - 黒鉛発泡物質及びその製造方法 - Google Patents

黒鉛発泡物質及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、炉及び他の装置で使用する優れた
断熱能力を有する安価な物質及びその製造方法を提供す
る。 【構成】 その方法は、可撓性黒鉛箔、好ましくはリサ
イクルされた物質を粉砕して小さい粒径にし、、その粒
子に熱衝撃を与えて膨張させ、その膨張した黒鉛を熱硬
化性フェノール樹脂と混合し、、その混合物を圧力をか
けて加熱して固体シートを形成させ、続いてその固体シ
ートを熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温断熱やその他類似の
ものに利用する黒鉛発泡物質、及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】先行技術では、工業用カマや炉、真空炉
や雰囲気調節加熱装置及びその他類似品を含む高温利用
製品中で、種々の形状の黒鉛物質が断熱物質として使用
されてきた。
【0003】そのような黒鉛断熱物質の初期の物質の一
つとして粉末状カーボンブラックがあった。このカーボ
ンブラックには、適度な断熱能力が備わっていたが、取
り扱いが非常に困難であり、比較的重く、入れ替えに多
大な時間を要した。発泡や樹脂に関する化学が登場した
結果、より軽く、取り扱いも容易で、必要な断熱能力も
備えた多数のより新しい物質が開発された。その物質の
一つに炭素繊維断熱物質がある。これはフェノール性樹
脂物質により炭素繊維を媒体中に保持するように作ら
れ、板状またはブロック状に成形されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製品
として完成した低密度のブロック、板、ビレット等を使
って、切断(すなわち、例えばコルクボアまたは鋸を使
用して)して、その物質を形どったりまたは成形して所
望の形状にしたり、種々の圧力をかけて所望の密度にし
たりすることにより、より高密度の部品を製造すること
である。例えば、ダイ成形リングは、本発明を使用して
作成できる。このダイ成形リングの圧縮強さは、先行技
術のモノリシック黒鉛のあるものの圧縮強さより大きい
か又は同等である。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明は、物質の組成
物、特に、後で熱衝撃/気体膨張により膨張させる極低
温処理した黒鉛又は炭素粒子から成る物質である。膨張
させた粒子は、次にフェノール樹脂又はその他類似物と
組み合わされ、続いて高温度で圧力をかけて熱硬化さ
せ、硬化したシート及びプレートを形成させる。炭素又
は黒鉛粒子は、可撓性黒鉛箔の製造に供されてきた予め
膨張させた黒鉛から得ることができる。そのため本発明
は、他の方法では商業的な販売網に乗らない黒鉛箔のリ
サイクルを可能にする。またその物質の製造方法も記述
され、特許請求もする。
【0006】
【発明の効果】本物質は、一般的には先行技術の炭素繊
維断熱物質と同等な断熱特性及び他の物理的特性を有し
ており、しかも先行技術による物質よりも価格が安い。
【0007】本発明のもう一つの利点は、リサイクルさ
れた可撓性黒鉛物質を出発物質としていかなる障害もな
く利用できることである。そのようなリサイクルされた
可撓性黒鉛物質は、現在のところ一般的には埋め立て用
ごみとして処理されている。このため本発明は、特に環
境上好ましいものであるという長所を備えている。その
上、本物質を製造する有利な方法及び本発明に従って製
造した物質の品質は、更なる利益を提供する。
【0008】もう一つの利点は、酸化に対する重量損失
が小さいことであり、それにより次に炉を再生するまで
の期間すなわち炉の寿命を伸ばせることである。
【0009】本発明のこれらの及び他の目的は、以下に
記する図面及び明細書を参照することにより理解でき
る。しかしながら、本発明は、添付の図面に示されてい
る又は明細書中で記載されている特定の実施態様に限定
するものではなく、特許請求の範囲及びそれと同等のい
かなる箇所に記述されている装置及び方法にも適用され
ると理解するものとする。
【0010】
【実施例】本発明は、炉及び他の装置で使用される優れ
た断熱能力を有する物質及びその製造方法に関するもの
で、本発明の製造方法は、図1の流れ図に示されてい
る。出発物質としては、可撓性黒鉛ロールの製造の際の
副産物として得られるようなリサイクルされた可撓性黒
鉛が好ましい。
【0011】可撓性黒鉛物質は、虫跡形装飾黒鉛(verm
iculated graphite )とも呼ばれている。その可撓性黒
鉛物質は、典型的には黒鉛の酸処理に続く熱衝撃処理を
行なう膨張工程を経た黒鉛物質である。出発物質として
は、塊状、煉瓦状、細長い板状やその他入手できるいか
なる形状のものでも利用できる。
【0012】可撓性黒鉛は、最初に粉砕して、粒径35
〜80メッシュ、タップ密度約0.177〜0.230
g/ccの極く細かい粉末にされる。いくらか小さめ又
は大きめのメッシュも利用できるが、粒径は、指定され
たように35〜80メッシュの範囲内にあることが好ま
しい。可撓性黒鉛は、コーンミルグラインダ又はハンマ
ミルグラインダ又は本技術分野で知られた他のグライン
ダで粉砕することができる。
【0013】次の工程では、粉末にされた炭素粒子を液
体窒素の入った容器に注ぎ、容器中で液体窒素の表面下
に沈むように液体窒素を十分に吸収させる。他の極低温
の液体も同様に機能すると考えられており、本発明の範
囲に含まれるとみなせる。粒子の沈降は、本工程の対象
としては問題があるとはみなせないが、液体窒素が粒子
に十分吸収されたことを適切に示すものであり、後続の
膨張工程では重要となる。
【0014】次に、液体窒素に浸漬した炭素粒子を、炉
の温度約650゜Fで空気を流通させた炉の中の熱風バ
ーナに噴射する。その熱風バーナとして利用できるもの
の一つとして、毎時40,000BTUのプロパンヒー
タUniversal(登録商標)40,000BTU
のようなプロパンバーナがある。可能な配置の一例が図
2に示されている。そこに示されているように、熱衝撃
/気体膨張装置は、矢印Aで示される熱風の流れの方向
を有し、上部流入口24(矢印Bで示された方向に添加
される)を通して液体窒素に浸漬した粒子を受け取る受
け手段26に管路22を介して結合されたプロパンヒー
タ20から成る。受け手段26は、熱処理された粒子を
受け取る手段30と管路28を介して結合されている。
そして、その受け取る手段30は、粒子(この時は非常
に軽い)が過剰に熱風で運ばれるのを防ぐためにスクリ
ーン32を備えている。
【0015】リサイクルされた黒鉛粒子を使用する場
合、この熱処理すなわち熱衝撃/気体膨張により、粒子
は元の大きさの4〜8倍に膨張し、粒子の密度は単位立
方センチ当たり0.080〜0.030グラムの範囲に
入る。膨張した粒子は、次の工程を使わずに圧縮成形し
て所望の大きさ、形状及び密度にしてもよい。
【0016】膨張させた、すなわち熱衝撃を与えた炭素
物質は、次に樹脂、好ましくはフェノール樹脂、最も好
ましくはBorden Durite RD−2414
のようなフェノール樹脂と好ましくは炭素約60重量%
及び樹脂約40重量%の比率で混合される。他の比率を
用いてもよく、比率の選択は、本技術の普通の熟練者が
熟練度に応じて行なう。
【0017】その混合物は、次に温度350゜F及び必
要な密度に応じた圧力下で約一時間かけて熱硬化させ
る。生成物の形状は、利用目的に必要ないかなる形状及
び大きさにもできる。
【0018】熱硬化させた生成物は、次に炉の中で熱処
理される。熱処理の温度は、好ましくは約2000゜F
であるが、最終利用法に従って1000〜5000゜F
の間で変化させてもよい。
【0019】密度は、0.1g/ccより低い所からお
よその理論密度までの範囲にくるようにしてもよい。
【0020】図3は、先行技術による物質と本発明の物
質との比較を示しており、先行技術による物質は長時間
に渡って高温下にさらした時に当業者にとって不利と考
えられる実質的な重量損失が大きいことを特に示してい
る。
【0021】図4は、製造中に物質に加えられた圧力の
結果として物質の密度を図示している。
【0022】本発明の精神及び分野から乖離することな
く、本明細書中に記載されているように、本発明に対し
て種々の修飾及び変更を加えることができるということ
は、当技術の普通の熟練者には理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の工程を示す流れ図である。
【図2】 本発明の方法で使用される熱衝撃装置の概略
図面である。
【図3】 時間にわたり670℃にある本発明の物質と
比較した先行技術の硬質フェルトの酸化による重量損失
の時間変化を示すグラフである。
【図4】 本発明の物質に圧縮力を加えた結果得られる
最終到達密度を示すグラフである。
【符号の説明】
20 プロパンヒータ 22 管路 24 液体窒素浸漬粒子の流入口 26 液体窒素浸漬粒子を受け取る手段 30 熱処理粒子の受け取り手段 32 スクリーン A 熱風方向 B 液体窒素浸漬粒子の添加方向

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 可撓性黒鉛を粉砕して粉末にし、
    (b) その粉末に極低温の液体を吸収させ、(c)
    黒鉛粉末の膨張を引き起すに十分な温度まで、吸収した
    極低温の液体と共に黒鉛粉末を加熱し、(d) 膨張し
    た黒鉛を熱硬化性樹脂と混合し、(e) その黒鉛と樹
    脂の混合物を圧力をかけて加熱し、(f) 工程(e)
    の生成物を熱処理すること、から成る製法で製造された
    黒鉛物質。
  2. 【請求項2】(a) 可撓性黒鉛を粉砕して25〜80
    メッシュの範囲の粒径を有する粉末にし、(b) その
    黒鉛粉末を極低温の液体に浸漬し、(c) 浸漬した黒
    鉛粉末を温度約650゜Fまで加熱し、その黒鉛粉末を
    熱衝撃膨張させ、(d) 膨張した黒鉛を、黒鉛約60
    重量%及び樹脂約40重量%の比率で、熱硬化性樹脂と
    混合し、(e) 鋳型の中で圧力をかけて黒鉛及び樹脂
    の混合物を加熱し、シート状の黒鉛物質を形成させ、
    (f) 少なくとも2000゜Fの温度で工程(e)の
    生成物を熱処理する、の工程から成る黒鉛物質の製造方
    法。
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