JPH08225251A - ボビン及びその製造方法 - Google Patents

ボビン及びその製造方法

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JPH08225251A
JPH08225251A JP34697695A JP34697695A JPH08225251A JP H08225251 A JPH08225251 A JP H08225251A JP 34697695 A JP34697695 A JP 34697695A JP 34697695 A JP34697695 A JP 34697695A JP H08225251 A JPH08225251 A JP H08225251A
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JP
Japan
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bobbin
groove
thread
yarn
reinforcing material
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JP34697695A
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Toshiharu Yamamoto
敏治 山本
Katsu Takahashi
克 高橋
Masayuki Ohata
正之 大畑
Keisuke Takayama
計介 高山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の紙製のボビンに代わるものとして広範
な範囲で使用でき、しかも繰り返し使用に耐えるボビン
とする。 【解決手段】 繊維強化材を含む熱可塑性樹脂製で、密
度、曲げ弾性率、曲げ強度、60℃で1kg/mm2
負荷応力を加えた時の残留歪みが一定の範囲のボビンと
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製糸工程等におけ
る糸巻き取り用の芯材として使用されるボビン及びその
製造方法に関するもので、特に繰り返し使用に適したボ
ビン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、糸巻き取り用のボビンとしては、
厚紙製、軟質な熱可塑性樹脂製及びアルミニウム合金製
のものが知られている。
【0003】厚紙製のボビンは最も一般的なもので、現
在最も多く使用されている。軟質な熱可塑性樹脂製のボ
ビンは柔らかい弾性糸を低速で巻き取る場合に使用さ
れ、アルミニウム合金製のボビンは高弾性の糸を高速で
巻き取る場合に使用されている。
【0004】また、ボビンの端部付近の周方向には、通
常、巻き取るべき糸の先端部を自動的に捕捉把持するた
めの溝が形成されている。厚紙製及び軟質な熱可塑性樹
脂製のボビンについては、断面V字状の糸導入溝と、こ
の糸導入溝に連続した細いスリット状の糸掛溝が形成さ
れているのが通常である。巻き取るべき糸の先端部が回
転するボビンへと垂らされると、糸の端部が糸導入溝か
ら糸掛溝に案内されてそこに食い込んで捕捉把持される
ことになる。アルミニウム合金製のボビンについては、
材質的に上記のような細い糸掛溝を形成しにくいことか
ら、糸導入溝と糸掛溝を兼ねて断面V字形の溝のみが形
成されているのが通常である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紙製の
ボビンは、1度使用すると永久歪みが生じてしまうこと
により、再使用しようとしても、巻き取り装置(ワイン
ダ)への取り付けができないことが多い。従って、紙製
のボビンは基本的には使い捨てであり、産業廃棄物とな
って、その処理のための手間と労力を増大させると共
に、木材資源の浪費にもつながっている。
【0006】軟質な熱可塑性樹脂製のボビンは、ボビン
の剛性が小さいので、高弾性糸に適用すると、巻き取り
時の糸の締め付けによる変形が大きくなって、巻き取り
装置から取り外せなくなりやすい。また高速で巻き取る
場合には、ボビンそのものの強度が低いため、遠心力に
より自己破壊する危険性を有する。従って、適用できる
糸や巻き取り速度の範囲が狭く、紙製ボビンに代わるボ
ビンとしては使用できない問題がある。
【0007】アルミニウム合金製のボビンは、紙製のボ
ビンに比して剛性、強度に富み、繰り返し使用に耐えや
すいが、巻き取り装置への装着時に他の部品にぶつけた
り運搬時に衝撃を受けること等によって変形を生じ、こ
の変形で巻き取り装置への装着が困難になる場合があ
る。
【0008】一方、紙製及び軟質の熱可塑性樹脂製のボ
ビンは、前記糸導入溝と糸掛溝を有しており、糸の端部
を糸掛溝に食い込ませて捕捉把持できるので、巻き取り
開始時の糸の捕捉把持性がよい利点がある。しかし、再
使用するには糸掛溝内に食い込んだ糸を取り出さなけれ
ばならず、これが取り出しにくいことが多い。糸掛溝内
に糸の端が残留すると、糸掛溝の把持力を低下させてし
まい、巻き取り作業を円滑に開始しにくくなる。特に紙
製のボビンでは、糸掛溝が広がって緩みやすい問題もあ
る。
【0009】アルミニウム製のボビンは、前記のように
糸掛溝を形成しにくく、糸導入溝と糸掛溝を兼ねた断面
V時形の溝のみしか設けられていないので、糸の捕捉把
持性が劣り、再使用は可能ではあるが、元々実用性が低
い問題がある。
【0010】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、第1に、従来の紙製のボビンに代わるもの
として広範な範囲で使用でき、しかも繰り返し使用に耐
えるボビンを提供することを目的とする。また、第2
に、この第1の目的と併せて、最初の使用時は勿論のこ
と、再使用時にも糸端部の良好な捕捉把持性が得られる
ボビンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記第1の目的を達成するために、線状強化材を含む熱可
塑性樹脂で構成され、しかも密度が1〜2g/cm3
曲げ弾性率が1600〜3000kg/mm2 、曲げ強
度が30〜50kg/mm2 、60℃で1kg/mm2
の負荷応力を加えた時の残留歪みが0.02%以下のボ
ビンとしているものである。
【0012】また、請求項2の発明では、上記第1の目
的と併せて上記第2の目的をも達成するために、上記請
求項1の発明に係るボビンにおいて、その端部付近の周
方向に糸導入溝を形成し、この糸導入溝に連続して、壁
面に線状強化材の先端が突出した糸掛溝を周方向に形成
しているものである。
【0013】更に請求項3の発明では、上記請求項2の
発明に係るボビンを製造するために、機械切削によって
糸導入溝を形成し、更に線状強化材を含む熱可塑性樹脂
の融点以上に加熱した薄板を押し当てて、ボビン又は薄
板をボビンの軸回りにゆっくり回転させることで糸掛溝
を形成することとしているものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係るボビンは、通常、長
さが80〜300mm、外径が140〜200mm、肉
厚が5〜10mm程度の円筒形である。
【0015】本発明に係るボビンは、線状強化材を含む
熱可塑性樹脂(以下「強化樹脂」という)で構成され、
しかも密度が1〜2g/cm3 、曲げ弾性率が1600
〜3000kg/mm2 、曲げ強度が30〜50kg/
mm2 、60℃で1kg/mm2 の負荷応力を加えた時
の残留歪みが0.02%以下のものである。
【0016】強化樹脂に含まれる線状強化材としては、
熱可塑性樹脂の強化のために一般に使用される繊維状若
しくは針状の強化材(例えば針状無機フィラー)を用い
ることができる。好ましくは繊維状強化材で、例えばガ
ラス繊維、カーボン繊維、金属繊維等の無機繊維の他、
使用する熱可塑性樹脂によっては紙(植物繊維)、レー
ヨン繊維等の有機繊維を用いることもできる。
【0017】線状強化材は、これらの1種のみを用いて
も、同時に2種以上を用いてもよい。線状強化材の充填
量は、使用する線状強化材の種類にもよるが、通常40
重量%〜70重量%程度である。また、線状強化材は、
0.1〜5mm程度の平均長さであることが好ましい。
必要な強化作用を得ると共に、その先端を後述する糸掛
溝の壁面から突出させやすくするためである。
【0018】強化樹脂を構成する熱可塑性樹脂として
は、射出成形や押出成形に使用される一般の熱可塑性樹
脂を広く用いることができるが、安価で強度的にも優れ
た熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、例えばポリプ
ロピレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール等
が好ましい。
【0019】本発明のボビンを構成する、強化樹脂は、
密度が1〜2g/cm3 であることが必要である。密度
が低過ぎると、必要な強度が得にくく、逆に密度が高過
ぎると、ボビンそのものの重量が増加し、高速巻き取り
時の遠心力による変形や自己破壊を生じやすくなる。
尚、本発明における密度は、JIS・K7112に基づ
いて測定した値をいう。
【0020】強化樹脂は、曲げ弾性率が1600〜30
00kg/mm2 、曲げ強度が30〜50kg/mm
2 、60℃で1kg/mm2 の負荷応力を加えた時の残
留歪みが0.02%以下であることが必要である。曲げ
弾性率及び/又は曲げ強度が低過ぎたり上記残留歪みが
大き過ぎると、高速巻き取り時の自己破壊を生じやすく
なる。また、糸を巻き付けた状態での保管運搬時に温度
が上昇するとボビンがクリープ変形しやすく、再使用が
妨げられやすくなる。曲げ弾性率及び/又は曲げ強度が
高過ぎたり上記残留歪みが小さ過ぎる場合、密度を前記
の範囲内のものとしにくくなる。尚、本発明における曲
げ弾性率及び曲げ強度は、JIS・K7055及びK7
171に基づいて測定した値をいい、上記残留歪みは、
JIS・K7202に準拠し、負荷応力を1kg/mm
2 として、徐荷後の撓みをも算定することで得られた値
をいう。
【0021】更に図面に基づいて説明する。
【0022】図1は、上述のような強化樹脂で構成され
た本発明に係るボビン1の一例を示す斜視図で、ボビン
1は円筒状をなし、一端部の周方向に糸導入溝2と、こ
の糸導入溝2に連なってやはり周方向に延びる糸掛溝3
が形成されたものとなっている。
【0023】糸導入溝2は、回転するボビン1に対して
垂らされる糸の端部を、次に述べる糸掛溝3へと導くた
め溝で、糸の先端部を一定位置へ導きやすくするため
に、図2に示されるような断面V字形の溝として形成す
ることが好ましい。この糸導入溝2は、表面幅が3〜4
mm、深さが2〜4mm、長さがボビン1の1/5〜1
/4周程度であることが好ましい。
【0024】糸掛溝3は、糸導入溝2によって導かれて
きた糸の端部を捕捉把持するための溝である。糸掛溝3
の壁面には、強化樹脂に含まれている線状強化材の先端
が突出しており、糸導入溝2で導かれてきた糸の端部を
引っ掛けることができるようになっている。従って、本
発明のボビン1では、強化樹脂製のボビンにも容易に形
成できる比較的広い幅の糸掛溝3によって糸の端部を確
実に捕捉把持することができる。また、糸掛溝3の幅を
広くすることにより、糸掛溝3内に残った糸の端を除去
することも容易となる。
【0025】糸掛溝3の断面形状は、その壁面に突出さ
れた線状強化材の先端で糸を引っ掛けることができるも
のであれば特に制限はないが、通常、図3(a)に示さ
れるような断面凹形、図3(b)に示されるようなV若
しくはU字形、更には図3(c)に示されるような断面
W字形が好ましい。特にW字形の場合、糸を捕捉把持す
る機会が増えることから、糸の迅速な捕捉把持が可能と
なる利点がある。この糸掛溝3は、表面幅が0.2〜1
mm(W字形の場合の全体幅は0.2〜3mm)、深さ
が2〜4mm、長さがボビン1の1/4〜1/2周程度
であることが好ましい。また、深さは上記の範囲内で糸
導入溝2と等しいことが好ましい。
【0026】糸導入溝2は、機械切削によって容易に形
成することができる。例えば切削刃を当ててボビン1を
周方向に回転させることで容易に形成することができ
る。
【0027】糸掛溝3は、図4に示されるように、強化
樹脂を構成する熱可塑性樹脂の融点以上にヒーター4で
加熱した薄板5を押し当てて、ボビン1又は薄板5をボ
ビン1の軸回りにゆっくり回転させることで容易に形成
することができる。加熱した薄板5を押し当ててボビン
1又は薄板5をゆっくり回転させると、薄板5が当接し
た箇所が溶融して糸掛溝3が形成されると共に、溶融し
た熱可塑性樹脂が押し除けられることで、その壁面に線
状強化材の先端が突出する。溶融した熱可塑性樹脂があ
ふれ出ることで形成されるバリはその後除去してボビン
1の表面を整えておくことが好ましい。
【0028】薄板5としては金属板を用いることがで
き、特にボビン1に押し当てられる先端が鋸刃となった
薄板5を用いると、形成される糸掛溝3の壁面に線状強
化材の先端を突出させやすいので好ましい。この先端が
鋸刃となった薄板5としては、金切鋸の刃を用いること
ができ、ヒーター4としてはサンドイッチ型のバンドヒ
ーター(例えば5kw程度の発熱量)を好ましく用いる
ことができる。また、薄板5の加熱温度は、使用する熱
可塑性樹脂の種類によって相違するが、一般的には20
0〜350℃である。
【0029】糸掛溝3形成時のボビン1又は薄板5の回
転速度は、接線方向線速度で0.5〜3.3mm/se
c程度であることが好ましい。この速度は、強化樹脂を
構成する熱可塑性樹脂の種類によって調整されるもの
で、例えばポリプロピレンやポリアミドの場合には2.
84mm/sec程度である。この速度が遅過ぎると、
熱可塑性樹脂が溶融し過ぎ、ダレを生じて所定の形状に
切削しにくくなる。また、速過ぎると溶融が不十分とな
って線状強化材を露出させにくくなる。
【0030】糸掛溝3の断面形状はこの薄板5の断面形
状を選択することで定めることができる。特に薄板5を
2枚重ねて用いることで、前述の断面W字形の糸掛溝3
を容易に形成することができる。
【0031】
【実施例】
実施例1 60重量%のガラス繊維を含有するポリアミド(三菱エ
ンジニアリングプラスチックス社製「レニー103
2」)を用い、長さ102.5mm、内径94mm、肉
厚7mmの円筒形のボビンを形成した。
【0032】糸導入溝は、断面V字形で、ボビンの一端
部付近の周方向に1/4周の長さで機械切削により形成
した。糸導入溝の表面幅は3.5mm、深さは3mm
で、その壁面は平滑であった。
【0033】金切鋸の刃をバンドヒーターで挟んでポリ
アミドの融点以上(243℃)に加熱し、これをボビン
に押し当てながらボビンの軸回りに速度2.84mm/
secで回転させることで、上記糸導入溝に連続して断
面V若しくはU字形の糸掛溝をボビンの周方向1/4周
の長さで形成した。糸掛溝の壁面には、多数のガラス繊
維の先端が突出しているのが観察された。糸掛溝の表面
幅は0.7mm、深さは3mmとした。
【0034】このボビンの密度は1.77g/cm3
曲げ弾性率は2088kg/mm2、曲げ強度は38.
9kg/mm2 、60℃で1kg/mm2 の負荷応力時
の残留歪みは0.0012%であった。
【0035】上記ボビンについて、一般的な高速紡糸巻
き取り機を用いて、ポリエステルフィラメントを紡速1
500m/分で巻き取り、これを60℃の雰囲気下で1
時間保管する操作を30回繰り返し、ボビンの変形状態
として内径の変形状態を測定したところ、半径で0.1
mmのずれしか観察されなかった。一般的に、ボビンの
内径と巻き取り装置のマンドレルとの半径方向の隙間は
0.5mmであり、更に繰り返し使用が可能な状態であ
った。
【0036】実施例2 ガラス繊維の含有量が70重量%のポリアミドを用い、
実施例1と同様にして同様の形状のボビンを形成した。
このボビンの密度は1.9g/cm3 、曲げ弾性率は2
800kg/mm2 、曲げ強度は42.0kg/mm
2 、60℃で1kg/mm2 の負荷応力時の残留歪みは
0.0008%であった。
【0037】実施例1と同様の操作を30回繰り返し、
ボビンの変形状態として内径の変形量を測定したとこ
ろ、半径で0.05mmのずれしか観察されず、更に繰
り返し使用が可能な状態であった。
【0038】比較例1 30重量%のガラス繊維を含有するポリプロピレン(旭
化成工業社製「ロイマーG1513」)を用い、金切鋸
の刃の温度をポリポロピレンの融点以上(168℃)と
した以外は実施例1と同様にして同様の形状のボビンを
形成した。このボビンの密度は1.12g/cm3 、曲
げ弾性率は445kg/mm2 、曲げ強度は9kg/m
2 、60℃で1kg/mm2 の負荷応力時の残留歪み
は0.07%で、密度以外は総て本発明の範囲外の機械
的特性のものであった。
【0039】実施例1と同様の巻き取りと保管操作を1
0回繰り返し、ボビンの変形状態として内径の変形量を
測定したところ、半径で0.5mmのずれを生じてお
り、更なる繰り返し使用は困難な状態であった。
【0040】比較例2 ガラス繊維の含有量が50重量%のポリアミドを用い、
実施例1と同様にして同様の形状のボビンを形成した。
このボビンの密度は1.60g/cm3 、曲げ弾性率は
1510kg/mm2 、曲げ強度は38.9kg/mm
2 、60℃で1kg/mm2 の負荷応力時の残留歪みは
0.0018%で、曲げ弾性率のみが本発明の範囲外の
機械的特性のものであった。
【0041】実施例1と同様の巻き取りと保管操作を1
5回繰り返し、ボビンの変形状態として内径の変形量を
測定したところ、半径で0.5mmのずれを生じてお
り、更なる繰り返し使用は困難な状態であった。
【0042】比較例3 90重量%の織物のガラス繊維を含有するポリアミドを
用い、実施例1とほぼ同様にして同様の形状のボビンを
形成した。このボビンの密度は2.5g/cm3 、曲げ
弾性率は2700kg/mm2 、曲げ強度は45kg/
mm2 、60℃で1kg/mm2 の負荷応力時の残留歪
みは0.0001%で、密度のみが本発明の範囲外の機
械的特性のものであった。
【0043】実施例1と同様の巻き取り操作を行ったと
ころ、巻き取り時に自己破壊を生じ、ボビンとして使用
することができなかった。
【0044】比較例4 30重量%の炭素繊維を含有するポリエーテルエーテル
ケトンを用い、実施例1とほぼ同様にして同様の形状の
ボビンを形成した。このボビンの密度は1.5g/cm
3 、曲げ弾性率は1600kg/mm2 、曲げ強度は1
6kg/mm2、60℃で1kg/mm2 の負荷応力時
の残留歪みは0.01%で、曲げ強度のみが本発明の範
囲外の機械的特性のものであった。
【0045】実施例1と同様の巻き取り操作を行ったと
ころ、10回で自己破壊を生じ、繰り返し使用するボビ
ンとしては使用できないことが分かった。
【0046】比較例5 40重量%のガラス繊維を含有するポリフェニレンサル
ファイドを用い、実施例1とほぼ同様にして同様の形状
のボビンを形成した。このボビンの密度は1.9g/c
3 、曲げ弾性率は1600kg/mm2 、曲げ強度は
30kg/mm2 、60℃で1kg/mm2 の負荷応力
時の残留歪みは0.03%で、残留歪みのみが本発明の
範囲外の機械的特性のものであった。
【0047】実施例1と同様の巻き取りと保管操作を1
5回繰り返し、ボビンの変形状態として内径の変形量を
測定したところ、半径で0.7mmのずれを生じてお
り、繰り返し使用が困難な状態であった。
【0048】実施例3 実施例1及び実施例2のボビンについて、実施例1と同
様の巻き取り操作を繰り返し、糸巻き初めの捕捉固定率
(ターレット成功率)を調べた。両ボビンとも25回連
続して良好な捕捉固定が認められた。また、再使用時
に、糸掛溝内の糸くずを簡単に除去することができた。
【0049】更にナイロンフィラメントの紡速5500
m/分での巻き取りについても繰り返したところ、両ボ
ビンとも15回連続して良好な捕捉固定が認められた。
【0050】比較例6 一般の紙製ボビンを用い、実施例1と同様の巻き取り操
作を繰り返したところ、2回で使用不能となった。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りのものであ
り、次の効果を奏するものである。
【0052】(1)従来の紙製のボビンに代えて使用で
き、しかも繰り返し使用ができるので、使い捨てとなっ
ている紙製のボビンを使用し続けることによる産業廃棄
物の増大及び森林資源の浪費を防止することができる。
【0053】(2)繰り返し使用中を通して、良好な糸
端部の捕捉把持性が得られるので、繰り返し使用による
実用性の低下がない。
【0054】(3)繰り返し使用により、今までのよう
に絶えず新しいボビンを用意する必要がなくなるので、
ボビンの管理が容易となり、製糸の生産計画管理が効率
化できる。
【0055】(4)繰り返し使用ができるボビンを簡便
かつ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボビンの一例を示す斜視図であ
る。
【図2】糸導入溝の断面形状の一例を示す拡大断面図で
ある。
【図3】糸掛溝の断面形状の例を示す拡大断面図であ
る。
【図4】糸掛溝の形成方法の説明図である。
【符号の説明】
1 ボビン 2 糸導入溝 3 糸掛溝 4 ヒーター 5 薄板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状強化材を含む熱可塑性樹脂で構成さ
    れ、しかも密度が1〜2g/cm3 、曲げ弾性率が16
    00〜3000kg/mm2 、曲げ強度が30〜50k
    g/mm2 、60℃で1kg/mm2 の負荷応力を加え
    た時の残留歪みが0.02%以下であることを特徴とす
    るボビン。
  2. 【請求項2】 端部付近の周方向に糸導入溝が形成さ
    れ、この糸導入溝に連続して、壁面に線状強化材の先端
    が突出した糸掛溝が周方向に形成されていることを特徴
    とする請求項1のボビン。
  3. 【請求項3】 請求項2のボビンの製造方法であって、
    機械切削によって糸導入溝を形成し、更に線状強化材を
    含む熱可塑性樹脂の融点以上に加熱した薄板を押し当て
    て、ボビン又は薄板をボビンの軸回りにゆっくり回転さ
    せることで糸掛溝を形成することを特徴とするボビンの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 先端に鋸刃を有する薄板を用いることを
    特徴とする請求項3のボビンの製造方法。
JP34697695A 1994-12-20 1995-12-14 ボビン及びその製造方法 Withdrawn JPH08225251A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100472690B1 (ko) * 2002-04-08 2005-03-08 주식회사 효성 오토-커팅성 향상을 위한 스판덱스 태데니아용 보빈
CN109335877A (zh) * 2018-12-04 2019-02-15 庞芹祥 一种低纤度纺丝专用筒管
WO2024069817A1 (ja) * 2022-09-28 2024-04-04 住友電工ウインテック株式会社 巻線用ボビン

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