JPH08224875A - インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置Info
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- JPH08224875A JPH08224875A JP3192395A JP3192395A JPH08224875A JP H08224875 A JPH08224875 A JP H08224875A JP 3192395 A JP3192395 A JP 3192395A JP 3192395 A JP3192395 A JP 3192395A JP H08224875 A JPH08224875 A JP H08224875A
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- JP
- Japan
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- recording head
- ink
- ink jet
- energy generating
- inkjet recording
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】モノクロ用の記録ヘッドとカラー用の記録ヘッ
ドとに共通に利用でき、かつ色数や各色に割り当てる発
熱体の数を柔軟に増減でき、低コストで高密度記録に対
応できるインクジェット記録ヘッド用基体を提供する。 【構成】複数の発熱体302を等間隔で配列する。モノ
クロ用の記録ヘッドを構成する場合には全ての発熱体3
02をそれぞれ吐出口に対応させる。カラー用の記録ヘ
ッドを構成する場合には、各色それぞれの共通液室及び
液流路の形成領域(太線461a〜461c)ごとに発
熱体302を当該色に割り当てる。このとき、色間の領
域321a,321bにも発熱体302が配置されてい
る。
ドとに共通に利用でき、かつ色数や各色に割り当てる発
熱体の数を柔軟に増減でき、低コストで高密度記録に対
応できるインクジェット記録ヘッド用基体を提供する。 【構成】複数の発熱体302を等間隔で配列する。モノ
クロ用の記録ヘッドを構成する場合には全ての発熱体3
02をそれぞれ吐出口に対応させる。カラー用の記録ヘ
ッドを構成する場合には、各色それぞれの共通液室及び
液流路の形成領域(太線461a〜461c)ごとに発
熱体302を当該色に割り当てる。このとき、色間の領
域321a,321bにも発熱体302が配置されてい
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱エネルギーを利用し
てインクを吐出口から記録媒体に吐出させることにより
記録を行うインクジェット記録ヘッドと、この記録ヘッ
ドに用いられる基体と、この記録ヘッドを用いたインク
ジェット記録装置に関する。ここで記録媒体としては、
布帛、糸、紙、シート材など、インクが供与されてその
インクを支持し得るもであれば任意のものが含まれる。
また、インクジェット記録装置としては、単体で使用さ
れるもののみならず、各種情報処理装置やその出力装置
としてのプリンタが含まれる。
てインクを吐出口から記録媒体に吐出させることにより
記録を行うインクジェット記録ヘッドと、この記録ヘッ
ドに用いられる基体と、この記録ヘッドを用いたインク
ジェット記録装置に関する。ここで記録媒体としては、
布帛、糸、紙、シート材など、インクが供与されてその
インクを支持し得るもであれば任意のものが含まれる。
また、インクジェット記録装置としては、単体で使用さ
れるもののみならず、各種情報処理装置やその出力装置
としてのプリンタが含まれる。
【0002】
【従来の技術】微細な吐出口からインクを吐出・飛翔さ
せて記録を行うインクジェット記録方法は、記録時に発
生する騒音を無視できる程度に小さくでき、高速プリン
トが可能であり、しかも特別な処理を必要とせずにいわ
ゆる普通紙に定着して記録できるなどの点において関心
を集めている。インクジェット記録を行うための方法と
していくつか提案されているが、その中で、例えば特開
昭54-51837号公報ないしはドイツ公開(DOLS)第2843064
号公報に記載されているインクジェット記録方法は、熱
エネルギーを液体(インク)に作用させることによって
インク吐出のための原動力を得るという点において、他
のインクジェット記録方法とは異なる特徴を有してい
る。
せて記録を行うインクジェット記録方法は、記録時に発
生する騒音を無視できる程度に小さくでき、高速プリン
トが可能であり、しかも特別な処理を必要とせずにいわ
ゆる普通紙に定着して記録できるなどの点において関心
を集めている。インクジェット記録を行うための方法と
していくつか提案されているが、その中で、例えば特開
昭54-51837号公報ないしはドイツ公開(DOLS)第2843064
号公報に記載されているインクジェット記録方法は、熱
エネルギーを液体(インク)に作用させることによって
インク吐出のための原動力を得るという点において、他
のインクジェット記録方法とは異なる特徴を有してい
る。
【0003】すなわち、上記の各公報に開示されている
記録方法では、熱エネルギーの作用を受けた液体が急峻
な体積の増大を伴う状態変化を起こし、この状態変化に
よる作用力によって、記録ヘッド部の先端に設けられた
オリフィス(吐出口)から液体が吐出されて飛翔的液滴
が形成され、この液滴が記録部材に付着することによっ
て記録が行われる。ことに前出のDOLS第2843064号公報
に開示されているインクジェット記録方法は、いわゆる
ドロップ・オン・デマンド法に極めて有効に適用できる
ばかりでなく、フルラインタイプの記録ヘッドすなわち
記録媒体の全幅に対応する長さを有して多数の吐出口が
一列に配列した記録ヘッドを容易に具現化でき、さらに
吐出口密度を高めることができるので、高解像度、高品
質の画像を高速で得られるという特徴を有している。
記録方法では、熱エネルギーの作用を受けた液体が急峻
な体積の増大を伴う状態変化を起こし、この状態変化に
よる作用力によって、記録ヘッド部の先端に設けられた
オリフィス(吐出口)から液体が吐出されて飛翔的液滴
が形成され、この液滴が記録部材に付着することによっ
て記録が行われる。ことに前出のDOLS第2843064号公報
に開示されているインクジェット記録方法は、いわゆる
ドロップ・オン・デマンド法に極めて有効に適用できる
ばかりでなく、フルラインタイプの記録ヘッドすなわち
記録媒体の全幅に対応する長さを有して多数の吐出口が
一列に配列した記録ヘッドを容易に具現化でき、さらに
吐出口密度を高めることができるので、高解像度、高品
質の画像を高速で得られるという特徴を有している。
【0004】このような記録方法が適用されるインクジ
ェット記録装置の記録ヘッド部は、液滴を吐出するため
に設けられた吐出口とこの吐出口に連通する液流路から
なるインク吐出部と、熱エネルギーを発生するための電
気熱変換体(発熱体)を備えた記録ヘッド用基体とから
構成されている。液流路は、液滴を吐出するための熱エ
ネルギーが液体に作用する部分である熱作用部を構成の
一部としている。
ェット記録装置の記録ヘッド部は、液滴を吐出するため
に設けられた吐出口とこの吐出口に連通する液流路から
なるインク吐出部と、熱エネルギーを発生するための電
気熱変換体(発熱体)を備えた記録ヘッド用基体とから
構成されている。液流路は、液滴を吐出するための熱エ
ネルギーが液体に作用する部分である熱作用部を構成の
一部としている。
【0005】記録ヘッドには複数の吐出口が設けられる
のが普通であるから、これに対応して記録ヘッド用基体
には、複数の発熱体が一列に配列される。このような記
録ヘッド用基体として、一列に配列された複数の発熱体
の他に、発熱体と1対1で対応して発熱体を画像データ
に応じてそれぞれ駆動するためのドライバと、直列(シ
リアル)に入力される画像データを各ドライバに並列に
出力するためのシフトレジスタと、シフトレジスタから
の出力を一時的に記憶するラッチ回路とを同一基板上に
設けたものも開発されている。シフトレジスタの段数
は、発熱体の数と同一にされる。同一基板上にこれら回
路を組み込んだ記録ヘッド用基体は、例えば、シリコン
基板を用いてこの基板にBi−CMOS構成(バイポー
ラトランジスタとCMOSトランジスタを混在させた構
成)のIC(集積回路)をモノリシックに形成し、さら
に発熱部としての発熱体を形成することによって製造さ
れる。
のが普通であるから、これに対応して記録ヘッド用基体
には、複数の発熱体が一列に配列される。このような記
録ヘッド用基体として、一列に配列された複数の発熱体
の他に、発熱体と1対1で対応して発熱体を画像データ
に応じてそれぞれ駆動するためのドライバと、直列(シ
リアル)に入力される画像データを各ドライバに並列に
出力するためのシフトレジスタと、シフトレジスタから
の出力を一時的に記憶するラッチ回路とを同一基板上に
設けたものも開発されている。シフトレジスタの段数
は、発熱体の数と同一にされる。同一基板上にこれら回
路を組み込んだ記録ヘッド用基体は、例えば、シリコン
基板を用いてこの基板にBi−CMOS構成(バイポー
ラトランジスタとCMOSトランジスタを混在させた構
成)のIC(集積回路)をモノリシックに形成し、さら
に発熱部としての発熱体を形成することによって製造さ
れる。
【0006】図10は、このような記録ヘッド用基体の
内部等価回路図である。この基体は、一列に配列された
例えば64個の発熱体(発熱素子)601を有するもの
であって、各発熱体601に1対1に対応するように、
ドライバであるパワートランジスタ602が設けられて
いる。各発熱体601の一端は、発熱体駆動電源用の端
子610に共通に接続され、他端は、対応するパワート
ランジスタ602のコレクタにそれぞれ接続されてい
る。パワートランジスタ602のエミッタはコモン端子
111に共通接続されている。各パワートランジスタ6
02のオン時間は、ヒートパルス幅入力端子607に入
力するパルス信号に応じて制御される。また、外部から
の画像データがシリアルデータとして入力するシフトレ
ジスタ604が設けられ、シフトレジスタ604の出力
側にはラッチ回路617が設けられている。シフトレジ
スタ604は、クロック入力端子605とデータ入力端
子606に接続しており、クロック入力端子605に入
力するクロックに応じてシフト動作を行う。そして、シ
フトレジスタ604やラッチ回路617などで代表され
るロジック回路部分に電源を供給するための電源端子6
08とグランド端子609が設けられている。以上が、
最小限必要な構成要素である。
内部等価回路図である。この基体は、一列に配列された
例えば64個の発熱体(発熱素子)601を有するもの
であって、各発熱体601に1対1に対応するように、
ドライバであるパワートランジスタ602が設けられて
いる。各発熱体601の一端は、発熱体駆動電源用の端
子610に共通に接続され、他端は、対応するパワート
ランジスタ602のコレクタにそれぞれ接続されてい
る。パワートランジスタ602のエミッタはコモン端子
111に共通接続されている。各パワートランジスタ6
02のオン時間は、ヒートパルス幅入力端子607に入
力するパルス信号に応じて制御される。また、外部から
の画像データがシリアルデータとして入力するシフトレ
ジスタ604が設けられ、シフトレジスタ604の出力
側にはラッチ回路617が設けられている。シフトレジ
スタ604は、クロック入力端子605とデータ入力端
子606に接続しており、クロック入力端子605に入
力するクロックに応じてシフト動作を行う。そして、シ
フトレジスタ604やラッチ回路617などで代表され
るロジック回路部分に電源を供給するための電源端子6
08とグランド端子609が設けられている。以上が、
最小限必要な構成要素である。
【0007】ところで、インクジェット記録ヘッドとし
ては、同時にインクを吐出する吐出口の数を減らすこと
によって、インクタンクから液流路へのインクのリフィ
ル(再充填)が記録品位に及ぼす影響が防止され、高品
位記録が可能となる。そこで、記録ヘッドをいくつかの
ブロック(この例では8ブロック)に分割し、かつ隣接
する吐出口が同時にインクを吐出することがないように
配慮する。そのため、3ビットのブロック選択信号が並
列に入力する端子614〜616と、端子614〜61
6に入力したブロック選択信号を各ブロックごとの信号
にデコードするためのデコーダ618と、奇数番目素子
選択信号及び偶数番目素子選択信号がそれぞれ入力する
端子612,613と、各パワートランジスタ602に
それぞれ対応するアンド回路619とが設けられてい
る。各アンド回路619は、4入力タイプのものであっ
て、対応するブロックについてデコーダ618が出力す
る信号とヒートパルス幅入力端子607に入力するパル
ス信号と奇数番目素子選択信号と偶数番目素子選択信号
との論理積に基づいて、対応するパワートランジスタ6
02を駆動する。この基体においては、パワートランジ
スタ602はバイポーラプロセスで形成され、ロジック
回路部分(シフトレジスタ604やラッチ回路617の
他、デコーダ618、アンド回路619を含む)はCM
OSプロセスで形成されている。
ては、同時にインクを吐出する吐出口の数を減らすこと
によって、インクタンクから液流路へのインクのリフィ
ル(再充填)が記録品位に及ぼす影響が防止され、高品
位記録が可能となる。そこで、記録ヘッドをいくつかの
ブロック(この例では8ブロック)に分割し、かつ隣接
する吐出口が同時にインクを吐出することがないように
配慮する。そのため、3ビットのブロック選択信号が並
列に入力する端子614〜616と、端子614〜61
6に入力したブロック選択信号を各ブロックごとの信号
にデコードするためのデコーダ618と、奇数番目素子
選択信号及び偶数番目素子選択信号がそれぞれ入力する
端子612,613と、各パワートランジスタ602に
それぞれ対応するアンド回路619とが設けられてい
る。各アンド回路619は、4入力タイプのものであっ
て、対応するブロックについてデコーダ618が出力す
る信号とヒートパルス幅入力端子607に入力するパル
ス信号と奇数番目素子選択信号と偶数番目素子選択信号
との論理積に基づいて、対応するパワートランジスタ6
02を駆動する。この基体においては、パワートランジ
スタ602はバイポーラプロセスで形成され、ロジック
回路部分(シフトレジスタ604やラッチ回路617の
他、デコーダ618、アンド回路619を含む)はCM
OSプロセスで形成されている。
【0008】この記録ヘッドを有する記録装置では、画
像データがデータ入力端子606を介してシフトレジス
タ604に直列に入力してパラレルデータに変換され、
このパラレルデータはラッチ回路617において一時的
に記憶される。そして、ラッチ回路617の出力とブロ
ックを選択する信号と偶数番目/奇数番目を選択する信
号との全ての論理積をアンド回路619でとり、アンド
回路619の出力がオンの時のみパワートランジスタ6
02がオンとなり、発熱体601が駆動され、駆動され
た発熱体601に対応する液流路中のインクが加熱さ
れ、吐出口からインクが吐出し記録が行われる。
像データがデータ入力端子606を介してシフトレジス
タ604に直列に入力してパラレルデータに変換され、
このパラレルデータはラッチ回路617において一時的
に記憶される。そして、ラッチ回路617の出力とブロ
ックを選択する信号と偶数番目/奇数番目を選択する信
号との全ての論理積をアンド回路619でとり、アンド
回路619の出力がオンの時のみパワートランジスタ6
02がオンとなり、発熱体601が駆動され、駆動され
た発熱体601に対応する液流路中のインクが加熱さ
れ、吐出口からインクが吐出し記録が行われる。
【0009】インクジェット記録装置では、同一の記録
ヘッドに異なる色に対応する吐出口を配置することによ
って、容易にカラー記録を実現できる。例えば、シア
ン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色の吐出口を備
えることによって、フルカラーの記録が可能になる。図
11はフルカラー記録のための記録ヘッド用基体の構成
を示す平面図である。この基体701は、略長方形状で
あって、一方の長辺に沿って、色ごとに群をなして複数
の発熱体702a〜702dが一列に配列している。こ
のうち、発熱体702aはブラックに対応し、他の発熱
体702b〜702dはそれぞれシアン、マゼンタ、イ
エローに対応しており、色ごとの境界となる領域719
(後述する分離壁725に対応する領域)には発熱体は
設けられていない。ブラックの発熱体702aの数が他
の色に比べて多いのは、黒一色のみの記録(例えばモノ
クロの文書)を行うことが多いことを考慮したものであ
る。
ヘッドに異なる色に対応する吐出口を配置することによ
って、容易にカラー記録を実現できる。例えば、シア
ン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色の吐出口を備
えることによって、フルカラーの記録が可能になる。図
11はフルカラー記録のための記録ヘッド用基体の構成
を示す平面図である。この基体701は、略長方形状で
あって、一方の長辺に沿って、色ごとに群をなして複数
の発熱体702a〜702dが一列に配列している。こ
のうち、発熱体702aはブラックに対応し、他の発熱
体702b〜702dはそれぞれシアン、マゼンタ、イ
エローに対応しており、色ごとの境界となる領域719
(後述する分離壁725に対応する領域)には発熱体は
設けられていない。ブラックの発熱体702aの数が他
の色に比べて多いのは、黒一色のみの記録(例えばモノ
クロの文書)を行うことが多いことを考慮したものであ
る。
【0010】他方の長辺に沿って、外部回路との接続用
の複数のパッド710が配列している。パッド710側
の長辺から発熱体702a〜702d側の長辺に向かっ
て、ラッチ回路やシフトレジスタの形成領域709、パ
ワートランジスタ(ドライバ)の形成領域703、そし
て各発熱体702a〜702dへの配線が形成される領
域704が、この順で形成されている。発熱体702a
〜702dが色ごとに分離して設けられていることによ
り、ラッチ回路やシフトレジスタ、パワートランジスタ
も、色ごとに分離して設けられている。図において、太
線の円は、後述するインク供給口722の位置を示し、
また太線718は、各色ごとの共通液室及び液流路の形
成領域を示している。
の複数のパッド710が配列している。パッド710側
の長辺から発熱体702a〜702d側の長辺に向かっ
て、ラッチ回路やシフトレジスタの形成領域709、パ
ワートランジスタ(ドライバ)の形成領域703、そし
て各発熱体702a〜702dへの配線が形成される領
域704が、この順で形成されている。発熱体702a
〜702dが色ごとに分離して設けられていることによ
り、ラッチ回路やシフトレジスタ、パワートランジスタ
も、色ごとに分離して設けられている。図において、太
線の円は、後述するインク供給口722の位置を示し、
また太線718は、各色ごとの共通液室及び液流路の形
成領域を示している。
【0011】記録ヘッド用基体は、液流路に対応する溝
部と吐出口とが形成された溝付天板と組み合わせること
により、記録ヘッドを構成する。図12は、上述の4色
一体型の記録ヘッド用基体701と対になる溝付天板7
20を示す斜視図である。溝付天板720は、吐出口が
形成されたオリフィスプレート721と、各色にそれぞ
れ対応する4つのインク供給口722が一体的に成形さ
れたものであり、各インク供給口722に対応して4つ
の凹部723が相互に分離壁725を介して形成されて
いる。各凹部723は、溝付天板720が基体と接合さ
れることにより、一時的にインクを保持するための共通
液室となるものであり、各共通液室にはそれぞれインク
供給口722を介して各色のインクが供給されるように
なっている。また、各凹部723とオリフィスプレート
721の吐出口を接続するように、それぞれ液流路を構
成するための複数の溝724が形成されている。基体上
の各発熱体は、この溝724に対応して配置している。
部と吐出口とが形成された溝付天板と組み合わせること
により、記録ヘッドを構成する。図12は、上述の4色
一体型の記録ヘッド用基体701と対になる溝付天板7
20を示す斜視図である。溝付天板720は、吐出口が
形成されたオリフィスプレート721と、各色にそれぞ
れ対応する4つのインク供給口722が一体的に成形さ
れたものであり、各インク供給口722に対応して4つ
の凹部723が相互に分離壁725を介して形成されて
いる。各凹部723は、溝付天板720が基体と接合さ
れることにより、一時的にインクを保持するための共通
液室となるものであり、各共通液室にはそれぞれインク
供給口722を介して各色のインクが供給されるように
なっている。また、各凹部723とオリフィスプレート
721の吐出口を接続するように、それぞれ液流路を構
成するための複数の溝724が形成されている。基体上
の各発熱体は、この溝724に対応して配置している。
【0012】図13は、上述の記録ヘッド用基体701
と溝付天板720とを組み合わせて構成されたインクジ
ェット記録ヘッドを示す斜視図である。ベースプレート
740の端部に記録ヘッド用基体701を配置し、この
記録ヘッド用基体701を覆うように溝付天板720を
接合している。さらにベースプレート740上には、外
部接続用の配線基板750が設けられており、記録ヘッ
ド用基体701のパッド710と配線基板750とは、
ボンディングワイヤ751によって電気的に接続されて
いる。この記録ヘッドでは、発熱体を駆動することによ
って、その発熱体上のインクが急激に加熱されて対応す
る液流路内に気泡が発生し、この気泡の膨張によって、
オリフィスプレート721の対応する吐出口からインク
が吐出する。
と溝付天板720とを組み合わせて構成されたインクジ
ェット記録ヘッドを示す斜視図である。ベースプレート
740の端部に記録ヘッド用基体701を配置し、この
記録ヘッド用基体701を覆うように溝付天板720を
接合している。さらにベースプレート740上には、外
部接続用の配線基板750が設けられており、記録ヘッ
ド用基体701のパッド710と配線基板750とは、
ボンディングワイヤ751によって電気的に接続されて
いる。この記録ヘッドでは、発熱体を駆動することによ
って、その発熱体上のインクが急激に加熱されて対応す
る液流路内に気泡が発生し、この気泡の膨張によって、
オリフィスプレート721の対応する吐出口からインク
が吐出する。
【0013】以上述べたように、この従来の4色一体型
のインクジェット記録ヘッドは、カラー用の記録ヘッド
用基体とインク吐出用の溝付天板とを組み合わせること
により、単一の記録ヘッドで多色の印字を可能としてい
る。
のインクジェット記録ヘッドは、カラー用の記録ヘッド
用基体とインク吐出用の溝付天板とを組み合わせること
により、単一の記録ヘッドで多色の印字を可能としてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述す
るカラー用の記録ヘッド用基体は、4色一体型の記録ヘ
ッドを想定したものであり、モノクロ(単色)記録用の
記録ヘッドに流用することができない。したがって、モ
ノクロ用の記録ヘッドあるいはモノクロ用の記録装置を
製造するとなると、別途、モノクロ用の基体を用意しな
ければならないという問題点がある。さらに、カラー用
の基体であっても色の数を変化させたり、4色一体型で
あっても各色に割り当てる発熱体の数を増減したりする
場合にも、それに適合する基体を新たに設計して製造し
なければならないという問題点がある。
るカラー用の記録ヘッド用基体は、4色一体型の記録ヘ
ッドを想定したものであり、モノクロ(単色)記録用の
記録ヘッドに流用することができない。したがって、モ
ノクロ用の記録ヘッドあるいはモノクロ用の記録装置を
製造するとなると、別途、モノクロ用の基体を用意しな
ければならないという問題点がある。さらに、カラー用
の基体であっても色の数を変化させたり、4色一体型で
あっても各色に割り当てる発熱体の数を増減したりする
場合にも、それに適合する基体を新たに設計して製造し
なければならないという問題点がある。
【0015】本発明の目的は、モノクロ用の記録ヘッド
とカラー用の記録ヘッドとに共通に利用でき、かつ色数
や各色に割り当てる発熱体の数を柔軟に増減でき、低コ
ストで高密度記録に対応できるインクジェット記録ヘッ
ド用基体と、この基体を用いたインクジェット記録ヘッ
ドと、この記録ヘッドを用いたインクジェット記装装置
とを提供することにある。
とカラー用の記録ヘッドとに共通に利用でき、かつ色数
や各色に割り当てる発熱体の数を柔軟に増減でき、低コ
ストで高密度記録に対応できるインクジェット記録ヘッ
ド用基体と、この基体を用いたインクジェット記録ヘッ
ドと、この記録ヘッドを用いたインクジェット記装装置
とを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録ヘッド用基体は、インクを吐出するために利用され
るエネルギーを発生する複数のエネルギー発生素子が配
列して設けられているインクジェット記録ヘッド用基体
において、単色のみの記録を行なうインクジェット記録
ヘッドにも複数色の記録を行なうインクジェット記録ヘ
ッドにも共通して使用される。
記録ヘッド用基体は、インクを吐出するために利用され
るエネルギーを発生する複数のエネルギー発生素子が配
列して設けられているインクジェット記録ヘッド用基体
において、単色のみの記録を行なうインクジェット記録
ヘッドにも複数色の記録を行なうインクジェット記録ヘ
ッドにも共通して使用される。
【0017】本発明のインクジェット記録ヘッド用基体
においては、エネルギー発生素子を駆動するためのドラ
イバと画像データに対応してエネルギー発生素子に選択
的に駆動信号を印加するための論理回路とがモノリシッ
クに形成され、エネルギー発生素子が複数の群に分離す
ることなく一様な間隔で配列しているようにすることが
好ましい。また、エネルギー発生素子が、インク吐出用
の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体であるよ
うにすることが好ましい。
においては、エネルギー発生素子を駆動するためのドラ
イバと画像データに対応してエネルギー発生素子に選択
的に駆動信号を印加するための論理回路とがモノリシッ
クに形成され、エネルギー発生素子が複数の群に分離す
ることなく一様な間隔で配列しているようにすることが
好ましい。また、エネルギー発生素子が、インク吐出用
の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体であるよ
うにすることが好ましい。
【0018】本発明の第1のインクジェット記録ヘッド
は、記録用のインクを吐出する吐出口と吐出口に連通す
る液流路と液流路に供給するインクを一時的に保持する
共通液室を構成する凹部とを備えた溝付天板と、インク
を吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数
のエネルギー発生素子が液流路ごとに対応して複数個配
列して設けられているインクジェット記録ヘッド用基体
と、を接合することによって構成されるインクジェット
記録ヘッドにおいて、単一の共通液室を有する単色用の
インクジェット記録ヘッドと相互に分離された複数の共
通液室を有する複数色用のインクジェット記録ヘッドと
で、エネルギー発生素子の配置構成が同一である。この
場合、インクジェット記録ヘッド用基体に、エネルギー
発生素子を駆動するためのドライバと画像データに対応
してエネルギー発生素子に選択的に駆動信号を印加する
ための論理回路とがモノリシックに形成され、エネルギ
ー発生素子が複数の群に分離することなく一様な間隔で
配列しているようにすることが好ましい。また、単色用
のインクジェット記録ヘッドとして構成されるときは任
意のエネルギー発生素子に対応する画像データが入力可
能であり、複数色用のインクジェット記録ヘッドとして
構成されるときには、入力する画像データが液流路の群
の間のエネルギー発生素子を駆動させないものとされる
ようにすることが好ましい。
は、記録用のインクを吐出する吐出口と吐出口に連通す
る液流路と液流路に供給するインクを一時的に保持する
共通液室を構成する凹部とを備えた溝付天板と、インク
を吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数
のエネルギー発生素子が液流路ごとに対応して複数個配
列して設けられているインクジェット記録ヘッド用基体
と、を接合することによって構成されるインクジェット
記録ヘッドにおいて、単一の共通液室を有する単色用の
インクジェット記録ヘッドと相互に分離された複数の共
通液室を有する複数色用のインクジェット記録ヘッドと
で、エネルギー発生素子の配置構成が同一である。この
場合、インクジェット記録ヘッド用基体に、エネルギー
発生素子を駆動するためのドライバと画像データに対応
してエネルギー発生素子に選択的に駆動信号を印加する
ための論理回路とがモノリシックに形成され、エネルギ
ー発生素子が複数の群に分離することなく一様な間隔で
配列しているようにすることが好ましい。また、単色用
のインクジェット記録ヘッドとして構成されるときは任
意のエネルギー発生素子に対応する画像データが入力可
能であり、複数色用のインクジェット記録ヘッドとして
構成されるときには、入力する画像データが液流路の群
の間のエネルギー発生素子を駆動させないものとされる
ようにすることが好ましい。
【0019】本発明の第2のインクジェット記録ヘッド
は、複数色用のインクジェット記録ヘッドであって、記
録用のインクを吐出する吐出口と吐出口に連通する液流
路と液流路に供給するインクを一時的に保持する共通液
室を構成する凹部とを備えた溝付天板と、インクを吐出
するために利用されるエネルギーを発生する複数のエネ
ルギー発生素子が複数の群に分離することなく一様な間
隔で配列しているインクジェット記録ヘッド用基体と、
を接合することによって構成され、相互に分離した複数
の共通液室を有し、液流路が共通液室ごとに群を形成し
て配列するとともに1つの液流路に対して1つまたは複
数のエネルギー発生素子が対応し、かつ、液流路の群の
間の領域にもエネルギー発生素子が配置している。この
場合、インクジェット記録ヘッド用基体に、エネルギー
発生素子を駆動するためのドライバと画像データに対応
してエネルギー発生素子に選択的に駆動信号を印加する
ための論理回路とがモノリシックに形成されているよう
にすることが好ましい。
は、複数色用のインクジェット記録ヘッドであって、記
録用のインクを吐出する吐出口と吐出口に連通する液流
路と液流路に供給するインクを一時的に保持する共通液
室を構成する凹部とを備えた溝付天板と、インクを吐出
するために利用されるエネルギーを発生する複数のエネ
ルギー発生素子が複数の群に分離することなく一様な間
隔で配列しているインクジェット記録ヘッド用基体と、
を接合することによって構成され、相互に分離した複数
の共通液室を有し、液流路が共通液室ごとに群を形成し
て配列するとともに1つの液流路に対して1つまたは複
数のエネルギー発生素子が対応し、かつ、液流路の群の
間の領域にもエネルギー発生素子が配置している。この
場合、インクジェット記録ヘッド用基体に、エネルギー
発生素子を駆動するためのドライバと画像データに対応
してエネルギー発生素子に選択的に駆動信号を印加する
ための論理回路とがモノリシックに形成されているよう
にすることが好ましい。
【0020】さらに、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドにおいては、エネルギー発生素子がインク吐出用の熱
エネルギーを発生するための電気熱変換体であることが
好ましく、この場合、電気熱変換体によって印加される
熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利用して、
吐出口よりインクを吐出するようにすることが好まし
い。
ドにおいては、エネルギー発生素子がインク吐出用の熱
エネルギーを発生するための電気熱変換体であることが
好ましく、この場合、電気熱変換体によって印加される
熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利用して、
吐出口よりインクを吐出するようにすることが好まし
い。
【0021】本発明のインクジェット記録装置は、上述
の本発明のインクジェット記録ヘッドを備え、記録信号
に基づいてインクを吐出口から吐出することにより記録
を行なう。
の本発明のインクジェット記録ヘッドを備え、記録信号
に基づいてインクを吐出口から吐出することにより記録
を行なう。
【0022】
【作用】モノクロ用の記録ヘッド用基体とカラー用の記
録ヘッド用基体とを同一構成としているので、モノクロ
用かカラー用かで基体を作り分ける必要がなくなって、
低コスト化を達成できる。カラー用の記録ヘッドを構成
する場合であれば、同一の基体を用いて色数や各色に割
り当てる発熱体の数を柔軟に増減できる。
録ヘッド用基体とを同一構成としているので、モノクロ
用かカラー用かで基体を作り分ける必要がなくなって、
低コスト化を達成できる。カラー用の記録ヘッドを構成
する場合であれば、同一の基体を用いて色数や各色に割
り当てる発熱体の数を柔軟に増減できる。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0024】図1は、本発明の一実施例のインクジェッ
ト記録ヘッド用基体の構成を模式的に示す断面図であ
る。この記録ヘッド用基体301は、上述の従来の基体
と同様の内部等価回路構成(図10参照)となってお
り、インクを吐出するためのエネルギーを発生するエネ
ルギー発生素子である発熱体(電気熱変換体)を有す
る。そして、複数の発熱体と、発熱体を駆動するために
発熱体と1対1で設けられるパワートランジスタ(ドラ
イバ)と、シフトレジスタやラッチ回路等を含み入力す
る画像データに応じて各パワートランジスタを駆動する
ためのロジック回路部分とを同一のシリコン基板上に形
成した構成である。
ト記録ヘッド用基体の構成を模式的に示す断面図であ
る。この記録ヘッド用基体301は、上述の従来の基体
と同様の内部等価回路構成(図10参照)となってお
り、インクを吐出するためのエネルギーを発生するエネ
ルギー発生素子である発熱体(電気熱変換体)を有す
る。そして、複数の発熱体と、発熱体を駆動するために
発熱体と1対1で設けられるパワートランジスタ(ドラ
イバ)と、シフトレジスタやラッチ回路等を含み入力す
る画像データに応じて各パワートランジスタを駆動する
ためのロジック回路部分とを同一のシリコン基板上に形
成した構成である。
【0025】P型のシリコン基板201に対し、イオン
インプランテーションや拡散によりAsなどのドーパン
トを導入してN型埋込層202を形成し、これらの上層
にN型エピタキシャル層203を形成する。続いて、N
型エピタキシャル層203にB等の不純物を導入し、P
型ウエル領域204を形成する。その後、フォトリソグ
ラフィと酸化拡散及びイオンインプランテーション等の
不純物導入を繰り返すことにより、N型エピタキシャル
領域203にP−MOSトランジスタ250が構成さ
れ、P型ウエル領域204にN−MOSトランジスタ2
51が構成される。P−MOSトランジスタ250及び
N−MOSトランジスタ251は、それぞれ厚さ数十n
mのゲート絶縁膜208を介してCVD法で堆積したポ
リシリコンによるゲート配線215や、N型あるいはP
型の不純物をそれぞれ導入したソース領域205、ドレ
イン領域206などで構成されている。これらP−MO
Sトランジスタ250及びN−MOSトランジスタ25
1によって、上述のロジック回路部分がCMOS論理回
路として構成されている。一方、発熱素子(発熱体)を
駆動するドライバとなるNPN型パワートランジスタ2
52は、同様の不純物導入及び拡散等の工程により、N
型エピタキシャル層203中にコレクタ領域211、ベ
ース領域212、エミッタ領域213等を設けることに
よって構成される。
インプランテーションや拡散によりAsなどのドーパン
トを導入してN型埋込層202を形成し、これらの上層
にN型エピタキシャル層203を形成する。続いて、N
型エピタキシャル層203にB等の不純物を導入し、P
型ウエル領域204を形成する。その後、フォトリソグ
ラフィと酸化拡散及びイオンインプランテーション等の
不純物導入を繰り返すことにより、N型エピタキシャル
領域203にP−MOSトランジスタ250が構成さ
れ、P型ウエル領域204にN−MOSトランジスタ2
51が構成される。P−MOSトランジスタ250及び
N−MOSトランジスタ251は、それぞれ厚さ数十n
mのゲート絶縁膜208を介してCVD法で堆積したポ
リシリコンによるゲート配線215や、N型あるいはP
型の不純物をそれぞれ導入したソース領域205、ドレ
イン領域206などで構成されている。これらP−MO
Sトランジスタ250及びN−MOSトランジスタ25
1によって、上述のロジック回路部分がCMOS論理回
路として構成されている。一方、発熱素子(発熱体)を
駆動するドライバとなるNPN型パワートランジスタ2
52は、同様の不純物導入及び拡散等の工程により、N
型エピタキシャル層203中にコレクタ領域211、ベ
ース領域212、エミッタ領域213等を設けることに
よって構成される。
【0026】このようにシリコン基板201に形成され
た各素子は、フィールド酸化によって形成された酸化膜
分離領域253によって、相互に素子分離されている。
このフィールド酸化膜は、発熱体の発熱部255下にお
いては、一層目の蓄熱層214として作用する。
た各素子は、フィールド酸化によって形成された酸化膜
分離領域253によって、相互に素子分離されている。
このフィールド酸化膜は、発熱体の発熱部255下にお
いては、一層目の蓄熱層214として作用する。
【0027】上述したようにして各素子を形成した後、
CVD法によってPSGやBPSG等からなる層間絶縁
膜216を堆積し、熱処理により平坦化処理を行ってか
らコンタクトホールを設けて一層目のアルミ配線217
を形成する。さらに、その後、プラズマCVD法によっ
てSiO等からなる層間絶縁膜218を堆積し、スルー
ホールを介して一層目のアルミ配線217と接続するよ
うに、抵抗層219と2層目のアルミ配線220を形成
する。発熱体では、抵抗層219とアルミ配線220と
が同一パターンで相互に積層するように形成されている
が、発熱部255においては、アルミ配線220が切り
欠かれ、抵抗層219のみに電流が通じるように構成さ
れている。このように構成することにより、発熱部25
5でのみ発熱するようになる。最後にプラズマCVD法
によってSiN膜を設けて保護層221とし、最上層に
Ta等からなる耐キャビテーション膜222を堆積し、
パッド部254を開口することによって、この記録ヘッ
ド用基体301が完成する。なおここでは、パワートラ
ンジスタをバイポーラトランジスタで構成したが、MO
Sトランジスタを用いることも可能である。
CVD法によってPSGやBPSG等からなる層間絶縁
膜216を堆積し、熱処理により平坦化処理を行ってか
らコンタクトホールを設けて一層目のアルミ配線217
を形成する。さらに、その後、プラズマCVD法によっ
てSiO等からなる層間絶縁膜218を堆積し、スルー
ホールを介して一層目のアルミ配線217と接続するよ
うに、抵抗層219と2層目のアルミ配線220を形成
する。発熱体では、抵抗層219とアルミ配線220と
が同一パターンで相互に積層するように形成されている
が、発熱部255においては、アルミ配線220が切り
欠かれ、抵抗層219のみに電流が通じるように構成さ
れている。このように構成することにより、発熱部25
5でのみ発熱するようになる。最後にプラズマCVD法
によってSiN膜を設けて保護層221とし、最上層に
Ta等からなる耐キャビテーション膜222を堆積し、
パッド部254を開口することによって、この記録ヘッ
ド用基体301が完成する。なおここでは、パワートラ
ンジスタをバイポーラトランジスタで構成したが、MO
Sトランジスタを用いることも可能である。
【0028】このように形成された本実施例の記録ヘッ
ド用基体は、カラー用のインクジェット記録ヘッドに
も、モノクロ用のインクジェット記録ヘッドにも共通し
て使用できるものである。
ド用基体は、カラー用のインクジェット記録ヘッドに
も、モノクロ用のインクジェット記録ヘッドにも共通し
て使用できるものである。
【0029】図2、図3は、この記録ヘッド用基体の構
成を示す平面図である。両図とも基体としての構成は全
く同一であるが、モノクロ用の記録ヘッドに適用した場
合(図2)であるか、カラー用の記録ヘッドに適用した
場合(図3)であるかで相違する。
成を示す平面図である。両図とも基体としての構成は全
く同一であるが、モノクロ用の記録ヘッドに適用した場
合(図2)であるか、カラー用の記録ヘッドに適用した
場合(図3)であるかで相違する。
【0030】まず基体の平面構成について説明する。基
体301は略長方形状であって、その一方の長辺に沿っ
て、180個またはその整数倍の発熱体302が、36
0dpiの密度ですなわち25.4mm当たり360個
またはその整数倍の密度で等間隔に配置している。他方
の長辺に沿って、外部回路との接続に使用される複数の
入力信号パッド310が配置している。基体301のほ
ぼ中央部分には、発熱体302を駆動するパワートラン
ジスタが配置されたパワートランジスタ配置領域303
が、発熱体302の配列方向に沿うように帯状に形成さ
れている。上述したようにパワートランジスタと発熱体
302とは1対1に対応しており、したがって、パワー
トランジスタ配置領域303には360個またはその整
数倍のパワートランジスタが含まれ、これらパワートラ
ンジスタは発熱体302の配列方向に直交する方向に1
行配列されている。
体301は略長方形状であって、その一方の長辺に沿っ
て、180個またはその整数倍の発熱体302が、36
0dpiの密度ですなわち25.4mm当たり360個
またはその整数倍の密度で等間隔に配置している。他方
の長辺に沿って、外部回路との接続に使用される複数の
入力信号パッド310が配置している。基体301のほ
ぼ中央部分には、発熱体302を駆動するパワートラン
ジスタが配置されたパワートランジスタ配置領域303
が、発熱体302の配列方向に沿うように帯状に形成さ
れている。上述したようにパワートランジスタと発熱体
302とは1対1に対応しており、したがって、パワー
トランジスタ配置領域303には360個またはその整
数倍のパワートランジスタが含まれ、これらパワートラ
ンジスタは発熱体302の配列方向に直交する方向に1
行配列されている。
【0031】発熱体302とパワートランジスタ配置領
域303内のパワートランジスタとは、アルミニウム等
からなる配線(図1のアルミ配線219)によって電気
的に接続されている。この配線の設けられる領域が、図
2や図3においてヒータ配線部304として表示されて
いる。ここで、これら発熱体302等の近傍における基
体301の構成を図4を用いて説明する。上述のように
1層目の蓄熱層214やその上の層間絶縁膜216まで
(図1参照)が形成された基板230上に、2層目の蓄
熱層として作用する層間絶縁膜218、抵抗層(発熱体
層)219、アルミ配線(ヒータ配線層)220が順次
積層されている。アルミ配線220の一部は、上述の発
熱体302の発熱部255となるべき部分においてエッ
チング等の手段により溝形状に除去されていて、その溝
の底部に抵抗層219の一部が露出する。この露出した
抵抗層219およびアルミ配線220の上には、これら
の層をインクの影響から保護する保護膜221およびT
a保護層として形成された耐キャビテーション膜222
が順次積層されている。これら2つの保護層も、アルミ
配線220の溝形状に対応した溝部分を有しており、こ
の溝部分においてインクを膜沸騰させることができる。
域303内のパワートランジスタとは、アルミニウム等
からなる配線(図1のアルミ配線219)によって電気
的に接続されている。この配線の設けられる領域が、図
2や図3においてヒータ配線部304として表示されて
いる。ここで、これら発熱体302等の近傍における基
体301の構成を図4を用いて説明する。上述のように
1層目の蓄熱層214やその上の層間絶縁膜216まで
(図1参照)が形成された基板230上に、2層目の蓄
熱層として作用する層間絶縁膜218、抵抗層(発熱体
層)219、アルミ配線(ヒータ配線層)220が順次
積層されている。アルミ配線220の一部は、上述の発
熱体302の発熱部255となるべき部分においてエッ
チング等の手段により溝形状に除去されていて、その溝
の底部に抵抗層219の一部が露出する。この露出した
抵抗層219およびアルミ配線220の上には、これら
の層をインクの影響から保護する保護膜221およびT
a保護層として形成された耐キャビテーション膜222
が順次積層されている。これら2つの保護層も、アルミ
配線220の溝形状に対応した溝部分を有しており、こ
の溝部分においてインクを膜沸騰させることができる。
【0032】図2、図3に戻り、この記録ヘッド用基体
301の他の構成要素について説明する。パワートラン
ジスタ配置領域303と入力信号パッド310側の長辺
との間の領域は、ロジック回路領域309である。ロジ
ック回路領域309には、CMOS論理回路で構成され
たシフトレジスタやラッチ回路などが形成されている。
入力信号パッド310は、このロジック回路領域309
内の各回路に信号を供給するために使用される。
301の他の構成要素について説明する。パワートラン
ジスタ配置領域303と入力信号パッド310側の長辺
との間の領域は、ロジック回路領域309である。ロジ
ック回路領域309には、CMOS論理回路で構成され
たシフトレジスタやラッチ回路などが形成されている。
入力信号パッド310は、このロジック回路領域309
内の各回路に信号を供給するために使用される。
【0033】また、入力信号パッド310側の基体30
1の長辺の両端部には、それぞれ比較的大きなパッド3
11,312が設けられている。一方のパッド311
は、各発熱体302に対し所定の発熱体駆動電圧(+V
H)を共通に印加するためのパッドであり、他方のパッ
ド312は接地(GND)用のパッドである。パワート
ランジスタ配置領域303の長手方向の両端部には、そ
れぞれ温度調節用のヒータ313が設けられ、この一方
のヒータ313の近傍にはサブヒータ314が設けられ
ている。基体301の角部であって発熱体302側にあ
る2つの角部には、温度センサ用のダイオード315が
設けられ、このダイオードの近傍にはスルーホール31
7が設けられている。また、パワートランジスタ配置領
域303の四隅にはそれぞれスルーホール316が設け
られている。これらスルーホール316,317は、そ
の下部において配線された2層の配線層とのコンタクト
を確立するためのものである。さらに、パワートランジ
スタ配置領域303の長手方向の両端に対応して、アセ
ンブリ時の位置検出に用いられるマーク318が形成さ
れている。
1の長辺の両端部には、それぞれ比較的大きなパッド3
11,312が設けられている。一方のパッド311
は、各発熱体302に対し所定の発熱体駆動電圧(+V
H)を共通に印加するためのパッドであり、他方のパッ
ド312は接地(GND)用のパッドである。パワート
ランジスタ配置領域303の長手方向の両端部には、そ
れぞれ温度調節用のヒータ313が設けられ、この一方
のヒータ313の近傍にはサブヒータ314が設けられ
ている。基体301の角部であって発熱体302側にあ
る2つの角部には、温度センサ用のダイオード315が
設けられ、このダイオードの近傍にはスルーホール31
7が設けられている。また、パワートランジスタ配置領
域303の四隅にはそれぞれスルーホール316が設け
られている。これらスルーホール316,317は、そ
の下部において配線された2層の配線層とのコンタクト
を確立するためのものである。さらに、パワートランジ
スタ配置領域303の長手方向の両端に対応して、アセ
ンブリ時の位置検出に用いられるマーク318が形成さ
れている。
【0034】次にこの基体301を用いてモノクロ用の
記録ヘッドに構成する場合を説明する。図2において太
線の円は後述するインク供給口405の位置を示すもの
であり、太線411は共通液室と液流路の形成領域を示
すものである。すなわち、共通液室の全幅に対応して1
80個またはその整数倍の発熱体302が等間隔に配列
していることになる。
記録ヘッドに構成する場合を説明する。図2において太
線の円は後述するインク供給口405の位置を示すもの
であり、太線411は共通液室と液流路の形成領域を示
すものである。すなわち、共通液室の全幅に対応して1
80個またはその整数倍の発熱体302が等間隔に配列
していることになる。
【0035】図5はモノクロ用の記録ヘッドに使用され
る溝付天板の斜視図である。この溝付天板400は、発
熱体の302の数と同数の吐出口402が形成されたオ
リフィスプレート401と、インクを供給するためのイ
ンク供給口405が一体的に成形されたものであり、イ
ンク供給口405に連通するように凹部404が形成さ
れている。凹部404は、溝付天板400が上述の基体
301と接合されることにより、一時的にインクを保持
するための共通液室となるものである。各吐出口402
に対応して、この吐出口402と凹部(共通液室)40
4とを連絡する液流路を構成するための溝403が形成
されている。基体301上の各発熱体302は、この溝
403に対応して配置している。なお、吐出口と液流路
とを合わせて一般にノズルという。
る溝付天板の斜視図である。この溝付天板400は、発
熱体の302の数と同数の吐出口402が形成されたオ
リフィスプレート401と、インクを供給するためのイ
ンク供給口405が一体的に成形されたものであり、イ
ンク供給口405に連通するように凹部404が形成さ
れている。凹部404は、溝付天板400が上述の基体
301と接合されることにより、一時的にインクを保持
するための共通液室となるものである。各吐出口402
に対応して、この吐出口402と凹部(共通液室)40
4とを連絡する液流路を構成するための溝403が形成
されている。基体301上の各発熱体302は、この溝
403に対応して配置している。なお、吐出口と液流路
とを合わせて一般にノズルという。
【0036】図6は、上述の記録ヘッド用基体301と
溝付天板400とを組み合わせて構成されたモノクロ用
のインクジェット記録ヘッドを示す斜視図である。ベー
スプレート501の端部に記録ヘッド用基体301を配
置し、この記録ヘッド用基体301を覆うように溝付天
板400を接合している。さらにベースプレート501
には、外部接続用の配線基板502が設けられており、
記録ヘッド用基体301の入力信号パッド310と配線
基板502とは、ボンディングワイヤ503によって電
気的に接続されている。この記録ヘッドでは、発熱体を
駆動することによって、その発熱体上のインクが急激に
加熱されて対応する液流路内に気泡が発生し、この気泡
の膨張によって、オリフィスプレート401の対応する
吐出口402からインクが吐出する。
溝付天板400とを組み合わせて構成されたモノクロ用
のインクジェット記録ヘッドを示す斜視図である。ベー
スプレート501の端部に記録ヘッド用基体301を配
置し、この記録ヘッド用基体301を覆うように溝付天
板400を接合している。さらにベースプレート501
には、外部接続用の配線基板502が設けられており、
記録ヘッド用基体301の入力信号パッド310と配線
基板502とは、ボンディングワイヤ503によって電
気的に接続されている。この記録ヘッドでは、発熱体を
駆動することによって、その発熱体上のインクが急激に
加熱されて対応する液流路内に気泡が発生し、この気泡
の膨張によって、オリフィスプレート401の対応する
吐出口402からインクが吐出する。
【0037】次に、上述の記録ヘッド用基体301を用
いてカラー用の記録ヘッドを構成する場合を説明する。
ここではカラー用の記録ヘッドとして、シアン、マゼン
タ、イエローの各色を記録するための3色一体型のイン
クジェット記録ヘッドを例に挙げて説明する。
いてカラー用の記録ヘッドを構成する場合を説明する。
ここではカラー用の記録ヘッドとして、シアン、マゼン
タ、イエローの各色を記録するための3色一体型のイン
クジェット記録ヘッドを例に挙げて説明する。
【0038】図3において、太線の円は、それぞれ、シ
アン用のインク供給口455aの位置、マゼンタ用のイ
ンク供給口455bの位置及びイエロー用のインク供給
口455cを示すものである。また、太線461aはシ
アンのインク用の共通液室と液流路の形成領域を示し、
太線461bはマゼンタのインク用の共通液室と液流路
の形成領域を示し、太線461cはイエローのインク用
の共通液室と液流路の形成領域を示している。結局、3
60dpiで配置されシアンインク用の共通液室の全幅
内に対応する48個またはその整数倍の発熱体302が
シアンインク用に使用されることになる。同様に、マゼ
ンタインク用とイエローインク用に、それぞれ48個ま
たはその整数倍の発熱体302が使用されることにな
る。そして、色間の領域321a,321b、すなわち
各色の共通液室や液流路の形成領域間の領域にも、それ
ぞれ、8個またはその整数倍ずつの発熱体302が配置
されており、この色間の領域の発熱体は後述するダミー
ノズル456に対応している。また、パワートランジス
タ配置領域303、ヒータ配線部304やロジック回路
領域309も、共通液室に対応する領域か色間の領域か
によらず、図2に示すモノクロ用の場合と同一に配置し
ている。
アン用のインク供給口455aの位置、マゼンタ用のイ
ンク供給口455bの位置及びイエロー用のインク供給
口455cを示すものである。また、太線461aはシ
アンのインク用の共通液室と液流路の形成領域を示し、
太線461bはマゼンタのインク用の共通液室と液流路
の形成領域を示し、太線461cはイエローのインク用
の共通液室と液流路の形成領域を示している。結局、3
60dpiで配置されシアンインク用の共通液室の全幅
内に対応する48個またはその整数倍の発熱体302が
シアンインク用に使用されることになる。同様に、マゼ
ンタインク用とイエローインク用に、それぞれ48個ま
たはその整数倍の発熱体302が使用されることにな
る。そして、色間の領域321a,321b、すなわち
各色の共通液室や液流路の形成領域間の領域にも、それ
ぞれ、8個またはその整数倍ずつの発熱体302が配置
されており、この色間の領域の発熱体は後述するダミー
ノズル456に対応している。また、パワートランジス
タ配置領域303、ヒータ配線部304やロジック回路
領域309も、共通液室に対応する領域か色間の領域か
によらず、図2に示すモノクロ用の場合と同一に配置し
ている。
【0039】図7はカラー用の記録ヘッドに使用される
溝付天板の斜視図である。この溝付天板450は、吐出
口が形成されたオリフィスプレート451と、シアン、
マゼンタ、イエローの各色ごとのインク供給口455a
〜455bが一体的に成形されたものである。各色のイ
ンク供給口455a〜455cにそれぞれに連通するよ
うに凹部454a〜454cが形成されており、これら
凹部454a〜454cは、溝付天板450が上述の基
体301と接合されることにより、それぞれ、シアン、
マゼンタ、イエロー用の共通液室となるものである。各
色の共通液室に対応して、それぞれ48個またはその整
数倍のシアンインク吐出用ノズル452a、マゼンタイ
ンク吐出用ノズル452b及びイエローインク吐出用ノ
ズル452cが形成されている。色間の領域には、それ
自体はインク吐出を行なわないが他のノズルからのイン
クの吐出の安定化を実現するダミーノズル456が設け
られている。基体301上の各発熱体302は、各吐出
用ノズル452a〜452cやダミーノズル456に対
応して配置している。
溝付天板の斜視図である。この溝付天板450は、吐出
口が形成されたオリフィスプレート451と、シアン、
マゼンタ、イエローの各色ごとのインク供給口455a
〜455bが一体的に成形されたものである。各色のイ
ンク供給口455a〜455cにそれぞれに連通するよ
うに凹部454a〜454cが形成されており、これら
凹部454a〜454cは、溝付天板450が上述の基
体301と接合されることにより、それぞれ、シアン、
マゼンタ、イエロー用の共通液室となるものである。各
色の共通液室に対応して、それぞれ48個またはその整
数倍のシアンインク吐出用ノズル452a、マゼンタイ
ンク吐出用ノズル452b及びイエローインク吐出用ノ
ズル452cが形成されている。色間の領域には、それ
自体はインク吐出を行なわないが他のノズルからのイン
クの吐出の安定化を実現するダミーノズル456が設け
られている。基体301上の各発熱体302は、各吐出
用ノズル452a〜452cやダミーノズル456に対
応して配置している。
【0040】図8は、上述の記録ヘッド用基体301と
溝付天板450とを組み合わせて構成されたカラー用の
インクジェット記録ヘッドを示す斜視図である。ベース
プレート501の端部に記録ヘッド用基体301を配置
し、この記録ヘッド用基体301を覆うように溝付天板
450を接合している。さらにベースプレート501に
は、外部接続用の配線基板502が設けられており、記
録ヘッド用基体301の入力信号パッド310と配線基
板502とは、ボンディングワイヤ503によって電気
的に接続されている。この記録ヘッドでは、発熱体を駆
動することによって、その発熱体上のインクが急激に加
熱されて対応するノズル内に気泡が発生し、この気泡の
膨張によって、ノズル先端の吐出口からインクが吐出す
る。
溝付天板450とを組み合わせて構成されたカラー用の
インクジェット記録ヘッドを示す斜視図である。ベース
プレート501の端部に記録ヘッド用基体301を配置
し、この記録ヘッド用基体301を覆うように溝付天板
450を接合している。さらにベースプレート501に
は、外部接続用の配線基板502が設けられており、記
録ヘッド用基体301の入力信号パッド310と配線基
板502とは、ボンディングワイヤ503によって電気
的に接続されている。この記録ヘッドでは、発熱体を駆
動することによって、その発熱体上のインクが急激に加
熱されて対応するノズル内に気泡が発生し、この気泡の
膨張によって、ノズル先端の吐出口からインクが吐出す
る。
【0041】なお、上述の説明から明らかなように、モ
ノクロ用の記録ヘッドとして構成した場合には、基体上
の全ての発熱体がインクの吐出に関与できるので、全て
の発熱体を駆動の対象として構わない。一方、カラー用
の記録ヘッドとして構成した場合であれば、色間の領域
の発熱体は共通液室に対応していないので、インクの吐
出に関係しない。しかしながら基体としてはカラー用と
モノクロ用の区別がないので、基体に入力する画像デー
タのデータ構成によっては、色間の部分の発熱体も駆動
されてしまうことがあり得る。そこで、基体に入力する
画像データを生成する場合には、色間の領域に配置され
た発熱体が駆動されないようなデータ構成とすることが
望ましい。
ノクロ用の記録ヘッドとして構成した場合には、基体上
の全ての発熱体がインクの吐出に関与できるので、全て
の発熱体を駆動の対象として構わない。一方、カラー用
の記録ヘッドとして構成した場合であれば、色間の領域
の発熱体は共通液室に対応していないので、インクの吐
出に関係しない。しかしながら基体としてはカラー用と
モノクロ用の区別がないので、基体に入力する画像デー
タのデータ構成によっては、色間の部分の発熱体も駆動
されてしまうことがあり得る。そこで、基体に入力する
画像データを生成する場合には、色間の領域に配置され
た発熱体が駆動されないようなデータ構成とすることが
望ましい。
【0042】以上説明したように、本実施例の記録ヘッ
ド用基体はカラー用のインクジェット記録ヘッドにも、
モノクロ用のインクジェット記録ヘッドにも使用するこ
とが可能である。
ド用基体はカラー用のインクジェット記録ヘッドにも、
モノクロ用のインクジェット記録ヘッドにも使用するこ
とが可能である。
【0043】次に、上述したようなインクジェット記録
ヘッドを用いたインクジェット記録装置について、説明
する。図9は本発明により得られたインクジェット記録
ヘッドをインクタンクと一体化したインクジェットヘッ
ドカートリッジ(IJC)として装着したインクジェッ
ト記録装置(IJRA)の一例を示す外観斜視図であ
る。
ヘッドを用いたインクジェット記録装置について、説明
する。図9は本発明により得られたインクジェット記録
ヘッドをインクタンクと一体化したインクジェットヘッ
ドカートリッジ(IJC)として装着したインクジェッ
ト記録装置(IJRA)の一例を示す外観斜視図であ
る。
【0044】図9において、20はプラテン24上に送
紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行
うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行
うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
【0045】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行う。このヘッド回復装置2
6のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピン
グに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜の
吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイン
ク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送を
行い、インクを吐出口より強制的に排出させることによ
りノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理を
行う。また、記録終了時等にキャッピングを施すことに
よりIJCが保護される。
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行う。このヘッド回復装置2
6のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピン
グに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜の
吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイン
ク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送を
行い、インクを吐出口より強制的に排出させることによ
りノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理を
行う。また、記録終了時等にキャッピングを施すことに
よりIJCが保護される。
【0046】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴ってIJC20の吐出面
における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるものであ
る。
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴ってIJC20の吐出面
における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるものであ
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、モノカラ
ー用の記録ヘッド用基体とカラー用の記録ヘッド用基体
とを共通の構成とすることにより、需要が拡大した高密
度記録カラー対応であるインクジェット記録ヘッド、こ
の記録ヘッドに用いられるインクジェット記録ヘッド用
基体およびこの記録ヘッドを用いたインクジェット記録
装置を低コストで供給することが可能になるという効果
がある。
ー用の記録ヘッド用基体とカラー用の記録ヘッド用基体
とを共通の構成とすることにより、需要が拡大した高密
度記録カラー対応であるインクジェット記録ヘッド、こ
の記録ヘッドに用いられるインクジェット記録ヘッド用
基体およびこの記録ヘッドを用いたインクジェット記録
装置を低コストで供給することが可能になるという効果
がある。
【図1】本発明の一実施例のインクジェット記録ヘッド
用基体を示す断面図である。
用基体を示す断面図である。
【図2】図1の記録ヘッド用基体の構成を示す平面図で
あって、モノクロ用の記録ヘッドへの適用例を示す図で
ある。
あって、モノクロ用の記録ヘッドへの適用例を示す図で
ある。
【図3】図1の記録ヘッド用基体の構成を示す平面図で
あって、カラー用の記録ヘッドへの適用例を示す図であ
る。
あって、カラー用の記録ヘッドへの適用例を示す図であ
る。
【図4】発熱体近傍での基体の構成を示す模式的断面図
である。
である。
【図5】モノクロ用の記録ヘッドに使用される溝付天板
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図6】図1の示す記録ヘッド用基体と図5に示す溝付
天板とを組み合せて構成されたモノクロ用のインクジェ
ット記録ヘッドを示す斜視図である。
天板とを組み合せて構成されたモノクロ用のインクジェ
ット記録ヘッドを示す斜視図である。
【図7】カラー用の記録ヘッドに使用される溝付天板を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図8】図1の示す記録ヘッド用基体と図7に示す溝付
天板とを組み合せて構成されたカラー用のインクジェッ
ト記録ヘッドを示す斜視図である。
天板とを組み合せて構成されたカラー用のインクジェッ
ト記録ヘッドを示す斜視図である。
【図9】本発明のインクジェット記録装置の一実施例を
示す概略斜視図である。
示す概略斜視図である。
【図10】インクジェット記録装置の記録ヘッドに使用
される基体の内部等価回路の一例を示す回路図である。
される基体の内部等価回路の一例を示す回路図である。
【図11】従来のインクジェット記録ヘッド用基体の構
成を示す概略平面図である。
成を示す概略平面図である。
【図12】インク吐出用の溝付天板の構成を示す斜視図
である。
である。
【図13】図11に示す基体と図12に示す溝付天板を
組み合わせて構成された記録ヘッドを示す斜視図であ
る。
組み合わせて構成された記録ヘッドを示す斜視図であ
る。
16 キャリッジ 17 駆動モータ 18 駆動ベルト 19A,19B ガイドシャフト 20 インクジェットヘッドカートリッジ 22 クリーニング用モータ 23 伝動機構 24 プラテン 26 ヘッド回復装置 26A キャップ部 30 ブレード 30A ブレード保持部材 201 シリコン基板 250 P−MOSトランジスタ 251 N−MOSトランジスタ 252 パワートランジスタ 255 発熱部 301 基体 302 発熱体 303 パワートランジスタ配置領域 304 ヒータ配線部 309 ロジック回路領域 310 入力信号パッド 400,450 溝付天板 401,451 オリフィスプレート 402 吐出口 403 溝 404,454a〜454c 凹部 405,455a〜455c インク供給口 452a〜452c インク吐出用ノズル 456 ダミーノズル 501 ベースプレート 502 配線基板
Claims (11)
- 【請求項1】 インクを吐出するために利用されるエネ
ルギーを発生する複数のエネルギー発生素子が配列して
設けられているインクジェット記録ヘッド用基体におい
て、単色のみの記録を行なうインクジェット記録ヘッド
にも複数色の記録を行なうインクジェット記録ヘッドに
も共通して使用されることを特徴とするインクジェット
記録ヘッド用基体。 - 【請求項2】 前記エネルギー発生素子を駆動するため
のドライバと画像データに対応して前記エネルギー発生
素子に選択的に駆動信号を印加するための論理回路とが
モノリシックに形成され、前記エネルギー発生素子が複
数の群に分離することなく一様な間隔で配列している請
求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。 - 【請求項3】 前記エネルギー発生素子が、インク吐出
用の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体である
請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッド用
基体。 - 【請求項4】 記録用のインクを吐出する吐出口と前記
吐出口に連通する液流路と前記液流路に供給するインク
を一時的に保持する共通液室を構成する凹部とを備えた
溝付天板と、インクを吐出するために利用されるエネル
ギーを発生する複数のエネルギー発生素子が前記液流路
ごとに対応して複数個配列して設けられているインクジ
ェット記録ヘッド用基体と、を接合することによって構
成されるインクジェット記録ヘッドにおいて、 単一の共通液室を有する単色用のインクジェット記録ヘ
ッドと相互に分離された複数の共通液室を有する複数色
用のインクジェット記録ヘッドとで、前記エネルギー発
生素子の配置構成が同一であることを特徴とするインク
ジェット記録ヘッド。 - 【請求項5】 前記インクジェット記録ヘッド用基体
に、前記エネルギー発生素子を駆動するためのドライバ
と画像データに対応して前記エネルギー発生素子に選択
的に駆動信号を印加するための論理回路とがモノリシッ
クに形成され、前記エネルギー発生素子が複数の群に分
離することなく一様な間隔で配列している請求項4に記
載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項6】 前記単色用のインクジェット記録ヘッド
として構成されるときは任意の前記エネルギー発生素子
に対応する前記画像データが入力可能であり、前記複数
色用のインクジェット記録ヘッドとして構成されるとき
には、入力する画像データが前記液流路の群の間のエネ
ルギー発生素子を駆動させないものとされる請求項5に
記載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項7】 記録用のインクを吐出する吐出口と前記
吐出口に連通する液流路と前記液流路に供給するインク
を一時的に保持する共通液室を構成する凹部とを備えた
溝付天板と、インクを吐出するために利用されるエネル
ギーを発生する複数のエネルギー発生素子が複数の群に
分離することなく一様な間隔で配列しているインクジェ
ット記録ヘッド用基体と、を接合することによって構成
されるインクジェット記録ヘッドにおいて、 相互に分離した複数の共通液室を有し、前記液流路が前
記共通液室ごとに群を形成して配列するとともに1つの
液流路に対して1つまたは複数のエネルギー発生素子が
対応し、かつ、前記液流路の群の間の領域にも前記エネ
ルギー発生素子が配置していることを特徴とする複数色
用のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項8】 前記インクジェット記録ヘッド用基体
に、前記エネルギー発生素子を駆動するためのドライバ
と画像データに対応して前記エネルギー発生素子に選択
的に駆動信号を印加するための論理回路とがモノリシッ
クに形成されている請求項7に記載のインクジェット記
録ヘッド。 - 【請求項9】 前記エネルギー発生素子がインク吐出用
の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体である請
求項4乃至8いずれか1項に記載のインクジェット記録
ヘッド。 - 【請求項10】 前記電気熱変換体によって印加される
熱エネルギーにより前記インクに生じる膜沸騰を利用し
て、前記吐出口より前記インクを吐出する請求項9に記
載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項11】 請求項4乃至10いずれか1項に記載
のインクジェット記録ヘッドを備え、記録信号に基づい
て前記インクを前記吐出口から吐出することにより記録
を行なうインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3192395A JPH08224875A (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3192395A JPH08224875A (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08224875A true JPH08224875A (ja) | 1996-09-03 |
Family
ID=12344501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3192395A Pending JPH08224875A (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08224875A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000038929A1 (fr) * | 1998-12-24 | 2000-07-06 | Seiko Epson Corporation | Tete d'impression a jet d'encre |
-
1995
- 1995-02-21 JP JP3192395A patent/JPH08224875A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000038929A1 (fr) * | 1998-12-24 | 2000-07-06 | Seiko Epson Corporation | Tete d'impression a jet d'encre |
US6457818B1 (en) | 1998-12-24 | 2002-10-01 | Seiko Epson Corporation | Ink jet type recording head |
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