JPH082236A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

Info

Publication number
JPH082236A
JPH082236A JP13979094A JP13979094A JPH082236A JP H082236 A JPH082236 A JP H082236A JP 13979094 A JP13979094 A JP 13979094A JP 13979094 A JP13979094 A JP 13979094A JP H082236 A JPH082236 A JP H082236A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
air
target
compressor
air temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13979094A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Takeo
裕治 竹尾
Akira Isaji
晃 伊佐治
Eiji Takahashi
英二 高橋
悟 ▲児▼玉
Satoru Kodama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP13979094A priority Critical patent/JPH082236A/ja
Publication of JPH082236A publication Critical patent/JPH082236A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電力で駆動する圧縮機の回転数を調節するこ
とによって室内への吹出空気温度を調節する空調装置に
おいて、室内の急速暖房あるいは急速冷房を良好に行い
得るようにする。 【構成】 制御装置50は、暖房モード時には、温度調
節レバーの設定位置に応じて冷凍サイクル31の高圧側
の目標圧力を決定し、実際の高圧側圧力が前記目標圧力
となるように圧縮機34の回転数を制御する。また冷房
モード時には、温度調節レバーの設定位置に応じて室内
蒸発器80を通過した直後の目標空気温度を決定し、室
内蒸発器80を通過した直後の空気の実際の温度が前記
目標温度となるように圧縮機34の回転数を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力で駆動する圧縮機
の回転数を調節することによって室内への吹出空気温度
を調節する空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような空調装置として、空調ダク
ト内に室内蒸発器と室内凝縮器とが設けられ、冷房,暖
房切換スイッチによって冷房モードとするか暖房モード
とするかを選択し、さらに温度調節レバーによって圧縮
機の回転数を決定して車室内への吹出空気温度を決定す
るようにした電気自動車用ヒートポンプ式空調装置が従
来から知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記のような空
調装置の場合、温度調節レバーの位置によって圧縮機の
回転数を決定しているので、車室内の急速暖房時や急速
冷房時には吹出空気温度の立ち上がりが悪いといった問
題があった。例えば暖房スイッチによって暖房モードを
選択し、温度調節レバーを最も高温側に設定して車室内
を急速暖房する場合を考える。このとき温度調節レバー
によって決定される圧縮機回転数を例えば6000rp
mとすると、圧縮機回転数は空調装置を起動してからま
もなく6000rpmとなる。
【0004】しかし、圧縮機回転数が6000rpmに
なったからといって、室内凝縮器の圧力はすぐには飽和
せず、しばらく時間が経過してから飽和する。つまり、
室内凝縮器の温度はしばらくは温かくならない。従っ
て、車室内を急速暖房するために温度調節レバーを最も
高温側に設定しても、圧縮機回転数がレバー位置に応じ
た回転数となるだけであって、実際に車室内に吹き出さ
れる空気はすぐには温まらないといった問題があった。
同様に、冷房スイッチによって冷房モードを選択し、温
度調節レバーを最も低温側に設定して車室内を急速冷房
する場合も、車室内に吹き出される空気はすぐには冷え
ないといった問題があった。
【0005】そこで本発明は上記問題に鑑み、電力で駆
動する圧縮機の回転数を調節することによって室内への
吹出空気温度を調節する空調装置において、室内の急速
暖房あるいは急速冷房を良好に行い得るようにすること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、空気流を発生する送風手
段と、この送風手段からの空気を室内に導く空気通路
と、電源から電力が供給されることよって駆動し、冷媒
を吸入,圧縮,吐出する圧縮機と、前記圧縮機が吐出し
た冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器からの冷媒を
減圧する減圧手段と、前記減圧手段からの冷媒を蒸発さ
せる蒸発器とを備えた冷凍サイクルとを備え、前記空気
通路内の空気を、前記凝縮器の凝縮熱によって加熱する
ように構成された空調装置において、空調運転者が室内
への吹出空気温度を設定するための温度設定手段と、前
記温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度を高温と
する側である程、室内への目標吹出空気温度を高く決定
する目標吹出空気温度決定手段と、前記吹出空気温度を
検出する吹出空気温度検出手段と、前記吹出空気温度検
出手段によって検出される吹出空気温度が前記目標吹出
空気温度決定手段によって決定される前記目標吹出空気
温度に近づくように、前記圧縮機の回転数を設定する圧
縮機回転数設定手段と、前記電源と前記圧縮機との間に
設けられ、前記圧縮機の回転数が前記圧縮機回転数設定
手段によって設定された回転数となるように前記圧縮機
を制御する回転数制御手段とを備えることを特徴とす
る。
【0007】また請求項2記載の発明では、空気流を発
生する送風手段と、この送風手段からの空気を室内に導
く空気通路と、電源から電力が供給されることよって駆
動し、冷媒を吸入,圧縮,吐出する圧縮機と、前記圧縮
機が吐出した冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器か
らの冷媒を減圧する減圧手段と、前記減圧手段からの冷
媒を蒸発させる蒸発器とを備えた冷凍サイクルとを備
え、前記空気通路内の空気を、前記蒸発器の蒸発熱によ
って冷却するように構成された空調装置において、空調
運転者が室内への吹出空気温度を設定するための温度設
定手段と、前記温度設定手段の設定位置が前記吹出空気
温度を低温とする側である程、室内への目標吹出空気温
度を低く決定する目標吹出空気温度決定手段と、前記吹
出空気温度を検出する吹出空気温度検出手段と、前記吹
出空気温度検出手段によって検出される吹出空気温度が
前記目標吹出空気温度決定手段によって決定される前記
目標吹出空気温度に近づくように、前記圧縮機の回転数
を設定する圧縮機回転数設定手段と、前記電源と前記圧
縮機との間に設けられ、前記圧縮機の回転数が前記圧縮
機回転数設定手段によって設定された回転数となるよう
に前記圧縮機を制御する回転数制御手段とを備えること
を特徴とする。
【0008】また請求項3に記載したように、請求項1
記載の空調装置において、前記目標吹出空気温度決定手
段を、前記温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度
を高温とする側である程、前記冷凍サイクルの高圧側圧
力の目標圧力を高く決定する目標高圧圧力決定手段で構
成し、前記吹出空気温度検出手段を、前記高圧側圧力を
検出する高圧圧力検出手段で構成しても良い。
【0009】また請求項4に記載したように、請求項1
記載の空調装置において、前記目標吹出空気温度決定手
段を、前記温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度
を高温とする側である程、前記冷凍サイクルの高圧側温
度の目標温度を高く決定する目標高圧温度決定手段で構
成し、前記吹出空気温度検出手段を、前記高圧側温度を
検出する高圧温度検出手段で構成しても良い。
【0010】また請求項5に記載したように、請求項2
記載の空調装置において、前記目標吹出空気温度決定手
段を、前記温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度
を低温とする側である程、前記蒸発器の目標温度を低く
決定する目標蒸発器温度決定手段で構成し、前記吹出空
気温度検出手段を、前記蒸発器温度を検出する蒸発器温
度検出手段で構成しても良い。
【0011】また請求項6に記載したように、請求項1
または2のいずれかに記載の空調装置において、前記目
標吹出空気温度と前記検出吹出空気温度との偏差を算出
する偏差算出手段と、この偏差算出手段によって算出さ
れる前記偏差の変化率を算出する変化率算出手段とを設
け、前記圧縮機回転数設定手段を、前記偏差と前記変化
率とに基づいて前記圧縮機の回転数を設定するように構
成しても良い。
【0012】また請求項7に記載したように、請求項1
記載の空調装置において、外気温度検出手段を備え、前
記圧縮機回転数設定手段によって設定される圧縮機回転
数が、外気温度が低くなるに応じて高く設定されるよう
に構成しても良い。また請求項8に記載したように、請
求項2記載の空調装置において、外気温度検出手段を備
え、前記圧縮機回転数設定手段によって設定される圧縮
機回転数が、外気温度が高くなるに応じて高く設定され
るように構成しても良い。
【0013】また請求項9に記載したように、請求項7
記載の空調装置において、前記目標吹出空気温度決定手
段を、前記温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度
を最も高温とする位置にあるときに決定する前記目標吹
出空気温度を、外気温度が低くなるに応じて高くするよ
うに構成しても良い。
【0014】また請求項10に記載したように、請求項
8記載の空調装置において、前記目標吹出空気温度決定
手段を、前記温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温
度を最も低温とする位置にあるときに決定する前記目標
吹出空気温度を、外気温度が高くなるに応じて低くする
ように構成しても良い。
【0015】
【発明の作用効果】請求項1,3,4,6,7記載の発
明によれば、目標吹出空気温度決定手段によって、温度
設定手段の設定位置が室内への吹出空気温度を高温とす
る側である程、室内への目標吹出空気温度が高く決定さ
れる。そして圧縮機回転数設定手段によって、実際の吹
出空気温度が前記目標吹出空気温度に近づくように圧縮
機回転数が設定され、回転数制御手段によって、前記設
定された回転数となるように圧縮機が制御される。
【0016】その結果、室内への吹出空気温度を前記目
標吹出空気温度とするのに十分な量だけ、凝縮器の温度
が高くなる。そして空気通路内の空気は凝縮器の凝縮熱
によって加熱され、室内への吹出空気の温度は前記目標
吹出空気温度となる。このように、空調運転者が温度設
定手段を自分の好みの位置に設定するのみで、室内への
吹出空気温度が前記目標吹出空気温度に近づくように制
御される。従って室内を急速に暖房することができる。
【0017】また請求項2,5,6,8記載の発明によ
れば、目標吹出空気温度決定手段によって、温度設定手
段の設定位置が室内への吹出空気温度を低温とする側で
ある程、室内への目標吹出空気温度が低く決定される。
そして圧縮機回転数設定手段によって、実際の吹出空気
温度が前記目標吹出空気温度に近づくように圧縮機回転
数が設定され、回転数制御手段によって、前記設定され
た回転数となるように圧縮機が制御される。
【0018】その結果、室内への吹出空気温度を前記目
標吹出空気温度とするのに十分な量だけ、凝縮器の温度
が低くなる。そして空気通路内の空気は蒸発器の蒸発熱
によって冷却され、室内への吹出空気の温度は前記目標
吹出空気温度となる。このように、空調運転者が温度設
定手段を自分の好みの位置に設定するのみで、室内への
吹出空気温度が前記目標吹出空気温度に近づくように制
御される。従って室内を急速に冷房することができる。
【0019】特に請求項3あるいは4記載の発明のよう
に、温度設定手段によって冷凍サイクルの高圧側圧力あ
るいは高圧側温度の目標値を決定し、実際の圧力あるい
は温度が前記目標値となるように圧縮機回転数を制御し
ても、室内への吹出空気温度はこの高圧側圧力あるいは
高圧側温度と関連性があることから、室内への吹出空気
温度を目標温度に近づくように制御することができる。
【0020】また請求項5記載の発明のように、温度設
定手段によって蒸発器の目標温度を決定し、実際の蒸発
器温度が前記目標温度となるように圧縮機回転数を制御
しても、室内への吹出空気温度はこの蒸発器温度と関連
性があることから、室内への吹出空気温度を目標温度に
近づくように制御することができる。また請求項7,8
記載の発明のようにすることによって、外気温度によら
ず室内暖房あるいは室内冷房を良好に行うことができ
る。
【0021】
【実施例】次に、本発明を電気自動車用空調装置に適用
した第1実施例を、図に基づいて説明する。まず図1に
基づいて本実施例の全体構成を説明する。室内ユニット
1は、車室内に空気を導く空気通路としてのダクト2を
備える。このダクト2は車室内に配設され、ダクト2の
空気上流側部位には、内外気切換手段3および送風機ユ
ニット4が接続されている。
【0022】内外気切換手段3は、車室内と連通して車
室内の空気(内気)を導入する内気導入口5と、車室外
と連通して車室外の空気(外気)を導入する外気導入口
6とを備える。また、内外気切換手段3は内外気切換ド
ア7を備え、この内外気切換ドア7が図中実線位置から
一点鎖線位置まで動くことによって、ダクト2内に導か
れる空気が内気と外気との間で切り換えられる。またこ
の内外気切換ドア7は図示しない駆動手段(具体的には
サーボモータ)によって駆動される。
【0023】送風機4は、本発明でいう送風手段を構成
するものであり、ファンケース8、ファン9、およびフ
ァンモータ10から成る。ファンモータ10はバッテリ
ー67(図2)から通電されることによってファン9を
回転駆動し、内気または外気をダクト2を介して車室内
に送風する。ダクト2の空気下流側部位には、ダクト2
を通過した空気を車室内前部中央から乗員の上半身に向
けて吹き出すセンタフェイス吹出口13と、前記空気を
車室内前部両脇から乗員の上半身またはサイドガラスに
向けて吹き出すサイドフェイス吹出口14と、前記空気
を乗員の足元に向けて吹き出すフット吹出口15と、前
記空気を窓ガラスの内面に向けて吹き出すデフロスタ吹
出口16とが形成されている。
【0024】そしてダクト2のうち、センタフェイス吹
出口13、フット吹出口15、およびデフロスタ吹出口
16へ通じる空気通路の上流側部位には、各吹出口への
空気流量を調節するセンタフェイスドア17、フットド
ア18、およびデフロスタドア19が設けられている。
なお、センタフェイス吹出口13およびサイドフェイス
吹出口14には、乗員の好みに応じて空気の吹出量を手
動調節する乗員開閉ドア20が設けられている。
【0025】ダクト2内には、自身の内部を流れる冷媒
とダクト2内の空気とを熱交換させる室内蒸発器80と
室内凝縮器81とが、ダクト2の全面に設けられてい
る。冷凍サイクル31は、室内蒸発器80と室内凝縮器
81とによって車室内の冷房と暖房を行うヒートポンプ
式冷凍サイクルで、室内蒸発器80と室内凝縮器81の
他に、室外熱交換器33、圧縮機34、第1減圧装置3
5a、第2減圧装置35b、アキュムレータ36、およ
び冷媒の流れ方向を切り換える四方弁37を備え、それ
ぞれ冷媒配管38によって接続されている。
【0026】なお、この実施例においては、請求項1記
載の発明でいう凝縮器を室内凝縮器81で構成し、減圧
手段を第2減圧装置35bで構成し、蒸発器を室外熱交
換器33で構成している。また請求項2記載の発明でい
う凝縮器を室外熱交換器33で構成し、減圧手段を第1
減圧装置35aで構成し、蒸発器を室内蒸発器80で構
成している。
【0027】室外熱交換器33は、ダクト2の外部にお
いて車室外の空気と冷媒との熱交換を行うもので、室外
ファン41を備えるとともに、車両の走行によって生じ
る走行風が良好に当たる位置に設けられている。圧縮機
34は、冷媒の吸入、圧縮、吐出を行うもので、図示し
ない電動モータにより駆動される。この圧縮機34は、
例えば電動モータと一体的に密封ケース内に配置され
る。電動モータは、直流電源であるバッテリー67(図
2参照)から電力が供給されて駆動するインバータ42
の制御によって回転速度が連続的に可変するもので、電
動モータの回転速度の変化によって圧縮機34の冷媒吐
出容量が連続的に変化する。なお、この実施例では、請
求項1,2記載の発明でいう回転数制御手段をインバー
タ42で構成している。
【0028】第1減圧装置35aは、冷房用キャピラリ
ーチューブ43によって構成されており、冷媒配管38
の一部に挿入されている。この冷房用キャピラリーチュ
ーブ43は、室外熱交換器33から室内蒸発器80へ流
入する冷媒を減圧膨張するものである。また、冷房用キ
ャピラリーチューブ43と四方弁37とを結ぶ冷媒配管
38の途中に、冷媒の流れ方向を切り換える電磁弁45
が挿入されている。
【0029】第2減圧装置35bは、暖房用キャピラリ
ーチューブ44によって構成されており、冷媒配管38
の一部に挿入されている。この暖房用キャピラリーチュ
ーブ44は、室内凝縮器81から室外熱交換器33へ流
入する冷媒を減圧膨張するものである。また、暖房用キ
ャピラリーチューブ44と並列して電磁弁46が設けら
れている。後述する除霜モード時にはこの電磁弁46が
開き、冷媒が暖房用キャピラリーチューブ44をバイパ
スする。また電磁弁46と室外熱交換器33とを結ぶ冷
媒配管38の途中に、後述する冷房モード時に冷媒が室
内凝縮器81に流入しないように一方向弁47が設けら
れている。また四方弁44と室外熱交換器33とを結ぶ
冷媒配管38の途中に、後述する暖房モード時に冷媒が
アキュムレータ36に流入しないように一方向弁48が
設けられている。
【0030】アキュムレータ36は、冷凍サイクル31
内の余剰冷媒を蓄えるとともに、圧縮機34に気冷媒の
みを送る気液分離器であって、圧縮機34が液冷媒を圧
縮するのを防止するために設けられている。四方弁37
は、後述する冷房モード時、暖房モード時、除霜モード
時に応じて冷媒の流れ方向を切り換える手段である。
【0031】次に、冷房モード時、暖房モード時、およ
び除霜モード時のそれぞれにおける冷媒の流れについて
説明する。 (冷房モード時)圧縮機34が吐出した冷媒は、四方弁
37→室外熱交換器33→冷房用キャピラリーチューブ
43→室内蒸発器80→アキュムレータ36→圧縮機3
4の順で流れる(図中矢印Cで示す)。
【0032】(暖房モード時)圧縮機34が吐出した冷
媒は、四方弁37→室内凝縮器81→暖房用キャピラリ
ーチューブ44→室外熱交換器33→アキュムレータ3
6→圧縮機34の順で流れる(図中矢印Hで示す)。 (除霜モード時)圧縮機34が吐出した冷媒は、四方弁
37→室内凝縮器81→電磁弁46→室外熱交換器33
→冷房用キャピラリーチューブ43→室内蒸発器80→
アキュムレータ36→圧縮機34の順で流れる(図中矢
印Fで示す)か、あるいは冷房モード時と同様の流れ方
をする。
【0033】制御装置50は、CPU,ROM,RA
M,インターフェイス等を持つマイクロコンピュータ
(図示しない)を内蔵し、図2に示すように、乗員によ
って操作されるコントロールパネル51の操作信号や、
後述する各種センサ信号等に基づいて、各電気部品の通
電制御を行うものである。上記コントロールパネル51
は、操作性の良い位置に配置され、図3に示すように、
各吹出モードの設定を行う吹出モード切換レバー52、
内外気切換モードを切り換える内外気切換スイッチ5
4、車室内への吹出風温度を調節する温度調節レバー5
6、車室内へ吹き出される風量を設定する風量設定スイ
ッチ514、および各空調モードの設定および停止を指
示する空調モード設定スイッチ55を備える。なお、こ
の実施例においては、請求項1,2記載の発明でいう温
度設定手段を温度調節レバー56で構成している。
【0034】上記温度調節レバー56は図示しない摺動
端子が連結されており、温度調節レバー56を図3中左
右方向に動かすと、これに連動して、両端に所定の電圧
が印加された抵抗素子上を前記摺動端子が摺動するよう
に構成されている。そして制御装置50は、この摺動端
子から出力される電圧を検出することによって温度調節
レバー56の設定位置を読み取る。
【0035】また空調モード設定スイッチ55は、冷房
モードの起動を指示する冷房スイッチ55aと、暖房モ
ードの起動を指示する暖房スイッチ55bとで構成され
ている。なお、両スイッチ55a,55bは同時にオン
しないように構成されている。また両スイッチ55a,
55bを共にオフする場合は、送風モードの起動を指示
する。この送風モードは、両スイッチ55a,55bの
うち一方がオンしている状態で、他方を軽く押すことに
よって両方のスイッチが共にオフとなることによって実
現する。
【0036】上記した各種センサとしては、圧縮機34
の温度を検出する圧縮機温度検出器61、圧縮機34の
吐出圧力を検出する圧力センサ62、室内蒸発器80を
通過した直後の空気温度を検出する蒸発器後センサ6
4、室内凝縮器81を通過した直後の空気温度を検出す
る凝縮器後センサ65、および外気温度を検出する外気
温度センサ66が用いられている。
【0037】なお、この実施例においては、請求項1記
載の発明でいう吹出空気温度検出手段、および請求項3
記載の発明でいう高圧圧力検出手段を圧力センサ62で
構成し請求項2記載の発明でいう吹出空気温度検出手段
および請求項5記載の発明でいう蒸発器温度検出手段を
蒸発器後センサ64で構成している。制御装置50は、
圧力センサ62の検出値が所定値以上になったら圧縮機
34を停止させて、冷凍サイクル31の高圧が異常上昇
しないように制御し、蒸発器後センサ64の検出値が所
定値以下になったら圧縮機34を停止させて、室内蒸発
器80がフロストしないように制御する。
【0038】バッテリー67は、車両を走行させる回転
出力を発生する走行用モータ(図示しない)に電力を供
給するものである。このバッテリー67は、走行等によ
って消費した電力を充電するための充電装置70を備え
る。この充電装置70は電力供給源(電気スタンドある
いは商業用電源)に接続されるコンセント71を備え、
このコンセント71を電力供給源に接続することにより
バッテリー67の充電を行う。
【0039】次に、制御装置50が行う圧縮機34の回
転数制御について図4のフローチャートに基づいて説明
する。制御装置50はバッテリー電源が投入されると作
動が開始し、ステップ501によりマイクロコンピュー
タ内部のRAMのイニシャライズおよび各出力にイニシ
ャル値を出力する。
【0040】次にステップ502に進み、図3に示す冷
房スイッチ55aがオンしているか否かを判定する。こ
こでNOと判定されたらステップ503に進み、暖房ス
イッチ55bがオンしているか否かを判定する。ここで
さらにNOと判定されたら、ステップ506にて圧縮機
34が停止され、送風モードとなる。ステップ504で
は、冷房モードとなるように四方弁37を制御するとと
もに、冷房モード時の圧縮機34の回転数制御を行う。
またステップ505では、暖房モードとなるように四方
弁47を制御するとともに、暖房モード時の圧縮機34
の回転数制御を行う。このステップ504およびステッ
プ505の詳細な制御内容については、後述する暖房モ
ード時の作動説明および冷房モード時の作動説明にて説
明する。
【0041】ステップ504〜506にて四方弁37、
圧縮機34の制御を行ったら、ステップ507にてファ
ンモータ10を制御して車室内への吹出風量を制御し、
ステップ508にて室外ファン41を制御する。なお、
上記各ステップはそれぞれの機能を実現する手段を構成
する。次に、上記制御装置50が行う圧縮機34の回転
数制御をもう少し具体的に説明する。まず暖房スイッチ
55bがオンされて暖房モードとなったときについて説
明する。
【0042】(暖房モード時)まず、ステップ501の
制御を行った後、ステップ502,ステップ503と進
み、ここでYESと判定されてステップ505に移る。
このステップ505では、ROMに記憶された図5に示
す関係より、温度調節レバー56の設定位置に応じて冷
凍サイクル31の高圧側の目標圧力POを決定する。こ
こで目標圧力POは、温度調節レバー56が図3中左端
(車室内への吹出空気温度を最低とする位置)にあると
きに8(kg/cm2G )に決定される。また温度調節レバー
56を図3中右側に移動させるに応じて、目標圧力PO
は高くなり、図3中右端(車室内への吹出空気温度を最
高とする位置)となったときに16(kg/cm2G )に決定
される。
【0043】なお、この実施例では、請求項1記載の発
明でいう目標吹出空気温度決定手段を、温度調節レバー
56の設定位置に対応する目標圧力POを図5の関係か
ら決定する制御ステップにて構成している。そして次
に、目標圧力POと圧力センサ62で検出された高圧側
圧力PRとの偏差En を下記数式1に基づいて算出す
る。
【0044】
【数1】En =PO−PR 次に、下記数式2に基づいて偏差変化率Edot を算出す
る。
【0045】
【数2】Edot =En −En-1 ここでEn は4秒毎に更新されるため、En-1 はEn に
対して4秒前の値となる。
【0046】なお、この実施例では、請求項6記載の発
明でいう偏差算出手段を、上記数式1に基づいてEn を
算出する制御ステップにて構成し、変化率算出手段を、
上記数式2に基づいてEdot を算出する制御ステップに
て構成している。次に、このEn およびEdot を用い
て、ROMに記憶された図6に示すメンバーシップ関数
と、ROMに記憶された図7に示すルールとを用いたフ
ァジー推論に基づいて、4秒前の圧縮機回転数fn-1
(rpm)に対して増減する回転数Δf(rpm/4sec)を求め
る。具体的には、図6(a)で求まるCF1と図6
(b)で求まるCF2とから、下記数式3に基づいて入
力適合度CFを求め、さらにこの入力適合度CFと図7
のルール値とから、下記数式4に基づいてΔfを求め
る。
【0047】
【数3】CF=CF1×CF2
【0048】
【数4】Δf=Σ(CF×ルール値)/ΣCF 例えば、En =5の場合、図6(a)からCF1はNB
=0,NS=0,ZO=0,PS=0.75,PB=
0.25となる。またEdot =−0.15の場合、図6
(b)からNB=0,NS=0.5,ZO=0.5,P
S=0,PB=0となる。
【0049】従って数式4の分母であるΣCFは、0.
75×0.5+0.75×0.5+0.25×0.5+
0.25×0.5=1となる。また、上記数式4の分子
であるΣ(CF×ルール値)は、0.75×0.5×
(−30)+0.75×0.5×75+0.25×0.
5×150+0.25×0.5×300=73.125
となる。
【0050】これにより、Δf=73.125となる。
従って圧縮機回転数fn は、4秒前の回転数fn-1 より
も73.125(rpm)だけ増加する。なお、図7のルー
ル表でブランクとなっているところについては、上記数
式3および数式4の計算を行わないこととする。またΣ
CF=0の場合はΔf=0とする。
【0051】このように、En およびEdot に基づいて
Δfを決定したら、圧縮機34の実際の回転数がfn
(=fn-1 +Δf)となるようにインバータ42を通電
制御する。その後、ステップ507,ステップ508を
実行する。なお、この実施例では、請求項1,2記載の
発明でいう圧縮機回転数設定手段を、上記したようにΔ
fを求め、このΔfに基づいてfn を求める制御ステッ
プにて構成している。
【0052】以上説明したステップ505の制御を行う
ことによって、圧縮機34の回転数の挙動は図8(b)
に示すようになり、その結果、高圧側圧力の挙動は図8
(a)に示すようになる。なお図8は、目標圧力POが
15(kg/cm2G )に決定された場合についてのものであ
り、空調装置を起動したときをt=0としている。つま
り図8(a)に示すように、t=0のときには、目標圧
力POと検出圧力PRとの偏差が大きいため、Δfは大
きな値として算出され、図8(b)に示すように圧縮機
回転数は急激に上昇する。その結果、図8(a)に示す
ようにPRがPOに急激に近づこうとする。そしてPR
がPOに近づいてくると、偏差Enが小さくなるため、
Δfは小さな値として算出され、圧縮機回転数の上昇率
は徐々に小さくなり、そのうち回転数は下降するように
なる。その結果、PRは、POをオーバーシュートする
ことなく、空調装置を起動してからすぐに目標圧力PO
に飽和する。
【0053】ところで本実施例において、冷凍サイクル
31の高圧側圧力が目標圧力となるように制御する理由
は以下に述べる通りである。すなわち、冷凍サイクル3
1の高圧側圧力は、室内凝縮器81の温度と相関関係が
ある。つまり高圧側圧力は、室内凝縮器81を通過した
空気温度(車室内への吹出空気温度)と相関関係があ
る。従って、図5の関係から決定される目標圧力PO
を、車室内への吹出空気温度と関連させて決定しておけ
ば、本実施例では温度調節レバー56を所定位置に設定
するのみで、空調装置の起動後すぐに車室内への吹出空
気温度が乗員の希望に合った温度に到達することにな
る。
【0054】従って、真冬の朝一番に車両に乗り込むと
きのように、車室内を急速に暖房したいときでも、乗員
が温度調節レバー56を自分の好みの位置に設定すれ
ば、それに見合った温度の風が空調開始からすぐに吹き
出され、車室内が急速に暖房されることになる。次に、
冷房スイッチ55aがオンされて冷房モードとなったと
きについて説明する。
【0055】(冷房モード時)まず、ステップ501の
制御を行った後、ステップ502でYESと判定されて
ステップ504に移る。このステップ504では、RO
Mに記憶された図9に示す関係より、温度調節レバー5
6の設定位置に応じて、室内蒸発器80を通過した直後
の空気の目標温度TEOを決定する。ここで目標温度T
EOは、温度調節レバー56が図3中左端(車室内への
吹出空気温度を最低とする位置)にあるときに3(℃)
に決定される。また温度調節レバー56を図3中右側に
移動させるに応じて、目標温度TEOは高くなり、図3
中右端(車室内への吹出空気温度を最高とする位置)と
なったときに20(℃)に決定される。
【0056】なお、この実施例では、請求項1記載の発
明でいう目標吹出空気温度決定手段を、温度調節レバー
56の設定位置に対応する目標圧力TEOを図9の関係
から決定する制御ステップにて構成している。そして次
に、目標温度TEOと、蒸発器後センサ64で検出され
た室内蒸発器80を通過した直後の空気温度TEとの偏
差En を下記数式5に基づいて算出する。
【0057】
【数5】En =TEO−TE 次に、下記数式6に基づいて偏差変化率Edot を算出す
る。
【0058】
【数6】Edot =En −En-1 ここでEn は4秒毎に更新されるため、En-1 はEn に
対して4秒前の値となる。
【0059】なお、この実施例では、請求項6記載の発
明でいう偏差算出手段を、上記数式5に基づいてEn を
算出する制御ステップにて構成し、変化率算出手段を、
上記数式6に基づいてEdot を算出する制御ステップに
て構成している。次に、このEn およびEdot を用い
て、ROMに記憶された図10に示すメンバーシップ関
数と、ROMに記憶された図11に示すルールとを用い
たファジー推論に基づいて、4秒前の圧縮機回転数fn-
1 (rpm)に対して増減する回転数Δf(rpm/4sec)を求
める。具体的には、図10(a)で求まるCF1と図1
0(b)で求まるCF2とから、上記数式3に基づいて
入力適合度CFを求め、さらにこの入力適合度CFと図
11のルール値とから、上記数式4に基づいてΔfを求
める。
【0060】このように、En およびEdot に基づいて
Δfを決定したら、圧縮機34の実際の回転数がfn
(=fn-1 +Δf)となるようにインバータ42を通電
制御する。その後、ステップ507,ステップ508を
実行する。なお、この実施例では、請求項1,2記載の
発明でいう圧縮機回転数設定手段を、上記したようにΔ
fを求め、このΔfに基づいてfn を求める制御ステッ
プにて構成している。
【0061】以上説明したステップ504の制御を行う
ことによって、圧縮機34の回転数の挙動は図12
(b)に示すようになり、その結果、TEは図12
(a)に示すように、空調装置起動からすぐにTEOに
飽和する。なお、図12では空調装置を起動したときを
t=0としている。つまり図12(a)に示すように、
t=0のときには、目標温度TEOと検出温度TEとの
偏差が大きいため、Δfは大きな値として算出され、図
12(b)に示すように圧縮機回転数は急激に上昇す
る。その結果、図12(a)に示すようにTEがTEO
に急激に近づこうとする。そしてTEがTEOに近づい
てくると、偏差En が小さくなるため、Δfは小さな値
として算出され、圧縮機回転数の上昇率は徐々に小さく
なり、そのうち回転数は下降するようになる。その結果
TEは、TEOをオーバーシュートすることなく、空調
装置を起動してからすぐに目標温度TEOに飽和する。
【0062】ここで、図9の関係から決定される目標温
度TEOを、車室内への吹出空気温度と関連させて決定
しておけば、本実施例では温度調節レバー56を所定位
置に設定するのみで、空調装置の起動後すぐに車室内へ
の吹出空気温度が乗員の希望に合った温度に到達するこ
とになる。従って、真夏に長時間駐車した後に車両に乗
り込むときのように、車室内を急速に冷房したいときで
も、乗員が温度調節レバー56を自分の好みの位置に設
定すれば、それに見合った温度の風が空調開始からすぐ
に吹き出され、車室内が急速に冷房されることになる。
【0063】以上説明したように本実施例では、温度調
節レバー56の設定位置によって決定される値を、圧縮
機34の目標回転数とするのではなく、高圧側の目標圧
力PO(暖房時)あるいは室内蒸発器80を通過した直
後の目標空気温度TEO(冷房時)とし、実際の高圧側
圧力あるいは室内蒸発器80を通過した直後の空気温度
が上記各目標値となるように制御するので、温度調節レ
バー56を所定位置に設定するのみで、空調装置の起動
後すぐに乗員の希望する温度の風が車室内に吹き出され
る。
【0064】また本実施例では、圧力センサ62および
蒸発器後センサ64という、従来から電気自動車用空調
装置に用いられてきたセンサを用いて上記偏差En を求
めているので、温度調節レバー56を所定位置に設定す
るだけで車室内の急速暖房、急速冷房が行えるという制
御を、わざわざ別個にセンサを設けることなく行うこと
ができる。
【0065】また本実施例では、上記偏差En および偏
差変化率Edot に基づいて圧縮機回転数の目標値を決定
するようにしたので、高圧側圧力あるいは室内蒸発器8
0を通過した直後の空気温度が各目標値に対して、早急
にかつ目標値をオーバーシュートすることなく近づく。
次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0066】上記第1実施例では、暖房モード時に、温
度調節レバー56の設定位置に応じて高圧側の目標圧力
POを決定するようにしたが、室内凝縮器81を通過し
た直後の目標空気温度TCOを決定するようにしても良
い。この場合上記偏差En は、上記目標温度TCOと凝
縮器後センサ65の検出値TCとの差で求める。つまり
この実施例では、請求項1記載の発明でいう吹出空気温
度検出手段および請求項4記載の発明でいう高圧温度検
出手段を凝縮器後センサ65で構成する。
【0067】なお第2実施例では、温度調節レバー56
が図3中左端にあるときには、図5のカッコで示すよう
に30(℃)に決定される。また温度調節レバー56を
図3中右側に移動させるに応じて目標温度TCOは高く
なり、図3中右端となったときに60(℃)に決定され
る。また第2実施例では、圧縮機34の回転数の挙動は
図8(b)に示すようになり、その結果、高圧側圧力の
挙動は図8(a)に示すようになる。
【0068】このように第2実施例においても、温度調
節レバー56を所定位置に設定するのみで、空調装置の
起動後すぐに乗員の希望する温度の風が車室内に吹き出
される。次に、本発明の第3実施例について説明する。
本実施例では、外気温度検出手段としての外気温度セン
サ66からの検出値に基づいて、暖房モード時には、外
気温度が低い程車室内への吹出空気温度が速く温かくな
るように制御し、冷房モード時には、外気温度が高い程
車室内への吹出空気温度が速く冷たくなるように制御す
る。以下各モード時について詳細に説明する。
【0069】(暖房モード時)まず、図5に示す関係に
基づいて、温度調節レバー56の設定位置に応じた目標
圧力POを決定するわけだが、この実施例においては、
温度調節レバー56を図3中右端に設定したときの高圧
側目標圧力POを、図13に示すように外気温度によっ
て可変する。従って、外気温度が例えば25℃のときに
は、温度調節レバー56を図3中左端に設定したときの
POは8(kg/cm2G )となり、温度調節レバー56を図
3中右側に動かすに応じてPOは大きくなり、右端に設
定したときにPOは9.5(kg/cm2G )となる。
【0070】そして図14に示すメンバーシップ関数お
よび図15、図16に示すルールに基づいて圧縮機回転
数の増減値Δfを求め、このΔfに基づいてインバータ
42を制御する。なお、上記数式4で用いる入力適合度
CFは下記数式7に基づいて求める。
【0071】
【数7】CF=CF1×CF2×CF3 このように、外気温度が低くなるに応じて圧縮機34の
回転数を高くするように制御することによって、外気温
度によらず常に同じように急速暖房を行うことができ
る。
【0072】また、温度調節レバー56の設定位置によ
って決定される目標圧力POを外気温度によって可変す
るようにしたので、以下に述べる効果が現れる。すなわ
ち、温度調節レバー56の設定位置によって決定される
目標圧力POを外気温度とは関係なく常に同じとした場
合、例えば外気温度が低い真冬では、温度調節レバー5
6を図3中右端に設定した場合でも所望の高温の風が吹
き出されないといった問題が生ずる。
【0073】そこで本実施例のようにすれば、外気温度
が低くなるに応じて温度調節レバー56を右端に設定し
たときの目標圧力POを大きく決定するので、上記のよ
うな問題が解決され、外気温度が低くても所望の高温の
風が吹き出されるようになる。また、あまり広い範囲で
圧縮機34を回転させなくても理想的な空調ができる春
や秋では、温度調節レバー56を左端から右端まで使用
することはなく、実際には一部の範囲でのみ使用する。
つまり春や秋では温度調節レバー56の使用範囲が狭く
なるので、きめ細かな吹出風温度制御ができなくなる。
【0074】それに対して本実施例では、外気温度が高
くなればその分、温度調節レバー56を右端に設定した
ときの目標圧力POが小さくなるので、結果として、温
度調節レバー56を動かしたときに変化する目標圧力P
Oの大きさが小さくなる。つまり目標圧力POを温度調
節レバー56によってきめ細かく決定することができ
る。
【0075】(冷房モード時)まず、図9に示す関係に
基づいて、温度調節レバー56の設定位置に応じた目標
温度TEOを決定するわけだが、この実施例において
は、温度調節レバー56を図3中左端に設定したときの
目標温度TEOを、図17に示すように外気温度によっ
て可変する。従って、外気温度が例えば35℃のときに
は、温度調節レバー56を図3中左端に設定したときの
TEOは0(℃)となり、温度調節レバー56を図3中
右側に動かすに応じてTEOは大きくなり、右端に設定
したときにTEOは20(℃)となる。
【0076】そして図示しないメンバーシップ関数およ
びルールに基づいて圧縮機回転数の増減値Δfを求め
る。ここでは、外気温度が高くなるに応じて圧縮機34
の回転数が高くなるようにΔfを求める。そしてこのΔ
fに基づいてインバータ42を制御する。これによっ
て、外気温度によらず常に同じように急速冷房を行うこ
とができる。
【0077】また、温度調節レバー56の設定位置によ
って決定される目標温度TEOを外気温度によって可変
するようにしたので、以下に述べる効果が現れる。すな
わち、温度調節レバー56の設定位置によって決定され
る目標温度TEOを外気温度とは関係なく常に同じとし
た場合、例えば外気温度が高い真夏では、温度調節レバ
ー56を図3中左端に設定した場合でも所望の低温の風
が吹き出されないといったことが生ずる。
【0078】そこで本実施例のようにすれば、外気温度
が高くなるに応じて温度調節レバー56を左端に設定し
たときの目標温度TEOを低く決定するので、上記のよ
うな問題が解決され、外気温度が高くても所望の低温の
風が吹き出されるようになる。また本実施例では、外気
温度が低くなればその分、温度調節レバー56を左端に
設定したときの目標温度TEOが大きくなるので、結果
として、温度調節レバー56を動かしたときに変化する
目標温度TEOの大きさが小さくなる。つまり目標温度
TEOを温度調節レバー56によってきめ細かく決定す
ることができる。
【0079】以上説明した第3実施例では、暖房モード
時は温度調節レバー56の設定位置によって高圧側の目
標圧力POを決定し、実際の高圧側圧力がこの目標圧力
POとなるように制御したが、温度調節レバー56の設
定位置によって室内凝縮器81を通過した直後の目標空
気温度TCOを決定し、実際の空気温度TCが目標温度
TCOとなるように制御しても良い。
【0080】この場合、温度調節レバー56を右端に設
定したときの目標温度TCOを、図13のカッコで示す
ように40(℃)から60(℃)の間で決定する。上記
各実施例では、目標値と実際の値との偏差En および偏
差変化率Edot からファジー推論を用いてΔfを求めた
が、P制御、PI制御、PID制御等を用いてΔfを求
めるようにしても良い。またファジー推論を用いる場合
も、5×5のルールに限らず、さらに細かいルールを用
いても良いし、逆にあらいルールを用いても良い。
【0081】また上記各実施例では、ダクト2内に室内
蒸発器80および室内凝縮器81を設け、これらの熱交
換器によって直接ダクト2内の空気を冷却、加熱するよ
うに構成したが、例えば自身の内部を水が流れる熱交換
器をダクト2内に設け、この水温を冷凍サイクル31の
蒸発器の蒸発熱によって冷却することによって、車室内
への吹出風温度を冷却する構成としても良いし、前記温
水を冷凍サイクル31の凝縮器の凝縮熱によって加熱す
ることによって、車室内への吹出風温度を加熱する構成
としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例の全体構成図である。
【図2】上記実施例の制御系のブロック図である。
【図3】上記実施例のコントロールパネルの正面図であ
る。
【図4】上記実施例の制御フローチャートである。
【図5】上記実施例の温度調節レバー位置と目標圧力P
O(目標温度TCO)との関係を示すグラフである。
【図6】上記実施例の制御装置が暖房モード時に用いる
メンバーシップ関数である。
【図7】上記制御装置が暖房モード時に用いるファジー
ルール表である。
【図8】図8(a)は、上記実施例の暖房モード時にお
ける高圧側圧力(高圧側温度)の挙動を示す特性図であ
り、図8(b)は同じく暖房モード時における圧縮機回
転数の挙動を示す特性図である。
【図9】上記実施例の温度調節レバー位置と目標温度T
EOとの関係を示すグラフである。
【図10】上記実施例の制御装置が冷房モード時に用い
るメンバーシップ関数である。
【図11】上記制御装置が冷房モード時に用いるファジ
ールール表である。
【図12】図12(a)は、上記実施例の冷房モード時
における高圧側圧力(高圧側温度)の挙動を示す特性図
であり、図12(b)は同じく冷房モード時における圧
縮機回転数の挙動を示す特性図である。
【図13】本発明第3実施例の暖房モード時における、
温度調節レバーの右端位置に対応する目標圧力PO(目
標温度TCO)と外気温度との関係を示すグラフであ
る。
【図14】上記第3実施例の制御装置が暖房モード時に
用いるメンバーシップ関数である。
【図15】上記第3実施例の制御装置が暖房モード時に
用いるファジールール表である。
【図16】上記第3実施例の制御装置が暖房モード時に
用いるファジールール表である。
【図17】本発明第3実施例の冷房モード時における、
温度調節レバーの左端位置に対応する目標温度TEOと
外気温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2 ダクト(空気通路) 4 送風機(送風手段) 31 冷凍サイクル 50 制御装置 56 温度調節レバー(温度設定手段) 80 室内蒸発器(蒸発器) 81 室内凝縮器(凝縮器)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲児▼玉 悟 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気流を発生する送風手段と、 この送風手段からの空気を室内に導く空気通路と、 電源から電力が供給されることよって駆動し、冷媒を吸
    入,圧縮,吐出する圧縮機と、前記圧縮機が吐出した冷
    媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器からの冷媒を減圧
    する減圧手段と、前記減圧手段からの冷媒を蒸発させる
    蒸発器とを備えた冷凍サイクルとを備え、 前記空気通路内の空気を、前記凝縮器の凝縮熱によって
    加熱するように構成された空調装置において、 空調運転者が室内への吹出空気温度を設定するための温
    度設定手段と、 前記温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度を高温
    とする側である程、室内への目標吹出空気温度を高く決
    定する目標吹出空気温度決定手段と、 前記吹出空気温度を検出する吹出空気温度検出手段と、 前記吹出空気温度検出手段によって検出される吹出空気
    温度が前記目標吹出空気温度決定手段によって決定され
    る前記目標吹出空気温度に近づくように、前記圧縮機の
    回転数を設定する圧縮機回転数設定手段と、 前記電源と前記圧縮機との間に設けられ、前記圧縮機の
    回転数が前記圧縮機回転数設定手段によって設定された
    回転数となるように前記圧縮機を制御する回転数制御手
    段とを備えることを特徴とする空調装置。
  2. 【請求項2】 空気流を発生する送風手段と、 この送風手段からの空気を室内に導く空気通路と、 電源から電力が供給されることよって駆動し、冷媒を吸
    入,圧縮,吐出する圧縮機と、前記圧縮機が吐出した冷
    媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器からの冷媒を減圧
    する減圧手段と、前記減圧手段からの冷媒を蒸発させる
    蒸発器とを備えた冷凍サイクルとを備え、 前記空気通路内の空気を、前記蒸発器の蒸発熱によって
    冷却するように構成された空調装置において、 空調運転者が室内への吹出空気温度を設定するための温
    度設定手段と、 前記温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度を低温
    とする側である程、室内への目標吹出空気温度を低く決
    定する目標吹出空気温度決定手段と、 前記吹出空気温度を検出する吹出空気温度検出手段と、 前記吹出空気温度検出手段によって検出される吹出空気
    温度が前記目標吹出空気温度決定手段によって決定され
    る前記目標吹出空気温度に近づくように、前記圧縮機の
    回転数を設定する圧縮機回転数設定手段と、 前記電源と前記圧縮機との間に設けられ、前記圧縮機の
    回転数が前記圧縮機回転数設定手段によって設定された
    回転数となるように前記圧縮機を制御する回転数制御手
    段とを備えることを特徴とする空調装置。
  3. 【請求項3】 前記目標吹出空気温度決定手段が、前記
    温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度を高温とす
    る側である程、前記冷凍サイクルの高圧側圧力の目標圧
    力を高く決定する目標高圧圧力決定手段で構成され、 前記吹出空気温度検出手段が、前記高圧側圧力を検出す
    る高圧圧力検出手段で構成されたことを特徴とする請求
    項1記載の空調装置。
  4. 【請求項4】 前記目標吹出空気温度決定手段が、前記
    温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度を高温とす
    る側である程、前記冷凍サイクルの高圧側温度の目標温
    度を高く決定する目標高圧温度決定手段で構成され、 前記吹出空気温度検出手段が、前記高圧側温度を検出す
    る高圧温度検出手段で構成されたことを特徴とする請求
    項1記載の空調装置。
  5. 【請求項5】 前記目標吹出空気温度決定手段が、前記
    温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度を低温とす
    る側である程、前記蒸発器の目標温度を低く決定する目
    標蒸発器温度決定手段で構成され、 前記吹出空気温度検出手段が、前記蒸発器温度を検出す
    る蒸発器温度検出手段で構成されたことを特徴とする請
    求項2記載の空調装置。
  6. 【請求項6】 前記目標吹出空気温度と前記検出吹出空
    気温度との偏差を算出する偏差算出手段と、 この偏差算出手段によって算出される前記偏差の変化率
    を算出する変化率算出手段とを備え、前記圧縮機回転数
    設定手段が、前記偏差と前記変化率とに基づいて前記圧
    縮機の回転数を設定するように構成されたことを特徴と
    する請求項1または2のいずれかに記載の空調装置。
  7. 【請求項7】 外気温度検出手段を備え、 前記圧縮機回転数設定手段によって設定される圧縮機回
    転数が、外気温度が低くなるに応じて高く設定されるよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項1記載の空調装
    置。
  8. 【請求項8】 外気温度検出手段を備え、 前記圧縮機回転数設定手段によって設定される圧縮機回
    転数が、外気温度が高くなるに応じて高く設定されるよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項2記載の空調装
    置。
  9. 【請求項9】 前記目標吹出空気温度決定手段が、 前記温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度を最も
    高温とする位置にあるときに決定する前記目標吹出空気
    温度を、外気温度が低くなるに応じて高くするように構
    成されたことを特徴とする請求項7記載の空調装置。
  10. 【請求項10】 前記目標吹出空気温度決定手段が、 前記温度設定手段の設定位置が前記吹出空気温度を最も
    低温とする位置にあるときに決定する前記目標吹出空気
    温度を、外気温度が高くなるに応じて低くするように構
    成されたことを特徴とする請求項8記載の空調装置。
JP13979094A 1994-06-22 1994-06-22 空調装置 Pending JPH082236A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13979094A JPH082236A (ja) 1994-06-22 1994-06-22 空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13979094A JPH082236A (ja) 1994-06-22 1994-06-22 空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH082236A true JPH082236A (ja) 1996-01-09

Family

ID=15253493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13979094A Pending JPH082236A (ja) 1994-06-22 1994-06-22 空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH082236A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002240546A (ja) * 2001-02-21 2002-08-28 Japan Climate Systems Corp 車両用空調装置
JP2004196266A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Denso Corp 車両用空調装置
US8721314B2 (en) 2009-10-29 2014-05-13 Eiji Sugano Noodle maker

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002240546A (ja) * 2001-02-21 2002-08-28 Japan Climate Systems Corp 車両用空調装置
JP4601188B2 (ja) * 2001-02-21 2010-12-22 株式会社日本クライメイトシステムズ 車両用空調装置
JP2004196266A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Denso Corp 車両用空調装置
US8721314B2 (en) 2009-10-29 2014-05-13 Eiji Sugano Noodle maker

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3555187B2 (ja) 空調装置
US7121103B2 (en) Vehicle air conditioning system
JP5920133B2 (ja) 車両用空調装置
JPH11157327A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2003166764A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2001213152A (ja) 車両用空調装置
JPH05229334A (ja) 空気調和装置
JP6535613B2 (ja) 車両用空調装置
WO2014002441A1 (ja) ヒートポンプサイクル
JP3327053B2 (ja) 空調装置
US7793711B2 (en) Vehicle air conditioner
JP2004131033A (ja) 空調装置
JP3410820B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP2000283611A (ja) ヒートポンプ式空調装置
JP5954059B2 (ja) 車両用空調装置
JP5895787B2 (ja) 車両用空調装置
JPH082236A (ja) 空調装置
JP4285228B2 (ja) 車両用空調装置
JP2002331820A (ja) 車両用空調装置
JP6024305B2 (ja) 車両用空調装置
JPH10115448A (ja) 空調装置
JPH10915A (ja) 車両用空調装置
JP2014054932A (ja) 車両用空調装置
JP3298151B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP2000291995A (ja) 空調装置