JPH08223049A - 信号符号化方法及び装置、信号復号化方法及び装置、情報記録媒体並びに情報伝送方法 - Google Patents

信号符号化方法及び装置、信号復号化方法及び装置、情報記録媒体並びに情報伝送方法

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JPH08223049A
JPH08223049A JP7025221A JP2522195A JPH08223049A JP H08223049 A JPH08223049 A JP H08223049A JP 7025221 A JP7025221 A JP 7025221A JP 2522195 A JP2522195 A JP 2522195A JP H08223049 A JPH08223049 A JP H08223049A
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gain control
signal
waveform
attack portion
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Mifuyu Sonohara
美冬 園原
Kiyouya Tsutsui
京弥 筒井
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Sony Corp
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03GCONTROL OF AMPLIFICATION
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    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
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    • G10L19/00Speech or audio signals analysis-synthesis techniques for redundancy reduction, e.g. in vocoders; Coding or decoding of speech or audio signals, using source filter models or psychoacoustic analysis
    • G10L19/02Speech or audio signals analysis-synthesis techniques for redundancy reduction, e.g. in vocoders; Coding or decoding of speech or audio signals, using source filter models or psychoacoustic analysis using spectral analysis, e.g. transform vocoders or subband vocoders

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  • Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)
  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 波形信号の波形要素のレベルが急激に大きく
なるアタック部を検出するアタック部検出回路33と、
少なくともアタック部以前の波形要素に対しては、予め
設定された2のベキ乗で表される複数通りのゲイン制御
量の内から波形信号の特性に応じて適応的に選択したゲ
イン制御量を用いてゲイン制御を行うゲイン制御回路3
4と、波形信号を複数のスペクトル成分に変換する順ス
ペクトル変換回路35と、ゲイン制御のための制御情報
と複数のスペクトル成分とを正規化及び量子化して符号
化する正規化量子化回路36及び符号化回路37を有す
る。 【効果】 装置構成が複雑になることはなく、符号化効
率が良く、かつプリエコーの発生を有効に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる高能率符号化
によってディジタルオーディオ信号等の波形信号を符号
化する信号符号化方法及び装置と、符号化された信号が
記録されてなる記録媒体、符号化された信号を伝送する
伝送方法、符号化された信号を復号化する信号復号化方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ或いは音声等の信号の高能率
符号化の手法及び装置には種々あるが、例えば、時間領
域のオーディオ信号等を単位時間毎にブロック化してこ
のブロック毎の時間軸の信号を周波数軸上の信号に変換
(スペクトル変換)し、得られた周波数領域の信号(ス
ペクトル成分)を符号化するブロック化周波数帯域分割
方式であるいわゆる変換符号化方式や、時間領域のオー
ディオ信号等を上述のように単位時間毎にブロック化せ
ずに複数の周波数帯域に分割して符号化する非ブロック
化周波数帯域分割方式である帯域分割符号化(サブ・バ
ンド・コーディング:SBC)方式等を挙げることがで
きる。また、上述の帯域分割符号化と変換符号化とを組
み合わせた高能率符号化の手法及び装置も考えられてお
り、この場合には、例えば、上記帯域分割符号化方式で
時間領域の信号を周波数帯域分割した後、該各周波数帯
域毎の信号を上記変換符号化方式で周波数領域の信号
(スペクトル成分)にスペクトル変換し、このスペクト
ル成分を符号化することになる。
【0003】ここで、上述した帯域分割符号化方式に使
用される帯域分割用フィルタとしては、例えばQMF(Q
uadrature Mirror filter)等のフィルタがあり、これは
例えば文献「ディジタル・コーディング・オブ・スピー
チ・イン・サブバンズ」("Digital coding of speech i
n subbands" R.E.Crochiere, Bell Syst.Tech. J.,Vo
l.55,No.8 1976) に述べられている。このQMFのフィ
ルタは、帯域を等しい帯域幅で2分割するものであり、
当該フィルタにおいては上記分割した帯域を後に合成す
る際にいわゆるエリアシングが発生しないことが特徴と
なっている。また、文献「ポリフェーズ・クワドラチァ
・フィルタズ −新しい帯域分割符号化技術」("Polyph
ase Quadrature filters -A new subband coding techn
ique", Joseph H. Rothweiler ICASSP 83, BOSTON)に
は、等しい帯域幅のフィルタ分割手法が述べられてい
る。このポリフェーズ・クワドラチァ・フィルタにおい
ては、信号を等しい幅の複数の帯域に分割する際に一度
に分割できることが特徴となっている。
【0004】また、上述したスペクトル変換としては、
例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレー
ム)でブロック化し、当該ブロック毎に離散フーリエ変
換(DFT)や、離散コサイン変換(DCT)、モディ
ファイド離散コサイン変換(MDCT)などを行うこと
で時間軸を周波数軸に変換するようなスペクトル変換が
ある。MDCTについては、文献「時間領域エリアシン
グ・キャンセルを基礎とするフィルタ・バンク設計を用
いたサブバンド/変換符号化」("Subband/Transform Co
ding Using Filter Bank Designs Based on Time Domai
n Aliasing Cancellation," J.P.Princen A.B.Bradley,
Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst.of Tech. ICA
SSP 1987)に述べられている。
【0005】上述のような帯域分割用フィルタやスペク
トル変換によって周波数帯域毎の信号に分割すれば、こ
れら周波数帯域毎に分割され信号(すなわち複数帯域に
分割された時間領域の信号やスペクトル変換されたスペ
クトル成分信号)を量子化する場合に、量子化雑音が発
生する帯域を制御することができ、マスキング効果など
の性質を利用して、聴覚的により好ましくかつ高能率な
符号化を行うことが可能となる。また例えば、量子化を
行う前に、各周波数帯域毎に例えばその帯域における信
号成分の絶対値の最大値で当該帯域内の信号成分に正規
化を施すようにすれば、さらに高能率な符号化を行うこ
とも可能となる。
【0006】更に、周波数帯域に分割された信号を量子
化する場合の、その周波数分割幅としては、例えば人間
の聴覚特性を考慮した帯域分割幅がある。すなわち、一
般に臨界帯域(クリティカルバンド)と呼ばれている高
域ほど幅が広くなるような帯域幅で、オーディオ信号を
複数(例えば25バント)の帯域に分割することがあ
る。また、この時の各周波数帯域毎の信号を符号化する
際には、各周波数帯域毎に所定のビット配分或いは、各
周波数帯域毎に適応的なビット割り当て(ビットアロケ
ーション)による符号化が行われる。例えば、スペクト
ル変換としてMDCTされて得られたMDCT係数デー
タを適応的なビット割り当てによって符号化する際に
は、上記各ブロック毎のMDCTにより得られる各周波
数帯域毎のMDCT係数データに対して、適応的に割り
当てられたビット数を用いた符号化が行われることにな
る。
【0007】上記ビット配分手法としては、次の2手法
が知られている。
【0008】例えば、文献「音声信号の適応変換符号
化」("Adaptive Transform Coding of Speech Signal
s", R.Zelinski, P.Noll, IEEE Transactions of Accou
stics,Speech, and Signal Processing, vol.ASSP-25,
No.4, August 1977 )では、各帯域毎の信号の大きさを
もとに、ビット割り当てを行っている。この手法では、
量子化により発生する量子化雑音のスペクトル分布が平
坦となり、雑音の持つエネルギが最小となるが、聴感覚
的にはマスキング効果が利用できないため、実際の聴感
上の雑音感は最適とは言えない。
【0009】また、例えば文献「臨界帯域符号化器 −
聴覚システムの知覚の要求に関するディジタル符号化」
("The critical band coder --digital encoding of
theperceptual requirements of the auditory syste
m", M.A.Kransner MIT, ICASSP 1980)では、聴覚マス
キングを利用することで、周波数分割された帯域毎に必
要な信号対雑音比を得て、固定的なビット割り当てを行
う手法が述べられている。しかし、この手法において
は、ビット割り当てが固定的であるため、聴感上必ずし
も好ましい符号化が行えるとは限らない。すなわち、こ
の手法における符号化の特性を測定するために、例えば
定常的な単一のサイン波状の入力波形信号に対して符号
化を行ったとしても、ビット割り当てが固定的であるた
めに、得られる特性値はそれほど良い値とならない。
【0010】上述のようなことから、ビット割り当てに
使用できる全ビットを、入力信号を単位時間毎にブロッ
ク化したときの当該ブロック毎に予め定められた固定の
ビット割り当て分と、当該ブロック内の信号の大きさに
依存したビット配分を行う分とに分割して使用すると共
に、そのときの分割比を入力信号に関係する信号に依存
させるような符号化の手法及びその手法を用いた装置が
提案されている。この符号化の手法によれば、例えば入
力信号のスペクトル分布が滑らかなときほど、固定のビ
ット割り当て分への比率を大きく(ブロック内の信号の
大きさに依存したビット配分への割り当ての比率を小さ
く)するような符号化が行われる。
【0011】この手法によれば、例えば特定のスペクト
ル成分にのみエネルギが集中するような信号(例えばサ
イン波状の信号)を含む入力信号を符号化する場合に
は、その特定のスペクトル成分を含むブロックに対して
多くのビットが割り当てられることにより、全体の信号
対雑音特性を著しく改善することができるようになる。
言い換えれば、一般に、このような特定のスペクトル成
分の近辺にエネルギが集中する信号すなわち急峻なスペ
クトル成分をもつ信号に対する人間の聴覚は、極めて敏
感であるため、このような手法を用いることによって信
号対雑音特性を改善することは、単に測定上の数値を向
上させるばかりでなく、聴感上の音質を改善するのに有
効である。
【0012】なお、ビット割り当ての手法には上述した
手法の他にも数多くの手法が提案されているが、例えば
上述した手法よりもさらに聴覚に関するモデルを精緻化
するようにし、符号化の能力を向上させることができれ
ば、聴覚的にみてより高能率な符号化が可能になる。
【0013】ここで、時間領域のディジタルオーディオ
信号のような波形要素(サンプルデータ)からなる波形
信号をスペクトル変換する方法として、上述したDFT
やDCTを使用した場合には、例えばM個のサンプルデ
ータ毎にブロックを構成し、このブロック毎にDFTや
DCTのスペクトル変換を施すことになる。このような
ブロックに対してスペクトル変換を行うと、M個の独立
な実数データ(DFT係数データ或いはDCT係数デー
タ)が得られることになる。このようにして得られたM
個の実数データは、その後量子化して符号化され、符号
化データとなされる。
【0014】この符号化データを復号化して再生波形信
号を再現する場合には、上記符号化データを復号化して
逆量子化し、得られた実数データに対して、符号化時の
ブロックに対応するブロック毎に逆DFTや逆DCTに
よる逆スペクトル変換を施して波形要素信号を得、この
波形要素信号からなるブロックを接続することで、波形
信号を再現する。
【0015】このようにして生成した再生波形信号に
は、ブロックの接続の際の接続歪みが残り、聴感上好ま
しくないものとなる。このようなことから、上述したブ
ロック間の接続歪みを軽減することを目的として、実際
の符号化の際には、DFTやDCTを使用したスペクト
ル変換を行うに際し、両隣のブロックでそれぞれM1
ずつのサンプルデータをオーバーラップさせてスペクト
ル変換を施すようにしている。
【0016】しかし、このように両隣のブロックでそれ
ぞれM1 個ずつのサンプルデータをオーバーラップさせ
てスペクトル変換を行った場合、平均して(M−M1
個のサンプルデータに対してM個の実数データが得られ
ることになり、実際にスペクトル変換に用いた元のサン
プルデータの数よりも、スペクトル変換により得られた
実数データの個数の方が増加することになる。当該実数
データは、その後量子化して符号化することになるた
め、このように、元のサンプルデータの数に対してスペ
クトル変換によって得られる実数データの個数が増加す
ることは、符号化効率上好ましくない。
【0017】これに対し、同じくディジタルオーディオ
信号等のサンプルデータからなる波形信号をスペクトル
変換する方法として、前述したMDCTを使用した場合
は、ブロック間の接続歪みを軽減するために、両隣のブ
ロックでそれぞれM個ずつのサンプルデータをオーバー
ラップさせた2M個のサンプルデータを用いてスペクト
ル変換を行い、独立したM個の実数データ(MDCT係
数データ)を得るようにしている。このため、当該MD
CTのスペクトル変換では、平均してM個のサンプルデ
ータに対してM個の実数データが得られることになり、
前述したDFTやDCTを使用したスペクトル変換の場
合よりも効率の良い符号化を行うことが可能となる。
【0018】なお、上述のMDCTのスペクトル変換を
用い、得られた実数データを量子化して符号化した符号
化データを、復号化して再生波形信号を生成する場合に
は、当該符号化データを復号化して逆量子化し、得られ
た実数データに対して符号化時のオーバーラップしたブ
ロックに対応するブロック毎に逆MDFTによる逆スペ
クトル変換を施してブロック内の波形要素を得、このブ
ロック内の波形要素を互いに干渉させながら加え合わせ
ることにより、波形信号を再構成することになる。
【0019】ここで、一般に、スペクトル変換のための
ブロックの長さ(ブロックの時間方向の大きさ)を長く
すれば、周波数分解能が高まり、例えばディジタルオー
ディオ信号のような波形信号をこのような長いブロック
でスペクトル変換すると、特定のスペクトル成分にエネ
ルギが集中するようになる。また、前述したように、両
隣のブロックすなわち隣接するブロック同士で十分長い
オーバーラップを持たせたブロックに対してスペクトル
変換を施すようにすれば、波形信号のブロック間歪みを
良好に軽減することもできる。さらに、スペクトル変換
の手法として、上述のように両隣のブロックでそれぞれ
半分の個数ずつサンプルデータをオーバーラップさせた
ブロックに対してスペクトル変換を施し、しかもこのス
ペクトル変換により得られた実数データの個数が、元の
波形信号のサンプルデータの個数に対して増加しないM
DCTを使用すれば、前述したDFTやDCTを使用し
たスペクトル変換の場合よりも効率の良い符号化を行う
ことが可能となる。
【0020】ところで、上述したように波形信号をブロ
ック化してこのブロック毎にスペクトル成分(前述の例
ではスペクトル変換により得られる実数データ)に分解
する処理を行い、得られたスペクトル成分信号を量子化
して符号化する方法を用いると、後にその符号化された
スペクトル成分信号を復号化し、さらにブロック毎に合
成して得られた波形信号には量子化雑音が発生すること
になる。
【0021】ここでもしも、元々の波形信号に、信号成
分が急激に変化する部分(波形要素のレベルが急激に変
化する過渡的な部分)が含まれているような場合におい
て、この波形信号を一旦符号化してその後復号化する
と、当該過渡的な部分に起因する大きな量子化雑音が、
この過渡的な部分以外の元の波形信号の部分にも拡がっ
てしまうことがある。
【0022】例えば図11に示すように、オーディオ信
号のような波形信号SWを用いた場合、この波形信号S
Wの上記過渡的な部分としては音が急激に大きくなるア
タック部ATを例に挙げることができ、このアタック部
ATの時間的に前の信号は一般に変化が少なくかつレベ
ルの小さな準定常的な信号FLからなる。このような準
定常的な信号FLとアタック部ATとを含む波形信号S
Wを、図11のAのような時間幅でブロック化すると共
に、このブロック内の信号成分をスペクトル変換し、得
られたスペクトル成分信号を量子化して符号化すると、
その後の逆スペクトル変換と復号化,逆量子化により得
られる波形信号SWは、図11のCに示すようにアタッ
ク部ATに起因する大きな量子化雑音QNがブロック全
体に拡がったものとなる。このため、図11のCに示す
ようにアタック部ATの時間的に前の準定常的な信号F
Lの部分にも、当該アタック部ATに起因する大きな
(例えば準定常的な信号FLよりもレベル的に大きな)
量子化雑音QNが現れることになる。このようなアタッ
ク部ATの時間的に前の準定常的な信号FLの部分に現
れる量子化雑音QNは、アタック部ATによる同時マス
キングによっても遮蔽されないため、聴感上の障害にな
る。上述のように、音が急激に大きくなるアタック部の
前に現れる量子化雑音は、一般にプリエコーと呼ばれて
いる。特に、前述したように周波数分解能を高めるため
に、波形信号を長いブロックでスペクトル変換した場合
には、時間分解能が悪くなり、長い期間にわたってプリ
エコーが発生してしまうことがある。なお、ブロック内
の信号成分をスペクトル変換する際には、当該ブロック
に対して例えば図11のBに示すような両端部分がなだ
らかに変化する特性曲線を有する変換ウインドウ関数T
Wをかけてからスペクトル変換を行うことで、スペクト
ル分布が広範囲に拡がらないようにする。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ここで、アタック部の
近辺で、例えばスペクトル変換されるブロックの長さを
短くすれば、プリエコーが発生する期間を短くすること
ができ、プリエコーによる聴感上の障害を軽減すること
ができる。すなわち、図12のAに示すような準定常的
な信号FLとアタック部ATとを含む波形信号SWに対
して、アタック部ATのような音の大きさが急激に変化
する過渡的な部分の近辺では、スペクトル変換のための
ブロックの長さを短くし、この短いブロック内の信号成
分に対してスペクトル変換を施すようにすれば、当該短
いブロック内ではプリエコーが発生する期間を十分短く
することができるようになる。このように、ブロック内
においてプリエコーの発生期間を十分短くすることがで
きれば、当該アタック部ATによるいわゆるいわゆる逆
向マスキング効果により、聴感上の障害を少なくするこ
とが可能となる。なお、この短いブロックの場合も、当
該短いブロック内の信号成分をスペクトル変換する際に
は、例えば図12のBに示すような短い変換ウインドウ
関数(短変換ウインドウ関数TWS )をかけてからスペ
クトル変換する。
【0024】一方、準定常的な信号FLの部分やアタッ
ク部AT以降の部分に対しても同様に、スペクトル変換
のためのブロックの長さを短くすると、周波数分解能が
悪くなり、これらの部分における符号化効率が悪くなっ
てしまう。このため、これらの部分に対しては、スペク
トル変換のためのブロックの長さを長くした方が、特定
のスペクトル成分に対してエネルギが集中することにな
って符号化効率が高くなり、望ましい。
【0025】これらのことから、実際には、波形信号S
Wの各部分の性質に応じて、スペクトル変換のためのブ
ロックの長さを選択的に切り換えることが行われる。な
お、このようなブロックの長さの選択的な切り換えを行
う場合、変換ウインドウ関数TWもブロックの長さの選
択に応じて切り換えるようにする。例えば、図12のB
に示すように、準定常的な信号FLやアタック部AT以
降の信号からなるブロックに対しては長い変換ウインド
ウ関数(長変換ウインドウ関数TWL )を用い、また、
アタック部AT近辺の短いブロックに対しては短い変換
ウインドウ関数(短変換ウインドウ関数TWS )を用い
るように、選択的に切り換えることが行われる。
【0026】上述のように、波形信号が準定常的な部分
やアタック部以降の部分ではスペクトル変換の際のブロ
ックの長さを長くし、波形信号が急激に変化するアタッ
ク部近辺においてのみ周波数分解能を犠牲にしてスペク
トル変換されるブロックの長さを短くすると言う方法を
用いることにより、アタック部以外の部分では十分な周
波数分解能が確保されると共に、アタック部におけるプ
リエコーもその発生期間を十分に短くすることができ
る。このように、アタック部においてプリエコーの発生
期間を十分に短くすることが出来れば、当該アタック部
によるいわゆる逆向マスキングによってそのプリエコー
が隠蔽されるため、聴感上問題ない符号化が可能とな
る。
【0027】しかし、上述したように、スペクトル変換
の際のブロックの長さを、波形信号の各部分の性質(特
性)に応じて選択的に切り換える方法を実際の構成上で
実現すると、異なる長さのブロックでのスペクトル変換
に対応できるスペクトル変換手段を符号化装置に設ける
必要があり、また、復号化装置側にも異なる長さのブロ
ックに対応できる逆スペクトル変換が可能な逆スペクト
ル変換手段を設ける必要がある。
【0028】さらに、スペクトル変換の際のブロックの
長さを変えるようにすると、スペクトル変換によって得
られるスペクトル成分の数も、ブロックの長さに比例す
るようになり、これらスペクトル成分を例えば臨界帯域
毎にグループ化して符号化しようとした場合には、各臨
界帯域毎に含まれるスペクトル成分の数もブロックの長
さによって異なることになる。このため、その後の符号
化の処理や、さらに復号化の処理も煩雑になってしま
う。
【0029】このように、スペクトル変換の際のブロッ
クの長さを可変する方法では、符号化装置、復号化装置
とも複雑になってしまうという欠点がある。
【0030】そこで、本発明は、上述したようなことに
鑑み、装置構成が複雑になることはなく、符号化効率が
良く、かつプリエコーの発生を有効に防止できる符号化
を実現できる信号符号化方法及び装置と、その符号化さ
れた信号を復号化する信号復号化方法及び装置と、その
符号化された信号を記録してなる情報記録媒体、並びに
情報伝送方法を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような実情
に鑑みてなされたものであり、本発明の信号符号化方法
は、波形信号を符号化する信号符号化方法において、波
形信号の波形要素のレベルが急激に大きくなるアタック
部を検出し、少なくとも上記アタック部以前の波形要素
に対しては、予め設定された2のベキ乗で表される複数
通りのゲイン制御量の内から波形信号の特性に応じて適
応的に選択したゲイン制御量を用いてゲイン制御を行
い、上記波形信号を複数の周波数成分に変換し、上記ゲ
イン制御のための制御情報と複数の周波数成分と符号化
するようにしている。
【0032】また、本発明の信号符号化装置は、波形信
号を符号化する信号符号化装置において、波形信号の波
形要素のレベルが急激に大きくなるアタック部を検出す
るアタック部検出手段と、少なくとも上記アタック部以
前の波形要素に対しては、予め設定された2のベキ乗で
表される複数通りのゲイン制御量の内から波形信号の特
性に応じて適応的に選択したゲイン制御量を用いてゲイ
ン制御を行うゲイン制御手段と、上記波形信号を複数の
周波数成分に変換する変換手段と、上記ゲイン制御のた
めの制御情報と複数の周波数成分と符号化する符号化手
段とを有するものである。
【0033】これら信号符号化方法及び装置において、
上記ゲイン制御は、波形信号の波形要素に対応するディ
ジタルデータを2のベキ乗のベキ指数分だけ左へビット
シフトすることで行うことができる。
【0034】また、本発明の信号復号化方法は、符号化
信号を復号化して波形信号を復元する信号復号化方法に
おいて、上記符号化信号は、少なくとも、波形信号を変
換した複数の周波数成分と、波形信号の波形要素のレベ
ルが急激に大きくなるアタック部以前の波形要素に対す
るゲイン制御補正のための制御補正情報とを符号化した
ものであり、当該符号化信号を復号化して複数の周波数
成分と制御補正情報を取り出し、上記複数の周波数成分
を複数の波形要素からなる波形信号に変換し、予め設定
された2のベキ乗で表される複数通りのゲイン制御補正
量の内から、上記制御補正情報に基づいて選択したゲイ
ン制御補正量を用いて、少なくともアタック部以前の波
形要素のゲイン制御補正を行い、上記波形要素から波形
信号を復元するようにしている。
【0035】さらに本発明の信号復号化装置は、符号化
信号を復号化して波形信号を復元する信号復号化装置に
おいて、上記符号化信号は、少なくとも、波形信号を変
換した複数の周波数成分と、波形信号の波形要素のレベ
ルが急激に大きくなるアタック部以前の波形要素に対す
るゲイン制御補正のための制御補正情報とを符号化した
ものであり、当該符号化信号を復号化して複数の周波数
成分と制御補正情報を取り出す復号化手段と、上記複数
の周波数成分を複数の波形要素からなる波形信号に変換
する変換手段と、予め設定された2のベキ乗で表される
複数通りのゲイン制御補正量の内から、上記制御補正情
報に基づいて選択したゲイン制御補正量を用いて、少な
くともアタック部以前の波形要素のゲイン制御補正を行
うゲイン制御補正手段と、上記波形要素から波形信号を
復元する復元手段とを有するものである。
【0036】これら信号復号化方法及び装置における上
記ゲイン制御補正は、波形要素に対応するディジタルデ
ータを2のベキ乗のベキ指数分だけ右へビットシフトす
ることで行うことができる。また、信号復号化方法及び
装置において、上記ゲイン制御補正量が変化する変化点
付近では、変化前のゲイン制御補正量と変化後のゲイン
制御補正量との間で滑らかに変化するゲイン制御補正量
を、予め設定されている複数種類の滑らかに変化するゲ
イン制御補正量の内から選択するようにしている。
【0037】次に、本発明の情報記録媒体は、少なくと
も波形信号の波形要素のレベルが急激に大きくなるアタ
ック部以前の各波形要素については予め設定された2の
ベキ乗で表される複数通りのゲイン制御量の内から波形
信号の特性に応じて適応的に選択したゲイン制御量を用
いてゲイン制御を行った波形信号を、複数の周波数成分
に変換し、当該複数の周波数成分を上記ゲイン制御のた
めの制御情報と共に符号化して得た符号化情報を、記録
してなるものである。
【0038】さらに、本発明の情報伝送方法は、少なく
とも波形信号の波形要素のレベルが急激に大きくなるア
タック部以前の各波形要素については予め設定された2
のベキ乗で表される複数通りのゲイン制御量の内から波
形信号の特性に応じて適応的に選択したゲイン制御量を
用いてゲイン制御を行った波形信号を、複数の周波数成
分に変換し、当該複数の周波数成分を符号化して伝送
し、上記ゲイン制御のための制御情報を符号化して伝送
するようにしている。
【0039】
【作用】本発明の信号符号化方法及び装置によれば、波
形要素をゲイン制御するためのゲイン制御量は2のベキ
乗ずつの複数通りの値で表されているものであるため、
これら複数通りのゲイン制御量の内から選択したゲイン
制御量を用いて波形要素のゲイン制御を行うとき、波形
要素がディジタルデータであれば、2のベキ乗のベキ指
数分だけこの波形要素のディジタルデータを左へビット
シフトすればよいことになる。
【0040】また、本発明の信号復号化方法及び装置に
よれば、波形要素のゲイン制御補正を行うためのゲイン
制御補正量は2のベキ乗で表される複数通りの値で表さ
れているものであるため、これら複数通りのゲイン制御
補正量の内から選択したゲイン制御補正量を用いて波形
要素のゲイン制御補正を行うとき、波形要素がディジタ
ルデータであれば、2のベキ乗のベキ指数分だけこの波
形要素のディジタルデータを右へビットシフトすればよ
いことになる。
【0041】さらに、本発明の信号復号化方法及び装置
によれば、滑らかに変化する複数種類のゲイン制御補正
量を予め設定しており、ゲイン制御補正量が変化する変
化点付近の変化前のゲイン制御補正量と変化後のゲイン
制御補正量との間には、この予め設定している滑らかに
変化する複数種類のゲイン制御補正量の内から選択した
ゲイン制御補正量を使用するようにしている。
【0042】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について、図
面を参照にしながら説明する。
【0043】図1には本発明実施例の符号化装置の基本
的な構成を示す。
【0044】この図1において、入力端子1には、波形
信号としてサンプルデータ(波形要素)からなる波形信
号としてディジタルオーディオ信号が供給される。この
ディジタルオーディオ信号は、周波数成分分解回路2に
よって、周波数成分に分解される。この周波数成分分解
回路2にて行われるディジタルオーディオ信号を周波数
成分へ分解する方法としては、例えば、QMF等のフィ
ルタによる帯域分割や、DFTやDCT或いはMDCT
等のスペクトル変換を挙げることができる。上記QMF
等のフィルタによる帯域分割によれば、時間領域のディ
ジタルオーディオ信号を当該フィルタによって複数の周
波数帯域の周波数成分へ分割することが行われる。ま
た、上記スペクトル変換によれば、時間領域のディジタ
ルオーディオ信号が複数サンプルデータ毎にブロック化
され、このブロック毎のサンプルデータをスペクトル変
換することで、周波数成分(スペクトル成分すなわち実
数データ)が得られ、さらにこれら得られた周波数成分
を帯域毎にグループ化する。また、周波数成分分解回路
2は、上記QMF等のフィルタによる帯域分割と、スペ
クトル変換とを組み合わせた方法で周波数成分への分解
を行うこともできる。この場合の周波数成分分解回路2
では、供給されたディジタルオーディオ信号を、一旦Q
MF等のフィルタによって帯域分割し、この分割された
各帯域毎の周波数成分をそれぞれブロック化し、このブ
ロック毎にMDCT等を用いてスペクトル変換し、得ら
れた周波数成分をさらに帯域毎にグループ化することに
なる。ここで、上記フィルタでの帯域分割による帯域の
幅や、スペクトル変換後の周波数成分を帯域毎にグルー
プ化する際の幅(すなわち帯域の幅)は、例えば均一な
帯域幅としたり、また例えば臨界帯域幅に合わせるよう
に不均一な帯域幅としたりすることができる。なお、図
1の例では、周波数成分分解回路2からは、得られた周
波数成分を四つの帯域に分けて出力するようにしている
が、勿論この数はもっと多くても少なくても良い。
【0045】この周波数成分分解回路2により得られた
四つの帯域の各周波数成分は、それぞれ各帯域に対応し
て設けられている正規化回路3〜6に各々送られる。各
正規化回路3〜6では、供給された周波数成分をある単
位時間毎に正規化する。なお、このときの単位時間は、
周波数成分分解回路2でスペクトル変換を行った場合に
は、当該スペクトル変換のためのブロックと同じ長さを
用いる。各正規化回路3〜6からは、上記周波数成分を
正規化して得られた被正規化データと、この正規化の際
の正規化係数を示す正規化係数データとが出力される。
各正規化回路3〜6からの各被正規化データは、それぞ
れ対応して設けられている量子回路8〜11に各々送ら
れる。また、各正規化回路3〜6からの各正規化係数デ
ータは、マルチプレクサ12に送られる。
【0046】量子化回路8〜11では、それぞれ対応す
る正規化回路3〜6から供給された各被正規化データ
を、量子化精度決定回路7から供給される量子化精度情
報に基づいて量子化する。
【0047】一方、周波数成分分解回路2からの四つ帯
域の各周波数成分は、量子化精度決定回路7にも送られ
るようになっており、当該量子化精度決定回路7では、
各帯域の周波数成分に基づいて、各量子化回路8〜11
へ送る量子化精度情報を計算している。なお、この量子
化精度情報は、各正規化回路3〜6での正規化における
正規化係数データに基づいて計算することも可能であ
る。また、量子化精度決定回路7における量子化精度情
報の計算の際には、マスキング効果等の聴覚現象に基づ
いた計算を行うことが好ましい。当該量子化精度決定回
路7で計算された量子化精度情報は、復号化装置にも送
られることになるので、その復号化装置で使用される聴
覚モデルは任意に設定することが可能となる。
【0048】各量子化回路8〜11が各被正規化データ
を量子化して得た各量子化データと、各正規化回路3〜
6からの各正規化係数データと、量子化精度決定回路7
からの量子化精度情報は、それぞれマルチプレクサ12
に送られる。このマルチプレクサ12では、これら量子
化データと正規化係数データと量子化精度情報から、順
次、符号列信号を生成する。このマルチプレクサ12か
らの符号列信号は、出力端子13から出力される。この
出力端子13から出力された符号列信号は、例えば情報
記録媒体に記録されたり、情報伝送媒体を介して伝送さ
れる。
【0049】ここで、情報記録媒体の一例として例えば
光ディスク17に上記符号列信号を記録する場合には、
上記出力端子13から出力された符号列信号がECCエ
ンコーダ14に送られる。当該ECCエンコーダ14
は、供給された符号列信号に対してエラーコレクション
コードを付加する。このECCエンコーダ14からの出
力は、EFM回路15に送られる。当該EFM回路15
では、供給された信号をいわゆる8−14変調する。当
該EFM回路15からの出力は記録ヘッド16に送ら
れ、当該記録ヘッド16はこの信号を光ディスク17に
記録する。
【0050】一方、図2には図1に示した符号化装置に
より生成され、情報記録媒体に記録或いは伝送媒体に伝
送された符号列信号を、復号化してディジタルオーディ
オ信号を復元する復号化装置の基本的な構成を示す。
【0051】この図2において、当該復号化装置の入力
端子21には、前記情報記録媒体から再生されたり、伝
送媒体を介して伝送されてきた符号列信号が供給され
る。
【0052】例えば、情報記録媒体としての光ディスク
17から再生ヘッド36によって再生された信号は、E
FM復調回路35に送られる。当該EFM復調回路35
では、再生ヘッド36によって光ディスク17から再生
された信号が8−14変調されているため、これを復調
する。このEFM復調回路35からの出力信号は、EC
Cデコーダ34に送られる。このECCデコーダでは、
エラー訂正が行われる。このエラー訂正された信号は、
前記符号列信号であり、この符号列信号が、入力端子2
1を介してデマルチプレクサ22に送られる。当該符号
列信号は、前記量子化データと正規化係数データと量子
化精度情報とからなるものである。
【0053】当該デマルチプレクサ22では、供給され
た符号列信号を、図1で説明した四つの帯域に対応する
各帯域毎の量子化データと正規化係数データと量子化精
度情報とに分離し、それぞれを信号成分構成回路23〜
26に送る。
【0054】この信号成分構成回路23〜26では、各
々量子化精度情報を用いて量子化データを逆量子化し、
さらに正規化係数データを用いて正規化の解除を行う。
さらに、この信号成分構成回路23〜26では、上記正
規化の解除により得られたデータに対して図1の符号化
装置にて行われた周波数成分への分解に対応する再構成
処理を施すことで、サンプルデータを復元する。信号成
分構成回路23〜26からのサンプルデータは、波形信
号合成回路27に送られる。
【0055】当該波形信号合成回路27では、上記四つ
に分割されていた各帯域を合成する処理を行う。これに
より、当該波形信号合成回路27からは、合成されたデ
ィジタルオーディオ信号が出力される。当該ディジタル
オーディオ信号は、出力端子28から出力され、例えば
アンプで増幅された後に、スピーカやヘッドホン或いは
イアホン等の放音手段に送られたり、音声ライン出力端
子等から出力されることになる。
【0056】ところで、上述した符号化装置において、
周波数成分への分解に前述したDFTやDCT等のスペ
クトル変換を適用した場合、当該スペクトル変換の際の
ブロックの長さを十分な周波数分解能を確保できるよう
な一定の長さに保ったまま、プリエコーの発生を有効に
防止できるようにするための方法としては、以下に述べ
る方法が考えられる。
【0057】例えば、符号化の際には、図3のAに示す
ような波形信号SWをそれぞれM個のサンプルデータ
(波形要素)からなる一定の長さのブロック毎に切り出
して両隣のブロックでそれぞれM1 個ずつのサンプルデ
ータをオーバーラップさせ、このブロックに対してさら
にスペクトル分布の拡散を防止するための図3のBに示
すような変換ウインドウ関数TWを掛けた(それぞれ変
換ウインドウ関数TW1〜TW3 を掛けた)後、各ブロ
ック内にアタック部ATがあるか否かを検出し、アタッ
ク部ATが存在するブロック(図3の例では変換ウイン
ドウ関数TW2 に対応しているブロック)に対しては当
該ブロック内の当該アタック部ATの直前の小振幅の信
号(準定常的な信号FL)を増幅してからDFTやDC
Tを用いたスペクトル変換を施し、得られたスペクトル
成分信号を符号化する。図3の例では、変換ウインドウ
関数TW1 とTW3 にそれぞれ対応しているブロック内
には、波形が急激に変化するアタック部ATが存在しな
いため、これらブロック内の信号成分(波形要素)に対
しては図3のCの(a)と(c)に示すように信号増幅
の処理は行わないようにしているのに対して、変換ウイ
ンドウ関数TW2 に対応しているブロックにはアタック
部ATが存在しているので、このブロックに対しては図
3のCの(b)に示すようにアタック部AT直前の小振
幅の信号(信号FL)を増幅する処理を行う。より具体
的に説明すると、ブロック内のアタック部ATの検出の
際には、当該ブロックをさらに細分化して小区間すなわ
ちサブブロックe1 〜e7 に分割し、例えば隣合う二つ
のサブブロック間で振幅変動が所定の限界値(例えば2
0dB程度)を越えた場合に、当該限界値を越えたサブ
ブロックからがアタック部ATであると検出するように
する。このように、アタック部ATが存在していること
を検出したブロック(図3の例では変換ウインドウ関数
TW2 に対応しているブロック)については、図3のC
の(b)に示すようにこのブロック内のサブブロックe
1 〜e7 のうちアタック部ATの直前の小振幅の信号が
存在するサブブロックe1 及びe2 内の信号成分に対し
て、ゲイン制御量が1よりも大きい値(R倍)をとるゲ
イン制御関数GC2 を乗算することで増幅するようにす
る。また、このブロックのアタック部AT以降の信号が
存在するサブブロックe3 〜e7 内の信号成分に対して
は、ゲイン制御量が1の値をとるゲイン制御関数GC2
を乗算することで増幅しないようにする。一方、ブロッ
ク内にアタック部ATが存在しない各ブロック(図3の
例では変換ウインドウ関数TW1 とTW3 にそれぞれ対
応している各ブロック)内の信号成分については、図3
のCの(a)及び(c)に示すように、当該ブロックの
サブブロックe1〜e7 内の信号成分に対して、ゲイン
制御量が1の値をとるゲイン制御関数GC1 やGC3
乗算することで増幅しないようにしている。
【0058】このような符号化の後に行われる復号化の
際には、復号化して復元されたスペクトル成分信号に逆
DFT(Inverse DFT = IDFT)や逆DCT(Inverse DCT =
IDCT)等の逆スペクトル変換を施してから、符号化の際
にアタック部の直前の信号に対して行われたゲイン制御
(小振幅の信号の増幅)に対応するゲイン制御補正処理
(減衰処理)を施す。
【0059】上述のように、符号化時に行うアタック部
直前の小振幅信号に対するゲイン制御処理と、復号化時
に行う符号化の際のアタック部直前の信号に対して行わ
れたゲイン制御に対応するゲイン制御補正処理とによっ
て、スペクトル変換の際のブロックの長さを一定にした
ままでプリエコーの発生を防止することが可能となる。
【0060】図4及び図5には、上記の方法を実際の符
号化装置と復号化装置に適用した場合の概略構成を示
す。なお、図4の構成を図1の構成と対応させた場合、
図4のウインドウ回路32から順スペクトル変換回路3
5までは図1の周波数成分分解回路2内に含まれ、図4
の正規化量子化回路36は図1の正規化回路3〜6、量
子化精度決定回路7、及び量子化回路8〜11に対応
し、図4の符号化回路37は、図1のマルチプレクサ1
2及びECCエンコーダ14と対応するものである。ま
た、図5の構成を、図2と対応させた場合、図5の復号
化回路42は図2のECCデコーダ34及びデマルチプ
レクサ22と対応し、図5の逆正規化逆量子化回路43
からゲイン制御補正回路45までは図2の信号成分構成
回路23〜26と対応し、図5の隣接ブロック合成回路
46は図2の波形信号合成回路27内に含まれることに
なる。
【0061】図4において、端子31には、例えばディ
ジタルオーディオ信号等の波形信号が供給される。この
ディジタルオーディオ信号は、ウインドウ回路32に送
られる。当該ウインドウ回路32では、供給されたディ
ジタルオーディオ信号をそれぞれ一定の長さのブロック
毎に切り出すと共に、両隣のブロックでそれぞれオーバ
ーラップさせ、さらに各ブロックに対して変換ウインド
ウ関数を掛ける。
【0062】次のアタック部検出回路33では、上記ウ
インドウ回路32で変換ウインドウ関数が掛けられたブ
ロック内にアタック部があるか否かを、当該ブロックを
さらに細分化するサブブロック(小区間)のうち隣接す
る二つのサブブロック間で振幅(波形要素のレベル)が
所定の限界値(例えば20dB程度)を越えて急激に大
きくなる箇所を見つけることで検出する。当該アタック
部検出回路33は、各ブロック毎にアタック部の検出の
有無を示すフラグ(アタック部検出フラグ)と、アタッ
ク部を検出したときにはそのブロック内の前記サブブロ
ックのいずれからアタック部が開始するかを示す情報
(アタック部位置情報)とを、各ブロックの信号成分
(波形要素)と共にゲイン制御回路34に送る。当該ゲ
イン制御回路34では、アタック部が存在することを示
すアタック部検出フラグが付加されたブロックの信号成
分が供給されると、当該ブロック内のアタック部位置情
報に基づいて、このブロック内のアタック部以前のサブ
ブロックの小振幅の信号(準定常的な信号)を増幅する
ゲイン制御処理を行う。当該ゲイン制御回路34でのゲ
イン制御処理は、上記アタック部以前のサブブロックの
小振幅の信号成分に対して、前記1よりも大きい値
(R)のゲイン制御量を示すゲイン制御関数を乗算する
ことにより行う。一方、当該ゲイン制御回路34は、ア
タック部が存在しないことを示すアタック部検出フラグ
が付加されたブロックの信号成分に対しては、信号増幅
の処理は行わない。具体的には、前記1の値のゲイン制
御量を示すゲイン制御関数を乗算することで、増幅しな
いようにしている。当該ゲイン制御回路34を介したブ
ロック毎の信号成分(波形要素)は、順スペクトル変換
回路35により、DFTやDCT等のスペクトル変換が
施される。このスペクトル変換により得られたスペクト
ル成分信号は、正規化量子化回路36に送られる。当該
正規化量子化回路36では、前記図1の正規化回路3〜
6、量子化精度決定回路7、及び量子化回路8〜11と
同様に、供給されたスペクトル成分信号を正規化し、さ
らに量子化する。次の符号化回路37では、正規化量子
化回路36から供給される量子化データと正規化係数デ
ータと量子化精度情報、及び各部を通過して供給される
アタック部検出フラグとアタック部が検出された部にお
けるアタック位置情報とゲイン制御量情報とから、順
次、符号列信号を生成し、さらにこの符号列信号にエラ
ーコレクションコードを付加する。この符号化回路37
の出力は端子38から出力され、例えば前述したように
8−14変調されて情報記録媒体に記録されたり、伝送
媒体に伝送される。
【0063】一方、図5において、端子41には、例え
ば情報記録媒体から再生された8−14変調の復調がな
された信号や、伝送媒体を介して伝送された前記符号列
信号が供給される。当該端子41に供給された符号列信
号は、復号化回路42にてエラー訂正がなされると共に
符号列が解かれ、量子化データと正規化係数データと量
子化精度情報、及びアタック部検出フラグとアタック部
が検出された部におけるアタック位置情報とゲイン制御
量情報とになされる。この復号化回路42からの量子化
データと正規化係数データと量子化精度情報とは、逆正
規化逆量子化回路43に送られる。この逆正規化逆量子
化回路43では、量子化精度情報を用いて量子化データ
に逆量子化処理を施し、さらに正規化係数データを用い
た正規化の解除処理を行う。これにより逆正規化逆量子
化回路43からは、スペクトル成分信号が出力されるこ
とになる。当該スペクトル成分信号は、逆スペクトル変
換回路44に送られる。この逆スペクトル変換回路44
では、符号化装置にて行われたスペクトル変換に対応す
る逆処理である逆スペクトル変換を行う。具体的に言う
と、符号化装置でのスペクトル変換がDFTであったと
きにはIDFTの逆スペクトル変換処理を、またDCT
であったときにはIDCTの逆スペクトル変換処理を行
う。
【0064】上記逆スペクトル変換回路44で逆スペク
トル変換処理されて得られた時間領域の信号成分(波形
要素)は、ゲイン制御補正回路45に送られる。当該ゲ
イン制御補正回路45には、各部を通過してアタック部
検出フラグとアタック部が検出された部におけるアタッ
ク位置情報とゲイン制御量情報も供給され、したがっ
て、このゲイン制御補正回路45では、これらを用いて
符号化装置のゲイン制御回路34においてブロック内の
アタック部直前のサブブロックの小振幅の信号が増幅さ
れていたときには、当該サブブロックの増幅された信号
に対して減衰を施すゲイン制御補正処理を行う。具体的
に言うと、当該ゲイン制御補正回路45では、ブロック
内にアタック部が存在することを示すアタック部検出フ
ラグとアタック部の位置を示すアタック部位置情報とゲ
イン制御量情報とに基づいて、アタック部以前のサブブ
ロックの小振幅の信号に対して減衰するゲイン制御補正
処理を行う。このゲイン制御補正回路45におけるゲイ
ン制御補正処理は、符号化時に用いられたゲイン制御関
数の逆数であるゲイン制御補正関数を乗算する処理であ
る。このように、符号化時に増幅された信号を減衰する
ようにすると、先の逆スペクトル変換回路44において
周波数領域から時間領域へ逆スペクトル変換した段階で
ブロック内に略均等に拡がっていた量子化雑音のうち、
アタック部直前に発生した量子化雑音は低いレベルに抑
えられるようになる。このため、プリエコーによる聴感
上の障害も抑制されることになる。一方、当該ゲイン制
御補正回路45は、アタック部が存在せずに符号化時に
増幅処理が施されなかったブロックに対しては、そのブ
ロック内の信号成分に対する信号減衰の処理は行わな
い。なお、符号化時に増幅しなかった信号は、前記1の
値をとるゲイン制御量を示すゲイン制御関数を乗算する
処理が施されているものであるため、この信号に対して
は例えば1の逆数(すなわち1)のゲイン制御補正量を
示すゲイン制御補正関数を乗算することになる。当該ゲ
イン制御補正回路45を介したブロック毎の信号成分
は、隣接ブロック合成回路46に送られる。
【0065】当該隣接ブロック合成回路46に送られた
ブロックは、符号化装置において隣接ブロック間でオー
バーラップしたものであるため、当該隣接ブロック合成
回路46では、このオーバーラップしたブロック内の各
サンプルデータを互いに干渉させながら加え合わせるこ
とにより、波形信号(ディジタルオーディオ信号)を再
構成する。この隣接ブロック合成回路46で再構成され
たディジタルオーディオ信号は、端子47から出力さ
れ、例えばアンプで増幅された後に、スピーカやヘッド
ホン或いはイアホン等の放音手段に送られたり、音声ラ
イン出力端子等から出力されることになる。
【0066】なお、上記図3〜図5を用いて説明した方
法では、ブロック内の信号成分に対して前述した変換ウ
インドウ関数を掛けた後にアタック部の検出を行うよう
にしている。このよう場合、例えば大振幅の信号部分で
あるアタック部がブロックの端部分に存在したとして
も、変換ウインドウ関数を掛けることでブロック内の元
々の波形信号は変形されので、当該ブロックの端部の大
振幅部分が緩和されてしまい、アタック部を検出するこ
とができないことがある。しかし、DFTやDCTを用
いたスペクトル変換を行い、その後逆スペクトル変換を
施すことにより、元の時系列のブロックの信号成分を完
全に復元することができるので、復号化装置においてブ
ロック毎にゲイン制御の補正処理を施せば問題は生じな
い。
【0067】なお、上述したようなプリエコーの発生防
止の基本的な手法は、特開昭61−201526号公報
や特開昭63−7023号公報にて既に開示されてい
る。
【0068】ところで、上述したようなプリエコーの発
生防止の方法において、アタック部の直前のサブブロッ
クの小振幅の信号を増幅させる際のゲイン制御量を例え
ば固定とすると、以下のような問題が発生する。
【0069】例えば、ブロック内の波形信号が図6のA
やBに示すような波形信号SW1 やSW2 の場合、当該
ブロック内には何方もアタック部ATを含むものの、こ
れら波形信号SW1 とSW2 とでは信号の振幅の変化の
仕方には大きな違いがある。すなわち、波形信号SW1
においては、アタック部ATの直前にもあるレベル以上
の波形信号FT1 がある。このような場合、前述のよう
に符号化してさらに復号化した後に、アタック部ATの
前に発生するプリエコーは、この元々の波形信号FT1
によってアタック部AT以後程ではないもののある程度
マスクされる。これに対して、波形信号SW2 において
は、アタック部ATの直前の波形信号FT2 のレベルは
非常に低く、したがって、符号化及び復号化後に発生す
るプリエコーはこの波形信号FT2 によってほとんどマ
スクされない。
【0070】ここで、アタック部ATの検出を、前述し
たように隣接サブブロック間でのレベル変化のただ一つ
の限界値により識別し、当該アタック部ATの直前の小
振幅の信号に対して同一のゲイン制御関数を用いてゲイ
ン制御を行い、さらに復号化の際にも同一のゲイン制御
補正関数を用いてゲイン制御補正を行おうとした場合に
おいて、例えば、図6のAのような波形信号SW1 に対
して最適なように上記限界値とゲイン制御関数(すなわ
ちゲイン制御量)を設定すると、図6のBのような波形
信号SW2 に対してはプリエコーが聞こえてしまうよう
になる。逆に、波形信号SW2 に対して最適なように限
界値とゲイン制御関数(すなわちゲイン制御量)を設定
すると、波形信号SW1 に対しては必要以上のゲイン制
御を行うことになって周波数領域でエネルギの拡散を招
くようになり、結果として符号化効率が落ちてしまうこ
とになる。
【0071】そこで、本発明の方法では、波形信号のア
タック部とその直前の部分における信号の振幅変化の度
合いに応じて、ゲイン制御量を変化させることによって
この問題を解決している。
【0072】すなわち、本発明の方法では、図6のCに
示すように、波形信号SW1 のアタック部ATの直前の
サブブロックe0 〜e1 の信号成分に対してはゲイン制
御量が比較的小さい(R1 倍)ゲイン制御関数GC1
適用してゲイン制御を行うようにし、波形信号SW2
アタック部ATの直前のサブブロックe0 〜e1 の信号
成分に対しては、ゲイン制御量が比較的大きい(R
2 倍)ゲイン制御関数GC2 を適用してゲイン制御を行
うようにしている。また、復号化の際には、ゲイン制御
関数GC1 を用いたときにはそのゲイン制御量に対応す
るゲイン制御補正を行い、ゲイン制御関数GC2 を用い
たときにはそのゲイン制御量に対応するゲイン制御補正
を行うことになる。
【0073】このように、波形信号のアタック部とその
直前の部分における信号の振幅変化の度合いに応じて当
該アタック部直前の部分へのゲイン制御量を変化させる
ことによって、上記波形信号SW1 とSW2 に符号化及
び復号化を行った後のそれぞれの波形信号SW1 とSW
2 に発生する量子化雑音QN1 とQN2 は、図6のDと
Eに示すようになる。
【0074】ここで、波形信号SW1 を符号化及び復号
化することにより発生する量子化雑音QN1 は、符号化
の際のアタック部ATの直前の部分におけるゲイン制御
関数GC1 が比較的小さいR1 倍のゲイン制御量であ
り、復号化の際のゲイン制御補正処理もこれに応じた比
較的小さいゲイン制御補正量となっているため、図6の
Dに示されているようにアタック部ATの直前の部分に
おける雑音抑圧作用は比較的小さくなっているが、ブロ
ック全体を通しての量子化雑音QN1 のエネルギは小さ
くなっている。また、この波形信号SW1 のアタック部
AT以前の波形信号FT1 は元々あるレベル以上の信号
であるので、この波形信号FT1 によってその部分の量
子化雑音はマスクされることになる。これに対して、波
形信号SW2 を符号化及び復号化した場合、ブロック全
体を通しての量子化雑音QN2 のエネルギは比較的大き
いが、符号化の際のアタック部ATの直前の部分におけ
るゲイン制御関数GC2 が比較的大きいR2 倍のゲイン
制御量であり、復号化の際のゲイン制御補正処理もこれ
に応じた比較的大きいゲイン制御補正量となっているた
め、図6のEに示すように、アタック部ATの直前の部
分の量子化雑音は十分に低く抑えられている。上述のよ
うに、本発明実施例では、プリエコーは聴感上の大きな
障害となるため、波形信号SW2 の場合のようにアタッ
ク部ATの直前の波形信号FT2 によっては量子化雑音
がマスクされないときには、全体の量子化雑音のエネル
ギを低下させることに優先させて、このプリエコーを抑
圧させるようなゲイン制御及びゲイン補正制御を行うよ
うにしている。
【0075】次に、図7には、本発明の方法を実際に波
形信号の符号化に適用する場合に、アタック部を検出し
てゲイン制御関数を生成させる処理の流れの一例を示
す。例えば、この処理を前記図4のアタック部検出回路
33に組み込むことによって、そのアタック部検出回路
33で当該図7の処理を実現することができる。
【0076】この図7においては、例えば2M個のサン
プルデータ分の長さのブロックをN個のサブブロックに
分割し、I番サブブロックにおける最大振幅値P[I]
を、当該I番サブブロックまでの連続するK個のサブブ
ロックにおける最大振幅値Q[I] と比較し、それが所定
の比率以上になっている場合にはアタック部が検出され
たものとしている。また、最終的に滑らかに変化するゲ
イン制御量に対応するゲイン制御関数を構成して、ブロ
ック内の信号成分をスペクトル変換した場合のエネルギ
の拡散を防いでいる。
【0077】すなわち、図7の最初のステップS101
においては、1つのブロックをN分割したサブブロック
の内のI番サブブロックまでの連続するK個のサブブロ
ック、すなわちI−K+1番サブブロックからI番サブ
ブロックまでの最大振幅値Q[I] を求め、ステップS1
02では、I番サブブロックにおける最大振幅値P[I]
を求めている。次のステップS103では、I=0と
し、ステップS104において、上記ゲイン制御量とし
てのRを、I番サブブロックまでのK個のサブブロック
の最大振幅値Q[I] の、その直後のサブブロックの最大
振幅値P[I+1] に対する比率で求めている。次のステッ
プS105のTは所定の閾値であり、上記RがTより大
きい場合(イエス)に、アタック部が検出されたものと
して、ステップS109に進んでいる。ステップS10
5でノーと判定したときにはステップS106に進み、
Iをインクリメントして、ステップS107でIがブロ
ックの終端のサブブロックの番号(N)に達したか否か
を判別し、I=NとなるまでステップS104以降を繰
り返している。ステップS107でイエスと判別された
ときには、ステップS108でL=0、すなわちアタッ
ク部無しとし、R=1として、ステップS110に進
む。上記ステップS105でイエス、すなわちアタック
部が見つかったときには、ステップS109に進んで、
L=Iとし、Rには上記ステップS104で求められた
Rの値の整数値を代入する。すなわち、このブロックに
おけるアタック部以前の長さはサブブロックL個分であ
ると解釈され、この時のRの値がゲイン制御量を表す。
ステップS109の処理を終えた後は、ステップS11
0に進む。
【0078】ステップS110では、アタック部の位置
Lまでのサブブロックのゲイン制御量をRとし、残りを
1にすると共に、最終的に滑らかに変化するゲイン制御
量となるように補間処理を行った後、処理を終了してい
る。すなわち、このステップS110において、LとR
の値に基づいてゲイン制御関数g(n) が構成されるが、
アタック部直前のサブブロックではゲイン制御量が滑ら
かに変化するように補間する。これは周波数領域に変換
した場合にエネルギ分布の拡散を防ぎ、効率の良い符号
化を可能にするためである。
【0079】このように、アタック部のゲイン制御量を
波形信号のレベルに応じて変化させることにより、圧縮
率の高い場合にも効率的にプリエコーの発生を防止する
ことができるという利点がある。
【0080】図8には、図7のステップS110におけ
るゲイン制御関数を構成する処理を、より簡易な演算で
行うための処理の流れを示している。すなわちこの図8
の処理では、アタック部以前のサブブロックの信号成分
(波形要素)に対するゲイン制御量(ゲイン制御関数)
を設定する場合に、予め設定された2のベキ乗(2のr
乗)で表される複数通りのゲイン制御量(ゲイン制御関
数)の内からゲイン制御関数を選択するようにしてい
る。
【0081】この図8において、図7のステップS10
9でRの値が設定されたときには、ステップS301で
変数rを0と設定し、ステップS302に進む。このス
テップS302では、2のr乗の値とRの値との大小を
判定する。このステップS302において、2のr乗の
値がRの値より大きいと判定したときにはステップS3
03に進み、当該ステップS303で変数rに1を加え
(インクリメント)てからステップS302に戻る。
【0082】一方、ステップS302において、2のr
乗の値がRの値以下となったと判定したときには、ステ
ップS304に進む。このステップS304では、アタ
ック部以前の各サブブロックに対するゲイン制御量を2
のr乗の値に設定し、またアタック部以降の各サブブロ
ックに対するゲイン制御量を1に設定し、さらにアタッ
ク部の直前のサブブロックに対してはゲイン制御量を2
のr乗と1との間の過渡部を滑らかにするための直線補
間処理を行って得た滑らかに変化するゲイン制御量に設
定する。上述したアタック部以前の各サブブロックに対
するゲイン制御量の値は、例えば2のr乗ずつの複数通
りの値を予め設定しておくことによって、簡単に選ぶこ
とができ、このように2のr乗ずつの複数通りの値を選
ぶことによって、ゲイン制御関数は6dB刻みの値を取
ることができるようになる。
【0083】ここで、実際のディジタル演算処理上で
は、図8に示したゲイン制御関数として式(1)のよう
な関数g(n) を設定することは、ゲイン制御の必要なブ
ロックにおけるゲイン制御処理を、アタック部以前のサ
ブブロックの信号成分(波形要素)に対してはrビット
だけ左へビットシフトすることによって行うことができ
ることを示している。したがって、実際に信号成分に対
してゲイン制御関数を乗算しなければならないサブブロ
ックは、補間の必要な1つのサブブロック(アタック部
の直前の1つのサブブロック)のみになり、図7で説明
したようにRの値を直接ゲイン制御量として用いる場合
と比較して演算量を大幅に減少させることが可能とな
る。
【0084】
【数1】
【0085】図9には、本発明実施例の方法で波形信号
を符号化して得た符号列信号の一例を示す。この符号列
信号は、例えば光ディスク等の情報記録媒体に記録され
る際の記録フォーマット、又は伝送媒体に伝送される際
の伝送フォーマットに対応している。
【0086】この図9において、各ブロック単位の符号
列信号(ブロック情報)は、例えば当該ブロック内のア
タック部の有無を示すアタック部検出フラグと、スペク
トル成分信号を正規化及び量子化しさらに符号化して得
たスペクトル成分符号とを少なくとも有し、さらに、ア
タック部検出フラグの内容によっては、それらに加え
て、ブロック内のサブブロックのいずれからアタック部
が開始するかを示す情報であるアタック部位置情報と当
該アタック部以前のサブブロックに対するゲイン制御量
情報とからなるゲイン制御補正関数生成情報をも含んで
構成されるものである。アタック部位置情報としては、
例えば図7で用いたLの値を用いることもでき、またゲ
イン制御量情報としては例えば図7で用いたRの値を用
いることもできる。なお、実際のオーディオ信号におい
てプリエコーが問題となるアタック部の存在するブロッ
クの割合は低いので、上述のようにアタック位置情報と
ゲイン制御量情報については実際にアタック部の存在す
るブロックに対応するブロック情報(図9の例では(N)
番ブロック情報)にのみ付加するものとすれは、記録媒
体への記録効率や伝送媒体への伝送効率が良くなる。た
だし勿論、全てのブロックにおいてブロック情報にゲイ
ン制御補正関数生成情報を付加するようにしてもよく、
この場合、実際にアタック部の存在しないブロックに対
しては、ブロック情報内にL=0及びR=1として付加
しておけばよい。
【0087】また、図8の処理を適用した場合には、ゲ
イン制御量情報としてはRの値をブロック情報に付加す
る代わりに、rの値を付加すれば良いことになる。
【0088】次に、図10には、復号化装置において、
図9にて説明したような符号列信号から、式(2)に示
すようなゲイン制御補正関数h(n) を生成する処理の流
れを示している。すなわちこの図10の処理では、予め
設定された2のベキ乗(2のr乗)で表される複数通り
のゲイン制御補正関数の内から、符号列信号に含まれて
いるゲイン制御量情報(ゲイン制御補正のための制御補
正情報)に基づいてゲイン制御補正関数を選択するよう
にしている。この図10に示す処理を、前記図5のゲイ
ン制御補正回路45に組み込むことによって、そのゲイ
ン制御補正回路45で当該図10の処理を実現すること
ができ、この図10の処理で生成されたゲイン制御補正
関数h(n) を、図5の逆スペクトル変換回路44での逆
スペクトル変換処理によって構成された信号成分に乗じ
ることによって、ブロック内の信号成分を再現すること
ができる。勿論、アタック部が検出されていないブロッ
クにおいては、実際にゲイン制御補正関数h(n) を乗じ
る処理を省略するようにしても良い。
【0089】
【数2】
【0090】この図10において、ステップS201で
はアタック部検出フラグを取り出し、このアタック部検
出フラグが0のときすなわちアタック部が検出されてい
ないときは、ステップS202に進んで、ゲイン制御補
正関数h(n) すなわちゲイン制御補正量を1にして処理
を終了する。これに対してアタック部検出フラグが1の
ときすなわちアタック部が検出されているときには、ス
テップS203に進む。このステップS203では、図
8のステップS304において設定されたゲイン制御関
数g(n) の逆数のゲイン制御補正関数h(n) を設定す
る。ここで、アタック部検出フラグが1のときに設定さ
れるゲイン制御補正関数h(n) は、2のベキ乗(2のr
乗)で表される複数通りのゲイン制御補正量に対応する
ゲイン制御補正関数の内から選択することができるた
め、実際のディジタル演算処理上で上記ゲイン制御補正
関数h(n) を設定することは、アタック部以前のサブブ
ロックの信号成分(波形要素)をrビットだけ右へビッ
トシフトすることによって行うことができる。
【0091】ところで、図10のステップS203にお
けるゲイン制御補正関数は、n=M(L−1)/Nから
n=(ML/N)−1番目までのサンプルデータにおい
ては、式(3)の値が各サンプルデータに乗算されるこ
とになるが、この式(3)を書き直すと、式(4)と表
すことができる。
【0092】
【数3】
【0093】
【数4】
【0094】ここで、式(4)は、Lに依存しないの
で、Nを固定しておくと、例えばrの全ての取り得る値
がr′個のとき、各r及び各jに対して、式(3)の値
を予め計算してテーブルとして持っておけば、復号化の
際に、この過渡部におけるゲイン制御補正関数を計算す
ることなく、当該テーブルを読んでくることによって設
定することができる。このときのテーブルの大きさは、
r′×Nとなる。
【0095】実際に復号化装置を、例えば固定小数点の
DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)等を用い
て構成する場合には、式(3)のような除算には多くの
ステップ数が必要となるので、上述のようなテーブルを
用いるようにすることにより、処理のステップ数及び時
間を短縮できることになる。
【0096】また、本発明にかかる方法によるゲイン制
御処理は、上述のように1つのブロック内において信号
成分のゲインを変化させる部分が1個所である場合のみ
ならず、例えばブロック内で信号成分のゲインを変化さ
せる部分が複数の個所に別れているような場合にも適用
することができる。
【0097】さらに、本発明にかかる方法によるゲイン
制御処理は、上述のようにゲイン制御量を例えばR倍と
して信号成分のゲインを変化させた後のゲイン制御量の
値は1の場合のみならず、他のゲイン制御量と同様に2
のベキ乗の形を取る場合にも適用できる。この場合には
復号化の際に、ゲイン制御量の過渡部におけるサンプル
データを求めるにあたっては、ゲイン制御量の変化後の
値が2のs′乗、変化前の値が2のs乗とするとき、上
記テーブルを用いて乗算を行った後各サンプルデータを
2の(s′−s)乗、すなわち実際のディジタル演算処
理では(s′−s)ビットシフトすることによってゲイ
ン制御補正の処理を行うようにすれば良い。
【0098】なお、プリエコーの問題を解決するため方
法として、符号化時のゲイン制御及び復号化時のゲイン
制御補正による方法は、特開昭61−201526号公
報や特開昭63−7023号公報にて既に開示されてい
る。これら特開昭61−201526号公報や特開昭6
3−7023号公報には、符号化装置において信号波形
を複数サンプルデータからなるブロック毎に切り出し、
さらにこのブロックにウィンドウ関数を掛けた後、アタ
ック部を検出し、このアタック部直前の小振幅の波形信
号(すなわち準定常的な信号)を増幅してから、DFT
やDCTを用いたスペクトル変換によってスペクトル成
分信号(実数データ)を得、これを符号化する方法が開
示されている。この場合の復号化の際には、復号化され
たスペクトル成分信号に逆DFT(Inverse DFT = IDF
T) や逆DCT(Inverse DCT = IDCT) による逆スペク
トル変換を施してから、符号化の際にアタック部直前の
信号を増幅したことを補正する処理を施す。これによ
り、プリエコーの発生が防止されるようになる。この方
法を用いるとスペクトル変換されるブロックの長さは、
常に一定にすることができるため、符号化装置、復号化
装置の構成を簡単にすることができるようになってい
る。また、特開平3−132228号公報には、入力さ
れた波形信号に対して適応的なゲイン制御を行った後、
DFTやDCTを用いたスペクトル変換によってスペク
トル成分信号を得、これを符号化する方法が開示されて
いる。このゲイン制御とは、波形信号のレベル(パワー
レベル)の小さいところではそのゲインを大きく(振幅
を増幅)することである。この特開平3−132228
号公報記載の方法においては、スペクトル変換を行う前
に、アタック部ではゲインを急激に下げるゲイン制御を
行い、アタック部後の部分では振幅の減衰に応じてその
ゲインを再び上げて行くようゲイン制御を行う。このよ
うな方法でゲイン制御され、その後スペクトル変換され
ると共に符号化された信号を復号化する場合には、逆ス
ペクトル変換によれ得られた信号成分に対して先に行わ
れたゲイン制御を補正するゲイン補正制御を施すことに
なる。
【0099】しかしながら、符号化の際にこれら公開公
報記載のようなゲイン制御を行う場合には、当該符号化
の際のゲイン制御量を、該当するブロックの各サンプル
データに乗ずる必要があり、また、復号化の際のゲイン
制御補正においても、その逆数を乗ずる必要が生じるこ
とになる。したがって、これらゲイン制御及びゲイン制
御補正を行うと、各ブロックに対する処理量が大きく増
えてしまう。さらに、符号化の際に、ゲイン制御量が変
化する変化点付近で滑らかに変化するゲイン制御量を用
いるためには、前述したように直線的な補間によるゲイ
ン制御を行った場合には、復号化の際のゲイン制御補正
においても符号化時に用いた乗数の逆数を計算により求
めなければならない。したがって、例えば固定少数点演
算が可能なDSP等を用いて復号化を行う際、上記ゲイ
ン制御補正を行う場合に、符号化に用いた乗数の逆数を
計算するにあたっては、多くの演算処理の工程数を必要
とし、処理に長時間を要するようになる。
【0100】これに対して、本発明によれば、上述した
ように、符号化の際にゲイン制御量を該当するブロック
の各サンプルに乗じる必要がなく、また復号化の際の補
正においてもその逆数を乗ずる必要がないため、該当す
るブロックにおいて処理量が増加することはない。
【0101】さらに、本発明によれば、符号化の際に、
上述のような直線的な補間によるゲイン制御を用いた場
合にも、復号化の際のゲイン制御補正において符号化で
用いた乗数の逆数を求める必要がなく、したがって、例
えば固定小数点のDSP等を用いて復号化を行う際のゲ
イン制御補正において、符号化に用いたゲイン制御関数
の逆数を設定するのに、簡単かつ短時間に設定できるよ
うになる。
【0102】また、本発明の方法は、波形信号を直接ス
ペクトル変換によってスペクトル成分に分解する場合だ
けでなく、例えば、一旦、QMF等のフィルタからなる
帯域分割フィルタによって波形信号を帯域分割した信号
成分をスペクトル変換によってスペクトル成分に分解す
る場合にも適用することができる。さらに、QMF等の
フィルタによって波形信号を複数帯域の信号成分に分解
する場合のみにも適用することができる。本発明の方法
は、このようにスペクトル成分やフィルタ分割した信号
成分すべてに適用できるが、特にプリエコーの発生が大
きな問題となるスペクトル変換を含む処理で得られるス
ペクトル成分に関連して適用される場合にその効果が大
きい。
【0103】また、本発明の方法は波形信号として、オ
ーディオ信号をディジタル信号に変換したものを処理す
る装置に適用することも可能であるし、又は一旦ファイ
ル化された波形信号をコンピュータ等で処理する場合に
適用することもできる。さらに、前述のように、得られ
た符号列信号を記録媒体に記録することも、伝送媒体に
伝送することも勿論可能である。また、本発明の方法
は、常に一定のビットレートで符号化を行う場合にも、
割り当てられるビット数がブロック毎に異なるように時
間的に変化するビットレートで符号化を行う場合にも適
用することが可能である。
【0104】以上、波形信号としてオーディオ信号を量
子化した場合の量子化雑音を目立たなくさせる場合に関
して説明を行なったが、本発明の方法は他の種類の信号
の量子化雑音の発生を目立たせなくする上でも有効であ
り、例えば画像信号にも適用することが可能である。し
かし、オーディオ信号におけるアタック部分でのプリエ
コーは聴感上の大きな障害となるため、本発明をオーデ
ィオ信号に適用することは非常に有効である。また、本
発明の方法は勿論多チャネルのオーディオ信号に対して
適用可能である。
【0105】なお、特願平6−13017号の明細書及
び図面には、前述したMDCTのように隣接するブロッ
ク間で半分ずつサンプルデータをオーバーラップさせて
スペクトル変換し、その後の復号化の際には逆スペクト
ル変換時に隣接するブロック間で上記オーバーラップ分
のサンプルデータを干渉させる処理を施するような場合
において、もし符号化による量子化雑音の発生が無いの
であれば元の波形信号がそのまま復元されるように、符
号化時のゲイン制御及び復号化時のゲイン制御補正を行
う方法が述べられている。この方法を使うと、MDCT
による高い効率の符号化を実現しながら、局部的なゲイ
ン制御によって、スペクトル変換されるブロックの長さ
を固定長としながらプリエコーの発生を有効に防止する
ことができる。上述した本発明にかかるゲイン制御及び
ゲイン制御補正の処理を、当該特願平6−13017号
の明細書及び図面に記載されているゲイン制御及びゲイ
ン制御補正に適用することも可能である。
【0106】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の信号符号化方法及び装置においては、波形要素をゲイ
ン制御するためのゲイン制御量は2のベキ乗ずつの複数
通りの値で表されているものであるため、これら複数通
りのゲイン制御量の内から選択したゲイン制御量を用い
て波形要素のゲイン制御を行うとき、波形要素がディジ
タルデータであれば、2のベキ乗のベキ指数分だけこの
波形要素のディジタルデータを左へビットシフトすれば
よいことになり、したがって、アタック部以前の波形要
素に対する演算量を大幅に低減することができる。
【0107】また、本発明の信号復号化方法及び装置に
おいては、波形要素のゲイン制御補正を行うためのゲイ
ン制御補正量は2のベキ乗で表される複数通りの値で表
されているものであるため、これら複数通りのゲイン制
御補正量の内から選択したゲイン制御補正量を用いて波
形要素のゲイン制御補正を行うとき、波形要素がディジ
タルデータであれば、2のベキ乗のベキ指数分だけこの
波形要素のディジタルデータを右へビットシフトすれば
よいことになり、したがって、アタック部以前の波形要
素に対する演算量を大幅に低減することができる。
【0108】さらに、本発明の信号復号化方法及び装置
においては、滑らかに変化する複数種類のゲイン制御補
正量を予め設定しており、ゲイン制御補正量が変化する
変化点付近の変化前のゲイン制御補正量と変化後のゲイ
ン制御補正量との間には、この予め設定している滑らか
に変化する複数種類のゲイン制御補正量の内から選択し
たゲイン制御補正量を使用するようにしているので、ゲ
イン制御補正量の変化点付近で滑らかなゲイン制御補正
量を設定するための演算が不要になる。
【0109】これらのことから、本発明においては、装
置構成が複雑になることはなく、符号化効率が良く、か
つプリエコーの発生をも有効に防止できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の信号符号化装置の概略構成を示
すブロック回路図である。
【図2】本発明実施例の信号復号化装置の概略構成を示
すブロック回路図である。
【図3】アタック部以前の信号成分へのゲイン制御につ
いて説明するための図である。
【図4】本実施例の信号符号化装置の要部の構成を示す
ブロック回路図である。
【図5】本実施例の信号復号化装置の要部の構成を示す
ブロック回路図である。
【図6】波形信号の特性によってアタック部以前の信号
成分へのゲイン制御量を可変することについて説明する
ための図である。
【図7】ゲイン制御関数の設定の処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図8】ゲイン制御関数の設定をより簡略化する処理の
流れを示すフローチャートである。
【図9】符号列信号のフォーマットを示す図である。
【図10】ゲイン制御補正関数の設定の処理の流れを示
すフローチャートである。
【図11】プリエコーの発生について説明するための図
である。
【図12】アタック部の前後でスペクトル変換のための
ブロックの長さを可変することについて説明するための
図である。
【符号の説明】
32 ウインドウ回路 33 アタック部検出回路 34 ゲイン制御回路 35 順スペクトル変換回路 36 正規化量子化回路 37 符号化回路 42 復号化回路 43 逆正規化逆量子化回路 44 逆スペクトル変換回路 45 ゲイン制御補正回路 46 隣接ブロック合成回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 17/02 8842−5J H03H 17/02 P H04B 14/00 H04B 14/00 E

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波形信号を符号化する信号符号化方法に
    おいて、 波形信号の波形要素のレベルが急激に大きくなるアタッ
    ク部を検出し、 少なくとも上記アタック部以前の波形要素に対しては、
    予め設定された2のベキ乗で表される複数通りのゲイン
    制御量の内から波形信号の特性に応じて適応的に選択し
    たゲイン制御量を用いてゲイン制御を行い、 上記波形信号を複数の周波数成分に変換し、 上記ゲイン制御のための制御情報と複数の周波数成分と
    符号化することを特徴とする信号符号化方法。
  2. 【請求項2】 上記ゲイン制御は、波形信号の波形要素
    に対応するディジタルデータを2のベキ乗のベキ指数分
    だけ左へビットシフトすることで行うことを特徴とする
    請求項1記載の信号符号化方法。
  3. 【請求項3】 上記ゲイン制御量が変化する変化点付近
    には、変化前のゲイン制御量と変化後のゲイン制御量と
    の間で滑らかに変化するゲイン制御量を設定することを
    特徴とする請求項1記載の信号符号化方法。
  4. 【請求項4】 波形信号を複数の波形要素からなる小区
    間に細分化し、二つの小区間の間で波形要素のレベル変
    動が所定の限界値を越えたときに、上記アタック部を検
    出することを特徴とする請求項1記載の信号符号化方
    法。
  5. 【請求項5】 上記ゲイン制御のための制御情報は、少
    なくとも、アタック部の検出の有無を示す情報と、アタ
    ック部を検出したときの上記アタック部以前の波形要素
    に対する上記ゲイン制御量を示す情報及び当該アタック
    部の位置を示す情報とからなることを特徴とする請求項
    1記載の信号符号化方法。
  6. 【請求項6】 上記波形信号を複数の周波数成分へ変換
    する処理は、波形信号を複数の波形要素毎にブロック化
    し、当該ブロック毎の波形要素をスペクトル変換する処
    理であることを特徴とする請求項1記載の信号符号化方
    法。
  7. 【請求項7】 上記ゲイン制御量を選択する際の上記波
    形信号の特性は、当該アタック部以前の波形要素のレベ
    ルとアタック部の波形要素のレベルとに基づく、波形信
    号の変化の度合いであることを特徴とする請求項1記載
    の信号符号化方法。
  8. 【請求項8】 波形信号を符号化する信号符号化装置に
    おいて、 波形信号の波形要素のレベルが急激に大きくなるアタッ
    ク部を検出するアタック部検出手段と、 少なくとも上記アタック部以前の波形要素に対しては、
    予め設定された2のベキ乗で表される複数通りのゲイン
    制御量の内から波形信号の特性に応じて適応的に選択し
    たゲイン制御量を用いてゲイン制御を行うゲイン制御手
    段と、 上記波形信号を複数の周波数成分に変換する変換手段
    と、 上記ゲイン制御のための制御情報と複数の周波数成分と
    符号化する符号化手段とを有することを特徴とする信号
    符号化装置。
  9. 【請求項9】 上記ゲイン制御は、波形信号の波形要素
    に対応するディジタルデータを上記2のベキ乗のベキ指
    数分だけ左へビットシフトすることで行うことを特徴と
    する請求項8記載の信号符号化装置。
  10. 【請求項10】 上記ゲイン制御量が変化する変化点付
    近には、変化前のゲイン制御量と変化後のゲイン制御量
    との間で滑らかに変化するゲイン制御量を設定すること
    を特徴とする請求項8記載の信号符号化装置。
  11. 【請求項11】 上記アタック部検出手段は、波形信号
    を複数の波形要素からなる小区間に細分化し、二つの小
    区間の間で波形要素のレベル変動が所定の限界値を越え
    たときに、上記アタック部を検出することを特徴とする
    請求項8記載の信号符号化装置。
  12. 【請求項12】 上記ゲイン制御のための制御情報は、
    少なくとも、アタック部の検出の有無を示す情報と、ア
    タック部を検出したときの上記アタック部以前の波形要
    素に対する上記ゲイン制御量を示す情報及び当該アタッ
    ク部の位置を示す情報とからなることを特徴とする請求
    項8記載の信号符号化装置。
  13. 【請求項13】 上記波形信号を複数の周波数成分へ変
    換する処理は、波形信号を複数の波形要素毎にブロック
    化し、当該ブロック毎の波形要素をスペクトル変換する
    処理であることを特徴とする請求項8記載の信号符号化
    装置。
  14. 【請求項14】 上記ゲイン制御量を選択する際の上記
    波形信号の特性は、当該アタック部以前の波形要素のレ
    ベルとアタック部の波形要素のレベルとに基づく、波形
    信号の変化の度合いであることを特徴とする請求項8記
    載の信号符号化装置。
  15. 【請求項15】 符号化信号を復号化して波形信号を復
    元する信号復号化方法において、 上記符号化信号は、少なくとも、波形信号を変換した複
    数の周波数成分と、波形信号の波形要素のレベルが急激
    に大きくなるアタック部以前の波形要素に対するゲイン
    制御補正のための制御補正情報とを符号化したものであ
    り、当該符号化信号を復号化して複数の周波数成分と制
    御補正情報を取り出し、 上記複数の周波数成分を複数の波形要素からなる波形信
    号に変換し、 予め設定された2のベキ乗で表される複数通りのゲイン
    制御補正量の内から、上記制御補正情報に基づいて選択
    したゲイン制御補正量を用いて、少なくともアタック部
    以前の波形要素のゲイン制御補正を行い、 上記波形要素から波形信号を復元することを特徴とする
    信号復号化方法。
  16. 【請求項16】 上記ゲイン制御補正は、波形要素に対
    応するディジタルデータを2のベキ乗のベキ指数分だけ
    右へビットシフトすることで行うことを特徴とする請求
    項15記載の信号復号化方法。
  17. 【請求項17】 上記ゲイン制御補正量が変化する変化
    点付近では、変化前のゲイン制御補正量と変化後のゲイ
    ン制御補正量との間で滑らかに変化するゲイン制御補正
    量を、予め設定されている複数種類の滑らかに変化する
    ゲイン制御補正量の内から選択することを特徴とする請
    求項15記載の信号復号化方法。
  18. 【請求項18】 上記ゲイン制御補正のための制御補正
    情報は、少なくとも、アタック部の有無を示す情報と、
    アタック部が存在するときの当該アタック部以前の波形
    要素に対する上記ゲイン制御補正量を示す情報及びアタ
    ック部の位置を示す情報とからなることを特徴とする請
    求項15記載の信号復号化方法。
  19. 【請求項19】 上記複数の周波数成分を複数の波形要
    素からなる波形信号に変換する処理は、複数の周波数成
    分からなるブロック毎に、当該ブロック毎の周波数成分
    を逆スペクトル変換する処理であることを特徴とする請
    求項15記載の信号復号化方法。
  20. 【請求項20】 符号化信号を復号化して波形信号を復
    元する信号復号化装置において、 上記符号化信号は、少なくとも、波形信号を変換した複
    数の周波数成分と、波形信号の波形要素のレベルが急激
    に大きくなるアタック部以前の波形要素に対するゲイン
    制御補正のための制御補正情報とを符号化したものであ
    り、当該符号化信号を復号化して複数の周波数成分と制
    御補正情報を取り出す符号化手段と、 上記複数の周波数成分を複数の波形要素からなる波形信
    号に変換する変換手段と、 予め設定された2のベキ乗で表される複数通りのゲイン
    制御補正量の内から、上記制御補正情報に基づいて選択
    したゲイン制御補正量を用いて、少なくともアタック部
    以前の波形要素のゲイン制御補正を行うゲイン制御補正
    手段と、 上記波形要素から波形信号を復元する復元手段とを有す
    ることを特徴とする信号復号化装置。
  21. 【請求項21】 上記ゲイン制御補正は、波形要素に対
    応するディジタルデータを2のベキ乗のベキ指数分だけ
    右へビットシフトすることで行うことを特徴とする請求
    項20記載の信号復号化装置。
  22. 【請求項22】 上記ゲイン制御補正量が変化する変化
    点付近では、変化前のゲイン制御補正量と変化後のゲイ
    ン制御補正量との間で滑らかに変化するゲイン制御補正
    量を、予め設定されてテーブル内に保持されている複数
    種類の滑らかに変化するゲイン制御補正量の内から選択
    することを特徴とする請求項20記載の信号復号化装
    置。
  23. 【請求項23】 上記ゲイン制御補正のための制御補正
    情報は、少なくとも、アタック部の有無を示す情報と、
    アタック部が存在するときの当該アタック部以前の波形
    要素に対する上記ゲイン制御補正量を示す情報及びアタ
    ック部の位置を示す情報とからなることを特徴とする請
    求項20記載の信号復号化装置。
  24. 【請求項24】 上記複数の周波数成分を複数の波形要
    素からなる波形信号に変換する処理は、複数の周波数成
    分からなるブロック毎に、当該ブロック毎の周波数成分
    を逆スペクトル変換する処理であることを特徴とする請
    求項20記載の信号復号化装置。
  25. 【請求項25】 少なくとも波形信号の波形要素のレベ
    ルが急激に大きくなるアタック部以前の各波形要素につ
    いては予め設定された2のベキ乗で表される複数通りの
    ゲイン制御量の内から波形信号の特性に応じて適応的に
    選択したゲイン制御量を用いてゲイン制御を行った波形
    信号を、複数の周波数成分に変換し、当該複数の周波数
    成分を上記ゲイン制御のための制御情報と共に符号化し
    て得た符号化情報を、記録してなることを特徴とする情
    報記録媒体。
  26. 【請求項26】 上記ゲイン制御された波形要素は、ゲ
    イン制御前の波形要素に対応するディジタルデータを2
    のベキ乗のベキ指数分だけ左へビットシフトしたもので
    あることを特徴とする請求項25記載の情報記録媒体。
  27. 【請求項27】 上記波形信号に対するゲイン制御は、
    上記ゲイン制御量が変化する変化点付近では、変化前の
    ゲイン制御量と変化後のゲイン制御量との間で滑らかに
    変化するゲイン制御量によることを特徴とする請求項2
    5記載の情報記録媒体。
  28. 【請求項28】 上記ゲイン制御のための制御情報は、
    少なくとも、アタック部の有無を示す情報と、アタック
    部が存在するときの当該アタック部以前の波形要素に対
    する上記ゲイン制御量を示す情報及びアタック部の位置
    を示す情報とからなることを特徴とする請求項25記載
    の情報記録媒体。
  29. 【請求項29】 上記複数の周波数成分は、波形信号を
    複数の波形要素毎にブロック化し、当該ブロック毎の波
    形要素をスペクトル変換したものであることを特徴とす
    る請求項25記載の情報記録媒体。
  30. 【請求項30】 上記ゲイン制御量を選択する際の上記
    波形信号の特性は、当該アタック部以前の波形要素のレ
    ベルとアタック部の波形要素のレベルとに基づく、波形
    信号の変化の度合いであることを特徴とする請求項25
    記載の情報記録媒体。
  31. 【請求項31】 少なくとも波形信号の波形要素のレベ
    ルが急激に大きくなるアタック部以前の各波形要素につ
    いては予め設定された2のベキ乗で表される複数通りの
    ゲイン制御量の内から波形信号の特性に応じて適応的に
    選択したゲイン制御量を用いてゲイン制御を行った波形
    信号を、複数の周波数成分に変換し、当該複数の周波数
    成分を符号化して伝送し、 上記ゲイン制御のための制御情報を符号化して伝送する
    ことを特徴とする情報伝送方法。
  32. 【請求項32】 上記ゲイン制御は、波形要素に対応す
    るディジタルデータを2のベキ乗のベキ指数分だけ左へ
    ビットシフトすることで行うことを特徴とする請求項3
    1記載の情報伝送方法。
  33. 【請求項33】 上記波形信号に対するゲイン制御は、
    上記ゲイン制御量が変化する変化点付近では、変化前の
    ゲイン制御量と変化後のゲイン制御量との間で滑らかに
    変化するゲイン制御量によることを特徴とする請求項3
    1記載の情報伝送方法。
  34. 【請求項34】 上記ゲイン制御のための制御情報は、
    少なくとも、アタック部の有無を示す情報と、アタック
    部が存在するときの当該アタック部以前の波形要素に対
    する上記ゲイン制御量を示す情報及びアタック部の位置
    を示す情報とからなることを特徴とする請求項31記載
    の情報伝送方法。
  35. 【請求項35】 上記波形要素を複数の周波数成分に変
    換する処理は、波形信号を複数の波形要素毎にブロック
    化し、当該ブロック毎の波形要素をスペクトル変換する
    処理であることを特徴とする請求項31記載の情報伝送
    方法。
  36. 【請求項36】 上記ゲイン制御量を選択する際の上記
    波形信号の特性は、当該アタック部以前の波形要素のレ
    ベルとアタック部の波形要素のレベルとに基づく、波形
    信号の変化の度合いであることを特徴とする請求項31
    記載の情報伝送方法。
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