JP3263881B2 - 情報符号化方法及び装置、情報復号化方法及び装置並びに情報記録媒体及び情報伝送方法 - Google Patents

情報符号化方法及び装置、情報復号化方法及び装置並びに情報記録媒体及び情報伝送方法

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JP3263881B2
JP3263881B2 JP01301794A JP1301794A JP3263881B2 JP 3263881 B2 JP3263881 B2 JP 3263881B2 JP 01301794 A JP01301794 A JP 01301794A JP 1301794 A JP1301794 A JP 1301794A JP 3263881 B2 JP3263881 B2 JP 3263881B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる高能率符号化
によって入力ディジタルデータの符号化を行ない、これ
を伝送、記録、再生し、復号化して再生信号を得るよう
な、情報符号化方法及び装置、情報復号化方法及び装置
並びに情報記録媒体及び情報伝送方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、オーディオ或いは音声等の信
号の高能率符号化の手法は種々知られているが、例え
ば、時間軸上のオーディオ信号等をブロック化しない
で、複数の周波数帯域に分割して符号化する非ブロック
化周波数帯域分割方式である帯域分割符号化(サブバン
ド・コーディング:SBC)や、時間軸の信号を周波数
軸上の信号に変換(スペクトル変換)して複数の周波数
帯域に分割し、各帯域毎に符号化するブロック化周波数
帯域分割方式、いわゆる変換符号化等を挙げることがで
きる。また、上述の帯域分割符号化と変換符号化とを組
み合わせた高能率符号化の手法も考えられており、この
場合には、例えば、上記帯域分割符号化で帯域分割を行
った後、該各帯域毎の信号を周波数軸上の信号にスペク
トル変換し、このスペクトル変換された各帯域毎に符号
化が施される。
【0003】ここで、上述した帯域分割符号化において
用いられる帯域分割用フィルターとしては、例えばQM
Fフィルターがあり、このQMFフィルターは、文献
「ディジタル・コーディング・オブ・スピーチ・イン・
サブバンズ」(Digital codingof speech in subbands,
R.E.Crochiere, Bell Syst.Tech. J., Vol.55, No.819
76)に述べられている。
【0004】また、文献「ポリフェイズ・クァドラチュ
ア・フィルターズ −新しい帯域分割符号化技術」(Po
lyphase Quadrature filters -A new subband coding t
echnique, Joseph H. Rothweiler, ICASSP 83 BOSTON)
には、等バンド幅のフィルター分割手法が述べられてい
る。
【0005】また、上述したスペクトル変換としては、
例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレー
ム)でブロック化し、当該ブロック毎に離散フーリエ変
換(DFT)、コサイン変換(DCT)、モディファイ
ドDCT変換(MDCT)等を行うことで時間軸を周波
数軸に変換するようなスペクトル変換がある。なお、上
記MDCTについては、文献「時間領域エリアシング・
キャンセルを基礎とするフィルタ・バンク設計を用いた
サブバンド/変換符号化」(Subband/TransformCoding
Using Filter Bank Designs Based on Time Domain Ali
asing Cancellation, J.P.Princen, A.B.Bradley, Uni
v. of Surrey, Royal Melbourne Inst.ofTech. ICASSP
1987)に述べられている。
【0006】このようにフィルターやスペクトル変換に
よって帯域毎に分割された信号を量子化することによ
り、量子化雑音が発生する帯域を制御することができ、
マスキング効果などの性質を利用して聴覚的により高能
率な符号化を行なうことができる。また、ここで量子化
を行なう前に、各帯域毎に、例えばその帯域における信
号成分の絶対値の最大値で正規化を行なうようにすれ
ば、さらに高能率な符号化を行なうことができる。
【0007】ここで、周波数帯域分割された各周波数成
分を量子化する場合の周波数分割幅としては、例えば人
間の聴覚特性を考慮した帯域幅を用いることが多い。す
なわち、一般に高域ほど帯域幅が広くなるような臨界帯
域(クリティカルバンド)と呼ばれている帯域幅で、オ
ーディオ信号を複数(例えば25バント)の帯域に分割
することがある。また、この時の各帯域毎のデータを符
号化する際には、各帯域毎に所定のビット配分或いは、
各帯域毎に適応的なビット割当て(ビットアロケーシヨ
ン)による符号化が行われる。例えば、上記MDCT処
理されて得られた係数データを上記ビットアロケーシヨ
ンによって符号化する際には、上記各ブロック毎のMD
CT処理により得られる各帯域毎のMDCT係数データ
に対して、適応的な割当てビット数で符号化が行われる
ことになる。ビット割当手法としては、次の2手法が知
られている。
【0008】例えば、文献「音声信号の適応変換符号
化」(Adaptive Transform Coding ofSpeech Signals,
R.Zelinski, P.Noll, IEEE Transactions of Accoustic
s, Speech, and Signal Processing, vol.ASSP-25, No.
4, August 1977 )では、各帯域毎の信号の大きさをも
とに、ビット割当を行なっている。この方式では、量子
化雑音スペクトルが平坦となり、雑音エネルギー最小と
なるが、聴感覚的にはマスキング効果が利用されていな
いために実際の雑音感は最適ではない。
【0009】また、例えば文献「臨界帯域符号化器 −
ディジタル・エンコーディング・オブ・パーセプチュア
ル・リクワイアメンツ・オブ・ジ・オーディトリィ・シ
ステム」(The critical band coder --digital encodi
ng of the perceptual requirements of the auditory
system, M.A.Kransner MIT, ICASSP 1980)では、聴覚
マスキングを利用することで、各帯域毎に必要な信号対
雑音比を得て固定的なビット割当を行なう手法が述べら
れている。しかしこの手法では、サイン波入力で特性を
測定する場合でも、ビット割当が固定的であるために特
性値がそれほど良い値とならない。
【0010】これらの問題を解決するために、ビット割
当に使用できる全ビットが、各小ブロック毎にあらかじ
め定められた固定ビット割当パターン分と、各ブロック
の信号の大きさに依存したビット配分を行なう分に分割
使用され、その分割比を入力信号に関係する信号に依存
させ、前記信号のスペクトルが滑らかなほど前記固定ビ
ット割当パターン分への分割比率を大きくする高能率符
号化装置が提案されている。
【0011】この方法によれば、サイン波入力のよう
に、特定のスペクトルにエネルギーが集中する場合には
そのスペクトルを含むブロックに多くのビットを割り当
てる事により、全体の信号対雑音特性を著しく改善する
ことができる。一般に、急峻なスペクトル成分をもつ信
号に対して人間の聴覚は極めて敏感であるため、このよ
うな方法を用いる事により、信号対雑音特性を改善する
ことは、単に測定上の数値を向上させるばかりでなく、
聴感上、音質を改善するのに有効である。
【0012】ビット割り当ての方法にはこの他にも数多
くのやり方が提案されており、さらに聴覚に関するモデ
ルが精緻化され、符号化装置の能力があがれば聴覚的に
みてより高能率な符号化が可能になる。
【0013】ところで、波形信号をスペクトルに変換す
る方法として上述のDFTやDCTを使用した場合に
は、M個のサンプルからなる時間ブロックで変換を行う
とM個の独立な実数データが得られる。時間ブロック間
の接続歪みを軽減するために、通常、両隣のブロックと
それぞれM1 個のサンプルずつオーバーラップさせるの
で、平均して、DFTやDCTでは(M−M1 )個のサ
ンプルに対してM個の実数データを量子化して符号化す
ることになる。
【0014】これに対してスペクトルに変換する方法と
して上述のMDCTを使用した場合には、両隣の時間と
M個ずつオーバーラップさせた2M個のサンプルから、
独立なM個の実数データが得られるので平均して、MD
CTではM個のサンプルに対してM個の実数データを量
子化して符号化することになる。復号化装置において
は、このようにしてMDCTを用いて得られた符号から
各ブロックにおいて逆変換を施して得られた波形要素を
互いに干渉させながら加え合わせることにより、波形信
号を再構成することができる。
【0015】一般に変換のための時間ブロックを長くす
ることによって、スペクトルの周波数分解能が高まり特
定のスペクトル成分にエネルギーが集中する。したがっ
て、両隣のブロックと半分ずつオーバーラップさせて長
いブロック長で変換を行い、しかも得られたスペクトル
信号の個数が、元の時間サンプルの個数に対して増加し
ないMDCTを使用することにより、DFTやDCTを
使用した場合よりも効率の良い符号化を行うことが可能
となる。また、隣接するブロック同士に十分長いオーバ
ーラップを持たせることによって、波形信号のブロック
間歪みを軽減することもできる。
【0016】このように、信号をいったん周波数成分に
分解し、その周波数成分を量子化して符号化する方法を
用いると、その周波数成分を復号化して合成して得られ
た波形信号にも量子化雑音が発生するが、もし、元々の
信号成分が急激に変化する場合には、波形信号上の量子
化雑音は必ずしも元の信号波形が大きくない部分でも大
きくなってしまい、この量子化雑音が同時マスキングに
よって隠蔽されないため聴感上の障害になる。音が急激
に大きくなるアタック部でこのようにして発生する量子
化雑音はプリエコーと呼ばれる。
【0017】特に、スペクトル変換を使用して多数の周
波数成分に分解した場合には、時間分解能が悪くなり、
長い期間にわたってプリエコーが発生してしまう。
【0018】ここで、帯域分割の際にスペクトル変換を
使用した場合のプリエコーの発生の動作原理について、
図14を参照しながら説明する。
【0019】図14の(A)に示す窓関数あるいはウィ
ンドウ関数を用いて、入力波形信号SWに順スペクトル
変換を施したスペクトル信号に量子化雑音が加わった場
合に、この量子化雑音が加わったスペクトル信号に逆ス
ペクトル変換を施して再び時間軸上の波形信号に戻す
と、その量子化雑音は変換ブロック全体に拡がってしま
う。ここで、入力信号波形が(B)のように変換ブロッ
クの途中で急激に大きくなった場合には、元の信号波形
が小さい区間においては、量子化雑音QNが信号波形S
Wに対して大きくなってしまうため、同時マスキングが
効かず、プリエコーとして聴感上の障害になる。
【0020】ここで、スペクトル変換の変換長を短くす
れば上記の量子化雑音の発生期間も短くなるが、そうす
ると周波数分解能が悪くなり、準定常的な部分における
符号化効率が悪くなってしまう。このような問題を解決
する手段として、信号波形が急激に変化する部分におい
てのみ周波数分解能を犠牲にして変換長を短くする、と
いう方法が提案されている。
【0021】図15はこのようなプリエコーによる聴感
上の障害を軽減するために考案された従来技術の一例に
ついて説明するための図である。一般に、準定常的な信
号波形に対しては、変換ブロック長を長くした方が特定
のスペクトル係数に対してエネルギーが集中するので符
号化効率は高くなるが、音の大きさが急激に変化する部
分では変換ブロック長が長いと上述のプリエコーが問題
になる。
【0022】そこで、音の大きさが急激に変化する部
分、例えば図15の(B)に示すような入力信号波形S
Wの振幅が急激に大きくなるところでは、図15の
(A)に示すように、変換ブロック長を短くするような
短変換窓関数あるいは短変換ウィンドウ関数を掛けるよ
うにし、これによって上記プリエコーの発生期間を十分
短くすれば、元の信号によるいわゆる逆向マスキングが
効き、聴感上の障害が無くなる。図15の方法ではこの
ことを利用して信号波形の各部分の性質に応じて変換ブ
ロック長を選択的に切り替えている。
【0023】この方法を用いると、準定常部では十分な
周波数分解能が確保されると共に、アタック部における
プリエコーも発生期間が十分に短くなりいわゆる逆向マ
スキングにより隠蔽されるため、効率の良い符号化が可
能となる。
【0024】しかし、このように変換長を可変にする方
法では、異なる長さの変換に対応した変換手段を符号化
装置、復号化装置に設ける必要がある。さらにこの方法
では、変換によって得られるスペクトル成分の数は変換
長の長さに比例するため、各スペクトル成分が対応する
周波数帯域も変換長によって異なり、複数のスペクトル
を、例えば臨界帯域幅毎にまとめて符号化しようとした
場合に、各臨界帯域に含まれるスペクトルの数も異なっ
てしまい、符号化、復号化の処理が煩雑になってしま
う。このように、変換長を可変にするやり方では、符号
化装置、復号化装置とも複雑なものになってしまう、と
いう欠点がある。
【0025】ところで、変換ブロック長を一定にしたま
まで上記プリエコーの問題を解決するための方法とし
て、特開平3−132228号公報には、入力された波
形信号に対して適応ゲイン制御を行った後、DFTやD
CTを用いてスペクトル信号に変換して符号化を行う方
法が述べられている。ここでゲイン制御とは、パワーレ
ベルの小さいところではそのゲインを大きく(振幅を増
幅)することである。
【0026】図16は、このような入力信号に対して適
応ゲイン制御を行う技術を用いた符号化復号化方法の動
作原理を説明するための図である。また、図17及び図
18は、この方法に基づく符号化装置及び復号化装置の
概略構成をそれぞれ示すブロック図である。
【0027】これらの図において、図17の符号化装置
の入力端子300には、例えば図16の信号波形(A)
が入力されている。この入力信号は、符号化装置におい
てブロック毎に変換ウィンドウ関数、例えば図16の
(B)を掛けて順スペクトル変換を施される前に、セグ
メントパワー検出回路301により小セグメント毎にパ
ワーが計算され、トランジェント検出回路302により
トランジェント情報が検出され、適応ゲイン制御回路3
03において、上記トランジェント情報に基づいて得ら
れるゲイン制御関数によって増幅される。このゲイン制
御関数は、例えば図16の(C)に示すように、入力信
号レベルの小さいところはゲインを大きくし、入力レベ
ルの大きいところはゲインを小さくするような関数であ
る。なお、図16中の各ブロックをBL1、BL2、B
L3で表している。
【0028】適応ゲイン制御回路303からの出力信号
は、ウィンドウ回路304で図16の(B)に示すよう
な順変換ウィンドウ関数あるいは窓関数が掛けられ、順
スペクトル変換回路305でDFTやDCT等の直交変
換処理が施された後、正規化・量子化回路306で正規
化・量子化が施される。この正規化・量子化回路306
からの出力は、符号化回路307に送られて、トランジ
ェント検出回路302からの上記トランジエント情報と
共に符号化が施され、出力端子308より符号列出力信
号として取り出される。
【0029】このゲイン制御関数による増幅処理による
波形の歪みは、図18に示すような復号化装置におい
て、逆変換されて得られた波形信号に上述のゲイン制御
関数の逆数を掛けることによって補正する。
【0030】すなわち、図17の出力端子308より取
り出され、必要に応じて伝送や記録再生がなされた符号
列信号が、図18の入力端子310に供給されている。
この符号列信号は、復号化回路311にて上記符号化回
路307での符号化の逆の復号化が施され、スペクトル
情報成分が逆正規化・逆量子化回路312に送られ、上
記トランジェント情報がゲイン制御補正回路315に送
られる。逆正規化・逆量子化回路312からの出力は、
逆スペクトル変換回路313により、逆DFT(Invers
e DFT:IDFT)や逆DCT(Inverse DCT:I
DCT)等の逆直交変換処理が施された後、隣接ブロッ
ク合成回路314に送られて隣接ブロックとの合成がな
され、ゲイン制御補正回路315に送られる。このゲイ
ン制御補正回路315では、合成された信号に対して上
記トランジジェント情報に基づく上記ゲイン制御関数の
逆数が掛けられて補正され、出力端子316を介して取
り出される。
【0031】この方法においては、符号化装置はスペク
トル信号への変換を行う前に、アタック部ではゲインを
急激に下げたゲイン制御を行い、アタック部以外では減
衰に応じてそのゲインを再び上げて行くようゲイン制御
を行っており、復号化装置は、逆スペクトル変換して得
られた信号波形に対してゲイン制御を補正する逆ゲイン
制御を施した信号を出力する。このようにすると、マス
キング・レベルが低くなる小振幅の信号部分における量
子化雑音が抑圧される。また、変換長を常に一定にする
ことができるため、符号化装置、復号化装置の構成を簡
単にすることができる。
【0032】しかしながら、 この方法では信号の減衰
時にもゲイン制御を行う必要がある。一般にゲイン制御
を行うことは元の信号波形を歪ませることになるので、
スペクトルに変換した場合にエネルギーの分布が分散さ
れ、効率的な符号化を行うことが困難になる。特に信号
の減衰時には、前の音が後に発生した発生した音をマス
クする順向マスキングが有効に作用するため、量子化雑
音の発生を時間的に制御するよりも雑音レベルそのもの
を下げることが重要である。また、常にゲイン制御の処
理を行うことは、演算処理量の面から見ても好ましくな
い。
【0033】変換ブロック長を一定にしたままでプリエ
コーを防止する他の方法として、例えば特開昭61−2
01526号公報や特開昭63−7023号公報に示す
ような技術が知られている。これらの公報には、符号化
装置において、入力信号波形を時間ブロック毎に切り出
してウィンドウを掛けた後、アタック部を検出し、アタ
ック部直前の小振幅の波形を増幅してからDFTやDC
Tを用いてスペクトル信号に変換して符号化し、復号化
装置においては、復元されたスペクトル信号にIDFT
やIDCT等の逆変換を施してから符号化装置でアタッ
ク部直前の信号を増幅したことを補正する処理を施すこ
とにより、プリエコーを防止する方法が提案されてい
る。この場合も、変換長を常に一定にでき、符号化装
置、復号化装置の構成を簡単にすることができる。
【0034】ここで図19は、上記特開昭61−201
526号公報や特開昭63−7023号公報において示
されているウィンドウ化処理技術を用いた符号化復号化
についての動作原理を説明したものであり、図20及び
図21は、この技術を用いた符号化装置及び復号化装置
の処理の流れを示したものである。
【0035】図20の入力端子400には、例えば図1
9の(A)に示すような信号波形が入力されており、ウ
ィンドウ回路401においては、時間的に順次連続しか
つ相互に重畳する時間窓を設定し時間波形信号を切り出
すように、図19の(B)に示すウィンドウ関数(上記
特開昭61−201526号公報で言う特性カーブ)が
掛け合わされる。アタック部検出回路402は、入力信
号の振幅が急激に大きくなる箇所(アタック部)を検出
する。ゲイン制御回路403においては、もしアタック
部が検出された場合には微小振幅部分を増幅するように
処理を行い、またアタック部が検出されなかった場合に
は増幅処理を行わない。ゲイン制御回路403からの出
力は、順スペクトル変換回路404に送られてDFT、
DCT等によりスペクトル信号に変換される。こうして
得られたスペクトル信号は、正規化・量子化回路405
にて正規化および量子化された後、符号化回路406に
よって符号化され、出力端子407より符号列として取
り出される。
【0036】また、図21に示す復号化装置において
は、入力端子410に供給された符号列信号に対して、
復号化回路411にて上記符号化回路406での符号化
の逆の復号化が施され、逆正規化・逆量子化回路412
に送られる。逆正規化・逆量子化回路412からの出力
は、逆スペクトル変換回路413でIDFT、IDCT
等により時間領域への逆変換が行われた後に、ゲイン制
御補正回路414に送られて、上記符号化装置で施され
たゲイン制御処理を補正する処理が施される。ゲイン制
御補正回路414からの出力は、隣接ブロック合成回路
415に送られて隣接ブロックとの合成がなされ、出力
端子416を介して取り出される。
【0037】この方法では、上述のようにウィンドウ関
数が施された後、変形された波形信号に対してアタック
部の検出処理が行われるので、ブロックの両端において
は大振幅の部分も緩和されてしまい、例えば図19に示
すように、ブロックBL1においては、アタック部が検
出されず、次のブロックBL2においてのみアタック部
が検出されることが生じ得るが、スペクトル変換として
上記DFTやDCTを用いた場合には、順スペクトル変
換を施して得られたスペクトルに対して逆スペクトル変
換を施せば元の時系列ブロックが完全に復元されるた
め、復号化装置においてブロック毎にゲイン制御の補正
処理を施せば問題は生じない。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、符号化
の効率を高めるためにスペクトル変換として、例えば、
MDCTのように逆変換時に両隣の波形要素と干渉させ
て波形信号を構成させるような変換を用いた場合には、
上述のように信号波形を時間ブロック毎に切り出して独
立にアタック部を検出する方法では、アタック部の検出
とその直前での増幅処理にブロック間で矛盾を起こし、
正しく波形信号を再構成できなくなってしまう。ここ
で、逆変換時に隣接するブロックの波形信号を互いに干
渉させて合成する変換は、既に述べたように、符号化す
べき独立なスペクトル係数を増加させずにブロック長を
長く設定することが可能であるので、スペクトル変換後
のエネルギーの局部集中を高め、効率的な符号化を行う
上で有効である。
【0039】ここで、上記従来のウィンドウ切り出し後
にゲイン制御を行う場合にMDCTを用いることができ
ないことを説明する。
【0040】先ずMDCTに関して簡単に説明を行う。
時系列信号x(n) に対してMDCTを施すためには、次
の(1)式のように、両隣のブロックとMサンプルずつ
オーバーラップする長さ2Mのブロックで時系列信号を
切り出して順変換ウィンドウw1(n)を掛け合わせた後、
次の(2)式で示されるMDCTの変換を施す。
【0041】
【数1】
【0042】こうすると、全部でM個の独立なスペクト
ル係数XJ(k)が得られる。これらの(1)、(2)式に
おいて、nはサンプル番号、Jはブロック番号をそれぞ
れ表している。
【0043】次に、上記(1)式の全部でM個の独立な
スペクトル係数から、元の時系列信号を再現するために
は、次の(3)式で示されるIMDCTの変換を施した
後、次の(4)式で示されるように逆変換ウィンドウw
2(n)を掛け合わせ、さらに次の(5)式で示されるよう
に両隣のブロックと合成する。
【0044】
【数2】
【0045】ここで、(3)式のw2(n)は、w1(n)と次
の(6)、(7)式で示される関係を持つものとする
と、y(n) は元の信号x(n) と一致する。
【0046】
【数3】
【0047】しかし、x1,J(n)とx2,J(n)は一致しない
ので、ブロック毎に(1)式の代わりに次の(8)式の
ように、ブロック毎のゲイン制御関数gJ(n)を用いてゲ
イン制御を行ってから順変換ウィンドウ関数w1(n)を掛
け合わせ、
【0048】
【数4】
【0049】(5)式の代わりに次の(9)、(10)
式のようにゲイン制御の補正処理を行ってy(n) を求め
た場合に、x(n) とは必ずしも一致しない。
【0050】
【数5】
【0051】図22は、この様子を説明するための図で
ある。この図22において、(A)は上記ゲイン制御関
数g(n)の逆数を、(B)は入力信号x(n) を、
(C)は上記(1)式のx,(n)を、(D)は上記
(3)式のx,(n)を、及び(E)は上記(9)式の
,(n)をそれぞれ示しており、(F)は上記(1
0)式のy(n)を用いた場合のブロック番号J=2のブ
ロック内の信号波形を示している。なお、(A)、
(C)、(D)及び(E)については、ブロック番号J
=1、2、3についての3つのブロックについてそれぞ
れ示している。ただし、サンプル番号に関しては適当に
シフトした値になっている。
【0052】このように、ゲイン制御関数g2(n)とg
3(n)とが異なっているため、(F)に示す信号y(n) の
J=2のブロックの後半部分に、元の信号x(n) に現れ
ていない波形が生じており、正しく信号波形を再構成で
きなくなってしまう。
【0053】なお、前述したように、パワーレベルに応
じて常に適応ゲイン制御を行う方法では、アタック部だ
けではなく減衰部でのゲイン制御が必要となるが、一般
に、ゲイン制御を施すとスペクトルに変換した場合には
周波数軸上でスペクトルが拡がるため、ゲイン制御を不
必要に行うことは符号化効率を下げることになる。ま
た、この方法では減衰部での適応制御が必要になるた
め、処理量も多くなってしまう。
【0054】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、MDCTのように逆変換時に両隣の波形
要素と干渉させて波形信号を構成させるような変換を用
いた場合に、符号化装置における増幅処理および復号化
装置における対応する補正処理がブロック間で矛盾無く
行われるようにすることによって、符号化効率の良いス
ペクトル変換を用いて、簡単な構成でプリエコーを防止
し得るような情報符号化方法及び装置、情報復号化方法
及び装置並びに情報記録媒体及び情報伝送方法の提供を
目的とするものである。
【0055】
【課題を解決するための手段】本発明に係る情報符号化
方法は、上述の課題を解決するために、入力波形信号を
時間軸上で隣接ブロックと一部重複させた所定長のブロ
ック毎に切り出して周波数軸上の信号に変換して符号化
を施す情報符号化方法において、逆変換時に隣接するブ
ロック間で波形要素を干渉させる変換処理と、上記変換
処理への入力波形要素信号のゲイン制御処理と、上記変
換処理の出力及び上記ゲイン制御の制御情報の符号化処
理とを行い、上記ゲイン制御処理は、現在ブロックの前
ブロックとの重複部分における上記前ブロックのゲイン
制御関数に応じて現在ブロックの少なくとも上記重複部
分のゲイン制御関数を求めるようにしたものである。
【0056】また、本発明に係る情報符号化装置は、入
力波形信号を時間軸上で隣接ブロックと一部重複させた
所定長のブロック毎に切り出して周波数軸上の信号に変
換して符号化を施す情報符号化装置において、逆変換時
に隣接するブロック間で波形要素を干渉させる変換処理
を行う変換手段と、上記変換手段への入力波形要素信号
のゲイン制御処理を行うゲイン制御処理手段と、上記変
換手段からの出力及び上記ゲイン制御処理手段のゲイン
制御情報の符号化処理を行う符号化手段とを有し、上記
ゲイン制御処理手段は、現在ブロックの前ブロックとの
重複部分における上記前ブロックのゲイン制御関数に応
じて現在ブロックの少なくとも上記重複部分のゲイン制
御関数を求めるようにしたものである。
【0057】次に、本発明に係る情報復号化方法は、入
力波形信号が時間軸上で隣接ブロックと一部重複した所
定長のブロック毎に切り出されて周波数軸上の信号に変
換されて符号化された情報を復号化する情報復号化方法
において、周波数軸上のスペクトル信号及びゲイン制御
補正情報の復号化処理と、隣接するブロック間で波形要
素を干渉させる逆変換処理と、上記逆変換処理の出力波
形要素信号のゲイン制御補正処理とを行い、上記ゲイン
制御補正処理は、現在ブロックの前ブロックとの重複部
分における上記前ブロックのゲイン制御関数に応じて求
められた現在ブロックのゲイン制御関数に基づいて元の
波形信号を復元するように補正するようにしたものであ
る。
【0058】また、本発明に係る情報復号化装置は、入
力波形信号が時間軸上で隣接ブロックと一部重複した所
定長のブロック毎に切り出されて周波数軸上の信号に変
換されて符号化された情報を復号化する情報復号化装置
において、周波数軸上のスペクトル信号及びゲイン制御
補正情報の復号化手段と、隣接するブロック間で波形要
素を干渉させる逆変換手段と、上記逆変換処理の出力波
形要素信号のゲイン制御補正処理を行うゲイン制御補正
処理手段とを有し、上記ゲイン制御補正処理手段は、現
在ブロックの前ブロックとの重複部分における上記前ブ
ロックのゲイン制御関数に応じて求められた現在ブロッ
クのゲイン制御関数に基づいて元の波形信号を復元する
ように補正するようにしたものである。
【0059】さらに、本発明に係る情報記録媒体は、入
力波形信号が時間軸上で隣接ブロックと一部重複した所
定長のブロック毎に切り出されて周波数軸上の信号に変
換されて符号化された情報が記録された情報記録媒体に
おいて、逆変換時に隣接するブロック間で波形要素を干
渉させる変換処理によって得られたスペクトル信号と、
現在ブロックの前ブロックとの重複部分における上記前
ブロックのゲイン制御関数に応じて求められた現在ブロ
ックの少なくとも上記重複部分のゲイン制御関数を含む
ゲイン制御補正情報とが記録されたものである。
【0060】またさらに、本発明に係る情報伝送方法
は、入力波形信号が時間軸上で隣接ブロックと一部重複
した所定長のブロック毎に切り出されて周波数軸上の信
号に変換されて符号化された情報を伝送する情報伝送方
法において、逆変換時に隣接するブロック間で波形要素
を干渉させる変換処理によって得られたスペクトル信号
と、現在ブロックの前ブロックとの重複部分における上
記前ブロックのゲイン制御関数に応じて求められた現在
ブロックの少なくとも上記重複部分のゲイン制御関数を
含むゲイン制御補正情報とを伝送するものである。
【0061】これらの発明において、上記変換処理とし
ては、モディファイド離散コサイン変換、いわゆるMD
CTが挙げられる。また、上記変換処理への波形要素信
号のゲイン制御処理は、急激に振幅の変化する波形要素
信号に対してのみ行うようにすればよく、特に、急激に
振幅の大きくなる波形要素信号に対してのみ行うことが
好ましく、上記波形信号が急激に大きくなる部分でのゲ
イン制御量は、複数種類の大きさから選択的に決定した
ものを用いてもよい。また、上記ゲイン制御処理は、滑
らかな過渡部を持つゲイン制御関数に基づいて行うこと
が挙げられる。また、上記変換処理は、帯域分割された
信号に対して行うことが挙げられる。さらに、上記ゲイ
ン制御処理の制御情報は、重複したブロック区間を細分
化したサブブロックの個数を表す情報を含むようにする
ことが挙げられ、また上記ゲイン制御処理の制御情報
は、隣接するブロックで共有される情報を含むようにす
ることが挙げられ、上記ゲイン制御処理の制御情報は、
ゲイン制御を行うかどうかを表すフラグ情報を含み、実
際のゲイン制御を行わないブロックの上記制御情報は上
記フラグ情報のみから構成されることが挙げられる。こ
こで、上記入力信号は、音響信号あるいはオーディオ信
号であることが挙げられる。
【0062】
【作用】符号化の際のゲイン制御処理が、前ブロックと
の重複部分の前ブロックのゲイン制御関数に応じて決め
られることにより、逆変換した場合にもし符号化による
損失が無いのであれば元の波形信号を復元可能なように
補正することが可能となり、符号化効率の良い変換を用
いて、簡単な構成でプリエコーを防止することができ
る。
【0063】また、変換処理にモエディファイド離散コ
サイン変換(MDCT)を用いることにより、符号化す
べき独立のスペクトル係数を増加させずにブロック長を
長く設定でき、スペクトル変換後のエネルギーの局部集
中を高め、効率的な符号化を行うことができる。
【0064】ゲイン制御処理を急激に振幅の変化する波
形要素信号に対してのみ行うことにより、常時ゲイン制
御を行う必要がなく、特に、急激に振幅の大きくなる波
形要素信号に対してのみ行うことにより、ゲイン制御情
報を簡略化でき、処理量及び構成を少なくできる。すな
わち、各ブロックにおけるアタック部のみに対して増幅
処理を行うだけですみ、簡単な処理でプリエコーを防止
することができる。
【0065】また、波形信号が急激に大きくなる部分で
のゲイン制御量として、複数種類の大きさから選択的に
決定したものを用いることにより、アタック部の振幅変
化の度合に応じたゲイン制御が可能となり、より効率的
でより音質の高い符号化、復号化、記録、伝送が可能と
なる。
【0066】さらに、ゲイン制御処理は、滑らかな過渡
部を持つゲイン制御関数に基づいて行うことにより、ス
ペクトルの拡がりによる符号化効率の低下を防ぐことが
できる。
【0067】また、帯域分割された信号に対してスペク
トル変換を行うことにより、特定の帯域、例えば、大き
な信号を含む帯域あるいは信号が大きく変化する帯域に
対してのみゲイン制御を行うことが可能となり、ゲイン
制御のための処理量を減らすことができると共に、個々
の変換長を短くすることができるため、少ないワークエ
リアで効率的な変換処理を行うことができる。
【0068】以上のことから、符号化装置における増幅
処理および復号化装置における対応する補正処理がブロ
ック間で矛盾無く行われるようにすることによって、符
号化効率の良いスペクトル変換を用いて、簡単な構成で
プリエコーを防止することが可能となる。
【0069】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について、図
面を参照にしながら説明する。
【0070】図1は本発明の情報符号化方法が適用され
る符号化装置の実施例のブロック回路図を示したもので
ある。この図1において、入力端子100を介して符号
化装置に入力されたオーディオ信号は、帯域分割回路1
01によって帯域分割される。この帯域分割回路101
における帯域分割手段としては、前述したQMF等のフ
ィルタによる分割手段を用いても、また、MDCT等の
スペクトル変換によって得られたスペクトルを帯域毎に
グループ化するという手段を用いてもよい。また、一
旦、フィルタによって幾つかの帯域に分割されたものに
対してスペクトル変換を行ない、これによって得られた
スペクトルを帯域毎にグループ化するという手段を用い
てもよい。さらに、この帯域分割による各帯域の幅は均
一であっても、例えば臨界帯域幅に合わせるように不均
一にとっても良い。なお、図1の例では四つの帯域に分
割されているが、もちろんこの数はさらに多くしても、
或いは少なくしてもよい。
【0071】上記帯域分割回路101によって帯域分割
された信号は、ある時間ブロック毎に各帯域に対応する
正規化回路111,112,113,114によって正
規化が施され、ここでそれぞれ正規化係数と被正規化信
号に分解される。それぞれの被正規化信号は、それぞれ
量子化精度決定回路141の出力である量子化精度情報
に基づいて量子化回路121,122,123、124
によって量子化され、ここで被正規化・量子化信号へと
変換される。なお、図1においては、上記量子化精度決
定回路141からの各量子化回路121,122,12
3,124への量子化精度情報のうち、上記量子化回路
122へ送られる量子化精度情報は端子152を介し、
上記量子化回路123へ送られる量子化精度情報は端子
153を介し、上記量子化回路124へ送られる量子化
精度情報は端子154を介してそれぞれ対応する回路に
送られる。
【0072】上記量子化回路121,122,123,
124からの各被正規化・量子化信号と、上記正規化回
路111,112,113,114からの各正規化係数
と、上記量子化精度決定回路141からの各量子化精度
情報とは、マルチプレクサ131によって、順次符号列
とされ、この符号列が端子103から出力される。この
符号列は、その後、ディスク状やテープ状あるいは半導
体などの記録媒体に記録され、または伝送系から送信さ
れる。
【0073】ここで、図1の例においては、上記量子化
精度決定回路141は上記帯域分割回路101によって
帯域分割された各信号に基づいて上記量子化精度を計算
しているが、帯域分割前の端子100を介した信号から
計算することも可能であり、また、各正規化回路11
1,112,113,114からの正規化係数に基づい
て計算することも可能である。さらに、当該量子化精度
決定回路141での計算は、マスキング効果等の聴覚現
象に基づいて行なうことができるものであり、上記各量
子化精度情報は上述したようにマルチプレクサ131を
介して出力されて後に復号化装置に送られるものであ
る。このため、符号化装置で使われる聴覚モデルは任意
に設定することができることになる。
【0074】一方、図2は本発明の情報復号化方法が適
用される図1の符号化装置に対応する復号化装置の実施
例のブロック回路図を示したものである。この図2にお
いて、本実施例の復号化装置の端子201に入力された
符号情報(前記符号列)は、デマルチプレクサ202に
送られ、ここで各帯域毎の量子化精度情報と、正規化係
数と、被正規化・量子化信号とに分離復元される。各帯
域毎の量子化精度情報、正規化係数、被正規化・量子化
信号は、それぞれ各帯域に対応する信号成分構成回路2
11,212,213,214に送られ、ここで各帯域
毎に信号成分が構成される。これら各信号成分構成回路
211,212,213,214からの信号成分は、帯
域合成回路221によって合成されてオーディオ信号と
なされて端子251から出力される。
【0075】次に、本発明による前記プリエコー抑圧の
方法の原理を説明する。すなわち、本発明の実施例にお
いては、前述した例えばモディファイド離散コサイン変
換、すなわちMDCTのように、逆変換時に隣接するブ
ロックの波形信号を互いに干渉させて合成する変換を用
いた場合に、正しくゲイン制御が行われるようにゲイン
制御をブロック間で関係付けながら行うが、以下にその
説明を行う。
【0076】先ず、最初に次の(11)式の条件を満た
す各々長さ2Mの区間で定義されたgJ(n)が各ブロック
に対応しているものとする。
【0077】
【数6】
【0078】ここで、元の波形信号をx(n) として、こ
れが別の信号s(n) に対して、次の(12)式の関係に
あったものであるとする。
【0079】
【数7】
【0080】このとき、前記(1)式のx1,J(n)を計算
すると、次の(13)式のようになるが、これはx
1,J(n)はs(n) に対してゲイン制御関数gJ(n)を使用し
てゲイン制御を行ってから順変換ウィンドウ関数を掛け
合わせたものであることを表していると解釈できる。
【0081】
【数8】
【0082】ここで上記(11)式の関係と、前記
(5)式で求められたy(n) がx(n) であることを利用
して上記(10)式の右辺を計算してみると、次の(1
4)式のように、これからs(n) を復元できることがわ
かる。
【0083】
【数9】
【0084】x(n)は任意の波形信号であったから、s
(n)も任意の波形信号にとることができる。すなわち、
MDCTを用いた場合でも、ゲイン制御関数gJ(n)が上
記(11)式の関係を維持するのであれば、波形は元に
復元することができる。
【0085】ここでさらに、前記(8)式の代わりに、
ゲイン制御関数gJ(n)をPJ 倍した次の(15)式でx
1,J(n)が定義されていたとしても、信号波形を元に復元
することができる。
【0086】
【数10】
【0087】これは、前記(2),(3),(4)式の
変換がすべて線形であることに注意すれば、前記(9)
式の代わりに次の(16)式でx4,J(n)を求めることに
より、前記(9)式と同じx4,J(n)が得られる。
【0088】
【数11】
【0089】結局、各々のゲイン制御関数gJ(n)の間
に、次の(17)式の関係が成立するのであれば、MD
CTを用いた場合においても符号化時にゲイン制御を行
い、復号化時にゲイン制御の補正を行うことで余計な波
形の歪みを生じさせることなく信号波形を出力すること
ができることがわかる。
【0090】
【数12】
【0091】次に、図3は、上述の方法を適用した場合
のウィンドウ化処理時のゲイン制御動作について説明す
るための図である。
【0092】各々のゲイン制御関数はオーバーラップす
る他のゲイン制御関数に対し、実際にオーバーラップす
る部分である係数倍になっている。この例の場合、例え
ば、ブロックBL1とBL4の各ブロックでは、その振
幅が互いに大きく異なっているが、どちらもアタック部
が検出されていないので、波形要素の変形は行われてい
ない。これに対して、ブロックBL2とブロックBL3
では、ブロックBL2の後半部にアタック部が存在して
いるので、ブロックBL3を現在ブロックとするとき、
その前ブロックBL2の重複あるいはオーバーラップ部
分である後半部のゲイン制御関数をそのまま、あるいは
定数倍して、ブロックBL3のゲイン制御関数としてい
る。
【0093】また、この例では、ゲイン制御はアタック
部の直前でのみ増幅されるようになされているが、これ
は既に説明したように、特に順向マスキングの効果を利
用したものである。ただしもちろん、減衰時に小振幅部
分で増幅がされるようにゲイン制御をすることも可能で
あり、例えばスペクトル変換のブロック長が極端に長
く、順向マスキング効果が十分期待できないような場合
には、減衰時に小振幅部分で増幅するようにしても良
い。また、検出するアタック部の数は、一つのブロック
に対して必ずしも一つである必要は無い。
【0094】ゲイン制御関数としてステップ状に急激に
変化するものを使用すると、スペクトルに変換した場合
に、そのエネルギーが拡散してしまい、符号化の効率が
落ちる。そのため制御関数は、アタック部においてもあ
る程度滑らかに変化するような形状を持つことが望まし
い。ただし、その区間は十分に短くなければプリエコー
が聞こえてしまうので、人間の聴覚を考慮して、ゲイン
制御関数は1msec程度の過渡区間を持ち、その区間内で
例えばサイン波形状のように滑らかな変化をさせること
が望ましい。次ブロックの先頭にアタックが生じる場合
に備えて、アタック部の検出範囲を次ブロックの先頭の
サブブロックまで広げておくことによって、ゲイン制御
関数に滑らかな過渡部を持たせながら、上述の逆変換時
に隣接するブロック間で波形要素を干渉させることがで
きるための条件を充足させることが可能である。
【0095】図4及び図5は、それぞれ以上述べた手法
を実際に信号の符号化および復号化に適用する場合の処
理手順の例を表したフローチャートである。
【0096】図4の符号化方法の例においては、図6を
用いて後ほど説明するように、両隣のブロックと半分ず
つのオーバーラップを持つ長さ2MのブロックをN分割
したサブブロックに分解してゲイン制御関数を構成して
いる。
【0097】先ず、ステップS1では、ブロック番号J
=0とし、次のステップS2では、滑らかなゲイン制御
関数を隣接するブロックと整合性のとれるように構成で
きるように、信号の先読みを行っている。次のステップ
S3では、入力信号波形からのゲイン制御関数gJ(n)を
計算し、ステップS4で上記(13)式及び(2)式の
計算をこの順番で行うことによって、波形要素をスペク
トル信号に変換している。次のステップS5では、得ら
れたスペクトル信号の正規化・量子化を行い、ステップ
S6で、正規化・量子化されたスペクトル信号とゲイン
制御関数生成情報とを符号化している。次のステップS
7では、ブロック番号Jをインクリメントし、ステップ
S8で終了か否かを判別し、NOのときには上記ステッ
プS2に戻り、YESのときには処理を終了している。
【0098】次に、図5の復号化方法の例においては、
最初のステップS11で、ブロック番号J=0とし、次
のステップS12で、正規化・量子化されたスペクトル
信号とゲイン制御関数生成情報とを復号化している、次
のステップS13では、得られたスペクトル信号の逆正
規化・逆量子化を行い、ステップS14で上記ゲイン制
御関数生成情報に基づくゲイン制御関数の計算を行った
後、ステップS15において、上記(3)式、(4)
式、(9)式、(10)式の計算をこの順番で行うこと
によって、スペクトル信号を波形要素に変換している。
ステップS16では、得られた信号y(n+JM)を出力し、
ステップS17でブロック番号Jをインクリメントし、
ステップS8で終了か否かを判別し、NOのときには上
記ステップS12に戻り、YESのときには処理を終了
している。
【0099】次に、図6は、上記図4におけるステップ
S3でのゲイン制御関数gJ(n)の計算の処理手順を示す
フローチャートである。
【0100】この図6においては、隣接する両ブロック
とそれぞれ半分ずつオーバーラップを持った長さ2Mの
ブロックをN個のサブブロックに分割し、(I+1)番
サブブロックにおける最大振幅値P[I] を、I番サブブ
ロックまでの連続するK個のサブブロックにおける最大
振幅値Q[I] と比較し、それが所定の比率以上になって
いる場合にはアタック部が検出されたものとしている。
ただし、復号時に波形信号が矛盾無く合成されるための
上述の条件を満たすためには、既にゲイン制御の処理が
行われている前のブロックとの間でゲイン制御関数の整
合性を保つ必要がある。この例の場合、一つのブロック
でのアタック部の数は一つまでとなっており、オーバー
ラップしている前のブロックの処理において既に現ブロ
ックの前半部でのアタック部が検出されている場合に
は、それ以上アタック部を検出することをやめ、そうで
ない場合にはブロックの後半部でアタックの検出処理を
行っており、上述の整合性がとれている。また、最終的
に滑らかな過渡部をもつゲイン制御関数を構成して、ス
ペクトルに変換した場合のエネルギーの拡散を防いでい
る。
【0101】すなわち、図6の最初のステップS21に
おいては、1ブロックをN分割したサブブロックの内の
I番サブブロックまでの連続するK個のサブブロック、
すなわちI−K+1番サブブロックからI番サブブロッ
クまでの最大振幅値Q[I] を求め、ステップS22で
は、I番サブブロックにおける最大振幅値P[I] を求め
ている。次のステップS23では、前のブロックにおけ
るアタック位置LからN/2を減算することで、Lを現
在のブロックにおけるサブブロック番号に変換し、次の
ステップS24で、このLが0以上か否かを判別する。
YESのときは、前のブロックの後半部にアタックがあ
ったことになり、ステップS31に進んで現在ブロック
の前半部に前ブロックの後半部のゲイン制御関数を写
す。NOのときには、前のブロックの後半部分にアタッ
クが無かったことになり、ステップS25に進んで、現
在ブロックの後半部分にアタックがあるか否かの検出処
理を行う。
【0102】ステップS25では、現在ブロックの後半
のサブブロックについて調べるために、IをN/2と置
き換え、次のステップS26で、I+1番サブブロック
における最大振幅値P[I+1] が、I番サブブロックまで
の最大振幅値Q[I] に対してアタックとされる所定ゲイ
ンRを掛けたもの、すなわちR×Q[I] よりも大きいか
否かを判別している。NOのときには、ステップS27
でIをインクリメントし、ステップS28でIがブロッ
ク終端のサブブロック番号Nに達したか否かを判別し
て、I=NとなるまでステップS26を繰り返してい
る。ステップS28でYESと判別されたときには、ス
テップS29でL=0、すなわちアタック無しとして、
ステップS31に進む。上記ステップS26でYES、
すなわちアタックが見つかったときには、ステップS3
0に進んで、L=I+1とし、ステップS31に進む。
【0103】ステップS31では、アタック位置Lまで
のサブブロックのゲイン制御関数をRとし、残りを1す
ると共に、最終的に滑らかな過渡部を持つように補間処
理を行った後、処理を終了している。
【0104】もちろん、ゲイン制御関数の構成方法とし
てはこの他にも種々のものが可能であり、例えば、この
一つのブロックの中で複数のアタック部が検出されたも
のとしてゲイン制御関数を構成することも可能である。
また、上述の説明では、アタック部のゲイン制御量Rを
1種類としているが、波形信号のレベルに応じて変化さ
せることも可能である。
【0105】図7は、このように、アタック部のゲイン
制御量を変化させる場合の動作原理を説明するための図
であり、上記図6のフローチャートのaからbまでと置
き換え得るような、フローチャートの一部を示してい
る。すなわち、図6のステップS25から図7のステッ
プS35に進み、図7のステップS39又はステップS
40から図6のステップS31に進むものである。
【0106】この図7のステップS35において、R
は、I番までのK個のサブブロックの最大振幅Q[I]
の、その直後のサブブロックの最大振幅P[I+1] に対す
る比率で求めている。次のステップS36のTは所定の
閾値であり、上記RがTより大きい場合に、アタック部
が検出されたものとして、ステップS40に進んでい
る。NOのときにはステップS37に進み、Iをインク
リメントして、ステップS38でIがブロック終端のサ
ブブロック番号Nに達したか否かを判別し、I=Nとな
るまでステップS35以降を繰り返している。ステップ
S38でYESと判別されたときには、ステップS39
でL=0、すなわちアタック無しとし、R=1として、
bを介して上記図6のステップS31に進む。上記ステ
ップS36でYES、すなわちアタックが見つかったと
きには、ステップS40に進んで、L=I+1とし、R
には上記ステップS35で求められたRの値の整数値を
代入して、上記ステップS31に進む。
【0107】このように、アタック部のゲイン制御量を
波形信号のレベルに応じて変化させることにより、圧縮
率の高い場合にも効果的にプリエコーを防止することが
できるという利点がある。
【0108】次に、図8及び図9は、それぞれ本発明の
方法を適用した場合の符号化装置、復号化装置の構成例
を示したものである。
【0109】図8においては、上記(13)式の[w
1(n)gJ(n)]をまとめてウィンドウ関数としており、ウ
ィンドウ関数生成回路502では、ウィンドウ関数をア
タック部検出回路501から出力されるゲイン制御関数
生成情報を元に構成する。このゲイン制御関数生成情報
はスペクトル信号を正規化及び量子化したものと一緒に
符号化され、図9の復号化手段に送られる。
【0110】すなわち、図8の入力端子500には、例
えば図3の(A)に示すような信号波形が入力されてお
り、ウィンドウ回路503においては、時間的に順次連
続しかつ相互に重畳する時間窓を設定し時間波形信号を
切り出すように、ウィンドウ関数が掛け合わされる。ア
タック部検出回路501は、入力信号の振幅が急激に大
きくなる箇所(アタック部)を検出する。ウィンドウ関
数生成回路502は、アタック部検出回路501から出
力されるゲイン制御関数生成情報を元にウィンドウ関数
を生成し、ウィンドウ回路503に送って、アタック部
直前の小振幅の波形を上記R倍に増幅してからスペクト
ル変換回路504に送っている。スペクトル変換回路5
04では、MDCTによりスペクトル信号に変換され、
正規化・量子化回路505にて正規化および量子化され
た後、符号化回路506によって符号化され、出力端子
507より符号列として取り出される。この符号列出力
は、必要に応じて記録再生されあるいは伝送媒体を介し
て伝送されて、図9の復号化装置の入力端子510に送
られる。
【0111】図9に示す復号化装置においては、上記
(4)式のw2(n)及び上記(9)式のgJ(n)から求まる
[w2(n)/gJ(n)]をまとめて合成ウィンドウ関数とし
ており、合成ウィンドウ関数生成回路512では、復号
化回路511から送られてきたゲイン制御関数生成情報
を元に合成ウィンドウ関数を構成し、隣接ブロック合成
回路515に送る。逆スペクトル変換回路514はは上
記(3)式の処理を行い、隣接ブロック合成回路515
は、上記(4)式、(9)式、(10)式に対応する処
理をまとめて行う。
【0112】すなわち、図9の入力端子510に供給さ
れた符号列信号に対して、復号化回路511にて上記符
号化回路506での符号化の逆の復号化が施され、逆正
規化・逆量子化回路513に送られる。逆正規化・逆量
子化回路513からの出力は、逆スペクトル変換回路5
14でIMDCTにより時間領域への逆変換が行われた
後に、隣接ブロック合成回路515に送られて隣接ブロ
ックとの合成がなされる。この合成の際に、合成ウィン
ドウ関数生成回路512からの合成ウィンドウ関数が時
間領域の信号に掛け合わされ、合成された信号が出力端
子516を介して取り出される。
【0113】このように、本発明の方法あるいは装置
は、音響波形をディジタル信号に変換したものを処理す
る装置に適用することも可能であるし、また、一旦ファ
イルになっている波形信号をコンピュータ等で処理する
場合に適用することもできる。また、このようにして得
られた符号を記録媒体に記録することも伝送することも
もちろん可能である。また本発明は、つねに一定のビッ
トレートで符号化を行う場合にも、割り当てられるビッ
ト数がブロック毎に異なるように時間的に変化するビッ
トレートで符号化を行う場合にも適用することが可能で
ある。
【0114】以上の説明においては、符号化装置におい
てディジタル化された波形信号を直接スペクトル変換を
使ってスペクトル信号に変換する場合について述べた
が、もちろん、一旦帯域分割フィルタを使用して分割さ
れた帯域毎にスペクトル変換を使ってスペクトル信号に
変換する場合についても本発明の方法を適用することが
できる。
【0115】図10及び図11は、このような場合の符
号化装置及び復号化装置における信号の変換を行う部分
の構成をそれぞれ表すブロック図である。本発明におけ
る「逆変換時に隣接するブロック間で波形要素を干渉さ
せるスペクトル変換」とはこのように帯域分割フィルタ
を使用した後スペクトル変換を行う場合も含むものであ
る。
【0116】すなわち、図10に示す符号化装置におい
て、入力端子600を介して符号化装置に入力されたオ
ーディオ信号は、帯域分割回路601によって帯域分割
される。この帯域分割回路601によって帯域分割され
た信号の一部はアタック部検出回路611及びウィンド
ウ回路613に、また他の一部はアタック部検出回路6
21及びウィンドウ回路623にそれぞれ送られる。ウ
ィンドウ回路613、623においては、時間的に順次
連続しかつ相互に重畳する時間窓を設定し時間波形信号
を切り出すようにウィンドウ関数が掛け合わされる。ア
タック部検出回路611、621は、入力信号の振幅が
急激に大きくなる箇所(アタック部)を検出する。ウィ
ンドウ関数生成回路612、622は、アタック部検出
回路611、621からそれぞれ出力されるゲイン制御
関数生成情報を元にウィンドウ関数を生成し、ウィンド
ウ回路613、623にそれぞれ送って、アタック部直
前の小振幅の波形を上記R倍に増幅してから順スペクト
ル変換回路614、624にそれぞれ送っている。順ス
ペクトル変換回路614、624では、MDCTにより
スペクトル信号に変換された後、それぞれ出力端子61
5、625より取り出される。この後、各出力端子61
5、625からのスペクトル情報と、各ウィンドウ関数
生成回路612、622からの情報とが符号化されて、
記録媒体あるいは伝送媒体を介して、記録再生あるいは
伝送され、復号化装置に送られる。
【0117】また、図11に示す復号化装置において、
各入力端子700b、710bには上記各出力端子61
5、625からのスペクトル情報に対応する信号が、ま
た各入力端子700a、710aには上記各ウィンドウ
関数生成回路612、622からの情報に対応する信号
が、それぞれ供給されている。各入力端子700b、7
10bからの出力は、逆スペクトル変換回路702、7
12でそれぞれIMDCTにより時間領域への逆変換が
行われた後に、隣接ブロック合成回路703、713に
それぞれ送られて隣接ブロックとの合成がなされる。こ
の合成の際に、合成ウィンドウ関数生成回路701、7
11からの各合成ウィンドウ関数が各時間領域の信号に
それぞれ掛け合わされる。隣接ブロック合成回路70
3、713からの各合成された信号は、帯域合成フィル
タ721によって合成されてオーディオ信号となって、
出力端子722より取り出される。
【0118】これらの図10、図11に示す構成のよう
に、一旦帯域分割された信号に対してスペクトル変換を
施すことによって、特定の帯域、例えば、大きな信号を
含む帯域あるいは信号が大きく変化する帯域に対しての
みゲイン制御を行うことが可能となり、ゲイン制御のた
めの処理量を減らすことができる。また、個々の変換長
を短くすることができるため、少ないワークエリアで効
率的な変換処理を行うことが可能となる。
【0119】次に、図12は、本発明の方法で符号化さ
れた情報を記録媒体に記録する方法及び記録形態あるい
は記録フォーマットの例について示したものである。
【0120】この図12に示す例において、各ブロック
の符号は、アタック位置情報とスペクトル信号符号から
成っている。アタック位置情報はゲイン制御関数生成情
報であり、復号化装置はこれを元にゲイン制御関数を生
成することによって合成ウィンドウ関数を生成すること
ができる。アタック位置情報としては、例えば、図6の
Lの値を記録すればよい。また、アタック位置情報の別
の例として、アタック部の検出の有無をフラグで表現
し、アタック部のあるブロックのみ上述のLの値を記録
するようにしてもよい。実際の音楽信号においてプリエ
コーが問題となるアタック部の存在するブロックの割合
は低いので、このようにすることによって効率的な符号
化が可能となる。また、各ブロックのアタック位置情報
はそのブロックの後半部分のものについて記録し、復号
化装置はその前半部分に関してはその直前のブロックの
ものを使用するようにすることも可能で、このようにす
ることによって、整合性のとれたゲイン制御関数生成情
報を効率良く記録することが可能である。
【0121】次に、図13は、上記図7に示すゲイン制
御量変化の手法を用いた場合の記録フォーマットの一例
を示す図である。
【0122】この図13に示す例において、各ブロック
の符号は、アタック部検出フラグとスペクトル信号符
号、及びアタック部検出フラグの内容によっては、それ
らに加えて、アタック部位置情報とゲイン制御情報から
成るゲイン制御補正関数生成情報とにより構成されてい
る。アタック位置情報としては、例えば、図7のLの値
を記録すればよく、ゲイン制御量情報としては、例えば
図7のRの値を記録すればよい。他の部分については、
上記図12の例と同様である。ただし勿論、全てのブロ
ックにおいてゲイン制御補正関数生成情報を記録するよ
うにしてもよく、この場合、実際にアタック部の存在し
ないブロックにおいては、例えば、L=0、R=1とし
て記録しておけばよい。
【0123】以上の説明においては、逆変換時に隣接す
るブロック間で波形要素を干渉させるスペクトル変換と
してMDCT、すなわちモディファイド離散コサイン変
換を使用した場合について述べた。MDCTを使用する
ことによって総てのブロックに対して同一の式で計算さ
れるスペクトル変換を容易に実現することができ都合が
よいが、逆変換時に隣接するブロック間で波形要素を干
渉させるスペクトル変換として別の変換方法を採用した
場合にも本発明を適用することができる。そのようなス
ペクトル変換の別の例が次の文献に記載されている。
「時間領域エリアシングキャンセルに基づく分析/合成
フィルタバンクの設計」(Analysis/Synthesis Filter
Bank Design Based on Time Domain Aliasing Cancella
tion, J.P.Princen, A.B.Bradley, IEEE Transcations
on Acoustics, Speech, and SignalProcessing, Vol. A
SSP-34, No.5, October 1986 )。この文献には、偶数
番目のブロックにおいてはコサイン変換型の変換・逆変
換を施し、奇数番目のブロックにおいてはサイン変換型
の変換・逆変換を施して、逆変換時に隣接するブロック
間で波形要素を干渉させるような変換方法が開示されて
いる。この変換方法を本発明に用いることができる。た
だし、MDCTを用いた場合のように、全てのブロック
において同一の変換・逆変換を施すようにした方が、符
号化手段・復号化手段の構成を簡略化できるため好まし
い。
【0124】なお、以上、音響波形信号あるいはオーデ
ィオ信号を量子化した場合の量子化雑音を目立たなくさ
せる場合に関して説明を行なったが、本発明は他の種類
の信号の量子化雑音の発生を目立たせなくする上でも有
効であり、例えば画像信号にも適用することが可能であ
る。しかし、音響信号におけるアタック部分でのプリエ
コーは聴感上の大きな障害となるため、本発明を音響信
号に適用することは非常に有効である。また、本発明は
もちろん多チャネルの音響信号に対して適用可能であ
る。
【0125】さらに本発明は、符号化された情報を記録
媒体に記録する場合だけではなく、情報を伝送する場合
にも適用可能であることは言うまでもない。
【0126】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る情報符号化方法は、逆変換時に隣接するブロッ
ク間で波形要素を干渉させる変換処理と、上記変換処理
への入力波形要素信号のゲイン制御処理と、上記変換処
理の出力及び上記ゲイン制御の制御情報の符号化処理と
を行い、上記ゲイン制御処理は、現在ブロックの前ブロ
ックとの重複部分における上記前ブロックのゲイン制御
関数に応じて現在ブロックの少なくとも上記重複部分の
ゲイン制御関数を求めるようにしているため、逆変換し
た場合にもし符号化による損失が無いのであれば元の波
形信号を復元可能なように補正することが可能となり、
符号化効率の良い変換を用いて、簡単な構成でプリエコ
ーを防止することができる。
【0127】また、本発明に係る情報復号化方法は、周
波数軸上のスペクトル信号及びゲイン制御補正情報の復
号化処理と、隣接するブロック間で波形要素を干渉させ
る逆変換処理と、上記逆変換処理の出力波形要素信号の
ゲイン制御補正処理とを行い、上記ゲイン制御補正処理
は、現在ブロックの前ブロックとの重複部分における上
記前ブロックのゲイン制御関数に応じて求められた現在
ブロックのゲイン制御関数に基づいて元の波形信号を復
元するように補正するようにしているため、再生信号に
悪影響が生じることなく、プリエコー防止が行える。
【0128】これらの効果は、情報符号化装置、情報復
号化装置においても同様にいえることである。
【0129】また、符号化の際のゲイン制御処理および
復号化の際の対応する補正処理がブロック間で矛盾無く
行われ、変換処理にモエディファイド離散コサイン変換
(MDCT)を用いることにより、符号化すべき独立の
スペクトル係数を増加させずにブロック長を長く設定で
き、スペクトル変換後のエネルギーの局部集中を高め、
効率的な符号化を行うことができ、簡単な構成でプリエ
コーを防止でき、符号化装置、復号化装置の構成を簡単
にすることが可能である。
【0130】また、ゲイン制御処理を急激に振幅の変化
する波形要素信号に対してのみ行うことにより、常時ゲ
イン制御を行う必要がなく、特に、急激に振幅の大きく
なる波形要素信号に対してのみ行うことにより、ゲイン
制御情報を簡略化でき、処理量及び構成を少なくでき
る。すなわち、各ブロックにおけるアタック部のみに対
して増幅処理を行うだけですみ、簡単な処理でプリエコ
ーを防止することができる。
【0131】また、波形信号が急激に大きくなる部分で
のゲイン制御量として、複数種類の大きさから選択的に
決定したものを用いることにより、アタック部の振幅変
化の度合に応じたゲイン制御が可能となり、より効率的
でより音質の高い符号化、復号化、記録、伝送が可能と
なる。
【0132】さらに、ゲイン制御処理は、滑らかな過渡
部を持つゲイン制御関数に基づいて行うことにより、ス
ペクトルの拡がりによる符号化効率の低下を防ぐことが
できる。
【0133】また、帯域分割された信号に対してスペク
トル変換を行うことにより、特定の帯域、例えば、大き
な信号を含む帯域あるいは信号が大きく変化する帯域に
対してのみゲイン制御を行うことが可能となり、ゲイン
制御のための処理量を減らすことができると共に、個々
の変換長を短くすることができるため、少ないワークエ
リアで効率的な変換処理を行うことができる。
【0134】さらに、このような符号化方法あるいは装
置で符号化された信号を記録媒体に記録しあるいは伝送
することで、効率のよい記録あるいは伝送が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例が適用される符号化装置の概略
構成を示すブロック回路図である。
【図2】本発明の実施例が適用される復号化装置の概略
構成を示すブロック回路図である。
【図3】本発明の実施例におけるウィンドウ化処理時の
ゲイン制御の動作を説明するための図である。
【図4】本発明の実施例の符号化方法の処理手順の一例
を概略的に示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例の復号化方法の処理手順の一例
を概略的に示すフローチャートである。
【図6】本発明実施例の符号化方法におけるゲイン制御
関数生成の一例を説明するためのフローチャートであ
る。
【図7】本発明実施例の符号化方法におけるゲイン制御
関数生成の他の例の一部の動作を示すフローチャートで
ある。
【図8】本発明実施例の符号化方法を適用した符号化装
置の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】本発明実施例の復号化方法を適用した復号化装
置の構成の一例を示すブロック図である。
【図10】本発明実施例の符号化装置のスペクトル信号
生成部の他の例を示すブロック図である。
【図11】本発明実施例の復号化装置の時系列信号生成
部の他の例を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施例の符号化により得られた符号
列の記録状態を示す図である。
【図13】本発明の実施例の符号化により得られた符号
列の他の記録状態を示す図である。
【図14】変換符号化におけるプリエコー発生の動作原
理を説明するための図である。
【図15】従来の変換窓長可変による符号化復号化技術
の動作原理を説明するための図である。
【図16】従来の入力信号に対して適応ゲイン制御を行
う技術を用いた符号化復号化の動作原理を説明するため
の図である。
【図17】従来の適応ゲイン制御技術による符号化装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図18】従来の適応ゲイン制御技術による復号化装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図19】従来のウィンドウ化処理技術を用いた符号化
復号化の動作原理を説明するための図である。
【図20】従来のウィンドウ化処理技術による符号化装
置の概略構成を示すブロック図である。
【図21】従来のウィンドウ化処理技術による復号化装
置の概略構成を示すブロック図である。
【図22】MDCTを用いた場合の問題点を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
101 帯域分割回路 111〜114 正規化回路 121〜124 量子化回路 131 マルチプレクサ 141 量子化精度決定回路 202 デマルチプレクサ 211〜214 信号成分構成回路 221 帯域合成回路 501 アタック部検出回路 502 ウィンドウ関数生成回路 503 ウィンドウ回路 504 スペクトル変換回路 505 正規化・量子化回路 506 符号化回路 511 復号化回路 512 合成ウィンドウ関数生成回路 513 逆正規化・逆量子化回路 514 逆スペクトル変換回路 515 隣接ブロック合成回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−304479(JP,A) 特開 平5−91061(JP,A) 特開 平4−304029(JP,A) 特開 平3−132228(JP,A) 特開 昭61−201526(JP,A) 特開 昭63−7023(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力波形信号を時間軸上で隣接ブロック
    と一部重複させた所定長のブロック毎に切り出して周波
    数軸上の信号に変換して符号化を施す情報符号化方法に
    おいて、 逆変換時に隣接するブロック間で波形要素を干渉させる
    変換処理と、上記変換処理への入力波形要素信号のゲイ
    ン制御処理と、上記変換処理の出力及び上記ゲイン制御
    の制御情報の符号化処理とを行い、上記ゲイン制御処理
    は、現在ブロックの前ブロックとの重複部分における上
    記前ブロックのゲイン制御関数に応じて現在ブロックの
    少なくとも上記重複部分のゲイン制御関数を求めること
    を特徴とする情報符号化方法。
  2. 【請求項2】 上記変換処理は、モディファイド離散コ
    サイン変換であることを特徴とする請求項1記載の情報
    符号化方法。
  3. 【請求項3】 上記変換処理への入力波形要素信号のゲ
    イン制御処理は、急激に振幅の大きくなる波形要素信号
    に対してのみ行われることを特徴とする請求項1記載の
    情報符号化方法。
  4. 【請求項4】 上記ゲイン制御処理は、滑らかな過渡部
    を持つゲイン制御関数に基づいて行われることを特徴と
    する請求項1記載の情報符号化方法。
  5. 【請求項5】 上記変換処理は、帯域分割された信号に
    対して行われることを特徴とする請求項1記載の情報符
    号化方法。
  6. 【請求項6】 上記ゲイン制御処理の制御情報は、ゲイ
    ン制御を行うかどうかを表すフラグ情報を含み、実際の
    ゲイン制御を行わないブロックの上記制御情報は上記フ
    ラグ情報のみから構成されることを特徴とする請求項1
    記載の情報符号化方法。
  7. 【請求項7】 入力波形信号を時間軸上で隣接ブロック
    と一部重複させた所定長のブロック毎に切り出して周波
    数軸上の信号に変換して符号化を施す情報符号化装置に
    おいて、 逆変換時に隣接するブロック間で波形要素を干渉させる
    変換処理を行う変換手段と、 上記変換手段への入力波形要素信号のゲイン制御処理を
    行うゲイン制御処理手段と、 上記変換手段からの出力及び上記ゲイン制御処理手段の
    ゲイン制御情報の符号化処理を行う符号化手段とを有
    し、 上記ゲイン制御処理手段は、現在ブロックの前ブロック
    との重複部分における上記前ブロックのゲイン制御関数
    に応じて現在ブロックの少なくとも上記重複部分のゲイ
    ン制御関数を求めることを特徴とする情報符号化装置。
  8. 【請求項8】 入力波形信号が時間軸上で隣接ブロック
    と一部重複した所定長のブロック毎に切り出されて周波
    数軸上の信号に変換されて符号化された情報を復号化す
    る情報復号化方法において、 周波数軸上のスペクトル信号及びゲイン制御補正情報の
    復号化処理と、隣接するブロック間で波形要素を干渉さ
    せる逆変換処理と、上記逆変換処理の出力波形要素信号
    のゲイン制御補正処理とを行い、上記ゲイン制御補正処
    理は、現在ブロックの前ブロックとの重複部分における
    上記前ブロックのゲイン制御関数に応じて求められた現
    在ブロックのゲイン制御関数に基づいて元の波形信号を
    復元するように補正することを特徴とする情報復号化方
    法。
  9. 【請求項9】 上記逆変換処理は、逆モディファイド離
    散コサイン変換であることを特徴とする請求項8記載の
    情報復号化方法。
  10. 【請求項10】 上記スペクトル信号は、急激に振幅の
    大きくなる波形要素信号に対してのみゲイン制御処理を
    施してから変換処理されて得られたものであることを特
    徴とする請求項8記載の情報復号化方法。
  11. 【請求項11】 上記スペクトル信号は、滑らかな過渡
    部を持つゲイン制御関数に基づいてゲイン制御を行って
    から変換処理を施すことによって得られたものであるこ
    とを特徴とする請求項8記載の情報復号化方法。
  12. 【請求項12】 上記逆変換処理の後に帯域合成処理を
    施すことを特徴とする請求項8記載の情報復号化方法。
  13. 【請求項13】 上記ゲイン制御補正情報は、ゲイン制
    御を行うかどうかを表すフラグ情報を含み、ゲイン制御
    を行わないブロックの上記補正情報は上記フラグ情報の
    みから構成されることを特徴とする請求項8記載の情報
    復号化方法。
  14. 【請求項14】 入力波形信号が時間軸上で隣接ブロッ
    クと一部重複した所定長のブロック毎に切り出されて周
    波数軸上の信号に変換されて符号化された情報を復号化
    する情報復号化装置において、 周波数軸上のスペクトル信号及びゲイン制御補正情報の
    復号化手段と、 隣接するブロック間で波形要素を干渉させる逆変換手段
    と、 上記逆変換処理の出力波形要素信号のゲイン制御補正処
    理を行うゲイン制御補正処理手段とを有し、 上記ゲイン制御補正処理手段は、現在ブロックの前ブロ
    ックとの重複部分における上記前ブロックのゲイン制御
    関数に応じて求められた現在ブロックのゲイン制御関数
    に基づいて元の波形信号を復元するように補正すること
    を特徴とする情報復号化装置。
  15. 【請求項15】 入力波形信号が時間軸上で隣接ブロッ
    クと一部重複した所定長のブロック毎に切り出されて周
    波数軸上の信号に変換されて符号化された情報が記録さ
    れた情報記録媒体において、 逆変換時に隣接するブロック間で波形要素を干渉させる
    変換処理によって得られたスペクトル信号と、現在ブロ
    ックの前ブロックとの重複部分における上記前ブロック
    のゲイン制御関数に応じて求められた現在ブロックの少
    なくとも上記重複部分のゲイン制御関数を含むゲイン制
    御補正情報とが記録されたことを特徴とする情報記録媒
    体。
  16. 【請求項16】 上記変換処理は、モディファイド離散
    コサイン変換であることを特徴とする請求項15記載の
    情報記録媒体。
  17. 【請求項17】 上記スペクトル信号は、急激に振幅の
    大きくなる波形要素信号に対してのみゲイン制御処理を
    施してから変換処理されて得られたものであることを特
    徴とする請求項15記載の情報記録媒体。
  18. 【請求項18】 上記スペクトル信号へのゲイン制御処
    理は、滑らかな過渡部を持つゲイン制御関数に基づいて
    行われたものであることを特徴とする請求項15記載の
    情報記録媒体。
  19. 【請求項19】 上記スペクトル信号は、帯域分割され
    た信号に対して変換処理を行って得られたものであるこ
    とを特徴とする請求項15記載の情報記録媒体。
  20. 【請求項20】 上記ゲイン制御補正情報は、ゲイン制
    御を行うかどうかを表すフラグ情報を含み、ゲイン制御
    を行わないブロックの上記補正情報は上記フラグ情報の
    みから構成されることを特徴とする請求項15記載の情
    報記録媒体。
  21. 【請求項21】 入力波形信号が時間軸上で隣接ブロッ
    クと一部重複した所定長のブロック毎に切り出されて周
    波数軸上の信号に変換されて符号化された情報を伝送す
    る情報伝送方法において、 逆変換時に隣接するブロック間で波形要素を干渉させる
    変換処理によって得られたスペクトル信号と、現在ブロ
    ックの前ブロックとの重複部分における上記前ブロック
    のゲイン制御関数に応じて求められた現在ブロックの少
    なくとも上記重複部分のゲイン制御関数を含むゲイン制
    御補正情報とを伝送することを特徴とする情報伝送方
    法。
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