JP3307138B2 - 信号符号化方法及び装置、並びに信号復号化方法及び装置 - Google Patents

信号符号化方法及び装置、並びに信号復号化方法及び装置

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JP3307138B2
JP3307138B2 JP03826695A JP3826695A JP3307138B2 JP 3307138 B2 JP3307138 B2 JP 3307138B2 JP 03826695 A JP03826695 A JP 03826695A JP 3826695 A JP3826695 A JP 3826695A JP 3307138 B2 JP3307138 B2 JP 3307138B2
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attack
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    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10LSPEECH ANALYSIS OR SYNTHESIS; SPEECH RECOGNITION; SPEECH OR VOICE PROCESSING; SPEECH OR AUDIO CODING OR DECODING
    • G10L19/00Speech or audio signals analysis-synthesis techniques for redundancy reduction, e.g. in vocoders; Coding or decoding of speech or audio signals, using source filter models or psychoacoustic analysis
    • G10L19/02Speech or audio signals analysis-synthesis techniques for redundancy reduction, e.g. in vocoders; Coding or decoding of speech or audio signals, using source filter models or psychoacoustic analysis using spectral analysis, e.g. transform vocoders or subband vocoders
    • G10L19/022Blocking, i.e. grouping of samples in time; Choice of analysis windows; Overlap factoring
    • G10L19/025Detection of transients or attacks for time/frequency resolution switching

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる高能率符号化
によって入力ディジタル信号を符号化する信号符号化方
法及び装置、並びに符号化された信号を復号化する信号
復号化方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ或いは音声等の信号の高能率
符号化の手法及び装置には種々あるが、例えば、時間領
域のオーディオ信号等を単位時間毎にブロック化してこ
のブロック毎の時間軸の信号を周波数軸上の信号に変換
(スペクトル変換)し、得られた周波数領域の信号(ス
ペクトル成分)を符号化するブロック化周波数帯域分割
方式であるいわゆる変換符号化方式や、時間領域のオー
ディオ信号等を上述のように単位時間毎にブロック化せ
ずに複数の周波数帯域に分割して符号化する非ブロック
化周波数帯域分割方式である帯域分割符号化(サブ・バ
ンド・コーディング:SBC)方式等を挙げることがで
きる。また、上述の帯域分割符号化と変換符号化とを組
み合わせた高能率符号化の手法及び装置も考えられてお
り、この場合には、例えば、上記帯域分割符号化方式で
時間領域の信号を周波数帯域分割した後、該各周波数帯
域毎の信号を上記変換符号化方式で周波数領域の信号
(スペクトル成分)にスペクトル変換し、このスペクト
ル成分を符号化することになる。
【0003】ここで、上述した帯域分割符号化方式に使
用される帯域分割用フィルタとしては、例えばQMF(Q
uadrature Mirror filter)等のフィルタがあり、これは
例えば文献「ディジタル・コーディング・オブ・スピー
チ・イン・サブバンズ」("Digital coding of speech i
n subbands" R.E.Crochiere, Bell Syst.Tech. J.,Vo
l.55,No.8 1976) に述べられている。このQMFのフィ
ルタは、帯域を等しい帯域幅で2分割するものであり、
当該フィルタにおいては上記分割した帯域を後に合成す
る際にいわゆるエリアシングが発生しないことが特徴と
なっている。また、文献「ポリフェーズ・クワドラチァ
・フィルタズ −新しい帯域分割符号化技術」("Polyph
ase Quadrature filters -A new subband coding techn
ique", Joseph H. Rothweiler ICASSP 83, BOSTON)に
は、等しい帯域幅のフィルタ分割手法が述べられてい
る。このポリフェーズ・クワドラチァ・フィルタにおい
ては、信号を等しい幅の複数の帯域に分割する際に一度
に分割できることが特徴となっている。
【0004】また、上述したスペクトル変換としては、
例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレー
ム)でブロック化し、当該ブロック毎に離散フーリエ変
換(DFT)や、離散コサイン変換(DCT)、モディ
ファイド離散コサイン変換(MDCT)などを行うこと
で時間軸を周波数軸に変換するようなスペクトル変換が
ある。MDCTについては、文献「時間領域エリアシン
グ・キャンセルを基礎とするフィルタ・バンク設計を用
いたサブバンド/変換符号化」("Subband/Transform Co
ding Using Filter Bank Designs Based on Time Domai
n Aliasing Cancellation," J.P.Princen A.B.Bradley,
Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst.of Tech. ICA
SSP 1987)に述べられている。
【0005】上述のような帯域分割用フィルタやスペク
トル変換によって、時間軸上の信号を周波数帯域毎の周
波数成分(すなわち複数帯域に分割された時間領域の信
号成分やスペクトル変換されたスペクトル成分)に分割
すれば、これら各周波数成分からなる信号を量子化する
場合に、量子化雑音が発生する帯域を制御することがで
き、マスキング効果などの性質を利用して、聴覚的によ
り好ましくかつ高能率な符号化を行うことが可能とな
る。また例えば、量子化を行う前に、各周波数帯域毎に
例えばその帯域における周波数成分の絶対値の最大値で
当該帯域内の周波数成分に正規化を施すようにすれば、
さらに高能率な符号化を行うことも可能となる。
【0006】更に、周波数帯域に分割された各周波数成
分からなる信号を量子化する場合の、その周波数分割幅
としては、例えば人間の聴覚特性を考慮した帯域分割幅
がある。すなわち、一般に臨界帯域(クリティカルバン
ド)と呼ばれている高域ほど幅が広くなるような帯域幅
で、オーディオ信号を複数(例えば25バント)の帯域
に分割することがある。また、この時の各周波数帯域毎
の各周波数成分の信号を符号化する際には、各周波数帯
域毎に所定のビット配分或いは、各周波数帯域毎に適応
的なビット割り当て(ビットアロケーション)による符
号化が行われる。例えば、スペクトル変換として前記M
DCTされて得られた周波数成分(すなわちMDCT係
数データ)を適応的なビット割り当てによって符号化す
る際には、上記各ブロック毎のMDCTにより得られる
各周波数帯域毎のMDCT係数データに対して、適応的
に割り当てられたビット数を用いた符号化が行われるこ
とになる。
【0007】上記ビット配分手法としては、次の2手法
が知られている。
【0008】例えば、文献「音声信号の適応変換符号
化」("Adaptive Transform Coding of Speech Signal
s", R.Zelinski, P.Noll, IEEE Transactions of Accou
stics,Speech, and Signal Processing, vol.ASSP-25,
No.4, August 1977 )では、各帯域毎の周波数成分の大
きさをもとに、ビット割り当てを行っている。この手法
では、量子化により発生する量子化雑音のスペクトル分
布が平坦となり、雑音の持つエネルギが最小となるが、
聴感覚的にはマスキング効果が利用されていないため
に、実際の聴感上の雑音感は最適とは言えない。
【0009】また、例えば文献「臨界帯域符号化器 −
聴覚システムの知覚要求に関するディジタル符号
化」("The critical band coder --digital encoding
of the perceptual requirements of the auditory sy
stem", M.A.Kransner MIT, ICASSP1980)では、聴覚マ
スキングを利用することで、周波数分割された各帯域毎
に必要な信号対雑音比を得て、固定的なビット割り当て
を行う手法が述べられている。しかし、この手法におい
ては、ビット割り当てが固定的であるため、聴感上必ず
しも好ましい符号化が行えるとは限らない。すなわち、
この手法における符号化の特性を測定するために、例え
ば定常的な単一のサイン波状の入力波形信号に対して符
号化を行ったとしても、ビット割り当てが固定的である
ために、得られる特性値はそれほど良い値とならない。
【0010】上述のようなことから、ビット割り当てに
使用できる全ビットを、入力信号を単位時間毎にブロッ
ク化したときの当該ブロック毎に予め定められた固定の
ビット割り当て分と、当該ブロック内の周波数成分の大
きさに依存したビット配分を行う分とに分割して使用す
ると共に、そのときの分割比を入力信号に関係する信号
に依存させるような符号化の手法及びその手法を用いた
装置が提案されている。この符号化の手法によれば、例
えば入力信号のスペクトル分布が滑らかなときほど、固
定のビット割り当て分への比率を大きく(ブロック内の
周波数成分の大きさに依存したビット配分への割り当て
の比率を小さく)するような符号化が行われる。
【0011】この手法によれば、例えば特定のスペクト
ル成分にのみエネルギが集中するような信号(例えばサ
イン波状の信号)を含む入力信号を符号化する場合に
は、その特定のスペクトル成分を含むブロックに対して
多くのビットが割り当てられることにより、全体の信号
対雑音特性を著しく改善することができるようになる。
言い換えれば、一般に、このような特定のスペクトル成
分の近辺にエネルギが集中する信号すなわち急峻なスペ
クトル成分をもつ信号に対する人間の聴覚は、極めて敏
感であるため、このような手法を用いることによって信
号対雑音特性を改善することは、単に測定上の数値を向
上させるばかりでなく、聴感上の音質を改善するのに有
効である。
【0012】なお、ビット割り当ての手法には上述した
手法の他にも数多くの手法が提案されているが、例えば
上述した手法よりもさらに聴覚に関するモデルを精緻化
するようにし、符号化の能力を向上させることができれ
ば、聴覚的にみてより高能率な符号化が可能になる。
【0013】ここで、時間領域のディジタルオーディオ
信号のような波形要素(サンプルデータ)からなる波形
信号をスペクトル変換する方法として、上述したDFT
やDCTを使用した場合には、例えばM個のサンプルデ
ータ毎にブロックを構成し、このブロック毎にDFTや
DCTのスペクトル変換を施すことになる。このような
ブロックに対してスペクトル変換を行うと、M個の独立
な実数データ(DFT係数データ或いはDCT係数デー
タ)が得られることになる。このようにして得られたM
個の実数データは、その後量子化して符号化され、符号
化データとなされる。
【0014】この符号化データを復号化して再生波形信
号を再現する場合には、上記符号化データを復号化して
逆量子化し、得られた実数データに対して、符号化時の
ブロックに対応するブロック毎に逆DFTや逆DCTに
よる逆スペクトル変換を施して波形要素信号を得、この
波形要素信号からなるブロックを接続することで、波形
信号を再現する。
【0015】このようにして生成した再生波形信号に
は、ブロックの接続の際の接続歪みが残り、聴感上好ま
しくないものとなる。このようなことから、上述したブ
ロック間の接続歪みを軽減することを目的として、実際
の符号化の際には、DFTやDCTを使用したスペクト
ル変換を行うに際し、両隣のブロックでそれぞれM1
ずつのサンプルデータをオーバーラップさせてスペクト
ル変換を施すようにしている。
【0016】しかし、このように両隣のブロックでそれ
ぞれM1 個ずつのサンプルデータをオーバーラップさせ
てスペクトル変換を行った場合、平均して(M−M1
個のサンプルデータに対してM個の実数データが得られ
ることになり、実際にスペクトル変換に用いた元のサン
プルデータの数よりも、スペクトル変換により得られた
実数データの個数の方が増加することになる。当該実数
データは、その後量子化して符号化することになるた
め、このように、元のサンプルデータの数に対してスペ
クトル変換によって得られる実数データの個数が増加す
ることは、符号化効率上好ましくない。
【0017】これに対し、同じくディジタルオーディオ
信号等のサンプルデータからなる波形信号をスペクトル
変換する方法として、前述したMDCTを使用した場合
は、ブロック間の接続歪みを軽減するために、両隣のブ
ロックでそれぞれM個ずつのサンプルデータをオーバー
ラップさせた2M個のサンプルデータを用いてスペクト
ル変換を行い、独立したM個の実数データ(MDCT係
数データ)を得るようにしている。このため、当該MD
CTのスペクトル変換では、平均してM個のサンプルデ
ータに対してM個の実数データが得られることになり、
前述したDFTやDCTを使用したスペクトル変換の場
合よりも効率の良い符号化を行うことが可能となる。
【0018】なお、上述のMDCTのスペクトル変換を
用い、得られた実数データを量子化して符号化した符号
化データを、復号化して再生波形信号を生成する場合に
は、当該符号化データを復号化して逆量子化し、得られ
た実数データに対して逆MDFTによる逆スペクトル変
換を施してブロック内の波形要素を得、このブロック内
の波形要素を互いに干渉させながら加え合わせることに
より、波形信号を再構成することになる。
【0019】ここで、一般に、スペクトル変換のための
ブロックの長さ(ブロックの時間方向の大きさ)を長く
すれば、周波数分解能が高まり、例えばディジタルオー
ディオ信号のような波形信号をこのような長いブロック
でスペクトル変換すると、特定のスペクトル成分にエネ
ルギが集中するようになる。また、前述したように、両
隣のブロックすなわち隣接するブロック同士で十分長い
オーバーラップを持たせたブロックに対してスペクトル
変換を施すようにすれば、波形信号のブロック間歪みを
良好に軽減することもできる。さらに、スペクトル変換
の手法として、上述のように両隣のブロックでそれぞれ
半分の個数ずつサンプルデータをオーバーラップさせた
ブロックに対してスペクトル変換を施し、しかもこのス
ペクトル変換により得られた実数データの個数が、元の
波形信号のサンプルデータの個数に対して増加しないM
DCTを使用すれば、前述したDFTやDCTを使用し
たスペクトル変換の場合よりも効率の良い符号化を行う
ことが可能となる。
【0020】ところで、上述したように波形信号をブロ
ック化してこのブロック毎にスペクトル成分(前述の例
ではスペクトル変換により得られる実数データ)に分解
する処理を行い、得られたスペクトル成分信号を量子化
して符号化する方法を用いると、後にその符号化された
スペクトル成分信号を復号化し、さらにブロック毎に合
成して得られた波形信号には量子化雑音が発生すること
になる。
【0021】ここでもしも、元々の波形信号に、信号成
分が急激に変化する部分(波形要素のレベルが急激に変
化する過渡的な部分)が含まれているような場合におい
て、この波形信号を一旦符号化してその後復号化する
と、当該過渡的な部分に起因する大きな量子化雑音が、
この過渡的な部分以外の元の波形信号の部分にも拡がっ
てしまうことがある。
【0022】符号化されるオーディオ信号として、例え
ば図14のAに示すように、変化が少なくかつレベルの
小さな準定常的な信号FLの次に上記過渡的な部分とし
て音が急激に大きくなるアタック部ATが存在し、その
後は大きなレベルの信号が続くような波形信号SW1
用いた場合を想定する。このような波形信号SW1 を、
単位時間幅でブロック化すると共にこのブロック内の信
号成分をスペクトル変換し、得られたスペクトル成分信
号を量子化して符号化し、さらにその後に逆スペクトル
変換と復号化及び逆量子化を施すと、再現された波形信
号SW1 は、図14のCに示すように、ブロック全体に
渡ってアタック部ATに起因する大きな量子化雑音QN
1 がのったものとなってしまう。このため、図14のC
に示すようにアタック部ATの時間的に前の準定常的な
信号FLの部分にも、当該アタック部ATに起因する大
きな(例えば準定常的な信号FLよりもレベル的に大き
な)量子化雑音QN1 が現れることになる。このような
アタック部ATの時間的に前の準定常的な信号FLの部
分に現れる量子化雑音QN1 は、アタック部ATによる
同時マスキングによっても遮蔽されないため、聴感上の
障害になる。上述のように、音が急激に大きくなるアタ
ック部ATの前に現れる量子化雑音QN1 は、一般にプ
リエコーと呼ばれている。なお、ブロック内の信号成分
をスペクトル変換する際には、該ブロックに対して例え
ば図14のBに示すような両端部分がなだらかに変化す
る特性曲線を有する変換ウインドウ関数(窓関数)TW
をかけてからスペクトル変換を行うことで、スペクトル
分布が広範囲に拡がらないようにする。
【0023】特に、前述したように周波数分解能を高め
るために、波形信号を長いブロックでスペクトル変換し
た場合には、時間分解能が悪くなり、長い期間にわたっ
てプリエコーが発生してしまうことがある。
【0024】ここで、スペクトル変換の際のブロックの
長さを短くすれば、上述の量子化雑音の発生期間も短く
なる。このため、例えば上記アタック部の近辺で、スペ
クトル変換されるブロックの長さを短くすれば、プリエ
コーが発生する期間を短くすることができ、プリエコー
による聴感上の障害を軽減することができる。
【0025】すなわち、このようにアタック部の近辺で
ブロックの長さを短くすることでプリエコーを防止する
場合について説明すると、図15のAに示すような準定
常的な信号FLとアタック部ATとを含む波形信号SW
に対して、アタック部ATのような音の大きさが急激に
変化する過渡的な部分の近辺では、スペクトル変換のた
めのブロックの長さを短くし、この短いブロック内の信
号成分に対してスペクトル変換を施すようにすれば、当
該短いブロック内ではプリエコーが発生する期間を十分
短くすることができるようになる。このように、ブロッ
ク内においてプリエコーの発生期間を十分短くすること
ができれば、当該アタック部ATによるいわゆる逆向マ
スキング効果により、聴感上の障害を少なくすることが
可能となる。なお、この短いブロックの場合も、当該短
いブロック内の信号成分をスペクトル変換する際には、
例えば図15のBに示すような短い変換ウインドウ関数
(短変換ウインドウ関数TWS )をかけてからスペクト
ル変換する。
【0026】一方、準定常的な信号FLの部分やアタッ
ク部AT以降の信号部分に対しても同様に、スペクトル
変換のためのブロックの長さを短くすると、周波数分解
能が悪くなり、これらの部分における符号化効率が悪く
なってしまう。このため、これらの部分に対しては、ス
ペクトル変換のためのブロックの長さを長くした方が、
特定のスペクトル成分に対してエネルギが集中すること
になって符号化効率が高くなり、望ましい。
【0027】これらのことから、実際には、波形信号S
Wの各部分の性質に応じて、スペクトル変換のためのブ
ロックの長さを選択的に切り換えることが行われる。な
お、このようなブロックの長さの選択的な切り換えを行
う場合、変換ウインドウ関数TWもブロックの長さの選
択に応じて切り換えるようにする。例えば、図15のB
に示すように、アタック部ATの近辺を除いた準定常的
な信号FLからなるブロックに対しては長い変換ウイン
ドウ関数(長変換ウインドウ関数TW )を用い、ま
た、アタック部AT近辺の短いブロックに対しては短い
変換ウインドウ関数(短変換ウインドウ関数TW
を用いるように、選択的に切り換えることが行われる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うに、スペクトル変換の際のブロックの長さを、波形信
号の各部分の性質(特性)に応じて選択的に切り換える
方法を実際の構成上で実現すると、異なる長さのブロッ
クでのスペクトル変換に対応できるスペクトル変換手段
を符号化装置に設ける必要があり、また、復号化装置側
にも異なる長さのブロックに対応できる逆スペクトル変
換が可能な逆スペクトル変換手段を設ける必要がある。
【0029】さらに、スペクトル変換の際のブロックの
長さを変えるようにすると、スペクトル変換によって得
られるスペクトル成分の数も、ブロックの長さに比例す
るようになり、これらスペクトル成分を例えば臨界帯域
毎にまとめて符号化しようとした場合には、各臨界帯域
毎に含まれるスペクトル成分の数もブロックの長さによ
って異なることになる。このため、その後の符号化の処
理や、さらに復号化の処理も煩雑になってしまう。
【0030】このように、スペクトル変換の際のブロッ
クの長さを可変する方法では、符号化装置、復号化装置
とも複雑になってしまうという欠点がある。
【0031】このため、周波数成分への分解に前述した
DFTやDCT等のスペクトル変換を適用した場合にお
いて、当該スペクトル変換の際のブロックの長さを十分
な周波数分解能を確保できるような一定の長さに保った
まま、プリエコーの発生を有効に防止できるようにする
ための方法としては、例えば特開昭61−201526
号公報や特開昭63−7023号公報にて既に開示され
ている技術が知られている。これら特開昭61−201
526号公報や特開昭63−7023号公報には、符号
化装置において入力信号波形を複数サンプルデータから
なるブロック毎に切り出し、さらにこのブロックにウィ
ンドウ関数を掛けた後、アタック部を検出し、このアタ
ック部直前の小振幅の波形信号(すなわち準定常的な信
号)を増幅してから、DFTやDCT等を用いたスペク
トル変換によってスペクトル成分信号(実数データ)を
得、これを符号化する方法が開示されている。これに対
応する復号化の際には、復号化されたスペクトル成分信
号に逆DFT(Inverse DFT = IDFT) や逆DCT(Inve
rse DCT = IDCT) 等による逆スペクトル変換を施してか
ら、符号化の際にアタック部直前の信号を増幅したこと
を補正する処理を施す。これにより、プリエコーの発生
が防止されるようになる。この方法を用いるとスペクト
ル変換されるブロックの長さは、常に一定にすることが
できるため、符号化装置、復号化装置の構成を簡単にす
ることができるようになる。
【0032】ここで、図16を用いて、上記特開昭61
−201526号公報や特開昭63−7023号公報に
おいて開示されているウインドウ化処理技術を用いた符
号化と復号化についての動作原理を説明する。
【0033】これら公報記載の技術において、符号化の
際には、図16のAに示すような波形信号SWをそれぞ
れ一定の長さのブロック毎に切り出して両隣のブロック
でそれぞれサンプルデータをオーバーラップさせ、各ブ
ロック内の波形信号SWに対してさらにスペクトル分布
の拡散を防止するための図16のBに示すような変換ウ
インドウ関数TW(それぞれ変換ウインドウ関数TWa
〜TWc )を掛けた後、各ブロック内に入力波形信号S
Wの振幅が急激に大きくなるアタック部ATがあるか否
かを検出する。この図16の例では、変換ウインドウ関
数TWb に対応しているブロックにアタック部ATが存
在するため、このブロック内の信号成分に対しては、図
16のCの(b)に示すようなゲイン制御関数GCb
乗算して増幅を行う。このゲイン制御関数GCb は、ブ
ロック内のアタック部ATの直前の小振幅の信号(準定
常的な信号FL)に対してはR倍にし、それ以外の部分
の信号に対しては1倍とするような関数である。また、
図16の例では、変換ウインドウ関数TWa とTWc
それぞれ対応しているブロック内にはアタック部ATが
存在しないため、これらのブロック内の信号成分に対し
ては図16のCの(a)と(c)に示すように、1倍す
るゲイン制御関数GCa ,GCc を乗算して信号増幅の
処理は行わないようにしている。その後、これら各ブロ
ックについてDFTやDCTを用いたスペクトル変換を
施し、得られたスペクトル成分信号を符号化する。
【0034】このような符号化の後に行われる復号化の
際には、復号化して復元されたスペクトル成分信号に逆
DFT(Inverse DFT = IDFT)や逆DCT(Inverse DCT =
IDCT)等の逆スペクトル変換を施してから、符号化の際
にアタック部の直前の信号に対して行われたゲイン制御
(小振幅の信号の増幅)に対応するゲイン制御補正処理
(減衰処理)を施す。
【0035】上記公報記載の技術によれば、符号化時に
行うアタック部直前の小振幅信号に対するゲイン制御処
理と、復号化時に行う符号化の際のアタック部直前の信
号に対して行われたゲイン制御に対応するゲイン制御補
正処理とによって、スペクトル変換の際のブロックの長
さを一定にしたままでプリエコーの発生を防止すること
が可能となる。
【0036】しかしながら、上述したゲイン制御及びゲ
イン制御補正を利用してプリエコーの発生を防止する方
法においては、アタック部におけるゲイン制御量が固定
的であり、アタック部を検出したときは当該アタック部
直前の信号を固定のR倍にするゲイン制御関数を用い、
逆にアタック部を検出しないときには1倍のゲイン制御
関数を用いるとするように、アタック部の検出の有無に
応じて固定の値のゲイン制御関数を二者択一的に選択す
るようにしているので、例えば特に圧縮率が高いような
場合には、音質の劣化を防止することが困難である。
【0037】また、符号化されるオーディオ信号とし
て、例えば図17のAに示すように、変化が少なくかつ
レベルの小さな準定常的な信号FLの次に上記過渡的な
部分として音が急激に大きくなるアタック部ATが存在
し、その後は音が急激に小さくなるリリース部REが続
くような波形信号SW2 を用いた場合を想定したとす
る。このような波形信号SW2 を、単位時間幅でブロッ
ク化すると共にこのブロック内の信号成分をスペクトル
変換し、得られたスペクトル成分信号を量子化して符号
化し、さらにその後に逆スペクトル変換と復号化及び逆
量子化を施すと、再現された波形信号SW2 には、図1
7のCに示すように、ブロック全体に渡ってアタック部
ATに起因する大きな量子化雑音がのってしまうように
なる。このため、図17のCに示すようにアタック部A
Tの時間的に前の準定常的な信号FLの部分と、アタッ
ク部ATの時間的に後のリリース部REとには、当該ア
タック部ATに起因する大きな(準定常的な信号FLよ
りもレベル的に大きく、またリリース部REの後半部分
よりもレベル的に大きな)量子化雑音が現れることにな
る。このようなアタック部ATの時間的に前の部分に現
れる量子化雑音QN2F(すなわちプリエコー)と、アタ
ック部ATの時間的に後の部分に現れる量子化雑音QN
2Bは、アタック部ATによる同時マスキングによっても
遮蔽されないため、聴感上の障害になる。なお、アタッ
ク部ATの後に現れる量子化雑音QN2Bは、一般にポス
トエコーと呼ばれている。なお、この図17のBにも、
図14のBと同様の変換ウインドウ関数(窓関数)TW
を表している。
【0038】しかし、前述した公報記載の技術によれ
ば、プリエコーの発生を防止することはできるが、この
図17で述べたようなポストエコーについてはその発生
を有効に防止することができない。
【0039】そこで、本発明は、上述したようなことに
鑑み、装置構成が複雑になることはなく、符号化効率も
良く、プリエコーとポストエコーの発生を有効に防止で
き、さらに圧縮率が高いような場合も音質の劣化を防止
できる符号化が可能な信号符号化方法及び装置、並びに
その符号化された信号を復号化する信号復号化方法及び
装置を提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような実情
に鑑みてなされたものであり、本発明の信号符号化方法
は、波形信号を符号化する信号符号化方法において、波
形信号の波形要素のレベルが急激に大きくなるアタック
部を検出し、波形信号の波形要素のレベルが急激に小さ
くなるリリース部を検出し、少なくとも上記アタック部
以前の波形要素とリリース部の波形要素に対して複数通
りのゲイン制御量の内から波形信号の特性に応じて適応
的にゲイン制御量を選択し、当該選択したゲイン制御量
を用いて少なくとも上記アタック部以前の波形要素とリ
リース部の波形要素に対してゲイン制御を行い、上記波
形信号を複数の周波数成分に変換し、上記ゲイン制御の
ための制御情報と複数の周波数成分とを符号化するよう
にしたものである。
【0041】また、本発明の信号符号化装置は、波形信
号を符号化する信号符号化装置において、波形信号の波
形要素のレベルが急激に大きくなるアタック部を検出す
るアタック部検出手段と、波形信号の波形要素のレベル
が急激に小さくなるリリース部を検出するリリース部検
出手段と、少なくとも上記アタック部以前の波形要素と
リリース部の波形要素に対して複数通りのゲイン制御量
の内から波形信号の特性に応じて適応的にゲイン制御量
を選択する選択手段と、当該選択したゲイン制御量を用
いて少なくとも上記アタック部以前の波形要素とリリー
ス部の波形要素に対してゲイン制御を行うゲイン制御手
段と、上記波形信号を複数の周波数成分に変換する変換
手段と、上記ゲイン制御のための制御情報と複数の周波
数成分とを符号化する符号化手段とを有するものであ
る。
【0042】次に、本発明の信号復号化方法は、符号化
信号を復号化して波形信号を復元する信号復号化方法に
おいて、上記符号化信号は、少なくとも、波形信号を変
換した複数の周波数成分と、波形信号の波形要素のレベ
ルが急激に大きくなるアタック部以前の波形要素と波形
信号の波形要素のレベルが急激に小さくなるリリース部
の波形要素に対するゲイン制御補正のための制御補正情
報とを符号化したものであり、当該符号化信号を復号化
して複数の周波数成分と制御補正情報を取り出し、上記
複数の周波数成分を複数の波形要素からなる波形信号に
変換し、複数通りのゲイン制御補正量の内から、上記制
御補正情報に基づいて選択したゲイン制御補正量を用い
て、少なくともアタック部以前の波形要素とリリース部
の波形要素のゲイン制御補正を行い、上記波形要素から
波形信号を復元するようにしたものである。
【0043】また、本発明の信号復号化装置は、符号化
信号を復号化して波形信号を復元する信号復号化装置に
おいて、上記符号化信号は、少なくとも、波形信号を変
換した複数の周波数成分と、波形信号の波形要素のレベ
ルが急激に大きくなるアタック部以前の波形要素と波形
信号の波形要素のレベルが急激に小さくなるリリース部
の波形要素に対するゲイン制御補正のための制御補正情
報とを符号化したものであり、当該符号化信号を復号化
して複数の周波数成分と制御補正情報を取り出す復号化
手段と、上記複数の周波数成分を複数の波形要素からな
る波形信号に変換する変換手段と、複数通りのゲイン制
御補正量の内から、上記制御補正情報に基づいて選択し
たゲイン制御補正量を用いて、少なくともアタック部以
前の波形要素とリリース部の波形要素のゲイン制御補正
を行うゲイン制御補正手段と、上記波形要素から波形信
号を復元する復元手段とを有するものである。
【0044】
【0045】
【0046】
【作用】本発明によれば、符号化時には、波形信号から
アタック部とリリース部を検出し、アタック部以前の部
分とリリース部の波形要素に対しては、波形信号の特性
に応じて適応的に選択したゲイン制御量でゲイン制御を
行ってから符号化し、復号化時には、符号化の際にゲイ
ン制御された部分のゲイン制御補正を行うようにしてい
るため、波形信号を符号化及び復号化したときにアタッ
ク部以前の部分とリリース部に発生する雑音のエネルギ
を、人間が知覚し難いレベルまで低下させることができ
る。
【0047】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について、図
面を参照にしながら説明する。
【0048】図1には本発明実施例の信号符号化方法が
適用される符号化装置の基本的な構成を示す。この図1
に示す符号化装置は、波形信号を複数の帯域に分割して
複数の周波数成分に分解する周波数成分分解回路2と、
各帯域の周波数成分に正規化を施す正規化回路3〜6
と、正規化された周波数成分を量子化する量子化回路8
〜11と、量子化の際の量子化精度情報を発生する量子
化精度情報発生回路7と、量子化された周波数成分と正
規化の際の正規化係数情報と量子化精度情報から符号列
信号を生成するマルチプレクサ12とを主要構成要素と
して有するものである。また、図1には、符号化装置に
より生成された符号列信号を情報記録媒体の一例として
光ディスク17に記録する場合の構成として、ECCエ
ンコーダ14と、EFM回路15と、記録ヘッド16と
を示している。
【0049】この図1において、入力端子1には、波形
信号としてサンプルデータ(波形要素)からなる波形信
号としてディジタルオーディオ信号が供給される。この
ディジタルオーディオ信号は、周波数成分分解回路2に
よって、周波数成分に分解される。この周波数成分分解
回路2にて行われるディジタルオーディオ信号を周波数
成分へ分解する方法としては、例えば、QMF等のフィ
ルタによる帯域分割や、DFTやDCT或いはMDCT
等のスペクトル変換を挙げることができる。上記QMF
等のフィルタによる帯域分割によれば、時間領域のディ
ジタルオーディオ信号を当該フィルタによって複数の周
波数帯域の周波数成分(信号成分)へ分割することが行
われる。また、上記スペクトル変換によれば、時間領域
のディジタルオーディオ信号が複数サンプルデータ毎に
ブロック化され、このブロック毎のサンプルデータをス
ペクトル変換することで、周波数成分(スペクトル成分
すなわち実数データ)が得られ、さらにこれら得られた
周波数成分を帯域毎にグループ化する。また、周波数成
分分解回路2は、上記QMF等のフィルタによる帯域分
割と、スペクトル変換とを組み合わせた方法で周波数成
分への分解を行うこともできる。この場合の周波数成分
分解回路2では、供給されたディジタルオーディオ信号
を、一旦QMF等のフィルタによって帯域分割し、この
分割された各帯域毎の周波数成分(信号成分)をそれぞ
れブロック化し、このブロック毎にMDCT等を用いて
スペクトル変換し、得られた周波数成分(スペクトル成
分)をさらに帯域毎にグループ化することになる。ここ
で、上記フィルタでの帯域分割による帯域の幅や、スペ
クトル変換後の周波数成分を帯域毎にグループ化する際
の幅(すなわち帯域の幅)は、例えば均一な帯域幅とし
たり、また例えば臨界帯域幅に合わせるように不均一な
帯域幅としたりすることができる。なお、図1の例で
は、周波数成分分解回路2からは、得られた周波数成分
を四つの帯域に分けて出力するようにしているが、勿論
この数はもっと多くても少なくても良い。
【0050】この周波数成分分解回路2により得られた
四つの帯域の各周波数成分は、それぞれ各帯域に対応し
て設けられている正規化回路3〜6に各々送られる。各
正規化回路3〜6では、供給された周波数成分をある単
位時間毎に正規化する。なお、このときの単位時間は、
周波数成分分解回路2でスペクトル変換を行った場合に
は、当該スペクトル変換のためのブロックと同じ長さを
用いる。各正規化回路3〜6からは、上記周波数成分を
正規化して得られた正規化信号と、この正規化の際の正
規化係数情報とが出力される。各正規化回路3〜6から
の各正規化信号は、それぞれ対応して設けられている量
子回路8〜11に各々送られる。また、各正規化回路3
〜6からの各正規化係数情報は、マルチプレクサ12に
送られる。
【0051】量子化回路8〜11では、それぞれ対応す
る正規化回路3〜6から供給された各正規化信号を、量
子化精度決定回路7から供給される量子化精度情報に基
づいて量子化する。
【0052】一方、周波数成分分解回路2からの四つ帯
域の各周波数成分は、量子化精度決定回路7にも送られ
るようになっており、当該量子化精度決定回路7では、
各帯域の周波数成分に基づいて、各量子化回路8〜11
へ送る量子化精度情報を計算している。なお、この量子
化精度情報は、周波数成分分解回路2における周波数成
分分解処理前の信号(すなわち入力端子1に供給された
信号)に基づいて計算したり、また、各正規化回路3〜
6での正規化における正規化係数情報に基づいて計算し
たりすることも可能である。さらに、量子化精度決定回
路7における量子化精度情報の計算の際には、マスキン
グ効果等の聴覚現象に基づいた計算を行うことが好まし
い。当該量子化精度決定回路7で計算された量子化精度
情報は、復号化装置にも送られることになるので、その
復号化装置で使用される聴覚モデルは任意に設定するこ
とが可能となる。
【0053】各量子化回路8〜11が各正規化信号を量
子化して得た各量子化信号と、各正規化回路3〜6から
の各正規化係数情報と、量子化精度決定回路7からの量
子化精度情報は、それぞれマルチプレクサ12に送られ
る。このマルチプレクサ12では、これら量子化信号と
正規化係数情報と量子化精度情報から、順次、符号列信
号を生成する。このマルチプレクサ12からの符号列信
号は、出力端子13から出力される。この出力端子13
から出力された符号列信号は、例えば情報記録媒体に記
録されたり、情報伝送媒体を介して伝送される。
【0054】ここで、情報記録媒体の一例として例えば
光ディスク17に上記符号列信号を記録する場合には、
上記出力端子13から出力された符号列信号がECCエ
ンコーダ14に送られる。当該ECCエンコーダ14
は、供給された符号列信号に対してエラーコレクション
コードを付加する。このECCエンコーダ14からの出
力は、EFM回路15に送られる。当該EFM回路15
では、供給された信号をいわゆる8−14変調する。当
該EFM回路15からの出力は記録ヘッド16に送ら
れ、当該記録ヘッド16はこの信号を光ディスク17に
記録する。
【0055】なお、情報記録媒体としては、上述したよ
うな光磁気或いは相変化型光ディスクのような記録再生
可能な光ディスクの他、再生専用の光ディスク、磁気デ
ィスク等の各種のディスク状の記録媒体や、磁気テープ
等のテープ状記録媒体、或いは、半導体メモリ,ICカ
ードなどを用いることもできる。また、伝送媒体として
例えば電線若しくは光ケーブル、電波等を挙げることで
きる。
【0056】一方、図2には図1に示した符号化装置に
より生成され、情報記録媒体に記録或いは伝送媒体に伝
送された符号列信号を、復号化してディジタルオーディ
オ信号を復元する復号化装置の基本的な構成を示す。こ
の図2に示す復号化回路は、符号列信号から量子化信号
と量子化精度情報と正規化係数情報とを取り出すデマル
チプレクサ22と、得られた量子化信号と量子化精度情
報と正規化係数情報から各帯域の信号成分を構成する信
号成分構成回路23〜26と、各帯域の信号成分から波
形信号を合成する波形信号合成回路27とを主要構成要
素として有するものである。また、図2には、情報記録
媒体としての光ディスク17に記録された符号列信号を
再生するための構成として、再生ヘッド56と、EFM
復調回路55と、ECCデコーダ54とを示している。
【0057】この図2において、本発明の信号復号化方
法が適用される図2の復号化装置の入力端子21には、
前記情報記録媒体から再生されたり、伝送媒体を介して
伝送されてきた符号列信号が供給される。
【0058】例えば、情報記録媒体としての光ディスク
17から再生ヘッド56によって再生された信号は、E
FM復調回路55に送られる。当該EFM復調回路55
では、再生ヘッド56によって光ディスク17から再生
された信号が8−14変調されているため、これを復調
する。このEFM復調回路55からの出力信号は、EC
Cデコーダ54に送られる。このECCデコーダ54で
は、エラー訂正が行われる。このエラー訂正された信号
は、前記符号列信号であり、この符号列信号が、入力端
子21を介してデマルチプレクサ22に送られる。当該
符号列信号は、前記量子化信号と正規化係数情報と量子
化精度情報とからなるものである。
【0059】当該デマルチプレクサ22では、供給され
た符号列信号を、図1で説明した四つの帯域に対応する
各帯域毎の量子化信号と正規化係数情報と量子化精度情
報とに分離し、それぞれを信号成分構成回路23〜26
に送る。
【0060】この信号成分構成回路23〜26では、各
々量子化精度情報を用いて量子化信号を逆量子化し、さ
らに正規化係数情報を用いて正規化の解除を行う。さら
に、この信号成分構成回路23〜26では、上記正規化
の解除により得られた信号に対して図1の符号化装置に
て行われた周波数成分への分解に対応する再構成処理を
施すことで、サンプルデータを復元する。信号成分構成
回路23〜26からのサンプルデータは、波形信号合成
回路27に送られる。
【0061】当該波形信号合成回路27では、上記四つ
に分割されていた各帯域を合成する処理を行う。これに
より、当該波形信号合成回路27からは、合成されたデ
ィジタルオーディオ信号が出力される。当該ディジタル
オーディオ信号は、出力端子28から出力され、例えば
アンプで増幅された後に、スピーカやヘッドホン或いは
イアホン等の放音手段に送られたり、音声ライン出力端
子等から出力されることになる。
【0062】ここで、上述したような構成を有する符号
化装置においては、周波数成分への分解に前述したDF
TやDCT等のスペクトル変換を適用し、当該スペクト
ル変換の際のブロックの長さを十分な周波数分解能を確
保できるような一定の長さに保ったまま、プリエコーや
ポストエコーの発生を有効に防止するために、ゲイン制
御及びゲイン制御補正を利用し、さらに、前述した従来
例のようにアタック部の検出の有無に応じて固定の値の
ゲイン制御関数を二者択一的に選択するのではなく、特
に圧縮率が高いような場合にも、音質の劣化を防止でき
るようにするための方法として、以下に述べる方法を用
いるようにしている。
【0063】先ず最初に、前述した従来例に述べた固定
的な値のゲイン制御関数を用いた場合のプリエコー発生
防止方法における問題点を説明し、この問題点に対応で
きる本発明実施例におけるプリエコーの発生防止方法に
ついて説明する。その後、本発明実施例においてポスト
エコーの発生をも有効に防止できる方法について説明す
る。
【0064】前述した従来例のプリエコー発生防止方法
における問題点として、アタック部の直前の小振幅の信
号を増幅させる際のゲイン制御量を例えば固定の値とす
ると、以下のような問題が発生する。
【0065】例えば、ブロック内の波形信号が図3のA
やBに示すような波形信号SW3 やSW4 の場合、当該
ブロック内には何方もアタック部ATを含むものの、こ
れら波形信号SW3 とSW4 とでは信号の振幅の変化の
仕方に大きな違いがある。すなわち、波形信号SW3
おいては、アタック部ATの直前にもあるレベル以上の
波形信号FT3 がある。このような場合、前述のように
符号化してさらに復号化した後に、アタック部ATの前
に発生するプリエコーは、この元々の波形信号FT3
よってアタック部AT以後程ではないもののある程度マ
スクされる。これに対して、波形信号SW4 において
は、アタック部ATの直前の波形信号FT4 のレベルは
非常に低く、したがって、符号化及び復号化後に発生す
るプリエコーはこの波形信号FT4 によってほとんどマ
スクされない。
【0066】ここで、前述した従来例のようにアタック
部の検出の有無に応じて固定の値のゲイン制御関数を二
者択一的に選択し、当該アタック部ATの直前の小振幅
の信号に対しては固定のR倍のゲイン制御関数を用いて
ゲイン制御を行い、さらに復号化の際にも固定のゲイン
制御補正関数を用いてゲイン制御補正を行おうとした場
合において、例えば、上記固定のR倍の値として図3の
Aのような波形信号SW3 に対して最適なゲイン制御関
数(すなわちゲイン制御量)を予め設定しておくとする
と、図3のBのような波形信号SW4 に対してはプリエ
コーが聞こえてしまうようになる。逆に、上記固定のR
倍の値として図3のBに示す波形信号SW4 に対して最
適なゲイン制御関数(すなわちゲイン制御量)を設定し
ておくとすると、図3のAのような波形信号SW3 に対
しては必要以上のゲイン制御を行うことになって周波数
領域でエネルギの拡散を招くようになり、結果として符
号化効率が落ちてしまうことになる。
【0067】そこで、本発明の第1の実施例の符号化方
法では、波形信号のアタック部とその直前の部分におけ
る信号の振幅変化の度合いに応じて、ゲイン制御量(ゲ
イン制御関数)を適応的に変化させることによってこの
問題を解決している。
【0068】すなわち、本発明の第1の実施例の符号化
方法では、例えば、図3のCに示すように、波形信号S
3 のアタック部ATの直前の部分の信号成分に対して
はゲイン制御量が比較的小さい(R3 倍)ゲイン制御関
数GC3 を適用してゲイン制御を行うようにし、一方、
波形信号SW4 のアタック部ATの直前の部分の信号成
分に対しては、ゲイン制御量が比較的大きい(R4 倍)
ゲイン制御関数GC4を適用してゲイン制御を行うよう
にしている。なお、ブロック内のアタック部AT内の検
出の方法及び、検出したアタック部ATの直前の部分に
対するゲイン制御関数の選択の方法については後述す
る。
【0069】符号化時にこの第1の実施例の符号化方法
のようなゲイン制御を行った場合の復号化の際には、ゲ
イン制御関数GC3 を用いたときにはそのゲイン制御量
に対応するゲイン制御補正を行い、ゲイン制御関数GC
4 を用いたときにはそのゲイン制御量に対応するゲイン
制御補正を行うことになる。
【0070】上述のように、符号化時に波形信号のアタ
ック部とその直前の部分における信号の振幅変化の度合
いに応じて当該アタック部直前の部分へのゲイン制御量
を適応的に変化させることによって、図3の波形信号S
3 とSW4 に符号化及び復号化を行った後のそれぞれ
の波形信号SW3 とSW4 に発生する量子化雑音QN3
とQN4 は、図3のDとEに示すようになる。
【0071】ここで、波形信号SW3 を符号化及び復号
化することにより発生する量子化雑音QN3 は、符号化
の際のアタック部ATの直前の部分におけるゲイン制御
関数GC3 が比較的小さいR3 倍のゲイン制御量であ
り、復号化の際のゲイン制御補正処理もこれに応じた比
較的小さいゲイン制御補正量となっているため、図3の
Dに示されているようにアタック部ATの直前の部分に
おける雑音抑圧作用は比較的小さくなっているが、ブロ
ック全体を通しての量子化雑音QN3 のエネルギは小さ
くなっている。また、この波形信号SW3 のアタック部
AT以前の波形信号FT3 は元々あるレベル以上の信号
であるので、この波形信号FT3 によってその部分の量
子化雑音はマスクされることになる。これに対して、波
形信号SW4 を符号化及び復号化した場合、ブロック全
体を通しての量子化雑音QN4 のエネルギは比較的大き
いが、符号化の際のアタック部ATの直前の部分におけ
るゲイン制御関数GC4 が比較的大きいR4 倍のゲイン
制御量であり、復号化の際のゲイン制御補正処理もこれ
に応じた比較的大きいゲイン制御補正量となっているた
め、図3のEに示すように、アタック部ATの直前の部
分の量子化雑音は十分に低く抑えられている。上述のよ
うに、本発明の第1の実施例の符号化方法では、プリエ
コーは聴感上の大きな障害となるため、波形信号SW4
の場合のようにアタック部ATの直前の波形信号FT4
によっては量子化雑音がマスクされないときには、全体
の量子化雑音のエネルギを低下させることに優先させ
て、このプリエコーを抑圧させるようなゲイン制御及び
ゲイン制御補正を行うようにしている。
【0072】なお、この図3にて説明したようなゲイン
制御及びゲイン制御補正は、本件出願人が、特願平6−
13017号の明細書及び図面にて既に提案している。
この特願平6−13017号の明細書及び図面には、波
形信号が急激に大きくなる部分でのゲイン制御補正処理
のゲイン制御補正量は、波形振幅から求められるゲイン
制御補正情報の内容に基づいて決定される複数の大きさ
の中から選択されたものとする方法が提案されている。
【0073】ところで、上述した図3の例では、波形信
号として、準定常的な波形信号FTの次にアタック部A
Tが存在し、その後は大きなレベルの信号が続くような
波形信号SWについてプリエコーの発生を防止する例に
ついて説明しているが、本発明実施例では、準定常的な
信号の次にアタック部が存在し、その後は急激にレベル
が減衰していくリリース部が続くような波形信号に対し
て、アタック部の前後でゲイン制御及びゲイン制御補正
を行うことで、アタック部の前におけるプリエコーのみ
ならず、アタック部の後のリリース部におけるポストエ
コーをも、その発生を防止できるようにしている。
【0074】上記プリエコーとポストエコーが発生する
波形信号の例として、例えば図4のAやBに示すよう
に、準定常的な信号FL5 ,FT6 の次にアタック部A
Tが存在し、その後はレベルが急激に小さくなるリリー
ス部RE5 ,RE6 が続くような波形信号SW5 ,SW
6 を例に挙げて説明する。なお、図4のAに示す波形信
号SW5 は、アタック部ATの前後の準定常的な波形信
号FT5 とリリース部RE5 とが、それぞれある程度大
きいレベルとなっている例を、また、図4のBに示す波
形信号SW6 は、アタック部ATの前後の定常的な波形
信号FT6 とリリース部RE6 のレベルが非常に小さく
なっている例を示している。すなわち、これら図4のA
及びBに示す波形信号SW5 ,SW6 は、ブロック内に
準定常的な波形信号FT5 ,FT6 とアタック部ATと
リリース部RE5 ,RE6 とを含むものの、波形信号S
5 とSW6 とでは、前記図3の例と同様に、信号の振
幅の変化の仕方に大きな違いがあるものである。ここで
例えば、これら波形信号SW5 とSW6 に対して、アタ
ック部の前後のゲイン制御量を固定的なものとすると、
前記図3で説明したのと同様の理由により、プリエコー
のみならずポストエコーの発生をも良好に防止できない
ことになるので、本発明の第2の実施例の符号化方法で
は、波形信号のアタック部とその前後の部分における信
号の振幅変化の度合いに応じて、アタック部の前後で、
ゲイン制御量を適応的に変化させるようにしている。
【0075】すなわち、本発明の第2の実施例の符号化
方法では、例えば、図4のCに示すように、波形信号S
5 のアタック部ATの直前の部分の信号成分(波形信
号FT5 )に対してはゲイン制御量が比較的小さいRa5
倍のゲイン制御を行うようにすると共に、アタック部A
Tの後のリリース部RE5 に対してはゲイン制御量が1
よりも小さくかつ比較的小さいRr5倍のゲイン制御を行
うようにする。一方、波形信号SW6 のアタック部AT
の直前の部分の信号成分(波形信号FT6 )に対して
は、ゲイン制御量が比較的大きいRa6倍のゲイン制御を
行うと共に、アタック部ATの後のリリース部RE6
対してはゲイン制御量が1よりも小さくかつ比較的大き
いRr6倍のゲイン制御を行うようにする。なお、ブロッ
ク内のアタック部AT内の検出の方法及び、検出したア
タック部ATの前後の部分に対するゲイン制御関数の選
択の方法については後述する。
【0076】また、符号化時にこの第2の実施例の符号
化方法のようなアタック部ATの前後の部分に対してゲ
イン制御を行った場合の復号化の際には、ゲイン制御関
数GC5 を用いたときにはそのゲイン制御量に対応する
ゲイン制御補正を行い、ゲイン制御関数GC6 を用いた
ときにはそのゲイン制御量に対応するゲイン制御補正を
行うことになる。
【0077】上述のように、符号化時に波形信号のアタ
ック部とその前後の部分における信号の振幅変化の度合
いに応じて当該アタック部前後の部分へのゲイン制御量
を適応的に変化させることによって、図4の波形信号S
5 とSW6 に符号化及び復号化を行った後のそれぞれ
の波形信号SW5 とSW6 に発生する量子化雑音QN5
とQN6 は、図4のDとEに示すようになる。
【0078】ここで、波形信号SW5 を符号化及び復号
化することにより発生する量子化雑音QN5 は、符号化
の際のアタック部ATの前後の準定常的な信号FT5
リリース部RE5 の信号におけるゲイン制御関数GC5
が比較的小さいRa5とRr5倍のゲイン制御量であり、復
号化の際のゲイン制御補正処理もこれに応じた比較的小
さいゲイン制御補正量となっているため、図4のDに示
されているようにアタック部ATの前後の準定常的な波
形信号FT5 とリリース部RE5 の信号部分における雑
音抑圧作用は比較的小さくなっているが、ブロック全体
を通しての量子化雑音QN5 のエネルギは小さくなって
いる。また、この波形信号SW5 のアタック部ATの前
後の波形信号FT5 とリリース部RE5 の信号はそれぞ
れ元々あるレベル以上の信号であるので、これら波形信
号FT5 とリリース部RE5 の信号によってその部分の
量子化雑音はマスクされることになる。これに対して、
波形信号SW6 を符号化及び復号化した場合、ブロック
全体を通しての量子化雑音QN6 のエネルギは比較的大
きいが、符号化の際のアタック部ATの前後の準定常的
な波形信号FT6 とリリース部RE6 の信号部分におけ
るゲイン制御関数GC6 が比較的大きいRa6とRr6倍の
ゲイン制御量であり、復号化の際のゲイン制御補正処理
もこれに応じた比較的大きいゲイン制御補正量となって
いるため、図4のEに示すように、アタック部ATの準
定常的な波形信号FT6 とリリース部RE6 の信号部分
の量子化雑音は十分に低く抑えられている。
【0079】上述の図4で説明したように、本発明の第
2の実施例の符号化方法では、プリエコー及びポストエ
コーは聴感上の大きな障害となるため、波形信号SW6
の場合のようにアタック部ATの前後の波形信号FT6
やリリース部RE6 の信号によっては量子化雑音がマス
クされないときには、全体の量子化雑音のエネルギを低
下させることに優先させて、このプリエコー及びポスト
エコーを抑圧させるようなゲイン制御及びゲイン制御補
正を行うようにしている。
【0080】なお、アタック部の直前の信号とリリース
部の信号に対して適応的に選択して適用されるゲイン制
御量の種類及びその数は、アタック部の直前の信号に対
するものとリリース部の信号に対するものとで同じとす
ることもできるが、リリース部はアタック部の直前の部
分に比べて、アタック部による同時マスキングが有効に
作用する度合いが高いため、異なる種類及び数としても
構わない。
【0081】次に、上述したゲイン制御及びゲイン制御
補正を図1の符号化装置と復号化装置に適用した場合の
具体的構成を図5及び図6に示す。
【0082】図5の構成は、ウインドウ回路32とアタ
ック/リリース部検出回路33とゲイン制御回路34と
順スペクトル変換回路35と正規化量子化回路36と符
号化回路37とからなり、この図5の構成を図1の構成
と対応させた場合、図5のウインドウ回路32から順ス
ペクトル変換回路35までは図1の周波数成分分解回路
2内に含まれ、図5の正規化量子化回路36は図1の正
規化回路3〜6、量子化精度決定回路7、及び量子化回
路8〜11に対応し、図5の符号化回路37は、図1の
マルチプレクサ12及びECCエンコーダ14と対応す
るものである。また、図6の構成は、復号化回路42と
逆正規化逆量子化回路43と逆スペクトル変換回路44
とゲイン制御補正回路45と隣接ブロック合成回路46
とからなり、この図6の構成を、図2と対応させた場
合、図6の復号化回路42は図2のECCデコーダ34
及びデマルチプレクサ22と対応し、図6の逆正規化逆
量子化回路43からゲイン制御補正回路45までは図2
の信号成分構成回路23〜26と対応し、図6の隣接ブ
ロック合成回路46は図2の波形信号合成回路27内に
含まれることになる。
【0083】図5において、端子31には、例えばディ
ジタルオーディオ信号等の波形信号が供給される。この
ディジタルオーディオ信号は、ウインドウ回路32に送
られる。当該ウインドウ回路32では、供給されたディ
ジタルオーディオ信号をそれぞれ一定の長さのブロック
毎に切り出すと共に、両隣のブロックでそれぞれオーバ
ーラップさせ、さらに各ブロックに対して変換ウインド
ウ関数を掛ける。
【0084】次のアタック/リリース部検出回路33で
は、上記ウインドウ回路32で変換ウインドウ関数が掛
けられたブロック内にアタック部があるか否かと、リリ
ース部があるか否かを検出し、各ブロック毎にアタック
部の検出の有無とリリース部の検出の有無を示すフラグ
(アタック/リリース部検出フラグ)を生成する。ま
た、当該アタック/リリース部検出回路33では、アタ
ック部を検出したときにはそのブロック内のいずれから
アタック部が開始するかを示す情報を、リリース部を検
出したときにはそのブロック内のいずれからリリース部
が開始するかを示す情報を、位置情報として生成する。
さらに、当該アタック/リリース部検出回路33は、第
1の実施例の符号化方法で説明したようにアタック部の
みを検出したときには当該検出したアタック部に対応す
るゲイン制御関数を算出する。また、第2の実施例の符
号化方法で説明したようにアタック部とそれに続くリリ
ース部を検出したときには、当該検出したアタック部に
対応するゲイン制御関数を算出すると共にリリース部に
対応するゲイン制御関数を算出し、これら二つのゲイン
制御関数から最終的なゲイン制御関数を算出する。この
アタック/リリース部検出回路33におけるゲイン制御
関数の算出の処理は、例えばブロック内の波形信号が前
記図3のAやBに示したような波形信号SW3 やSW4
である場合には図3のCで説明したようなゲイン制御関
数GC3 又はGC4 を適応的に選択する処理であり、ま
た、ブロック内の波形信号が前記図4のAやBに示した
ような波形信号SW5 やSW6 である場合には図4のC
で説明したようなゲイン制御関数GC5 又はGC6 を適
応的に選択する処理である。なお、当該アタック/リリ
ース部検出回路33は、ブロック内でアタック部やリリ
ース部を検出しなかった場合には、1の値のゲイン制御
量を示すゲイン制御関数を選択することになる。勿論、
アタック部やリリース部を検出しなかったときには、そ
のブロックに対してゲイン制御を行わないようにするこ
とも可能である。このようなアタック/リリース部検出
回路33からは、上記アタック/リリース部検出フラグ
と、アタック部やリリース部を検出したときの位置情報
及び上記選択したゲイン制御関数情報と、各ブロックの
信号成分(波形要素)とが出力されて、これらがゲイン
制御回路34に送られる。
【0085】当該ゲイン制御回路34では、ブロック内
の信号成分と共に供給されるアタック/リリース部検出
フラグが当該ブロックにおいてアタック部を検出した旨
を示している場合には、同じくこのブロック内の信号成
分と共に供給されるアタック部の位置情報及びゲイン制
御関数情報に基づいて、当該ブロック内のアタック部以
前の小振幅の信号(順定常的な信号)を増幅するゲイン
制御処理を行い、ブロック内の信号成分と共に供給され
るアタック/リリース部検出フラグが当該ブロックにお
いてリリース部を検出した旨を示している場合には、同
じくこのブロック内の信号成分と共に供給されるリリー
ス部の位置情報及びゲイン制御関数情報に基づいて、当
該ブロック内のリリース部の信号を増幅するゲイン制御
処理を行う。すなわち、このゲイン制御回路34でのゲ
イン制御処理は、ブロック内の波形信号が前記図3のA
やBに示したような波形信号SW3 やSW4 である場合
には、図3のCで説明したようなゲイン制御関数GC3
又はGC4 を当該ブロック内の波形要素に乗算すること
で行い、また、ブロック内の波形信号が前記図4のAや
Bに示したような波形信号SW5 やSW6 である場合に
は、図4のCで説明したようなゲイン制御関数GC5
はGC6 を当該ブロック内の波形要素に乗算することで
行う。なお、当該ゲイン制御回路34は、アタック/リ
リース部検出フラグがこれらアタック部やリリース部を
含まない旨を示す場合には、当該ブロックの信号成分に
対して信号増幅の処理は行わない。具体的には、1の値
のゲイン制御量を示すゲイン制御関数をブロック内の波
形要素に乗算することで、増幅しないようにしている。
当該ゲイン制御回路34を介したブロック毎の信号成分
(波形要素)は、順スペクトル変換回路35に送られ
る。
【0086】この順スペクトル変換回路35では、供給
されたブロック毎の信号成分に対して、DFTやDCT
等のスペクトル変換を施す。このスペクトル変換により
得られたスペクトル成分信号は、正規化量子化回路36
に送られる。
【0087】当該正規化量子化回路36では、前記図1
の正規化回路3〜6、量子化精度決定回路7、及び量子
化回路8〜11と同様に、供給されたスペクトル成分信
号を正規化し、さらに量子化する。
【0088】次の符号化回路37では、正規化量子化回
路36から供給される量子化信号と正規化係数情報と量
子化精度情報、及び各部を通過して供給されるアタック
/リリース部検出フラグと、アタック部やリリース部が
検出されたときの位置情報及びゲイン制御量情報とか
ら、順次、符号列信号を生成し、さらにこの符号列信号
にエラーコレクションコードを付加する。この符号化回
路37の出力は端子38から出力され、例えば前述した
ように8−14変調されて情報記録媒体に記録された
り、伝送媒体に伝送される。
【0089】一方、図6において、端子41には、例え
ば情報記録媒体から再生された8−14変調の復調がな
された信号や、伝送媒体を介して伝送された前記符号列
信号が供給される。当該端子41に供給された符号列信
号は、復号化回路42にてエラー訂正がなされると共に
符号列が解かれ、量子化信号と正規化係数情報と量子化
精度情報、及びアタック/リリース部検出フラグと、ア
タック部やリリース部が検出されたブロックにおけるそ
れらの位置情報及びゲイン制御量情報とが取り出され
る。この復号化回路42からの量子化信号と正規化係数
情報と量子化精度情報とは、逆正規化逆量子化回路43
に送られる。
【0090】この逆正規化逆量子化回路43では、量子
化精度情報を用いて量子化信号に逆量子化処理を施し、
さらに正規化係数情報を用いた正規化の解除処理を行
う。これにより当該逆正規化逆量子化回路43からは、
スペクトル成分信号が出力されることになる。このスペ
クトル成分信号は、逆スペクトル変換回路44に送られ
る。
【0091】この逆スペクトル変換回路44では、符号
化装置にて行われたスペクトル変換に対応する逆処理で
ある逆スペクトル変換を行う。具体的に言うと、符号化
装置でのスペクトル変換がDFTであったときにはID
FTの逆スペクトル変換処理を、またDCTであったと
きにはIDCTの逆スペクトル変換処理を、MDCTで
あったときにはIMDCTの逆スペクトル変換処理を行
う。
【0092】上記逆スペクトル変換回路44で逆スペク
トル変換処理されて得られた時間領域の信号成分(波形
要素)は、ゲイン制御補正回路45に送られる。当該ゲ
イン制御補正回路45には、各部を通過して上記信号成
分と共に供給されるアタック/リリース部検出フラグ
と、アタック部やリリース部が検出されたブロックにお
けるこれらの位置情報及びゲイン制御量情報も供給され
る。したがって、このゲイン制御補正回路45では、こ
れらフラグ及び情報を用いて、符号化装置のゲイン制御
回路34においてブロック内のアタック部直前の準定常
的な信号やリリース部の信号が増幅されていたときに
は、これら増幅された信号に対して減衰を施すゲイン制
御補正処理を行う。具体的に言うと、当該ゲイン制御補
正回路45では、ブロック内にアタック部やリリース部
が存在することを示すアタック/リリース部検出フラグ
とこれらの位置を示す位置情報とゲイン制御量情報とに
基づいて、アタック部以前の小振幅の準定常的な信号や
リリース部の信号を減衰するゲイン制御補正処理を行
う。このゲイン制御補正回路45におけるゲイン制御補
正処理は、符号化時に用いられたゲイン制御関数の逆数
であるゲイン制御補正関数を乗算する処理である。この
ように、符号化時に増幅された信号を減衰するようにす
ると、先の逆スペクトル変換回路44において周波数領
域から時間領域へ逆スペクトル変換した段階でブロック
内に略均等に拡がっていた量子化雑音のうち、アタック
部の前後に発生した量子化雑音は低いレベルに抑えられ
るようになる。このため、プリエコーやポストエコーに
よる聴感上の障害も抑制されることになる。一方、当該
ゲイン制御補正回路45は、アタック部やリリース部が
存在せずに符号化時に増幅処理が施されなかったブロッ
クに対しては、そのブロック内の信号成分に対する信号
減衰の処理は行わない。なお、符号化時に増幅しなかっ
た信号は、前記1の値をとるゲイン制御量を示すゲイン
制御関数を乗算する処理が施されているものであるた
め、この信号に対しては例えば1の逆数(すなわち1)
のゲイン制御補正量を示すゲイン制御補正関数を乗算す
ることになる。当該ゲイン制御補正回路45を介したブ
ロック毎の信号成分は、隣接ブロック合成回路46に送
られる。
【0093】当該隣接ブロック合成回路46に送られた
ブロックは、符号化装置において隣接ブロック間でオー
バーラップしたものであるため、当該隣接ブロック合成
回路46では、このオーバーラップしたブロック内の各
サンプルデータを互いに干渉させながら加え合わせるこ
とにより、波形信号(ディジタルオーディオ信号)を再
構成する。この隣接ブロック合成回路46で再構成され
たディジタルオーディオ信号は、端子47から出力さ
れ、例えばアンプで増幅された後に、スピーカやヘッド
ホン或いはイアホン等の放音手段に送られたり、音声ラ
イン出力端子等から出力されることになる。
【0094】なお、上記図3〜図6を用いて説明した方
法では、ブロック内の信号成分に対して前述した変換ウ
インドウ関数を掛けた後にアタック部の検出を行うよう
にしている。このよう場合、例えば大振幅の信号部分で
あるアタック部がブロックの端部分に存在したとして
も、変換ウインドウ関数を掛けることでブロック内の元
々の波形信号は変形されので、当該ブロックの端部の大
振幅部分が緩和されてしまい、アタック部を検出するこ
とができないことがある。しかし、DFTやDCTを用
いたスペクトル変換を行い、その後逆スペクトル変換を
施すことにより、元の時系列のブロックの信号成分を完
全に復元することができるので、復号化装置においてブ
ロック毎にゲイン制御の補正処理を施せば問題は生じな
い。
【0095】次に、図7は、本発明実施例の上述したゲ
イン制御を実際に信号の符号化の際に適用する場合に、
前記図4に示したような波形信号に対してアタック部と
リリース部とを検出してゲイン制御関数を生成させる処
理の流れの例を示したものである。この図7の処理は、
例えば前記図5の構成のアタック/リリース部検出回路
33に組み込まれるものである。
【0096】この図7において、図5のアタック/リリ
ース部検出回路33では、ステップS101でアタック
部用のゲイン制御関数を算出する処理を行い、ステップ
S102でリリース部用のゲイン制御関数を算出する処
理を行う。なお、ステップS101やステップS102
でのゲイン制御関数を算出する処理は、実際には予め用
意された複数種類のゲイン制御関数の内から、ブロック
内の信号成分の特性に応じて適応的に選択する処理であ
る。次のステップS103では、ステップS101及び
ステップS102で求められたアタック部用のゲイン制
御関数とリリース部用のゲイン制御関数とから最終的な
ゲイン制御関数を算出する。
【0097】次に、図8には、図7のステップS101
におけるアタック部用のゲイン制御関数を生成する処理
の流れの詳細を示している。
【0098】この図8においては、例えば2M個のサン
プルデータ分の長さのブロックをN個のサブブロック
(例えば図3のCや図4のCに示すような小区間のサブ
ブロックe0 〜e7 )に分割し、I番サブブロックにお
ける最大振幅値P[I] を、当該I番サブブロックまでの
連続するK個のサブブロックにおける最大振幅値Q[I]
と比較し、それが所定の比率以上になっている場合には
アタック部が検出されたものとしている。また、最終的
に滑らかに変化するゲイン制御量に対応するゲイン制御
関数を構成して、ブロック内の信号成分をスペクトル変
換した場合のエネルギの拡散を防いでいる。
【0099】すなわち、図8の最初のステップS201
においては、1つのブロックをN分割したサブブロック
の内のI番サブブロックまでの連続するK個のサブブロ
ック、すなわちI−(K−1)番サブブロックからI番
サブブロックまでの最大振幅値Q[I] を求め、ステップ
S202では、I番サブブロックにおける最大振幅値P
[I] を求めている。次のステップS203では、I=0
とし、ステップS204において、上記ゲイン制御量と
してのRを、I番サブブロックまでのK個のサブブロッ
クの最大振幅値Q[I] の、その直後のサブブロックの最
大振幅値P[I+1] に対する比率で求めている。次のステ
ップS205のTは所定の閾値であり、上記RがTより
大きい場合(イエス)に、アタック部が検出されたもの
として、ステップS209に進んでいる。ステップS2
05でノーと判定したときにはステップS206に進
み、Iをインクリメントして、ステップS207でIが
ブロックの終端のサブブロックの番号(N)に達したか
否かを判別し、I=NとなるまでステップS204以降
を繰り返している。ステップS207でイエスと判別さ
れたときには、ステップS208でL=0、すなわちア
タック部無しとし、R=1として、ステップS210に
進む。上記ステップS205でイエス、すなわちアタッ
ク部が見つかったときには、ステップS209に進ん
で、La =Iとし、Rには上記ステップS204で求め
られたRの値の整数値(Ra )を代入する。すなわち、
このブロックにおけるアタック部以前の長さはサブブロ
ックL個分であると解釈され、この時のRの値がゲイン
制御量を表す。ステップS209の処理を終えた後は、
ステップS210に進む。
【0100】ステップS210では、アタック部の位置
Lまでのサブブロックのゲイン制御量をRとし、残りを
1にすると共に、最終的に滑らかに変化するゲイン制御
量となるように補間処理を行った後、処理を終了してい
る。すなわち、このステップS210において、LとR
の値に基づいてゲイン制御関数ga (n) が構成される
が、アタック部直前のサブブロックではゲイン制御量が
滑らかに変化するように補間する。これは周波数領域に
変換した場合にエネルギ分布の拡散を防ぎ、効率の良い
符号化を可能にするためである。
【0101】このように、アタック部のゲイン制御量を
波形信号のレベルに応じて変化させることにより、圧縮
率の高い場合にも効率的にプリエコーの発生を防止する
ことができるという利点がある。
【0102】次に図9には、図7のステップS102に
おけるリリース部用のゲイン制御関数の算出処理の詳細
を示す。
【0103】この図9においては、アタック部の場合と
同様に、例えば長さ2MのブロックをN個のサブブロッ
ク(例えば図3のCや図4のCに示すような小区間のサ
ブブロックe0 〜e7 )に分割し、I番サブブロックに
おける最大振幅値P[I] を、アタック部の場合の逆方向
にI番サブブロックまでの連続するK個のサブブロック
における最大振幅値Q[I] と比較し、それが所定の比率
以上になっている場合にはリリース部が検出されたもの
としている。また、この図9の処理でも最終的に滑らか
な過渡部をもつゲイン制御関数を構成して、スペクトル
変換した場合のエネルギの拡散を防いでいる。
【0104】すなわち、図9の最初のステップS301
においては、1ブロックをN分割したサブブロックの
内、アタック部の場合の逆方向にI番サブブロックまで
の連続するK個のサブブロック、すなわちI+(K−
1)番サブブロックからI番サブブロックまでの最大振
幅値Q[I] を求め、ステップS302では、I番サブブ
ロックにおける最大振幅値P[I] を求めている。次のス
テップS303ではI=N+1とし、さらに次のステッ
プS304では上記ゲイン制御量としてのRを、I番ま
でのK個のサブブロックの最大振幅値Q[I] の、その直
後のサブブロックの最大振幅値P[I-1] に対する比率で
求めている。次のステップS305のTは所定の閾値で
あり、上記RがTより大きい場合に、リリース部が検出
されたものとして、ステップS309に進んでいる。ス
テップS305においてノーと判断したときにはステッ
プS306に進み、このステップS306でIをデクリ
メントする。次のステップS307ではIが1番サブブ
ロック(サブブロック番号が1)に達したか否かを判別
する。このステップS307でノーと判別した場合には
ステップS304に戻り、I=1となるまでステップS
304以降を繰り返している。ステップS307でイエ
スと判別されたときには、ステップS308でL=0、
すなわちリリース部無しとし、R=1として、ステップ
S310に進む。一方、ステップS305でイエス、す
なわちリリース部が見つかったときには、ステップS3
09に進んで、Lr =Iとし、Rには上記ステップS3
04で求められたRの値の整数値(Rr )を代入する。
すなわち、このブロックにおけるリリース部以降の長さ
はサブブロックL個分であると解釈され、この時のRの
値がゲイン制御量を表す。ステップS309の処理を終
えた後は、ステップS310に進む。
【0105】ステップS310では、リリース部の位置
Lまでのサブブロックのゲイン制御関数をRとし、残り
を1にすると共に、最終的に滑らかな過渡部を持つよう
に補間処理を行った後、処理を終了している。すなわ
ち、このステップS310において、LとRの値に基づ
いてゲイン制御関数gr (n) が構成されるが、リリース
部直前のサブブロックでは関数値が滑らかに補間する。
これは周波数領域に変換した場合にエネルギ分布の拡散
を防ぎ、効率の良い符号化を可能にするためである。
【0106】次に、図10には、図7のステップS10
3におけるアタック用のゲイン制御関数とリリース用の
ゲイン制御関数から最終的なゲイン制御関数を算出する
処理の詳細を示している。
【0107】この図10において、ステップS401で
はアタック部用のゲイン制御関数ga (n) とリリース部
用のゲイン制御関数gr (n) とを合成し、最終的なゲイ
ン制御関数g(n) を求めている。次のステップS402
ではゲイン制御関数g(n) の最後の値が1以外の値であ
るか否かを判別し、1以外の値であると判別した場合に
はステップS403に進み、1であると判別した場合に
はそのまま処理を終了する。ステップS402において
1以外の値であると判別した場合に進むステップS40
3では、その値で全体を割り算した後に処理を終了す
る。なお、この図10の処理により得られるゲイン制御
関数が、図4のゲイン制御関数GC等と対応している。
【0108】次に、図11には、上述した図7から図1
0の処理を実際の波形信号に対して適用した場合の様子
を示している。図11のAには、波形信号の一例とし
て、ブロックの途中で振幅が急激に大きくなった後に急
激に小さくなる波形信号SW7を示す。
【0109】すなわちこの図11において、上記図11
のAの波形信号SW7 から図7のステップS101(図
8の処理)で求められるアタック部用のゲイン制御関数
は、図11のBに示すように、アタック部直前の準定常
的な信号FT7 の部分に対してはRa7倍し、その後は1
倍するようなゲイン制御関数ga (n) となり、また、上
記図11のAの波形信号SW7 から図7のステップS1
02(図9の処理)で求められるリリース部用のゲイン
制御関数は、図11のCに示すように、アタック部後の
リリース部RE7 の部分に対してはRr7倍し、それ以前
は1倍するようなゲイン制御関数gr (n) となってい
る。このようにして求められたアタック部用のゲイン制
御関数ga (n) とリリース部用のゲイン制御関数g
r (n) とから、図7のステップS103(図10の処
理)で求められる最終的なゲイン制御関数は、図11の
Dに示すように、アタック部直前の準定常的な信号FT
7 の部分に対してはRa7/Rr7倍し、次に1/Rr7
し、その後1倍するようなゲイン制御関数GC7 とな
る。
【0110】このように、本実施例においては、アタッ
ク部とリリース部のゲイン制御量を信号のレベルに応じ
て適応的に変化させることにより、圧縮率の高い場合に
も効果的にプリエコー及びポストエコーの発生を防止す
ることができるという利点がある。
【0111】また、これまでの説明では、ブロック内に
アタック部とリリース部の数がそれぞれ1つである場合
について述べているが、ブロック内のアタック部とリリ
ース部の数は一つに限らず、複数であっても上述した本
発明実施例の方法を適用することは可能である。
【0112】さらに、ゲイン制御関数として、例えばス
テップ状に急激に変化するものを使用すると、スペクト
ル変換した場合に、そのエネルギが拡散してしまい、符
号化の効率が落ちる。そのため、本実施例では、ゲイン
制御関数としてアタック部においてもある程度滑らかに
変化するような過渡区間を有するものを使用するように
している。ただし、ゲイン制御関数を滑らかに変化させ
る過渡区間は十分に短くなければならず、十分に短くな
いと特にプリエコーが聞こえてしまうようになる。した
がって、ゲイン制御関数の過渡区間は、人間の聴覚を考
慮して、時間的長さをミリ秒(msec)程度とし、そ
の過渡区間内の関数の形状には例えばサイン波形状のよ
うに滑らかな変化をさせることが望ましい。
【0113】また、上述の例では、一つのブロック内の
アタック部を検出するようにしているが、既に処理した
ブロックの次のブロックの先頭にアタック部が生じるよ
うな場合に備えて、アタック部の検出範囲を当該次のブ
ロックの先頭のサブブロックまで広げておくことも可能
である。このようにアタック部の噴出範囲を次のブロッ
クの先頭のサブブロックまで広げておくことによって、
ゲイン制御関数に滑らかな過渡部を持たせながら、前述
したような逆スペクトル変換時に隣接するブロック間で
波形要素を干渉させることができるための条件を、充足
させることが可能となる。
【0114】次に、図12には、本発明の方法で符号化
された符号列信号を情報記録媒体に記録するときの記録
フォーマット、或いは伝送媒体に伝送するときの伝送フ
ォーマットの例について示す。
【0115】この図12において、各ブロック単位の符
号列信号(ブロック情報)は、前記アタック/リリース
部検出フラグと、スペクトル成分信号を正規化及び量子
化しさらに符号化して得たスペクトル成分符号とを少な
くとも有し、さらに、アタック/リリース部検出フラグ
の内容によっては、それらに加えて、アタック部とリリ
ース部の位置情報及びゲイン制御量情報からなるゲイン
制御補正関数生成情報をも含んで構成されるものであ
る。アタック部とリリース部の位置情報としては例えば
図8、図9で用いたLの値を用いることができ、またゲ
イン制御量情報としては例えば図8、図9で用いたRの
値を用いることができる。なお、実際のオーディオ信号
においてプリエコーとポストエコーが問題となるアタッ
ク部とリリース部の存在するブロックの割合は低いの
で、上述のようにアタック部とリリース部の位置情報と
ゲイン制御量情報については実際にアタック部とリリー
ス部が存在するブロックに対応するブロック情報(図1
2の例では(N) 番ブロック情報)にのみ付加するものと
すれは、情報記録媒体への記録効率や伝送媒体への伝送
効率が良くなる。ただし勿論、全てのブロックにおいて
ブロック情報にゲイン制御補正関数生成情報を付加する
ようにしてもよく、この場合、実際にアタック部の存在
しないブロックに対しては、ブロック情報内にL=0及
びR=1として付加しておけばよい。
【0116】次に、図13には、復号化装置において、
図12にて説明したような符号列信号から、ゲイン制御
補正関数h(n) を生成する処理の流れを示している。こ
の図13に示す処理を、前記図6のゲイン制御補正回路
45に組み込むことによって、そのゲイン制御補正回路
45で当該図13の処理を実現することができ、この図
13の処理で生成されたゲイン制御補正関数h(n) を、
図6の逆スペクトル変換回路44での逆スペクトル変換
処理によって構成された信号成分に乗じることによっ
て、ブロック内の信号成分を再現することができる。勿
論、アタック部やリリース部が検出されていないブロッ
クにおいては、実際にゲイン制御補正関数h(n) を乗じ
る処理を省略するようにしても良い。
【0117】この図13において、ステップS21では
アタック/リリース部検出フラグを取り出し、このアタ
ック/リリース部検出フラグが0のときすなわちアタッ
ク部とリリース部が検出されていないときは、ステップ
S22に進んで、ゲイン制御補正関数h(n) すなわちゲ
イン制御補正量を1にして処理を終了する。これに対し
てアタック/リリース部検出フラグが1のときすなわち
アタック部とリリース部が検出されているときには、ス
テップS23に進む。このステップS23では、当該ブ
ロックの先頭からサブブロックのLa 個分のゲイン制御
関数の値をRa/Rr とし、La +1からLr までのサ
ブブロックのゲイン制御関数の値を1/Rr とし、そし
て残りのサブブロックのゲイン制御関数の値を1とし
て、前記補間処理を行って最終的なゲイン制御関数g
(n) を求める。次のステップS24では、このゲイン制
御関数g(n) の逆数1/g(n) を計算してゲイン制御補
正関数h(n) を求めている。
【0118】また、本発明の方法は、波形信号を直接ス
ペクトル変換によってスペクトル成分に分解する場合だ
けでなく、例えば、一旦、QMF等のフィルタからなる
帯域分割フィルタによって波形信号を帯域分割した信号
成分をスペクトル変換によってスペクトル成分に分解す
る場合にも適用することができる。さらに、QMF等の
フィルタによって波形信号を複数帯域の信号成分に分解
する場合のみにも適用することができる。本発明の方法
は、このようにスペクトル成分やフィルタ分割した信号
成分を周波数成分と呼び、これらすべてに適用できる
が、特にプリエコーやポストエコーの発生が大きな問題
となるスペクトル変換を含む処理で得られる周波数成分
(スペクトル成分)に関連して適用される場合にその効
果が大きい。
【0119】さらに、本発明の方法は、波形信号として
オーディオ信号をディジタル信号に変換したものを処理
する装置に適用することも可能であるし、又は一旦ファ
イル化された波形信号をコンピュータ等で処理する場合
に適用することもできる。さらに、前述のように、得ら
れた符号列信号を情報記録媒体に記録することも、伝送
媒体に伝送することも勿論可能である。また、本発明の
方法は、常に一定のビットレートで符号化を行う場合に
も、割り当てられるビット数がブロック毎に異なるよう
に時間的に変化するビットレートで符号化を行う場合に
も適用することが可能である。
【0120】以上、波形信号としてオーディオ信号を量
子化した場合の量子化雑音を目立たなくさせる場合に関
して説明を行なったが、本発明の方法は他の種類の信号
の量子化雑音の発生を目立たせなくする上でも有効であ
り、例えば画像信号にも適用することが可能である。し
かし、オーディオ信号におけるアタック部分でのプリエ
コーは聴感上の大きな障害となるため、本発明をオーデ
ィオ信号に適用することは非常に有効である。また、本
発明の方法は勿論多チャネルのオーディオ信号に対して
適用可能である。
【0121】
【発明の効果】本発明においては、符号化時には、波形
信号からアタック部とリリース部を検出し、アタック部
以前の部分とリリース部の波形要素に対しては、波形信
号の特性に応じて適応的に選択したゲイン制御量でゲイ
ン制御を行ってから符号化し、復号化時には、符号化の
際にゲイン制御された部分のゲイン制御補正を行うよう
にしているため、波形信号を符号化及び復号化したとき
にアタック部以前の部分とリリース部に発生する雑音の
エネルギを、人間が知覚し難いレベルまで低下させるこ
とができ、したがって、圧縮率の高い場合にも効果的に
プリエコー及びポストエコーの発生を防止でき、より効
率的でより音質の高い符号化、復号化、記録、伝送が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の符号化装置の概略構成を示すブ
ロック回路図である。
【図2】本発明実施例の復号化装置の概略構成を示すブ
ロック回路図である。
【図3】本発明実施例におけるウィンドウ化処理時のア
タック部に関するゲイン制御の動作を説明するための図
である。
【図4】本発明実施例におけるウィンドウ化処理時のア
タック部及びリリース部に関するゲイン制御の動作を説
明するための図である。
【図5】本実施例の符号化装置の要部の詳細な構成を示
すブロック回路図である。
【図6】本実施例の復号化装置の要部の詳細な構成を示
すブロック回路図である。
【図7】本発明実施例の符号化の際のアタック部及びリ
リース部用のゲイン制御関数生成の処理全体の手順の一
例を概略的に示すフローチャートである。
【図8】本発明実施例の符号化の際のアタック部用のゲ
イン制御関数生成の処理手順の一例を概略的に示すフロ
ーチャートである。
【図9】本発明実施例の符号化の際のリリース部用のゲ
イン制御関数生成の処理手順の一例を概略的に示すフロ
ーチャートである。
【図10】本発明実施例の符号化の際のアタック部用の
ゲイン制御関数とリリース用のゲイン制御関数とから最
終的なゲイン制御関数を合成する処理手順の一例を概略
的に示すフローチャートである。
【図11】本発明実施例の符号化の際のアタック部用の
ゲイン制御関数とリリース用のゲイン制御関数とから最
終的なゲイン制御関数を合成する様子について説明する
ための図である。
【図12】本発明実施例の符号化により得られた符号列
信号の記録又は伝送フォーマットを示す図である。
【図13】本発明実施例の復号化の際のゲイン制御補正
関数の生成の処理て手順の一例を概略的に示すフローチ
ャートである。
【図14】変換符号化によってプリエコーが発生する動
作原理を説明するための図である。
【図15】プリエコーの発生を防止するための従来のウ
ィンドウ化処理技術について説明するための図である。
【図16】プリエコーの発生を防止するための従来のゲ
イン制御処理技術について説明するための図である。
【図17】変換符号化によってポストエコーが発生する
動作原理を説明するための図である。
【符号の説明】
2 周波数成分分解回路 3〜6 正規化回路 8〜11 量子化回路 7 量子化精度決定回路 12 マルチプレクサ 22 デマルチプレクサ 23〜26 信号成分構成回路 27 波形信号合成回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−201526(JP,A) 特開 昭63−7023(JP,A) 特開 平3−132228(JP,A) 特開 平3−263925(JP,A) 特開 平7−221649(JP,A) 特開 平7−221648(JP,A) 特開 平7−273657(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30 G10L 11/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波形信号を符号化する信号符号化方法に
    おいて、 波形信号の波形要素のレベルが急激に大きくなるアタッ
    ク部を検出し、 波形信号の波形要素のレベルが急激に小さくなるリリー
    ス部を検出し、 少なくとも上記アタック部以前の波形要素とリリース部
    の波形要素に対して、複数通りのゲイン制御量の内から
    波形信号の特性に応じて適応的にゲイン制御量を選択
    し、 当該選択したゲイン制御量を用いて、少なくとも上記ア
    タック部以前の波形要素とリリース部の波形要素に対し
    てゲイン制御を行い、 上記波形信号を複数の周波数成分に変換し、 上記ゲイン制御のための制御情報と複数の周波数成分と
    を符号化することを特徴とする信号符号化方法。
  2. 【請求項2】 上記ゲイン制御量が変化する変化点付近
    には、変化前のゲイン制御量と変化後のゲイン制御量と
    の間で滑らかに変化するゲイン制御量を設定することを
    特徴とする請求項1記載の信号符号化方法。
  3. 【請求項3】 波形信号を複数の波形要素からなる複数
    の小区間に細分化し、一つの小区間の最大レベルと当該
    小区間より前の複数の小区間での最大レベルとの比が所
    定の第1の閾値以上となったときに、上記アタック部を
    検出することを特徴とする請求項1記載の信号符号化方
    法。
  4. 【請求項4】 波形信号を複数の波形要素からなる複数
    の小区間に細分化し、一つの小区間の最大レベルと当該
    小区間より後の複数の小区間での最大レベルとの比が所
    定の第2の閾値以上となったときに、上記リリース部を
    検出することを特徴とする請求項1記載の信号符号化方
    法。
  5. 【請求項5】 上記ゲイン制御のための制御情報は、少
    なくとも、アタック部とリリース部の検出の有無を示す
    情報と、アタック部を検出したときの当該アタック部以
    前の波形要素及びリリース部を検出したときの当該リリ
    ース部の波形要素に対するゲイン制御量を示す情報と、
    アタック部を検出したときの当該アタック部の位置とリ
    リース部を検出したときの当該リリース部の位置を示す
    情報とからなることを特徴とする請求項1記載の信号符
    号化方法。
  6. 【請求項6】 上記波形信号を複数の周波数成分へ変換
    する処理は、波形信号を複数の波形要素毎にブロック化
    し、当該ブロック毎の波形要素をスペクトル変換する処
    理であることを特徴とする請求項1記載の信号符号化方
    法。
  7. 【請求項7】 上記ゲイン制御量の選択の際には、複数
    通りのアタック部用ゲイン制御量の内から波形信号の特
    性に応じて適応的に上記アタック部以前の波形要素に対
    するアタック部用ゲイン制御量を選択し、複数通りのリ
    リース部用ゲイン制御量の内から波形信号の特性に応じ
    て適応的に上記リリース部の波形要素に対するリリース
    部用ゲイン制御量を選択し、上記選択したアタック部用
    ゲイン制御量とリリース部用ゲイン制御量とから上記ゲ
    イン制御量を求めることを特徴とする請求項1記載の信
    号符号化方法。
  8. 【請求項8】 上記ゲイン制御量を選択する際の上記波
    形信号の特性は、波形信号の変化の度合いであることを
    特徴とする請求項1記載の信号符号化方法。
  9. 【請求項9】 波形信号を符号化する信号符号化装置に
    おいて、 波形信号の波形要素のレベルが急激に大きくなるアタッ
    ク部を検出するアタック部検出手段と、 波形信号の波形要素のレベルが急激に小さくなるリリー
    ス部を検出するリリース部検出手段と、 少なくとも上記アタック部以前の波形要素とリリース部
    の波形要素に対して、複数通りのゲイン制御量の内から
    波形信号の特性に応じて適応的にゲイン制御量を選択す
    る選択手段と、 当該選択したゲイン制御量を用いて、少なくとも上記ア
    タック部以前の波形要素とリリース部の波形要素に対し
    てゲイン制御を行うゲイン制御手段と、 上記波形信号を複数の周波数成分に変換する変換手段
    と、 上記ゲイン制御のための制御情報と複数の周波数成分と
    を符号化する符号化手段とを有することを特徴とする信
    号符号化装置。
  10. 【請求項10】 符号化信号を復号化して波形信号を復
    元する信号復号化方法において、 上記符号化信号は、少なくとも、波形信号を変換した複
    数の周波数成分と、波形信号の波形要素のレベルが急激
    に大きくなるアタック部以前の波形要素と波形信号の波
    形要素のレベルが急激に小さくなるリリース部の波形要
    素に対するゲイン制御補正のための制御補正情報とを符
    号化したものであり、当該符号化信号を復号化して複数
    の周波数成分と制御補正情報を取り出し、 上記複数の周波数成分を複数の波形要素からなる波形信
    号に変換し、 複数通りのゲイン制御補正量の内から、上記制御補正情
    報に基づいて選択したゲイン制御補正量を用いて、少な
    くともアタック部以前の波形要素とリリース部の波形要
    素のゲイン制御補正を行い、 上記波形要素から波形信号を復元することを特徴とする
    信号復号化方法。
  11. 【請求項11】 上記ゲイン制御補正量が変化する変化
    点付近では、変化前のゲイン制御補正量と変化後のゲイ
    ン制御補正量との間で滑らかに変化するゲイン制御補正
    量を設定することを特徴とする請求項10記載の信号復
    号化方法。
  12. 【請求項12】 上記ゲイン制御補正のための制御補正
    情報は、少なくとも、アタック部とリリース部の有無を
    示す情報と、アタック部が存在するときの当該アタック
    部以前の波形要素及びリリース部が存在するときの当該
    リリース部の波形要素に対するゲイン制御補正量を示す
    情報と、アタック部が存在するときの当該アタック部の
    位置とリリース部が存在するときの当該リリース部の位
    置を示す情報とからなることを特徴とする請求項10
    載の信号復号化方法。
  13. 【請求項13】 上記複数の周波数成分を複数の波形要
    素からなる波形信号に変換する処理は、複数の周波数成
    分からなるブロック毎に、当該ブロック毎の周波数成分
    を逆スペクトル変換する処理であることを特徴とする請
    求項10記載の信号復号化方法。
  14. 【請求項14】 符号化信号を復号化して波形信号を復
    元する信号復号化装置において、 上記符号化信号は、少なくとも、波形信号を変換した複
    数の周波数成分と、波形信号の波形要素のレベルが急激
    に大きくなるアタック部以前の波形要素と波形信号の波
    形要素のレベルが急激に小さくなるリリース部の波形要
    素に対するゲイン制御補正のための制御補正情報とを符
    号化したものであり、当該符号化信号を復号化して複数
    の周波数成分と制御補正情報を取り出す復号化手段と、 上記複数の周波数成分を複数の波形要素からなる波形信
    号に変換する変換手段と、 複数通りのゲイン制御補正量の内から、上記制御補正情
    報に基づいて選択したゲイン制御補正量を用いて、少な
    くともアタック部以前の波形要素とリリース部の波形要
    素のゲイン制御補正を行うゲイン制御補正手段と、 上記波形要素から波形信号を復元する復元手段とを有す
    ることを特徴とする信号復号化装置。
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