JPH08222926A - アンテナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 アンテナエレメントを収納した場合でも、特
性の優れたアンテナ装置を実現する。 【構成】 携帯電話機本体２に対して伸縮可能に設けら
れたエレメント１とこのエレメントの先端部にヘリカル
アンテナ３を有するアンテナ装置であって、アンテナエ
レメントを携帯電話機本体に収納したとき、スイッチ手
段７により受信帯域に整合を取った整合回路をアンテナ
導体４に接続するよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は携帯電話等に用いるアン
テナ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、携帯電話機の市場が飛躍的に拡大
してきており、装置自体の小型化とともに、これらに用
いられるアンテナについても小型化され、なおかつ広帯
域で高利得なアンテナが要求されるようになってきてい
る。

【０００３】かかる携帯電話機のアンテナは、通常の通
話時にはアンテナを伸張し、また持ち運びする場合には
収納できるよう、装置本体に収納自在に構成される。

【０００４】しかし、このような従来の伸縮式アンテナ
は、アンテナ収納時の利得が伸長時に比較して約１０ｄ
Ｂも劣化してしまうため、たとえば特開平３−２４５６
０３号公報（Ｈ０１Ｑ１／２４）に記載されている様
に、収納時に携帯機より突出している先端部分にヘリカ
ルコイル等を樹脂の中に形成し、利得改善をおこなって
いる。

【０００５】上記のようにヘリカルコイル等を用いて、
利得低下を抑える工夫は数多く実施されているが、アン
テナエレメント伸長時に比較してヘリカルコイルの帯域
は、一般に狭帯域である。図６はエレメント伸長時と収
納時のＶＳＷＲ（定在波比）特性を示したものであり、
同図（Ａ）はエレメントを伸張した場合、また同図
（Ｂ）はエレメントを収納した場合、すなわちヘリカル
コイルによる特性を示すものである。図において、縦軸
は定在波比を、また横軸は周波数を表したものであり、
周波数は１４１５ＭＨｚないし１５１５ＭＨｚ、すなわ
ちわが国におけるデジタル自動車電話（ＰＤＣ）の利用
周波数範囲を示したものである。

【０００６】同図（Ｂ）から分かるように、エレメント
収納時のアンテナ特性は狭帯域となるため、ＰＤＣのよ
うに送信帯域と受信帯域が異なる周波数を用いる携帯電
話システムは、携帯機に伸縮自在のモノポールアンテナ
と逆Ｆ型内蔵アンテナを用いている場合が多いが、内蔵
アンテナの利得もヘリカルアンテナと同様にあまり高利
得でも広帯域でもないため、エレメント収納時における
総合的なアンテナ特性はいずれのアンテナも良好とはい
いがたい。特に、ヘリカルアンテナ特性を送信帯域側に
整合させればその時の受信帯域側の利得は内蔵アンテナ
の実力に左右されてしまう。携帯電話では待ち受け時に
おいても基地局との間で通信を行う必要があるため、送
信、受信の両方の特性が優れたアンテナ装置が必要であ
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
技術の問題点を改善するためになされたものであり、ア
ンテナエレメントを収納した場合でも、特性の優れたア
ンテナ装置を提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、無線
機本体に対して伸縮可能に設けられたエレメントと該エ
レメントの先端部にヘリカルアンテナを有するアンテナ
装置において、前記エレメント収納時において送信帯域
に整合が取られた第一の整合回路と、受信帯域に整合が
取られた第二の整合回路と、無線機本体に設けられたア
ンテナ導体と、該アンテナ導体と前記２つの整合回路の
いずれか一方とを選択的に接続するスイッチ手段とを有
し、前記エレメント収納時に前記エレメントと前記アン
テナ導体に前記一方の整合回路を接続するとともに前記
ヘリカルアンテナに他方の整合回路を接続させるよう構
成したことを特長とするものである。

【０００９】さらに本発明は、上記スイッチ手段はエレ
メントの伸縮動作に連動して切り換えられることを特徴
とするものである。

【００１０】

【作用】本発明によれば、アンテナエレメントを無線機
本体に収納した状態では、ヘリカルアンテナは送信帯域
に整合が取られた一方の整合回路に接続されるととも
に、アンテナエレメントおよび無線機本体に設けられた
アンテナ導体は、スイッチ手段を介して受信帯域に整合
が取られた他方の整合回路に接続される。したがって、
ヘリカルアンテナは送信用として、またアンテナ導体は
受信用アンテナとして働く。

【００１１】

【実施例】以下本発明によるアンテナ装置の実施例につ
いて、図面に従って説明する。図１は本発明によるアン
テナ装置を用いた携帯電話等の無線機を示す斜視図であ
り、図において、１は携帯電話機本体２に対して、一点
鎖線で示す伸張状態と実線で示す収納状態に伸縮可能に
設けられたアンテナエレメントであり、このアンテナエ
レメント１の先端にはヘリカルアンテナ３が電気的に非
接続状態で取り付けられている。４は携帯電話機本体２
の内部に設けられたアンテナ導体である。

【００１２】図２はアンテナエレメント１を伸張した状
態の携帯電話機本体２の断面図であり、同図において５
は広帯域に整合が取られた第１整合回路、６は受信帯域
に整合が取られた第二整合回路である。７はアンテナ導
体４と第２整合回路６とを、アンテナエレメント１の伸
縮状態に連動して、電気的に接続するためのスイッチ手
段である。図に示すようにアンテナエレメント１を引き
出した状態では、第１整合回路５はアンテナエレメント
１に接続され、第２整合回路６はスイッチ手段７により
アンテナ導体４とは電気的に非接続状態とされている。

【００１３】図３は、アンテナエレメント１を無線機本
体２の内部に収納した状態を示す断面図であり、図に示
すように、第一整合回路５はヘリカルアンテナ３に、そ
して第２整合回路６は、アンテナエレメント１によって
スイッチ手段７が閉じられることにより、アンテナエレ
メント１とともにアンテナ導体４とも電気的に接続され
る。

【００１４】このようにエレメント収納時にヘリカルア
ンテナ３とアンテナ導体４に給電することで待ち受け時
のアンテナ特性を改善することが可能となる。すなわ
ち、図４はアンテナエレメント１を収納した待ち受け状
態に於ける定在波比を示すグラフであり、実線はヘリカ
ルアンテナ３による特性であり、一点鎖線はアンテナ導
体４によるものである。このように本発明によるアンテ
ナ装置は、アンテナエレメントを収納した状態であって
も、送信、受信とも優れた特性である。

【００１５】尚、通常待ち受け時は、携帯機本体はセカ
ンドバック等に収納されている場合が多く、手によるエ
フェクトの影響はない。

【００１６】また、携帯機内部の導体が平面的であれ
ば、その指向性パターンは単一方向にしか放射しないた
め、図５に示すようにアンテナ導体８を曲面に沿って配
置すれば指向性パターンを改善することも可能となる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ア
ンテナエレメントを無線機本体に収納した状態では、ヘ
リカルアンテナは送信帯域に整合が取られた一方の整合
回路に接続されるとともに、アンテナエレメントおよび
無線機本体に設けられたアンテナ導体は、スイッチ手段
を介して受信帯域に整合が取られた他方の整合回路に接
続される。したがって、ヘリカルアンテナは送信用とし
て、またアンテナ導体は受信用アンテナとして働くの
で、アンテナを収納した状態でも特性の優れたアンテナ
装置が実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるアンテナ装置を用いた携帯電話を
示す斜視図である。

【図２】本発明によるアンテナ装置を示す図である（エ
レメント伸張時）。

【図３】本発明によるアンテナ装置を示す図である（エ
レメント収納時）。

【図４】本発明によるアンテナ装置のエレメント収納時
の定在波比を示す図である。

【図５】本発明によるアンテナ装置の他の実施例を示す
斜視図である。

【図６】従来技術によるアンテナ装置の定在波比を示す
図である。

【符号の説明】

１ アンテナエレメント ２ 携帯電話機本体 ３ ヘリカルアンテナ ４ アンテナ導体 ５ 第１整合回路 ６ 第２整合回路 ７ スイッチ手段 ８ アンテナ導体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無線機本体に対して伸縮可能に設けられ
   たエレメントと該エレメントの先端部にヘリカルアンテ
   ナを有するアンテナ装置において、前記エレメント収納
   時において送信帯域に整合が取られた第一の整合回路
   と、受信帯域に整合が取られた第二の整合回路と、無線
   機本体に設けられたアンテナ導体と、該アンテナ導体と
   前記２つの整合回路のいずれか一方とを選択的に接続す
   るスイッチ手段とを有し、前記エレメント収納時に前記
   エレメントと前記アンテナ導体に前記一方の整合回路を
   接続するとともに前記ヘリカルアンテナに他方の整合回
   路を接続させるよう構成したことを特長とするアンテナ
   装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のアンテナ装置において、
   スイッチ手段はエレメントの伸縮動作に連動して切り換
   えられることを特徴とするアンテナ装置。