JPH0822291A - 移動可能な能動消音装置 - Google Patents

移動可能な能動消音装置

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Publication number
JPH0822291A
JPH0822291A JP6154872A JP15487294A JPH0822291A JP H0822291 A JPH0822291 A JP H0822291A JP 6154872 A JP6154872 A JP 6154872A JP 15487294 A JP15487294 A JP 15487294A JP H0822291 A JPH0822291 A JP H0822291A
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JP
Japan
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noise
signal
control
control sound
sound
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Application number
JP6154872A
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English (en)
Inventor
Junichi Matsuzaki
純一 松崎
Kazuhiko Okashita
和彦 岡下
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定の騒音のみを能率良く消音する一方、会
話の相手の音声等については、違和感なしに、確実に聞
きとることができ、制御スピーカ等の経時変化にも追従
でき、しかも、持ち運びの容易な能動消音装置を提供す
る。 【構成】 開示される能動消音装置は、互いに別体の制
御装置1と消音部2とから構成され、これら制御装置1
と消音部2とはワイヤレスで信号の授受を行うようにな
っている。消音部2は、消音したい領域Z内に配置さ
れ、制御スピーカ14と、エラーマイク15と、制御装
置1との間で信号の授受を行う送受信回路17とから構
成されている。このように、消音部2は、制御装置1か
ら機械的に切り離されることで、騒音のみを弱め、会話
の相手の音声や警報メッセージ音等については、違和感
なく、確実に聞きとれるようになる。また、任意の消音
したい領域に手軽に持ち込んだり、別の消音したい領域
に手軽に移すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、騒音波に対し、能動
的に同振幅で逆位相の音波を衝突させて消音する移動可
能な能動消音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置としては、移動状態
でも使用できる防音ヘッドセットという消音装置が知ら
れている(特表昭63−503186号公報参照)。こ
の防音ヘッドセットは、頭に掛けるヘッドバンドと、こ
のヘッドバンドによって連結されて各耳を取り囲む左右
2つのマフと、外部騒音を検出するための左右2つのセ
ンサマイクと、各センサマイクに入射する騒音波と同振
幅で逆位相の音波を各耳の方に向けて放射する左右2つ
の制御スピーカとから概略構成されている。上記構成の
防音ヘッドセットによれば、吸音材等のパッシブ防音手
段では余り消音できない低周波騒音、例えば500Hz
以下の自動車騒音や工場騒音を鼓膜の位置にて能率良く
低減できるので、騒音の下でも、あたかも静寂な音環境
に身を置くかのような気分を実感できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の消音装置にあっては、センサマイクが耳元に置かれ
るので、会話の相手の音声や警報メッセージ音等も外部
騒音と同じようにセンサマイクによって検出され、検出
された音声等と同振幅で逆位相の音波が制御スピーカか
ら放射されるので、音声や警報メッセージ音に違和感を
覚え、ひいては、会話に支障をきたしたり、警報メッセ
ージ音を聞き逃したりする畏れがある。
【0004】加えて、上記従来の装置では、センサマイ
クは、コンデンサや抵抗等の受動素子からなるアナログ
フィルタ等を介して制御スピーカに結合されており、こ
のようなアナログ信号処理方式では、技術的困難性か
ら、実用的な適応制御はなされないため、センサマイク
や制御スピーカ等の特性の経年変化や空間伝達系の温湿
度等の時々刻々の変化には追従できないという欠点があ
る。
【0005】後者の問題に関しては、アナログフィルタ
に代えて、デジタルフィルタを採用するようにすれば、
LMS(Least Mean Square)アルゴリズムやRLS(R
ecursive Least Square)アルゴリズムを駆使すること
ができるので、上記経年変化や環境変化に対して追従性
の良い適応制御を行うことができる。
【0006】しかしながら、このようなデジタル信号処
理方式では、新たに、残留騒音を検出するためのエラー
マイクや、センサマイクから出力される騒音信号とエラ
ーマイクから出力される残留騒音信号とに基づいて、か
つ、デジタル処理により、鼓膜付近にて残留騒音の音圧
を常時最小とすべく適応制御を行う信号処理手段を搭載
しなければならず、装置の大規模化を招き、携帯するに
は不便となる。
【0007】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、到来ないしは発生する所定の騒音のみを能率良
く消音する一方、会話の相手の音声や警報メッセージ音
等については、違和感なしに、確実に聞きとることがで
き、制御スピーカ等の経時変化や環境の温湿度変化にも
追従でき、しかも、持ち運びの容易な能動消音装置を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、到来ないしは発生する所定
の騒音を検出して騒音信号を出力する騒音検出手段と、
入力される制御音信号に基づいて、消音したい領域にて
上記騒音を打ち消すべき制御音を放射する制御音放射手
段と、上記消音したい領域の残留騒音を検出して残留騒
音信号を出力する残留騒音検出手段と、上記騒音信号及
び上記残留騒音信号に基づいて、デジタル処理によっ
て、上記残留騒音を常時最小とすべく適応制御を行い、
上記制御音を放射させる制御音信号を生成して上記制御
音放射手段に供給する信号処理手段とを備えてなる能動
消音装置であって、前記残留騒音検出手段及び制御音放
射手段を有する一方、前記騒音検出手段及び信号処理手
段から切り離されることで移動可能な消音部が構成さ
れ、かつ、該消音部と上記信号処理手段の側とには、相
互に、ワイヤレスで上記残留騒音信号及び制御音信号の
授受を行うための送受信手段がそれぞれ備えられている
ことを特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1記載の構成において、騒音検出手段
は、例えば大型機械等の騒音源の前に置いて、発生する
騒音を検出して騒音信号を出力する。また、残留騒音検
出手段は、制御音放射手段と共に消音部を構成する。こ
の消音部は、騒音検出手段及び大規模な信号処理手段か
ら切り離されることで容易に移動可能な構成とされ、そ
れ故、電波等の届く限り、騒音源から離れた任意の領域
に置くことができ、適宜、別の任意の領域に移すことも
できる(なお、これらの領域に到来する騒音は激しさが
衰えないものとする)。
【0010】残留騒音検出手段は、上記任意の領域にお
いて、到来した騒音と制御音放射手段から放射される制
御音との干渉による干渉騒音を検出して残留騒音信号を
出力する。この残留騒音信号は、送受信手段を介して、
ワイヤレスで信号処理手段に供給される。これにより、
信号処理手段が、騒音信号及び残留騒音信号に基づい
て、デジタル処理による適応制御を行い、騒音に対して
逆位相の制御音を放射させる制御音信号を生成して、送
受信手段を介して、ワイヤレスで制御音放射手段に供給
する。制御音放射手段は、入力される制御音信号に基づ
いて、消音したい領域にて騒音を打ち消すべき制御音を
放射する。
【0011】したがって、上記構成によれば、消音した
い領域に侵入した騒音が、制御音放射手段から放射され
る制御音によって、干渉により打ち消されて消音され
る。また、騒音検出手段は、騒音源に近接して置かれる
が、会話の相手や警報メッセージ音の音源の近くには配
置されないので、騒音のみが能率良く消音され、これに
対して、会話の相手の音声や警報メッセージ音等につい
ては、消音の対象とされない。したがって、騒音は弱め
られても、会話の相手の音声や警報メッセージ音等につ
いては、違和感なく、しかも確実に聞きとれる。
【0012】また、デジタル処理による適応制御が行わ
れるので、制御音放射手段等の経時変化や環境の温湿度
変化にも追従できるので、常に高精度の消音効果を得る
ことができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である能動消音装置の電
気的構成を示すブロック図、また、図2は、同能動消音
装置を騒音の激しい工場で使用する一例を示す図であ
る。これらの図に示すように、この例の能動消音装置
は、互いに別体の制御装置1と消音部2とから概略構成
され、これらの制御装置1と消音部2とはワイヤレスで
信号の授受を行うようになされている。
【0014】上記制御装置1は、騒音源N側に設置さ
れ、騒音を検出するセンサマイク3と、増幅器(以下、
AMPという)4,11と、ローパスフィルタ(以下、
LPFという)5,9,12と、アナログ/デジタル変
換器(以下、A/Dコンバータという)6,13と、デ
ジタル信号処理を行う信号処理部7と、デジタル/アナ
ログ変換器(以下、D/Aコンバータという)8と、消
音部2との間で信号の送受信を行う送受信回路10とか
ら構成されている。
【0015】また、上記消音部2は、消音したい領域Z
内に配置され、制御スピーカ14と、エラーマイク15
と、AMP16と、制御装置1との間で信号の送受信を
行う送受信回路17とから概略構成されている。このよ
うに、消音部2は、制御装置1から機械的に切り離され
ることにより、電波の届く範囲で任意の領域に手軽に持
ち込んだり、別の場所に手軽に移すことができるものと
なっている。
【0016】制御装置1において、センサマイク3は、
機械等の騒音源Nから出る騒音のレベルを検出して騒音
信号に変換する。この騒音信号は、AMP4に入力され
る。AMP4は、騒音信号を増幅する。LPF5は、カ
ットオフ周波数が略500Hzに設定され、AMP4の
出力信号の低周波成分を通過させる。A/Dコンバータ
6は、サンプリング周波数1.25kHzでLPF5か
ら出力された騒音信号の低周波成分をデジタルの騒音デ
ータに変換した後、信号処理部7に入力する。
【0017】次に、消音部2において、制御スピーカ1
4は、エラーマイク15に向けて、騒音を打ち消すべき
制御音を放射する。エラーマイク15は、制御スピーカ
14によって減衰させられて残留する残留騒音のレベル
を検出して残留騒音信号に変換する。残留騒音信号は、
送受信回路17,10を経由して、制御装置1のAMP
11に入力される。
【0018】再び、制御装置1において、AMP11
は、残留騒音信号を増幅する。LPF12は、カットオ
フ周波数が500Hzであり、AMP11の出力信号の
低周波成分を通過させる。A/Dコンバータ13は、サ
ンプリング周波数1.25kHzでLPF12から出力
された残留騒音信号の低周波成分をデジタルの残留騒音
データに変換した後、信号処理部7に入力する。
【0019】信号処理部7は、いずれも図示略の適応フ
ィルタ(以下、ADFという)と、コントロールド・フ
ィルタ(以下、CNFという)と、補正用フィルタ等と
から構成され、まず、初期動作として、制御スピーカ1
4からエラーマイク15までの間の伝達関数G1の同定
を行い、次に、適応制御動作として、センサマイク3か
らエラーマイク15までの間の伝達関数G2の逆特性F
(正確には、予め、伝達関数G1の効果を除去された逆
特性F)の逐次同定等を行い、騒音を打ち消すべきデジ
タルの制御音データを生成して出力する。この効果は、
制御スピーカ14から制御音が放射されることにより加
えられる(元に戻る)。
【0020】A/Dコンバータ13から出力された騒音
データは、信号処理部7のADFに入力される。ADF
は、補正用フィルタによって補正された騒音データや残
留騒音データを用い、LMS(最小2乗平均)等の適応
制御アルゴリズムを駆使して、常にエラーマイク15の
位置での残留騒音が最小となるように、上記伝達関数
(フィルタ係数)の適応化処理を行う。そして、CNF
には、センサマイク3からエラーマイク15までの間の
伝達関数G2の逆特性Fに対応するフィルタ係数jが設
定される。このフィルタ係数jは、ADFによって、サ
ンプリング周期毎に更新される。
【0021】D/Aコンバータ8は、サンプリング周波
数1.25kHzでCNFの出力データ(制御音デー
タ)等をアナログ信号に変換する。また、LPF9は、
カットオフ周波数が500Hzであって、アンチエリア
シングフィルタによって構成されており、D/Aコンバ
ータ8の出力信号の低周波成分を通過させる。LPF9
の出力信号は、送受信回路10,17を経由して、消音
部2のAMP16に入力される。
【0022】再び、消音部2において、AMP16は、
LPF9の出力信号を増幅した後、制御スピーカ15に
入力する。
【0023】なお、この例の送受信回路10,17は、
いずれも送信部と受信部とから構成され、送信部は、図
示せぬCPUによって制御され、1200MHz帯の送
信キャリアに制御音データや残留騒音データによる変調
を加える。そして、変調された送信キャリアを、32K
bpsの無線間データ伝送速度条件の下で、アンテナA
を介して、送信先に送信する。受信部は、送信元のアン
テナAから放射された電波(送信キャリア)を、アンテ
ナAを介して受信し、検波して、アナログの制御音デー
タや残留騒音データに復調する。
【0024】次に、この例の動作について説明する。例
えば、工場内の作業デスク18に面して、2人の人間が
協同作業を行っているとする。しかしながら、機械騒音
が非常にうるさく、このため、作業していても落ちつか
ないどころか、相手の声が聞き取れず、仕事が一向に進
捗しない状態に陥ったとする。このような事態におい
て、この例の装置を適用するには、制御装置1は機械等
の騒音源N側に設置し、特に、センサマイク3は、騒音
源18に近接して配置する(図1及び図2)。消音部2
は、作業デスク18の上に載置する(作業デスク18の
回りが消音したい領域Zである)。
【0025】そして、電源が投入されると、まず、初期
設定が行われる。すなわち、信号処理部7において、A
DFは、制御スピーカ14とエラーマイク15との間の
伝達関数G1の同定を行い、求められた伝達関数G1に対
応するフィルタ係数を信号処理部7の補正フィルタに与
える。この後、消音動作モードに移行する。消音動作モ
ードにおいて、騒音源Nから出る機械騒音は、センサマ
イク3によってそのレベルが検出され、騒音信号に変換
される。この騒音信号は、AMP4、LPF5、A/D
コンバータ6を経て、デジタルの低周波の騒音データに
変換されて信号処理部7に供給される。
【0026】騒音データが信号処理部7に供給される
と、この騒音データに対して、上記CNFにおいて、フ
ィルタ係数jで畳み込み演算が行われて制御音データが
生成される。この制御音データは、D/Aコンバータ8
においてアナログ信号に変換され、LPF9を経た後、
ワイヤレスで(送受信回路10,17を経由して)、消
音部2のAMP16に入力され、続いて制御スピーカ1
4に供給される。ただし、フィルタ係数jの初期値は0
であるので、消音動作の開始直後は、制御スピーカ14
からどのような音も放射されない。
【0027】また、補正用フィルタにおいて、騒音デー
タに対して、フィルタ係数hで畳み込み演算が行われ、
その演算結果がADFに供給される。一方、エラーマイ
ク15において、残留騒音のレベルが検出され、残留騒
音信号に変換された後、ワイヤレスで(送受信回路1
7,10を経由して)、制御装置1のAMP11に入力
され、LPF12を経て、A/Dコンバータ11におい
てデジタルの残留騒音データに変換される(ただし、消
音動作の開始直後は、制御スピーカ14からどのような
音も放射されないので、到来した機械騒音の全てが残留
する)。
【0028】これにより、上記ADFにおいて、残留騒
音データと補正用フィルタの出力データとに基づいて、
残留騒音データを最小にすべく、LMSアルゴリズムが
駆使されて、センサマイク3とエラーマイク15との間
の伝達関数G2の逆特性Fの同定と、これに続く適応化
処理が実行される。この適応化処理は、一定のサンプリ
ング周期毎に行われ、新たに同定される伝達関数G2の
逆特性Fに対応するフィルタ係数jが、新たなフィルタ
係数として上記CNFに供給される。
【0029】上記CNFにおいて、新たに入力された騒
音データに対して、新たに供給され適応化されたフィル
タ係数jで畳み込み演算が行われ、新たな制御音データ
が生成される。新たに生成された制御音データは、D/
Aコンバータ8においてアナログ信号に変換され、LP
F9を経た後、ワイヤレスで(送受信回路10,17を
経由して)、消音部2のAMP16に入力され、続いて
制御スピーカ14に供給される。これにより、制御音ス
ピーカ14から新たな制御音データに対応する新たな制
御音(消音音波)が放射され、この制御音の音圧が、到
来した機械騒音と同一音圧でかつ逆位相となって、機械
騒音を弱める。
【0030】次に、作業デスク18を所定の距離だけ移
動させる必要が生じたとする。この場合には、消音部2
を作業デスク18の上に載置したままで移動させるが、
制御装置1は移動させる必要はない。作業デスク18に
伴って、消音部2が移動する最中にも、信号制御部7の
ADFにおいて、残留騒音データと補正用フィルタの出
力データとに基づいて、残留騒音データを最小にすべ
く、LMSアルゴリズムが駆使されて、センサマイク3
とエラーマイク15との間の伝達関数G2の逆特性Fの
同定と、これに続く適応化処理が実行される。そして、
新たに同定される伝達関数G2の逆特性Fに対応するフ
ィルタ係数jが、新たなフィルタ係数として上記CNF
に供給される。それ故、消音部2の移動の最中及び移動
後でも、常に、制御音スピーカ14から、到来した機械
騒音と同一音圧でかつ逆位相の制御音(消音音波)が放
射され、機械騒音を弱める。
【0031】この例の構成によれば、所定の機械騒音の
みを能率良く消音でき、一方、センサマイクは、作業デ
スク18の上には配置されないので、相手の声や警報メ
ッセージ音等については、消音の対象とされない。した
がって、機械騒音は弱められても、相手の声や警報メッ
セージ音等については、違和感なく、しかも確実に聞き
とることができる。
【0032】また、デジタル処理による適応制御が行わ
れるので、制御スピーカ14やセンサマイク3等の経年
変化や環境の温湿度変化にも追従できるので、常時、高
精度の消音効果を得ることができる。
【0033】◇第2実施例 次に、第2実施例について説明する。図3は、この発明
の第2実施例である能動消音装置の電気的構成を示すブ
ロック図、また、図4は、同能動消音装置を騒音の激し
い工場で使用する一例を示す図である。この例の能動消
音装置が、上述の第1実施例のそれと異なるところは、
机上載置型の消音部2(図2)に代えて、頭19につけ
て携帯する消音ヘッドセット20を用いるようにした点
である。
【0034】この例の消音ヘッドセット20は、人の頭
19に掛けるヘッドバンド21と、このヘッドバンド2
1によって連結されて各耳22に向け制御音を放射する
左右2つの制御スピーカ23,23と、各耳22付近の
残留騒音を検出して残留騒音信号を出力する左右2つの
エラーマイク24,24と、制御装置1との間で、ワイ
ヤレスで残留騒音信号及び制御音信号の授受を行うため
の送受信回路25と、この送受信回路と制御スピーカ2
3,23との間に介挿された図示せぬAMPとから概略
構成されている。ここで、各2つの制御スピーカ23,
23及びエラーマイク24,24は、互いに並列接続さ
れている。なお、第1実施例(図1及び図2)と同一構
成各部については、同一の符号を付してその説明を省略
する。
【0035】このように、この第2実施例の構成によれ
ば、第1実施例において上述したと同様の効果に加え
て、人の動きに応じて、消音される領域も移動するの
で、あたかも、消音領域が拡大されたかのようであり、
使い勝手が非常に良く、静寂な音環境に身を置くかのよ
うな気分を実感できる。
【0036】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述の第
2実施例においては、消音ヘッドセットに左右2つのエ
ラーマイクを設けた場合について述べたが、いずれか一
方を省略できる。また、上述の実施例では、カットオフ
周波数を略500Hzに設定したが、これに限定されな
い。同様に、サンプリング周波数も1.25kHzに限
定されない。
【0037】また、上述の実施例においては、制御装置
と消音部とをワイヤレスで結ぶ手段として、無線装置
(送受信回路)を用いたが、机上載置型(第1実施例)
の消音部にあっては、例えば、半導体レーザと受光セン
サとからなる光双方向通信装置を用いても良い。また、
上述の実施例の変形例として、制御スピーカへ、直接、
電気(音声)信号の形態でメッセージを送って再生させ
ると共に、このような有効な情報音は消音されないよう
に回路を組むことも可能である。また、この発明に係る
能動消音装置は、工場内のみならず、低周波騒音の激し
い、例えば飛行機内や自動車内等で用いても好適であ
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の能動消
音装置によれば、消音部は、信号処理手段等から機械的
に切り離され、電気的にはワイヤレスで結ばれる構成な
ので、電波等の届く範囲で任意の消音したい領域に手軽
に持ち込んだり、別の消音したい領域に手軽に移すこと
ができる。
【0039】また、騒音検出手段は、騒音源に近接して
置かれるが、会話の相手や警報メッセージ音の音源の近
くには配置されないので、騒音のみが能率良く消音さ
れ、これに対して、会話の相手の音声や警報メッセージ
音等については、消音の対象とされない。したがって、
騒音は弱められても、会話の相手の音声や警報メッセー
ジ音等については、違和感なく、しかも確実に聞きとれ
る。また、デジタル処理による適応制御が行われるの
で、制御音放射手段等の経時変化や環境の温湿度変化に
も追従できるので、常に高精度の消音効果を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である移動可能な能動消
音装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】同能動消音装置を騒音の激しい工場で使用する
一例を示す図である。
【図3】この発明の第2実施例である携帯型の能動消音
装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】同能動消音装置を騒音の激しい工場で使用する
一例を示す図である。
【符号の説明】
1 制御装置 2 消音部 3 センサマイク(騒音検出手段) 7 信号処理部(信号処理手段の要部) 10,17,25 送受信回路(送受信手段) 14,23 制御スピーカ(制御音放射手段) 15,24 エラーマイク(残留騒音検出手段) N 機械等の騒音源 Z 消音したい領域 19 頭 20 消音ヘッドセット(消音部) 21 ヘッドバンド 22 耳 4,11 AMP(信号処理手段の一部) 5,9,12 LPF(信号処理手段の一部) 6,13 A/Dコンバータ(信号処理手段の一
部) 8 D/Aコンバータ(信号処理手段の一部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 到来ないしは発生する所定の騒音を検出
    して騒音信号を出力する騒音検出手段と、入力される制
    御音信号に基づいて、消音したい領域にて前記騒音を打
    ち消すべき制御音を放射する制御音放射手段と、前記消
    音したい領域の残留騒音を検出して残留騒音信号を出力
    する残留騒音検出手段と、 前記騒音信号及び前記残留騒音信号に基づいて、デジタ
    ル処理によって、前記残留騒音を常時最小とすべく適応
    制御を行い、前記制御音を放射させる制御音信号を生成
    して前記制御音放射手段に供給する信号処理手段とを備
    えてなる能動消音装置において、 前記残留騒音検出手段及び制御音放射手段を有する一
    方、前記騒音検出手段及び信号処理手段から切り離され
    ることで移動可能な消音部が構成され、 かつ、該消音部と前記信号処理手段の側とには、相互
    に、ワイヤレスで前記残留騒音信号及び制御音信号の授
    受を行うための送受信手段がそれぞれ備えられているこ
    とを特徴とする移動可能な能動消音装置。
JP6154872A 1994-07-06 1994-07-06 移動可能な能動消音装置 Pending JPH0822291A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006139208A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Toshiba Kyaria Kk 能動消音制御装置
JP2011043636A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Osaka Gas Co Ltd 能動型消音システム
WO2018105668A1 (ja) * 2016-12-06 2018-06-14 ヤマハ株式会社 音響装置及び音響処理方法

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