JPH0715566A - 消音装置並びにこれを備える無騒音電話機及び無騒音電話ボックス - Google Patents

消音装置並びにこれを備える無騒音電話機及び無騒音電話ボックス

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JPH0715566A
JPH0715566A JP15381293A JP15381293A JPH0715566A JP H0715566 A JPH0715566 A JP H0715566A JP 15381293 A JP15381293 A JP 15381293A JP 15381293 A JP15381293 A JP 15381293A JP H0715566 A JPH0715566 A JP H0715566A
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JP
Japan
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noise
telephone
signal
additional sound
noiseless
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Application number
JP15381293A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Okashita
和彦 岡下
Masakatsu Arihara
正勝 有原
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電話機の周りを壁等で囲うだけでは充分には
吸収できない騒音を能動的に消音できるようにする。 【構成】 オフフック検出部29は、電話機24の送受
話器27が外されると、オフフックを検出してオフフッ
ク検出信号を信号処理部の制御回路に送出する。これよ
り、消音動作が開始される。センサマイク5a,5b
は、上記送受話器27に到来する騒音を検出して騒音信
号EN1,EN2に変換する。送話マイク28は、受話
部30と共に、送受話器27を構成して、話者の音声を
入力すると共に、消音スピーカ6a,6bから放射され
る付加音によって打ち消され、減衰して残留する残留騒
音のレベルを検出して残留騒音信号SNに変換する。信
号処理部は、上記騒音信号EN1,EN2及び残留騒音
信号SNに基づいて、送受話器27に到来した上記騒音
と逆位相となる付加音を放射させるための上記付加音信
号を生成して上記消音スピーカ6a,6bに供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電話機の設置場所に
到来する騒音を能動的に消音する消音装置並びにこれを
備える無騒音電話機及び無騒音電話ボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】騒音の中に置かれた電話機で会話をする
と、受話器から流れてくる相手の音声が騒音に掻き消さ
れて、相手の話しの内容が聞き取れないという事態がし
ばしば生じる。そればかりか、騒音も送話器を介して相
手の耳元にまで伝送されるので、相手にとってもこちら
の音声を聞き分けるのが困難となる。そこで、街頭等の
公衆電話は、専用のボックスやブースの中に配備され、
少しでも騒音を遮るための配慮がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高速道
路や電車の高架線路の脇、飛行場のそば等では、家庭の
電話機であろうと公衆電話であろうと、住宅の外壁やボ
ックス等で電話機を囲む従来の受動的な遮音措置だけで
は充分な消音の効果が得られないという不都合があっ
た。
【0004】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、電話機の周りを壁等で囲うだけでは充分には吸
収できない騒音を能動的に消音することができる消音装
置並びにこれを備える無騒音電話機及び無騒音電話ボッ
クスを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、電話機に適用される消音装
置であって、電話機の設置場所に到来する騒音を検出し
て騒音信号を出力する騒音検出手段と、入力される付加
音信号に基づいて上記電話機に向けて付加音を放射する
付加音放射手段と、上記電話機の設置場所に到来した上
記騒音が上記付加音放射手段から放射される上記付加音
によって打ち消されて残留する残留騒音を検出して残留
騒音信号を出力する残留騒音検出手段と、上記騒音信号
及び残留騒音信号に基づいて、上記電話機の設置場所に
到来した上記騒音と逆位相となる付加音を放射させるた
めの上記付加音信号を生成して上記付加音放射手段に供
給する消音制御手段とを備えてなることを特徴としてい
る。
【0006】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の消音装置を備える無騒音電話機であって、上記消音
制御手段が電話機本体に内蔵されていることを特徴とし
ている。
【0007】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の消音装置を備える無騒音電話機であって、上記残留
騒音検出手段が送話器、受話器又は送受話器に一体的に
設けられていることを特徴としている。
【0008】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載の無騒音電話機であって、上記送話器又は上記送受話
器の構成要素である、話者の音声を入力するための音声
入力手段が、上記残留騒音検出手段を兼ねていることを
特徴としている。
【0009】また、請求項5記載の発明は、請求項2,
3又は4記載の無騒音電話機であって、上記無騒音電話
機がオフフック状態であるか否かを検出し、この検出結
果を上記消音制御手段に知らせるオフフック検出手段が
付加されてなると共に、上記消音制御手段は、該無騒音
電話機がオフフック状態であると認識する間、消音動作
状態を維持する一方、該無騒音電話機がオンフック状態
であると認識する間、消音動作を停止するようになって
いることを特徴とする。
【0010】さらにまた、請求項6記載の発明は、電話
機が配備された無騒音電話ボックスであって、請求項1
記載の消音装置が備えられていることを特徴としてい
る。
【0011】
【作用】この発明の構成において、騒音検出手段は、住
宅の外壁や専用のボックス等を通して電話機の設置場所
に侵入しようとする外来騒音を検出して騒音信号を出力
する。また、残留騒音検出手段は、電話機の設置場所に
侵入した外来騒音と上記付加音放射手段から放射される
付加音との干渉による干渉騒音を検出して残留騒音信号
を出力する。これにより、消音制御手段が騒音信号及び
残留騒音信号に基づいて、上記騒音の波形成分と逆位相
となる付加音を放射させる付加音信号を生成して付加音
放射手段に供給する。したがって、上記構成によれば、
電話機の設置場所に侵入した騒音が、付加音放射手段か
ら放射される付加音によって、干渉されて消音される。
【0012】なお、請求項3記載の構成のように、残留
騒音検出手段を送話器、受話器又は送受話器に一体的に
設けるようにすれば、常に、耳元に到来する騒音を消音
できるので、明確な通話を楽しむことができる。また、
請求項4記載の構成にように、送話器等の音声入力手段
と残留騒音検出手段とを互いに兼用するようにすれば、
音声入力手段の位置と残留騒音検出手段の位置とが完全
に一致するので、騒音の伝送を確実に遮断することがで
きる。それ故、特に、相手にとってこちらの話しの内容
が明確となる。また、独立の残留騒音検出手段を設ける
必要がないので、製作費が安価となる。
【0013】さらにまた、請求項5記載の構成にすれ
ば、オフフック状態のときのみ消音動作が行われるの
で、消費電力を削減できると共に、騒音の能動制御や適
応制御の動作を自動化できる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である消音装置の電気的
構成を示すブロック図、図2及び図3は同消音装置に適
用される信号処理部の詳細を示す回路図であると共に、
図2は初期設定動作の説明に供される図、図3は消音動
作の説明に供される図、また、図4は同消音装置を適用
してなる無騒音電話ボックスユニットの構成を示す概念
図である。まず、図4において、符号1は同無騒音電話
ボックスユニット(以下、単に電話ボックスユニットと
いう)を示し、この電話ボックスユニット1は電話利用
者が自由に出入りできる縦長のボックス2と、ボックス
2の内部に設置された電話機3と、消音装置4とから概
略構成されている。
【0015】上記消音装置4は、ボックス2内部に侵入
する外部騒音を能動的に消音する装置であり、図1に示
すように、センサマイク5a,5bと、消音スピーカ6
a,6bと、エラーマイク7と、増幅器(以下、AMP
という)8と、ローパスフィルタ(以下、LPFとい
う)9と、アナログ/デジタル変換器(以下、A/Dコ
ンバータという)10と、信号処理部11と、デジタル
/アナログ変換器(以下、D/Aコンバータという)1
2と、LPF13と、AMP14とから構成されてい
る。ここで、センサマイク5a,5bと、消音スピーカ
6a,6bとは同一構成のものがそれぞれ2個用いられ
ている。
【0016】上記センサマイク5a,5bは、ボックス
2の外側壁面の上部に取り付けられ、ボックス2内に侵
入する外来騒音のレベルを検出して外来騒音信号EN
1,EN2に変換する。消音スピーカ6a,6bは、ボ
ックス2の天井部に設けられ、外来騒音を打ち消すべき
付加音ANを、仮想された話者の耳元に宛てがわれた電
話機3の送受話器3aに向けて放射する。この例におい
ては、仮想された話者の耳元からそれぞれの消音スピー
カ6a,6bまでの距離は互いに概略等しく設定されて
いる。
【0017】上記エラーマイク7は、送受話器3aに取
り付けられ、消音スピーカ6a,6bから放射される付
加音AN,ANとの干渉によって打ち消され、減衰して
残留する残留騒音のレベルを検出して残留騒音信号SN
に変換する。上記増幅器8は、センサマイク5a,5b
からそれぞれ出力される外来騒音信号EN1,EN2を
集約しかつ増幅して騒音集約信号SIとして出力する。
LPF9は、AMP8の出力信号(騒音集約信号SI)
及び及びエラーマイク7の出力信号(残留騒音信号S
N)の低周波成分を通過させる。A/Dコンバータ10
は、LPF9を通過した騒音集約信号SI及び残留騒音
信号SNの低周波成分をそれぞれデジタルの集約データ
SID及び残留騒音データSNDに変換して信号処理部
11に供給する。D/Aコンバータ12は、信号処理部
11から出力されるデジタルの付加音データAND等
(後述)をアナログ信号に変換して、アンチエリアシン
グフィルタによって構成されたLPF13に供給する。
LPF13は、D/Aコンバータ12の出力信号の低周
波成分を通過させた後、消音スピーカ6a,6bにそれ
ぞれ供給する。
【0018】上記信号処理部11は、電話機本体3bに
内蔵されていて、図2に示すように、装置各部を制御す
る制御回路15、適応フィルタ(以下、ADFという)
16、白色雑音発生部17、減算器18、補正用フィル
タ19、及びコントロールフィルタ(以下、CNFとい
う)20から構成され、初期設定動作として、消音スピ
ーカ6a,6bとエラーマイク7との間の伝達関数Gの
同定、及び消音動作として、センサマイク5a,5bと
エラーマイク7との間の伝達関数の逆特性Fの常時同定
等を行い、外来騒音を打ち消すべきデジタルの付加音デ
ータANDを生成して出力する。
【0019】上記ADF16は、誤差データEDや残留
騒音データSND等に基づいて、最小2乗平均(Least M
ean Squre; LMS)アルゴリズムを駆使して上述の伝達
関数(フィルタ係数)の同定や逆特性の常時同定(適応
化処理)を行う。上記白色雑音発生部17は、初期設定
動作時、打ち消すべき外来騒音の帯域に制限された白色
雑音データWNDを生成する。減算器18は、初期設定
動作に用いられ、誤差データを出力してADF16に供
給する。補正用フィルタ19には、消音スピーカ6a,
6bとエラーマイク7との間の伝達関数Gに対応するフ
ィルタ係数hが設定される。CNF20には、センサマ
イク5a,5bとエラーマイク7との間の伝達関数の逆
特性Fに対応するフィルタ係数jが設定される。このフ
ィルタ係数jは、ADF16によって、サンプリング周
期毎に適応化処理されて更新される。
【0020】次に、この例の動作について説明する。ま
ず、初期設定動作として、補正用フィルタ19に設定す
べきフィルタ係数hを求める動作について説明する。信
号処理部11の制御回路15は、図2に示すように、切
換スイッチSW1を図中上にオンとし、切換スイッチS
W2をオフとし、さらに切換スイッチSW3をオンとす
る。そして、白色雑音発生部17に、白色雑音データW
NDを出力させる。これにより、白色雑音発生部17か
ら出力された白色雑音データWNDは、D/Aコンバー
タ12においてアナログ信号に変換された後、LPF1
3を経てAMP14に供給されて増幅され、消音スピー
カ6a,6bに同時供給される。これによって、消音ス
ピーカ6a,6bから白色雑音データWNDに対応する
白色雑音(音波)がそれぞれ放射され、これらの合波が
送受話器3aに取り付けられたエラーマイク7によって
検出されるので、エラーマイク7において、検出された
白色雑音のレベルが騒音信号に変換されて出力される。
なお、送受話器3aは話者の耳元の位置に置かれてい
る。
【0021】次に、エラーマイク7から出力された白色
雑音データWNDに対応する騒音信号は、LPF9を経
てA/Dコンバータ10においてデジタルの騒音データ
に変換され、減算器18の非反転入力端子に供給され
る。なお、初期設定時においては、エラーマイク7から
の出力値は、残留雑音ではないので、単に騒音データと
いう。以下において、同様である。
【0022】一方、白色雑音発生部17から出力された
白色雑音データWNDは、ADF16にも入力され、A
DF16で求められた(消音スピーカ6a,6bとエラ
ーマイク7との間の)伝達関数Gに対応するフィルタ係
数hで畳み込み演算が行われた後、得られた演算結果が
ADF16から出力されて、減算器18の反転入力端子
に供給される。減算器18においては、A/Dコンバー
タ10から出力された騒音データからADF16で処理
された畳み込み演算の結果が減算され、得られた減算結
果が誤差データEDとして出力されて、ADF16に供
給される。しかし、フィルタ係数hの初期値は0である
ので、最初は、ADF16からは何も出力されない。そ
れ故、A/Dコンバータ10から出力された騒音データ
がそのまま誤差データEDとして、減算器18から出力
されてADF16に供給される。これより、ADF16
において、入力される白色雑音データWNDと誤差デー
タEDとに基づいて、誤差データEDを最小にすべく、
LMSアルゴリズム処理が5秒程度実行され、消音スピ
ーカ6a,6bとエラーマイク7との間の伝達関数Gが
求められる。そして、得られた伝達関数Gに対応するフ
ィルタ係数hが、実際の消音動作時の補正用のフィルタ
係数として補正用フィルタ19に供給される。
【0023】以上説明した初期設定が完了すると、消音
動作が実行される。制御回路15は、図3に示すよう
に、信号処理部11内の全ての切換スイッチを切り換え
る。すなわち、切換スイッチSW1を図中下にオンと
し、切換スイッチSW2をオンとし、さらに切換スイッ
チSW3をオフとする。そして、白色雑音発生部17
に、白色雑音データWNDの生成を中止させる。このモ
ードにおいて、ボックス2内に侵入しようとする外来騒
音は、センサマイク5a,5bによってそのレベルが検
出され、それぞれ外来騒音信号EN1,EN2に変換さ
れた後、AMP8において集約されかつ増幅され、騒音
集約信号SIとして出力される。AMP8から出力され
る騒音集約信号SIは、LPF9を経てA/Dコンバー
タ10においてデジタルの外来騒音データSIDに変換
されて信号処理部11に供給される。
【0024】外来騒音データSIDが信号処理部11に
供給されると、この外来騒音データSIDに対して、C
NF20において、フィルタ係数jで畳み込み演算が行
われて付加音データが生成された後、D/Aコンバータ
12においてアナログ信号に変換され、LPF13を経
てAMP14に供給されて増幅され、消音スピーカ6
a,6bにそれぞれ同時供給される。ただし、フィルタ
係数jの初期値は0であるので、消音動作開始直後は、
消音スピーカ6a,6bからどのような音も放射されな
い。また、補正用フィルタ19において、外来騒音デー
タSIDに対して、フィルタ係数hで畳み込み演算が行
われ、その演算結果がADF16に供給される。
【0025】一方、エラーマイク7において、残留外来
騒音のレベルが検出され、残留外来騒音信号SNに変換
された後、LPF9を経てD/Aコンバータ10におい
てデジタルの残留外来騒音データSNDに変換される
(ただし、消音動作開始直後は、消音スピーカ6a,6
bからどのような音も放射されないので、外来騒音の全
てが残留する)。これにより、ADF16において、残
留外来騒音データSNDと補正用フィルタ19の出力デ
ータとに基づいて、残留外来騒音データSNDを最小に
すべく、LMSアルゴリズムが駆使されて、センサマイ
ク5a,5bとエラーマイク7との間の伝達関数の逆特
性Fの同定又は適応化処理が実行される。この同定又は
適応化処理は、一定のサンプリング周期毎に行われ、新
しく得られる伝達関数の逆特性Fに対応するフィルタ係
数jが、新たなフィルタ係数としてCNF20に供給さ
れて適応化される。
【0026】CNF20において、新たに入力された外
来騒音データSNDに対して、新たに供給され適応化さ
れたフィルタ係数jで畳み込み演算が行われて新たな付
加音データANDが生成された後、D/Aコンバータ1
2においてアナログ信号に変換され、LPF13を経て
AMP14に供給されて増幅され、消音スピーカ6a,
6bに供給される。これにより、それぞれの消音スピー
カ6a,6bから新たな付加音データに対応する新たな
付加音(消音音波)AN,ANが放射され、これ2つの
付加音AN,ANの合波がエラーマイク7の検出ポイン
トにおいて外来騒音と同振幅かつ逆位相となって、互い
に干渉して、この結果、外来騒音が弱められ、消音が達
成される。
【0027】上記構成によれば、住宅の外壁やボックス
等の遮音物を通過してきた外来騒音を話者の耳元におい
て確実に消音できる。したがって、騒音の中でも互いの
話しの内容を確実に聞き取ることができる。加えて、セ
ンサマイク5a,5b及び消音スピーカ6a,6b、エ
ラーマイク7等の温度変化・湿度変化等に伴い、伝達関
数に変動が生じても、ADF16の動作によって、CN
F20のフィルタ係数jが迅速に更新され適応化される
ので、安定した消音を達成することができる。
【0028】◇第2実施例 次に、この発明の第2実施例について説明する。図5
は、この発明の第2実施例である消音装置の電気的構成
を示すブロック図、図6及び図7は、同消音装置に適用
される信号処理部の詳細を示す回路図であると共に、図
6は初期設定動作の説明に供される図、図7は消音動作
の説明に供される図である。これらの図において、図1
乃至図4に示す各部と同一構成部分には同一の符号を付
し、また、必要に応じて同一符号を付した後にa,b等
の文字を添えて、その説明を省略ないしは簡略化する。
この例の消音装置21が第1実施例(図1)の消音装置
4と大きく異なるところは、第1実施例の信号処理部1
1(図2)がADF16、減算器18、補正用フィルタ
19、及びCNF20を各1個備えて構成されているの
に対して、この例の信号処理部21には、ADF16
a,16b、減算器18a,18b、補正用フィルタ1
9a,19b、及びCNF20a,20bを各2個備え
るようにした点である(図6)。このようにすることに
より、第1実施例においては、消音スピーカ6aとエラ
ーマイク7との間の伝達関数G1と、消音スピーカ6b
とエラーマイク7との間の伝達関数G2との平均的な意
味合いの伝達関数Gが求められるのに対して、第2実施
例においては、消音スピーカ6aとエラーマイク7との
間の伝達関数G1と、消音スピーカ6bとエラーマイク
7との間の伝達関数G2とをそれぞれ別個に求めること
ができるようにされている。
【0029】すなわち、図6において、ADF16a
は、消音スピーカ6aとエラーマイク7との間の伝達関
数G1の同定を行う共に、伝達関数G1で補正されたセン
サマイク5a,5bとエラーマイク7との間の伝達関数
の逆特性F1を求める。一方、ADF16bは、消音ス
ピーカ6bとエラーマイク7との間の伝達関数G2の同
定を行うと共に、伝達関数G2で補正されたセンサマイ
ク5a,5bとエラーマイク7との間の伝達関数の逆特
性F2を求める。補正用フィルタ19aには、消音スピ
ーカ6aとエラーマイク7との間の伝達関数G1に対応
するフィルタ係数h1が設定される。一方、補正用フィ
ルタ19bには、消音スピーカ6bとエラーマイク7と
の間の伝達関数G2に対応するフィルタ係数h2が設定さ
れる。CNF20aには、伝達関数G1で補正されたセ
ンサマイク5a,5bとエラーマイク7との間の伝達関
数の逆特性Fに対応するフィルタ係数j1が設定され
る。CNF20bには、伝達関数G2で補正されたセン
サマイク5a,5bとエラーマイク7との間の伝達関数
の逆特性Fに対応するフィルタ係数j2が設定される。
これらのフィルタ係数j1,j2は、ADF16a,16
bによって、サンプリング周期毎に適応化処理されて更
新される。
【0030】次に、この例の動作について説明する。最
初に、初期設定動作として、補正用フィルタ19aに設
定されるフィルタ係数h1、及び補正用フィルタ19b
に設定されるフィルタ係数h2を順次求める動作につい
て説明する。まず、信号処理部22の制御回路23は、
図6に実線で示すように、切換スイッチSW1aを図中
上にオンとし、切換スイッチSW2a,SW2bをオフ
とし、切換スイッチSW3aをオンとし、さらに切換ス
イッチSW3bをオフとする(ここで、切換スイッチS
W1bはこの設定に関与しないので無視する)。そし
て、白色雑音発生部17に、白色雑音データWNDを生
成させ、出力端子W1,W3から出力させる。これによ
り、出力端子W1から出力された白色雑音データWND
は、D/Aコンバータ12においてアナログ信号に変換
された後、LPF13を経てAMP14に供給されて増
幅され、消音スピーカ6aに供給される。この結果、消
音スピーカ6aから白色雑音データWNDに対応する白
色雑音(音波)が放射される。放射された白色雑音は、
送受話器3aに取り付けられたエラーマイク7によって
検出されるので、エラーマイク7において、検出された
白色雑音のレベルが騒音信号に変換されて出力される。
なお、送受話器3aは話者の耳元の位置に置かれている
(図4参照)。
【0031】次に、エラーマイク7から出力された白色
雑音データWNDに対応する騒音信号は、LPF9を経
てA/Dコンバータ10においてデジタルの騒音データ
に変換され、減算器18aの非反転入力端子に供給され
る。
【0032】一方、白色雑音発生部17の出力端子W3
から出力された白色雑音データWNDは、ADF16a
に入力され、ADF16aで求められた(消音スピーカ
6aとエラーマイク7との間の)伝達関数G1に対応す
るフィルタ係数h1で畳み込み演算が行われた後、得ら
れた演算結果がADF16aから出力されて、減算器1
8aの反転入力端子に供給される。減算器18aにおい
ては、A/Dコンバータ10から出力された騒音データ
からADF16aで処理された畳み込み演算の結果が減
算され、得られた減算結果が誤差データED1として出
力されて、ADF16aに供給される。しかし、フィル
タ係数h1の初期値は0であるので、最初は、ADF1
6aからは何も出力されない。それ故、A/Dコンバー
タ10から出力された騒音データがそのまま誤差データ
ED1として、減算器18aから出力されてADF16
aに供給される。これより、ADF16aにおいて、入
力される白色雑音データWNDと誤差データED1とに
基づいて、誤差データED1を最小にすべく、LMSア
ルゴリズム処理が5秒程度実行され、消音スピーカ6a
とエラーマイク7との間の伝達関数G1が求められる。
そして、得られた伝達関数G1に対応するフィルタ係数
1が、実際の消音動作時の補正用のフィルタ係数とし
て補正用フィルタ19aに供給される。
【0033】次に、信号処理部22の制御回路23は、
切換スイッチSW1bを図6において実線で示すように
図中上にオンとし、切換スイッチSW2a,SW2bを
オフとしたままとし、切換スイッチSW3aを同図にお
いて破線で示すようにオフとし、さらに切換スイッチS
W3bを贈図において破線で示すようにオンとする(こ
こで、切換スイッチSW1aはこの設定に関与しないの
で無視する)。そして、白色雑音発生部17に、白色雑
音データWNDを今度は出力端子W2,W4から出力さ
せるようにする。これにより、出力端子W2から出力さ
れた白色雑音データWNDは、D/Aコンバータ12に
おいてアナログ信号に変換された後、LPF13を経て
AMP14に供給されて増幅され、消音スピーカ6bに
供給される。この結果、消音スピーカ6bから白色雑音
データWNDに対応する白色雑音(音波)が放射され
る。放射された白色雑音は、エラーマイク7によって検
出されるので、エラーマイク7において、検出された白
色雑音のレベルが騒音信号に変換されて出力される。
【0034】次に、エラーマイク7から出力された白色
雑音データWNDに対応する騒音信号は、LPF9を経
てA/Dコンバータ10においてデジタルの騒音データ
に変換され、減算器18bの非反転入力端子に供給され
る。
【0035】一方、白色雑音発生部17の出力端子W4
から出力された白色雑音データWNDは、ADF16b
に入力され、ADF16bで求められた(消音スピーカ
6bとエラーマイク7との間の)伝達関数G2に対応す
るフィルタ係数h2で畳み込み演算が行われた後、得ら
れた演算結果がADF16bから出力されて、減算器1
8bの反転入力端子に供給される。減算器18bにおい
ては、A/Dコンバータ10から出力された騒音データ
からADF16bで処理された畳み込み演算の結果が減
算され、得られた減算結果が誤差データED2として出
力されて、ADF16bに供給される。しかし、フィル
タ係数h2の初期値は0であるので、最初は、ADF1
6bからは何も出力されない。それ故、A/Dコンバー
タ10から出力された騒音データがそのまま誤差データ
ED2として、減算器18bから出力されてADF16
bに供給される。これより、ADF16bにおいて、入
力される白色雑音データWNDと誤差データED2とに
基づいて、誤差データED2を最小にすべく、LMSア
ルゴリズム処理が5秒程度実行され、消音スピーカ6b
とエラーマイク7との間の伝達関数G2が求められる。
そして、得られた伝達関数G2に対応するフィルタ係数
2が、実際の消音動作時の補正用のフィルタ係数とし
て補正用フィルタ19bに供給される。
【0036】以上説明した初期設定が完了すると、消音
動作が実行される。信号処理部22において、制御回路
23は、図7に示すように、切換スイッチSW1a,S
W1bを図中下にオンとし、切換スイッチSW2a,S
W2bをオンとし、さらに切換スイッチSW3a,SW
3bをオフとする。そして、白色雑音発生部17に、白
色雑音データWNDの生成を中止させる。このモードに
おいて、図4に示すボックス2内に侵入しようとする外
来騒音は、センサマイク5a,5bによってそのレベル
が検出され、それぞれ外来騒音信号EN1,EN2に変
換された後、AMP8において集約されかつ増幅され、
騒音集約信号SIとして出力される。AMP8から出力
される騒音集約信号SIは、LPF9を経てA/Dコン
バータ10においてデジタルの外来騒音データSIDに
変換されて信号処理部22に供給される。
【0037】外来騒音データSIDが信号処理部22に
供給されると、この外来騒音データSIDに対して、C
NF20a,20bにおいて、対応するフィルタ係数j
1,j2で畳み込み演算が行われて付加音データAND
1,AND2がそれぞれ生成される。CNF20aにお
いて生成された付加音データAND1は、D/Aコンバ
ータ12においてアナログ信号に変換され、LPF13
を経てAMP14に供給されて増幅され、消音スピーカ
6aに供給される。一方、CNF20bにおいて生成さ
れた付加音データAND2は、D/Aコンバータ12に
おいてアナログ信号に変換され、LPF13を経てAM
P14に供給されて増幅され、消音スピーカ6bに供給
される。ただし、フィルタ係数j1,j2の初期値は0で
あるので、消音動作開始直後は、消音スピーカ6a,6
bからどのような音も放射されない。また、外来騒音デ
ータSIDに対して、補正用フィルタ19a,19bに
おいて、対応するフィルタ係数h1,h2で畳み込み演算
が行われ、補正用フィルタ19aでの演算結果がADF
16aに供給され、一方、補正用フィルタ19bでの演
算結果がADF16bに供給される。
【0038】一方、エラーマイク7において、残留外来
騒音のレベルが検出され、残留外来騒音信号SNに変換
された後、LPF9を経てD/Aコンバータ10におい
てデジタルの残留外来騒音データSNDに変換され、信
号処理部22に供給される(ただし、消音動作開始直後
は、消音スピーカ6a,6bからどのような音も放射さ
れないので、外来騒音の全てが残留する)。これによ
り、ADF16aにおいて、残留外来騒音データSND
と補正用フィルタ19aの出力データとに基づいて、残
留外来騒音データSNDを最小にすべく、LMSアルゴ
リズムが駆使されて、伝達関数G1で補正されたセンサ
マイク5a,5bとエラーマイク7との間の伝達関数の
逆特性Fの同定又は適応化処理が実行される。一方、A
DF16bにおいて、残留外来騒音データSNDと補正
用フィルタ19bの出力データとに基づいて、残留外来
騒音データSNDを最小にすべく、LMSアルゴリズム
が駆使されて、伝達関数G2で補正されたセンサマイク
5a,5bとエラーマイク7との間の伝達関数の逆特性
Fの同定又は適応化処理が実行される。この同定又は適
応化処理は、一定のサンプリング周期毎に行われ、新し
く得られる伝達関数の逆特性Fに対応するフィルタ係数
1,j2が、新たなフィルタ係数として対応するCNF
20a,20bに供給されて適応化される。
【0039】CNF20aにおいて、新たに入力された
外来騒音データSNDに対して、新たに供給され適応化
されたフィルタ係数j1で畳み込み演算が行われて新た
な付加音データAND1が生成された後、D/Aコンバ
ータ12においてアナログ信号に変換され、LPF13
を経てAMP14に供給されて増幅され、消音スピーカ
6aに供給される。一方、CNF20bにおいて、新た
に入力された外来騒音データSNDに対して、新たに供
給され適応化されたフィルタ係数j2で畳み込み演算が
行われて新たな付加音データAND2が生成された後、
D/Aコンバータ12においてアナログ信号に変換さ
れ、LPF13を経てAMP14に供給されて増幅さ
れ、消音スピーカ6bに供給される。これにより、それ
ぞれの消音スピーカ6a,6bから新たな付加音データ
に対応する新たな付加音(消音音波)AN1,AN2が
放射され、これ2つの付加音AN1,AN2の合波がエ
ラーマイク7の検出ポイントにおいて外来騒音と同振幅
かつ逆位相となって、互いに干渉して、この結果、外来
騒音が弱められ、消音が達成される。
【0040】上記構成によれば、それぞれの消音スピー
カ6a,6b毎に、センサマイク5a,5bとエラーマ
イク7との間の伝達関数の逆特性Fが補正されるので、
一段と確実な消音を達成できる。
【0041】◇第3実施例 次に、第3実施例について説明する。図8は、第3実施
例である無騒音電話機(以下、単に電話機という)24
の電気的構成を示すブロック図、図9は同電話機24に
適用された消音装置25の電気的構成を示すブロック
図、また、図10は同電話機24が適用されてなる電話
ボックスユニット26を示す概念図である。この第3実
施例に適用される消音装置25においては、第1実施例
(図1)のエラーマイク7を廃して、電話機24の送受
話器27を構成する送話用マイク28がエラーマイクを
兼ねるようにされており、さらに、オフフック(通話
中)のときのみ動作状態となるように、オフフック検出
部29が設けられている。上記特徴点を除けば、図1の
消音装置と略同一構成とされている。
【0042】すなわち、図8及び図9において、上記送
話用マイク28は、受話部30と共に、送受話器27を
構成して、話者の音声を入力すると共に、消音スピーカ
6a,6bから放射される付加音AN,ANによって打
ち消され、減衰して残留する残留騒音のレベルを検出し
て残留騒音信号SNに変換する。アイソレート・トラン
ス31は、送話用マイク28と増幅回路32とをアイソ
レートする。増幅回路32は、残留騒音信号SNを増幅
して消音装置主要回路部33に供給する。ここで、消音
装置主要回路部33は、第1実施例において説明した同
様のLPF9、A/Dコンバータ10、信号処理部3
4、D/Aコンバータ12、LPF13とから構成され
ている。また、上記オフフック検出部29は、オフフッ
ク(通話開始)を検出すると、オフフック検出信号HO
Kを信号処理部34の図示せぬ制御回路に供給する。
【0043】次に、この例の動作について説明する。上
記構成において、図10に示す送受話器掛け35から送
受話器27が外されると、オフフック検出部29はオフ
フックされたことを感知してオフフック検出信号HOK
を生成して出力する。信号処理部34の図示せぬ制御回
路は、オフフック検出信号HOKの供給を受けると、装
置各部へ電源を供給する。これにより、装置各部におい
て、動作が可能となる。まず、初期設定動作として、制
御回路は、第1実施例において説明したと同様の手順に
より、図示せぬ白色雑音発生部に、白色雑音データを出
力させる。白色雑音発生部から出力された白色雑音デー
タは、D/Aコンバータ12においてアナログ信号に変
換された後、LPF13、AMP14を経由して、消音
スピーカ6a,6bに同時供給される。これによって、
消音スピーカ6a,6bから白色雑音がそれぞれ放射さ
れ、これらの合波が送受話器27の送話用マイク28に
よって検出されるので、送話用マイク28において、検
出された白色雑音のレベルが騒音信号に変換されて出力
される。
【0044】次に、送話用マイク28から出力された白
色雑音データWNDに対応する騒音信号は、アイソレー
ト・トランス31を経て増幅回路32において増幅さ
れ、さらに、LPF9を経て、A/Dコンバータ10に
おいてデジタルの騒音データに変換され、減算器18の
非反転入力端子に供給される。この後、図示せぬADF
において、第1実施例に示したと同様のLMSアルゴリ
ズム処理等が行われて、消音スピーカ6a,6bと送話
用マイク28との間の伝達関数Gが求められる。そし
て、得られた伝達関数Gに対応するフィルタ係数hが、
実際の消音動作時の補正用のフィルタ係数として図示せ
ぬ補正用フィルタに供給される。
【0045】初期設定が完了すると、消音動作が実行さ
れる。この動作モードにおいて、ボックス2内に侵入し
ようとする外来騒音は、センサマイク5a,5bによっ
てそのレベルが検出され、それぞれ外来騒音信号EN
1,EN2に変換された後、AMP8において集約され
かつ増幅され、騒音集約信号SIとして出力される。A
MP8から出力される騒音集約信号SIは、LPF9を
経てA/Dコンバータ10においてデジタルの外来騒音
データSIDに変換されて信号処理部34に供給され
る。
【0046】外来騒音データSIDが信号処理部34に
供給されると、この外来騒音データSIDに対して、図
示せぬCNFにおいて、フィルタ係数jで畳み込み演算
が行われて付加音データが生成された後、D/Aコンバ
ータ12においてアナログ信号に変換され、LPF13
を経てAMP14に供給されて増幅され、消音スピーカ
6a,6bにそれぞれ同時供給される。また、補正用フ
ィルタにおいて、外来騒音データSIDに対して、フィ
ルタ係数hで畳み込み演算が行われ、その演算結果がA
DFに供給される。
【0047】一方、送話用マイク28において、残留外
来騒音のレベルが検出され、残留外来騒音信号SNに変
換されて出力される。残留外来騒音信号SNは送話用マ
イク28から出力された後、アイソレート・トランス3
1を経て増幅回路32において増幅され、さらに、LP
F9を経てD/Aコンバータ10においてデジタルの残
留外来騒音データSNDに変換される。これにより、A
DFにおいて、残留外来騒音データSNDと補正用フィ
ルタの出力データとに基づいて、残留外来騒音データS
NDを最小にすべく、LMSアルゴリズムが駆使され
て、センサマイク5a,5bと送話用マイク28との間
の伝達関数の逆特性Fの同定又は適応化処理が実行され
る。この同定又は適応化処理は、一定のサンプリング周
期毎に行われ、新しく得られる伝達関数の逆特性Fに対
応するフィルタ係数jが、新たなフィルタ係数としてC
NFに供給されて適応化される。
【0048】CNFにおいて、新たに入力された外来騒
音データSNDに対して、新たに供給され適応化された
フィルタ係数jで畳み込み演算が行われて新たな付加音
データANDが生成された後、D/Aコンバータ12に
おいてアナログ信号に変換され、LPF13を経てAM
P14に供給されて増幅され、消音スピーカ6a,6b
に供給される。これにより、それぞれの消音スピーカ6
a,6bから新たな付加音データに対応する新たな付加
音(消音音波)AN,ANが放射され、これ2つの付加
音AN,ANの合波が送話用マイク28の位置において
外来騒音と同振幅かつ逆位相となって、互いに干渉し
て、この結果、外来騒音が弱められ、消音が達成され
る。
【0049】電話機24による会話が終了して、送受話
器掛け35に送受話器27が掛けられると、オフフック
検出部29はオンフックされたことを感知してオフフッ
ク検出信号HOKの生成を中断する。信号処理部34の
制御回路は、オフフック検出信号HOKの供給が止まる
と、装置各部への電源の供給を中断する。これにより、
装置各部において、動作が不可能となる。
【0050】上記構成によれば、エラーマイクと送話部
とが互いに兼用され、エラーマイクの検出ポイントと送
話部の検出ポイントが完全に一致するので、騒音の伝送
を確実に遮断することができる。それ故、特に、相手に
とってこちらの話しの内容が明確となる。また、独立の
エラーマイクが不要となるので、製作費が安価となる。
加えて、オフフック状態のときのみ消音動作が行われる
ので、電力の無駄を省くことができる。
【0051】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述の信
号処理部はハードウエアに限らず、ソフトウエアで構成
するようにしても良い。また、ソフトウエアとハードウ
エアとの混成で構成しても良い。また、上述の実施例に
おいては、エラーマイクを送受話器に一体的に取り付け
る場合について示したが、これに限らず、ボックスの壁
体又は電話機本体に取り付けるようにしても良い。ま
た、信号処理部等の消音装置の主要回路部は、必ずし
も、電話機本体に内蔵されていなくとも良い。また、電
話機によっては、オンフックボタンをオンとすることに
より、オンフック状態でも通話可能な機種も存在する
が、この種の電話機においては、オンフックボタンが押
された場合にも、消音動作が開始されるようにしても良
い。また、上述の実施例においては、電話ボックスの例
について説明したが、家庭内やオフィス内の電話機にも
この発明を適用できる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、電話機の周りを壁等で囲うだけでは充分には吸
収できない騒音でも、付加音放射手段から放射される付
加音によって干渉させられ打ち消されるので確実に消音
することができる。
【0053】特に、請求項3記載の構成のように、残留
騒音検出手段を送話器、受話器又は送受話器に一体的に
設けるようにすれば、常に、耳元に到来する騒音を消音
できるので、明確な通話を楽しむことができる。また、
請求項4記載の構成にように、送話器等の音声入力手段
と残留騒音検出手段とを互いに兼用するようにすれば、
音声入力手段の位置と残留騒音検出手段の位置とが完全
に一致するので、騒音の伝送を確実に遮断することがで
きる。それ故、特に、相手にとってこちらの話しの内容
が明確となる。また、独立の残留騒音検出手段を設ける
必要がないので、製作費が安価となる。
【0054】さらにまた、請求項5記載の構成にすれ
ば、オフフック状態のときのみ消音動作が行われるの
で、消費電力を削減できると共に、騒音の能動制御や適
応制御の動作を自動化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である消音装置の構成を
示す電気ブロック図である。
【図2】同消音装置に適用される信号処理部の詳細を示
す回路図であると共に、初期設定動作の説明に供される
図である。
【図3】同消音装置に適用される信号処理部の詳細を示
す回路図であると共に、消音動作の説明に供される図で
ある。
【図4】同消音装置を適用してなる無騒音電話ボックス
ユニットの構成を示す概念図である。
【図5】この発明の第2実施例である消音装置の構成を
示す電気ブロック図である。
【図6】同消音装置に適用される信号処理部の詳細を示
す回路図であると共に、初期設定動作の説明に供される
図である。
【図7】同消音装置に適用される信号処理部の詳細を示
す回路図であると共に、消音動作の説明に供される図で
ある。
【図8】第3実施例である電話機の電気的構成を示すブ
ロック図である。
【図9】同電話機に適用された消音装置の電気的構成を
示すブロック図である。
【図10】同電話機が適用されてなる電話ボックスユニ
ットを示す概念図である。
【符号の説明】
1 電話ボックスユニット(無騒音電話ボックス) 3,24 電話機(無騒音電話機) 3a 送受話器(送話器、受話器又は送受話器) 3b 電話機本体 4,21,25 消音装置 5a,5b センサマイク(騒音検出手段) 6a,6b 消音スピーカ(付加音放射手段) 7 エラーマイク(残留騒音検出手段) 11,22,34 信号処理部(消音制御手段) 28 送話マイク(音声入力手段、残留騒音検出手
段) 29 オフフック検出部(オフフック検出手段) EN1,EN2 外来騒音信号(騒音信号) SN 残留騒音信号 AND,AND1,AND2 付加音信号 AN,AN1,AN2 付加音

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電話機の設置場所に到来する騒音を検出
    して騒音信号を出力する騒音検出手段と、 入力される付加音信号に基づいて前記電話機に向けて付
    加音を放射する付加音放射手段と、 前記電話機の設置場所に到来した前記騒音が前記付加音
    放射手段から放射される前記付加音によって打ち消され
    て残留する残留騒音を検出して残留騒音信号を出力する
    残留騒音検出手段と、 前記騒音信号及び残留騒音信号に基づいて、前記電話機
    の設置場所に到来した前記騒音と逆位相となる付加音を
    放射させるための前記付加音信号を生成して前記付加音
    放射手段に供給する消音制御手段とを備えてなることを
    特徴とする消音装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の消音装置を備える電話機
    であって、前記消音制御手段は電話機本体に内蔵されて
    いることを特徴とする無騒音電話機。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の消音装置を備える電話機
    であって、前記残留騒音検出手段は送話器、受話器又は
    送受話器に一体的に設けられていることを特徴とする無
    騒音電話機。
  4. 【請求項4】 前記送話器又は前記送受話器の構成要素
    である、話者の音声を入力するための音声入力手段が、
    前記残留騒音検出手段を兼ねていることを特徴とする請
    求項3記載の無騒音電話機。
  5. 【請求項5】 前記無騒音電話機がオフフック状態であ
    るか否かを検出し、この検出結果を前記消音制御手段に
    知らせるオフフック検出手段が付加されてなると共に、 前記消音制御手段は、該無騒音電話機がオフフック状態
    であると認識する間、消音動作状態を維持する一方、該
    無騒音電話機がオンフック状態であると認識する間、消
    音動作を停止するようになっていることを特徴とする請
    求項2,3又は4記載の無騒音電話機。
  6. 【請求項6】 電話機が配備され、かつ、請求項1記載
    の消音装置が備えられていることを特徴とする無騒音電
    話ボックス。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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