JPH0822230B2 - アルファ―インターフェロンgx―1 - Google Patents

アルファ―インターフェロンgx―1

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JPH0822230B2
JPH0822230B2 JP58047349A JP4734983A JPH0822230B2 JP H0822230 B2 JPH0822230 B2 JP H0822230B2 JP 58047349 A JP58047349 A JP 58047349A JP 4734983 A JP4734983 A JP 4734983A JP H0822230 B2 JPH0822230 B2 JP H0822230B2
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dna
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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/52Cytokines; Lymphokines; Interferons
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    • C07K14/56IFN-alpha

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はインターフエロンの生物学的合成の特性のあ
るクローンのヒト遺伝子に関する。更に詳しくは本発明
はα−インターフエロンGx−1の生物学的合成の特性の
あるクローンのヒト遺伝子、このような遺伝子を含むプ
ラスミド、このようなプラスミドにより形質転換させた
微生物、およびα−インターフエロンGx−1と命名され
るポリペプチドに関する。
“インターフエロン”なる用語は抗ウイルス活性およ
び他の潜在的に有用な活性をもつ動物蛋白類をいう。イ
ンターフエロンはウイルス感染に応答して生体内でわづ
かな量が作られる。研究および臨床試験のための比較的
少量のヒト・インターフエロンが、ウイルスまたは他の
誘発剤によってインターフエロンを作るように誘発され
たヒト細胞の組織培養物から回収された。これらの技術
は全く高価であり、製造しうるインターフエロンの量も
限られていた。それ故、有効にインターフエロンを製造
しうる遺伝学的に工学化された微生物を開発することに
かなりな関心が払われた。ある種のヒト・インターフエ
ロン遺伝子の複製およびインターフエロンの細菌での発
現が報告された。Nagata.S.らのNature284、316−320
(1980);Goeddel,D.らのNature287、411−416(198
0);Streuli,M.,Nagata,S.,およびWeissmann,G.のScien
ce,209、1343−1347(1980);Derynck,R.らのNucleic A
cid Research,、4057−4074(1980);およびTanigui
chi,T.らのProc.Natl.Acad.Sci.USA、77、5230−5233
(1980)参照。
インターフエロンは現在次の3つのカテゴリー、すな
わち白血球またはα−インターフエロン、腺維芽細胞ま
たはβ−インターフエロン、および免疫またはγ−イン
ターフエロン、に分類されている。現在の科学的証拠は
恐らく10〜15種の異なったα−インターフエロンおよび
わづか1種のβ−インターフエロンが存在することを示
唆している。Goeddel,D.V.らのNature290、20−26(198
1)およびBrack,C.らのGene15、379−394(1981)参
照。α−インターフエロン遺伝子のいくつかは複製さ
れ、それらのヌクレオチド配列が発表された。Goedell
らのNature290(前記)参照。先行の研究者によりα−
インターフエロンと命名された十分な長さのα−インタ
ーフエロンの分離または複製はこれまでに報告されてお
らず、そのヌクレオチド配列の一部分のみが開示された
にすぎなかった。完全なヒト・α−インターフエロンG
蛋白の細菌的製造は報告されなかった。
本発明によれば、ここにα−インターフエロンGx−1
と命名する新規なヒト・α−インターフエロン遺伝子が
複製され且つ特徴づけられ、そしてこの遺伝子の細菌で
の発現が記述される。十分な長さのα−インターフエロ
ンGx−1遺伝子およびこの遺伝子によって特定されるポ
リペプチドのアミノ酸配列もここに報告される。ここに
報告するヌクレオチド配列の一部分はα−インターフエ
ロンGについて従来報告された部分のヌクレオチド配列
に対応し、それ故に、従来えられて配列決定された遺伝
子部分はここにα−インターフエロンGx−1と命名する
遺伝子の断片であった可能性がある。
α−インターフエロンGx−1遺伝子の取得、その生体
内での増殖、およびその細菌を培養することによる発現
は、他に特に示すものを除いて、分子生物学の通常の技
術を利用して達成された。たとえば、Ullrich,A.らのSc
ience196、1313(1977)およびSeeburg,P.H.らのNature
270、486(1977)参照。
α−インターフエロンGx−1生産微生物を導く方法は
次の6つの主要段階に分けることができ、それらの各段
階は詳しく後述する。(1)α−インターフエロンGx−
1のメツセンジヤーRNA(mRNA)を製造するためのヒト
白血球の生体内誘発;(2)α−インターフエロンGx−
1mRNAの回収および分離;(3)鋳型としてα−インタ
ーフエロンGx−1mRNAを使用する相補DNA(cDNA)の生体
内合成;(4)好適な複製用ベクター中へのcDNAの挿入
およびこの複製用ベクターによる細菌細胞の形質転換;
(5)α−インターフエロンGx−1遺伝子を含む細菌ク
ローンの選択;ならびに(6)好適な発現ベクター中へ
の複製遺伝子の挿入およびこの発現ベクターによる好適
な宿主微生物の形質転換。
α−インターフエロン類はウイルス処理白血球によっ
て製造され、そしてα−インターフエロン類を特定する
遺伝子は人体すべての細胞の染色体中に存在するけれど
も、α−インターフエロン類に付随する遺伝子がこのよ
うなウイルス処理白血球から最も容易にえられる。
ユーカリオテイツク遺伝子は細胞核の染色体のDNA中
に含まれる。この染色体のDNAはクロマチンと呼ぶ密な
核蛋白複合体中に存在する。ユーカリオテイツク染色体
のDNAから特定の遺伝子を分離することは煩雑であって
多くの場合不可能な場合のある試みである。他方、関心
のある遺伝子に対応するリボヌクレオチド配列をもつメ
ツセンジヤーRNA(mRNA)はこの遺伝子によって特定さ
れる蛋白を製造するユーカリオテイツク細胞から好都合
に回収することができる。それ故、このmRNAはその最も
入手し易い形体で所望の遺伝学的情報を通常提供する。
α−インターフエロンmRNAはウイルスまたは他の誘発
剤で処理した白血球から有用な量で回収することができ
る。一般に、Contell,K.らのIn Vitro,Waymouth Ed.,pp
35−38、The Tissue Culture Association,Rockville,M
D(1974)に記載の方法を使用して白血球を誘発させて
α−インターフエロンmRNAを製造する。この方法は赤血
球細胞を含まない白血球(たとえばヒトの血液を分別す
ることによってえられる)を適当な媒地に懸濁させ、適
当な誘発剤好ましくはウイルス、たとえばニユーカツス
ル病ウイルスに感染させ、十分なインターフエロン活性
がえられるまで培養することを包含する。インターフエ
ロン活性はウイルス抑制試験たとえばRubinstein,Famil
etti,Pestka,J.Virol,37、755−758(1981)に記載の試
験によって測定することができる。誘発白血球はmRNAの
回収前に洗浄して凍結させるのが有利である。
誘発細胞によって作られたα−インターフエロンGx−
1mRNAはα−インターフエロンGx−1遺伝子の2つのス
トランドのうちの1つに対して相補性であり、以下に述
べるように相補DNA(cDNA)の合成用の鋳型として使用
することができる。cDNA合成用mRNAを有効に利用するた
めに、mRNAを比較的純粋な形体の誘発細胞から回収する
のが有利である。この回収は該mRNAを細胞の膜、蛋白、
脂質、炭水化物、塩類および細胞中に存在するこのよう
なものからのみならず、所望のα−インターフエロン以
外の蛋白質合成に付随するmRNA分子からも分離すること
を含む。Chirgwin,J,M.らのBiochemstry,18、5294−529
9(1979)ならびにMC Candliss,R.,Sloma,R.,およびRes
tka,S.のMethods of Enzymology,Vol.70(1981)に記載
の方法もα−インターフエロンGx−1mRNAの回収のため
に有効に使用することができる。RNAは固有の性質とし
てDNAより安定性が低く、ヒトの白血球中に比較的高濃
度で存在するリボヌクレアーゼによる分解を特に受け易
い。それ故、このmRNA回収法では存在するリボヌクレア
ーゼを迅速に不活性化する手段を使用する。
一般に、全RNAの回収はリボヌクレアーゼ不活性化用
物質の存在下で細胞を破壊することによって開始され
る。細胞の破壊は分解剤、凍結/解凍または機械的破
壊、好ましくはその組合せにかけることによって達成さ
れる。グアニジンチオシアネートと還元試剤たとえばメ
ルカプトエタノールとの混合物は分解剤およびリボヌク
レアーゼ不活性剤として有効な機能を果すことが見出さ
れた。
細胞の破壊の後に、固体の細胞断片をたとえば遠心分
離によって除き、えられた清澄液からRNAを沈殿させ
る。沈殿は周知の技術たとえば水混和性アルコール(た
とえばエタノール)をこの溶液に沈殿量加えることによ
って行なう。この溶液はこれらの方法を行なう期間中低
温たとえば約0.℃以下に保ってRNAの沈殿を促進させる
のが有利である。
α−インターフエロンGx−1mRNAは周知の技術の任意
のものまたはそれらの組合せによって沈殿RNAから分離
することができる。たとえばAdams,R.L.PらのDavidson'
s The Biochmistry of the Nucleic Acids,8th Ed.,pp.
52−58、Academic Press,Inc.,N.Y.(1976)参照。塩化
セシウムグラジエントを使用する密度勾配遠心分離とそ
の後のフエノール抽出とを予備分離技術として使用する
ことができる。GlisinらのBiochemistry,13、2633(197
4)参照。
親和クロマトグラフを使用してα−インターフエロン
mRNAを更に精製することができる。それ故、該mRNAはオ
リゴ(dT)−セルロースのカラム上のクロマトグラフに
よって非アデニル化RNAから容易に分離することができ
る。Green,M.らのArch.Biochem.Biophbs.,172、74(197
6)参照。
最終の精製工程として、mRNAはサクロースグラジエン
トによる遠心分離によって分別することができる。約12
S種として移動するα−インターフエロンmRNAはこの方
法によって分離することができる。
最終の精製mRNA(および所望ならば中間分画)の無細
胞系での翻訳はα−インターフエロンmRNAがえられたこ
とを確認するために使用することができる。多数の無細
胞翻訳系が考案された。たとえば小麦胚芽エキス〔Mart
ial,J.らのPro,Nat,Acad.Sci.USA、74、1816(197
7)〕、mRNA依存レテイキユロサイト分解物〔Pelham,H.
R.B.らのEur.J.Biochem.,67、247(1976)〕、およびキ
シノパスラエビスの卵母細胞〔Sloma,A.,Mc Candliss,
R.およびPeska,S.のMethods in Enzymology,Vol.70(19
81)〕である。
回収し分離したα−インターフエロンGmRNAの翻訳は
好ましくはX.ラエビス卵母細胞系中で行なう。
この系の翻訳は健康なカエルからえた卵母細胞を適当
な培養媒地中に懸濁させることによって達成される。た
とえばCavalieriらのProc.Natl.Acad,Sci.USA、74、328
7(1977)参照。mRNAの無菌水溶液をミクロ操作装置を
使用して約10個の卵母細胞に注射する。注射を行なった
卵母細胞を培養してからインターフエロン活性を分析す
る。卵母細胞はこれらをその培養媒地中でホモジユネー
ト処理してから遠心分離して不活性の膜、蛋白などを除
くことによって分析する。上澄液の分別量を次いで、ベ
ンキユラ口内炎ウイルスによって生ずる細胞破壊効果か
らヒトの線維芽細胞を保護する能力によって、インター
フエロンを分析する。前記のRubinstenらの刊行物参
照。上記の方法によってえられたmRNAはX.ラエビス卵母
細胞翻訳系中で1ミリ1当り約2000〜5000単位(約2000
〜5000μ/ml)のインターフエロン滴定数を生ずること
が見出された。
X.ラエビス卵母細胞試験により最高の活性をもつ、mR
NA画分はcDNA合成用の鋳型を与えるために組合せること
ができる。この方法はもとの染色体遺伝子の機能配列と
同じヌクレチオドベース対の配列をもつところの2重ス
トランドDNAを酵素的に構築することを包含する。このc
DNAはユーカリオテイツク遺伝子上に存在しうる非情報
セグメント(イントロン)を含まず、従って究極的にプ
ロカリオテイツク系中で転写し翻訳することができる。
cDNAの合成は鳥類の骨髄腫細胞ウイルスのリバースト
ランスクリプターゼを使用する。この酵素はmRNAを鋳型
としてデオキシヌクレオキドトリホスフエートからDNA
の単一ストランドを合成するという触媒作用をもつ。Ka
cian,D.L.らのProc.Nat'l Acad,Sci.USA、73、2191(19
76)参照。mRNAのポリγ(A)の尾部はオリゴ(dT)
(約12〜18個のヌクレオチドの)オリゴ(dT)がcDNA合
成用のプライマーとして使用されることを可能にする。
放射活性標識の付いたデオキシヌクレオシドトリホスフ
エートの使用は合成反応の監視を容易にする。一般に32
P−含有デオキシヌクレオシドトリホスフエートたとえ
ば〔α−32P〕dCTPがこの目的のために有利に使用され
る。cDNA合成は一般にmRNA、デオキシヌクレオシドトリ
ホスフエート、オリゴ(dT)およびリバーストラスクリ
プターゼを適切な緩衝溶液中で一緒にすることによって
行なわれる。この溶液は好ましくは十分な長さの合成を
促進するために少量のアクチノマイシンDおよびジチオ
スレイトールを含む。Kacicn,D.L.らの前述の報文参
照。この溶液は昇温たとえば約40〜50℃で、cDNAのコピ
ーの生成を可能にするに十分な時間、たとえば約5〜20
分間、培養する。反応条件はKacian,D.L.らの前述の報
文に記載されているのと実質的に同じである。培養後、
エチレンジアミン四酢酸をこの溶液に加え、溶液をフエ
ノール:クロロホルム(1:1容量)で抽出する。水相は
ゲル濾過クロマトグラフによって有利に精製され、抽出
液中のcDNA−mRNA錯体はアルコールで沈殿せしめられ
る。
mRNAはcDNAの存在下で希薄水酸化ナトリウム(約1.0
M)により昇温たとえば約60〜80℃において10〜30分間
で選択的に加水分解させることができる。アルカリ溶液
の中和およびアルコールによる沈殿は単一ストランドの
cDNAコピーを生ぜしめる。
単一ストランドのcDNAコピーは5′−ポリ(dT)尾部
をもつこと、および二重鎖DNAの短いセグメントを与え
る3″末端ヘアピン構造をもつことが示された。Efstra
tiadis,A.らのCell 、279(1976)参照。この3″−
ヘアピン構造は相補DNAストランド合成用のプライマー
として作用しうる。この相補ストランドの合成はcDNAの
合成と実質的に同じ条件下で行なわれる。ただし、DNA
ポリメラーゼIのクレノウ断片〔Klenow,H.らのEur.J.B
iochem.,22、371(1971)〕をリバーストランスクリプ
ターゼの代りに使用する。この方法によって回収される
二重鎖cDNAは単一ストランドcDNAコピーの3′−ヘアピ
ン構造から生ずる3′−ループをもっている。この3′
−ループはUllrich,A.らの前述の報文に記載の方法を実
質的に使用して酵素S1ヌクレアーゼを用いる消化によっ
て開裂させることができる。このS1ヌクレアーゼ消化物
はフエノール・クロロホルムで抽出することができ、え
られたcDNAはアルコールで水性相から沈殿せしめられ
る。
α−インターフエロン遺伝子に相当する完全な二重ス
トランドDNAはManiatisらのBiockemistry,14、3787(19
75)の方法を実質的に使用してポリアクリルアミドゲル
電気泳動によって分離することができる。ゲルをたとえ
ばエチジウムブロマイドで染色して、分子量マーカーと
して入れた制限酵素消化物を肉眼でみえるようにした後
に、写真フイルムをこのゲルで露光して放射性標識二重
鎖ストランドcDNA遺伝子をさがす。500〜1300ベース対
の長さのDNA分子を含むゲルの領域を除き、このDNAをSm
ith,H.O.のMethod of Enzymology,65、371(1980)の方
法によって実質的に、電気泳動的に溶出させる。α−イ
ンターフエロンGx−1遺伝子(約900ベース対)に相当
する大きさのDNAを電気泳動溶出液のフエノール−クロ
ロホルム抽出およびその後の水相相からのcDNAのアルコ
ール沈殿によって回収する。
増殖および選択のために、上述のようにして製造した
二重ストランドcDNA遺伝子を適当なクローン用ベクター
中に挿入し、これを適切な宿主細胞の形質転換のために
使用する。好適なクローン用ベクターには種々のプラス
ミドおよびフエージが含まれるが、プラスミドが一般に
好ましい。クローン用ベクターの選択基準にはその大き
さ、宿主細胞中でのその複製能力、選択可能な遺伝子の
存在、および遺伝子の挿入場所の存在が含まれる。その
大きさに関しては、ベクターは大きな遺伝子の挿入を可
能にするために、そして欲せざる巨大分子の製造へ大量
の細胞栄養およびエネルギーをそらすことのないように
するために、比較的小さいのが有利である。ベクターは
また遺伝子の挿入後に機能を保持する完全なレプリコン
を含む。このレプリコンはプラスミドの所望の形式の複
製、すなわち細胞当り多数のコピーまたは単一のコピ
ー、あるいは細胞当り制御された数のコピー、を好まし
くは指示する。一種またはそれ以上の表示型の性質好ま
しくは抗生物質耐性は形質転換体の選択を容易にする。
挿入部位は有利には制限エンドヌクレアーゼに独特の制
限酵素部位である。これらの基準のすべにて合致するク
ローン用ベクターはプラスミドpBR322である。Bolivar,
F.らのGene,、95(1977)参照。このプラスミドは小
さく(約2.8×106ダルトン)、アンピシリン(amp)お
よびテトラサイクリン(tet)の耐性のための遺伝子を
保持し、そしてE.コリイ中でリラツクス複製を受ける。
このプラスミドはまた、amp遺伝子内に生ずるエンドヌ
クレアーゼpst Iの制限酵素部位をもつ。cDNAはホモ
重合テーリング技術によってこのプラスミド中に好都合
に挿入される。Nelson,T.らのMethods of Enzymology,6
8、41(1980)参照。ホモポリマー尾部たとえばpoly−d
Cは末端デオキシヌクレオチジルトランスフアラーゼ〔C
hang.L.S.M.らのJ.Biol.Chem.,246、909(1971)〕の存
在下で適当なデオキシヌクレオシドトリホスフエートた
とえばdCTPとの反応によりインターフエロン二重ストラ
ンドcDNA遺伝子の3′−ヒドロキシに加えられるプラス
ミドは適当なエンドヌクレアーゼを用いる消化によって
開裂され、相補ホモポリマー尾部たとえばポリdGが同じ
ホモポリマーテーリング技術を使用してたとえばdGTPを
使用して、開例プラスミドの3′−ヒドロキシに加えら
れる。所望ならば、放射活性標識デオキシヌクレオチド
トリホスフエートたとえば〔3H〕dCTPおよび〔3H〕dGTP
を反応中に使用することによって、テーリング反応を監
視することができる。一般にこの反応は約10〜20個のヌ
クレオチドの長さの尾部を与えるように行なわれる。尾
部のついたcDNAとプラスミドはたとえばフエノール抽出
とその後のアルコール沈殿によって回収される。2つの
尾部のついたDNA種はこれら両種の等モル濃度の緩衝溶
液をインキユベーシヨンすることによってアンニーリン
グしてα−インターフエロンGx−1遺伝子を含む組み換
え体プラスミドを得る。
E.コリイの好適なampS、tetSはLederbergのJ.Baterio
logy、119,1077(1974)の方法を実質的に使用して、組
み換え体プラスミドを用いて形質転換させることができ
る。形質転換体はテトラサイクリン約50μg/mlを含む標
準L−培養液上で代表的に生育する。テトラサイクリン
含有培地上で生育するコロニイのサンプルを次いでアイ
ピシリン約50μg/mlを含む第2倍地に移す。pBR322プラ
スミドは細胞にテトラサイクリン耐性を与えるために、
テトラサイクリン含有培地はこのプラスミドを含まなけ
ればならない。他方、pBR322プラスミドのアンピシリン
耐性は遺伝子の挿入によって破壊され、従ってtetR、am
pSのコロニイのみが更なる試験のためにえらばれる。
一般に、数百〜数千の有力なα−インターフエロンGx
−1コロニイがこれらの方法によって製造される。α−
インターフエロンGx−1を含むこれらのコロニイを同定
するために、放射性標識DNAプローブを有利に使用する
ことができる。Grunstein,M.らのProc.Nat'l.Acad.Sci.
USA、72、3961−3965(1975)参照。特に好ましいDNAプ
ローブは米国特許継続出願番号第286,351号に記載され
ており、引用によってここにくみ入れる。このプローブ
は、周知のヒト白血球の及びヒト線維芽細胞のインター
フエロン遺伝子に共通の配列に対して相補的な13個のヌ
クレオチド配列を含む。このプローブを使用するため
に、それぞれのコロニイからの(またはコロニー群から
の)DNAをニトロセルロースフイルタの分離帯域に固定
させ、そして変性する。プローブの溶液をハイブリダイ
ズする条件下でこれに適用する。ハイブリダイズしてい
ないプローブをフイルタから洗い、プローブがハイブリ
ダイズしているDNAを含むコロニイをオートラジオグラ
ムによって同定する。
陽性コロニイを適当な生育培地上で培養して豊富な量
の細胞を取得し、これらの細胞からプラスミドDNAを抽
出することができる。プラスミドDNAは通常の技術、た
とえば細胞の破砕、その後のフエノール抽出およびアル
コール沈殿を使用して抽出される。このDNAは電気泳動
またはサクロース勾配沈降によって分離することができ
る。約900個のベース対の挿入体を含むプラスミドDNAを
えらんで更に特性をしらべる。
クローン用ベクター中にcDNAを挿入するために使用さ
れた技術はもとのベクトルの挿入部位に対応する2つの
制限エンドヌクレアーゼ部位を再形成するので、クーロ
ンの遺伝子は適当なエンドヌクレアーゼを用いる消化に
よってプラスミドDNAから好都合に切り出される。切り
出された遺伝子は次いで制限マツピングおよびシークエ
ンシング分析によって特徴づけられる。本発明の切り出
されたα−インターフエロンGx−1遺伝子の制限酵素地
図を添付の第1図に示す。分離した遺伝子は1032個のベ
ース対をもつ。この遺伝子は5′末端(ベース対1〜8
5)および3′末端(ベース対632〜1032)に非コード領
域をもつ。コード領域の5′末端(ベース対86〜133)
は先導配列を含み、成熟したα−インターフエロンGx−
1蛋白はベース対No.134からベース対No.631までの領域
によって特定される。
この遺伝子のヌクレオチド配列をSangerらのProc.Na
t′l Acad.Sci.USA、74、5463−5467に記載の方法によ
って測定し、このヌクレオチド配列を第1表に示した。
この表は遺伝子によって特定されるアミノ酸配列と共
に、非コード領域およびコード領域の5′−−>3のス
トランドを示すものである。第1表およびその他に使用
した略号は次の標準的な意味をもつ。
A=デオキシアデニル T=チミジル G=デオキシグアニル C=デオキシシトシル GLY=グリシン ALA=アラニン VAL=バリン LEU=ロイシン ILE=イソロイシン SER=セリン THR=スレオニン PHE=フエニルアラニン TYR=チロシン TRP=トリプトフアン CYS=システイン MET=メチオニン ASP=アスパラギン酸 GLU=グルタミン酸 LYS=リジン ARG=アルギニン HIS=ヒスチジン PRO=プロリン GLN=グルタミン ASN=アスパラギン 遺伝コードの縮重のために、遺伝子のヌクレオチド配
列は実質的に変化しうることが理解される。たとえば、
遺伝子の一部分または全部を化学的に合成して第1表に
示すものとは異なったヌクレオチド配列をもつDNAを得
ることができ、然も適切なコード・アミノ酸指定が観察
される限りアミノ酸配列は保存される。α−インターフ
エロンGx−1遺伝子のヌクレオチド配列およびその蛋白
質のアミノ酸配列が確立されたので、本発明の遺伝子は
特定のヌクレオチド配列に制限されるものではなくて、
遺伝コードによって許されるそのすべての変形を含むも
のである。
クローンのα−インターフエロンGx−1遺伝子を含む
E.コリイ細胞の培養物をRubinsteinらの前述の報文に記
載のウイルス抑制法によって分析してインターフエロン
活性を求め、これらの細胞が少量のインターフエロン活
性を生産することを見出した。この細胞培養物はA3−26
と命名され、アメリカンタイプカルチユアーコレクシヨ
ン(アメリカ合衆国メアリーランドロツクビル)にATCC
No.39063として寄託された。
クローンのα−インターフエロンGx−1遺伝子がえら
れたので、この遺伝子を次いで高水準の蛋白発現を達成
するために設計された条件下で微生物中に導入すること
ができる。この目標達成のために、この遺伝子を発現ベ
クター中に有利に挿入することができる。クローン用ベ
クターと同様に、発現ベクターはプラスミドまたはフア
ージでありうるが、プラスミドが好ましい。良好なクロ
ーン用ベクターの基準に加えて、発現ベクターはクロー
ン遺伝子の直接の転写および翻訳を指示する適切に配置
された制御信号をも含む。Guarante,L.らのCell,20、54
3−553(1980)参照。代表的には1つの遺伝子がプラス
ミドの完全なオペロン中に挿入されて、この遺伝子の発
現がこのオペロンによって制御される。E.コリイのラク
トース(lac)オペロンおよびトリプトフアン(trp)オ
ペロンをこの目的に使用した。Roberts,T.M.らのProc.N
at'l Acad.USA、76、760−764(1979)参照。
本発明をα−インターフエロンGx−1遺伝子を含む組
み換え体DNA用のバクテリア宿主としてE.コリイを使用
することに関連して述べたが、習熟した分子生物学者は
他のグラム陰性バクテリアたとえばシユードモナス;グ
ラム陽性バクテリアたとえばバシラス;および高等な単
細胞微生物たとえばイーストおよび菌類;などもα−イ
ンターフエロンGx−1遺伝子のクローニングおよび/ま
たは発現のために使用しうることを理解するであろう。
本発明を次の実施例によって更に説明するが、これら
の実施例は本発明を限定するものと解釈されるべきでは
ない。
実施例 1. 白血球の誘発 誘発法の出発物質は血小板泳動(plateletpheresis)
調製物からの残渣であった。それぞれの残渣は夾雑赤血
球細胞とまざったヒトの血液の6〜20単位の白血球細胞
を含んでいた。2つの残渣をプールしてボトル中で1600
×gで7分間遠心分離した。赤血球細胞の大部分をピペ
ツトでボトルの底部から除いた。残存容積を測定し、残
存赤血球細胞を0.83%の塩化アンモニウムの10倍容量の
迅速添加によって分解した。4℃で10分後に、白血球細
胞を遠心分離によって集め、10%の加熱−不活性化仔牛
血清、3mg/mlのトリシンおよび25μg/mlネオマイシンを
補ぎなってある500mlのイーグル最小必須培地(リン酸
塩緩衝液なし)中に懸濁させた。これは約107細胞/mlの
細胞濃度を与えた。ニユーカツスル病ウイルス(ND
V)、菌株B1を100ヘマグルチニン単位/mlの最終濃度で
細胞懸濁液に加え、この細胞をかくはんしながら37℃で
培養した。5時間後に、40mlの培養物を小さなかくはん
容器に写し、これを37℃で更に18時間培養した。この分
別量の細胞を次いで遠心分離によって除き、上澄液を小
胞口内炎ウイルスによって生ずる食細胞効果からヒトの
線維芽細胞を保護する能力によってインターフエロンに
ついて分析した。滴定値は25,000IU/mlであった。培養
物(NDV添加後5時間のもの)の残りの450mlを遠心分離
した。上澄液をインターフエロンについて分析した。滴
定値は6400IU/mlであった。この細胞ペレツトをPBS(8.
2g/lの塩化ナトリウム、0.22g/lの塩化カリウム、0.20g
/lの一塩基性リン酸カリウム、1.14g/lの二塩基性リン
酸ナトリウム)で洗浄し、4.9gの重量の洗浄ペレツトを
−70℃で凍結させた。
実施例 2. 誘発白血球からのmRNAの抽出 次の溶液を調製した。
溶液A:4Mの試薬級グアニジンチオシアネート、0.1Mのト
リス−HCl(pH7.5)および0.1Mの2−メルカプトエタノ
ールを含む分解溶液。グアニジンチオシアネート(472.
6g)を500mlの水および200mlのトリス緩衝ストツク溶液
(0.5Mトリス−HCl、pH7.5)中で加熱してとかした。こ
の溶液を室温に冷却し、その後に7.15mlの2−メルカプ
トエタノールを加え、この溶液を滅菌水で1000mlに希釈
した。グアニジンチオシアネートからの粒状物質ナルジ
の使い捨てフイルタユニツトを通す濾過によって除い
た。この溶液は室温で少なくとも1ケ月間安定であっ
た。この試薬が皮膚にふれるのを避けるための強い注意
が払われるべきである。
誘発細胞の破壊を煙フード中で行なった。実施例1か
らの細胞を凍結状態を保ちながら部分的に破砕した。
溶液B:6Mの超高純度グアニジン塩酸塩中に10mMのNa2EDT
A(pH7.0)および10mMのジチオスレイトールを含む洗浄
溶液。グアニジン塩酸塩の高純度のために、この溶液の
濾過は必要ではなく、そしてこの溶液は室温で貯蔵する
とき安定であった。ここでもこの溶液が皮膚にふれるの
を避けるために注意が払われるべきである。
誘発細胞の破壊を煙フード中で行なった。実施例1か
らの細胞を凍結状態に保ちながら部分的に破砕して、高
速ホモジナイザーの室中で細胞1g(湿潤重量)当り20ml
の溶液Aに入れた。ホモジナイザーを十分な速度で2分
間操作して細胞を破壊した。溶菌生成物を次いでソルバ
ルGSAロータ中で12,000rpmで10分間遠心分離して存在す
る破片を除いた。
RNAおよび他の細胞成分を含む上澄液を0.1N酢酸0.04
容量の添加によってpH5に酸性化し、そして0.5容量の無
水エタノールの添加によってRNAを沈殿させた。この溶
液を−20℃に少なくとも2時間保持した。混合物を−20
℃にこれ以上長くおいてもRNAの収率が目立って増大す
ることはなく、大量の蛋白質の共沈殿が生じて、次の工
程での再溶解を困難にする。沈殿したRNAを、ソルバルG
SAロータ中で8,000rpmで10分間遠心分離することによっ
て集めた。上澄液を除き、ペレツトを(溶菌生成物のも
との容量に対して)約0.5容量の溶液に70℃でとかし
た。このRNAを0.04容量の1N酢酸の添加によって再びpH5
に酸性化した。この溶液を氷浴中で冷却し、0.5容量の
冷エタノールでRNAを沈殿させた。沈殿はほとんど瞬間
的に生じ、定量的であった。ソルバルGSAロータ中での
6,000rpm、10分間の遠心分離によってRNAを集めた。容
量を更に減らして溶液Bによる方法を次いで1回くりか
えした。最終ペレツトを滅菌した0.24M酢酸ナトリウム
液(pH5.5)にとかし、2.5容量のエタノールの添加によ
って沈殿させた。全RNAを次に使用するまでエタノール
沈殿物として−20℃で貯蔵した。この段階でのRNAは劣
化しておらず蛋白質およびDNAを含んでいなかつた。
インターフエロンmRNAを精製する際の第1工程はGree
n.M.らのArch.Biochem.Biophys.172、74(1976)に記載
の方法を使用するオリゴ(dT)−セルロースカラム上で
の親和クロマトグラフを含んでいた。このRNA溶液(30
〜50A260単位/ml)を0.11容量の5M−NaClの添加によつ
て0.5M−NaClに調整し、次いで10mMのトリス−HCl(pH
7.4)および0.5MのNaClで平衡化したオリゴ(dT)−セ
ルロース〔T−3、Collaborative Rerearch〕の5gを含
むカラムに約20ml/hrの流量で適用した。光学密度が0.0
8A260単位/ml以下になるまで同じ緩衝液で洗浄すること
によつてカラムから非結合RNAを除いた。次いでポリ
(A)RNAを10mMのトリス−HCl(pH7.4)で溶出した。
ポリ(A)RNAをもう一度カラム上をリサイクルさせて
リボゾームおよび他の非ポリ(A)RNA類による汚染を
減少させた。第1のオリゴ(dT)−セルロースカラムの
クロマトグラフの後に、後述のゼノパスラエビス卵母細
胞中への注入によつて、このRNA調製物を分析してイン
ターフエロンmRNA活性を求めた。
このようにしてえられたインターフエロンmRNAをサク
ロース傾斜遠心分離によつて富化した。Buchler傾斜メ
ーカーの室中で、0.02Mの酢酸ナトリウム中の等容量の
5%(w/v)および20%(w/v)サクロースを混合するこ
とによつて線状の勾配を作つた。形成後、これらの傾斜
を4℃で少なくとも4時間平衡化した。荷重の前に、RN
Aサンプルを80℃に2分間加熱し、そして氷浴中で急速
に冷却して集塊を減少させた。このサンプルを勾配上に
層として置き、SW40ロータ(Beckman)を使用して4℃
で30,000γpm、20分間の遠心分離を行なつた。遠心分離
の後に、流れている細胞がGilford分光計に付着するよ
うにされたIsco Gradient Pumpの使用によって、グラジ
エント成分を集めた。チユーブの底部に50%サクロース
をポンプ給送することによってグラジエントを分析し
た。分画を集め、エタノールで沈殿させ、滅菌水にとか
し、そして後述のゼノパスラエビス卵母細胞中への注射
によって分析した。白血球インターフエロンmRNAS類は1
2Sの種としてほぼ移動した。
実施例 3. ゼノパス ラエビス卵細胞中のインターフエロンmRNAの
翻訳 ゼノパスラエビス卵母細胞はNasco,Ft.Atkinson(ア
メリカ合衆国ウイスコンシン州)から(#LM531LQ)の
商品名で入手した。これらのカエルからえられた卵母細
胞は再現性のある高いインターフエロン滴定濃度を生じ
ることが見出された。この動物を氷水に30分間入れた
後、これを殺して卵母細胞を除き、直ちに次の卵母細胞
培養培地150ml中に入れた。
卵母細胞培養培地 NaCl 88 mM KCl 1 mM NaHCO3 2.4 mM MgSO4・7H2O 0.82mM Ca(NO3・4H2O 0.33mM CaCl2・2H2O 0.41mM トリス塩基 7.5 mM ペニシリンG 18単位/ml カルシウム (11μg/ml) ストレプトマイシン 18μg/ml HClで最終pHをpH7.6に調製し、この溶液を濾過によっ
て滅菌した。
卵母細胞嚢を鈍い針でおだやかにけば立ててはがすこ
とによつて個々の卵母細胞をえた。これらの卵母細胞は
明瞭な動物性および植物性の極をもつている。植物性の
極の卵黄は淡灰白色であり、動物性の極は黒色である。
これらは大きさを異にするが、大部分の卵母細胞は直径
約1mmであつた。直径約1.2〜1.5mmの最大の卵母細胞を
注射後に洩れる傾向があるので使用しなかつた。分離後
に、卵母細胞を5℃で貯蔵した。卵母細胞は5℃で4〜
5日間貯蔵後に最大のインターフエロン滴定濃度を与え
る能力がある。
実施例2からのmRNAを0.5〜1mg/mlの濃度で滅菌水に
とかし、この溶液を注射するまで氷上に保持した。
注射針は5μのマイクロ分配管(#105G、Drummond
Scientific)を垂直ピペツトプラー(モデル700B.Davi
d Kopf Instruments;アメリカ合衆国カリフオルニア州
ツジユンガ)を用いて引つ張ることによって製造した。
引っ張った針を先端でシールした。この先端を解剖用顕
微鏡下で微小ハサミで破って直径0.005〜0.01mmの先端
をもつ針を作った。マイクロ分配毛管は50nlの等価の0.
27mmの均一な孔のチューブから成っていた(5.4mmが1
μlに相当)。
RNAを卵母細胞に注射するために、2μlのインター
フエロンmRNAを、滅菌鉱油をみたした60×15mmの丸いペ
トリ皿の底部においた。ペトリ皿の壁に対して底部にお
いて小さい水性泡が残った。次いで注射針をBrinkmanマ
イクロマニピユレータ(#06−15−00)の端部にクラン
プし、油圧系に接続するチューブに取り付けた。開いて
いる先端から2mmまで、正圧を針にかけてみたした。次
いでこの針を鉱油を通してmRNA溶液中に入れた。溶液は
系に適用された負圧の助けと共に、毛管作用によって管
中に引き込まれた。サンプルは注射針の1/2〜3/4をみた
した。RNA溶液と油圧流体(滅菌H2O)との間に小量の気
泡が残った。1mm目盛りのグラフ用紙の数枚を針の上に
おきメニスカスで整列させた。
注射にために、10個の卵母細胞を正方形(100×100m
m)のペトリ皿にテープ止めしたスライドのヘリに対し
て整列させた。動物性または植物性の極は最終のインタ
ーフエロン滴定濃度に影響を及ぼくことなく注射するこ
とができる。注射針は60゜の角度で卵母細胞に入るの
で、系に正圧を加えた。メニスカスの移動は注射したそ
れぞれの卵母細胞について約0.3mmであった。これは卵
母細胞1個につき約50nlに相当する。針を卵母細胞から
除き、残りの9個を続けて注射した。卵母細胞1個当り
約40〜50ngのインターフエロンmRNAを注射した。この濃
度が飽和であることがあらかじめ示された。注射直後
に、10個の卵母細胞を0.1mlの新鮮な卵母細胞培養培地
に入れて1.5mlの滅菌プリプロピレンらせんチューブ中
で23℃において18時間培養した。
培養後に、卵母細胞をそれらを培養したのと同じチュ
ーブ中で手動によりホモジネートした。これは若干の卵
母細胞が培養培地中にかくされているために重要なこと
である。次いで抽出物をEppendorf遠心分離器中で5分
間遠心分離した。90μlの上澄液を注意深く除いた。脂
質層が頂部に生成したが、このものはインターフエロン
分析の際に細胞に対して毒性がある。それ故、できるだ
け小量の脂質を除いた。90μlの上澄液を次いで再び5
分間遠心分離した。次いでこの上澄液をRubinsteinらの
方法によって分析してインターフエロン活性を求めた。
この溶液のインターフエロン滴定濃度は1260U/mlであっ
た。
実施例 4 mRNAからcDNAの製造 次のストック溶液および物質を調製した。
0.5 M トリス−HCl、pH8.3 1.4 M KCl 0.25M MgCl2 0.05M dATP、 pH7.0 0.05M dCTP、 pH7.0 0.05M TTP、 pH7.0 〔32P〕dCTP、400Ci/mモル、1mCi/ml(Amersham) 0.01M ジチオスレイトール(DTT) オリゴ(dT)12-18、250μg/ml(Collaborative Resear
ch) アクチノマイシンD、500μg/ml(Calibiochem) 鳥類骨髄腫細胞ウイルスリバーストランスクプターゼ 約10,000単位/ml(Research Resources Branch,Viral O
ncology Program,National Cancer Research,から入
手) すべての緩衝液および塩溶液をオートクレーブ処理し
た。他の溶液は滅菌ガラス蒸留水で調製して滅菌容器中
で貯蔵した。すべてのストツク溶液を凍結して貯蔵し
た。
操 作 法 cDAN合成の鋳型として、実施例2からの12Sのインタ
ーフエロンmRNAを使用した。この合成を行なうために、
〔α−32P〕dCTPを使用してcDNAがポリアクリルアミド
ゲル上に配置されうるようにした。放射性化合物は凍結
乾燥によって乾燥した。mRNA各1μgにつき400Ci/mモ
ルの比活性の〔α−32P〕dCTPの5μCiを使用した。0.1
MトリスHCl(pH8.3)、140mMのKCl、20mMのMgCl2、1mM
のdATP、1mMのdCTP、1mMのdGTP、1mMのTTP、および0.4m
MのDDTから成る2X反応混合物中に上記の乾燥物質をとか
した。この溶液を氷上に保った。この溶液にmRNA(50μ
g/ml、最終濃度)、オリゴ(dT)12-18(25μg/ml)、
アクチノマイシンD(40μg/ml)、AMVリバーストラン
スクリプターゼ(80単位/ml)、および上記2X混合物を1
Xに希釈するに十分な水を加えた。氷上で5分後、この
反応混合物を46℃で10分間インキュベーシヨンした。培
養後にEDTAを加えて25mMの最終濃度とした。この溶液を
等容量のフエノール:クロロホルム(1/1;v/v)で1回
抽出し、水性相を10mMのトリス−HCl(pH8.0)、1mMのE
DTA、0.1MのNaClで平衡化したセフアデツクスG−100
(0.7×20cm)のカラム上でクロマトグラフ処理した。
排除された容積中のcDNAを2.4Mの酢酸ナトリウム(pH
5)および2.5容量のエタノールの添加によって沈殿させ
た。mRNAの型を除くために、cDNAを遠心分離によって沈
降させ、0.1MのNaOHの0.3ml中にとかし、そして70℃に
おいて20分間培養した。この溶液を3.0mlの1.0M−HClで
中和し、上述のようにエタノールで沈殿させた。cDNAの
収率は使用したmRNAの10〜20%であった。
cDNAから二重ストランドcDNAの合成は、5′−3′エ
キソヌクレアーゼ活性を欠くDNAポリメラーゼI(クレ
ノウ断片)の使用により行なった。追加プライマーは必
要としない。それは大部分のcDNA分子上の3′−ループ
がAMVリバーストランスクリプラーゼを用いて作られて
いるためである。ds cDNAを作るために、この3′−ル
ープをアスペルギルスオリザエS1ヌクレアーゼによって
開裂させた。
次のストツク溶液および物質を調製した。
0.5Mのリン酸カリウム(pH7.4) 0.25MのMgCl2 0.1MのDTT 0.05MのdATP(pH7.0) 0.05MのdGTP(pH7.0) 0.05MのdCTP(pH7.0) 0.05MのTTP(pH7.0) 〔α−3H〕dCTP、22Ci/mモル、1mCi/mモル(Amersham) E.コリイDNAポリマラーゼI(クレノウ断片) 約1000単位/ml(Boehringer−Mannheim) 5×S1ヌクレアーゼ緩衝液:0.167Mの酢酸ナトリウム(p
H4.5);5mMのZnCl2 操 作 法 第2のストランドの合成を行なうために、cDNA合成に
使用したmRNAの1μg当り10μCiの〔3H〕dCTP(比活性
22Ci/mモル)を使用した。0.Mのリン酸カリウム(pH7.
4)、20mMのMgCl2、2mMのDTT、それぞれ0.4mMのdATP、d
GTP、dCTPおよびTTPから成る2X反応混合物に乾燥〔3H〕
dCTをとかした。この混合物を氷上に保持し、水中cDNA
を加え、E.コリイDNAポリメラーゼI(クレノウ断片)
を100単位/mlまで加え、そして水を加えて反応混合物を
1Xにした。この溶液を一夜15℃で培養した。培養後、ED
TAを25mMまで加え、溶液を等容量のフエノール:クロロ
ホルム(1/1;v/v)で1回抽出し、そして水性相を、10m
Mのトリス−HCl(pH8.0)、1mMのEDTAおよび0.1MのNaCl
で平衡化したセフアデツクスG−100の0.7×20cmカラム
上でクロマトグラフ処理した。溶出された分画中のDNA
を上述のようにエタノールで沈殿させた。ds DNAの収
率は鋳型として使用した。cDNAの量の50〜100%であっ
た。
この点でds cDNAはヘアピンループを含んでいた。Vo
gtのEur.J.Biochem,33、192(1973)に記載の方法によ
って製造したアスペルギルスオリザエS1ヌクレアーゼを
用いる消化によって、単一ストランドのループを除い
た。このds cDNAを水にとかし、0.25容量の5×S1緩衝
液を加えた。適当量のS1ヌクレアーゼを加えて、この溶
液を37℃で20分間培養した。(添加すべき酵素の量はそ
れぞれの酵素による製造について実験的に測定しなけれ
ばならない。それは活性が製造ごとに変わるためであ
る。これはds cDNAからのTCA沈殿性カウントの増加を
測定することによって行なわれる。通常、50〜75%のds
cDNAがS1ヌクレアーゼに耐性がある。然し、S1ヌクレ
アーゼによる製造中の低水準の夾雑ヌクレアーゼによる
過消化を避けるために注意を払わねばならない。)S1消
化ds cDNAはフエノール:クロロホルムで1回抽出し、
水性相は上述のようにエタノールで沈殿させる。
二重ストランドcDNAを12mlの5〜25%中性シユクロー
スのリニアーグラジエント上に層状におき、ベツクマン
SW40ロータ中で38,000γpm(5℃)で17時間遠心分離し
た。1mlの画分を集め、画分5−9(頂部から数えて)
をプールした。〔NorgardらのJ.Biol.Chem.,255、7665
−7672(1980)参照〕。
二重ストランドcDNAのホモポリマーテーリングのため
に、次のストツク溶液および物質を調製した。
1.Mのカリウム・カコジレート 0.3Mのトリス、pH7.6 (pHは1:10に希釈したとき7.2になる) 15mMのCoCl2 10mMのジチオスレイトール(DTT) 4mMのdCTP(pH7.0) 操 作 法 3′−末端へのdCMP残基の付加は、〔3H〕dCTPを酸沈
殿物質へ取り込ませることによって行なった。25μCiの
3H〕dCTPをもとのcDNA合成に使用したmRNAの1μg毎
に使用した。放射性物質を乾燥して反応混合物中に再び
とかした。二重ストランドcDNAを適当量のストツク溶液
にとかして次の最終濃度を与えた:0.14Mのカリウム・カ
コジレート、0.03Mのトリス、pH7.2;1mMのDTT;0.1mMの
3H〕dCTP(1Ci/mml);1.5mMのCoCl2;および2×10-8M
の3′−末端。CoCl2なしの上記溶液を37℃に加温し、
次いでCoCl2を加えた。精製末端デオキシヌクレオチジ
ルトランスフエラーゼを100単位/mlの最終濃度になるよ
うに加えた。この反応を37℃で5時間進行させた。この
時点においてサンプルをとって酸沈殿物質中への〔3H〕
dCMPの取り込み量を測定した。十分な長さの尾部が追加
されなかった場合、溶液を所望の長さの時間再び37℃に
おくことによって反応を続けた。約10〜20のdCMP残基の
尾部が生成したとき、EDTAを加えた(110mM、最終濃
度)。この溶液をフエノール:クロロホルム(1/1;v/
v)で一回抽出し、そして水性相をエタノールで沈殿さ
せた。この方法で製造したdC尾部付きds cDNAは後述の
dG尾部付きpBR322ベクター中に挿入する準備のできたも
のであった。
実施例 5 交配プラスミドの組立て プラスミドpBR322〔Bolival,F.らのGene,、95(197
7)〕(20μg)をPst 1酵素で切断して、約20個のdG
残基を、Roychoudhury,R.らのNucl,Acids Res.,、101
(1976)に記載の方法に従い、3′−末端に付加した。
この反応は、0.14Mのカリウム・カコジレート;0.03Mの
トリス−HCl、pH7.0;1mMのCoCl2;および0.01mMのジチオ
スレイトールから成る緩衝液中で行なった。プラスミド
DNAの3′−ヒドロキシ基の濃度は40nMであり、3000モ
ルの過剰の3H−dGTPを使用した。反応は末端トランスフ
エラーゼの21単位によって触媒作用を受けさせた。
実施例4からのdC−尾部付き二重ストランドcDNAを、
10mMのトリス−HCl、pH7.5;100mMのNaClおよび2.5mMのN
a2EDTAから成るアニーリング緩衝液の0.9ml中で等モル
(470nモル)の該2種の分子を混合することによって、
dG−尾部付きpBR322にアニーリングさせた。この混合物
を水浴中で70℃において10分間培養した。次いでこの浴
を37℃の室に移し、一夜徐々に冷却した。次の日にこの
浴を室温に冷却させた。えられた組み換え体プラスミド
を使用してE.コリイ細胞を形質転換させた。
実施例 6 形質転換 E.コリイ菌株HB101の培養物を0.2%グルコース含有LB
培地10ml中で一夜生育した。次の日に50mlのLB+0.2%
グルコースの培地にこの培養物0.5mlを接種してこの培
養物を、それが595nmにおいて0.3の吸収値をもつまで、
37℃で生育した。この培養物をソルバルSS34ロータ中で
5000γpmで10分間遠心分離し、えられたペレツトを0.1M
の冷MgCl2溶液2ml中に再び懸濁させた。この懸濁液を0.
1Mの冷MgCl2溶液で25mlに希釈し、3000γpmで10分間遠
心分離した。次いでこれらの細胞を0.1MのCaCl2溶液25m
lに再び懸濁させ、氷上で1時間培養した。この懸濁液3
000γpmで10分間再び遠心分離して、細胞を同じ緩衝液
2.2ml中に再び懸濁させた。この時点で実施例5のアニ
ーリング混合物20μlと細胞懸濁液とを混合して氷上で
20分間培養した。次いで細胞を42.5℃で2分間熱シヨツ
クを受けさせ、2.8mlのLB+0.2%グルコース培地を加
え、混合物を37℃で培養して発現を行なった。この混合
物の100μlを0.2%グルコース・0.8%カンテン含有LB
培地2.5mlに加え、これを45℃に保った。この“頂部カ
ンテン”を次いでLB−0.2%グルコース培地+50μg/ml
のテトラサイクリンを含むプレートに注入した。これら
のプレートをコロニイが現れるまで37℃で1〜2日間培
養した。〔参考文献:Lederberg,E.らのJ.Bact.,119、10
72(1974)〕。
実施例 7 コロニイの選択 次のヌクレオチド配列をもつ合成放射性標識トリデカ
デオキシリボヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼ
ーシヨンによるα−インターフエロン遺伝子の存在につ
いて、コロニイを選抜した。なお下記のヌクレオチド配
列はヒト−β−インターフエロン遺伝子および数種の周
知のα−インターフエロン遺伝子の蛋白質と一致するこ
とが知られている。
C−C−T−T−C−T−G−G−A−A−C−T−
G このプローブの合成および使用は米国特許継続出願番
号第286,351号に記載されている。
プローブとのハイブリダイゼーシヨン 実施例6からの1mlの培養物のコロニイを標準L−培
養液プラス50μg/mlのテトラサイクリン中で一夜生育し
た。10個のクローン中の群プールし、DNAを次の連続沸
とう法によって調製した。細胞をソルバルSS−34ロータ
中で10,000γpmで10分間遠心分離した。これらを700μ
lのSTET緩衝液(8%シユクロース、5%トリトンX−
100、50mMのEDTA、50mMのトリスpH8.0)中に再び懸濁さ
せた。リゾチームの10mg/ml溶液の50μlを加えた後
に、この溶液を直ちに40秒沸とうさせた。溶菌生成物を
次にで室温において10分間12,000γpmで遠心分離した。
上澄液を注意深く除き、これに150μlのイソプロパノ
ールを加えた。DNAを−20℃で30分間沈殿させ、10,000
γpmで10分間遠心分離し、次いで0.3NのNaOH、10mMのト
リス(pH8)の100μl中に再び懸濁させた。この溶液を
70℃で30分間培養してRNAを加水分解し、次いで3NのHCl
10μlの添加によって中和してから、エタノールによ
りDNAを沈殿させた。沈殿したDNAを次いでEppendorf Mi
crofuge中で10分間遠心分離し、ペレツトを真空下で乾
燥した。このDNA含有ペレツトを20μlのH2O中にとかし
た。培養物当りの収率は約100〜200ngのDNAであった。
次いで10μlのDNAをS&Sミリポア・ニトロセルロ
ースフイルタ(BA85/20)上に直接スポツトした。ま
た、1.5μgのSV40DNA(このものはプローブと10/13ベ
ースのホモロジーをもつ)および1.5μgのプラスミドp
BR322をそれぞれ正および負の対照標準としてスポツト
した。乾燥後に、0.5NのNaOH、1.0MのトリスpH7.4(1
回くりかえす)、2×SSC緩衝液(0.3MのNaCl、0.03Mの
Na−シトレート、pH7)、90%エタノール(1回くりか
えす)に浸漬した3mmのWhatmanペーパー片にフイルタ7
分間隔で配置することによってフイルタを処理した。こ
れらのフイルタを再び乾燥して真空オーブン中で75℃に
おいて2時間ベーキングした。
ベーキング後、フイルタを10mlの4×SSC、10×テン
ハーツ緩衝液、(0.2%牛血清アルブミン、0.2%ポリビ
ニルピロリドン、および0.2%フイコール)を含む密封
プラスチツクバツク中に入れた。65℃で2時間予備培養
を行なって放射性プローブの非特異性を減少させる。次
いでこの溶液を除いて4mlの新鮮な4×SSC、10×デンハ
ーツに置き換えた。次いで32P−標識プローブ(実施例
1記載のもの)を加えた(4×106cpm、比活性5×108c
pm/μg)。フイルタに結合したプローブとDNAとのハイ
ブリダイゼーシヨンは15℃で1時間つづけた。培養後、
フイルタを15℃において200mlの4×SSCで5回洗ってハ
イブリダイゼーシヨンしていないプローブを除いた。次
いでフイルタを乾燥し、その後に−80℃においてコダツ
クRP−5フイルムでオートラジオグラムをとった。約30
群のクローンはある程度のハイブリダイゼーシヨンを示
した。
サザン ブロツテイング はじめの選抜におけるハイブリダイゼーシヨンは標識
プローブを用いてえられたものなので、陽性のプールは
個々のクローンにまたは5のプールに細分化された。次
の迅速プラスミド法を使用してDNAを製造した。5mlの個
々のクローンまたは10mlのプール(5個のクローン)を
L−培養液プラス50μg/mlのテトラサイクリン中で一夜
生育した。細胞を5000γpmで10分間ペレツテイングした
後、これらを凍結し、解凍し、25%シユクロース、50mM
のトリス(pH8)の2.0mlにとかし、そして室温で5分間
培養した。10%トリス(pH8)中のリゾチームの5mg/ml
溶液の半分を加え、そしてこの溶液を5分間培養した。
1.1mlの0.25M−EDTA(pH8)を加えてこと溶液を5分間
培養した。この溶液を1.5mlの細胞溶解性混合物(2mlの
10%トリトン、10mMトリスpH8)(25mlの0.25M−EDTA)
(5mlの1MトリスpH8)(68mlのH2O)と混合し、この混
合物を室温で19分間培養した。溶菌生成物を次いで4℃
において15,000γpmで29分間遠心分離した。上澄液を等
容量のフエノール:CHCl3で抽出し、次いでエタノールを
沈殿させた。DNAをペレツトにして40μH2Oにとかし
た。次いで約20μを1%アガロースゲル上に置き(操
作緩衝液:40mMのトリスpH7.9、4mMのNaOAc、1mMのEDT
A)、25ボルトで一夜電気泳動させた。次いでアガロー
スゲル中のDNAをサザーンの方法〔E.M.Southern,J.Mol.
Biol.,98、503−517(1975)〕に従つてニトロセルロー
スに移した。次いでこのゲルを200mlの0.5M−NaOH、1.5
M−NaCl中に45分間入れ、そして200mlの0.5MトリスpH7.
0、3.0M−NaCl中に移した。45分後にこのゲルを貯蔵緩
衝液としての20×SSCによりブロツテイングした。この
移行を室温で一夜行なつた。ブロツテイングの後に、ニ
トロセルロースフイルタを2×SSC中で15分間洗浄し、
次いで真空オーブン中で75℃において2時間ベーキング
した。プレハイブリダイゼーシヨン、ハイブリダイゼー
シヨンおよび洗浄をはじめの選択について述べたのと同
様にして行なった。数種の個々のクローンからのDNAは
プローブとハイブリダイゼーシヨンした。制限酵素分析
およびDNA配列決定処理はこの方法がここにα−インタ
ーフエロンGx−1と命名した遺伝子を含むインターフエ
ロン・クローンを同定するのに有効であることを確証し
た。このクローンはナンバーA3−26と名づけた。A3−26
細胞の培養物を生育して前述のRubinsteinらのウイルス
抑制法によってインターフエロン活性を分析し、インタ
ーフエロン活性を検出した。
実質的に純粋な、細菌により生産したヒト−α−イン
ターフエロンGx−1はA3−26細胞を蛋白発現条件下で大
規模に培養し、次いで細胞の分解、および周知技術〔た
とえば英国特許出願第2,079,291A号(1982年1月20日発
行)の実施例M参照〕を使用するα−インターフエロン
Gx−1の抽出および精製を行なうことによってえられ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明によるα−インターフエロンGx−1遺伝
子の開裂した制限酵素地図を示すもので、5′および
3′は該遺伝子のデオキシリボヌクレオチド配列の両端
部を示し、0、100、200、300、400、500、600、700、8
00、900、1000は該配列を構成アミノ酸のベース対の数
を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/56 8318−4H C12P 21/02 F 9282−4B (56)参考文献 「遺伝子組換え実用化技術集第2集」 (サイエンスフォーラム)(昭56−3− 15)P.15〜29

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デオキシリボヌクレオチド配列がコードす
    る対応アミノ酸配列と共に表される下記のデオキシリボ
    ヌクレオチド配列からなるヒトα−インターフェロンGx
    −1遺伝子。 〔上記の5′から3′までのストランドはアミノ末端か
    ら始まり、これらのアミノ酸はそれぞれ三文字コドンで
    示され、 Aはデオキシアデニル; Tはチミジル; Gはデオキシグアニル; Cはデオキシシトシル; XはA、T、CまたはG; YはTまたはC; YがCのとき、ZはA、T、CまたはG; YがTのとき、ZはAまたはG: HはA、TまたはC; QはTまたはA; QがTのとき、RはCであってSはA、T、CまたはG; QがAのとき、RはGであってSはTまたはC; MはAまたはG; LはAまたはC; LがAのとき、NはAまたはG; LがCのとき、NはA、T、CまたはG; GLYはグリシン; ALAはアラニン; VALはバリン; LEUはロイシン; IEUはイソロイシン; SERはセリン; THRはスレオニン; PHEはフェニルアラニン; TYRはチロシン; TRPはトリプトファン; CYSはシステイン; METはメチオニン; ASPはアスパラギン酸; GLUはグルタミン酸; LYSはリジン; ARGはアルギニン; HISはヒスチジン; PROはプロリン; GLNはグルタミン; ASNはアスパラギン; をそれぞれ表す。〕
  2. 【請求項2】次のデオキシリボヌクレオチド配列から成
    る特許請求の範囲第1項記載α−インターフェロンGx−
    1遺伝子。
  3. 【請求項3】リーダー配列を含む次のデオキシリボヌク
    レオチド配列から成るα−インターフェロンGx−1遺伝
    子。
  4. 【請求項4】非暗号領域を含む次のデオキシリボヌクレ
    オチド配列から成るα−インターフェロンGx−1遺伝
    子。
  5. 【請求項5】α−インターフェロンGx−1遺伝子を含
    み、原核生物中で複製能力を持つプラスミド。
  6. 【請求項6】原核生物中でヒトα−インターフェロンGx
    −1をコードするデオキシリボヌクレオチド配列の転写
    および翻訳を指示し得るプロモータ、オペレータおよび
    翻訳開始配列を更に含む特許請求の範囲第5項記載のプ
    ラスミド。
  7. 【請求項7】原核生物がエッセリキア属のものである特
    許請求の範囲第5項記載のプラスミド。
  8. 【請求項8】プロモータ、オペレータおよび翻訳開始配
    列がエッセリキア属の微生物中で転写および翻訳を指示
    し得る特許請求の範囲第6項記載のプラスミド。
  9. 【請求項9】α−インターフェロンGx−1遺伝子を含
    み、原核生物中で複製能力を持つプラスミドによって形
    質転換された微生物。
  10. 【請求項10】微生物がエッセリキア属である特許請求
    の範囲第9項記載の微生物。
  11. 【請求項11】エッセリキア属がコリ種である特許請求
    の範囲第10項記載の微生物。
  12. 【請求項12】微生物がA3−26と命名されアメリカンタ
    イプカルチャーコレクションにATCC No.39063として寄
    託されたエッセリキアコリの属および種である特許請求
    の範囲第11項記載の微生物。
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