JPH08222145A

JPH08222145A - 電子銃および表示装置

Info

Publication number: JPH08222145A
Application number: JP2829895A
Authority: JP
Inventors: Yukinobu Iguchi; 如信井口; Tomohisa Asano; 智久浅野; Tsuneo Muchi; 常雄鞭
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1995-02-16
Filing date: 1995-02-16
Publication date: 1996-08-30

Abstract

(57)【要約】【目的】電圧供給のためのリード線などを不要とし、
所望の数だけ中間電極の数を増やすことが可能であり、
球面収差の改善を図り、しかも耐電圧を向上させ、組立
が容易な電子銃および表示装置を提供すること。【構成】電子ビーム通過孔を有する非金属電極４６〜
５２を、少なくとも一つの支持体５８に管軸方向に所定
間隔で二以上配置し、それぞれの非金属電極４６〜５２
に所定の電圧を印加して、集束レンズを構成する電子
銃。非金属電極４６〜５２は、たとえば低抵抗セラミッ
クで構成され、支持体５８は、高抵抗セラミックで構成
される。これらは導電性ペーストを介して焼成接着さ
れ、一体化される。この高抵抗セラミックで構成された
支持体５８を通して、各非金属電極４６〜５２へ電圧を
分圧して供給する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子銃と、その電子銃
を有する、たとえばプロジェクタ管、カラー受像管、イ
ンデックス管などの陰極線管、さらには、その陰極線管
を有する表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、陰極線管の電子銃としては、例え
ば図１２に示すようなものが知られている。この電子銃
はバイポテンシャル型のものであり、電子を放出すべき
カソードＫに対して、制御電極１、第１加速電極２、第
２加速電極３、プリレンズ電極４、フォーカス電極５、
中間電極６，７、最終加速電極（アノード電極）８が、
管軸（Ｚ軸）方向に配される。カソードＫと電極１〜８
は、その両側から管軸方向に伸びるビードガラス１０，
１０により固定される。

【０００３】従来では、主レンズが、フォーカス電極
５、中間電極６，７および最終加速電極８で構成され、
これら電極は電子ビーム通過孔を有する金属製筒体で構
成される。中間電極６，７は、電子銃の球面収差を改善
してスクリーン上のスポット径を小さくする目的で、主
レンズ軸上の電位勾配を緩くするように、所定の中間電
圧が供給され、フォーカス電極５と最終加速電極８との
間に設けられる。

【０００４】フォーカス電極５には、陰極線管（以下、
ＣＲＴとも言う）のステム側からリード線によりフォー
カス電圧が供給され、最終加速電極８には、ＣＲＴのフ
ァンネル側から高電圧（アノード電圧）が供給される。
また、中間電極６，７への電圧供給は、一方のビードガ
ラス１０に沿って配置された抵抗パターン付セラミック
板１１を用いて行われる。

【０００５】抵抗パターン付セラミック板１１は、図１
３に示すように、抵抗パターン１２が形成してある。抵
抗パターンの一方の端部が、金属リード線１３を通して
ＣＲＴのステムに接続され、低電圧が供給され、他方の
端部が金属リード線１４を通して最終加速電極８に接続
され、アノード電圧が供給される。この抵抗パターン１
２の途中を金属リード線１５，１６を通して、中間電極
６，７にそれぞれ接続することで、中間電極６，７に分
圧された所定の中間電圧を供給している。これら金属リ
ード線１３〜１６は、金属リベットなどで抵抗パターン
１２に接続される。

【０００６】制御電極１により制御されてカソードＫか
ら放出される電子ビームは、第１および第２加速電極
２，３により加速され、プリフォーカス電極４でプリフ
ォーカスされ、主レンズを構成する電極５〜８の働きに
より蛍光面（スクリーン）上に集束される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の陰極線管の電子
銃では、金属製の中間電極６，７を、フォーカス電極５
と最終加速電極８との間に配置しているが、１枚あるい
は二枚程度の中間電極６，７では、球面収差の改善効果
が不十分であり、理想的には、４〜５枚程度の中間電極
が必要である。

【０００８】ところが、この場合、多数のリード線が必
要となり、電子銃の組立の複雑化や信頼性の低下（特
に、放電や、リード線からのストレーエミッションなど
である）をもたらす。また、抵抗パターン付セラミック
板１１から多数のリード線を取り出すための方法が困難
であるなどの課題を有する。

【０００９】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、電圧供給のためのリード線などを不要とし、所望の
数だけ中間電極の数を増やすことが可能であり、球面収
差の改善を図り、しかも耐電圧を向上させ、組立が容易
な電子銃および表示装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る電子銃は、電子ビーム通過孔を有する
非金属電極を、少なくとも一つの支持体に管軸方向に所
定間隔で二以上配置し、それぞれの非金属電極に所定の
電圧を印加して、集束レンズを構成することを特徴とす
る。

【００１１】本発明に係る表示装置は、電子ビーム通過
孔を有する非金属電極を、少なくとも一つの支持体に管
軸方向に所定間隔で二以上配置し、それぞれの非金属電
極に所定の電圧を印加して、集束レンズを構成する電子
銃を持つことを特徴とする。前記支持体が板状の高抵抗
セラミックで構成され、この支持体を通して、前記各非
金属電極へ電圧を分圧して供給することが好ましい。高
抵抗セラミックの体積抵抗率は、１０¹⁰〜１０¹²Ω・ｃ
ｍ程度であることが好ましい。

【００１２】前記非金属電極が、前記高抵抗セラミック
に導電性ペーストにより接着してあることが好ましい。
前記支持体が、板状の絶縁体で構成され、その絶縁体の
表面には、前記非金属電極が所定間隔で配置され、これ
ら非金属電極間に位置する絶縁体の表面には、隣接する
非金属電極を接続する抵抗を形成しても良い。

【００１３】前記非金属電極のうちの一つと、電子銃の
第２加速電極とを電気的に接続することもできる。前記
非金属電極は、低抵抗セラミックで構成されることが好
ましい。低抵抗セラミックの体積抵抗率は、１０⁷ Ω・
ｃｍ程度以下であることが好ましい。

【００１４】

【作用】本発明に係る電子銃およびそれを用いた表示装
置では、非金属電極が支持体に支持されて管軸方向に配
置される構成であり、支持体自体または支持体の表面に
形成された抵抗を通して、各非金属電極に分圧された電
圧を供給する。したがって、各非金属電極に電圧を供給
するリード線が不要となり、非金属電極の数を増すこと
が容易になり、球面収差を大幅に改善し、蛍光画面にお
いて良好なスポット形状を得ることができる。

【００１５】また、非金属電極を、電圧供給手段を兼ね
る支持体で支持する構成なので、高電圧によるビードガ
ラスなどへのチャージアップが大幅に減り、耐電圧が向
上する。非金属電極を低抵抗セラミックで作製し、支持
体を高抵抗セラミックで構成することで、両者の熱膨張
率が略等しくなり、両者の組立精度が向上する。ちなみ
に、従来では、金属製電極をビードガラスで組み立てて
いたので、両者の熱膨張率の相違から、組立精度の改善
が困難であった。

【００１６】また、本発明では、前記非金属電極のうち
の一つと、電子銃の第２加速電極とを電気的に接続する
ことで、第２加速電極のために外部から電圧を供給する
必要がなくなる。従来では、フォーカス電極と第２加速
電極とを接続する場合もあったが、その場合には、中間
電極の数を増すことでフォーカス電極の電位が下がり、
それに応じて第２加速電極の電位も下がるおそれがあっ
た。このため、従来では、第２加速電極用に外部から電
圧を供給する必要があった。これに対して本発明では、
外部から電圧を供給することなく、所望の電圧を第２加
速電極に供給することができる。そのため、外部電源の
種類を減らすことができ、ソケットや回路を簡略化する
ことができる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明に係る電子銃および表示装置
を、図面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。ま
ず、図６に基づき、表示装置としてのテレビなどに用い
られるカラー陰極線管（ＣＲＴ）について説明する。

【００１８】図６に示すように、カラーＣＲＴ２０は、
パネルガラス２２と、ファンネルガラス２４とを有し、
これらがフリットガラス２６で融着され、内部が高真空
に維持されている。ファンネルガラス２４のネック部２
８に、電子銃３０が内蔵してある。パネルガラス２２の
内面には、蛍光面３２が形成してあり、その背面にアパ
ーチャグリル３４が装着してある。また、ネック部２８
の外周には、偏向ヨーク３６が装着してあり、電子銃３
０から放出・制御・加速・集束された３本の電子ビーム
は、偏向ヨーク３６によって偏向されることにより、蛍
光面３２の全面を走査するようになっている。

【００１９】本実施例に係る電子銃３０は、図１に示す
ように、バイポテンシャル型のものである。同図に示す
ように、本実施例においては、ネック管のステムの近傍
に電子を放出するためのカソードＫが設けられ、このカ
ソードＫに隣接して、制御電極４１、第１加速電極４
２、第２加速電極４３、プリレンズ電極４４およびフォ
ーカス電極４５が管軸（Ｚ軸）方向に配される。カソー
ドＫと電極４１〜４５は、その両側から管軸方向に伸び
るビードガラス５６，５６により固定される。

【００２０】本実施例では、フォーカス電極４５の蛍光
面側に、非金属電極組立体５９が管軸方向に連結してあ
る。非金属電極組立体５９は、一対の管軸方向に伸びる
支持体としての高抵抗セラミック板５８，５８間に、第
１〜第７非金属電極４６〜５２が管軸方向に所定間隔で
配置してある。第１〜第７非金属電極４６〜５２は、体
積抵抗率が１０⁷ Ω・ｃｍ以下程度の低抵抗セラミック
で構成される。

【００２１】低抵抗セラミックは、例えば８０〜８５重
量％のアルミナ（Ａｌ₂ Ｏ₃ ）中にＴｉ、Ｗ、Ｃｕ等の
酸化物を混合し焼結させて導電性をもたせた物質や、導
電性をもたせたフェライト、チタニア系セラミックス等
からなり、高耐圧性を有する絶縁物を主成分とする。セ
ラミックを低抵抗にするには、導電性成分を多くする、
還元性雰囲気中で焼成するなどの手段を採用することが
好ましい。

【００２２】第２〜第６非金属電極４７〜５１は、図３
に示すように、ＲＧＢ用の電子ビーム通過孔６４ｒ，６
４ｇ，６４ｂが形成された本体６６と、その本体の上下
に形成された接続部６８，６８とを有する。また、端部
に配置される第１非金属電極４６と第７非金属電極５２
とは、図４に示すように、電子ビーム通過孔６４ｒ，６
４ｇ，６４ｂと、４つの取付孔７０とが形成された低抵
抗セラミック板で構成される。

【００２３】これら非金属電極４６〜５２は、図３に示
すように、高抵抗セラミック板５８の表面に軸方向所定
間隔で塗布された導電性ペースト膜６０を介して、一対
の高抵抗セラミック板５８，５８間に焼成して接着さ
れ、一体化される。導電性ペースト膜６０を構成するペ
ーストとしては、たとえばＲｕＯ₂ −フリットガラスペ
ースト（商品名＃９５１６、デュポン社製など）などが
用いられる。このペースト膜６０の表面抵抗値は、１０
⁵ Ω／□以下である。

【００２４】高抵抗セラミック板５８は、非金属電極４
７〜５１を構成する低抵抗セラミックと同様に、例えば
８０〜８５重量％のアルミナ（Ａｌ₂ Ｏ₃ ）中にＴｉ、
Ｗ、Ｃｕ等の酸化物を混合し焼結させて導電性をもたせ
た物質や、導電性をもたせたフェライト、チタニア系セ
ラミックス等からなり、高耐圧性を有する絶縁物を主成
分とするが、低抵抗セラミックに比較して、導電性成分
が少なくしてある。この高抵抗セラミック板５８の体積
抵抗率は、好ましくは１０¹⁰〜１０¹²Ω・ｃｍである。
また、この高抵抗セラミック板５８の表面抵抗値は、１
０¹¹Ω／□程度である。このように、低抵抗セラミック
で構成される非金属電極４６〜５２の抵抗は、高抵抗セ
ラミック板５８に比較して数桁低いので、低抵抗セラミ
ックでの電圧降下はほとんど無視でき、低抵抗セラミッ
クで構成された電極４６〜５２は、従来の金属電極と等
価と見なせる。

【００２５】図１に示す非金属電極組立体５９の両端部
に配置される第１非金属電極４６と第７非金属電極５２
とは、図４に示す取付孔７０に導電性リベット（たとえ
ば金属）６２が圧入してある。これらリベット６２を介
して、非金属電極組立体５９は、図１に示すフォーカス
電極４５または最終加速電極（アノード電極）５４とス
ポット溶接などにより一体化されると共に、電気的に接
続される。これらリベット６２は、非金属組立体５９が
導電性ペースト膜６０を介しての焼成により一体化され
た後に、端部に配置される非金属電極４６，５２の取付
孔７０に圧入されるが、その焼成前に圧入されても良
い。

【００２６】図１に示すように、非金属電極組立体５９
が、ビードガラス５６により組み立てられたカソードお
よび金属電極群のフォーカス電極４５と、最終加速電極
５４とに組み付けられることにより、電子銃動作時に
は、非金属電極組立体５９に、図２に示すような等価回
路が形成される。すなわち、高抵抗セラミック板５８
に、低抵抗セラミックで構成された非金属電極４６〜５
４が管軸方向所定間隔位置（図２に示す接点Ｓ₁ 〜Ｓ₇
の位置）で接続されることにより、接点Ｓ₁ 〜Ｓ₇間
に、所定の抵抗ｒ₁ 〜ｒ₆ が形成される。接点Ｓ₁ は、
図１に示すフォーカス電極４５のフォーカス電圧に設定
され、接点Ｓ₇ は、図１に示す最終加速電極５４のアノ
ード電圧に設定される。接点Ｓ₂ 〜Ｓ₆ は、それぞれ第
２非金属電極４７〜第６非金属電極５１に接続されるの
で、これら電極４７〜５１には、抵抗ｒ ₁ 〜ｒ₆ により
分圧された所定の電圧が供給される。

【００２７】このため、電子銃３０の主レンズ構成部に
は、緩やかな軸方向電位部分布が形成され、球面収差を
改善することができる。なお、本実施例では、主レンズ
は、フォーカス電極４５と、第１〜第７非金属電極４６
〜５２で構成される。図５は、主レンズ構成部の中間電
極（第２〜第６非金属電極４７〜５１に相当する）の枚
数と、球面収差との関係を示す。図５に示すように、中
間電極の枚数が、３枚以上、好ましくは４枚以上におい
て、球面収差が著しく改善される。

【００２８】本実施例に係る電子銃３０およびそれを用
いた表示装置では、非金属電極組立体５９を有する構成
であり、支持体としての高抵抗セラミック板５８を通し
て、各非金属電極４６〜５２に分圧された電圧を供給す
る。したがって、各非金属電極４６〜５２に電圧を供給
するリード線が不要となり、非金属電極４６〜５２の数
を増すことが容易になり、球面収差を大幅に改善し、蛍
光画面において良好なスポット形状を得ることができ
る。

【００２９】また、非金属電極４６〜５２を、電圧供給
手段を兼ねる高抵抗セラミック板５８で支持する構成な
ので、高電圧によるビードガラスなどへのチャージアッ
プが大幅に減り、耐電圧が向上する。非金属電極４６〜
５２を低抵抗セラミックで作製し、これらを高抵抗セラ
ミック板５８に焼成接着する構成なので、両者の熱膨張
率が略等しくなり、両者の組立精度が向上する。ちなみ
に、従来では、金属製電極をビードガラスで組み立てて
いたので、両者の熱膨張率の相違から、組立精度の改善
が困難であった。

【００３０】図７は、本発明の別の実施例に係る電子銃
の側面図である。図７に示す実施例および以下に示すそ
の他の各実施例では、図１〜６に示す実施例と共通する
部材には共通する符号を付し、その説明を一部省略する
と共に、図示または記載されていない部分は、前記図１
〜６に示す実施例と同様な構成および作用を有する。

【００３１】図７に示す実施例では、非金属組立体５９
ａに一体化された非金属電極４６ａ〜５２ａのうちの一
つの電極４９ａと、電子銃の第２加速電極４３とを、金
属リード線７４を介して電気的に接続する。金属リード
線７４の一端は、図８に示すように、非金属電極４９ａ
の本体６６ａの上部に圧入された導電性（金属）リベッ
ト７２により非金属電極４９ａと電気的に接続される。
この非金属電極４９ａは、その他の電極４７ａ〜５１ａ
と同様に、本体６６ａと接続部６８ａとを有し、図３に
示す電極４７〜５１と同様な材質で構成される。また、
非金属電極組立体５９ａの軸方向両端に配置される非金
属電極４６ａ，５２ａは、図４に示す電極４６，５２と
同様な形状、構造および材質を有する。

【００３２】本実施例では、第２加速電極４３のために
外部から電圧を供給する必要がなくなる。従来では、フ
ォーカス電極４５と第２加速電極４３とを接続する場合
もあったが、その場合には、中間電極の数を増すことで
フォーカス電極の電位が下がり、それに応じて第２加速
電極４３の電位も下がるおそれがあった。このため、従
来では、第２加速電極用に外部から電圧を供給する必要
があった。これに対して本実施例では、適切な非金属電
極４９ａと第２加速電極４３とを接続することで、外部
から電圧を供給することなく、所望の電圧（６〜１０ｋ
Ｖ）を第２加速電極４３に供給することができる。その
ため、外部電源の種類を減らすことができ、ソケットや
回路を簡略化することができる。

【００３３】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。たとえば、非金属電極組立体５９または５
９ａに軸方向に所定間隔で配置される非金属電極４６〜
５２または４６ａ〜５２ａの数は特に限定されるもので
はなく、必要に応じて種々に改変することができる。た
だし、図１〜４に示す実施例に係るバイポテンシャル型
電子銃においては、図５に示すように、ＣＲＴの球面収
差を少なくする観点からは、好ましくは３枚以上、さら
に好ましくは４枚以上である。

【００３４】また、図１に示す実施例において、高抵抗
セラミック板５８は、非金属電極組立体５８の周囲に３
つ以上配置されても良く、あるいは単一であっても良
い。さらに、図１に示す非金属電極組立体５９におい
て、各非金属電極４６〜５２の軸方向配置間隔は、必ず
しも等間隔である必要はなく、不定間隔であっても良
い。また、非金属電極４６〜５２の形状は、図１〜４に
示す実施例に限定されず、種々に改変することができ
る。しかも、これら電極４６〜５２は、すべて同じ形状
である必要はなく、相互に異なっていてもよい。たとえ
ば、非金属電極に形成される電子ビーム通過孔は、白黒
テレビの場合には、単一である。

【００３５】また、図９に示すように、ある非金属電極
４９ｂの本体６６ｂに形成してある電子ビーム通過孔７
６を単一の横長形状とし、隣接する他の非金属電極５０
ｃの本体６６ｃに形成してある電子ビーム通過孔７８
ｒ，７８ｇ，７８ｂを、縦長形状としても良い。これら
非金属電極４９ｂ，５０ｃは、それぞれ本体６６ｂ，６
６ｃと接続部６８ｂ，６８ｃとを有し、図３に示す電極
４７〜５１と同様な材質で構成される。

【００３６】このような組合せの非金属電極４９ｂ，５
０ｃを図１または図７に示すような非金属組立体５９，
５９ａ内に配置することで、四重極電界を発生させ、画
面センターおよび画面周辺での電子ビームの非点収差を
改善することができる。図１０は、支持体の変形例を示
す。この支持体５８ａは、図１または図７に示す実施例
またはその他の実施例において用いられる高抵抗セラミ
ック板５８の代わりに用いられるものである。この支持
体５８ａは、通常のセラミック、ガラス板、またはその
他の絶縁体で構成される絶縁板８４の表面に、所定間隔
で導電性ペースト膜６０ａが形成してあると共に、これ
らの導電製ペースト膜６０ａ間に位置する絶縁板８４の
表面に、これらペースト膜６０ａ間を接続する抵抗パタ
ーン膜８０が形成してある。各ペースト膜６０ａを介し
て、前記実施例の非金属電極４６〜５２，４６ａ〜５２
ａ、４９ｂ，５０ｃなどが、支持体５８ａに対して、軸
方向所定間隔で焼成接着して一体化される。各非金属電
極には、抵抗パターン膜８０により分圧された電圧が印
加される。

【００３７】本実施例でも、前記実施例と同様な作用を
奏する。さらに、上述した実施例では、主レンズ構成部
のみを、非金属電極組立体５９で構成したが、電子銃に
用いられる全ての電極あるいはその他の一部の電極群
を、図１〜４に示すような非金属電極組立体５９で構成
することもできる。

【００３８】さらにまた、上述した実施例では、本発明
に係る非金属電極組立体を用いて、バイポテンシャル型
電子銃を組み立てたが、図１１に示すように、図１また
は図７に示すものと同様な非金属電極組立体５９ｂ，５
９ｃの間に、低抵抗セラミックなどで構成された非金属
電極８２を配置するなどして、ユニポテンシャル型電子
銃にも本発明を応用することができる。

【００３９】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、各非金属電極に電圧を供給するリード線が不要とな
り、非金属電極の数を増すことが容易になり、球面収差
を大幅に改善し、蛍光画面において良好なスポット形状
を得ることができる。

【００４０】また、本発明では、高電圧によるビードガ
ラスなどへのチャージアップが大幅に減り、耐電圧が向
上する。さらに本発明では、非金属電極を低抵抗セラミ
ックで作製し、支持体を高抵抗セラミックで構成するこ
とで、両者の熱膨張率が略等しくなり、両者の組立精度
が向上する。

【００４１】また、本発明では、前記非金属電極のうち
の一つと、電子銃の第２加速電極とを電気的に接続する
ことで、第２加速電極のために外部から電圧を供給する
必要がなくなる。そのため、外部電源の種類を減らすこ
とができ、ソケットや回路を簡略化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例に係る電子銃の概略側
面図である。

【図２】図２は図１に示す非金属電極組立体の等価回路
図である。

【図３】図３は図１に示す非金属電極組立体の分解図で
ある。

【図４】図４は図１に示す非金属電極の一例を示す斜視
図である。

【図５】図５は中間電極の数と球面収差との関係を示す
図である。

【図６】図６はＣＲＴの概略図である。

【図７】図７は本発明の他の実施例に係る電子銃の概略
側面図である。

【図８】図８は図７に示す非金属電極の一例を示す斜視
図である。

【図９】図９は本発明のその他の実施例で用いる非金属
電極の斜視図である。

【図１０】図１０は本発明のその他の実施例で用いる支
持体の斜視図である。

【図１１】図１１は本発明のその他の実施例に係る電子
銃の概略構成図である。

【図１２】図１２は従来例に係る電子銃の概略側面図で
ある。

【図１３】図１３は図１２に示す抵抗パターン付セラミ
ック板の平面図である。

【符号の説明】

２０… ＣＲＴ３０… 電子銃４１〜４５… 電極（金属製）４６〜５２，４６ａ〜５２ａ，４９ｂ，５０ｃ… 非金
属電極５４… 最終加速電極５６… ビードガラス５８… 高抵抗セラミック板５８ａ… 支持体６０，６０ａ… 導電製ペースト膜６４ｒ，６４ｇ，６４ｂ，７６，７８ｒ，７８ｇ，７８
ｂ… 電子ビーム通過孔８０… 抵抗パターン膜８４… 絶縁板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電子ビーム通過孔を有する非金属電極
を、少なくとも一つの支持体に管軸方向に所定間隔で二
以上配置し、それぞれの非金属電極に所定の電圧を印加
して、静電レンズを構成する電子銃。
【請求項２】前記支持体が板状の高抵抗セラミックで
構成され、この支持体を通して、前記各非金属電極へ電
圧を分圧して供給する請求項１に記載の電子銃。
【請求項３】前記非金属電極が、前記高抵抗セラミッ
クに導電性ペーストにより接着してある請求項２に記載
の電子銃。
【請求項４】前記支持体が、板状の絶縁体で構成さ
れ、その絶縁体の表面には、前記非金属電極が所定間隔
で配置され、これら非金属電極間に位置する絶縁体の表
面には、隣接する非金属電極を接続する抵抗が形成して
ある請求項１に記載の電子銃。
【請求項５】前記非金属電極のうちの一つと、電子銃
の第２加速電極とを電気的に接続する請求項１〜４のい
ずれかに記載の電子銃。
【請求項６】電子ビーム通過孔を有する非金属電極
を、少なくとも一つの支持体に管軸方向に所定間隔で二
以上配置し、それぞれの非金属電極に所定の電圧を印加
して、集束レンズを構成する電子銃を持つ表示装置。
【請求項７】前記支持体が板状の高抵抗セラミックで
構成され、この支持体を通して、前記各非金属電極へ電
圧を分圧して供給する請求項６に記載の表示装置。
【請求項８】前記非金属電極が、前記高抵抗セラミッ
クに導電性ペーストにより接着してある請求項７に記載
の表示装置。
【請求項９】前記支持体が、板状の絶縁体で構成さ
れ、その絶縁体の表面には、前記非金属電極が所定間隔
で配置され、これら非金属電極間に位置する絶縁体の表
面には、隣接する非金属電極を接続する抵抗が形成して
ある請求項６に記載の表示装置。
【請求項１０】前記非金属電極のうちの一つと、電子
銃の第２加速電極とを電気的に接続する請求項６〜９の
いずれかに記載の表示装置。