JPH08221828A - 低反射面を有する光記録担体 - Google Patents
低反射面を有する光記録担体Info
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- JPH08221828A JPH08221828A JP7029222A JP2922295A JPH08221828A JP H08221828 A JPH08221828 A JP H08221828A JP 7029222 A JP7029222 A JP 7029222A JP 2922295 A JP2922295 A JP 2922295A JP H08221828 A JPH08221828 A JP H08221828A
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- refractive index
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- light
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/52—PV systems with concentrators
Landscapes
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 光ディスクなどの光磁気記録担体において、
信号の読み出し側面の入射光及び/或いは反射光の記録
面への到達効率を高めて、より明瞭な記録信号を読み出
すことが可能なものを提供すること。 【構成】 レーザ光線の入射光及び/或いは反射光によ
り読み出し得る光記録担体上に、前記入射光及び/或い
は反射光の波長に相当するレーザ光線の記録面への到達
効率を高めるために、基板表面にSiO2 の超微粒子層
を設けるようにしたものであり、これにより、屈折率を
連続的に変化させて反射光を低減できる。又、前記超微
粒子層を転写することで、低反射面の再現が容易とな
り、更に、半球形状の微細な凹部に、更に屈折率の小さ
い物質を充填することで反射率をおさえるとともに汚れ
の付着しにくいものとなる。転写するための母型に金属
メッキ層を利用するスタンパーを用いると精度の高い転
写を行なうことができる。
信号の読み出し側面の入射光及び/或いは反射光の記録
面への到達効率を高めて、より明瞭な記録信号を読み出
すことが可能なものを提供すること。 【構成】 レーザ光線の入射光及び/或いは反射光によ
り読み出し得る光記録担体上に、前記入射光及び/或い
は反射光の波長に相当するレーザ光線の記録面への到達
効率を高めるために、基板表面にSiO2 の超微粒子層
を設けるようにしたものであり、これにより、屈折率を
連続的に変化させて反射光を低減できる。又、前記超微
粒子層を転写することで、低反射面の再現が容易とな
り、更に、半球形状の微細な凹部に、更に屈折率の小さ
い物質を充填することで反射率をおさえるとともに汚れ
の付着しにくいものとなる。転写するための母型に金属
メッキ層を利用するスタンパーを用いると精度の高い転
写を行なうことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録担体の記録
の読み出し側における光の表面反射防止技術に関する。
の読み出し側における光の表面反射防止技術に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録担体はディスク状のものが一
般的であり収納性が良いものである。従って光磁気記録
担体は光ディスクと呼ばれている。その用途により再生
専用ディスク、書き込み可能型ディスク、書換え可能型
ディスクがある。基板の記録面にはデータの転写あるい
は書き込みが行なわれ、この記録をレーザ光で読み出し
て再生する。
般的であり収納性が良いものである。従って光磁気記録
担体は光ディスクと呼ばれている。その用途により再生
専用ディスク、書き込み可能型ディスク、書換え可能型
ディスクがある。基板の記録面にはデータの転写あるい
は書き込みが行なわれ、この記録をレーザ光で読み出し
て再生する。
【0003】光磁気記録担体の書き込みや読み出しに用
いるレーザ光は太陽光と異なり、単一波長で且つ重量を
持たない光であり、直進性と集光性のきわめて優れた光
であるとされている。波長も発光源によって異なるが、
光磁気記録あるいは再生においては、633nm、83
0nmなどのレーザ光線が多く用いられており、これら
レーザ光線は、可視光の波長範囲の上限近傍にある。
いるレーザ光は太陽光と異なり、単一波長で且つ重量を
持たない光であり、直進性と集光性のきわめて優れた光
であるとされている。波長も発光源によって異なるが、
光磁気記録あるいは再生においては、633nm、83
0nmなどのレーザ光線が多く用いられており、これら
レーザ光線は、可視光の波長範囲の上限近傍にある。
【0004】レーザ光は透明体を透過するときその透明
体の屈折率に従い屈折し、鏡面では反射する。光記録担
体はピットの長短で信号を記録するが、ピットの深さを
0.1μm程度に設定しており、信号の読み出しにおい
て、レーザスポットをピット部分及びその周辺に亘り照
射した際、光路差で生ずる反射光の干渉によりピット部
分の反射光が減少することを利用し、この反射光の有無
とピットの長さをディジタル信号に変換するようになっ
ている。
体の屈折率に従い屈折し、鏡面では反射する。光記録担
体はピットの長短で信号を記録するが、ピットの深さを
0.1μm程度に設定しており、信号の読み出しにおい
て、レーザスポットをピット部分及びその周辺に亘り照
射した際、光路差で生ずる反射光の干渉によりピット部
分の反射光が減少することを利用し、この反射光の有無
とピットの長さをディジタル信号に変換するようになっ
ている。
【0005】レーザ光が透明体を透過する際、レーザ光
全てが透過する訳ではなくその一部は表面で反射する。
反射率は物質固有の屈折率を基に算出できる。フレネル
の公式 R={(ng−n0)(ng+n0)}2 を用いて光ディスクに用いられている樹脂であるポリカ
ーボネート,アクリルの反射率を計算すると、それぞれ
片面で5.2%、3.9%となる。現状光ディスクにお
いては透明部材表面の反射防止対策は行なわれていな
い。ここでngは基材の屈折率、n0 は空気屈折率であ
る。
全てが透過する訳ではなくその一部は表面で反射する。
反射率は物質固有の屈折率を基に算出できる。フレネル
の公式 R={(ng−n0)(ng+n0)}2 を用いて光ディスクに用いられている樹脂であるポリカ
ーボネート,アクリルの反射率を計算すると、それぞれ
片面で5.2%、3.9%となる。現状光ディスクにお
いては透明部材表面の反射防止対策は行なわれていな
い。ここでngは基材の屈折率、n0 は空気屈折率であ
る。
【0006】光ディスクの読み出し側に位置する透明部
材の表面の反射を低減する方法として、光の干渉を利用
する方法、例えば金属類を真空蒸着法により薄膜として
形成し反射光の干渉を行なわしめる手法は好ましくな
く、屈折率を連続的に変化させて反射光を低減する方法
の方が光の位相に影響を及ぼさないため有利である。
材の表面の反射を低減する方法として、光の干渉を利用
する方法、例えば金属類を真空蒸着法により薄膜として
形成し反射光の干渉を行なわしめる手法は好ましくな
く、屈折率を連続的に変化させて反射光を低減する方法
の方が光の位相に影響を及ぼさないため有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、光ディスクの読み出し側に連続的に屈折率が変化す
る層を形成することで、低反射面を有するものを提供せ
んとするものである。
は、光ディスクの読み出し側に連続的に屈折率が変化す
る層を形成することで、低反射面を有するものを提供せ
んとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザ光線の
入射光及び/或いはその反射光により読み出される記録
を有する担体上に、前記光線の入射光及び/或いはその
反射光の波長に相当するレーザ光線の記録面への到達効
率及び記録面からの反射光の到達効率を高めるための屈
折率が連続的に変化する超微粒子層を少なくとも一部に
設けるものである。
入射光及び/或いはその反射光により読み出される記録
を有する担体上に、前記光線の入射光及び/或いはその
反射光の波長に相当するレーザ光線の記録面への到達効
率及び記録面からの反射光の到達効率を高めるための屈
折率が連続的に変化する超微粒子層を少なくとも一部に
設けるものである。
【0009】又、上記超微粒子にSiO2 を用いるよう
にする。
にする。
【0010】第二の発明は、超微粒子層を母型にして表
面形状を転写して成る層を形成することである。
面形状を転写して成る層を形成することである。
【0011】更に、転写された面の微細な凹部に、該凹
部を構成する物質の屈折率より小さな屈折率を有する物
質を充填して光線の到達率を高めるようにする。
部を構成する物質の屈折率より小さな屈折率を有する物
質を充填して光線の到達率を高めるようにする。
【0012】又、超微粒子層を転写して得られる転写面
を母型にして、半球形状の微細な凸部を連設して連続的
に屈折率を変化させるものである。
を母型にして、半球形状の微細な凸部を連設して連続的
に屈折率を変化させるものである。
【0013】
【実施例1】アクリル樹脂を基板とするコンパクトディ
スク上面を純水で洗浄し乾燥後、該コンパクトディスク
をエチルシリケート,エタノール,IPA,MEKなど
と、エチルシリケートを加水分解させるための水と硝酸
などが混合された溶液(S408,旭硝子(株)製)と8
0nmの粒径をもつSiO2 をエタノールに20wt%
分散させた混合溶液に浸し、垂直に毎秒0.98mmの
速度で引上げ、揮発成分が蒸発した後、60℃で30分
加熱乾燥した。その表面は紫色の色調を示すものであっ
た。この状況を模式的に図1に示す。1はSiO2 の超
微粒子、2はアクリル樹脂基板、3は記録面、4はアル
ミ反射膜、5は保護コート材である。
スク上面を純水で洗浄し乾燥後、該コンパクトディスク
をエチルシリケート,エタノール,IPA,MEKなど
と、エチルシリケートを加水分解させるための水と硝酸
などが混合された溶液(S408,旭硝子(株)製)と8
0nmの粒径をもつSiO2 をエタノールに20wt%
分散させた混合溶液に浸し、垂直に毎秒0.98mmの
速度で引上げ、揮発成分が蒸発した後、60℃で30分
加熱乾燥した。その表面は紫色の色調を示すものであっ
た。この状況を模式的に図1に示す。1はSiO2 の超
微粒子、2はアクリル樹脂基板、3は記録面、4はアル
ミ反射膜、5は保護コート材である。
【0014】透明部材の表面における反射光を低減させ
るために、連続的に屈折率を変化させる仕組みを図2を
用いて説明する。空気側から基板方向へ向けて任意の位
置の微小深さdxに対する屈折率は、空気の屈折率N
o、粒子の屈折率Ng、粒子の体積Vdxとすると微小
深さの平均的屈折率Ndxは次式で示して良い。 Ndx=Ng・Vdx+No(1−Vdx) 従ってSiO2 の微粒子1を固着する固着剤6の屈折率
を基板2の屈折率に等しいか近似するものとするのが好
ましい。このようにして空気の屈折率:1から基板の屈
折率へ順次変化させることができる。
るために、連続的に屈折率を変化させる仕組みを図2を
用いて説明する。空気側から基板方向へ向けて任意の位
置の微小深さdxに対する屈折率は、空気の屈折率N
o、粒子の屈折率Ng、粒子の体積Vdxとすると微小
深さの平均的屈折率Ndxは次式で示して良い。 Ndx=Ng・Vdx+No(1−Vdx) 従ってSiO2 の微粒子1を固着する固着剤6の屈折率
を基板2の屈折率に等しいか近似するものとするのが好
ましい。このようにして空気の屈折率:1から基板の屈
折率へ順次変化させることができる。
【0015】図2からすると微粒子の直径が大きい方が
良いように見えるが、実験的には粒子径が600nm程
度のもの以上で乱反射が目立ち始める。逆に粒子径が1
0nm以下になると表面の形状が平滑になり反射光が増
加する。微粒子を直径10nmから600nmの間で5
0nmの間隔毎に設けたものを設定実験して反射率を考
察した結果、50nmから200nmの間の粒径が適切
であることが判明した。特に本発明に関しては、光ディ
スクに使用されるレーザ光の波長が600nmから80
0nmの範囲であるから、この近辺で反射光が低くなる
ことが望ましい。反射率の測定をする場合、図1の状態
での測定はできないので、別途同一素材を用い図3に示
すように、超微粒子を固着した面に対し反対側の面を平
面となし黒色に着色して光の吸収面7を作り、試験体8
とした。2−1はアクリル樹脂板である。ここで微粒子
の直径80nmを使用したときの反射率を図4の曲線A
に示す。600nmから800nmの範囲で反射率は
0.5%以下となっている。
良いように見えるが、実験的には粒子径が600nm程
度のもの以上で乱反射が目立ち始める。逆に粒子径が1
0nm以下になると表面の形状が平滑になり反射光が増
加する。微粒子を直径10nmから600nmの間で5
0nmの間隔毎に設けたものを設定実験して反射率を考
察した結果、50nmから200nmの間の粒径が適切
であることが判明した。特に本発明に関しては、光ディ
スクに使用されるレーザ光の波長が600nmから80
0nmの範囲であるから、この近辺で反射光が低くなる
ことが望ましい。反射率の測定をする場合、図1の状態
での測定はできないので、別途同一素材を用い図3に示
すように、超微粒子を固着した面に対し反対側の面を平
面となし黒色に着色して光の吸収面7を作り、試験体8
とした。2−1はアクリル樹脂板である。ここで微粒子
の直径80nmを使用したときの反射率を図4の曲線A
に示す。600nmから800nmの範囲で反射率は
0.5%以下となっている。
【0016】
【実施例2】本実施例では転写により光記録担体に反射
防止層を形成した例を説明する。直径12cm、厚さ5
mmの光学用ガラス円板を用意し純水で洗浄乾燥させ
る。実施例1に用いた溶液のうち80nmのSiO2 超
微粒子に替えて100nmの粒径の超微粒子を20wt
%分散させた溶液に前記ガラス円板を浸漬し、垂直に速
度0.7mm/秒で引き上げた。揮発成分が蒸発した
後、300℃で一時間加熱した。そして室温になる迄減
温してガラス板を加熱炉から取り出し、超音波洗浄して
これを母型として準備する。VDあるいはCDの記録面
を転写する際、射出成形の一方の母型として上記母型を
使用した。その成型面を図5に断面として模式的に示
す。成型面9はSiO2 の球面のほぼ半分を転写した状
況である。2−2はアクリル樹脂板である。この面の反
射率を測定する場合、図5の状態では測定できないので
別途図6のようにアクリル樹脂板2−2の片側に凹凸の
成型面9を形成し他の側を平面となし、該平面を黒色に
着色して光の吸収面7からなる試験体10を作り成形面
9の反射率を測定したところ図4に示す曲線Bとして結
果を得た。この場合波長550nm近辺で最も低い反射
率を示している。本実施例では超微粒子の形状を転写す
る関係上超微粒子はSiO2 に限らず、ZrO2 ,Ti
O2 なども使用できる。但し球形が好ましい。
防止層を形成した例を説明する。直径12cm、厚さ5
mmの光学用ガラス円板を用意し純水で洗浄乾燥させ
る。実施例1に用いた溶液のうち80nmのSiO2 超
微粒子に替えて100nmの粒径の超微粒子を20wt
%分散させた溶液に前記ガラス円板を浸漬し、垂直に速
度0.7mm/秒で引き上げた。揮発成分が蒸発した
後、300℃で一時間加熱した。そして室温になる迄減
温してガラス板を加熱炉から取り出し、超音波洗浄して
これを母型として準備する。VDあるいはCDの記録面
を転写する際、射出成形の一方の母型として上記母型を
使用した。その成型面を図5に断面として模式的に示
す。成型面9はSiO2 の球面のほぼ半分を転写した状
況である。2−2はアクリル樹脂板である。この面の反
射率を測定する場合、図5の状態では測定できないので
別途図6のようにアクリル樹脂板2−2の片側に凹凸の
成型面9を形成し他の側を平面となし、該平面を黒色に
着色して光の吸収面7からなる試験体10を作り成形面
9の反射率を測定したところ図4に示す曲線Bとして結
果を得た。この場合波長550nm近辺で最も低い反射
率を示している。本実施例では超微粒子の形状を転写す
る関係上超微粒子はSiO2 に限らず、ZrO2 ,Ti
O2 なども使用できる。但し球形が好ましい。
【0017】
【実施例3】実施例2で説明した図6に示される片面に
凹凸状の成形面9を形成したアクリル樹脂板2−2にお
いて、成形面9の凹面に対し、アクリル樹脂の屈折率よ
り小さい屈折率を有する樹脂を充填する。アクリル樹脂
に対する二次密着は強固なものが得にくいところである
が、100nmという微小な凹面自体にアンカー効果が
期待できることに加えて紫外線による表面改質も行なっ
た。塗布液として屈折率1.36のフッ素系コーティン
グ剤(フロラードFC−722、住友スリーエム(株)
製)を使用した。膜厚調整と凹部への流入を容易にする
ために、溶剤フロリナート(同社製)で、30%希釈を
行ないディッピング法で塗布した。模式図を図7に断面
図として示す。11はフッ素系コーティング膜である。
この試験体10aの表面反射率を図4における曲線Cで
示す。傾向としては実施例2と同様であるが形状による
屈折率の連続的変化に加え、空気との界面に1.36と
いう低屈折率物質が存在するため、試験体10aの反射
率は600mm近辺で0.1%程度改善された。又、表
面に指紋などの汚れが付着しにくい点など実用面で有効
である。
凹凸状の成形面9を形成したアクリル樹脂板2−2にお
いて、成形面9の凹面に対し、アクリル樹脂の屈折率よ
り小さい屈折率を有する樹脂を充填する。アクリル樹脂
に対する二次密着は強固なものが得にくいところである
が、100nmという微小な凹面自体にアンカー効果が
期待できることに加えて紫外線による表面改質も行なっ
た。塗布液として屈折率1.36のフッ素系コーティン
グ剤(フロラードFC−722、住友スリーエム(株)
製)を使用した。膜厚調整と凹部への流入を容易にする
ために、溶剤フロリナート(同社製)で、30%希釈を
行ないディッピング法で塗布した。模式図を図7に断面
図として示す。11はフッ素系コーティング膜である。
この試験体10aの表面反射率を図4における曲線Cで
示す。傾向としては実施例2と同様であるが形状による
屈折率の連続的変化に加え、空気との界面に1.36と
いう低屈折率物質が存在するため、試験体10aの反射
率は600mm近辺で0.1%程度改善された。又、表
面に指紋などの汚れが付着しにくい点など実用面で有効
である。
【0018】
【実施例4】先の実施例で示したガラス基板上にSiO
2 の直径100nmである超微粒子を固着した母型を用
いてスタンパーを作成し転写する手法を説明する。図8
に示すように実施例2で用いた母型12を超音波洗浄後
真空蒸着によりニッケル蒸着層13を形成する。この蒸
着層を電極として、ニッケルメッキを行ないニッケルメ
ッキ層14を形成する。この工程は光ディスク原盤作成
工程と同様である。該メッキ層14を剥離しスタンパー
15を得る。線膨張係数を近似させるためニッケル合金
板16を鏡面研磨したものに、スタンパー15を耐熱接
着剤で接着し母型17を得る(図9)。母型17を用い
てアクリル樹脂を射出成形し試験体18(図10)を得
る。該試験体18に黒色に塗装した光吸収面7を施して
成形面19の反射率を測定し図4における曲線Dを得
た。この曲線の傾向は、SiO2 の超微粒子の直径が1
20nmでガラス基板上に一層配列された反射光の傾向
に類似する。これは微細な凸部を構成する材質がSiO
2 と異なり、アクリル樹脂であることが一因と考えられ
る。
2 の直径100nmである超微粒子を固着した母型を用
いてスタンパーを作成し転写する手法を説明する。図8
に示すように実施例2で用いた母型12を超音波洗浄後
真空蒸着によりニッケル蒸着層13を形成する。この蒸
着層を電極として、ニッケルメッキを行ないニッケルメ
ッキ層14を形成する。この工程は光ディスク原盤作成
工程と同様である。該メッキ層14を剥離しスタンパー
15を得る。線膨張係数を近似させるためニッケル合金
板16を鏡面研磨したものに、スタンパー15を耐熱接
着剤で接着し母型17を得る(図9)。母型17を用い
てアクリル樹脂を射出成形し試験体18(図10)を得
る。該試験体18に黒色に塗装した光吸収面7を施して
成形面19の反射率を測定し図4における曲線Dを得
た。この曲線の傾向は、SiO2 の超微粒子の直径が1
20nmでガラス基板上に一層配列された反射光の傾向
に類似する。これは微細な凸部を構成する材質がSiO
2 と異なり、アクリル樹脂であることが一因と考えられ
る。
【0019】上述のようにスタンパーを基板としての平
板やロールに固定し利用することができるために、光磁
気記録担体に限らず透明なフィルム、板などの表面に微
細凹凸面を形成できることになり、レンズ、ショーケー
ス、電子機器の数値表示パネル、太陽電池の表面材に使
用することができるようになるなど一層用途範囲が拡大
する。
板やロールに固定し利用することができるために、光磁
気記録担体に限らず透明なフィルム、板などの表面に微
細凹凸面を形成できることになり、レンズ、ショーケー
ス、電子機器の数値表示パネル、太陽電池の表面材に使
用することができるようになるなど一層用途範囲が拡大
する。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の反射防止
層を有する光ディスクなどの光磁気記録担体はレーザ光
の基板表面における反射光を低減させるとともに、記録
面からの反射光の到達効率を向上させるので記録をより
明瞭に読み出すことができる。これは空気とディスク表
面の干渉光が少ないのに起因している。
層を有する光ディスクなどの光磁気記録担体はレーザ光
の基板表面における反射光を低減させるとともに、記録
面からの反射光の到達効率を向上させるので記録をより
明瞭に読み出すことができる。これは空気とディスク表
面の干渉光が少ないのに起因している。
【図1】SiO2 からなる超微粒子層をアクリル樹脂基
板に設けた光記録担体を模式的に示す断面図。
板に設けた光記録担体を模式的に示す断面図。
【図2】図1の超微粒子層を拡大して示す模式断面図。
【図3】超微粒子層による光の透過率を試験するための
試験体の模式断面図。
試験体の模式断面図。
【図4】各試験体(A,B,C,D)における光の波長
と透過率の関係を示す曲線図。
と透過率の関係を示す曲線図。
【図5】超微粒子層を転写により設けた例を示す光記録
担体を模式的に示す断面図。
担体を模式的に示す断面図。
【図6】転写により得られる記録担体の透過率を試験す
るための試験体の模式断面図。
るための試験体の模式断面図。
【図7】転写により得られた微細凹部に屈折率の異なる
別の物質を充填した状態を示す試験体の模式断面図。
別の物質を充填した状態を示す試験体の模式断面図。
【図8】図3に示す母型に蒸着層を設け、更にその上に
メッキ層を設けたものを示す模式断面図。
メッキ層を設けたものを示す模式断面図。
【図9】図8よりメッキ層を剥離したスタンパーをニッ
ケル合金板に接着して母型とした状態を示す模式断面
図。
ケル合金板に接着して母型とした状態を示す模式断面
図。
【図10】図9に示す母型を用いて射出成形したアクリ
ル樹脂の試験体を示す模式断面図。
ル樹脂の試験体を示す模式断面図。
1 SiO2 の超微粒子 2,2−1,2−2 アクリル樹脂基板 3 記録面 7 光の吸収面 8,10,18 試験体 9 成型面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】レーザ光が透明体を透過する際、レーザ光
全てが透過する訳ではなくその一部は表面で反射する。
反射率は物質固有の屈折率を基に算出できる。フレネル
の公式 R={(ng−n0)/(ng+n0)}2 を用いて光ディスクに用いられている樹脂であるポリカ
ーボネート,アクリルの反射率を計算すると、それぞれ
片面で5.2%、3.9%となる。現状光ディスクにお
いては透明部材表面の反射防止対策は行なわれていな
い。ここでngは基材の屈折率、n0 は空気屈折率であ
る。
全てが透過する訳ではなくその一部は表面で反射する。
反射率は物質固有の屈折率を基に算出できる。フレネル
の公式 R={(ng−n0)/(ng+n0)}2 を用いて光ディスクに用いられている樹脂であるポリカ
ーボネート,アクリルの反射率を計算すると、それぞれ
片面で5.2%、3.9%となる。現状光ディスクにお
いては透明部材表面の反射防止対策は行なわれていな
い。ここでngは基材の屈折率、n0 は空気屈折率であ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【実施例3】実施例2で説明した図6に示される片面に
凹凸状の成形面9を形成したアクリル樹脂板2−2にお
いて、成形面9の凹面に対し、アクリル樹脂の屈折率よ
り小さい屈折率を有する樹脂を充填する。アクリル樹脂
に対する二次密着は強固なものが得にくいところである
が、100nmという微少な凹面自体にアンカー効果が
期待できることに加えて紫外線による表面改質も行なっ
た。塗布液として屈折率1.36のフッ素系コーティン
グ剤(フロラードFC−722、住友スリーエム(株)
製)を使用した。膜厚調整と凹部への流入を容易にする
ために、溶剤フロリナート(同社製)で、30%希釈を
行ないディッピング法で塗布した。模式図を図7に断面
図として示す。11はフッ素系コーティング膜である。
この試験体10aの表面反射率を図4における曲線Cで
示す。傾向としては実施例2と同様であるが形状による
屈折率の連続的変化に加え、空気との界面に1.36と
いう低屈折率物質が存在するため、試験体10aの反射
率は600nm近辺で0.1%程度改善された。又、表
面に指紋などの汚れが付着しにくい点など実用面で有効
である。
凹凸状の成形面9を形成したアクリル樹脂板2−2にお
いて、成形面9の凹面に対し、アクリル樹脂の屈折率よ
り小さい屈折率を有する樹脂を充填する。アクリル樹脂
に対する二次密着は強固なものが得にくいところである
が、100nmという微少な凹面自体にアンカー効果が
期待できることに加えて紫外線による表面改質も行なっ
た。塗布液として屈折率1.36のフッ素系コーティン
グ剤(フロラードFC−722、住友スリーエム(株)
製)を使用した。膜厚調整と凹部への流入を容易にする
ために、溶剤フロリナート(同社製)で、30%希釈を
行ないディッピング法で塗布した。模式図を図7に断面
図として示す。11はフッ素系コーティング膜である。
この試験体10aの表面反射率を図4における曲線Cで
示す。傾向としては実施例2と同様であるが形状による
屈折率の連続的変化に加え、空気との界面に1.36と
いう低屈折率物質が存在するため、試験体10aの反射
率は600nm近辺で0.1%程度改善された。又、表
面に指紋などの汚れが付着しにくい点など実用面で有効
である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
Claims (6)
- 【請求項1】 レーザ光線の入射光及び/或いはその反
射光により読み出し得る記録を有する担体上に、前記光
線の入射光及び/或いはその反射光の波長に相当するレ
ーザ光線の記録面への到達効率及び記録面からの反射光
の到達効率を高めるための屈折率が連続的に変化する超
微粒子層を少なくとも一部に設けてなる記録担体。 - 【請求項2】 請求項1に記載の超微粒子がSiO2 で
あることを特徴とする記録担体。 - 【請求項3】 請求項1の記録担体の超微粒子層を転写
してなる層を有する記録担体。 - 【請求項4】 請求項3において記録担体の超微粒子層
を転写して得られる微細な凹部に、該凹部を構成する物
質の屈折率より小さな屈折率を有する物質を充填してな
る記録担体。 - 【請求項5】 請求項1に記載の超微粒子層を転写して
得られる転写面を母型とし半球形状の繊細な凸部を設け
てなる記録担体。 - 【請求項6】 請求項1に記載の超微粒子層を転写して
得られる転写面を母型とし半球形状の繊細な凸部を設け
てなる透明樹脂フィルム又は板。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7029222A JPH08221828A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 低反射面を有する光記録担体 |
KR1019960705880A KR970702504A (ko) | 1995-02-17 | 1996-02-16 | 볼록 초미립자면 구조 |
CN96190116A CN1146810A (zh) | 1995-02-17 | 1996-02-16 | 凸超微粒子的表面结构 |
US08/732,482 US6075652A (en) | 1995-02-17 | 1996-02-16 | Convex-microgranular surface structure |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7029222A JPH08221828A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 低反射面を有する光記録担体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08221828A true JPH08221828A (ja) | 1996-08-30 |
Family
ID=12270193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7029222A Pending JPH08221828A (ja) | 1995-02-17 | 1995-02-17 | 低反射面を有する光記録担体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08221828A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6437918B1 (en) | 1996-07-22 | 2002-08-20 | Nippon Sheet Glass Co., Ltd. | Method of manufacturing flat plate microlens and flat plate microlens |
US7126905B2 (en) | 2000-09-29 | 2006-10-24 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Information recording medium and information recording/reproducing apparatus to increase recording density |
-
1995
- 1995-02-17 JP JP7029222A patent/JPH08221828A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6437918B1 (en) | 1996-07-22 | 2002-08-20 | Nippon Sheet Glass Co., Ltd. | Method of manufacturing flat plate microlens and flat plate microlens |
US7126905B2 (en) | 2000-09-29 | 2006-10-24 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Information recording medium and information recording/reproducing apparatus to increase recording density |
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