JPH08221543A - 紙葉類カウンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 分離計数モードにおいて異種紙葉類を検知し
た時や、異常紙葉類を検出した時に、当該異種紙葉類及
び異常紙葉類をスタッカに排出していたことに起因して
発生していた当該紙葉類の除去作業の繁雑化という不具
合を解消する。 【構成】 ホッパにセットされた紙葉類を搬送経路に送
り出す搬送系と、該搬送経路上に配置された識別センサ
と、識別センサの下流側に位置し搬送されてきた紙葉類
の先端部を隣接し合う羽根間で挟持して回転する羽根車
と、該羽根車の下流側に位置し該羽根車により挟持され
た紙葉類を受け取るスタッカと、上記識別センサからの
検知信号に基づいて上記搬送系及び羽根車の動作を制御
する制御部とを備えた紙葉類カウンタにおいて、上記識
別センサが搬送経路を連続通過する紙葉類中から異種も
しくは異常紙葉類を識別した時に上記制御部は、上記羽
根車に異種紙葉類が挟持されてから上記スタッカに移送
される前に該羽根車の回転を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は紙葉類カウンタに関し、
例えば銀行等の金融機関、証券会社等々、多量の紙幣を
取扱う業種において用いられる紙幣カウンタに関し、特
に紙幣枚数の計数のみならず、その真贋、種別等を識別
することができる紙葉類カウンタの制御装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来技術】紙幣、金券等々の紙葉類を取扱う紙葉類カ
ウンタは、単に紙葉類の枚数を計数するだけでなく、紙
葉類の真贋、種別（金種等）を識別する機能を併有して
おり、計数と同時に識別を行うことにより贋物や異種紙
葉類を選別して、より効率的な業務の遂行を可能として
いる。図３は従来の紙幣カウンタの内部構成を示す断面
図であり、紙幣セット部２１にセットされた図示しない
紙幣Ｐはフリクションローラ２３、サブローラ２４、及
びストップローラ２５の協働により最下部の紙幣から分
離されながら取り出され、装置内部の搬送経路に一枚づ
つ引き込まれる。この搬送経路は、フリクションローラ
２３の外周面から識別センサ２６を通過して、羽根車２
７に至る経路である。透過型のフォトセンサ（発光素
子、受光素子）から成る識別センサ２６は、これを構成
する両素子間を通過する紙幣の光学パターンを読み取
り、読み取られた光学パターンは図示しない信号処理部
に入力される。識別センサ２６を通過した紙幣は送り込
みローラ３０ａ、３０ｂによって羽根車２７を構成する
各羽根の間に送り込まれる。送り込みローラ３０ａ，３
０ｂによって送り出された紙幣は羽根２７ａ，２７ｂ間
に先端を差し込まれた状態となり、両羽根間に挟持され
たまま矢印で示す羽根車の回転方向へ回転して行き、ス
タッカ２８の上面に全ての紙幣が上記搬送経路を経て積
載完了すると、表示部２９には紙幣の全枚数、異常紙幣
・正常紙幣の各枚数、金種及び金種ごとの枚数等を表示
する。上記各部は、制御部１１によって制御される。

【０００３】制御部は、搬送経路内に送り出された紙幣
が識別センサ２６を通過したときに出力される信号に基
づいて、紙幣の計数、識別を行い、識別結果に応じた処
理を行う為に、各被制御対象２７、２９、２３、２４、
２５等に制御信号を出力する。羽根車２７は上記識別結
果に応じて回転、停止を行う。また、制御部１１は、全
紙幣の計数が完了したところで搬送系１３を停止させる
と共に、表示部９に計数、識別結果を表示する。

【０００４】また、上記従来の紙幣カウンタは、単純に
枚数をカウントするだけの通常計数モードの他に、計数
時に異種紙幣を分離することができる分離計数モードを
有する。即ち、通常計数モードにおいては全ての紙幣を
ノンストップで計数するが、分離計数モードでは例えば
千円札だけを計数したい場合には千円札以外の紙幣、例
えば一万円札を検出した場合には一万円札がスタッカ２
８上に移載された時点で搬送系を停止させ、スタッカ上
の紙幣のうちの最上部に位置する一万円札を人手により
取り除いた後で、再スタートスイッチを押すことにより
計数を再開して千円札だけをスタッカに収納するという
動作が行われる。しかし、スタッカ上に積層された紙幣
のうちから一枚だけを取り出すという作業は極めて煩雑
であり、紙幣カウンタの稼働率を低下させる原因となっ
ていた。

【０００５】また、搬送中の紙幣に重送、スキュー、破
損等の異常が検知された場合には、いずれも識別センサ
による正常な識別が不可能となる場合であるから、従来
は識別センサの位置で紙幣を停止させていたが、この紙
幣を除去する為には、装置の外装ケース等を開放する作
業が必要となり、これも稼働率を低下させる原因となっ
ていた。なお、異常紙幣をスタッカまで排出させずに搬
送経路の途中で停止させる理由は、例えばスキューの場
合にはスキューにより識別ができなかった異常紙幣をス
タッカまで送ってしまうと、スタッカ上に既に積層され
ている正常紙幣と区別できなくなるからである。また、
重送の場合に２枚以上の紙幣がスタッカ上に排出される
一方で、スキューと破損紙幣の場合には１枚の紙幣がス
タッカに排出されることになるが、スタッカに排出され
た後では、装置の停止により異常が発生したことが操作
者に報知されはするが、いずれの原因による異常紙幣が
スタッカ上に積載されているのか不明である為、スタッ
カ上の紙幣のうちの上から何枚目が異常紙幣であるのか
不明となり、その後の処理に窮することとなる。

【０００６】

【発明の目的】本発明は上記に鑑みてなされたものであ
り、分離計数モードと、異常紙幣検出時に稼働を停止さ
せる機能を備えた紙葉類カウンタにおいて、分離計数モ
ードにおいて異種紙葉類を検知した時や、異常紙葉類を
検出した時に、当該異種紙葉類及び異常紙葉類をスタッ
カに排出していたことに起因して発生していた当該紙葉
類の除去作業の繁雑化という不具合を解消することがで
きる紙葉類カウンタを提供することを目的としている。

【０００７】

【発明の概要】上記目的を達成するため本発明は、ホッ
パにセットされた紙葉類を搬送経路に送り出す搬送系
と、該搬送経路上に配置された識別センサと、識別セン
サの下流側に位置し搬送されてきた紙葉類の先端部を隣
接し合う羽根間で挟持して回転する羽根車と、該羽根車
の下流側に位置し該羽根車により挟持された紙葉類を受
け取るスタッカと、上記識別センサからの検知信号に基
づいて上記搬送系及び羽根車の動作を制御する制御部と
を備えた紙葉類カウンタにおいて、上記識別センサが搬
送経路を連続通過する紙葉類中から異種又は異常紙葉類
を識別した時に上記制御部は、上記羽根車に異種紙葉類
が挟持されてから上記スタッカに移送される前に該羽根
車の回転を停止させることを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施例】以下、添付図面に示した実施例により
本発明を詳細に説明する。図１は本発明の紙幣カウンタ
の内部構成を示す断面図であり、ケーシング１の上部に
設けられたホッパ２にセットされた紙幣Ｐはフリクショ
ンローラ３、サブローラ４、及びストップローラ５の協
働により最下部の紙幣から取り出されて分離され、装置
内部の搬送経路に一枚づつ引き込まれる。この搬送経路
は、フリクションローラ３の外周面から識別センサ６を
通過して、羽根車７に至る経路である。透過型のフォト
センサ（発光素子、受光素子）から成る識別センサ６
は、これを構成する両素子間を通過する紙幣の光学パタ
ーンを読み取り、読み取られた光学パターンは後述する
信号処理部に入力される。識別センサ６を通過した紙幣
は送り込みローラ１０ａ，１０ｂによって羽根車７を構
成する各羽根の間に送り込まれる。送り込みローラ１０
ａ，１０ｂによって送り出された紙幣は羽根７ａ，７ｂ
間に先端を差し込まれた状態となり、両羽根間に挟持さ
れたまま矢印で示す羽根車の回転方向へ回転して行き、
スタッカ８の上面に全ての紙幣が上記搬送経路を経て積
載完了すると、表示部９には紙幣の全枚数、異常紙幣・
正常紙幣の各枚数、金種及び金種ごとの枚数等を表示す
る。

【０００９】図２は、上記紙幣カウンタの回路構成を示
すブロック図であり、符号１１は制御部であり、例えば
ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、Ｉ／Ｏポート、データバス等
を備えたマイコンである。制御部１１は、羽根車７と、
表示部９と、スタートボタンやセレクトボタン等の操作
手段を備えた操作部１２と、フリクションローラ、サブ
ローラ及びストップローラ等を備えた搬送系１３と、信
号処理部１４等に接続されて信号の授受を行う様に構成
されている。なお、信号処理部１４の機能を制御部１１
に持たせてもよいことは勿論である。

【００１０】以上の構成を備えた紙幣カウンタにより紙
幣を計数する場合は、次の様に動作する。即ち、操作部
１２のスタートボタンがＯＮされると、制御部１１は搬
送系１３の駆動部に制御信号を出力してフリクションロ
ーラ３、サブローラ４及びストップローラ５、送り込み
ローラ１０ａ，１０ｂを作動させてホッパ１内の紙幣を
一枚づつ分離して搬送経路に送り出すと共に、信号処理
部１４に紙幣の計数、識別を開始させる旨の信号を出力
する。信号処理部１４は識別センサ６からの通過検知信
号に基づいて通過する紙幣の計数を行うと共に、識別セ
ンサ６が読み取った光学パターンを保持した基準パター
ンと比較して紙幣の真贋、種別、正常、異常等を識別
し、識別結果を制御部１１に出力する。制御部１１は、
当該識別結果に基づいて、識別結果に応じた処理を行う
為に、各被制御対象７、９、１３に制御信号を出力す
る。羽根車７は上記識別結果に応じて回転、停止を行
う。また、制御部１１は、全紙幣の計数が完了したとこ
ろで搬送系１３を停止させると共に、表示部９に計数、
識別結果を表示する。表示モードの指定はセレクトボタ
ンで行われ、種々のモードを表示できる。

【００１１】この紙幣カウンタは、通常計数モードの他
に、分離計数モードを有する。本発明の分離計数モード
に於ては、異金種を検出した時に該異金種紙幣の先端を
羽根車７の隣接し合う羽根間で挟持した状態で羽根車７
を所定角度回転移動し、ケーシング１の開口１Ａから紙
幣後端部がケース外部に突出した状態に移行した時に羽
根車の回転を停止させる。つまり異金種紙幣はスタッカ
上にスタックされる前にケーシングの開口部１Ａから外
部に一枚だけ突出した状態となるので、異金種の存在を
知ると同時に操作者はこの異金種紙幣を容易に取り出す
ことが可能となる。

【００１２】また、重送、スキュー、破損等の異常紙幣
であって識別が不可能なものが検出された場合にも制御
部１１は、当該異常紙幣をスタッカ上に排出する前に羽
根車７を停止させて羽根間に挟持された異常紙幣だけを
ケーシングの開口部１Ａから突出させた状態とするの
で、操作者は異常紙幣の存在を知ると同時にこれを容易
に取り出すことが可能となる。なお、上記実施例では、
紙幣カウンタを例示して説明したが、本発明は紙幣以外
の紙葉類、例えば金券等の券類、カード類等をカウント
する装置にも適用可能である。

【００１３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、分離計数
モードと、異常紙幣検出時に稼働を停止させる機能を備
えた紙葉類カウンタにおいて、分離計数モードにおいて
異種紙葉類を検知した時や、異常紙葉類を検出した時
に、当該異種紙葉類及び異常紙葉類をスタッカに排出し
ていたことに起因して発生していた当該紙葉類の除去作
業の繁雑化という不具合を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の紙葉類カウンタの構成説明
図。

【図２】図１の紙葉類カウンタの制御系を示すブロック
図。

【図３】従来の紙葉類カウンタの一例の略図。

【符号の説明】

１ ケーシング、１Ａ 開口部、２ ホッパ、３ フリ
クションローラ、４ サブローラ、５ ストップロー
ラ、６ フォトセンサ、７ 羽根車、８ スタッカ、１
０ａ，１０ｂ 送り込みローラ，１１ 制御部、１２
操作部、１３ 搬送系、１４ 信号処理部、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホッパにセットされた紙葉類を搬送経路
   に送り出す搬送系と、該搬送経路上に配置された識別セ
   ンサと、識別センサの下流側に位置し搬送されてきた紙
   葉類の先端部を隣接し合う羽根間で挟持して回転する羽
   根車と、該羽根車の下流側に位置し該羽根車により挟持
   された紙葉類を受け取るスタッカと、上記識別センサか
   らの検知信号に基づいて上記搬送系及び羽根車の動作を
   制御する制御部とを備えた紙葉類カウンタにおいて、 上記識別センサが搬送経路を連続通過する紙葉類中から
   異種もしくは異常紙葉類を識別した時に上記制御部は、
   上記羽根車に異種紙葉類が挟持されてから上記スタッカ
   に移送される前に該羽根車の回転を停止させることを特
   徴とする紙葉類カウンタ。