JPH08220781A - 電荷輸送層用塗料と、それを用いて得られる電子写真用感光体及びその製造方法 - Google Patents

電荷輸送層用塗料と、それを用いて得られる電子写真用感光体及びその製造方法

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JPH08220781A
JPH08220781A JP2816795A JP2816795A JPH08220781A JP H08220781 A JPH08220781 A JP H08220781A JP 2816795 A JP2816795 A JP 2816795A JP 2816795 A JP2816795 A JP 2816795A JP H08220781 A JPH08220781 A JP H08220781A
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JP2816795A
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English (en)
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Tsumugi Kobayashi
つむぎ 小林
Yoshinobu Murakami
嘉信 村上
Hitoshi Hisada
均 久田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層型電子写真用感光体において、高感度で
耐刷性に優れた積層型電子写真用感光体を提供すること
を可能にする。 【構成】 導電性支持体2上の有機感光層3が少なくと
もオキソチタニウムフタロシアニン顔料を含有する電荷
発生層4と電荷輸送層5とからなる積層型電子写真用感
光体1において、前期電荷輸送層5中に、特定の一般式
で示される特定の電荷輸送物質と化学式1で表される繰
り返し単位と化学式2で表される繰り返し単位からな
り、化学式1で表される繰り返し単位の含有割合が、化
学式1で表される繰り返し単位と化学式2で表される繰
り返し単位との合計に対するモル比が0.5以下の範囲
にある特定のポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂と
し、塗料化溶剤としてトルエンを組み合わせて用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用感光体の製造
に用いる電荷輸送層用塗料、それを用いて得られる電子
写真用感光体及び該感光体の製造方法に関するものであ
り、より詳しくは長期にわたり優れた機械的強度および
安定した電子写真特性を維持し、様々な電子写真分野に
好適に利用できる積層型電子写真用感光体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在、電子写真用感光体として、有機光
導電性物質を用いた、有機感光体が実用化され主流とな
っている。
【0003】その有機感光体は、成膜が容易である、可
透性が高く設計の自由度が大きい、安価で無公害である
などの長所を有しているが、無機光導電性物質に比較し
て感度及び感光体寿命が劣っていた。そこで、それらを
改善するために電荷発生物質をバインダー樹脂に分散さ
せた電荷発生層と、電荷輸送物質をバインダー樹脂に分
散させた電荷輸送層とに、機能を分離させて感光層を形
成する積層型電子写用真感光体が提案され、実用化され
るに至った。この積層型電子写真用感光体において一般
に用いられる電荷輸送物質はヒドラゾン化合物、スチル
ベン化合物、ブタジエン化合物などの電荷輸送能の大き
い物質が用いられている。例えば、ヒドラゾン化合物で
は特開昭54−81847号公報、特開昭55−849
43号公報、特開昭57−190951号公報、特開昭
58−159536号公報などに示され、スチルベン化
合物は、特開昭58−189145号公報、特開昭58
−190953号公報、特開昭58−198425号公
報、特開昭58−198043号公報等に示され、ブタ
ジエン化合物については特開昭62−30255号公
報、特開昭62−287257号公報等に示されてい
る。
【0004】特に最近では電荷輸送物質として、これま
で感度・耐光性等の点から広く用いられてきた1,1−
ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェ
ニル−1,3−ブタジエンや一般式(化10)で示され
るスチルベン誘導体を用いることによって、さらに優れ
た帯電性と高感度が両立して得られ、しかも耐光性に優
れた電子写真用感光体が得られるので、この電荷輸送物
質を用いた電荷輸送層の検討が盛んに行われている。
【0005】
【化10】
【0006】またこの積層型電子写真用感光体において
一般に用いられる電荷発生物質は、フタロシアニン系、
アゾ系、スクエアリリウム系、シアニン系、ペリレン系
等の各種顔料である。これらの電荷発生物質の中でもオ
キソチタニウムフタロシアニンを用いた電子写真用感光
体は、特にキャリア生成効率に優れ近赤外領域において
他の電荷発生物質を用いた感光体をはるかに凌ぐ電子写
真特性を示している。
【0007】また、電子写真用感光体には適用される電
子写真プロセスに応じた所定の静電特性、光学特性を備
えていることが要求されると共に、特に長期繰り返し使
用可能な感光体にあっては装置中の各プロセスにおい
て、コロナ帯電、トナー現像、紙への転写、クリーニン
グ処理等の電気的、機械的外力が直接に加えられるため
それらに対する耐久性が要求される。具体的には、コロ
ナ帯電時に発生するオゾンあるいはその窒素酸化物の作
用による感光層劣化のためにおこる画像異常や残留電位
の増加、またトナーやクリーニングブレードの摺擦によ
る表面の摩耗や傷の発生などに対する電気的、機械的耐
久性が要求されている。通常、積層型電子写真用感光体
では電荷発生層上に電荷輸送層を積層した構成になって
いるので、最外層である電荷輸送層の耐久性が重要とな
る。電荷輸送層は電荷輸送物質をバインダー樹脂中に均
一分散して形成するため、機械的耐久性についてはバイ
ンダー樹脂の強度が大きく影響し、機械的強度の優れた
バインダー樹脂が要望されている。最近になりこれらを
満足する樹脂としてポリカーボネート樹脂が電荷輸送層
のバインダーとして提案され、用いられるようになって
きた(例えば、特開昭59−71057号公報、特開昭
60−172045号公報、特開昭60−192950
号公報など)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように実際の
使用時には静電特性のみならず、機械的耐久性が電子写
真用感光体の寿命を左右しているにもかかわらず、機械
的耐久性向上のためのバインダー樹脂の改良、およびバ
インダー樹脂と電荷輸送物質との相溶性に関する検討は
あまりなされていないのが実状である。また電荷輸送層
を浸漬塗工法にて形成する際は、塗液のポットライフが
長く、長期間安定して使用できることが不可欠で、また
電荷輸送層の形成後塗膜中に結晶化が起こらないような
バインダー樹脂の特性も要求されている。
【0009】例えば、現在広く一般に使われているバイ
ンダー樹脂としてビスフェノールAを原料とするポリカ
ーボネート樹脂を用いて電荷輸送層を形成した場合、下
記に示す2つの問題点が明らかになっている。
【0010】まず第1の問題点として、感光体作成時に
電荷輸送層用塗料が、用いる溶剤によってゲル化した
り、塗布した電荷輸送層が容易に結晶化を起こし、その
ため画像に黒点などの画像欠陥を生じることがある。
【0011】また、第2の問題点として、ビスフェノー
ルAを原料とするポリカーボネート樹脂を用いた電荷輸
送層は、下地との密着性が悪いため剥離しやすく、表面
硬度が低いため種々の機械的ストレスにより、傷ついた
り表面が摩耗して耐刷寿命が短くなるという欠点を有し
ている。
【0012】そのほかにも、従来のポリカーボネート樹
脂は浸漬塗工によって電荷輸送層を形成するために必要
な粘度の塗料を得るためには、ハロゲン化炭化水素系の
溶剤しか使用できず、人体に対する安全性の観点より感
光層塗料に使用する溶剤の規制が厳しいため、塗料の安
定化や塗膜の成膜性を含めた溶剤選定に対する検討も必
要であった。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点に鑑み、本発
明は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送
層とを積層してなる積層型電子写真用感光体において、
前期電荷発生層中に少なくとも電荷発生材料としてオキ
ソチタニウムフタロシアニン顔料を含有し、また前記電
荷輸送層形成の際に用いる電荷輸送層用塗料が一般式
(化11)で表されるフェニルスチルベン化合物と
【0014】
【化11】
【0015】バインダー樹脂として化学式(化12)
【0016】
【化12】
【0017】で表される繰り返し単位と化学式(化1
3)
【0018】
【化13】
【0019】で表される繰り返し単位からなり、化学式
(化12)で表される繰り返し単位の含有割合が、化学
式(化12)で表される繰り返し単位と化学式(化1
3)で表される繰り返し単位との合計に対するモル比が
0.5以下の範囲にあるフルオレンポリカーボネート樹
脂をトルエンに溶解させることを特徴とする電荷輸送層
用塗料及び、トルエンに溶解させた塗布液を用いて形成
されていることを特徴とする積層型電子写真用感光体及
び、トルエンに溶解させてなる塗布液を用いて浸漬塗工
法により電荷輸送層を形成させることを特徴とする積層
型電子写真用感光体の製造方法。
【0020】
【作用】上記のような観点より、キャリア生成効率の高
いオキソチタニウムフタロシアニン顔料と相性のよい電
荷輸送物質について、また特に前期電荷輸送物質と相容
性の高いバインダー樹脂及び人体への影響の少ない塗料
化溶剤について検討してきた。その結果、オキソチタニ
ウムフタロシアニン顔料は一般式が(化11)で表され
るフェニルスチルベン化合物との相性がよく、近赤外領
域において高い感度を示す。そして化学式が(化12)
で表される繰り返し単位と化学式(化13)で表される
繰り返し単位からなり、化学式(化12)で表される繰
り返し単位の含有割合が、化学式(化12)で表される
繰り返し単位と化学式(化13)で表される繰り返し単
位との合計に対するモル比が0.5以下の範囲にあるフ
ルオレンポリカーボネート樹脂は、前記フェニルスチル
ベン化合物との相溶性が非常に高く、この組み合わせに
よる電荷輸送層は耐摩耗性に優れた特性を示す。また、
電荷輸送層用塗料の塗料化溶剤にトルエンを用いること
でハロゲン化炭化水素に比べて毒性が低くかつ成膜性も
よく、浸漬塗工法によって電荷輸送層を形成するために
必要な高粘度の塗料が得られ、しかも塗料安定性がよく
長期間の使用が可能なものとなる。
【0021】このように電荷発生物質としてオキソチタ
ニウムフタロシアニン顔料を用い、電荷輸送物質として
フェニルスチルベン化合物を、バインダー樹脂としてフ
ルオレンポリカーボネート樹脂を、溶剤としてトルエン
を用いることで、優れた機械的強度と耐摩耗性および高
い感度と安定した静電特性を有する積層型電子写真用感
光体が得られ、かつ電荷輸送層用塗料の長寿命化が可能
であることを見いだした。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例の積層型電子写真用
感光体の構成について図1を参照して説明する。図1に
おいて、積層型電子写真用感光体1は、導電性支持体2
上に、電荷発生層4と、電荷輸送層5とからなる有機感
光層3を積層して構成されている。電荷輸送層5は、少
なくとも電荷輸送物質とバインダー樹脂からなってい
る。
【0023】本発明では、導電性支持体2上に、電荷発
生層4と電荷輸送層5とを積層してなる電子写真用感光
体において、前期電荷発生層4中に少なくとも電荷発生
材料としてオキソチタニウムフタロシアニン顔料を含有
し、また前記電荷輸送層5が一般式(化14)
【0024】
【化14】
【0025】で表されるフェニルスチルベン化合物とバ
インダー樹脂として化学式が(化15)
【0026】
【化15】
【0027】で表される繰り返し単位と化学式(化1
6)
【0028】
【化16】
【0029】で表される繰り返し単位からなり、化学式
(化15)で表される繰り返し単位の含有割合が、化学
式(化15)で表される繰り返し単位と化学式(化1
6)で表される繰り返し単位との合計に対するモル比が
0.5以下の範囲にあるフルオレンポリカーボネート樹
脂をトルエンに溶解させた塗布液を用いて形成される。
【0030】本発明に用いられるフルオレンポリカーボ
ネート樹脂は、化学式(化17)
【0031】
【化17】
【0032】で表されるビスフェノールフルオレン化合
物と化学式(化18)
【0033】
【化18】
【0034】で表される二価フェノール化合物の混合物
に、例えばジフェニルカーボネートを溶融状態で反応さ
せるエステル交換法によって、あるいはピリジンなどの
塩化水素結合剤の存在下に適当な溶剤中でホスゲンと反
応させて得ることができる。
【0035】電子写真用感光体としての特性上、電荷輸
送層中のバインダー樹脂の含有量が多いと、機械的強度
は向上するが感度が低下し、少なすぎると感度は向上す
るが機械的強度は低下する。そこで、バインダー樹脂の
含有量は電荷輸送層全量の40重量%以上、60重量%
以下が好ましく、特に50重量%位が好ましい。
【0036】また、溶剤としては、電荷輸送物質、バイ
ンダー樹脂を溶解するものであればどのようなものでも
使用できるが、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどの
ハロゲン系炭化水素溶剤は環境汚染の問題があり、テト
ラヒドロフランなどのエーテル類の使用はオキソチタニ
ウムフタロシアニンを含有する電荷発生層との組み合わ
せに対して特性上に問題があることがわかった。このた
め溶剤としては芳香族炭化水素類系が望ましく、成膜性
の観点からトルエンが好ましい。
【0037】電荷発生層4は、少なくともオキソチタニ
ウムフタロシアニン顔料とバインダー樹脂からなり、オ
キソチタニウムフタロシアニン顔料としては、種々の結
晶型のものが用いられるが好ましくはα型結晶のものが
よい。バインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリ塩
化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポ
リカーボネートまたはこれらの樹脂の共重合体などが挙
げられる。また溶剤としては、電荷発生物質、バインダ
ー樹脂を溶解あるいは分散させ得るものであればよく、
具体的には、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素
類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アルコール類
などを用いることができる。
【0038】導電性支持体2は、従来から知られている
導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウ
ム、鉄、銅等の金属材料や導電性プラスチック(フェノ
ール樹脂等も含む)あるいはヨウ化アルミニウム、ヨウ
化銅、酸化クロム、または酸化スズ等の導電性で被覆さ
れたガラス等が用いられる。
【0039】次に、積層型電子写真用感光体1の製造方
法について説明する。電荷発生層4は、上述の電荷発生
物質を、バインダー樹脂を溶解した溶液中に分散した塗
料を用いて導電性支持体上2に、浸漬塗工法、スピンコ
ート法、スプレー塗工法、あるいは静電塗工法にて形成
される。この電荷発生層4の膜厚は、特性上、0.1〜
1μm程度が好ましい。膜厚が薄すぎると電荷発生量が
少なく十分な感度が得られず、厚すぎると帯電性が低下
したり、帯電性や感度の繰り返し安定性が損なわれる。
また導電性支持体2上に電荷発生層4を形成する際、導
電性支持体2と電荷発生層4の接着性向上あるいは導電
性支持体2側からの電荷注入の防止のためにカゼイン、
ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、酢酸ビニル樹脂やポリアミド樹脂などからなる0.
1〜1μmの層を設けることもできる。
【0040】電荷輸送層5は、上述の電荷輸送層用塗料
を用いて、電荷発生層4上に浸漬塗工法によって、塗
布、乾燥し、電荷輸送層を形成させる。電荷輸送層の膜
厚としては、数μm〜数十μmであるが特性上、5〜3
0μm程度が好ましい。膜厚が薄すぎると帯電性が低下
し、厚すぎると感度が低下する。
【0041】以上、本発明の電荷輸送層用塗料およびこ
れを用いて得られる積層型電子写真用感光体並びにこの
感光体の製造方法について詳細に説明した。
【0042】以下に具体的な実施例に基づいてさらに詳
細に説明する。 (実施例1)フタロニトリルと四塩化チタンから得た粗
製チタニルフタロシアニンを溶剤処理でα型結晶とした
α型チタニルフタロシアニン(粒状でおよそ粒径0.0
5μm)34重量部とビニルブチラール樹脂(積水化学
工業株式会社製商品名エスレックBL−1)6重量部、
1−プロパノール1000重量部、ガラスビーズ(直径
1mm)1500重量部をガラス瓶に入れ、ペイントコ
ンディショナーにて15時間分散して得た電荷発生層用
塗料を用いて、浸漬塗工法によりアルミニウム板上に引
き上げ速度100mm/minで電荷発生層を形成し
た。塗膜の乾燥は100℃で1時間行った。
【0043】次いで、4−N,N−ジフェニルアミノ−
α−フェニルスチルベン5重量部とバインダー樹脂とし
て化学式が(化19)
【0044】
【化19】
【0045】で表される繰り返し単位と化学式(化2
0)
【0046】
【化20】
【0047】で表される繰り返し単位からなり、化学式
(化19)表される繰り返し単位の割合が、全体の20
モル%のフルオレンポリカーボネート樹脂5重量部とを
トルエン45重量部に溶解したものを電荷輸送層用塗料
とし、この塗液を電荷発生層上に浸漬塗工し、110℃
にて1時間乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成し
た。
【0048】このようにして得た積層型電子写真用感光
体サンプルを用いて、室温環境(20℃60%RH)下
でサンドペーパー摩耗試験を行った。
【0049】サンドペーパー摩耗試験は摩耗試験機(ヘ
イドン社製 Peeling/Slipping/Sc
ratching TESTER HEIDON−1
4)を用い、感光体表面をサンドペーパー(1200番
SANKYO社製)で30mm/mimで繰り返し摺
擦し、そのときの繰り返し回数と摩耗量の関係を評価す
る。但し、摩耗量はこの評価において電荷輸送層が削ら
れた時の幅と深さの積である。この結果を(表1)に示
す。
【0050】また、静電特性は静電複写紙試験装置(株
式会社川口電機製作所製モデルEPA−8100)を用
い、初期電位特性及び繰り返し特性の評価を行った。測
定は、コロナ電流が−30μAになる様に設定した印加
電圧のコロナ放電により感光体を暗所で負帯電した時の
初期帯電電位をVmax(V)、暗減衰1秒後の表面電
位をV0(V)、暗減衰1秒間の電荷保持率をD.D
(%)とする、続いて800nmにピークをもつ2.1
μJ/cm2・secのエネルギーの単色光を4秒間照
射し、この時表面電位が1/2V0、1/5V0になる露
光量をE1/2、E1/5(μJ/cm2)とした、また露光
4秒後の表面電位を残留電位VR(V)とした。この結
果を(表1)に示す。
【0051】また、上記で作成したサンプルを用い同様
の測定条件で1000回の繰り返し試験をおこなったと
ころ、初期帯電電位、半減露光量、暗減衰、残留電位等
いずれも、変動のない非常に安定した結果を示してい
る。この結果を(表1)に示す。
【0052】なお繰り返し特性は、VRのみ露光2秒後
の残留電位とする。また、同時に前記電荷輸送層用塗料
の放置試験を行い、塗料の経時変化を目視観察により評
価した。
【0053】その評価結果を(表2)に示す。 (実施例2)実施例1の電荷輸送層において、電荷輸送
物質として4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニ
ルスチルベンの代わりに4−N−p−メトキシフェニル
−N−フェニルアミノ−α−フェニルスチルベンを用い
た以外は、実施例1と同様にして導電性支持体上に電荷
発生層、電荷輸送層を形成し、実施例1と同様にして機
械的特性、静電特性評価および塗料の経時変化の評価を
行った。
【0054】その結果を(表1)(表2)に示す。 (実施例3)実施例1において電荷輸送層のバインダー
樹脂を化学式が(化21)
【0055】
【化21】
【0056】で表される繰り返し単位と化学式(化2
2)
【0057】
【化22】
【0058】で表される繰り返し単位からなり、化学式
(化21)で表される繰り返し単位の割合が、全体の1
0モル%にした以外は実施例1と同様にして、導電性支
持体上に電荷発生層、電荷輸送層を形成し、実施例1と
同様にして機械的特性、静電特性評価および塗液の経時
変化の評価を行った。
【0059】その結果を(表1)(表2)に示す。 (比較例1)本発明の比較例として、実施例1におい
て、電荷輸送層のバインダー樹脂として用いたフルオレ
ンポリカーボネート樹脂の代わりに、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンから得られるビスフェ
ノールAタイプポリカーボネート樹脂を用い、塗料化溶
剤としてトルエンの代わりにジクロロメタンを用いた以
外は、実施例1と同様にして導電性支持体上に電荷発生
層、電荷輸送層を形成し、実施例1と同様にしてサンド
ペーパー摩耗試験、静電特性評価および塗料の経時変化
の評価を行った。
【0060】その結果を(表1)および(表2)に示
す。 (比較例2)本発明の比較例として、実施例1におい
て、電荷発生材として用いたα型チタニルフタロシアニ
ンの代わりにτ型無金属フタロシアニンを用いた以外
は、実施例1と同様にして、導電性支持体上に電荷発生
層、電荷輸送層を形成し、第1の実施例と同様にして、
サンドペーパー摩耗試験および静電特性評価を行った。
【0061】その結果を(表1)に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明の電子写真用感光体
は、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸
送層とを積層してなる積層型電子写真用感光体であっ
て、特定の電荷発生物質を用い、特定の電荷輸送物質と
バインダー樹脂及び塗料化溶剤を組み合わせた電荷輸送
層用塗料を用いることにより、静電特性、耐摩耗性およ
び機械的強度が向上し、高感度で耐刷性に優れた積層型
電子写真用感光体を提供することを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における電子写真用感光
体の構成図
【符号の説明】
1 積層型電子写真用感光体 2 導電性支持体 3 有機感光層 4 電荷発生層 5 電荷輸送層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、少なくともオキソチタ
    ニウムフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層と電荷
    輸送層とを積層してなる電子写真用感光体において、前
    記電荷輸送層形成の際に用いる電荷輸送層用塗料が、一
    般式(化1)で表されるフェニルスチルベン化合物と 【化1】 バインダー樹脂として化学式が(化2) 【化2】 で表される繰り返し単位と化学式(化3) 【化3】 で表される繰り返し単位からなり、化学式(化2)で表
    される繰り返し単位の含有割合が、化学式(化2)で表
    される繰り返し単位と化学式(化3)で表される繰り返
    し単位との合計に対するモル比が0.5以下の範囲にあ
    るフルオレンポリカーボネート樹脂をトルエンに溶解さ
    せたものであることを特徴とする電荷輸送層用塗料。
  2. 【請求項2】導電性支持体上に、少なくともオキソチタ
    ニウムフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層と電荷
    輸送層とを積層してなる電子写真用感光体において、前
    記電荷輸送層が一般式(化4)で表されるフェニルスチ
    ルベン化合物と 【化4】 バインダー樹脂として化学式が(化5) 【化5】 で表される繰り返し単位と化学式(化6) 【化6】 で表される繰り返し単位からなり、化学式(化5)で表
    される繰り返し単位の含有割合が、化学式(化5)で表
    される繰り返し単位と化学式(化6)で表される繰り返
    し単位との合計に対するモル比が0.5以下の範囲にあ
    るフルオレンポリカーボネート樹脂をトルエンに溶解さ
    せてなる塗布液を用いて形成されていることを特徴とす
    る積層型電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】導電性支持体上に、少なくともオキソチタ
    ニウムフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層と電荷
    輸送層とを積層してなる電子写真用感光体の製造方法に
    おいて、前記電荷輸送層が一般式(化7)で表されるフ
    ェニルスチルベン化合物と 【化7】 バインダー樹脂として化学式が(化8) 【化8】 で表される繰り返し単位と化学式(化9) 【化9】 で表される繰り返し単位からなり、化学式(化8)で表
    される繰り返し単位の含有割合が、化学式(化8)で表
    される繰り返し単位と化学式(化9)で表される繰り返
    し単位との合計に対するモル比が0.5以下の範囲にあ
    るフルオレンポリカーボネート樹脂をトルエンに溶解さ
    せてなる塗布液を用いて浸漬塗工法により電荷輸送層を
    形成させることを特徴とする積層型電子写真用感光体の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015053130A1 (ja) * 2013-10-07 2015-04-16 田岡化学工業株式会社 フルオレン構造を有するポリカーボネート樹脂の解重合方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015053130A1 (ja) * 2013-10-07 2015-04-16 田岡化学工業株式会社 フルオレン構造を有するポリカーボネート樹脂の解重合方法
JP5704736B1 (ja) * 2013-10-07 2015-04-22 田岡化学工業株式会社 フルオレン構造を有するポリカーボネート樹脂の解重合方法

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