JPH08220706A - ネガリス像又は直接ポジ像を製造する方法 - Google Patents

ネガリス像又は直接ポジ像を製造する方法

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JPH08220706A
JPH08220706A JP27198095A JP27198095A JPH08220706A JP H08220706 A JPH08220706 A JP H08220706A JP 27198095 A JP27198095 A JP 27198095A JP 27198095 A JP27198095 A JP 27198095A JP H08220706 A JPH08220706 A JP H08220706A
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JP
Japan
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silver halide
group
image
photographic
compound
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Application number
JP27198095A
Other languages
English (en)
Inventor
Jean-Marie Dewanckele
ジャン−マリ・ドヴァンクル
David Terrell
デヴィッド・タール
Hieronymus Andriessen
イエロニム・アンドリサン
Kris Viaene
クリ・ヴィエヌ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Agfa Gevaert NV
Original Assignee
Agfa Gevaert NV
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Publication date
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 アルカリ性現像液中で直ちに核生成活性を示
し、10未満のpH値を有する現像液中で活性であり、
現像の不均一性を生ぜしめない、非常に安定でかつ効率
的な現像核生成剤の少量の存在下に、写真感光性ハロゲ
ン化銀材料を現像することによって、直接ポジ像又はリ
ス像を製造する。 【解決手段】 支持体、少なくとも一つの内部潜像型ハ
ロゲン化銀乳剤層(直接ポジ材料の場合)又は表面潜像
型ハロゲン化銀乳剤層(リス材料の場合)、及び現像核
生成量の化合物又はそのプリカーサーを含む写真感光性
ハロゲン化銀材料を像に従って露光し、前記露光した写
真材料をアルカリ性表面現像液中で現像し、この場合前
記プリカーサーは急速に前述した如き環系に変換される
工程によってネガリス像又は直接ポジ像を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、現像の不均一性を生ぜしめることのない新規
にして安定な現像核生成剤の存在下に写真感光性ハロゲ
ン化銀材料を現像することによって直接ポジ像又はリス
像を製造する方法、及び高い最高濃度及び低い再反転性
を有する直接ポジ像又は低いかぶりレベル及び高いコン
トラストを有するリス像を形成するための写真感光性ハ
ロゲン化銀材料に関する。
【0002】発明の背景 ハロゲン化銀写真において、例えば低かぶりレベル及び
高コントラストを要求する平版印刷用途のためにネガ像
が形成される写真法が良く知られている。これとは反対
に、ネガ像の使用をすることなく、又はネガ像を作る中
間工程の使用をすることなくポジ像を作る方法は、直接
ポジ法と称されている。かかる写真法により使用するた
めの写真感光性材料及び写真乳剤は、それぞれ直接ポジ
材料及び直接ポジ乳剤と称される。種々の直接ポジ写真
法が知られている。最も有用な方法には、前かぶりさせ
たハロゲン化銀粒子を減感剤の存在下に光に暴露し、そ
れらを現像することを含む方法、及び主として粒子の内
部に感光性斑点(speck )を有するハロゲン化銀粒子を
含有するハロゲン化銀乳剤に像に従って露光を受けさ
せ、露光された乳剤を現像核生成剤の存在下に現像する
ことを含む方法がある。本発明は後者の方法に関係す
る。主として粒子の内部に感光性斑点を含み、主として
粒子の内部に潜像を形成するハロゲン化銀乳剤は、内部
潜像型ハロゲン化銀乳剤と称され、従ってネガ像を提供
する主として粒子の表面で潜像を形成するハロゲン化銀
粒子と区別されている。
【0003】いわゆる内部現像によって主として粒子内
に形成された潜像を現像することは知られているが、本
発明により使用する方法、材料及び乳剤はこの種の現像
に関するものではなく、むしろネガ像を与える平版印刷
材料のためにも用いられるようないわゆる表面現像液を
用いる種類の現像に関するものである。
【0004】表面現像液によって現像核生成剤の存在
下、露光された内部潜像型ハロゲン化銀乳剤の現像によ
って直接ポジ像を作る方法、及びかかる方法において使
用する写真乳剤及び写真感光性材料は、例えばGB−A
1011062、GB−A1151363、GB−A1
195837、特公昭43−29405、及びUS−P
2456953、US−P2497875、US−P2
497876、US−P2588982、US−P25
92250、US−P2675318、US−P322
7552、US−P3761276、US−P4540
655に記載されている。
【0005】直接ポジ像を作るための内部潜像型方法に
おいては、現像核生成剤は現像溶液中に混入できる、し
かし通常は写真材料層中又は写真感光性材料の別の層中
に混入される。直接ポジ像を作るための前述した方法で
使用できる現像核生成剤には、例えば Zeitschrift fu
er Wissenschaftliche Photographie 、48巻(19
53年)48頁にArens によって発表され、DE−A3
021423及びUS−P2563785、US−P2
588982、US−P3227552、US−P42
45037、US−P4374923、US−P454
0655、US−P5155014、WO91/037
65、Reseach Disclosure 23510、346〜34
8頁及びそれらの中に引用されている文献に記載されて
いる如きヒドラジン及びそれらの誘導体を含む。
【0006】前述した如き直接ポジ用に使用するために
好適なヒドラジド系現像核生成剤の調査は、US−P5
254443に記載されており、これは引用してここに
組入れる(式N−1〜N−8を参照されたい)。更に新
規なヒドラジド系現像核生成剤は極く最近EP−A06
34692に記載されている。
【0007】かかるヒドラジドは、10.5未満のpH
値で、殆ど核生成活性のない強力にpH依存性である核
生成挙動を示す。
【0008】他方で、US−P4115112、US−
P4306106、US−P4828973及びUS−
P4877723に記載されている如きプロパルギル置
換基を有する複素環式塩は、強力なpH依存性の非常に
少ない核生成挙動を示し、核形成活性は9.6のpHを
有するメトール−アスコルビン酸現像液中で観察され
る。
【0009】しかしながら、この群の核生成剤の代表例
であるプロパルギルキナルジンは、大なる最小濃度値及
び強力な再反転性によって示される如く、露光されたハ
ロゲン化銀粒子と未露光ハロゲン化銀粒子の間の悪い核
生成識別性を示す。
【0010】下記一般式を有する四級窒素原子を有する
1,2−ジヒドロ芳香族複素環式環を含有する核生成剤
がRD9203(1971年)及びUS−P37194
94に記載されている:
【0011】
【化7】
【0012】この種の化合物は、続いてUS−P、例え
ばUS−P4954427、US−P4871653及
びUS−P4395478にしばしば述べられている。
かかる化合物は、アルカリ性現像液中でN−プロパルギ
ル複素芳香族環式化合物の環閉環したとき形成されると
考えられ、かかる化合物を核生成剤として使用したとき
活性核生成種であると考えられる。
【0013】新規な種類のジヒドロピリジニウムプリカ
ーサーが最近JP−A4000437に発表された、こ
の場合、下記の如く不活性化合物Aが、アルカリ性現像
液中に存在するヒドロキシルイオンと反応したとき活性
化合物Bに変換される:
【0014】
【化8】
【0015】しかしながら、アルカリ性現像液中で活性
核生成種に変換されるJP−A4000437の化合
物、又はヒドラジド、N−プロパルギル複素芳香族環式
化合物は、遅い核生成活性を示す、この遅れは活性種が
形成される速度によって決まる。この遅れは、1993
年のIS&Tの 4th Annual Conference のアブスト
ラクトの268〜270頁に D. L. Kerr によって発表
された如く分光光度計で観察できる。
【0016】他方でRD9203(1971年)に記載
された四級窒素原子を有する1,2−ジヒドロ芳香族複
素環式化合物の如き現像核生成剤は、アルカリ性現像液
中で、直後核生成活性を示す、しかし貯蔵中にハロゲン
化銀材料中で核生成活性を示し、これは不安定であり、
又は望ましからぬものである。これは貯蔵したとき非露
光ハロゲン化銀材料中での低下した最高濃度、より大な
る最小濃度及び増大した再反転をもたらす。
【0017】発明の目的 従って本発明の目的は、アルカリ性現像液中で直ちに核
生成活性を示し、10未満のpH値を有する現像液中で
活性であり、現像の不均一性を生ぜしめない、非常に安
定でかつ効率的な現像核生成剤の少量の存在下に、写真
感光性ハロゲン化銀材料を現像することによって、直接
ポジ像又はネガ平版印刷像(リス像とも称される)を製
造する方法を提供することにある。
【0018】本発明の別の目的は、高い最高濃度、低い
最小濃度及び高階調を有する直接ポジ像又はリス像を形
成するための写真感光性ハロゲン化銀材料を提供するこ
とにある。
【0019】本発明の別の目的は、貯蔵したとき、コン
トラスト及び保留感度における最小の低下を示すリス
像、又は最高濃度における最小の崩壊を示す直接ポジ像
を形成するための写真感光性ハロゲン化銀材料を提供す
ることにある。
【0020】本発明の更に別の目的は、新規な現像核生
成剤として作用する化合物を提供することにある。
【0021】本発明の他の目的は、以下の説明から明ら
かになるであろう。
【0022】発明の概要 本発明の前記目的は、(1)支持体、少なくとも一つの
内部潜像型ハロゲン化銀乳剤層(直接ポジ像の場合にお
いて)又は表面潜像型ハロゲン化銀乳剤層(リス材料の
場合において)、及び現像核生成量の化合物又はそのプ
リカーサーを含む写真感光性ハロゲン化銀材料を像に従
って露光し、前記化合物が、ジヒドロピリジニウム環を
含む少なくとも三つの環を含有する少なくとも一つの四
級複素環式環系を有し、この場合炭素−窒素及び炭素−
炭素二重結合が、前記三つの環の一つである芳香族環の
一部でもあり、前記二重結合及び前記ジヒドロピリジニ
ウム環中の窒素原子が環化(annelated )共役環系に組
入れられており、(2)前記露光した写真材料をアルカ
リ性表面現像液中で現像し、この場合前記プリカーサー
は急速に前述した如き環系に変換される工程によってネ
ガ平版印刷像又は直接ポジ像を製造する方法によって達
成される。
【0023】本発明により新規な現像核生成剤プリカー
サーとして有利に使用できる化合物は、下記一般式
(I),(II)及び(III) の一つに相当する:
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】式中Z1 は、四級窒素原子を含む5〜6個
の原子を含有する共役複素環式核を完結するのに必要な
非金属原子を表し、前記複素環式核の追加の原子は炭
素、窒素、酸素、硫黄及びセレンからなる群から選択す
る;
【0028】Z2 は共役炭素環式又は複素環式環を完結
するのに必要な非金属原子を表し、前記複素環式環の追
加の原子は炭素、窒素、酸素、硫黄及びセレンからなる
群から選択する;
【0029】R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 及びR6
それぞれ独立に、置換もしくは非置換アルキル基、アミ
ノ基、アシル基、カルボキシ基、スルホニル基、ハライ
ド基、スルフィニル基又は水素である、但しR1 及びR
2 の一つ、及びR3 及びR4の一つは水素である。
【0030】Z1 及び/又はZ2 の好ましい変形は、ア
ルカリ性現像液中で急速に脱ブロックされるブロックド
ハロゲン化銀吸収基を含有する基で置換された環系であ
る。
【0031】好ましい例において、ブロックドハロゲン
化銀吸収基を含有する基は、下記一般式(IV)によって
表される:
【0032】−R7 −S−R8 (IV)
【0033】式中R7 は−NH−CO−CH2 −;−C
O−CH2 −;−NH−CH2 −;−NH−SO2 −C
2 −を表し、R8 はチオカルバミド基、カルバミド
基、アシル基、チオニル基、カルボキシカルボニル基又
はカルボキシチオカルボニル基を表す。
【0034】更にZ1 及び/又はZ2 は、アルカリ性現
像液中で急速に脱ブロックされるブロックドハロゲン化
銀吸収基を含有する基で置換された環系であるのが好ま
しい。その例には後で更に示す化合物I.3;I.4;
II.2及びII.3である。
【0035】本発明は又直接ポジ像を形成するための写
真感光性ハロゲン化銀材料も提供し、前記材料は支持
体、及び親水性コロイド結合剤中に分散したかぶらせて
ない内部潜像型ハロゲン化銀粒子を含有する少なくとも
一つの感光性乳剤層中及び/又は前記乳剤層と水透過性
関係にある親水性コロイド層中に、本発明による現像核
生成量の少なくとも1種の化合物を含有し、前記化合物
が前記一般式(I)〜(III) の一つに相当し、一般式
(I)及び(II)はジヒドロピリジニウム環を有する化
合物であり、一般式(III) はアルカリ性現像液中でヒド
ロキシルイオンの存在によってジヒドロピリジニウム環
を有する相当する化合物に変換されうる化合物である。
【0036】本発明は更に新規な核生成剤として、前記
一般式(I)〜(III) の一つに相当する化合物を提供す
る。
【0037】発明の詳述 一般式(I)及び(II)による核生成剤及び一般式(II
I) による核生成剤プリカーサーは、プロパルギルアン
モニウム化合物及び古典的なヒドラジド例えばフェニル
ホルミルヒドラジドの代りに使用される。アルカリ性現
像液中に存在するヒドロキシルイオンの影響下に、下記
の如く材料の僅かに酸性の層中に存在する一般式(III)
による不活性な形から一般式(IIIa) による活性な形へ
の変換が生起する:
【0038】
【化12】
【0039】本発明による現像核生成剤又はそのプリカ
ーサーの代表例には、前記一般式(I),(II)及び(I
II) に相当する下記化合物がある:
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】
【化19】
【0047】
【化20】
【0048】ジヒドロベンゾキノリジニウム化合物I.
1及びI.2の合成は、J. Org. Chem. Vol.33,12
96〜1299(1968年)に L. L. Braun 及び
C. K.Bradsher によって発表されている。
【0049】本発明により使用する化合物において、一
般式(I)及び(II)を有する化合物中に存在する、又
は一般式(III) の化合物の場合におけるアルカリ性現像
液中で発生するジヒドロピリジニウム環の両二重結合
は、芳香族環の部分であるそれ自体によって安定化され
る、一方 Research Disclosure 9203(1971)
及びUS−P3719494による化合物の場合におい
ては、二重結合の一つだけが安定化される。更に芳香族
環中での「ジヒドロピリジニウム環」の両二重結合の含
有は、二つの二重結合の共役を妨害し、これによって一
般式(I)及び(II)を有する化合物、及び一般式(II
I) を有する化合物からアルカリ性現像液中で発生する
ジヒドロピリジニウム化合物を、芳香族化合物への酸化
に対して安定化する。両方の効果は、一般式(I)及び
(II)によるジヒドロピリジニウム化合物及び一般式(I
II) を有する化合物からアルカリ性現像液中で発生する
ジヒドロピリジニウム化合物の改良された化学的安定性
をもたらす。
【0050】EP−A0381160においてはジヒド
ロピリジニウムスケルトンも好ましいとされているが、
その構造は本発明において提供される構造とは異なる部
分があり、それに関連して、本発明による化合物が使用
される条件におけるその活性度も異なる。更にEP−A
0518352中で化合物N−44としての場合によっ
て存在するジヒドロピリジニウムスケルトンにおいてさ
えも、芳香族環置換中に違いがあり、共役系における相
違が、この化合物を本発明の例によるものとは異なるも
のにする。
【0051】本発明により使用する一つ以上の化合物
を、露光した写真材料の現像前にそれに適用する前浴中
に又は現像液中に混入できる。しかしながら、本発明の
安定な化合物の一つ以上をハロゲン化銀乳剤層中又はそ
れと水透過性関係にある親水性コロイド層中に混入す
る。
【0052】本発明により使用する化合物は、相互の又
は他の既知の核生成剤例えばヒドラジド、例えばフェニ
ルホルミルヒドラジド、プロパルギルアンモニウム化合
物等との混合物の形で使用することもでき、その目的の
ため、例えば感光性ハロゲン化銀乳剤層又はそれと水透
過性関係にある親水性コロイド層中に混入できる。
【0053】ハロゲン化銀乳剤層中で使用するとき、本
発明の化合物は、ハロゲン化銀1モルについて1×10
-5〜1×10-1モルの濃度で存在させるのが好ましい。
【0054】少なくとも1種の現像核生成剤を含有する
写真層を形成する組成物の被覆をする前に、現像核生成
剤及び/又は核生成剤プリカーサーは有機溶媒に溶解
し、前記組成物に加えることができる。例えばハロゲン
化銀1モルについて、N−メチル−ピロリドン中の3.
5%溶液の形で、所望により1種以上の他の核生成剤又
は核生成剤プリカーサーの存在下に、核生成剤又は核生
成剤プリカーサー1.3×10-3モルを加えることがで
きる。
【0055】好ましい例によれば、現像核生成剤及び/
又は核生成剤プリカーサーは、前記乳剤層又は前記親水
性コロイド層を形成する親水性コロイド組成物に分散し
た形で加える。これらのアクリジニウム化合物が親水性
コロイド層中好ましくは内部潜像型ハロゲン化銀乳剤層
中に分散した形で存在するとき、現像したとき得られる
直接ポジ像は非常に微細な粒子を有する。
【0056】所望により1種以上の他の核生成剤の存在
下に、現像生成剤及び/又は核生成剤プリカーサーは、
それらを最初少なくとも1種の水非混和性油系溶媒又は
油形成剤中に溶解し、形成された溶液を親水性コロイド
好ましくはゼラチン及び分散剤を含有する水性相に加
え、混合物を均質化装置を通して水性媒体中の油状溶液
の分散液を形成し、分散液を親水性コロイド組成物例え
ばゼラチンハロゲン化銀乳剤と混合し、形成された組成
物を通常の方法で被覆して、油状膜でとりまかれた現像
核生成剤及び/又は核形成剤プリカーサー及び所望によ
って1種以上の他の核生成剤の粒子をゲルマトリックス
全体に分散させた系を作り、前記乳剤層又は前記親水性
コロイド層を形成する親水性コロイド組成物中に混入で
きる。油形成剤中での前記プリカーサー及び核生成剤の
溶解は、補助低沸点水非混和性溶媒の使用によって容易
にすることができる、これは後で蒸発によって除去す
る。
【0057】核生成剤及び/又は核生成剤プリカーサー
は、少なくとも1種の既知の油形成剤例えばフタル酸の
アルキルエステルの助けで親水性コロイド組成物中に分
散できる。油形成剤は、広く変化する濃度で、例えばそ
れで分散させられる現像核生成剤及び/又は核生成剤プ
リカーサーの量に対して約0.1〜約10重量部、好ま
しくは0.5〜2重量部で変化する量で使用できる。
【0058】水に不溶性又は殆ど不溶性であり、高くて
も150℃の沸点を有する少なくとも1種の補助溶媒、
例えば低級アルキルアセテート例えばエチルアセテート
と油形成剤を組合せることが有用である。
【0059】本発明の別の例によれば、核生成剤及び/
又は核生成剤プリカーサーは、油形成剤及び溶媒の不存
在下に核生成剤及び/又は核生成剤プリカーサーを水性
親水性コロイド溶液、好ましくは水性ゼラチン溶液と混
合し、形成された混合物を均質化装置中に通し、得られ
た分散液を、乳剤層及び親水性コロイド層を形成する前
記親水性コロイド組成物に加え、そして支持体上に前記
親水性コロイド組成物を被覆することによって前記ハロ
ゲン化銀乳剤層又は前記親水性コロイド層を形成する親
水性コロイド組成物中に混入する。
【0060】均質化装置は分散液を作るため普通に使用
される任意の装置、例えば超音波電力発生機、ミル例え
ばボールミル、サンドミル及びコロイドミルであること
ができる。
【0061】本発明による写真感光性直接ポジ材料にお
いて、現像核生成剤及び/又は核生成剤プリカーサー
は、内部潜像型ハロゲン化銀乳剤層中に存在させるのが
好ましい。しかしながら、核生成剤プリカーサーは、内
部潜像型ハロゲン化銀乳剤層と水透過性関係にある親水
性コロイド層中に、例えば乾燥状態で1〜3μmの厚さ
を有する保護親水性コロイド層中に混入することもでき
る。親水性コロイド層は、本発明による写真感光性直接
ポジ材料の一部を作る任意の層であることができる。例
えば感光性層、中間層、フィルター層、保護層、ハレイ
ション防止層、応力防止層、下塗層、又は他の任意の層
であることができる。換言すれば、核生成剤及び/又は
核生成剤プリカーサーが、内部潜像型ハロゲン化銀乳剤
層への拡散から妨害されないならば、何れの層も満足で
きるであろう。
【0062】本発明により使用する核生成剤及び/又は
核生成剤プリカーサーは、表面現像溶液で内部潜像型乳
剤を現像したとき、例えば少なくとも1.50の満足で
きる最高濃度値を生ぜしめる量で層中に混入するのが好
ましい。量は広い限界内で変えることができ、ハロゲン
化銀乳剤の種類、前記核生成剤及び/又は核生成剤プリ
カーサーの化学構造、及び現像条件によって決まる。そ
れにも拘らず、内部潜像型ハロゲン化銀乳剤中のハロゲ
ン化銀1モルについて約0.01〜約100ミリモルの
量が一般に好ましく、ハロゲン化銀1モルについて約
0.1〜約10ミリモルの量が更に好ましい。核生成剤
及び/又は核生成剤プリカーサーを、内部潜像型ハロゲ
ン化銀乳剤層と水透過性関係にある親水性コロイド層中
に混入するときには、組合された内部潜像型乳剤層中に
含有された銀の量を考慮に入れながら、前述した量で核
生成剤プリカーサーを混入することが適切である。
【0063】内部潜像型ハロゲン化銀乳剤は、それを内
部型現像溶液で現像したとき得られる最高濃度が、それ
を表面型現像溶液で現像したとき達成できる最高濃度を
越える乳剤である。
【0064】本発明により使用できる内部潜像型ハロゲ
ン化銀乳剤は例えばUS−P2592250、US−P
3206313、US−P3271157、US−P3
447927、US−P3511662、US−P37
37313、US−P3761276、GB−P102
7146及び特公昭52−34213に記載されてい
る。しかしながら、本発明により使用するハロゲン化銀
乳剤は、これらの刊行物に記載されたハロゲン化銀乳剤
に限定されない。
【0065】本発明により使用するのに好適である内部
潜像型ハロゲン化銀乳剤は、外部的に前かぶりしてな
い、そして化学的に熟成されている又はされていない乳
剤である。
【0066】写真乳剤、即ちネガ作用のみならず直接ポ
ジ作用の乳剤は、例えばパリーの Paul Montel 196
7年発行、 P. Glafkides 著、 Chimie et Physique
Photographique ;ロンドンの The Focal Press 1
966年発行、 G. F. Duffin 著、 Photographic Emu
lsion Chemistry、及びロンドンの The Focal Press
1966年発行、 V. L. Zelikman 等著、 Making a
nd Coating Photographic Emulsion に記載されてい
る如き種々の方法により製造できる。
【0067】本発明により使用する写真ハロゲン化銀乳
剤は、温度、濃度、添加順序、及び添加速度の部分的に
又は完全に制御された条件で、ハロゲン化物及び銀溶液
を混合することによって作ることができる。ハロゲン化
銀は単一ジェット法、二重ジェット法、又は変換法によ
って沈澱させることができる。変換法が特に好適である
ことが証明された。この方法によれば、より可溶性のハ
ロゲン化銀を可溶性の小さいハロゲン化銀に変換する。
例えば塩化銀を、水溶性臭化物そしてできるならば沃化
物の存在下(その量は最終的に要求される組成物より見
て選択する)塩臭沃化銀又は臭沃化銀乳剤に変換する。
この変換は、幾つかの連続段階で非常にゆっくりと行
う、即ち一度でより可溶性のハロゲン化銀の一部を変換
することによって行うのが好ましい。増大した内部潜像
感度を有する乳剤を作ることができる別の方法は、GB
−P1011062に記載されている。
【0068】本発明により使用する写真乳剤のハロゲン
化銀粒子は立方形又は八面体形の如き規則結晶形を有す
ることができ、或いはそれらは遷移形を有することがで
きる。それらはまた球形又は平板形の如き不規則結晶形
を有することもできる、或いはさもなければ前記規則形
及び不規則形の混合物を含む複合結晶形を有してもよ
い。
【0069】ハロゲン化銀粒子は多層粒子構造を有して
もよい。簡単な例によれば、粒子はコア及びシェルを含
有でき、これらは異なるハロゲン化物組成を有すること
ができ、そして/又はドープの添加の如き異なる変性を
受けていてもよい。別々に構成されたコア及びシェルを
有すること以外に、ハロゲン化銀粒子は、その間に異な
る相を含有することもできる。
【0070】本発明方法において使用するための写真乳
剤を形成するため、別々に作った2種以上のハロゲン化
銀乳剤を混合することができる。
【0071】ハロゲン化銀粒子の平均粒度は、0.1〜
2.0μm、好ましくは0.15〜0.8μm、更に好
ましくは0.20〜0.50μmの範囲であることがで
きる。
【0072】本発明により使用する写真乳剤のハロゲン
化銀粒子の粒度分布は、均質分散又は不均質分散である
ことができる。均質分散粒度分布は、粒子の95%が、
平均粒度より30%より大きく、更に好ましくは20%
より大きく偏差しない大きさを有するとき得られる。
【0073】ハロゲン化銀に加えて、乳剤は例えば銀ベ
ンゾトリアゾレート及び銀ベヘネートの如き有機銀塩も
含有できる。ハロゲン化銀結晶は更にRh3+,Ir4+
Cd2+,Zn2+,Pb2+,Fe2+等で更にドープでき
る。
【0074】好ましい潜像形成ハロゲン化銀乳剤は、同
じか又は異なるハロゲン化物組成を有するコア及び少な
くとも一つのシェルからなるいわゆるコア−シェル乳剤
である。シェル及びコアの両者は、相互に独立して、臭
化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、臭沃化銀、及び塩
臭沃化銀から構成できる。乳剤は粗い、中程度又は微細
な平均粒度を示すことができ、(100),(11
1),(110)結晶面又はそれらの組合せで結合され
ることができる。又US−P4504570に記載され
ている如く高アスペクト比平板コア−シェル乳剤粒子も
可能である。コア−シェル乳剤は、露光したとき内部潜
像を形成し、種々の種類のものであることができる内部
増感位置を含有する。
【0075】第一の種類のコア−シェル乳剤は、明確に
異なるハロゲン化物組成のコア及びシェルの間に、例え
ば比較的高い沃化物百分率を有する臭沃化銀シェルと臭
化銀コアの間の相境界中の結晶不規則性によって形成さ
れた内部物理増感位置を含有する。
【0076】内部増感位置を得る別の簡単な方法は、コ
ア粒子の形成中にコア粒子中に多価金属イオンドープ剤
を導入することからなる。この金属ドープ剤は沈澱の前
に反応容器中に置くことができる、又はそれは沈澱中に
含まれる溶液の一つ以上に加えることができる。好まし
い多価金属ドープ剤は周期表第VIII族の元素、例えばU
S−P3367778に記載されている如きイリジウ
ム、又はロジウムである。それらは好ましくは可溶性塩
又は配位錯体の形で使用する。通常の濃度範囲は、ハロ
ゲン化銀1モルについて10-8モルと10-4モルの間に
含まれる。
【0077】内部増感位置の最も普通の方法は、コアの
沈澱終了後沈澱を中断し、次いでこのコアを化学的に増
感又はかぶり形成さえし、次いでシェルを沈澱させるこ
とからなる。硫黄、セレン及びテルルの如き中央カルコ
ゲン元素を含有する通常の化学熟成剤を、例えばUS−
P3761276に記載されている如く使用でき、好ま
しくは貴金属例えば金を含有する化合物と組合せて使用
できる。コントラストは、US−P4035185に記
載されている如く、金増感剤量に対する中央カルコゲン
量の比を最適にすることによって制御できる。
【0078】シェル部分のハロゲン化物組成の選択は、
特定の写真用途の要件によって決まる。急速現像可能性
を達成するためには、高塩化物含有率を有する乳剤シェ
ルが望ましい。これに対して高感度が最も重要であると
き、臭化物又は沃臭化物シェルが好ましい。粒子のシェ
ル部分は、内部増感センターへの表面現像液の到達を避
けるため、全ハロゲン化銀の充分な百分率を含まなけれ
ばならない。完成したコア−シェル乳剤粒子の表面は、
直接ポジ乳剤の場には化学的に増感してもよく又はしな
くてもよい。良好な反転速度及び最高濃度を得るために
は、通常の方法を用いる中程度の表面増感を適用でき
る。この化学増感の程度は、内部増感が通常のまま主と
して残したまま、内部増感と表面増感の間の最良のバラ
ンスを実現する程度である。ネガ作用乳剤のためには、
内部感度を充分に越える表面感度を有するため、化学熟
成を、粒子の表面で感度斑点を得るために最適にすべき
であることは明らかである。
【0079】乳剤は洗浄しないままで置くことができ
る、或いは従来の方法を用い、例えば透析、凝集及び再
分散、又は限外濾過によって脱塩することもできる。
【0080】乳剤粒子の結晶表面での化学増感は、例え
ば前述した P. Glafkides による Chimie et Physiqu
e Photographique ;前述した G. F. Duffin による P
hotographic Emulsion Chemistry、前述した V. L. Z
elikman 等による Making and Coating Photographi
c Emulsion 、及び Akademische Verlagsgessellscha
ft(1968年)発行、 H. Frieser 編、 Die Glundl
agen der Photographischen Prozesse mit Silber
halogeniden に記載されている如く行うことができる。
前記文献に記載されている如く、化学増感は、少量の硫
黄を含有する化合物例えばチオサルフェート、チオシア
ネート、チオ尿素、サルファイト、メルカプト化合物、
及びローダミンの存在下にのみならず相当するセレン及
びテルル化合物の存在下に熟成を行うことによって実施
できる。また乳剤は金−硫黄熟成剤によって又は還元剤
例えばGB−A789823に記載されている如き錫化
合物、アミン、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジン−ス
ルフィン酸、及びシラン化合物によっても増感すること
ができる。化学増感はまた少量のIr,Rh,Ru,P
b,Cd,Hg,Tl,Pd,Pt,又はAuを用いて
行うことができる。これらの化学増感法の何れか一つ又
はそれらの組合せを使用できる。
【0081】ハロゲン化銀のスペクトル光感度は、通常
のモノ又はポリメチン染料例えば酸性もしくは塩基性シ
アニン、ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノー
ル、スチリル染料その他、また三もしくは多核メチン染
料例えばローダシアニンもしくはメロシアニンによっ
て、300〜900nmの所望されるスペクトル範囲、
例えば比較的長波長の青色光、緑色光、赤色光、赤外光
に対して増感することによって調整できる。かかるスペ
クトル増感剤は、例えばニューヨークの Interscience
Publishers , John Wiley & Sons 1964年発
行、F. M. Hamer 著、The Cyanine Dyes and Relat
ed Compounds に記載されている。ハロゲン化銀のスペ
クトル光感度はまたレーザー光例えばヘリウム−ネオン
レーザー光、アルゴンレーザー光、及びソリッドステー
トレーザー光によって露光するためにも調整できる。レ
ーザー光に対する光感度を調整するため使用できる染料
は、例えばJA−A62284344,6228434
5,62141561,62103649,62139
555,62105147,62105148,620
75638,62062353,62062354,6
2062355,62157027,6215702
8,62113148,61203446,62003
250,60061752,55070834,511
15821,51115822,51106422,5
1106423,51106425;DE−A3826
700;US−P4501811,4725532,4
784933;GB−A1467638;及びEP−B
100654及びそれらの中で引用された文献に記載さ
れている。ハロゲン化銀はまた主として400〜540
nmの範囲でのスペクトル感度を与え、540nmを実
質的に越えて感度を拡大しない染料で増感することもで
きる、かくすると形成された感光性材料は、像に従って
露光する前に安全光条件で取り扱うことができる。その
ために使用できる好適な染料は例えばUS−P4686
170に記載されている。
【0082】本発明により使用できる他の有用な増感染
料は、例えばUS−P2503776,252663
2,3522052,3556800,356745
8,3615613,3615632,361563
5,3615638,3615643,361729
3,3619197,3625698,362896
4,3632349,3666480,366796
0,3672897,3677765,367942
8,3703377,3705809,371382
8,3713828,3745014,376902
5,3769026,3770440,377044
9;GB−P1404511,及びBE−A69180
7に記載されている。
【0083】本発明において使用する増感染料は、通常
のネガハロゲン化銀乳剤で使用する濃度と殆ど同じ濃度
で使用する。特に、増感染料は、ハロゲン化銀の固有感
度の帯域で実質的に減感を生ぜしめない程度までの染料
濃度で使用することが有利である。
【0084】それ自体は何らスペクトル増感活性を有し
ない他の染料、又は可視放射線を実質的に吸収しない一
定の他の化合物が、それらを前記スペクトル増感剤と共
に乳剤中に混入したとき超色増感効果を有することがで
きる。好適な超色増感剤には、例えばUS−P3457
078に記載されている如き少なくとも一つの電気陰性
置換基を含有する複素環式メルカプト化合物、例えばU
S−P2933390及びUS−P3635721に記
載されている如き窒素含有複素環式環置換アミノスチル
ベン染料、例えばUS−P3743510に記載されて
いる如き芳香族有機酸/ホルムアルデヒド縮合生成物、
カドミウム塩、及びアザインデン化合物がある。
【0085】濃度増大化合物を、写真感光性直接ポジハ
ロゲン化銀材料中に、好ましくはその内部潜像型ハロゲ
ン化銀乳剤層中に混入できる、しかし、それらは内部潜
像型ハロゲン化銀乳剤層と水透過性関係にある親水性コ
ロイド層、例えば1m2 について少なくとも1gの親水
性コロイドを含有する前記保護親水性コロイド層中に混
入することもできる。
【0086】好適な濃度増大化合物にはぎ酸、しゅう
酸、グリオキシル酸、スルホ−サリチル酸、又はこれら
の塩、及びポリエチレングリコールがある。写真材料中
に混入するとき、濃度増大化合物は、4〜600mg/
2 、好ましくは40〜300mg/m2 の量で存在さ
せる。濃度増大化合物を親水性コロイド層中に混入する
とき、その中に塩の形で、例えばぎ酸もしくはしゅう酸
ナトリウムもしくはカリウムの形で存在させる。
【0087】内部潜像型ハロゲン化銀乳剤層と直接水透
過性関係にない親水性コロイド層中に濃度増大化合物を
混入することもできる、何故なら例えば不透過性支持体
が前記乳剤層と前記親水性コロイド層の間のバリヤーを
構成するからである。その場合、濃度増大化合物は、露
光した材料の前記現像溶液での処理中又は前浴中で、前
記現像溶液又は前浴を介してハロゲン化銀乳剤層に向っ
て拡散させることができ、そこでその効果を有するよう
にできる。かかる層には、例えば支持体の裏側で被覆さ
れ、異なる目的を果す層がある。かかる層の例には例え
ば裏塗層、カール防止層、及び帯電防止層がある。
【0088】濃度増大化合物はまた現像溶液中に、0.
2〜30g/l、好ましくは1〜10g/lの量で加え
ることもできる。濃度増大化合物はまた別の処理溶液例
えば前浴に加えることもできる。濃度増大化合物を現像
溶液又は前浴に加えるとき、その中で酸の形又は塩の形
で存在させる。
【0089】好ましい濃度増大化合物はしゅう酸であ
る、何故ならそれは最高の濃度増大効果を有し、従って
少ない濃度で使用できるからである。
【0090】本発明の写真材料を処理するため、任意の
既知の方法を使用できる。特に本発明により使用する処
理方法は、基本的には現像工程及び定着工程を含む。所
望ならば停止工程及び洗浄工程も同様に含むことができ
る。処理温度は通常18℃〜50℃の範囲内で選択す
る。しかしながら所望ならば、18℃より低い温度及び
50℃より高い温度も使用できる。処理時間は、処理さ
れるべき材料の機械的強度が悪い影響を受けず、分解が
生じないならば広い範囲で変えることができる。
【0091】本発明により露光した写真材料を現像する
ため使用する現像溶液は、少なくとも1種のアルカノー
ルアミンを含有できる、これは一級、二級及び三級アル
カノールアミンから選択できる。好適なアルカノールア
ミンには、例えばN,N,N−トリエタノールアミン、
2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3
−ジオール、N−メチル−ジエタノールアミン、N−エ
チル−ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミ
ン、N,N−ジエタノールアミン、3,3′−アミノ−
ジプロパノール、2−アミノ−2−メチル−プロパン−
1,3−ジオール、N−プロピル−ジエタノールアミ
ン、N−ブチル−ジエタノールアミン、N,N−ジメチ
ル−エタノールアミン、N,N−ジエチル−エタノール
アミン、N,N−ジエチル−イソプロパノールアミン、
1−アミノ−プロパン−2−オール、N−エタノールア
ミン、N−メチル−エタノールアミン、N−エチル−エ
タノールアミン、N−エチル−プロパノールアミン、3
−アミノ−プロパノール、3−ジメチルアミノ−プロパ
ノール、4−アミノ−ブタノール、及び5−アミノ−ペ
ンタン−1−オールがある。
【0092】アルカノールアミン又はアルカノールアミ
ンの混合物を、1〜100g/l、好ましくは10〜6
0g/lの量で現像溶液中に存在させることができる。
【0093】本発明方法において使用する現像溶液中
に、現像主薬としてハイドロキノン単独又は1−フェニ
ル−3−ピラゾリジノン化合物もしくはp−N−メチル
アミノフェノールの群の第二現像主薬とハイドロキノン
の組合せを使用できる。ハイドロキノンの特別の例には
ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハ
イドロキノン、クロロハイドロキノン、及びブロモハイ
ドロキノンを含む。
【0094】ハイドロキノンと組合せて使用できる特に
有用な1−フェニル−3−ピラゾリジノン現像主薬に
は、1−フェニル−3−ピラゾリジノン、1−フェニル
−4−メチル−3−ピラゾリジノン、1−フェニル−4
−エチル−5−メチル−3−ピラゾリジノン、1−フェ
ニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリジノン及び1−
フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−3−ピ
ラゾリジノンがある。
【0095】N−メチル−p−アミノフェノール及び
2,4−ジアミノフェノールを現像主薬としてのハイド
ロキノンと組合せて使用できる。
【0096】本発明の処理方法において使用する第二現
像主薬が、1−フェニル−3−ピラゾリジノン化合物の
群の一つであるとき、それは1lについて2〜20gの
量で存在させるのが好ましい。第二現像主薬がp−N−
メチル−アミノフェノールであるとき、それは1lにつ
いて10〜40gの量で存在させるのが好ましい。
【0097】現像溶液は、亜硫酸塩例えば亜硫酸ナトリ
ウムの如き保恒剤を1lについて45〜160gの範囲
の量で含有する。
【0098】現像溶液は、アルカリ提供物質例えばナト
リウム及びカリウムの水酸化物、リン酸及び/又はケイ
酸のアルカリ金属塩例えばリン酸三ナトリウム、ナトリ
ウム又はカリウムのオルソケイ酸塩、メタケイ酸塩、ヒ
ドロジケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムを含有する。アル
カリ提供物質は一部又は全部をアルカノールアミンで置
換できる。
【0099】現像溶液は緩衝剤例えば炭酸ナトリウムも
しくはカリウム、リン酸三ナトリウム、及びメタ硼酸ナ
トリウムを含有できる。
【0100】かぶり(Dmin )の形成を現象させるた
め、現像溶液は更に無機かぶり防止剤例えば臭化物、例
えば臭化カリウム及び/又は有機かぶり防止剤例えばベ
ンゾイミダゾール例えば5−ニトロ−ベンゾイミダゾー
ル、ベンゾトリアゾール例えばベンゾトリアゾール自体
及び5−メチル−ベンゾトリアゾールを含有できる。
【0101】現像溶液は、他の成分、例えば調色剤、現
像促進剤、酸化保恒剤、界面活性剤、脱泡剤、水軟化
剤、スラッジ防止剤、潜在硬化剤を含めた硬化剤、及び
粘度調整剤を含有できる。
【0102】既知の方法による現像溶液の再生も勿論可
能である。
【0103】これはしばしば必要ではないが、現像は低
pHを有する水性溶液で停止させることができる。例え
ば酢酸及び硫酸を含有し、緩衝剤を含有する3.5以下
のpHを有する水性溶液が好ましい。
【0104】オルソリン酸二水素ナトリウム及びオルソ
リン酸水素二ナトリウムの混合物を含有する緩衝された
停止浴組成物が好ましい。
【0105】従来の定着溶液を使用できる。有用な定着
剤の例には、定着剤として知られている有機硫黄化合物
のみならずチオサルフェートチオシアネート等を含む。
定着液は硬化剤として水溶性アルミニウム塩を含有でき
る。
【0106】停止溶液は低pHを有する水性溶液である
ことができる。例えば酢酸及び硫酸を含有し、緩衝剤を
含有する3.5以下のpHを有する水性溶液が好まし
い。
【0107】写真材料の寸法安定性を改良するために好
適な添加剤も、ハロゲン化銀乳剤の親水性コロイド結合
剤と共にその中に混入できる。この種の化合物の好適な
例には、例えば水溶性又は殆ど可溶性のない合成重合
体、例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、アクリ
ロニトリル、オレフィン及びスチレンの重合体、又は前
述したものとアクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽
和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート、スルホアルキル(メタ)アクリレート、及びスチ
レンスルホン酸との共重合体を含む。
【0108】写真材料の製造、貯蔵、又は処理中、かぶ
り形成又は感度の低下を防止するため、写真乳剤に種々
の化合物を加えることができる。このために非常に多く
の化合物が知られており、それらには芳香族もしくはメ
ルカプトテトラゾールの如き複素環式環と水銀の等極も
しくは塩状化合物、簡単な水銀塩、スルホニウム水銀複
塩、及び他の水銀化合物を含む。他の好適な安定剤には
アザインデン、好ましくはテトラもしくはペンタアザイ
ンデン、特にヒドロキシ基もしくはアミノ基で置換され
たもの、例えば4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,
3a,7−テトラアザインデンがある。この種の化合物
は Z. Wiss. Photogr. Photophys. Photochemi. 47巻
(1952年)2〜27頁に Birr によって発表されて
いる。他の好適な安定剤には例えば複素環式メルカプト
化合物例えば1−フェニル−5−メルカプトテトラゾー
ル、3−メチル−ベンゾチアゾール、四級ベンゾチアゾ
ール誘導体、ベンゾトリアゾールがある。安定剤の特別
の例は、最初にかかる化合物を引用することによって、
The Theory of the Photographic Process第3
版、1966年に K. Mees によって述べられている。
【0109】ハロゲン化銀乳剤は他の成分例えば現像促
進剤、湿潤剤及び硬化剤を含有できる。ハロゲン化銀乳
剤層及び/又は他の親水性コロイド層の親水性コロイド
結合剤は、特に使用する結合剤がゼラチンであるとき、
適切な硬化剤、例えばエポキサイド系のもの、エチレン
イミン系のもの、ビニルスルホン系のもの例えば1,3
−ビニルスルホニル−2−プロパノール、クロム塩例え
ば酢酸クロム、及びクロム明ばん、アルデヒド例えばホ
ルムアルデヒド、グリオキサール、及びグルタルアルデ
ヒド、N−メチロール化合物例えばジメチロール尿素及
びメチロールジメチルヒダントイン、ジオキサン誘導体
例えば2,3−ジヒドロキシ−ジオキサン、活性ビニル
化合物例えば1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒ
ドロ−s−トリアジン、活性ハロゲン化合物例えば2,
4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン、及び
ムコハロゲン酸例えばムコクロル酸及びムコフェノキシ
クロル酸で硬化できる。これらの硬化剤は単独で又は組
合せて使用できる。結合剤は又EP−A0040814
3に記載されたリン化合物及びカルバモイルピリジニウ
ム塩の如き急速反応硬化剤で硬化することもできる。
【0110】本発明の写真感光性材料は、フィルター染
料として又は他の目的のため例えば照射防止又はハレイ
ション防止のため、親水性コロイド層中に水溶性染料を
含有できる。かかる染料には、オキソノール染料、ヘミ
オキソノール染料、スチリル染料、メロシアニン染料、
シアニン染料、及びアゾ染料を含む。これらの中、オキ
ソノール染料、ヘミオキソノール染料、及びメロシアニ
ン染料が有用である。
【0111】本発明の写真感光性材料の親水性コロイド
層が染料又はUV吸収剤を含有するとき、これらの化合
物は、カチオン重合体例えばGB−A1468460及
びGB−A685475、US−P2675316、U
S−P2839401、US−P2882156、US
−P3048487、US−P3184309、US−
P3445231及びUS−P3986875、及びD
E−A1914362に記載された重合体によって媒染
することができる。
【0112】本発明の写真感光性材料は、写真乳剤層又
は少なくとも一つの他の親水性コロイド層中に各種の界
面活性剤又は可塑剤を含有できる。好適な界面活性剤又
は可塑剤には、非イオン界面活性剤例えばサポニン、ア
ルキレンオキサイド例えばポリエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール/ポリプロピレングリコール縮合
生成物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル又は
ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル、ポ
リエチレングルコールエステル、ポリエチレングリコー
ルソルビタンエステル、ポリアルキレングリコールアル
キルアミンもしくはアルキルアミド、シリコーン−ポリ
エチレンオキサイドアダクト、グリシドール誘導体、多
価アルコールの脂肪酸エステル及びサッカライドのアル
キルエスエル;カルボキシ、スルホ、ホスホ、硫酸もし
くはホスホン酸エステル基の如き酸基を含有するアニオ
ン界面活性剤;両性界面活性剤例えばアミノ酸、アミノ
アルキルスルホン酸、アミノアルキルサルフェートもし
くはホスフェート、アルキルベタイン、及びアミン−N
−オキサイド;及びカチオン界面活性剤例えばアルキル
アミン塩、脂肪族、芳香族もしくは複素環式四級アンモ
ニウム塩、脂肪族もしくは複素環式環含有ホスホニウム
もしくはスルホニウム塩を含む。かかる界面活性剤又は
可塑剤は、種々の目的のため、例えば被覆助剤として、
帯電防止化合物として、滑性を改良する化合物として、
分散乳化を容易にする化合物として、接着を防止又は減
ずる化合物として、及び写真特性、例えば高コントラス
ト及び現像促進を改良する化合物として使用できる。
【0113】現像促進は、各種の化合物例えばUS−P
3038805、US−P4038075及びUS−P
4292400に記載されているものの如く、好ましく
は少なくとも400の分子量を有するポリアルキレン誘
導体の助けで達成できる。
【0114】本発明の写真感光性材料は更に各種の他の
添加剤例えばUV吸収剤、艶消剤又はスペーシング剤、
及び滑剤を含有できる。
【0115】好適なUV吸収剤には、例えばUS−P3
533794に記載されている如きアリール置換ベンゾ
トリアゾール化合物、US−P3314794及びUS
−P3352681に記載されている如き4−チアゾリ
ドン化合物、JP−A2784/71に記載されている
如きベンゾフェノン化合物、US−P3705805及
びUS−P3707375に記載されている如きケイ皮
酸エステル化合物、US−P4045229に記載され
ている如きブタジエン化合物、及びUS−P37004
55に記載されている如きベンゾオキサゾール化合物が
ある。
【0116】好適なスペーシング剤には例えば微粒子化
シリカ粒子及びUS−P4614708に記載されてい
る如き重合体ビーズがある。
【0117】一般に、スペーシング剤の平均粒度は0.
2〜10μmの間に含まれる。スペーシング剤はアルカ
リに可溶性又は不溶性であることができる。アルカリ不
溶性スペーシング剤は通常写真材料中に永久的に残る、
一方アルカリ可溶性スペーシング剤は通常アルカリ性処
理浴中でそこから除去される。好適なスペーシング剤
は、例えばポリメチルメタクリレート、アクリル酸及び
メチルメタクリレートの共重合体、及びヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレートから作る
ことができる。他の好適なスペーシング剤はUS−P4
614708に記載されている。
【0118】艶消剤及び/又は滑剤は、本発明の写真感
光性材料の乳剤層及び/又は保護親水性コロイド層に加
えることができる。好適な艶消剤には、例えば0.2〜
6μmの適切な粒度を有するポリ(メチルメタクリレー
ト)の如き水分散性ビニル重合体及び無機化合物例えば
ハロゲン化銀及び硫酸ストロンチウムバリウムがある。
滑剤は写真材料の滑性を改良するために使用する。滑剤
の好適な例には例えば液体パラフィン、ワックス例えば
高級脂肪酸のエステル、ポリ弗素化炭化水素又はその誘
導体、シリコーン例えばポリアルキルポリシロキサン、
ポリアリールポリシロキサン、ポリアルキルアリールポ
リシロキサン及びそのアルキレンオキサイド付加誘導体
がある。
【0119】本発明の写真感光性材料の保護親水性コロ
イド層は、スペーシング剤としてのシリカ及び前述した
可塑剤の1種も含有するゼラチン層であるのが好まし
い。
【0120】本発明の写真感光性材料のために種々の写
真支持体を使用できる。ハロゲン化銀乳剤は支持体の一
側又は両側上に被覆できる。好適な支持体には例えばセ
ルローストリアセテートフィルム及びセルロースジアセ
テートフィルムの如きセルロースアセテートフィルム、
硝酸セルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレート
フィルム、及びポリスチレンフィルムがある。
【0121】本発明の方法により直接ポリ又はネガ像を
作るための第一工程においては、写真感光性材料を像に
従って露光する。この露光は高強度露光例えばフラッシ
ュ露光又は通常の強度露光例えば日光露光、低強度露光
例えばプリンターによる露光、又はさらに低い強度の露
光の何れであることもできる。露光のため使用する光源
は、感光性材料の波長感度にマッチさせるべきである。
自然光(日光)、白熱電球、ハロゲンランプ、水銀蒸気
ランプ、蛍光灯、陰極線管(CRT)、電子フラッシュ
ランプ、又は金属燃焼フラッシュバルブによって放出さ
れる光を使用できる。紫外から赤外までの波長範囲で光
を放出するガス−、染料−、又は半導体レーザー及びプ
ラズマ光源も、本発明の方法において使用するための写
真感光性ハロゲン化銀材料を露光するのに好適な光源で
ある。線形光源又は平面光源のみならず蛍光領域を有す
るマイクロシャッタ装置(CRT等)(その蛍光は電子
ビームによって刺激される蛍光物質によって生ぜしめら
れる)、又は液晶表示(LCD)又はランタンドープし
たジルコン酸鉛−チタン(PLZT)も、本発明の方法
で使用するための写真感光性ハロゲン化銀材料を露光す
るための光源として同様に使用できる。必要ならば、露
出光のスペクトル分布はカラーフィルターによって制御
できる。
【0122】直接ポジ又はネガ像を作るための第二工程
において、像に従って露光したハロゲン化銀材料は現像
溶液で含浸させる、例えばその中に浸漬させる。例えば
像に従って露光したハロゲン化銀材料は現像溶液を含有
するトレーを通して行う。
【0123】現像主薬は部分的には完全に写真感光性ハ
ロゲン化銀材料中に混入できる。それらは、材料の製造
段階中で、又は直接ポジ又はネガ像の現像前に写真材料
を湿潤させる処理液によって後の段階で導入できる。こ
の方法で、表面現像液は、実質的に現像主薬を含有しな
い単なるアルカリ性液体にすることができる。かかるア
ルカリ性水性液体は、しばしば活性剤と称され、長い活
性度を有する利点、即ち急速に消耗されることの少ない
利点を提供する。予備処理液は、所望によって1種以上
の核生成剤の存在下に、必要とされる核生成剤量又は核
生成剤プリカーサー量の少なくとも一部を含有でき、さ
もなければ現像溶液中に混入されていてよい他の成分も
含有できる。現像核生成剤又は核生成剤プリカーサー及
び/又は濃度増大化合物を含む処理液による写真材料の
湿潤は、従来の任意の方法によって例えば浸漬によっ
て、又は材料一側を例えばリックローラーによって湿潤
することによって、例えばポッド中に含有させたペース
トを拡布することによって、又は噴霧することによって
行うことができる。
【0124】本発明の方法で使用する写真感光性ハロゲ
ン化銀材料は種々の目的に供しうる。直接ポジ又はネガ
像を本発明により作ることができる応用分野には、例え
ばグラフィックアート記録法、銀塩拡散転写反転法、マ
イクロフィルム記録法、映画黒白ネガ用複製法、レーザ
ー記録法、陰極線記録法、写真植字法等がある。
【0125】本発明による直接ポジ又はネガ像の形成中
核生成剤としての活性化合物の存在は、前記化合物が芳
香族環中の「ジヒドロピリジニウム環」中に両方二重結
合を導入することによって、例えばプロパルギルアンモ
ニウム塩よりも安定である利点を有する。
【0126】本発明による化合物でのより有利なレドッ
クス電位は、プロパルギルアンモニウム化合物を含有す
る写真感光性ハロゲン化銀材料と比較して、これらの化
合物を含有する写真感光性ハロゲン化銀材料で達成でき
る低い最小濃度を説明できる。
【0127】本発明を下記実施例を参照して更に詳細に
説明する。しかしながら本発明はこれらに限定するもの
と解してはならない。
【0128】実施例実施例 1〜11
【0129】乳剤Aは下記の方法で製造した。 乳剤A:0.24μmの平均粒子直径を有する立方晶臭
化銀の乳剤を、水性ゼラチン溶液に臭化カリウム及び硝
酸銀の2.93M水性溶液の同時添加によって、60℃
で、pAg7で40.8分間で作った。次にAgBr1
モルについてチオ硫酸ナトリウム2.58×10-5
ル、AgBr1モルについて塩化金酸1.63×10-5
モル及びAgBr1モルについてp−トルエン−チオス
ルホン酸ナトリウム2.75×10-5モルを加え、乳剤
をpAg7で、60℃で2時間化学的に増感した。かく
して作られた化学増感した臭化銀粒子を、pAg7で2
0分間で60℃で臭化カリウム及び硝酸銀の2.93M
水性溶液の同時添加によって臭化銀のそれ以上の沈澱の
ためのコアとして使用し、最終的に0.3μmの平均直
径を有する立方晶臭化銀粒子の内部熟成した均質分散コ
ア/シェル乳剤を作った。水洗し、脱塩した後、AgB
r1モルについてチオ硫酸ナトリウム1.37×10-5
モル、AgBr1モルについて塩化白金酸2.47×1
-6モル、AgBr1モルについてチオシアン酸アンモ
ニウム2.68×10-5モル、及びAgBr1モルにつ
いてp−トルエンチオスルホン酸ナトリウム1.62×
10-6モルを加え、pH5.2、pAg7.8、46℃
で3.5時間化学増感を行った、かくして内部潜像乳剤
Aを得た。
【0130】乳剤Aを幾つかの部分に分け、それぞれに
本発明の核生成剤及び比較核生成剤A〜C(下記に示
す)の表1に示した量を加えた:
【0131】
【化21】
【0132】
【化22】
【0133】
【化23】
【0134】下記成分も加えた:臭化銀1モルについて
増感染料としての下記化合物SO1の1.7モル及び必
要な被覆粘度を達成するための増粘剤及び湿潤剤として
の過弗素化オクタン酸アンモニウム:
【0135】
【化24】
【0136】更に保護応力防止層の被覆のため、ゼラチ
ン、過弗素化オクタン酸アンモニウム(湿潤剤として)
及びホルムアルデヒド(硬化剤として)の溶液を作っ
た。
【0137】実施例1〜11の層は、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に、1m2 について約4.1gの
被覆臭化銀の量を与えるため、同時被覆を用いて乳剤層
と共に保護応力防止層のための溶液を被覆して作った。
【0138】これらの試料は、階段光学楔を介して約4
50nmのλmax を有するCRT光源に対して3×10
-5秒間露光するか、又はD=1.60光学濃度グレイフ
ィルターを介してキセノンフラッシュ光源(米国のマサ
チュッセッツ州 Wellesleyの EG & G Inc. によって
供給された)で1×10-5秒間露光し、次いで表1に示
す現像液、現像温度、現像時間及びpHで現像した。
【0139】現像液Aは下記成分を含有する高pHハイ
ドロキノン系現像液である: 脱イオン水 500ml ハイドロキノン 40g N−メチル−p−アミノフェノールサルフェート 15g 亜硫酸ナトリウム 110g 水酸化ナトリウム 19g 炭酸ナトリウム 40g 2−メチルアミノエタノール 40ml エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩 1g 脱イオン水で1lにした(pH値:11.3)。
【0140】現像液Bは下記成分を含有する低pHハイ
ドロキノン系現像液である: 脱イオン水 192ml 水酸化カリウム 14.16g エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩 0.92g 亜硫酸カリウム 81.88g ジエチレングリコール 20ml ハイドロキノン 26.25g ヒドロキシメチル−メチルフェニドン 2.75g 炭酸カリウム 16.26g 臭化カリウム 10g 脱イオン水で1lにした(pH値:10.90)。
【0141】現像液Cは下記成分を含有する古典的なM
AA1メトール−アスコルビン酸現像液である: メトール 2.5g アスコルビン酸 10g メタ硼酸カリウム(KBO2) 35g 臭化カリウム 1g 脱イオン水で1lにした(pH値:9.6)。
【0142】各試料を用いて得られたDmax 、Dmin
スピード(Dmin の上0.1の濃度レベルで評価)、及
び露光ラティチュード(Dmin の上0.1の濃度で評
価)を表1に示す。スピードに対して与えられた値は、
log Eで表示する。スピード値が大であればある程スピ
ードは大である。
【0143】表1に核生成剤の濃度を、硝酸銀100g
についてのμmolで示す。
【0144】
【表1】
【0145】表1に示した結果は、ハロゲン化銀写真材
料中に混入したとき本発明の核生成剤は、比較核生成剤
C(N−プロパルギルキノナルジンブロマイド、N−プ
ロパルギル複素芳香族環化合物)を用いて観察された像
識別の損失(Dmin 増大によって見られる如き)なし
に、ヒドラジドとは異なり9.6のpHを有する現像液
中でさえも核生成活性を示すことを示している。更に本
発明による核生成剤を混入した材料は、ヒドラジド核生
成剤を混入したものに匹敵する感度を示している。
【0146】実施例 12〜14 実施例12〜14で使用する層は、乳剤に核生成剤を加
えなかったことを除いて、実施例1〜11について試験
した如くして製造した。これらの層は、核生成剤を、使
用した現像液に加えたことを除いて実施例1〜11につ
いて記載した如く露光し、現像した、使用した核生成剤
を、加えた現像液1lについての量と共に、そして現像
条件及び写真結果と共に表2に示す。
【0147】
【表2】
【0148】表2の結果は、本発明の核生成剤が、非常
に低い濃度で9.6のpHを有する現像液中でさえも活
性であることを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/00 503 G03F 7/00 503 (72)発明者 デヴィッド・タール ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内 (72)発明者 イエロニム・アンドリサン ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内 (72)発明者 クリ・ヴィエヌ ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)支持体、少なくとも一つのハロゲ
    ン化銀乳剤層及び現像核生成量の化合物又はそのプリカ
    ーサーを含む写真感光性ハロゲン化銀材料を像に従って
    露光し、前記化合物が、ジヒドロピリジニウム環を含む
    少なくとも三つの環を含有する少なくとも一つの四級複
    素環式環系からなり、この場合炭素−窒素及び炭素−炭
    素二重結合が、前記三つの環の一つである芳香族環の一
    部でもあり、前記二重結合及び前記ジヒドロピリジニウ
    ム環中の窒素原子が環化共役環系に組入れられており、 (2)前記露光した写真材料をアルカリ性表面現像液中
    で現像し、この場合前記プリカーサーは急速に前述した
    如き環系に変換される工程を特徴とする像の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも一つのかかる化合物が、
    一般式(I)〜(III) : 【化1】 【化2】 【化3】 (Z1 は四級窒素原子を含む5〜6個の原子を含有する
    共役複素環式核を完結するのに必要な非金属原子を表
    し、前記複素環式核の追加原子は、炭素、窒素、酸素、
    硫黄及びセレンからなる群から選択する、Z2 は共役炭
    素環式又は複素環式環を完結するのに必要な非金属原子
    を表し、前記複素環式環の追加原子は、炭素、窒素、酸
    素、硫黄及びセレンからなる群から選択する、R1 ,R
    2 ,R3 ,R4 ,R5 及びR6 は、それぞれ独立に置換
    もしくは非置換アルキル基、アミノ基、アシル基、カル
    ボキシ基、スルホニル基、ハライド基、スルフィニル基
    又は水素を表す、但しR1 及びR2 の一つ;及びR3
    びR4 の一つは水素である)の一つに相当することを特
    徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 Z1 及び/又はZ2 が、アルカリ性現像
    液中で急速に脱ブロックされるブロックドハロゲン化銀
    吸収基を含有する基で置換されている環系であることを
    特徴とする請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 ブロックドハロゲン化銀吸収基を含有す
    る基が、式(IV): −R7 −S−R8 (IV) (式中R7 は−NH−CO−CH2 −;−CO−CH2
    −;−NH−CH2 −;−NH−SO2 −CH2 −を表
    し、R8 はチオカルバミド基、カルバミド基、アシル基
    例えばアルキルもしくはアリールカルボニル基、チオニ
    ル基、カルボキシカルボニル基又はカルボキシ−チオカ
    ルボニル基を表す)によって表されることを特徴とする
    請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 支持体、及び本発明による現像核生成量
    の少なくとも一種の化合物を、親水性コロイド結合剤中
    及び/又は乳剤層と水透過性関係にある親水性コロイド
    中に分散した少なくとも一つの感光性乳剤層を含む写真
    感光性ハロゲン化銀材料において、前記化合物が、前記
    一般式(I)〜(III) の一つに相当し、一般式(I)及
    び(II)はジヒドロピリジニウム環を有する化合物であ
    り、一般式(III) はアルカリ性現像液中のヒドロキシル
    イオンの存在によってジヒドロピリジニウム環を有する
    相当する化合物に変化されうる化合物であることを特徴
    とする写真感光性ハロゲン化銀材料。
  6. 【請求項6】 前記化合物が、一般式(I)〜(III) : 【化4】 【化5】 【化6】 (式中Z1 は四級窒素原子を含む5〜6個の原子を含有
    する共役複素環式核を完結するのに必要な非金属原子を
    表し、前記複素環式核の追加原子は、炭素、窒素、酸
    素、硫黄及びセレンからなる群から選択する、Z2 は共
    役炭素環式又は複素環式環を完結するのに必要な非金属
    原子を表し、前記複素環式環の追加原子は、炭素、窒
    素、酸素、硫黄又はセレンから選択する、R1 ,R2
    3 ,R4 ,R5 及びR6 はそれぞれ独立に置換もしく
    は非置換アルキル基、アミノ基、アシル基、カルボキシ
    基、スルホニル基、ハライド基、スルフィニル基、又は
    水素を表す、但し、R1 及びR2 の一つ;及びR3 及び
    4 の一つは水素である)の一つに相当することを特徴
    とする請求項5の写真感光性ハロゲン化銀材料。
  7. 【請求項7】 前記核生成剤プリカーサーが、前記ハロ
    ゲン化銀乳剤層中に、ハロゲン化銀1モルについて約1
    -5〜約10-1モルの量で存在することを特徴とする請
    求項5又は6の写真感光性ハロゲン化銀材料。
  8. 【請求項8】 前記像形成ハロゲン化銀粒子がコア−シ
    ェル粒子であることを特徴とする請求項5〜7の何れか
    1項の写真感光性ハロゲン化銀材料。
  9. 【請求項9】 前記コア−シェル粒子のコアが化学的に
    熟成されていることを特徴とする請求項8の写真感光性
    ハロゲン化銀材料。
  10. 【請求項10】 前記ハロゲン化銀粒子が、多価金属ド
    ープ剤でドープされることを特徴とする請求項5〜9の
    何れか1項の写真感光性ハロゲン化銀材料。
  11. 【請求項11】 前記多価金属ドープ剤が周期表第VIII
    族から選択されることを特徴とする請求項10の写真感
    光性ハロゲン化銀材料。
  12. 【請求項12】 前記材料が、少なくとも一つの感光性
    ハロゲン化銀層中に、非かぶり内部潜像型ハロゲン化銀
    粒子を含有する直接ポジ材料であることを特徴とする請
    求項5〜11の何れか1項の写真感光性ハロゲン化銀材
    料。
  13. 【請求項13】 前記材料が、少なくとも一つの感光性
    ハロゲン化銀層中に、表面潜像型ハロゲン化銀粒子を含
    有するネガ作用平版印刷材料であることを特徴とする請
    求項5〜11の何れか1項の写真感光性ハロゲン化銀材
    料。
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