JPH08220574A - 非線形光学材料及び非線形光学装置 - Google Patents

非線形光学材料及び非線形光学装置

Info

Publication number
JPH08220574A
JPH08220574A JP5030795A JP5030795A JPH08220574A JP H08220574 A JPH08220574 A JP H08220574A JP 5030795 A JP5030795 A JP 5030795A JP 5030795 A JP5030795 A JP 5030795A JP H08220574 A JPH08220574 A JP H08220574A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
nonlinear optical
nonlinear
refractive index
heteroaromatic ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5030795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3271463B2 (ja
Inventor
Naoki Oba
直樹 大庭
Toshikuni Kaino
俊邦 戒能
Akira Tomaru
暁 都丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP05030795A priority Critical patent/JP3271463B2/ja
Publication of JPH08220574A publication Critical patent/JPH08220574A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3271463B2 publication Critical patent/JP3271463B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用波長範囲が広く、高速応答性を有し、か
つ動作入力光強度が小さい、実用に供し得る高効率非線
形光学材料、及びこれを用いた高性能非線形光学装置を
提供する。 【構成】 下記一般式(化1): 【化1】 (Ar、Ar′は置換あるいは無置換複素芳香環を表
し、Arはπ共役系に関して、ドナー性を有し、Ar′
はπ共役系に関してアクセプター性を有す。n及びmは
1〜6の整数であり、その少なくとも一方は2以上であ
る)で表されるポリアリーレンエチニレンからなる非線
形光学材料。非線形屈折率を有する光学媒質が上記π電
子共役高分子であるものを用いた非線形光学装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報処理や光通信シ
ステムにおいて、将来的に重要である光スイッチや光メ
モリーに用いられる非線形光学材料、及び光スイッチや
光メモリーから構成される光信号演算処理装置などの非
線形光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】非線形光学効果とは、物質に光が入射し
たときに、物質の電気分極Pが、下記一般式(数1):
【0003】
【数1】
【0004】 P=χ(1) E+χ(2) 2 +χ(3) 3 +・・・
【0005】で書けるのに対し、第2項以降の項により
発現する効果を言うものである〔χ(i) はi次の電気感
受率、Eは光の電界強度である〕。特に、第2項による
第2高調波発生(SHG)や第3項による第3高調波発
生(THG)は波長変換効果としてよく知られている
が、第3項はまた、光強度に応じた光学定数の変化、例
えば非線形屈折率効果や非線形吸収効果を与えるものと
して重要である。例えば、非線形屈折率効果は物質の屈
折率nが入射光強度に比例して変化するものであり、n
=n0 +n2 Iで記述される(n0 は定数、n2 は非線
形屈折率係数である)。この効果を示す非線形光学材料
と、光共振器や偏光子あるいは反射鏡など他の光学素子
とを組合せると、光双安定素子や光スイッチあるいは位
相共役波発生器などの光情報処理や光通信システムにお
いて将来的に用いられる重要なデバイスの実現が可能で
ある。
【0006】このような非線形屈折率効果を示す非線形
光学材料を媒質とする非線形光学装置の従来例として、
光双安定素子の実例を図5を参照しながら以下に示す。
図5の符号15は光双安定素子、21は非線形屈折率を
有する光学材料(非線形屈折率媒質)、22A及び22
Bは非線形屈折率媒質21の両面にコートされた反射率
約90%の誘電体蒸着ミラーである。この構成において
は、入力光の波長を僅かに変化させて共振条件を満足す
ると、入力光強度Piに対して出力光Ptが図6中の
(A)、(B)に示した様な特性を持つ〔動作原理につ
いては文献アプライド フィジックス レターズ{ App
l. Phys. Lett.、第35巻、第451頁(1976)}
に詳しい〕。これらはそれぞれリミッタ動作及び双安定
動作に対応しており、光通信や光情報処理システムにお
いて入力光パルスの波形整形、光スイッチ、あるいは光
信号メモリー、光論理演算動作などへの応用が可能なも
のである。すなわち、図6は非線形光学装置(光双安定
素子)の(A)リミッタ動作特性、(B)双安定動作特
性を示す図である。図中の矢印はPiの増加時、及び減
少時のPtの特性を現す経路を示す。ところで、この種
の非線形光学装置においては、特性として、使用可能な
入力光波長並びに入力光強度、更に光信号の強度変化に
対して追随可能な応答時間の3つの値が重要である。例
えば図5中の非線形光学媒質21として、GaAsとG
aAlAsの半導体薄膜を交互に繰り返し成長させて作
製した超格子結晶を用いた例においては、結晶内で励起
子が光吸収に伴って励起されることによって屈折率が光
強度依存性を示すこと(吸収依存性効果)を動作原理と
しているため、前記一般式(数1)の第3項の係数が大
きく(すなわち3次非線形の効率が高く)、動作に必要
な入力光強度は5×104 W/cm2 程度と小さくて済
む点では優れているが、使用可能な入力光波長が励起子
吸収スペクトル近傍の極めて狭い範囲に限られてしまう
こと、及び応答時間が励起子寿命により決定され、3×
10-8secより高速の光信号処理には使えないという
問題点があった。また、非線形光学媒質として非線形光
学液体である二硫化炭素(CS2 )を満たしたガラスセ
ルを用い、前記誘電体蒸着ミラー22A、22Bの代り
に、外部ミラーを用いた別の従来例においては、光電界
に応じた分子の回転配列により屈折率が光強度依存性を
示すこと(分子回転非線形効果)を動作原理としている
ため、使用可能な入力光波長が可視から近赤外域の広い
範囲にわたるという点では優れているものの、3次非線
形の効果がそれ程高くなく、動作に必要な入力光強度が
108 W/cm2 程度と大きくなること、及び応答時間
が分子の回転緩和時間により決定され、10-11 〜10
-12 secより高速の光信号処理には使えないという問
題点があった。
【0007】以上のことから明らかなように、非線形光
学装置の性能は、非線形光学材料の特性によってほとん
ど決定される。したがって、使用可能な波長範囲が広
く、3次非線形の効率が高く、動作に必要な入力光強度
が小さく、応答時間が短い材料の開発が熱望され、それ
に向けて活発な研究が行われているのが現状である。こ
のような非線形屈折率効果を示す3次の非線形光学材料
としては、ベンゼン環や2重結合あるいは3重結合など
のπ電子共役をもつ有機非線形光学材料が最近特に注目
されている。例えば、ポリジアセチレンビス−(パラト
ルエンスルホネート)(略称PTS)では、3次効果の
定数χ(3) はχ(3) =1×10-10 esu〔非線形屈折
率係数に換算すると、n2 =2×10-12 (W/c
2 -1となる〕の値をもち、上記のCS2 液体より2
桁大きい。また、この非線形効果のメカニズムは吸収に
よるものでなく、かつ分子や結晶格子との相互作用によ
るものでもなく、純粋に電子分極に由来するものである
ために、光信号の強度変化に追随可能な応答時間が10
-14 secと極めて高速であることが有機非線形光学材
料の大きな特長である。また、使用可能な入力光波長は
0.65μm付近から2.0μm以上の広い範囲にわた
っているという優れた特性を併せ持っている。しかしな
がら、上記PTSなどのポリジアセチレンは、一般に結
晶性高分子であるために、実際に光スイッチや光メモリ
ー用の媒質として用いる場合には、媒質全体が単結晶と
なっていることが必要である。もし、媒質の一部に非晶
質部が存在したり、全体が多結晶状態になっていて微小
な単結晶の集合体であったりすると、入射光の散乱損失
が増大してしまい、使いものにならない。したがって、
ポリジアセチレンを用いた光学装置を製造するに当って
は、目的に応じた大型結晶の育成あるいは薄膜結晶化な
どの技術が不可欠であり、更にこれらの結晶が得られた
場合でも、結晶を切断したり表面を研磨したりする加工
技術を確立することが必要である。ポリジアセチレンに
関するこれらの周辺技術は今のところまだ解決されてい
ない。また、代表的な導電性高分子材料であるポリアセ
チレンについても上記PTSを上回る大きな3次の非線
形光学定数(χ(3) >10-9esu)を有するが、PT
S同様結晶性高分子であるため光透過性、加工性に劣
り、実用的観点から光スイッチや光メモリー用媒質とし
ての使用は困難である。このように、ポリジアセチレン
あるいはポリアセチレンなど従来公知である高い非線形
光学効果を有する高分子材料として、実用レベルで非線
形光学装置への応用に供せられるものは一つも実現して
いない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
かんがみてなされたもので、従来の光双安定素子を始め
とする、光スイッチ、位相共役波発生装置などの非線形
屈折率を利用した非線形光学装置に適用する問題点、す
なわち前記したような使用波長制限、低速応答性、高動
作入力光強度、あるいは所望の光学材料を容易に入手で
きないこと、などの欠点を除去することを課題とするも
のであり、使用波長範囲が広く、高速応答性を有し、か
つ動作入力光強度が小さい、実用に供し得る高効率非線
形光学材料、及びこれを用いた高性能非線形光学装置を
提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は非線形光学材料に関する発明であっ
て、ドナー性を有する複素芳香環とアクセプター性を有
する複素芳香環とエチニレンとから構成されるπ電子共
役高分子からなる非線形光学材料において、該π電子共
役高分子が下記一般式(化1):
【0010】
【化1】 (Ar、Ar′は置換あるいは無置換複素芳香環を表
し、Arはπ共役系に関して、ドナー性を有し、Ar′
はπ共役系に関してアクセプター性を有す。n及びmは
1〜6の整数であり、その少なくとも一方は2以上であ
る)で表されるポリアリーレンエチニレンであることを
特徴とする。また、本発明の第2の発明は非線形光学装
置に関する発明であって、非線形屈折率を有する光学媒
質と、光共振器や偏光子、あるいは反射鏡などの光学素
子とで構成される非線形光学装置において、該非線形屈
折率を有する光学媒質が前記一般式(化1)で表される
ポリアリーレンエチニレンであることを特徴とする。
【0011】前記課題を解決するために本発明は上記の
構成からなる。すなわち、本発明は、一般式(化1)で
表されるポリアリーレンエチニレンが、極めて大きな非
線形光学効果を有すると共に光の透過性に優れる薄膜を
容易に得ることができることを見出したものである。
【0012】すなわち従来のπ電子共役高分子材料系の
非線形光学材料は、π電子共役長を長くすること、ある
いはπ電子共役系を平面的に広げることによって非線形
光学効果が大きくなることを基本としていたのに対し、
本発明のポリアリーレンエチニレンでは、π電子共役高
分子材料が分子内にエチニレンを挟んでπ共役系につい
てアクセプター性を有する複素芳香環とドナー性を有す
る複素芳香環とを有し、その片方若しくは両方が複数の
複素芳香環により構成されるために分子内での大きな電
荷移動が容易に起り、これがπ電子共役高分子材料の非
線形光学特性を著しく向上させることを見出したもので
ある〔前記π共役系についてのアクセプター性、ドナー
性については、次の著書に詳しい。ニューヨーク市、ジ
ョン ワイリー サンズ社1982年発行、G.R.ニ
ューカム(G.R.Newkome)及びW.W.パウドラー
(W.W.Paudler)共著、「コンテムポラリ ヘテロサ
イクリック ケミストリー(Contemporary heterocycli
c chemistry)。ただし、この著書のなかでは、該π共役
系についてのアクセプター性、ドナー性を、それぞれπ
−デフィシエント(π−deficient)、π−イクセッシブ
(π−excessive)と表現している〕。また本発明のポリ
アリーレンエチニレンは、異種の芳香環から構成される
ために結晶性が阻害され、非晶質の高分子が容易に得ら
れ、この結果光学的透明性に優れる薄膜フィルムの製作
が容易であることが判明した。
【0013】π共役系についてアクセプター性を有する
複素芳香環としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジ
ン、ピリダジン、トリアジン、テトラジン、ベンゾチア
ゾール、ベンゾオキサゾール及びこれらのアルキルある
いはアルコキシ置換体など種々の化合物が用い得るが、
特にピリジンである場合に本発明の効果が特に大きいこ
とを見出した。また、ドナー性を有する複素芳香環とし
てはチオフェン、セレノフェン、フラン、ピロール、テ
ルロフェン、及びこれらのアルキルあるいはアルコキシ
置換体など種々の化合物を用い得るが、チオフェンある
いはセレノフェンである場合に本発明の効果が特に大き
いことを見出したものである。一つのアクセプター性を
有する複素芳香環と一つのドナー性を有する複素芳香環
を含んだ繰り返し単位で構成されるポリアリーレンエチ
ニレン系π電子共役高分子材料が、大きな非線形光学効
果を有すると共に薄膜形成が容易であることについては
本発明者らによって明らかにされている〔T.山本、
M.タカギ、K.キズ、T.マルヤマ、K.クボタ、
H.カンバラ、T.栗原、及びT.戒能(T.Yamamot
o、M.Takagi、K.Kizu、T.Maruyama、K.Kubot
a、H.Kanbara、T.Kurihara、T.Kaino)、ケミカル
コミュニケーションズ(Chem. Commun.)、第9号、第
797頁(1993)〕。ここで、π共役系についてア
クセプター性を有する複素芳香環がピリジンであり、ド
ナー性を有する複素芳香環が3−ヘキシルチオフェンで
ある場合に、3−ヘキシルチオフェンからピリジンへの
電荷移動効果により光非線形性が大きくなることが判明
している。しかしこのような材料を具体的に超高速の光
スイッチ素子に応用するために更に大きな非線形光学特
性が必要である。更に大きな非線形光学特性を得るため
にはπ電子共役系の中に更に大きな分子内での電荷移動
を起こさせる必要があると考え本発明に至ったものであ
る。この目的を達成するためにドナー性を有する複素芳
香環とアクセプター性を有する複素芳香環とを含むπ電
子共役高分子からなる非線形光学材料において、該π電
子共役高分子としてポリアリーレンエチニレンを選択し
ている。更にπ共役系についてアクセプター性を有する
複素芳香環がピリジン、あるいはアルキル基あるいはア
ルコキシ基で置換されたピリジンであり、ドナー性を有
する複素芳香環がチオフェンあるいはセレノフェン、あ
るいはアルキル基あるいはアルコキシ基で置換されたチ
オフェンあるいはセレノフェンあるいはこれらのセレノ
フェンあるいはチオフェンを組合せた化合物であり、ド
ナー性を有する複素芳香環とアクセプター性を有する複
素芳香環の双方あるいは片方が2〜6個連結した化合物
で構成される場合に本発明の効果が特に大きいことを見
出したものである。従来このような方法でπ電子共役高
分子の分子内電荷移動を増大させることが、非線形光学
特性向上に寄与することについては明らかにされていな
かった。
【0014】本発明のポリアリーレンエチニレンにおい
ては、ピリジン及びチオフェンあるいはセレノフェンは
各芳香環が2〜6個連結した化合物がエチニレンを挟ん
で交互に結合しても良く、また、ピリジン環が1〜6個
連結した化合物とチオフェン環あるいはセレノフェン環
が交互にあるいはランダムに、あるいは2分子以上の単
位で結合した化合物とがエチニレンを挟んで交互に結合
しても良い。ドナー性芳香環及びアクセプター性芳香環
がそれぞれ7個以上連結した化合物においても非線形光
学効果は観測されるものの、この場合理由は必ずしも明
確にされていないが分子の平面性が低下する傾向が生
じ、分子内電荷移動の増大効果を活かすことができない
ため、本発明においては各芳香環が2〜6個連結した化
合物において発明の効果が顕著である。
【0015】本発明に係わる高分子材料はギ酸などに可
溶であるが、更に有機溶媒可溶性の構造とすることが好
ましい場合がある。この目的達成のためにはドナー性を
有する複素芳香環としてアルキル基あるいはアルコキシ
基で置換されたチオフェンあるいはセレノフェンを用い
る、あるいはアクセプター性を有する複素芳香環として
アルキル基あるいはアルコキシ基で置換されたピリジン
を用いることが有効である。この場合、芳香環が1〜6
個連結したピリジンあるいはチオフェンあるいはセレノ
フェン化合物すべての芳香環にアルキル基あるいはアル
コキシ基が置換されている必要はなく、合成の容易さを
勘案して任意の芳香環にアルキル基あるいはアルキコシ
基の置換を行えばよい。アルキル基あるいはアルコキシ
基による置換は当該ポリアリーレンエチニレン系π電子
共役高分子の溶解性を向上させるのみならず、π電子共
役高分子の平面性向上に寄与することも本発明の効果の
一つである。この結果、アルキル基あるいはアルコキシ
基で置換されないチオフェンあるいはセレノフェンと、
アルキル基あるいはアルコキシ基で置換されないピリジ
ン環のそれぞれ、あるいは片方が2〜6個連結した化合
物で構成されるポリアリーレンエチニレン系π電子共役
高分子に比べて非線形光学特性が向上するという効果を
もたらす。
【0016】また本発明は、非線形屈折率を有する光学
媒質と、光共振器や偏光子、あるいは反射鏡などの光学
素子とで構成される非線形光学装置において、非線形屈
折率を有する光学媒質としてドナー性を有する複素芳香
環とアクセプター性を有する複素芳香環のそれぞれ、あ
るいは片方が2〜6個連結した化合物で構成されるポリ
アリーレンエチニレン系π電子共役高分子材料を用いる
ことを特徴とするものである。前記π共役系についてア
クセプター性を有する複素芳香環とドナー性を有する複
素芳香環とから構成されるポリアリーレンエチニレン系
π電子共役高分子材料としては下記式(化2)中の
(I)〜(IV)で示されるようなピリジン及びチオフ
ェンとから構成されるπ電子共役高分子材料、あるいは
下記式(化3)中の(V)〜(VIII)で示されるような
ピリジン及びセレノフェンとから構成されるπ電子共役
高分子材料、あるいは下記式(化4)中の(IX)〜
(X)で示されるようなピリジン及びチオフェンとセレ
ノフェンとから構成されるポリアリーレンエチニレン系
π電子共役高分子材料などが挙げられる。複素芳香環に
非対称性がある場合、厳密には単一の繰り返し単位から
なっていなくとも、形式上共重合体からなる物質で有
り、いわゆる頭−尾(head-to-tail) の構造のみならず
いわゆる頭−頭(head-to-head) の部分が形成されても
良い。しかしこの複素芳香環の繰り返し単位の多くは規
則的で有り、多少の不規則部分が存在しても本発明効果
への影響は小さい。いわゆるランダム構造の化合物であ
っても複素芳香環の非対称性に基づく構造変化が光非線
形性あるいは溶解性に及ぼす影響は特に問題とはならな
い。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】これらのπ電子共役高分子材料の合成は、
アモルファス構造をもつ導電性高分子材料として既に報
告されているポリ−(3−ヘキシルチオフェン−2,5
−ジイルエチニレン−ピリジン−2,5−ジイル−)、
あるいはポリ−(セレノフェン−2,5−ジイルエチニ
レン,ピリジン−2,5−ジイルエチニレン)に準じて
行うことができる。後で述べるように、本発明による非
線形光学材料は、ギ酸のみならずクロロホルム、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、テトラヒドロフラン、n−メチルピロリド
ン、トルエンなどの有機溶媒に可溶のポリマーを合成す
ることができるため、成形性に優れ、取扱いやすく、か
つ化学的に安定である。
【0021】これらのドナー性を有する複素芳香環とア
クセプター性を有する複素芳香環のそれぞれ、あるいは
片方が2〜6個連結した化合物で構成されるポリアリー
レンエチニレン系π電子共役高分子材料は、3次非線形
効果が極めて大きく、また、光透過性に優れることを、
本発明者らは初めて明らかにすることができた。また、
その大きな3次効果故に非線形屈折率係数が大きな値と
なることを確認し、この材料を非線形光学媒質として光
双安定素子、光スイッチ、位相共役波発生器などの非線
形光学装置を構成し、それらが実用に供し得るとしたの
は、本発明の第2に強調すべき点である。
【0022】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明に係わるπ共役
系についてドナー性を有する複素芳香環とアクセプター
性を有する複素芳香環のそれぞれ、あるいは片方が2〜
6個連結した化合物で構成されるポリアリーレンエチニ
レン系π電子共役高分子材料の非線形光学効果及びこれ
を用いた非線形光学装置の特徴を詳しく説明する。
【0023】実施例1 有機材料の3次効果は、一般に第3高調波光(THG
光)の強度を測定することによって評価される。レーザ
パルス光を入射し、サンプルをレーザ光の入射方向と垂
直な軸の回りに回転させながら、出てくるTHG光強度
を測定し、既に効率が既知の材料(ここでは石英ガラス
を用いた)を同一の観測系で測定して、THGのピーク
強度と比較すれば、3次効果の効率を測定することがで
きる〔測定原理については、文献 エレクトロニクス
レターズ(Electron. Lett.)、第23巻、第11号、第
595頁(1987)に詳しい〕。図7は、ポリー(ビ
−3−ヘキシルチオフェンジイルエチニレン−ピリジン
ジイルエチニレン)(略称PAE−BTRPY)フィル
ム(この場合の厚さは0.15μm)を対象とし、TH
G法で得られた結果を3次の電気感受率χ(3) (縦軸、
×10-10 esu)で表し、入射光波長(横軸、μm)
に対してプロットした結果である。χ(3) の値は8×1
-10 esu前後であり、前述のPTSとほぼ同程度の
値であることが確かめられた。なお、この測定値から非
線形屈折率はn2 =5×10-12 (W/cm2 -1前後
と算出される。上記PAE−BTRPYフィルムの作製
法について述べる。下記式(化5)は本発明の非線形光
学材料PAE−BTRPYを合成するときの反応スキー
ムの一例である。
【0024】
【化5】
【0025】目的とする高分子化合物PAE−BTRP
Yはトルエンやクロロホルムなどの有機溶媒に可溶であ
り、これを溶解(1重量%前後)し、スピンコーティン
グにより0.02〜0.5μmの薄膜フィルムが得られ
る。
【0026】また、PAE−BTRPYの吸収スペクト
ルは、分光光度計で測定した。その結果、無吸収波長域
は0.70〜2.2μmと極めて広いことが判った。す
なわち、この材料は使用可能波長域が前述のPTSより
更に広く優れている。更に同様な考察から、π共役系に
ついてドナー性を有する複素芳香環とアクセプター性を
有する複素芳香環のそれぞれ、あるいは片方が2〜6個
連結した化合物で構成されるポリアリーレンエチニレン
系π電子共役高分子材料の応答時間はPTSと同様に1
-14 sec程度と推測され、充分な高速性を備えてい
る。一方、PAE−BTRPYトルエン溶液のキャステ
ィングにより2μm厚のフィルムを得て、プリズムカッ
プリング法によってこのフィルムの光透過性を評価した
ところ、波長1.3μmで1.5dB/cmという優れ
た光透過性を有することが判った。
【0027】実施例2 ポリ−(ビセレノフェン−2,5−ジイルエチニレン−
ビ−4−メチルピリジン−2,5−ジイルエチニレン)
(略称PAE−BSBPYR)フィルム(この場合の厚
さは0.15μm)を合成し、3次の電気感受率χ(3)
値を測定したところ2×10-9esu前後であり、前述
のPTSと同程度の値であることが確かめられた。な
お、この測定値から非線形屈折率はn2 =5×11-11
(W/cm2 -1前後と算出される。高分子化合物PA
E−BSBPYRをクロロホルムに溶解(1重量%前
後)し、スピンコーティングにより0.02〜1.5μ
m厚の薄膜フィルムが得られる。また、PAE−BSB
PYRの吸収スペクトルは、分光光度計で測定した。そ
の結果、無吸収波長域は0.70〜2.2μmと極めて
広いことが判った。すなわち、この材料は使用可能波長
域が前述のPTSより更に広く優れている。本発明の非
線形光学材料PAE−BSBPYRの応答時間はPTS
と同様に10-14 sec程度と推測され、充分な高速性
を備えている。一方、PAE−BSBPYRクロロホル
ム溶液のキャスティングにより2μm厚のフィルムを得
て、プリズムカップリング法によってこのフィルムの光
透過性を評価したところ、波長1.3μmで1.2dB
/cmという優れた光透過性を有することが判った。
【0028】実施例3〜15 表1、表2及び表3に本発明によるπ共役系についてド
ナー性を有する複素芳香環とアクセプター性を有する複
素芳香環のそれぞれ、あるいは片方が2〜6個連結した
化合物で構成される種々のポリアリーレンエチニレン系
π電子共役高分子材料の非線形光学効果及び光透過性を
示す。いずれも高非線形光学効果と優れた光透過性を有
していることが判る。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】実施例16 図1は本発明の光双安定素子の構成の一例を示す概略斜
視図であり、ここに10は光双安定素子(外部共振
器)、20は非線形屈折率媒質、23A、23Bは誘電
体多層膜ミラー、Piは入力光、Ptは力出力光であ
る。この外部共振器波、上記に述べた方法により作製し
たPAE−BTRPYフィルムを非線形屈折率媒質20
として使用し、入力光を約90%反射し、残りを透過さ
せる誘電体多層膜ミラー23A、23Bを非線形屈折率
媒質20を挟んで対向させて配置した外部光共振器であ
る。ここに、上述したPAE−BTRPYフィルムはP
AE−BTRPYのトルエン溶液をガラス基板上にキャ
スティングし、溶媒を除去した後、基板よりはく離する
ことによって、10×10×1mm3 程度の大きさのフ
リースタンディングなフィルム状の非線形屈折率媒質に
したものを使用した。
【0033】実施例17 図2は、本発明の光制御光スイッチの構成の一例を示す
概略斜視図である。図2において、符号11は光制御光
スイッチ、20は本発明の非線形屈折率媒質、24A、
24Bは偏光子、Piは入力光、Ptは出力光、Pgは
ゲートパルス光である。この光制御光スイッチ11は互
いに偏光軸が直交するよう配置された2枚の偏光子24
A、24Bからなる直交偏光子系を有し、これらの直交
偏光子24A、24Bで非線形屈折率媒質20を挟んだ
構成である。非線形屈折率媒質20としては実施例1で
得られたPAE−BTRPYを使用した。この構成にお
いては、ゲートパルス光Pgが入射している間だけ直交
偏光子24Aを通過した直線偏光が、非線形屈折率媒質
20の屈折率変化によって偏光角の回転を受け、直交偏
光子24Bを通過する。すなわち入力光Piはゲートパ
ルス光Pgによって光スイッチされる。本装置において
も、使用可能波長範囲、応答時間、及び動作入力光強度
(ゲートパルス光)の値は重要であるが、使用可能波長
範囲及び応答時間について極めて優れていることは実施
例1より明らかである。
【0034】実施例18 図3は、本発明の位相共役波発生装置の構成の一例を示
す概略断面図である。図3において、12は本発明の位
相共役波発生装置、20は本発明の非線形屈折率媒質、
25A、25Bは半透過鏡、26は全反射鏡、Piは入
力光、Ptは力出力光、A1 、A2 、Ac、Apは光波
である。本発明の位相共役波発生装置12は、本発明の
非線形屈折率媒質20を第1の半透過鏡25Aと全反射
鏡26とで挟み、更に半透過鏡25Aからの光を半透過
鏡25Bが半透過鏡25Aと全反射鏡26の光軸に傾い
て非線形屈折率媒質20に入射するように配置してあ
る。非線形屈折率媒質20としては実施例1にて得られ
たPAE−BTRPYを使用した。この構成は縮退4光
波混合と呼ばれる光学配置であって、非線形屈折率媒質
20に、A1 、A2 (A1 と反対方向)、Ap(傾入
射)の3つの光波が入射すると、Apに対して空間位相
項のみが共役である第4の光波Acが発生する。この位
相共役波は画像情報処理技術における像修正や、実時間
ホログラフィなどの有効な手段として注目されている。
本実施例においても装置の高速応答性、及び低動作入力
光強度が確認できた。
【0035】実施例19 実施例1で得られたPAE−BTRPYをクロロホルム
に溶解しガラス基板上にスピンコートして、厚さ2.0
μmの薄膜を得た。この薄膜は、端面より光を入射する
ことで3層スラブ型光導波路として動作する。この光導
波路を非線形屈折率媒質として用いた光制御光スイッチ
を図4に示す。図4において、符号16は光制御光スイ
ッチ、24A、24Bは偏光子、27はダイクロイック
ミラー、28は集光レンズ、29はガラス基板、30は
本発明の非線形屈折率媒質薄膜からなる光導波層、Pi
は入力光、Ptは出力光、Pgはゲートパルス光であ
る。光導波層30の長さは1.5cmとした。この光制
御光スイッチ16は互いに偏光軸が直交するよう配置さ
れた2枚の偏光子24A、24Bからなる直交偏光子系
で非線形屈折率媒質による光導波層30を挟んだ構成で
ある。ダイクロイックミラー27は、ゲートパルス光の
導入及び出力光からの分離に、集光レンズ28は入力光
及びゲートパルス光の光導波層30への導入及び光導波
層30からの取り出しを行う。この構成においては、ゲ
ートパルス光Pgが入射している間だけ直交偏光子24
Bを通過した直線偏光が、光導波層30の屈折率変化に
よって偏光角の回転を受け、直交偏光子24Bを通過す
る。すなわち入力光Piはゲートパルス光Pgによって
光スイッチされる。光制御光スイッチ16は、光導波層
内へのゲート光及び信号光の閉じ込めが起るために、光
スイッチ11に比べて約20分の1のゲートハルス光強
度で動作し、高効率な光スイッチが構成されたことが確
かめられた。本装置においても、使用可能波長範囲及び
応答時間について極めて優れていることは実施例1より
明らかである。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアリーレンエチニ
レン系π電子共役高分子材料をπ共役系についてドナー
性を有する複素芳香環とアクセプター性を有する複素芳
香環のそれぞれ、あるいは片方が2〜6個連結した化合
物で構成することによって、従来の最高レベルの3次の
非線形光学特性が得られると共に、光透過性に優れる薄
膜を得ることが可能である。また本発明によれば、大き
な非線形屈折率を持ち、かつ極めて応答速度が大きく、
可視域から近赤外領域の広い波長範囲で透光性を有する
ドナー性を有する複素芳香環とアクセプター性を有する
複素芳香環のそれぞれ、あるいは片方が2〜6個連結し
た化合物で構成されるポリアリーレンエチニレン系π電
子共役高分子材料のフィルムを非線形屈折率媒質として
用いて、光双安定素子、光スイッチ、あるいは位相共役
波発生装置など将来の光情報処理あるいは光通信分野で
重要となる非線形光学装置を構成することができるた
め、従来の非線形光学液体や半導体超格子結晶を用いた
非線形光学装置と比較して波長依存性、応答速度、動作
に必要な入力光強度の点で格段に優れたものとすること
ができ、現存の半導体レーザを光源として使用できると
いう実用的価値のある非線形光学装置とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例16に従う光双安定素子の構成
を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施例17に従う光制御光スイッチの
構成を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の実施例18に従う位相共役波発生装置
の構成を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の実施例19に従う光制御光スイッチの
構成を示す概略斜視図である。
【図5】従来の非線形光学装置(光双安定素子)の構成
の一例を示す概略斜視図である。
【図6】非線形光学装置(光双安定素子)の(A)リミ
ッタ動作特性、(B)双安定動作特性を示す図である。
【図7】本発明によるポリアリーレンエチニレン系π電
子共役高分子材料のTHG法で測定した3次非線形感受
率χ(3) 値の入射光波長依存を示す図である。
【符号の説明】
10:光双安定素子(外部共振器)、11:光制御スイ
ッチ、12:位相共役波発生装置、15:光双安定素
子、16:光制御光スイッチ、20:本発明の非線形屈
折率媒質、21:従来の非線形屈折率媒質、22A及び
22B:誘電体蒸着ミラー(反射率約90%)、23A
及び23B:(外部)誘電体多層膜ミラー、24A及び
24B:偏光子(直交偏光子系を構成している)、25
A及び25B:半透過鏡、26:全反射鏡、27:ダイ
クロイックミラー、28:集光レンズ、29:ガラス基
板、30:本発明の非線形屈折率媒質薄膜からなる光導
波層、Pi:入力光、Pt:出力光、Pg:ゲートパル
ス光

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドナー性を有する複素芳香環とアクセプ
    ター性を有する複素芳香環とエチニレンとから構成され
    るπ電子共役高分子からなる非線形光学材料において、
    該π電子共役高分子が下記一般式(化1): 【化1】 (Ar、Ar′は置換あるいは無置換複素芳香環を表
    し、Arはπ共役系に関して、ドナー性を有し、Ar′
    はπ共役系に関してアクセプター性を有す。n及びmは
    1〜6の整数であり、その少なくとも一方は2以上であ
    る)で表されるポリアリーレンエチニレンであることを
    特徴とする非線形光学材料。
  2. 【請求項2】 一般式(化1)において、Arがチオフ
    ェン若しくはセレノフェン環、又はチオフェンとセレノ
    フェンを組合せた化合物よりの基、あるいはそれらのア
    ルキル又はアルコキシ置換体であり、Ar′がピリジン
    環、あるいはそのアルキル又はアルコキシ置換体である
    ことを特徴とする請求項1に記載の非線形光学材料。
  3. 【請求項3】 非線形屈折率を有する光学媒質と、光共
    振器や偏光子、あるいは反射鏡などの光学素子とで構成
    される非線形光学装置において、該非線形屈折率を有す
    る光学媒質が下記一般式(化1): 【化1】 (Ar、Ar′は置換あるいは無置換複素芳香環を表
    し、Arはπ共役系に関して、ドナー性を有し、Ar′
    はπ共役系に関してアクセプター性を有す。n及びmは
    1〜6の整数であり、その少なくとも一方は2以上であ
    る)で表されるポリアリーレンエチニレンであることを
    特徴とする非線形光学装置。
  4. 【請求項4】 一般式(化1)において、Arがチオフ
    ェン若しくはセレノフェン環、又はチオフェンとセレノ
    フェンを組合せた化合物よりの基、あるいはそれらのア
    ルキル又はアルコキシ置換体であり、Ar′がピリジン
    環、あるいはそのアルキル又はアルコキシ置換体である
    ことを特徴とする請求項3に記載の非線形光学装置。
JP05030795A 1995-02-16 1995-02-16 非線形光学材料及び非線形光学装置 Expired - Fee Related JP3271463B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05030795A JP3271463B2 (ja) 1995-02-16 1995-02-16 非線形光学材料及び非線形光学装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05030795A JP3271463B2 (ja) 1995-02-16 1995-02-16 非線形光学材料及び非線形光学装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08220574A true JPH08220574A (ja) 1996-08-30
JP3271463B2 JP3271463B2 (ja) 2002-04-02

Family

ID=12855249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05030795A Expired - Fee Related JP3271463B2 (ja) 1995-02-16 1995-02-16 非線形光学材料及び非線形光学装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3271463B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006094645A1 (en) * 2005-03-11 2006-09-14 Merck Patent Gmbh Monomers, oligomers and polymers comprising thiophene and selenophene
US8940906B2 (en) 2009-06-26 2015-01-27 Osaka University Nonlinear luminescent molecule, fluorescent stain, and observation method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006094645A1 (en) * 2005-03-11 2006-09-14 Merck Patent Gmbh Monomers, oligomers and polymers comprising thiophene and selenophene
JP2008536811A (ja) * 2005-03-11 2008-09-11 メルク パテント ゲーエムベーハー チオフェンおよびセレノフェンを含むモノマー、オリゴマーおよびポリマー
US8940906B2 (en) 2009-06-26 2015-01-27 Osaka University Nonlinear luminescent molecule, fluorescent stain, and observation method

Also Published As

Publication number Publication date
JP3271463B2 (ja) 2002-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4775215A (en) Nonlinear optical devices
US20040242841A1 (en) Methods for extending amorphous photorefractive material lifetimes
Chang et al. Polymers for electro‐optical modulation
EP0326133A2 (en) Organic nonlinear optical material and nonlinear optical device
US6941051B2 (en) Method for producing non-linear optical organic crystal film
JPH0227A (ja) 3次非線形光学材料および素子
áM Wang et al. Highly stable, functionalized polyimides for second order nonlinear optics
Kim et al. Self-assembled spin-coated and bulk films of a novel poly (diacetylene) as second-order nonlinear optical polymers
JP3271463B2 (ja) 非線形光学材料及び非線形光学装置
JPH05297426A (ja) 非線形光学材料および非線形光学装置
JPH07104326A (ja) 非線形光学材料および非線形光学装置
JP2565964B2 (ja) 非線形光学装置用光学媒質
JPH063715A (ja) 非線形光学装置用光学媒質
JP3207534B2 (ja) 非線形光学装置用光学媒質
JP2789957B2 (ja) 非線形光学素子
CHANG et al. Comprehensive Review
Kim et al. Design of new polydiacetylenes as self assembling second order nonlinear optical polymers
JP2592926B2 (ja) 非線形光学装置
JP3014825B2 (ja) 光非線形低分子化合物とそれを含む高分子材料
JP2503136B2 (ja) 非線形光学素子
JPH06289444A (ja) 非線形光学装置
JP2592908B2 (ja) 非線形光学装置
JPS60159832A (ja) 光双安定性素子
JP3249208B2 (ja) 非線形光学装置
Chittibabu Thiophene based polymeric materials for opto-electronics: design, synthesis and characterization

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090125

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees