JPH08220171A - 静止誘導電器の異常監視方法および装置 - Google Patents

静止誘導電器の異常監視方法および装置

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JPH08220171A
JPH08220171A JP2152195A JP2152195A JPH08220171A JP H08220171 A JPH08220171 A JP H08220171A JP 2152195 A JP2152195 A JP 2152195A JP 2152195 A JP2152195 A JP 2152195A JP H08220171 A JPH08220171 A JP H08220171A
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Shunei Watanabe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】並列運転された静止誘導電器の内部異常音を雨
やあられ、ひょうなどの雑音と区別して監視することが
できるようにする。 【構成】並列運転された複数台の静止誘導電器のそれぞ
れのタンク壁にマイクロホンを取り付けマイクロホンの
いずれかから出力信号が有った場合、その出力信号の発
生時刻から所定の時刻までに残りのマイクロホンの中に
信号の出力されていないものがあったときに信号が出力
された方の静止誘導電器に異常があるものと判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タンク内に絶縁油と
ともに誘導巻線が収納されてなる変圧器や変流器の内部
異常を雑音を受けても誤動作することなしに監視できる
方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】変圧器やリアクトル、変流器などは、タ
ンク内に絶縁油の冷却媒体とともに、鉄心に巻線が巻か
れた誘導電器本体が収納されている。これらの機器は、
総称して静止誘導電器と呼ばれている。この静止誘導電
器の異常を事前に予知する方法として、タンク内部の異
常音を外部から監視する方法がある。
【0003】図5は、従来の静止誘導電器の異常監視装
置の構成を示すブロック図である。静止誘導電器1(こ
の場合、いずれも変圧器)の高圧側がブッシング30を
介して共通の電力線2に接続されて並列運転されてい
る。静止誘導電器1の低圧側は、それぞれブッシング3
1を介して電力線3に接続され、各負荷へ電力を供給し
ている。静止誘導電器1は巻線のタップ切換器4を内蔵
しており、タンク外部に取り付けられた操作器5によっ
てタップ切換器4が操作されている。
【0004】図5において、異常監視装置としては、静
止誘導電器1のタンク外壁にそれぞれ取り付けられたマ
イクロホン6と、その出力信号6Sを処理する装置であ
る。すなわち、マイクロホン6の出力側は増幅器7を介
して波形成形器8に接続されている。この波形成形器8
の出力側はレベル設定器10を備えた比較器9に接続さ
れ、さらに、比較器9の出力側は異常音が発生したこと
を知らせる報知器15が接続されている。マイクロホン
6は、音圧を電気信号に変えるセンサを備え、そのセン
サは静止誘導電器1のタンク外壁に接触するように配さ
れ、その周囲に取り付けられたマグネットによってタン
ク壁に固定されている。また、報知器15は、信号を受
けることによって、例えばブザーやパネル表示などによ
って当該の静止誘導電器1に異常音が発生したことを表
示する。
【0005】図6は、図5の装置が動作したときに出力
される信号の波形を示すタイムチャートである。横軸に
時刻、縦軸に信号のレベルがそれぞれ目盛られている。
上段はマイクロホン6の出力信号6S、二段目は波形成
形器8の出力信号8S、三段目は比較器9の出力信号9
Sである。図6において、静止誘導電器1のいずれかが
異常音を発生すること、波形19のような減衰振動波が
発生する。この振動波形はマイクロホン6が感ずる超音
波成分によって決まり、その検知周波数としては、数1
0kHzのものから数100kHzのものまである。波
形成形器8は、増幅器7によって増幅された波形19を
受け、点線波形19Aのようにそのピーク値に沿った包
絡線検波を行う。さらに、波形成形器8は、点線波形1
9Aのピークを保持した方形波に成形し波形20を出力
する。比較器9は、設定器10によって波形20のう
ち、レベルVo以上のものだけを取り込み、波形21を
出力する。これは、静止誘導電器1が正常な場合でも常
時発生する鉄心音(例えば、磁歪振動や鉄心鋼板間の接
触音)を除外するためである。図5の報知器15は、比
較器9の出力波形21を受けることによって時刻t1
ら静止誘導電器1に異常音が発生したことを表示する。
【0006】図5に戻り、二台の静止誘導電器1は並列
運転されているが、これらが同時に異常音を発生するこ
とは、ほとんど考えられない。異常音の種類としては、
部分放電によって発生する音、電力線の高周波成分によ
る内部構造物の機械的振動音がある。前者の部分放電に
よる音は、高電圧によって絶縁が部分的に破壊するとき
に発生するもので絶縁の全路破壊を未然に予知すること
ができる。一方、機械的振動音は、高周波成分によって
内部の導体が電磁力を受ける。内部構造物は、製作所に
おいて所定の締め付け力によって振動しないように押し
付けられてある。しかし、運転後、例えばリード線など
の締め付けボルトが万一緩むことがあれば、高周波成分
によってその締め付け位置で振動音が発生する。この構
造物のゆるみによる機械的振動は、通常の商用周波数で
はあまり発生しないが、周波数が高くなるに従ってその
音は大きくなる。
【0007】上述のように、部分放電音や内部機械的振
動音は、その静止誘導電器1が個有にもつ欠陥によって
発生するものであるから、複数の静止誘導電器1から同
時に発生することはまずないと考えてよい。したがっ
て、図5のように静止誘導電器1のそれぞれからマイク
ロホン6によって異常音を検出し、いずれの方から図6
のような波形19が得られるかを監視していれば、どの
静止誘導電器1に異常音が発生したのかを知ることが出
来る。
【0008】なお、図5において、並列運転されている
静止誘導電器1が同一敷地内に三台以上設置されている
場合は、各静止誘導電器1のタンク壁にマイクロホン6
を取り付け、そのマイクロホン6の出力信号6Sを処理
する異常監視装置が図5と同様にして配される。しか
し、図5の異常監視装置じは、静止機器1のタップ切換
器4が動作し、タップ切り換え時の機械的振動音をマイ
クロホン6が感知するという欠点があった。この誤動作
を避けるように対策したのが次の図7の装置である。
【0009】図7は、従来の異なる静止誘導電器の異常
監視装置の構成を示すブロック図である。波形成形器8
と比較器9との間にゲート回路17が介装されるととも
に、操作器5からタップの切り換えごとに出力される信
号5Sがゲート回路17に入力されている。また、比較
器9がゲート回路17の出力信号17Sを受けている。
その他の構成は、図5の装置と同じである。ここでゲー
ト回路17は、信号5Sが入力されている間は、入力信
号8Sを遮断し、信号17Sを出力させない機能を有し
ている。一方ゲート回路17は、信号5Sの入力がなく
なると、入力信号8Sをそのまま信号17Sとして出力
させる。
【0010】図8および図9は、図7の装置が動作した
ときに出力される信号の波形を示すタイムチャートであ
る。いずれの図も横軸に時刻、縦軸に信号のレベルが目
盛られている。それぞれ、図8はタップが切り換えられ
た場合、図9は異常音が発生した場合を示す。両図と
も、最上段はマイクロホン6の出力信号6S、二段目は
波形成形器8の出力信号8S、三段目は操作器5からの
出力信号5S、四段目はゲート回路17の出力信号17
S、最下段は比較器9の出力信号9Sである。
【0011】図8において、静止誘導電器1のタップが
切り換えられると、波形18のような振動波が発生す
る。この波形18によって、波形成形器8が時間幅t2
t1である波形24を出力する。一方、操作器5からの波
形25は、波形24と同時に立ち上がる方形波であり、
かつその時間幅t3−t1は波形24の時間幅t2−t1より長
い。信号8Sの波形24がゲート回路17に入力されて
いる間、波形25が信号5Sとして存在しているので、
出力信号17Sの出力は遮断される。したがって、静止
誘導電器1のタップが切り換えられても比較器9の出力
信号9Sの出力は皆無であり、装置が誤動作することは
ない。
【0012】一方、図9において、静止誘導電器1に異
常音が発生すると、図6と同様な波形19がマイクロホ
ン6から出力される。この波形19によって、波形成形
器8が時間幅t2−t1である波形20を出力する。一方、
タップ切換器4が停止しているので操作器5からの信号
5Sは皆無である。したがって、波形20は、そのまま
ゲート回路17を通過して波形34になる。これによっ
て比較器9の出力信号9Sは、波形21のように、時刻
t1において立ち上がり、静止誘導電器1に異常音が生じ
たことが知らされる。
【0013】図10は、従来のさらに異なる静止誘導電
器の異常監視装置の構成を示すブロック図である。波形
成形器8と比較器9との間にゲート回路36が介装され
るとともに、静止誘導電器1の接地線1Aに高周波用の
電流センサ16が介装されている。この電流センサ16
の出力信号16Sは増幅器13を介してもう一つの波形
成形器40に入力され、さらに、波形成形器40の出力
信号40Sはゲート回路36に入力されている。その他
の構成は、図7の装置と同じである。
【0014】図10において、電流センサ16は、接地
線1Aに流れる高周波電流を検出することができる。静
止誘導電器1内で部分放電が発生したり、電力線2から
高周波が侵入すると接地線2Aには高周波成分をもった
電流が商用周波数成分に重畳して流れる。したがって、
電流センサ16によって、静止誘導電器1内の部分放電
の発生や電力線の高周波成分の発生を検知することが出
来る。波形成形器40は、前述の波形成形8と全く同じ
機能を有し、増幅器13によって増幅された信号16S
を受け、そのピーク値を保持した方形波信号40Sを出
力する。さらに、ゲート回路36は、信号40Sが入力
されている間は、入力信号8Sをそのまま通過させ、信
号40Sが入力されていない間は、入力信号8Sの通過
を遮断させるものである。すなわち、前述の図7のゲー
ト回路17とは全く逆の機能を備えている。
【0015】図11および図12は、図10の装置が動
作したときに出力される信号の波形を示すタイムチャー
トである。いずれの図も横軸に時刻、縦軸に信号のレベ
ルが目盛られている。それぞれ、図11はタップが切り
換えられた場合、図12は部分放電になる異常音が発生
した場合を示す。両図とも、最上段はマイクロホン6の
出力信号6S、二段目は電流センサ16の出力信号16
S、三段目は波形成形器8の出力信号8S、四段目はも
う一つの波形成形器40からの出力信号40S、五段目
はゲート回路36の出力信号36S、最下段は比較器9
の出力信号9Sである。
【0016】図11において、静止誘導電器1のタップ
が切り換えられると、波形18のような振動波が発生す
る。この波形18によって、波形成形器8が時間幅t2
t1である波形39を出力する。一方、電流センサ16か
らの信号16Sは何も出力されないので、信号40Sも
出力されない。信号8Sの波形39がゲート回路36に
入力されている間、信号40Sが存在していないので、
出力信号36Sの出力は遮断される。したがって静止誘
導電器1のタップが切り換えられても比較器9の出力信
号9Sの出力は皆無であり、装置が誤動作することはな
い。
【0017】一方、図12において、静止誘導電器1に
異常音が発生すると、図6と同様な波形19がマイクロ
ホン6から出力される。この波形19によって、波形成
形器8が時間幅t2−t1である波形20を出力する。一
方、電流センサ16からは部分放電によって波形22の
ような信号16Sが出力される。この波形22は、波形
19より早い時刻t0に立ち上がる。部分放電が発生した
とき、その電流パルスは直ちに立ち上がるが、音は発生
場所からタンク壁まで音波として伝わるので、その伝播
速度(油中の場合、1500m/s)で伝播距離を割っ
た分(t1−t0)だけ立ち上がりが遅れる。したがって、
信号40Sの波形23も、波形20より立ち上がりが早
くなる。ゲート回路36には時刻t1以降に、両者の波形
20,23が入力されるので、波形39のような信号3
6Sが出力される。この波形39によって比較器9は時
刻t1から波形21のような信号9Sを出力し、部分放電
音が静止誘導電器1に生じたことが判かる。
【0018】なお、図12において、異常の報知は現象
に対して、時間t1−t0だけ遅れる。油入変圧器の場合、
タンクの幅が5m以上は大きくなることはないので、t1
−t0は5(m)÷1500(m/s)=3.3msより
長くなることはなく、異常の予知としては、ほとんど問
題ない。また、図12は、異常音が部分放電の例である
が、高周波による内部構造物の機械的ゆるみ音の場合も
同様である。すなわち、高周波成分が接地線に流れてく
るので、電流センサ16がこの高周波成分を電流として
検出し、信号16Sを時刻t0に出力するとともに、マイ
クロホン6が時刻t1に機械的振動音による信号6Sを出
力する。その後の信号の出力状態は図12と同じであ
る。
【0019】図7と図10との装置の違いは、図7の装
置がタップ切換器4の操作器5から信号5Sを受けてい
たのに対して、図10の装置は接地線1Aからの信号1
6Sを受けている点である。いずれの装置においても、
タップ切り換え時の機械的振動音に対しては誤動作する
ことがなく、タンク内の異常音を検出することが出来
る。なお、図7や図10の装置において、静止誘導電器
1が三台以上並列に運転されている場合でも、それぞれ
のタンク壁にマイクロホン6を取り付け、その出力信号
6Sを処理すれば、異常の生じた静止誘導電器1を特定
することが出来る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の装置は、タップ切換器による機械的振動
音は避けることが出来るが、雨やあられなどが降ると装
置が誤動作するという欠点があった。また、接地線から
電流を検出する方法も電気ノイズの影響を受けて装置が
誤判定するという欠点があった。
【0021】すなわち、雨(通常の雨はあまり感じない
が、大粒の雨)やあられ、ひょうなどがタンク外壁に当
たる音がマイクロホンに入り、あたかも異常音として検
出される可能が図5によび図7の装置にはあった。図5
の装置は、音の検出だけなのでタンクをたたく音に対し
て誤動作が起きても、あたり前である。また、図7の装
置では、雨やあられからタップ切換器4からのような信
号をとることが出来ない。
【0022】また、図10の装置では雨やあられが降っ
ても接地線1Aに高周波電流が流れないので誤動作する
ことはない。しかし、一般に、接地線1Aには現地の電
気ノイズが多く入って来る。すなわち、現地では、電力
線2,3や他部署で開閉したときのスイッチングノイ
ズ、空中電波を介して入る高周波ラジオノイズ、通信波
ノイズなど多種数でかつ大きいノイズが存在する。その
ために、電流センサ16は、ノイズを含んだ信号16S
を出力しやすい。従って、電流センサ16の検出感度は
下げておかざる得ず、そのために、内部の異常音をマイ
クロホン6はとらえても、電流センサ16が感じないと
いう誤判定が起きる可能性があった。
【0023】この発明の目的は、雨やあられが降っても
誤動作せず、かつ、電気ノイズの影響も受けないように
することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の方法によれば、タンク内に絶縁冷却媒体
とともに誘導電器本体が収納されてなる静止誘導電器の
内部異常音を監視する方法であって、並列運転されてい
る複数台の静止誘導電器のそれぞれのタンク壁にマイク
ロホンを取り付け、このマイクロホンからの出力信号の
有無を各静止誘導電器について並行して監視する方法に
おいて、マイクロホンのいずれかから信号が出力された
場合、その出力信号の発生時刻から所定の時刻までに残
りのマイクロホンの中に信号の出力されていないものが
あったときに信号が出力された方の静止誘導電器に異常
があるものと判定することとするとよい。
【0025】また、この発明によれば、並列運転された
複数台の静止誘導電器のそれぞれのタンク壁に取り付け
られたマイクロホンと、このマイクロホンのいずれかか
ら信号が出力された場合、その出力信号の発生時刻から
所定の時刻までに残りのマイクロホンの中に信号の出力
されていないものがあったときに信号が出力された方の
静止誘導電器に異常があることを報らせる報知信号を出
力する演算部とにより構成されたものとするとよい。
【0026】
【作用】この発明の構成によれば、並列運転された複数
台の静止誘導電器のそれぞれのタンク壁にマイクロホン
を取り付ける。マイクロホンのいずれかから信号が出力
された場合、その出力信号の発生時刻から所定の時刻ま
でに残りのマイクロホンの中に信号の出力されていない
ものがあったときに信号が出力された方の静止誘導電器
の異常があるものと判定する。出力信号の発生時刻から
所定の時刻までの時間範囲Tを0.5秒から1秒程度に
設定しておく。タップ切り換え時の振動音は、並列運転
された全ての静止誘導電器からほとんど同時に発生す
る。また、雨やあられ、ひょうなどによる音も設定され
た上記の時間範囲T以内には並列運転中の全ての静止誘
導電器から発生し、全てのマイクロホンが信号を出力す
る。二台以上の静止誘導電器から同時期に部分放電音や
構造物のゆるみによる機械的振動音などの異常音が発生
することはまずない。異常音は必ず特定の一台の静止誘
導電器だけから発生するので、残りのマイクロホンから
信号が出力されることはない。したがって、雨やあられ
が降っても誤動作せず、異常である静止誘導電器を特定
することができる。また、電気ノイズが入っても電流セ
ンサを用いていないので装置が誤判定することもない。
【0027】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて説明す
る。図1は、この発明の実施例にかかる静止誘導電器の
異常監視装置の構成を示すブロック図である。静止誘導
電器1A,1B(この場合、いずれも変圧器)の高圧側
がブッシング30を介して共通の電力線2に接続され、
並列運転されている。静止誘導電器1A,1Bの低圧側
はそれぞれブッシング31を介して電力線3に接続さ
れ、各負荷へ電力を供給している。静止誘導電器1A,
1Bは巻線のタップ切換器4を内蔵しており、タンク外
部に取り付けられた操作器5によってタップ切換器4が
操作されている。
【0028】図1において、異常監視装置としては、静
止誘導電器1A,1Bのタンク外壁にそれぞれ取り付け
られたマイクロホン6A,6Bと、その出力信号6A
S,6BSを処理する装置である。すなむち、マイクロ
ホン6A,6Bの出力側は増幅器7を介してそれぞれ波
形成形器8A,8Bに接続されている。この波形成形器
8A,8Bの出力側はレベル設定器10を備えた比較器
9A,9Bに接続され、さらに、比較器9A,9Bの出
力側は後述されるように両者の信号の有無を調べて信号
を出力するナンド回路27に接続される。また、ナンド
回路27の出力側は、アンド回路28A,28Bの一方
の入力端に接続される。アンド回路28A,28Bのも
う一方の入力端にはそれぞれ比較器9A,9Bの出力側
が接続さ6れている。ナンド回路27とアンド回路28
A,28Bとは、演算部26を構成し、アンド回路28
A,28Bの出力側は、それぞれ異常音が発生したこと
を知らせる報知器15が接続されている。
【0029】図1において、静止誘導電器1A、1B、
電力線2,3、ブッシング30,31、タップ切換器
4、操作器5、マイクロホン6A,6B、増幅器7、波
形成形器8A,8B、報知器15A,15Bは図5で説
明されたものと全く同じである。比較器9A,9B、ナ
ンド回路27、アンド回路28A,28Bの機能につい
ては図2、図3における装置の動作説明の中で述べる。
【0030】図2,図3は、図1の装置が動作したとき
に出力される信号の波形を示すタイムチャートである。
いずれの図も横軸に時刻、縦軸に信号のレベルが目盛ら
れている。それぞれ、図2は雨などの雑音が発生した場
合、図3は異常音が発生した場合を示す。両図とも、上
から一段目、二段目の信号6AS,6BSはそれぞれマ
イクロホン6A,6Bの出力である。三段目、四段目の
信号8AS,8BSは波形成形器8A,8Bの出力であ
る。五段目、六段目の信号9AS,9BSはそれぞれ比
較器9A,9Bの出力であり、七段目の信号27Sがナ
ンド回路27の出力である。八段目、九段目の信号28
AS,28BSはそれぞれアンド回路28A,28Bの
出力である。
【0031】図2において、静止誘導電器1A,1Bに
雨やあられなどによる雑音が発生したとすると、信号6
AS,6BSとしてそれぞれ波形50,37のような振
動波が発生する。時刻t1からt4までの時間幅Tを例えば
0.5秒ないし1秒の幅に設定すると、この時間幅T以
内で必ず両者の音が発生する。図2の例では、波形50
が時刻t1に立ち上がり、波形37が時刻t11 に立ち上
がっている。この波形50,37を受けて、波形成形器
8A,8Bは、Tより長い時間幅のT1 の方形波形3
2,38をそれぞれ出力する。比較器9A,9Bは、波
形成形器8A,8Bの出力信号8AS,8BSのレベル
O 以上ならば、そのまま波形44,45として出力す
る。
【0032】さらに、図2において、ナンド回路27
は、時刻t1に一方の入力端に波形44を受け、その後、
所定の時刻t4までにもう一つの入力端に波形45を受け
たときは、出力側になにも信号を出力しないようになっ
ている。そのために、図2における信号27Sには波形
は現れない。アンド回路28A,28Bは、信号27S
と信号9AS,信号27Sと9BSを受け、それぞれ入
力端の両者に信号が存在している場合にのみ信号を出力
するようになっている。信号9AS,9BSには波形4
4,45がれぞれ存在するが、信号27Sは皆無である
ので、信号28AS,28BSともに出力されない。し
たがって、雑音が装置に入り込んでも誤動作することは
ない。雑音として、雨やあられ、ひょうなどは、各静止
誘導電器1A,1Bにおいて、0.5秒から1秒程度の
所定の時間幅T以内ではどちらの静止誘導電器1A,1
Bにも必ず音が発生する。一方、他の雑音としてタップ
切換器4からの振動音は、各静止誘導電器1A,1Bに
ついてほとんど同時である。しかし、図2において判る
ように、波形50,37が共にタップ切換器4の振動音
によるものとし、時刻t1と時刻t11 とがほぼ同時刻で
あるとしても、信号27Sは何も発生しない。そのため
に、雑音がタップ切換器4によるものであっても何も問
題はない。
【0033】また、図3において、静止誘導電器1Aに
だけ異常音が生ずると、マイクロホン6Aの出力信号6
ASが波形19のようになる。一方マイクロホン6Bの
出力信号6BSは皆無である。そのために、出力信号8
AS,9ASはそれぞれ時間幅T1 の波形33,41の
ようになる。出力信号8BS,9BSには何も無い。ナ
ンド回路27は、時刻t1に波形41を一方の入力端に受
け、その後、所定の時刻t4までにもう一つの入力端に何
も信号がなかった(信号9BSのように)ときには、時
刻t4から入力波形41をそのまま通過させ波形42のよ
うに出力する。次に、アンド回路28A,28Bは、2
つの入力端に信号が同時に入力されたときに報知信号2
8AS,28BSを出力する。図3における信号28A
Sは、信号27Sの波形42と信号9ASの波形41と
が入力されたので、波形43が形成される。一方、信号
28BSには信号27Sの波形42だけしか入力されな
いので、波形は皆無である。したがって静止誘導電器1
Aに異常音が生じたことが特定される。
【0034】図4は、この発明の異なる実施例にかかる
静止誘導電器の異常監視装置の構成を示すブロック図で
ある。図4は、図1の構成に対して、並列運転されてい
る静止誘導電器が1A,1B,1Cと三台の場合のもの
である。図1と異なる部分のみ説明すると、もう一台の
静止誘導電器1Cにマイクロホン6Cが取り付けられ、
このマイクロホン6Cの出力信号6CSが増幅器7、波
形成形器8C、比較器9Cを介して、ナンド回路51に
入力されている。ナンド回路51は残りの二つの入力端
に信号9AS,9BSを受け、その出力信号51Sは、
三個のアンド回路28A,28B,28Cの一方の入力
端にそれぞれ接続されている。アンド回路28A,28
B,28Cのもう一つの入力端には、図1と同様に比較
器9A,9B,9Cの出力信号9AS,9BS,9CS
が入力される。ナンド回路51およびアンド回路28
A,28B,28Cは演算部29を構成している。
【0035】図4において、ナンド回路51は、入力端
のいずれかに信号を受けてから、所定の時間幅T(例え
ば、0.5秒、または1秒)以内に残りの入力端も全て
信号を受けると、信号51Sは何も出力しないようにな
っている。さちに、ナンド回路51は、入力端のいずれ
かに信号を受けてから、時間幅T以内に残り入力端に信
号の入らないものがあった場合は、図3における信号2
7Sの波形42と同様な信号51Sが出力される。ま
た、アンド回路28A,28B,28Cは、それぞれ入
力端の両者に信号が存在している場合にのみ信号28A
S,28BS,28CSを出力するようになっている。
並列運転された三台の静止誘導電器の異常監視装置をこ
のように構成しておけば、雨やあられ、タップ切換器の
振動音を受けても、図1の場合と同様な原理で静止誘導
電器1A,1B,1Cが所定の時間幅T以内にすべてマ
イクロホン6A,6B,6Cから信号が出力される。そ
のために、演算部29は報知信号を出力することはな
い。一方、いずれかの静止誘導電器から異常音が発生す
れば、演算部29が特定の報知信号を出力するようにな
り、異常音を発した静止誘導電器が特定される。
【0036】なお、静止誘導電器が四台以上、一般には
複数台の場合も、図4と同様にして、マイクロホン以下
の信号処理装置を追加して行けばよい。並列運転された
静止誘導電器が三台以上ある場合、二台以上のものから
異常音が生じているという報知信号が発生することは、
理論的にはあり得ないことである。すなわち、前述した
ように、時間幅T(0.5秒、ないし1秒)以内で、二
台とも内部異常を起こすことはまずないと言ってよい。
万一、二台の静止誘導電器から異常音発生の信号が出力
された場合は、図1のように、監視装置を二台ずつに構
成し直してチェックするとよい。
【0037】
【発明の効果】この発明の前述のように、並列運転され
た複数台の静止誘導電器のそれぞれのタンク壁にマイク
ロホンを取り付ける。マイクロホンのいずれかから出力
信号が有った場合、その出力信号の発生時刻から所定の
時刻までに残りのマイクロホンの中に信号の出力されて
いないものがあったときに信号が出力された一方の静止
誘導電器に異常があるものと判定する。これによって、
雨やあられが降ったりタップ切換器が動作してもこの装
置は誤動作せず、異常である静止誘導電器を特定するこ
とができる。また、電気ノイズが入っても電流センサを
用いていないので装置が誤判定することもない。さち
に、信号の処理が、時間幅Tとして0.5秒から1秒で
あるようにmsオーダよりはるかにゆっくりですむ。その
ために、監視装置の製作コストが非常に安価で済むとい
う効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる静止誘導電器の監視
装置の構成を示すブロック図
【図2】図1の装置が雑音を処理したときの信号波形を
示すタイムチャート
【図3】図1の装置が異常音を処理したときの信号波形
を示すタイムチャート
【図4】この発明の異なる実施例にかかる静止誘導電器
の監視装置の構成を示すブロッック図
【図5】従来の静止誘導電器の監視装置の構成を示すブ
ロック図
【図6】図5の装置が異常音を処理したときの信号波形
を示すタイムチャート
【図7】従来の異なる静止誘導電器の監視装置の構成を
示すブロック図
【図8】図7の装置が雑音を処理したときの信号波形を
示すタイムチャート
【図9】図7の装置が異常音を処理したときの信号波形
を示すタイムチャート
【図10】従来のさらに異なる静止誘導電器の監視装置
の構成を示すブロック図
【図11】図10の装置が雑音を処理したときの信号波
形を示すタイムチャート
【図12】図10の装置が異常音を処理したときの信号
波形を示すタイムチャート
【符号の説明】
1A,1B,1C:静止誘導電器、6A,6B,6C:
マイクロホン、26,29:演算部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンク内に絶縁冷却媒体とともに誘導電器
    本体が収納されてなる静止誘導電器の内部異常音を監視
    する方法であって、並列運転されている複数台の静止誘
    導電器のそれぞれのタンク壁にマイクロホンを取り付
    け、このマイクロホンからの出力信号の有無を各静止誘
    導電器について並行して監視する方法において、マイク
    ロホンのいずれかから信号が出力された場合、その出力
    信号の発生時刻から所定の時刻までに残りのマイクロホ
    ンの中に信号の出力されていないものがあったときに信
    号が出力された方の静止誘導電器に異常があるものと判
    定することを特徴とする静止誘導電器の異常監視方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法を実施する装置であっ
    て、並列運転された複数台の静止誘導電器のそれぞれの
    タンク壁に取り付けられたマイクロホンと、このマイク
    ロホンのいずれかから信号が出力された場合、その出力
    信号の発生時刻から所定の時刻までに残りのマイクロホ
    ンの中に信号の出力されていないものがあったときに信
    号が出力された方の静止誘導電器に異常があることを報
    らせる報知信号を出力する演算部とにより構成されたこ
    とを特徴とする静止誘導電器の異常監視装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2460138A (en) * 2008-03-06 2009-11-25 Bristol Water Plc Discriminating genuine and erroneous sensor signals using two sensors and two counters
WO2022230531A1 (ja) * 2021-04-26 2022-11-03 ナブテスコ株式会社 診断システム

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