JPH0821921A - 光ファイバ先端の曲面加工方法および装置 - Google Patents

光ファイバ先端の曲面加工方法および装置

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JPH0821921A
JPH0821921A JP6154589A JP15458994A JPH0821921A JP H0821921 A JPH0821921 A JP H0821921A JP 6154589 A JP6154589 A JP 6154589A JP 15458994 A JP15458994 A JP 15458994A JP H0821921 A JPH0821921 A JP H0821921A
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JP
Japan
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optical fiber
curved surface
molding member
concave curved
tip
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JP6154589A
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English (en)
Inventor
Toshio Sakane
敏夫 坂根
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ファイバを、複雑な光学系を必要とせずに
レーザーダイオードに結合することができる光ファイバ
を得るための光ファイバ先端の曲面成形加工。 【構成】 成形部材の凹曲面に、光ファイバ先端を押し
当て、この成形部材にレーザー光を照射して、凹曲面部
分を加熱し、光ファイバ先端部を溶融し、かつ凹曲面に
対応する曲面に成型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバ先端の曲面加
工方法および装置に関する。更に詳しく述べるならば、
本発明は、シングルモード光ファイバ(以下、SMFと
記す)の先端に曲面加工、特に球面加工を施す方法およ
び装置に関するものである。このような曲面先端面、特
に球面先端面を有する光ファイバは、光源からの光を、
効率よく入射結合させるのに有用なものである。
【0002】
【従来の技術】光源から出射された光を、光ファイバ
(SMF)に入射結合する場合、当該光ファイバの入射
面におけるビームパラメータ(波面曲率および径)を、
当該光ファイバ(SMF)の固有モードのビームパラメ
ータに一致させる必要がある。しかし、一般にSMFの
モードフィールド径(以下MFDと記す)は、約10μ
m程度の小さな径を有するものであるから、その調整に
多大の労力を要し、許容誤差が小さく、また耐環境性の
要求が厳しいなどの問題を有している。
【0003】特にレーザーダイオード(LD)から発光
された光を、SMFに入射する場合、このLDとSMF
との結合は、SMFとSMFとの結合にくらべて、困難
であり、かつ結合効率が低いという問題がある。
【0004】一般に、LD→SMF光入射結合の調整の
許容量を上げ、かつ結合効率を向上させるために下記手
段をとることが試みられた。 (1)SMFのコア部先端に、球レンズを貼りつけ、集
光効率を増大させる。 (2)SMFのコア部を加熱して、その径を拡大し(コ
ア拡大ファイバ)、それによって調整許容量を増大す
る、上記のようにすることにより、1.3〜1.5μm
帯のレーザーダイオード、つまりビーム断面の楕円率
(すなわち、縦横比、又はアスペクト比、以下アスペク
ト比と記す)が1.5以下のレーザーダイオードを用い
る場合には、高い結合効率が得られている。
【0005】しかし、可視〜近赤外(1μm以下)帯域
のレーザー光を発光するレーザーダイオードを用いる場
合、そのアスペクト比は、約3という大きな値であるた
め、通常の球面レンズ系を用いるLD−SMF結合系に
おいては、この大きなアスペクト比が、そのまゝSMF
に転送され、このビームモードは、通常円形断面を有す
るSMFのMFDと一致せず、従って結合効率が不十分
になる。このような結合系では、一般にその結合効率は
たかだか50%程度である。このために、ビーム整形光
学系を用いて、LDからの出射光ビームの断面形状を円
形に変換した上、これをSMF入射端に入射する必要が
ある。
【0006】上記のような従来のLD−SMF結合光学
系が、図1および図2に例示されている。図1(a)お
よび(b)には、シリンダーレンズを用いて、LDとS
MFとを結合する光学系(1993年電子情報通信学会
秋季大会、C−116)が示されている。図1(a)お
よび(b)において、レーザーダイオード(LD)35
と、光ファイバ(SMF)37とが、レンズ36および
シリンダーレンズ34を介して結合されている。図1
(a)および(b)において、LD35から出力された
レーザー光は、レンズ36によりコリメート(平行化)
される。シリンダーレンズ34においては、入出力面に
おける稜線が交差している。図1(a)においては、コ
リメートされたレーザー光は、シリンダーレンズ34の
後端曲面34aにおいて収斂し、Θ‖方向の結像倍率を
変換して、SMF37の入射端面に集光入射する。また
図1(b)においては、コリメートされたレーザー光
が、シリンダーレンズ34の前端曲面34bにおいて収
斂し、Θ⊥方向の結像倍率を変えてSMF37に集光す
る。
【0007】図2(a)および(b)には、LDとSM
Fがアナモルフィックプリズムにより結合された光学系
(Applied Optics, Vol.28,P4560(198
9))が示されている。図2(a)および(b)におい
て、LD35とSMF37の間に、コリメータレンズ3
6、アナモルフィックプリズム38および集光レンズ3
9を配置し、コリメータレンズ36により平行化された
レーザービームを、アナモルフィックプリズム38によ
り、円形(断面形状)ビームに変換し、かつその径(Θ
⊥方向)を変換し、さらにLDの非点隔差も補正し、こ
れを集光レンズ39によりΘ‖方向(図2(a))およ
びΘ⊥方向(図2(b))に、同一点に、同一径の円形
ビームとして集光し、SMF37に入射する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法によれば、
約3のアスペクト比を有するLDからのレーザー光を、
SMFに効率よく入射結合させるには、LDから出力さ
れたレーザー光を、コリメータレンズによりほゞ平行な
ビームとし、前述のようなビーム整形光学系を用いて、
レーザービームのアスペクト比をほゞ1に変換して、そ
のビームパラメータをSMF固有のビームパラメータに
等しくし、これを集光レンズにより、SMF入射端に集
光するという方法および装置が用いられている。
【0009】しかしながら、上述の従来の光学系(図
1、および2)には、下記の問題点がある。 (1)整形光学系が複雑で、かなりのスペースを必要と
するため、実用上、必要スペースにおいて制約がある。 (2)図1に示された光学系(シリンダーレンズ使用)
では、2つの垂直なシリンダ面の稜線の軸角度(90度
の交差角)のズレがなく、および中心軸からのズレ(偏
芯)がないレンズを作製することは、きわめて困難であ
る。 (3)図2の光学系(アナモルフィックプリズム使用)
においては、Θ‖方向に、光軸のズレが生ずる。 (4)図1および2の光学系において、調整を要する部
分が多く、また倍率調整、傾き調整、などに高精度が要
求され、しかも許容量が小さい。 (5)このため、信頼性の高い光学系を組むには、機構
上の困難がある。
【0010】本発明は、レーザーダイオードから出力さ
れるレーザービームに対し、ビーム整形、非点隔差の補
正、SMFのビームパラメータに一致させるための特定
集光レンズの使用などを必要としないシングルモード光
ファイバを得るための、光ファイバ先端に曲面加工を施
す方法および装置を提供しようとするものである。
【0011】また、本発明は、レーザーダイオードによ
り出力されるレーザービームに適合するビームパラメー
タを有するシングルモード光ファイバを得るための、光
ファイバ先端に曲面加工を施す方法および装置を提供し
ようとするものである。
【0012】さらに本発明は、簡単に、かつ高信頼性を
もって、光ファイバ先端に所望曲面を付与することがで
きる方法および装置を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光ファイバ
先端の曲面加工方法は、光ファイバ先端面に、溶融成形
を施すに際し、成形部材に形成され、かつ所望の形状お
よび寸法を有する凹曲面に、光ファイバの先端面を、こ
の光ファイバの中心軸方向の押圧下に押し当て、かつ前
記成形部材にレーザー光を照射して、前記凹曲面部分の
温度を、前記光ファイバの溶融温度以上に上昇させ、そ
れによって、前記光ファイバ先端面を、前記凹曲面に対
応する曲面に成形することを特徴とするものである。
【0014】本発明方法において、前記押し当て工程お
よび加熱工程を、不活性ガス、又は還元性ガスからなる
雰囲気中において施すことが好ましい。
【0015】また、本発明方法において、前記光ファイ
バの先端部分を、予じめ先細に成形しておくことが好ま
しい。
【0016】本発明に係る光ファイバ先端の曲面加工装
置は、光ファイバの先端面に溶融成形を施すために、所
望形状および寸法を有する凹曲面部を具備している成形
部材と、前記凹曲面部に対向して配置され、前記光ファ
イバを収容固定する案内筒と、前記案内筒を、それに収
容固定される光ファイバの中心軸に沿って変位する手段
と、および前記成形部材に、レーザー光を照射する手段
と、を有することを特徴とするものである。
【0017】本発明装置において、前記成形部材をとり
かこむ空間に不活性ガス又は還元性ガス供給源が連結さ
れていることが好ましい。
【0018】本発明装置において、前記レーザー光照射
手段が、前記成形部材に対向して配置されたCO2 レー
ザー光源と、前記CO2 レーザー光源と前記成形部材と
の間に配置された集光レンズと、前記集光レンズと前記
CO2 レーザー光源との間に配置されたシャッターとを
有することが好ましい。
【0019】また、本発明装置において、前記シャッタ
ーが、照射時間制御手段に連結されていることが好まし
い。
【0020】本発明方法および装置において、SMFの
先端に形成される曲面、特に球面は、光、特にレーザー
ビームに対し、集光レンズとして作用するものであっ
て、この曲面の形状は、レーザービームから出射される
レーザービームに対応して設定される。一般に、半導体
レーザーの導波構造および屈折率によって、レーザービ
ームの発散角(Θ⊥,Θ‖)が定まり、この発散角(Θ
⊥,Θ‖)および非点隔差δに応じて、集光レンズであ
るSMF先端曲面のレンズ出射面におけるレーザービー
ム球面形状の径(D⊥およびD‖)がD⊥=D‖となる
様に、本発明方法、装置により得られるSMF先端曲面
の曲率半径(R⊥およびR‖)を決め、成形部材の凹曲
面の形状・寸法を設定する。
【0021】このR(曲率半径)は100μm程度のき
わめて小さい値であり、かつ、R⊥≠R‖のトーリック
面を形成しているので、SMFの各々の先端面を、研磨
又は切削により上記R⊥およびR‖を有する曲(球)面
に成形することは困難である。しかしながら、近年のマ
イクロメカニックスの発展により柔軟な物体に対し、上
記曲(球)面の加工が可能になってきている(例えばF
ANAC ROBOnamoUの使用)。石英光ファイ
バのように硬くかつ細くて折れ易い対象物品の多数の先
端面を、同一曲面形状・寸法に、上記研磨・切削により
成形加工することは困難である。
【0022】しかしながら、本発明方法および装置によ
り、SMF先端部を、加熱溶融しながら、これを、所望
曲面に対応する成形用凹曲面に押し当て成形すれば、S
MF先端に、所望のトーリック面を再現性よく形成する
ことができる。
【0023】レーザービームの前記SMF先端曲面レン
ズ出射面におけるビーム径(D⊥,D‖)が、SMFの
MFD(モードフィールド径)に一致しなければ、結合
損を生ずる。このため、SMFの先端部に予じめ熱拡散
処理を施して、そのコア径を、所望のMFDに一致する
ようにしておけば、結合効率を向上させることができ
る。すなわち、LDのビームパラメータに応じて、SM
F先端面の曲率半径が定まり、それにより、このSMF
のMFDも定まる。そこで、SMF先端部のコア拡大に
より、これにLDのビームパラメータに対応する所望の
MFDを付与し、このSMF先端部に、本発明方法およ
び装置による曲面加工を施せば、所望の集光性能を有す
るSMFが得られる。
【0024】光ファイバが石英により形成されている場
合、その溶融温度は1,800〜2,000℃程度であ
るから、本発明に用いられる成形用凹曲面部を具有して
いる成形部材は、上記高温に耐え得る金属材料、例えば
黒鉛あるいは炭化ケイ素など、により形成されているこ
とが必要である。
【0025】成形部材の凹曲面部を所望温度に加熱する
ために、従来の抵抗加熱炉、又はマイクロ波加熱炉など
を用いると、成形部材全体の温度が上昇して、そのまわ
りの雰囲気に対流を生じ、或は輻射により、凹曲面に近
接している微細光ファイバを加熱し、これに曲がりを生
ずるなどの問題を生ずる。
【0026】そこで、本発明方法および装置において
は、レーザービームにより成形部材の凹曲面部分の温度
を選択的に上昇させる。また、光ファイバの先端部を、
好ましくは予じめ先細に成形しておき、さらに、予備研
磨により、先端面を所望の曲率半径Rの球面に近い形状
に成形しておく。このような光ファイバを、その中心軸
に沿って変位させて、この光ファイバ先端部を前記加熱
された凹曲面に押し当てる。すると、光ファイバの先端
部のみが溶融され、所望曲面に成形される。また、この
とき生成する溶融カスは、前記先細部分周面上に流出す
るため、先端面が汚染されることはない。本発明方法お
よび装置による光ファイバの溶融量はきわめて微少量で
十分であるため、この成形加工に必要なレーザー光照射
時間は、きわめて短かく、このため、成形部材の、凹曲
面部以外の部分の発熱は、十分に抑制される。
【0027】レーザー光照射を停止すると、凹曲面部の
熱は、成形部材全体に拡散し、凹曲面部の温度は急激に
低下し、光ファイバ先端部は冷却固化する。上記のレー
ザー光照射による成形加工を繰り返えしても、凹曲面部
分の体積に対し、成形部材全体の体積を十分大きくして
おけば、成形部材全体の温度上昇は、実際上無視するこ
とができる。
【0028】本発明方法および装置を、添付図面により
説明する。図3は、本発明における光ファイバ先端部の
成形加工の原理を説明する図面である。図3において、
成形部材1の1面上に、成形用凹曲面2が形成されてい
る。この凹曲面は、図4に示すように、X方向およびY
方向において互に異なる曲率半径RX およびRY を有す
るトーリック面であって、マイクロマシンニング装置に
より高精度をもって形成されている。
【0029】一方、光ファイバ(SMF)3の先端部分
は、予じめ先細に研磨成形されており、その先端面3a
は、所望曲面に近似した形状に研磨加工しておく。図1
において、光ファイバ3のコア部3bには、その先端部
に予じめコア拡大処理が施され、拡大コア先端部6が形
成されている。この光ファイバ3を、その中心軸に沿っ
て動かし、光ファイバ先端面3aを、成形部材1の凹曲
面2に微弱な押圧力により押し当てる。この押し当てと
同時に、成形部材1の反対面から、上記凹曲面部2に向
って、レーザー光4が照射される。このときレーザー光
4の断面形状は、レンズ5により調節される。すると、
凹曲面部2が発熱し、その温度が、光ファイバの溶融温
度(石英の場合、1800〜2000℃)以上になる
と、光ファイバ3の先端面3aが溶融し、凹曲面形状に
対応する凸曲面形状にならい成形される。
【0030】このとき、光ファイバ先端部の溶融量は極
く微少であり、短時間内に曲面成形が完了する。また、
溶融カスの生成量も極く微少であり、かつそれは先細周
面上に流出する。従って、光ファイバ先端成形曲面は、
清浄に保持される。
【0031】成形部材のレーザー光照射部分の体積を小
さくすれば、凹曲面部の温度は瞬時に所望温度に達して
所望成形を短時間内に完了し、レーザー光照射を停止す
れば、凹曲面部の熱は、成形部材全体に拡散して、凹曲
面部の温度は急速に低下する。この温度低下速度は成形
部材の加熱部分体積と、非加熱部分体積との比によって
定まる。また、この体積比が大きい場合、加熱成形操作
を多数回繰り返えしたときの成形部材全体の温度上昇が
小さくなる。
【0032】図5には、上記のようにして得られた曲面
に成形された先端面を有する光ファイバ(SMF)と、
レーザーダイオード(LD)との結合を示す説明図であ
る。図5(a)は、導波面に平行な方向(Θ‖、第4図
のX方向)の結合説明図であり、図5(b)は、導波面
に直角な方向(Θ⊥、第4図のY方向)の結合説明図で
ある。
【0033】図5(a),(b)において、レーザーダ
イオード(LD)7の出射ビームのΘ‖方向におけるビ
ームウェイスト8は、LD出射端面10よりも内側にあ
り、Θ⊥方向におけるビームウェイスト9は、出射端面
上にある。このため、非点隔差δが存在する。また、出
射ビームの発散角には、Θ‖方向11と、Θ⊥方向12
とにおいて差異があり、その比をアスペクト比と云う。
このアスペクト比が3以上の場合、LDとSMFの結合
に問題を生ずる。
【0034】Θ‖方向のレーザービーム11は、大きな
曲率半径RX を有するレンズ(長い焦点距離のレンズ)
により集合され、このレンズ出射面13におけるビーム
径はDX となる。また、Θ⊥方向のレーザービーム12
は、ビーム発散角が大きいため、小さな曲率半径(短い
焦点距離)のレンズにより集合され、このレンズ出射面
におけるビーム径はDY である。与えられた非点隔差量
δと、アスペクト比に対して、DX =DY となるような
X およびRY 値が存在する。発散角と、RY 値から、
Y 値が得られ、このD Y 値が、SMFのMFDに一致
しない場合には、これらが一致するように、SMFの先
端部に予じめコア拡大を施しておくことが望ましい。
【0035】図6は、本発明に用いられる成形部材(金
型)の一例の断面形状を示す。図6において、円板状成
形部材1の1面上に所望形状、寸法を有する凹曲面2が
形成されており、その反対側にレーザー光照射部14が
形成されている。これら凹曲部2およびレーザー光照射
部14は、拡大して画かれている。また、凹曲面2は、
円板状成形部材1の中心部に形成されている。凹曲面2
と、レーザー光照射部14との間の厚さは、光ファイバ
先端により、凹曲面に負荷される押圧に耐え得る機械的
強度が得られる限りできるだけ薄いことが好ましい。ま
た、レーザー光照射部14の径は、凹曲面部の径よりも
やゝ大きいことが好ましい。
【0036】図6において、円板状成形部材1の周辺部
に切り込み15を形成しておくと、成形部材1の押圧に
対するバネ弾性および、成形部材1の周縁部への熱抵抗
を高めることができる。図6に示されているように、成
形部材1は、その周縁部において、高耐熱性ファインセ
ラミックス(例えばアルミナ)から形成された保持部材
又は取り付け部材16により所定位置に保持される。保
持部材16の中心線と、成形部材1の凹曲面の頂点を通
る中心軸17との偏心は、1μm以下にコントロールす
ることが好ましい。
【0037】成形部材は、例えば2000℃以上の高温
に耐え、かつ高精密な加工(表面粗さ50nm以下)が可
能であり、かつ、耐酸化性のすぐれた材料により形成さ
れることが好ましい。このような条件に適合した材料と
しては、ジルコニア(ZrO 2 、最高使用温度:220
0℃)炭化ケイ素(SiC、最高使用温度:2300
℃)あるいは黒鉛(最高使用温度:2500℃)などが
ある。ジルコニアは、精密加工が可能であるが、レーザ
ー光の吸収率が低いため、レーザー発熱効率を向上させ
るためには、ジルコニア材料に、レーザー光吸収率の高
い高耐熱性材料を貼り合わせる必要がある。本実施例で
はレーザー光吸収率が高く、かつ高耐熱材料であるSi
C又は黒鉛を用いる。このような素材は、不活性ガス
(例えばN2ガス)、又は還元性ガス(例えばH2
ス)からなる雰囲気中で用いられることが好ましい。こ
のような場合、成形部材の加熱部分をとりかこむ空間
に、不活性ガス又は還元性ガスを送入し、それを保護す
ることが好ましい。
【0038】成形部材を、上記とは別な素材としてチタ
ン炭化物(TiC)により形成することができる。この
場合、酸化性雰囲気内において2400℃以上の高温で
使用することが可能になる。このチタン炭化物のレーザ
ー光吸収率は、ジルコニアより高いが、黒鉛より低い。
つまり、チタン炭化物は、酸化性雰囲気内で使用できる
という長所を有するが、しかし、レーザー光照射による
瞬時加熱の効率が低いという短所を有する。
【0039】図7に、本発明装置の一例が示されてい
る。図7において、ホルダー18の中心部に形成された
円筒状空間25内に、フェルール20が配置され、その
中に光ファイバ3が収容固定されている。フェルール2
0は、光ファイバの中心軸に沿って、前記円筒状空間2
5内を変位可能である。成形部材1は、ホルダー18
に、耐熱材料(例えばアルミナ)製耐熱ワッシャー21
を介して、蓋19により取り付け保持される。ホルダー
18には、リザーバー22が設けられており、このリザ
ーバー22中に、バルブ23を介して、外部供給源から
乾燥不活性ガス(N2 )、又は還元性ガス(H2 )を送
入し得るように構成されている。上記成形部材、ホルダ
ー、フェルールなどは、容器26中に収容されている。
リザーバー22は、透孔24を通って、光ファイバ保持
フェルール20を収容している円筒状空間25、および
成形部材1が露出している容器26内空間に連通し、必
要に応じてこれらに不活性ガス又は還元性ガスを送り込
むことができるようになっている。
【0040】加熱用レーザー光としては、CO2 レーザ
ー光を用いる。(又はYAGレーザー光を用いても良
い)。これらは吸収率が高いという利点を有する。CO
2 レーザー光は、10.6μmの波長を有し、これは、
黒鉛により100%の吸収率で吸収されるため、黒鉛成
形部材に対しては、発熱効率がきわめて高いという利点
がある。
【0041】容器26の壁面には、成形部材1のレーザ
ー光照射部14に対向する位置に、レーザー光照射用窓
27が設けられている。この窓27は、気密保持のた
め、使用するレーザー光を透過する材料、例えば、Zn
Seなどにより形成される。この窓27の外側にレーザ
ー照射光学系手段が配置されている。すなわち、窓27
に対向してレンズ28が配置され、レンズ28に対向し
て、CO2 レーザー光源29が配置され、両者の間にシ
ャッター30が配置されている。シャッター30が開か
れているとき、CO2 レーザー光源29から出射された
レーザー光をレンズ28を介して成形部材1のレーザー
光照射部14に集光することができる。レンズ28は、
コンピューター31によって制御される並進機構32に
よって、光軸方向に変位可能であり、この変位により、
レーザー光照射部14におけるレーザー光スポットの径
を変化させることができる。このようにレーザー光スポ
ット径を変化させることにより、成形部材1の凹曲面部
1の温度分布を制御することができる。また、光ファイ
バに適応した最適スポット径を設定することができる。
【0042】成形部材1の使用寿命を延ばすためには、
放置状態において、成形部材1に吸着された酸素
(O2 )ガスを脱着する必要がある。このためには、レ
ンズ28により、集光スポットの径を大きくし、成形部
材1全体を、昇華を生じない程度の温度に加熱すること
が有効である。上記加熱脱着操作が終了したならば、シ
ャッター30を閉じ、レンズ28の位置を、マイクロス
ポット加熱のための所定の位置に戻しておく。
【0043】フェルール20に保持されている光ファイ
バ3は、ホルダー18の円筒形空間25の内面により案
内されて変位し、光ファイバ先端面が、成形部材1の凹
曲面2に押し当てられる。このとき、フェルール20に
は、加圧機構33により、所定の押し当て圧力が負荷さ
れる。この加圧機構33は、光ファイバ先端面の押圧が
所定値をこえると、空転する機構を成し、コンピュータ
ー31により制御される。
【0044】本発明方法を実施するには、前述のよう
に、成形部材1の凹曲面に、所定の押圧下に、光ファイ
バ3の先端面を押し当て、次にシャッター30を開き、
CO2レーザー光源29からレーザー光を出射し、レン
ズ28を通して、レーザービームを成形部材1のレーザ
ー光照射部14にマイクロスポット状に集光して、これ
を加熱する。すると、凹曲面部2の温度は急速に上昇
し、光ファイバ3の先端面部を溶融し、光ファイバ先端
面を、凹曲面に対応する凸曲面に成形する。この成形が
完了したならば、シャッター30を閉じ、加熱成形を完
了する。上記加熱時間(すなわちシャッター30の閉孔
時間)および押し当て時間(すなわち加圧機構33の作
動時間)は、レーザービームのパワーと、集光スポット
径と、凹曲面の曲率、光ファイバの材質、寸法、などに
応じて予じめ設定され、コンピューター31により制御
される。加熱操作が終ると、凹曲面部の熱は、成形部材
全体に拡散し、凹曲面部の温度は急速に低下する。成形
部材、特に凹曲面部が黒鉛により形成されているとき、
光ファイバを形成する石英と黒鉛とは反応することがな
く、凹曲面の転写がスムーズに行われる。
【0045】上記本発明は、シングルモード光ファイバ
(SMF)について説明されたが、本発明は、並列処理
型の複数本の光ファイバについても適用することができ
る。この場合、成形部材に所望数の凹曲面を形成してお
き、レーザービームを所望数のビームに分割し、これ
を、成形部材に照射して、対応凹曲面部を加熱すればよ
い。
【0046】
【発明の効果】本発明方法および装置により、光ファイ
バ先端面に所望形状・および寸法の曲面を容易、且つ高
信頼度をもって成形することができる。このような先端
加工された光ファイバは、LDの発光パターン(アスペ
クト比など)に適応した曲率半径のトーリック面を有す
ることができる。従って、本発明方法および装置により
先端加工された光ファイバは、整形手段などの複雑な光
学系を用いることなく、高結合効率をもって、LDに結
合して、機械的に安定したLDモジュールを構成するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a),(b)は、レーザーダイオード
(LD)と光ファイバ(SMF)との従来の結合光学系
((a):ジャンクションに平行、(b):ジャンクシ
ョンに直角)の一例の説明図。
【図2】図2(a),(b)は、レーザーダイオード
(LD)と光ファイバ(SMF)との従来の結合光学系
((a):ジャンクションに平行、(b):ジャンクシ
ョンに直角)の他の例の説明図。
【図3】図3は、本発明における成形部材と、光ファイ
バ先端部の関係を示す正面説明図。
【図4】図4は、本発明に用いられる成形部材の凹曲面
の形状の一例を示す説明図。
【図5】図5(a)は、本発明方法により先端曲面加工
された光ファイバと、レーザーダイオードとの結合系
の、ジャンクションに平行な方向の説明図。図5(b)
は、上記結合系の、ジャンクションに直角な方向の説明
図。
【図6】図6は、本発明に用いられる成形部材の一例の
側面説明図。
【図7】図7は、本発明装置の一例の構成を示す説明
図。
【符号の説明】
1…成形部材 2…凹曲面 3…光ファイバ 3a…先端面 3b…コア部 4…レーザービーム 5…レンズ 6…光ファイバのコアの先端拡大部 7…レーザーダイオード 8…Θ‖方向のビームウェイスト 9…Θ⊥方向のビームウェイスト 10…出射端面 11…Θ‖方向のレーザービーム 12…Θ⊥方向のレーザービーム 13…レンズ出射端 14…レーザー光照射部 15…切り込み部 16…保持部材 17…成形部材の中心軸 18…ホルダー 19…蓋 20…フェルール 21…耐熱ワッシャー 22…リザーバー 23…バルブ 24…透孔 25…円筒状空間 26…容器 27…レーザー光用窓 28…レンズ 29…CO2 レーザー光源 30…シャッター 31…コンピューター 32…並進機構 33…加圧機構 34…シリンダーレンズ 34a,34b…曲面 35…レーザーダイオード 36…コリメータレンズ 37…光ファイバ 38…アナモルフィックプリズム 39…集光レンズ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ先端面に、溶融成形を施すに
    際し、 成形部材に形成され、かつ所望の形状および寸法を有す
    る凹曲面に、光ファイバの先端面を、この光ファイバの
    中心軸方向の押圧下に押し当て、かつ前記成形部材にレ
    ーザー光を照射して、前記凹曲面部分の温度を、前記光
    ファイバの溶融温度以上に上昇させ、 それによって、前記光ファイバ先端面を、前記凹曲面に
    対応する曲面に成形することを特徴とする、光ファイバ
    先端の曲面加工方法。
  2. 【請求項2】 前記押し当て工程および加熱工程を、不
    活性ガス、又は還元性ガスからなる雰囲気中において施
    す、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバの先端部分を、予じめ先
    細に成形する、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 光ファイバの先端面に溶融成形を施すた
    めに、 所望形状および寸法を有する凹曲面部を具備している成
    形部材と、 前記凹曲面部に対向して配置され、前記光ファイバを収
    容固定する案内筒と、 前記案内筒を、それに収容固定される光ファイバの中心
    軸に沿って変位する手段と、および前記成形部材に、レ
    ーザー光を照射する手段と、を有することを特徴とす
    る、光ファイバ先端の曲面加工装置。
  5. 【請求項5】 前記成形部材は黒鉛あるいは炭化ケイ素
    からなり、この成形部材をとりかこむ空間に、不活性ガ
    ス又は還元性ガス供給源が連結されている、請求項4に
    記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記レーザー光照射手段が、前記成形部
    材に対向して配置されたCO2 レーザー光源と、前記C
    2 レーザー光源と前記成形部材との間に配置された集
    光レンズと前記集光レンズと前記CO2 レーザー光源と
    の間に配置されたシャッターとを有する、請求項4に記
    載の装置。
  7. 【請求項7】 前記シャッターが、照射時間制御手段に
    連結されている請求項6に記載の装置。
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