JPH08219022A - エアコンプレッサ - Google Patents

エアコンプレッサ

Info

Publication number
JPH08219022A
JPH08219022A JP4776295A JP4776295A JPH08219022A JP H08219022 A JPH08219022 A JP H08219022A JP 4776295 A JP4776295 A JP 4776295A JP 4776295 A JP4776295 A JP 4776295A JP H08219022 A JPH08219022 A JP H08219022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
side flange
liner
air compressor
flange
flanges
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4776295A
Other languages
English (en)
Inventor
Norihiko Honda
紀彦 本多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Seiki Ltd
Original Assignee
Sanwa Seiki Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanwa Seiki Ltd filed Critical Sanwa Seiki Ltd
Priority to JP4776295A priority Critical patent/JPH08219022A/ja
Publication of JPH08219022A publication Critical patent/JPH08219022A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアコンプレッサ本体の締結による内径の変
形を防止する。 【構成】 エアコンプレッサ本体11のシリンダライナ
12のフランジ31に同シリンダヘッド15のフランジ
32に押接する凸部38がシリンダライナの中心とフラ
ンジ継手30の締結ボルト33の中心とを結ぶ線分を半
径とする円弧に沿って突設され、凸部の径方向幅Wは締
結力に耐える範囲で極力小さく設定され、凸部の高さH
はOリング37の気密保持性を損なわない範囲内で平面
度のばらつきを吸収し得るように設定されている。 【効果】 両フランジの締結に際し、ボルトの締結力F
は凸部38が押接したボルトの中心に作用するため、両
フランジに作用する曲げモーメントMが実質的に零にな
り、シリンダライナ12の内径変形を防止できる。その
結果、内径変形による潤滑油の消費量の増加を防止し、
両フランジの平面度の精度を低減でき、コストや製造期
間を軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアコンプレッサに関
し、特に、エアコンプレッサ本体の構造の改良に係り、
例えば、自動車等の車両のエアブレーキ装置に利用して
有効なエアコンプレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両のエアコンプレッサとし
て、エアコンプレッサ本体がシリンダライナと、シリン
ダヘッドと、クランクケースとに横割りに三分割されて
おり、シリンダライナの両端部に突設されたフランジと
シリンダヘッドおよびクランクケースの各一端部にそれ
ぞれ突設されたフランジとがボルトによって締結される
ことによって結合されてエアコンプレッサ本体に一体化
されているもの、がある。このエアコンプレッサにおい
ては、フランジ同士を含めたシリンダライナとシリンダ
ヘッドとの合わせ面間、および、フランジ同士を含めた
シリンダライナとクランクケースとの合わせ面間は厳格
な気密が要求されるため、各締結面の平面度の精度はそ
れぞれ厳格に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種のエア
コンプレッサにおいては、締結面の平面度の精度にばら
つきが発生すると、ボルトの締結によってシリンダライ
ナの内径が変形し、潤滑油の消費量が増加してしまうと
いう問題点がある。そこで、従来は、フランジ面積を含
めた合わせ面の広い面積にわたって精密な仕上げ加工を
施すことにより、締結面の平面度について気密性の観点
からの要求以上に高い精度が確保されているため、エア
コンプレッサの製造コストや製造期間が増加してしまう
という問題点が派生してしまう。
【0004】本発明の目的は、分割されたエアコンプレ
ッサ本体の締結による内径の変形を防止することができ
るエアコンプレッサを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエアコンプ
レッサは、エアコンプレッサ本体の各分割体の対となる
フランジ同士のうち少なくとも一方のフランジにおける
他方のフランジとの対向面に凸部が、エアコンプレッサ
本体の中心と分割体同士を締結する締結部材の中心とを
結ぶ線分を半径とする円弧に沿って突設されており、こ
の凸部は径方向の幅が狭く形成されていることを特徴と
する。
【0006】
【作用】前記した手段によれば、各分割体の締結に際し
て、一方のフランジに突設された凸部の先端面のみが相
手方のフランジの締結面に押接することにより、締結部
材の締結力は凸部の押接面に集中して作用する状態にな
るため、締結部材の中心から締結部材の締結力が各フラ
ンジに作用する作用点までの距離は限りなく零に近く、
実質的に零になる。したがって、各分割体がフランジ同
士において締結部材によって締結されるに際して作用す
る曲げモーメントは限りなく零に近く、実質的に零に抑
えることができるため、各分割体の内径が変形する現象
は防止されることになる。
【0007】
【実施例】図1は本発明の一実施例であるエアコンプレ
ッサのフランジ継手部を示しており、(a)はコンプレ
ッサ本体の合わせ面を示す一部省略平面図、(b)は
(a)のb−b線に沿う断面図、(c)はその作用を説
明するための説明図である。図2はそのエアコンプレッ
サを示す縦断面図である。
【0008】本実施例において、本発明に係るエアコン
プレッサは、バスやトラック等の大型自動車に搭載され
るエアブレーキ装置(図示せず)に使用するのに好適な
ものとして構成されており、ピストンが往復動する容積
形に構成されている。このエアコンプレッサ10はシリ
ンダ室とクランク室とを形成するエアコンプレッサ本体
(以下、本体という。)11を備えており、本体11は
その分割体であるシリンダライナと、シリンダヘッド
と、クランクケースとが組み合わされて一体に構成され
ている。
【0009】本体11の第1の分割体であるシリンダラ
イナ12にはシリンダ室13が形成されており、シリン
ダ室13内にはピストン14が往復摺動自在に嵌合され
ている。ピストン14は後記するクランクシャフトによ
りコネクティングロッドを介してシリンダ室13内を往
復直線駆動されるように構成されている。シリンダ室1
3の一端(以下、上端側とする。)には、本体11の第
2の分割体であるシリンダヘッド15が組み合わせされ
て、後述するフランジ継手によって締結されている。シ
リンダヘッド15には吐出口16および吸入口20がシ
リンダ室13にそれぞれ連通するように開設されてい
る。吐出口16には吐出路17が接続されており、シリ
ンダヘッド15の内部における吐出口16と吐出路17
との間には吐出弁18がその流通を開閉するように介設
されている。この吐出弁18はスプリング19の付勢力
によって吐出口16を閉塞し、シリンダ室13内のエア
の圧力が上昇したときにスプリング19の付勢力に抗し
て吐出口16を開くように構成されている。本実施例に
おいて、吐出路17はエアブレーキ装置のブレーキ作動
器に圧縮空気(以下、エアという。)を供給するための
リザーバ(図示せず)にチェック弁(図示せず)を介し
て接続されるようになっている。
【0010】一方、吸入口20には吸入路21が接続さ
れており、シリンダヘッド15の内部には吸入弁22が
吸入口20と吸入路21との間に配されて、その流通路
を開閉するように開設されている。この吸入弁22はス
プリング23の付勢力によって吸入口20を閉塞し、吸
入路21内のエアがシリンダ室13内のエアよりも高く
なったときに吸入口20を開くように構成されている。
吸入路21は自動車のエンジンにおけるエアクリーナ
(図示せず)に接続されている。
【0011】なお、シリンダヘッド15の内部における
吸入弁22と対向する位置にはアンローダ29が設備さ
れている。アンローダ29はシリンダ装置によって構成
されており、リザーバの内部圧力が上昇して設定値に達
した時に、プレッシャレギュレータ(図示せず)から制
御ポートに供給される信号圧に応答するピストンによっ
て吸入弁22を強制的に開くことにより、エアコンプレ
ッサ10のポンプ作動を一時的に休止させてエンジンの
負荷を軽減(アンロード)させるように構成されてい
る。
【0012】シリンダライナ12の下側には本体11の
もう一つの分割体であるクランクケース24が組み合わ
されて後述するフランジ継手によって結合されている。
クランクケース24にはシリンダ室13と連通するクラ
ンク室25が形成されており、クランク室25の内部に
は自動車のエンジン(図示せず)により駆動されるクラ
ンクシャフト26が横断するように軸架されており、ク
ランクシャフト26はクランクケース24に回転自在に
支承されている。このクランクシャフト26の中間部に
はコネクティングロッド28の下端部が回転自在に連結
されており、このコネクティングロッド28の上端部に
はピン27を介してピストン14が回転自在に連結され
ている。したがって、クランクシャフト26はエンジン
の回転駆動力を直線運動に変換してピストン14をコネ
クティングロッド28を介して往復直線運動させるよう
になっている。
【0013】そして、本体11の第1の分割体であるシ
リンダライナ12と第2の分割体であるシリンダヘッド
15、および、シリンダライナ12と第3の分割体であ
るクランクケース24とは各フランジ継手30によって
それぞれ結合されている。まず、シリンダライナ12と
シリンダヘッド15との結合について説明する。
【0014】シリンダライナ12の上端辺外周にはフラ
ンジ継手30のシリンダライナ側フランジ(以下、ライ
ナ側フランジという。)31が、シリンダライナ12の
中心線と直交するように径方向外向きに突設されてい
る。他方、シリンダヘッド15の下端辺外周にはライナ
側フランジ31と対になるシリンダヘッド側フランジ
(以下、ヘッド側フランジという。)32が、シリンダ
ライナ12の中心線と直交するように径方向外向きに突
設されている。ライナ側フランジ31には締結部材とし
てのボルト33をねじ込まれる雌ねじ孔34が複数個
(本実施例では、4個)、周方向に所定の角度(本実施
例例では、90度)の間隔を置かれて軸方向に貫通する
ようにそれぞれ開設されており、他方のヘッド側フラン
ジ32にはボルト33を挿通される挿通孔35が雌ねじ
孔34と同数個、周方向に雌ねじ孔34と等しい角度の
間隔を置かれて各雌ねじ孔34に対向するように軸方向
に貫通されてそれぞれ開設されている。
【0015】ライナ側フランジ31の合わせ面における
各雌ねじ孔34よりも内側にはOリング収容溝36がシ
リンダライナ12の中心と同心円に没設されており、こ
の収容溝36にはOリング37が収容されている。Oリ
ング37は収容溝36に位置決めされた状態でライナ側
フランジ31の合わせ面とヘッド側フランジ32の合わ
せ面との間で圧縮変形されることによって両フランジ3
1と32との合わせ面における気密を保持し得るように
構成されている。
【0016】さらに、ライナ側フランジ31の合わせ面
における雌ねじ孔34の中心を通る円弧上には凸部38
が直角方向上向きに一体的に突設されている。すなわ
ち、この凸部38は雌ねじ孔34の中心とシリンダライ
ナ12の中心とを結ぶ線分を半径とする円弧に沿って形
成されている。凸部38の径方向の幅Wはボルト33の
締結に伴う面圧に耐える範囲で極力小さく設定されてい
る。また、凸部38の高さHはOリング37の気密保持
性能(シール性能)を損なわない範囲内で、ライナ側フ
ランジ31およびヘッド側フランジ32の平面度のばら
つきの差値よりも可及的に大きくなるように設定されて
いる。さらに、凸部38の周方向の長さはライナ側フラ
ンジ31およびヘッド側フランジ32の平面度を構成し
得る範囲内で可及的に短くなるように設定されており、
凸部38は周方向において適当な間隔で断続された状態
になっている。そして、各凸部38の上端面の集合によ
って一平面が構成されており、その平面の平面度は精密
に設定されている。
【0017】次に、シリンダライナ12とシリンダヘッ
ド15との結合作業を説明する。シリンダライナ12と
シリンダヘッド15とが結合されるに際して、シリンダ
ライナ12の上にシリンダヘッド15が載置されて、ラ
イナ側フランジ31とヘッド側フランジ32とが突合さ
れる。この際、ライナ側フランジ31の各雌ねじ孔34
とヘッド側フランジ32の各挿通孔35とがそれぞれ整
合される。続いて、ボルト33が挿通孔35に挿通さ
れ、雌ねじ孔34にねじ込まれることにより、ライナ側
フランジ31とヘッド側フランジ32とが締結される。
【0018】ライナ側フランジ31とヘッド側フランジ
32とが締結されると、ライナ側フランジ31の合わせ
面に突設された凸部38の上側先端面だけがヘッド側フ
ランジ32の合わせ面における対向部位に押接した状態
になる。この凸部38の先端面が構成する平面度は精密
に仕上げ加工されているため、ライナ側フランジ31と
ヘッド側フランジ32とは互いに平行に対向し、シリン
ダライナ12とシリンダヘッド15とは互いに精密に軸
心合わせされた状態になる。
【0019】この状態において、ボルト33の締結力に
よる曲げモーメントを検討すると、図1(c)に示され
ているように、ボルト33の締結力Fが双方のフランジ
31、32に加わる作用点は、凸部38の位置するボル
ト33の中心位置Rに重なるため、曲げモーメントは限
りなく零に近くなって実質的に零になる。すなわち、ボ
ルト33の締結力をF、ボルト33の中心からボルト3
3の締結力が双方のフランジ31、32に加わる作用点
までの距離をLとすると、ボルト33の締結力Fによっ
てライナ側フランジ31とヘッド側フランジ32とに作
用する曲げモーメントMは次の式(1)によって求めら
れ、Lの値が限りなく零に近くなるため、Mの値は実質
的に零となる。 M=F×L・・・(1)
【0020】ところで、ライナ側フランジ31の合わせ
面に凸部38が突設されていない従来例においては、ラ
イナ側フランジ31に大きな曲げモーメントが作用する
ため、シリンダライナ12の内径変形が発生する。すな
わち、図3(a)に示されているように、両フランジ3
1、32同士の外側は密に押接しているが、両フランジ
31、32同士の内側に間隙が形成されていると、図3
(b)に示されているように、ボルト33の中心Rと両
フランジにボルトの締結力Fが加わる作用点との距離L
が零とならないため、大きな曲げモーメントMlが作用
することになる。この大きな曲げモーメントによってシ
リンダライナ12の内径は図3(a)に示されているよ
うに変形される。
【0021】逆に、図3(c)に示されているように両
フランジ31、32同士の内側は密に結合しているが、
両フランジ31、32同士の外側に間隙が形成されてい
る場合においても、ボルト33の中心Rと両フランジに
ボルトの締結力Fが加わる作用点との距離Lが零となら
ないため、大きな曲げモーメントが作用し、この大きな
曲げモーメントによってシリンダライナ12の内径は図
3(c)に示されているように変形される。
【0022】このようにシリンダライナ12の内径が変
形すると、シリンダライナ12の内周面とピストン14
の外周面との隙間(クリアランス)が設定された値より
も大きくなってしまうため、潤滑油がその隙間から吐出
口16から必要以上に逃げてしまい、潤滑油の消費量が
増加してしまう。
【0023】しかし、以上説明した本実施例によれば、
ライナ側フランジ31とヘッド側フランジ32との締結
に際してライナ側フランジ31に曲げモーメントが殆ど
作用しないため、その曲げモーメントによってシリンダ
ライナ12の内径が変形される現象は未然に防止される
ことになる。したがって、そのシリンダライナ12の内
径変形によって起こる潤滑油の消費量の増加は未然に回
避することができる。また、シリンダライナ12の内径
変形を未然に防止することにより、ライナ側フランジ3
1の凸部38における平面度およびヘッド側フランジ3
2の平面度についての精度をOリング37の気密性能の
観点から要求される仕上げ加工精度まで低減させること
ができるため、エアコンプレッサの製造コストや製造期
間を軽減することができる。ちなみに、シリンダ室13
の気密はライナ側フランジ31とヘッド側フランジ32
との合わせ面において凸部38の内側に挟設されたOリ
ング37によって確保されるため、ライナ側フランジ3
1とヘッド側フランジ32との合わせ面における平面度
のばらつきは、Oリング37の圧縮変形によって充分に
吸収することができる。
【0024】次に、シリンダライナ12とクランクケー
ス24との結合について説明する。シリンダライナ12
の下端辺外周にはフランジ継手30のシリンダライナ側
フランジ(以下、ライナ側フランジという。)31が、
シリンダライナ12の中心線と径方向外向きに直交する
ように突設されている。他方、クランクケース24の上
端辺外周にはライナ側フランジ31と対になるクランク
ケース側フランジ(以下、ケース側フランジという。)
39が、シリンダライナ12の中心線と直交するように
径方向外向きに突設されている。ケース側フランジ39
には締結部材としてのボルト33をねじ込まれる雌ねじ
孔34が複数個、周方向に所定角度の間隔を置かれて軸
方向に貫通するようにそれぞれ開設されており、他方の
ライナ側フランジ31にはボルト33を挿通される挿通
孔35が同数個、周方向に所定角度の間隔を置かれて各
雌ねじ孔34に対向するように軸方向に貫通されてそれ
ぞれ開設されている。
【0025】ケース側フランジ39の合わせ面における
各雌ねじ孔34よりも内側にはOリング収容溝36がシ
リンダライナ12の中心と同心円に没設されており、こ
の収容溝36にはOリング37が収容されている。Oリ
ング37は収容溝36に位置決めされた状態でライナ側
フランジ31の合わせ面とケース側フランジ39の合わ
せ面との間で圧縮変形されることによって両フランジ3
1と39との合わせ面における気密を保持し得るように
構成されている。
【0026】さらに、ケース側フランジ39の合わせ面
における雌ねじ孔34の中心を通る円弧上には凸部38
が直角方向上向きに一体的に突設されている。すなわ
ち、この凸部38は雌ねじ孔34の中心とシリンダライ
ナ12の中心とを結ぶ線分を半径とする円弧に沿って形
成されている。凸部38の径方向の幅Wはボルト33の
締結に伴う面圧に耐える範囲で極力小さく設定されてい
る。また、凸部38の高さHはOリング37の気密保持
性能(シール性能)を損なわない範囲内で、ライナ側フ
ランジ31およびケース側フランジ39の平面度のばら
つきの差値よりも可及的に大きくなるように設定されて
いる。さらに、凸部38の周方向の長さはライナ側フラ
ンジ31およびケース側フランジ39の平面度を構成し
得る範囲内で可及的に短くなるように設定されており、
凸部38は周方向において適当な間隔で断続された状態
になっている。そして、各凸部38の上端面の集合によ
って一平面が構成されており、その平面の平面度は精密
に設定されている。
【0027】次に、シリンダライナ12とクランクケー
ス24との結合作業を説明する。シリンダライナ12と
クランクケース24とが結合されるに際して、クランク
ケース24の上にシリンダライナ12が載置されて、ラ
イナ側フランジ31とケース側フランジ39とが突合さ
れる。この際、ライナ側フランジ31の各挿通孔35と
ケース側フランジ39の各雌ねじ孔34とがそれぞれ整
合される。続いて、ボルト33が挿通孔35に挿通さ
れ、雌ねじ孔34にねじ込まれることにより、ライナ側
フランジ31とケース側フランジ39とが締結される。
【0028】このようにしてライナ側フランジ31とケ
ース側フランジ39とが締結されると、ケース側フラン
ジ39の合わせ面に突設された凸部38の上側先端面が
ライナ側フランジ31の合わせ面における対向部位に押
接した状態になる。この凸部38の先端面が構成する平
面度は精密に仕上げ加工されているため、ライナ側フラ
ンジ31とケース側フランジ39とは互いに平行に対向
して、シリンダライナ12とクランクケース24とは互
いに精密に軸心合わせされた状態になる。
【0029】この状態において、ボルト33の締結力に
よる曲げモーメントを検討すると、前述したライナ側フ
ランジ31とヘッド側フランジ32との結合の場合と同
様に、ボルト33の締結力が双方のフランジ31、39
に加わる作用点は、凸部38の位置するボルト33の中
心位置に重なるため、曲げモーメントは限りなく零に近
くなって実質的に零になる。すなわち、ボルト33の締
結力Fを、ボルト33の中心からボルト33の締結力が
双方のフランジ31、39に加わる作用点までの距離を
Lとすると、ボルト33の締結力Fによってライナ側フ
ランジ31とケース側フランジ39とに作用する曲げモ
ーメントMは前記式(1)によって求められ、Lの値が
限りなく零に近くなるため、Mの値は実質的に零とな
る。
【0030】したがって、前述したライナ側フランジ3
1とヘッド側フランジ32との結合の場合と同様に、ラ
イナ側フランジ31とケース側フランジ39との締結に
際してライナ側フランジ31に曲げモーメントが殆ど作
用しないため、その曲げモーメントによってシリンダラ
イナ12の内径が変形される現象は未然に防止されるこ
とになる。その結果、そのシリンダライナ12の内径変
形によって起こる潤滑油の消費量の増加は未然に回避す
ることができる。また、シリンダライナ12の内径変形
を未然に防止することにより、ライナ側フランジ31の
凸部38における平面度およびケース側フランジ39の
平面度についての精度をOリング37の気密性能の観点
から要求される仕上げ加工精度まで低減させることがで
きるため、エアコンプレッサの製造コストや製造期間を
軽減することができる。
【0031】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更可能であることはいうまでもない。
【0032】例えば、ライナ側フランジ31とヘッド側
フランジ32とのフランジ継手30において、凸部38
はライナ側フランジ31に配設するに限らず、ヘッド側
フランジ32に配設してもよい。また、ライナ側フラン
ジ31とケース側フランジ39とのフランジ継手30に
おいて、凸部38はケース側フランジ39に配設するに
限らず、ライナ側フランジ31に配設してもよい。
【0033】また、前記実施例においては、ライナ側フ
ランジ31とヘッド側フランジ32とのフランジ継手3
0、および、ライナ側フランジ31とケース側フランジ
39とのフランジ継手30の双方に、凸部38が配設さ
れているが、いずれか一方だけに凸部38を配設しても
よい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エアコンプレッサ本体の各分割体の対となるシリンダ同
士のうち少なくとも一方のフランジにおける他方のフラ
ンジとの対向面に径方向の幅の狭い凸部を、エアコンプ
レッサ本体の中心と各分割体同士を締結する締結部材の
中心とを結ぶ線分を半径とする円弧に沿って突設するこ
とにより、各分割体の締結に際して、一方のフランジに
突設された凸部の先端面のみが相手方のフランジの締結
面に押接することにより、締結部材の締結力は凸部の押
接面に集中して作用する状態になるため、締結部材の中
心から締結部材の締結力が各フランジに作用する作用点
までの距離を実質的に零にさせることができ、その結
果、各分割体がフランジ同士において締結部材によって
締結されるに際して作用する曲げモーメントを実質的に
零に抑えることができるため、各分割体の内径が変形す
る現象を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるエアコンプレッサのフ
ランジ継手部を示しており、(a)はコンプレッサ本体
の合わせ面を示す一部省略平面図、(b)は(a)のb
−b線に沿う断面図、(c)はその作用を説明するため
の説明図である。
【図2】そのエアコンプレッサを示す縦断面図である。
【図3】従来例のフランジ継手に作用する締結力と曲げ
モーメントとの関係を示しており、(a)は内側に隙間
が形成された場合の縦断面図、(b)はその曲げモーメ
ント図、(c)は外側に隙間が形成された場合の縦断面
図である。
【符号の説明】
10…エアコンプレッサ、11…エアコンプレッサ本
体、12…シリンダライナ(第1分割体)、13…シリ
ンダ室、14…ピストン、15…シリンダヘッド(第2
分割体)、16…吐出口、17…吐出路、18…吐出
弁、19…スプリング、20…吸入口、21…吸入路、
22…吸入弁、23…スプリング、24…クランクケー
ス(第3分割体)、25…クランク室、26…クランク
シャフト、27…クランクピン、28…コネクティング
ロッド、29…アンローダ、30…フランジ継手、31
…シリンダライナ側フランジ、32…シリンダヘッド側
フランジ、33…ボルト(締結部材)、34…雌ねじ
孔、35…ボルト挿通孔、36…Oリング収容溝、37
…Oリング、38…凸部、39…ケース側フランジ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ室を形成するエアコンプレッサ
    本体と、シリンダ室に往復動自在に嵌装されたピストン
    と、駆動装置により回転駆動されるクランクシャフト
    と、このクランクシャフトとピストンとの間に連結され
    てクランクシャフトの回転運動を往復運動に変換してピ
    ストンに伝達するコネクティングロッドと、シリンダ室
    に接続された吸入路を開閉する吸入弁と、シリンダ室に
    接続された吐出路を開閉する吐出弁とを備えており、前
    記エアコンプレッサ本体が横割りに分割されているとと
    もに、各分割体の分割面の外周に互いに対となるフラン
    ジがそれぞれ形成され、フランジ同士が締結部材によっ
    て締結されることにより分割体同士が結合されているエ
    アコンプレッサにおいて、 前記エアコンプレッサ本体の各分割体の対となるフラン
    ジ同士のうち少なくとも一方のフランジにおける他方の
    フランジとの対向面に凸部が、前記エアコンプレッサ本
    体の中心と前記締結部材の中心とを結ぶ線分を半径とす
    る円弧に沿って突設されており、この凸部は径方向の幅
    が狭く形成されていることを特徴とするエアコンプレッ
    サ。
JP4776295A 1995-02-13 1995-02-13 エアコンプレッサ Pending JPH08219022A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4776295A JPH08219022A (ja) 1995-02-13 1995-02-13 エアコンプレッサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4776295A JPH08219022A (ja) 1995-02-13 1995-02-13 エアコンプレッサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08219022A true JPH08219022A (ja) 1996-08-27

Family

ID=12784391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4776295A Pending JPH08219022A (ja) 1995-02-13 1995-02-13 エアコンプレッサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08219022A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6634868B2 (en) 2001-02-19 2003-10-21 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Compressor
WO2004059168A1 (en) * 2002-12-20 2004-07-15 Bendix Commercial Vehicle Systems Llc Air compressor assembly
JP2010265967A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Toyota Motor Corp パワーユニットの締結構造
WO2018043151A1 (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社 圧縮機

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6634868B2 (en) 2001-02-19 2003-10-21 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Compressor
WO2004059168A1 (en) * 2002-12-20 2004-07-15 Bendix Commercial Vehicle Systems Llc Air compressor assembly
JP2010265967A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Toyota Motor Corp パワーユニットの締結構造
US8833329B2 (en) 2009-05-13 2014-09-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fastening structure of power unit
WO2018043151A1 (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社 圧縮機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4224667B2 (ja) 燃料噴射ポンプ
US20180335145A1 (en) Sealing apparatus
KR20040020037A (ko) 전체 길이가 감소된 기체용 왕복 피스톤 압축기
KR100363930B1 (ko) 압축기에 있어서의 밸브형성체의 위치결정구조
JPH04224282A (ja) 空気調和圧縮機
EP0371407A3 (en) Ring valve type air compressor
US6238189B1 (en) Radial piston pump for high-pressure fuel supply
US6139284A (en) Radial piston pump for high pressure fuel delivery
JPH08219022A (ja) エアコンプレッサ
US5343777A (en) Eccentric crank assembly for a reciprocating piston air compressor
JPH10148180A (ja) 圧縮機におけるハウジングの連結構造
US6343540B1 (en) Piston installing method and positioning jig
JPH0329992B2 (ja)
JPH0712675Y2 (ja) エンジンのバキュームポンプ駆動装置
KR100427062B1 (ko) 시일성 향상을 위한 배기매니폴드의 시일 조립 구조
JP2001329956A (ja) 圧縮機用ピストン
US7258531B2 (en) Axial piston compressor
US6544006B2 (en) Piston type compressor
US20060275148A1 (en) Reciprocating compressor
JPH0537027Y2 (ja)
JPS6024968Y2 (ja) 多段駆動シリンダ
KR100429056B1 (ko) 자동차의압축공기생성용압축기와같은피스톤형압축기
JPH09264254A (ja) ピストン式圧縮機及びその組付方法
JPH0642462A (ja) 往復動圧縮機
JPH08303603A (ja) 密封装置