JPH08218926A - エンジンの燃料噴射弁駆動回路 - Google Patents

エンジンの燃料噴射弁駆動回路

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JPH08218926A
JPH08218926A JP2072495A JP2072495A JPH08218926A JP H08218926 A JPH08218926 A JP H08218926A JP 2072495 A JP2072495 A JP 2072495A JP 2072495 A JP2072495 A JP 2072495A JP H08218926 A JPH08218926 A JP H08218926A
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signal
current
injector
gate
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JP2072495A
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Takashi Matsuura
崇 松浦
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Subaru Corp
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 噴射パルス信号がオンからオフになって燃料
噴射弁の駆動を停止したとき、速やかにフライホイール
回路の作動を停止させ、噴射量精度を確保する。 【構成】 噴射パルス信号とタイミング信号生成回路1
10からのフライホイール回路制御信号とをANDゲー
ト130に入力し、噴射パルス信号がONの期間では、
フライホイール回路制御信号を有効としてフライホイー
ル回路90に出力し、噴射パルス信号がOFFになる
と、フライホイール回路制御信号SE1を遮断して無効と
し、OFF信号をANDゲート130からフライホイー
ル回路90に出力してフライホイール回路90を強制的
に非作動状態とする。これにより、噴射パルス信号がO
FFした後に僅かな燃料の噴射が継続されることなくイ
ンジェクタ8を確実に閉弁させ、噴射量特性の悪化を防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料噴射弁の通電電流
を制御するエンジンの燃料噴射弁駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、加圧した燃料を電磁弁である燃
料噴射弁から噴射してエンジンに供給する燃料噴射シス
テムにおいては、噴射時間を指示する噴射パルス信号が
駆動回路に入力されると、例えば、初期に前記燃料噴射
弁を高速で開弁させるため比較的大きな開弁用電流を流
し、しかる後、一旦、前記燃料噴射弁の通電を停止して
通電電流値を下げ、開弁状態を保持させるのに必要な小
さな保持電流に制御するなどして燃料噴射弁の駆動電流
を制御し、燃料噴射弁を高速動作させてダイナミックレ
ンジを拡大するようにしている。
【0003】この場合、前記駆動回路には、通電電流を
遮断する際に前記燃料噴射弁のコイルに発生する逆起電
力を放電するフライホイール回路を備えているが、この
フライホイール回路を前記燃料噴射弁の通電電流を開弁
用電流から保持電流に移行させる期間で導通させると、
前記燃料噴射弁の電流減少速度が遅くなり、しかも、コ
イルの時定数に依存して曲線的に減少するため、この期
間はいわゆる不感帯となって燃料噴射量誤差の原因とな
る。
【0004】このため、例えば、特開昭60−2613
6号公報には、燃料噴射弁に開弁用の大電流を流す区
間、及び、保持電流を流す区間でフライホイール回路を
作動させ、開弁用の大電流から保持電流に立ち下がる区
間ではフライホイール回路を非作動とする技術が開示さ
れており、また、特開昭63−55345号公報には、
噴射弁に流れる電流を検出する電流検出用抵抗の電圧を
基準値と比較するコンパレータを2組設け、燃料噴射パ
ルスが入力されて噴射弁を駆動するトランジスタがON
された後、前記電流検出用抵抗の電圧が開弁電流に相当
する電圧より高めに設定された第1の基準電圧を越えた
ときに一方のコンパレータから出力される信号によって
前記トランジスタをOFFさせて噴射弁の電流を減少さ
せ、前記電流検出用抵抗の電圧が第2の基準値以下にな
ったとき、他方のコンパレータの出力信号によって、噴
射弁の電流が保持電流設定範囲内になるように制御する
とともにフライホイール回路を非作動状態から作動状態
にする技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フライホイ
ール回路を作動させるためには、遅延回路、比較回路、
その他、各種素子を組み合わせた回路を駆動回路内に設
け、噴射パルス信号入力をトリガとして、あるいは、電
流検出用抵抗の電圧に基づいて、フライホイール回路を
作動させる信号を生成する必要がある。
【0006】このため、燃料噴射パルス信号がオフにな
ったときには、遅延回路、比較回路、その他、各種素子
による信号伝達時間の遅れが重なってフライホイール回
路の作動を停止させるタイミングが遅れる可能性があ
り、燃料噴射パルス信号がオンの期間を終了しても逆起
電力による電流が燃料噴射弁に流れ続けて燃料噴射弁が
完全に閉弁せず、僅かであっても燃料の噴射が継続して
噴射量特性が悪化するおそれがある。
【0007】特に、高圧燃料を噴射する筒内噴射式エン
ジン等に使用される燃料噴射弁では、通常の吸気ポート
内噴射式のエンジンに使用される燃料噴射弁に比較して
大きな電磁力を必要とすることから駆動電流値が大きく
なっており、燃料圧力が高圧であることも影響して、燃
料噴射弁の僅かな閉弁遅れが噴射量特性に大きな影響を
及ぼす。
【0008】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、噴射パルス信号がオンからオフになって燃料噴射弁
の駆動を停止したとき、速やかにフライホイール回路の
作動を停止させ、噴射量精度を確保することのできるエ
ンジンの燃料噴射弁駆動回路を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、噴射時間を指
示する噴射パルス信号がオンの期間で燃料噴射弁を駆動
し、この燃料噴射弁のコイルに発生する逆起電力をフラ
イホイール回路を介して放電するエンジンの燃料噴射弁
駆動回路において、前記噴射パルス信号がオンの期間で
前記フライホイール回路を作動させる信号を有効とし、
前記噴射パルス信号がオンからオフになったとき、前記
信号を無効として前記フライホイール回路を前記噴射パ
ルス信号によって強制的に非作動とするフライホイール
回路信号処理手段を設けたものである。
【0010】
【作用】本発明では、噴射時間を指示する噴射パルス信
号がオンの期間で、フライホイール回路を作動させる信
号を有効として燃料噴射弁のコイルに発生する逆起電力
をフライホイール回路を介して放電させ、噴射パルス信
号がオンからオフになったとき、フライホイール回路を
作動させる信号を無効としてフライホイール回路を噴射
パルス信号によって強制的に非作動とする。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0012】図1〜図6は本発明の第1実施例に係わ
り、図1はインジェクタ駆動回路の全体構成図、図2は
電流制御回路とフライホイール回路と電流検出回路の回
路図、図3は各部の信号波形図、図4は保持電流制御の
タイミングを示す詳細波形図、図5はエンジン制御系の
全体構成図、図6は電子制御系の回路構成図である。
【0013】図5において、符号1は高圧燃料噴射式エ
ンジン(本実施例においては、2サイクル直噴式4気筒
ガソリンエンジン)であり、このエンジン1のシリンダ
ヘッド2とシリンダブロック3とピストン4とで形成さ
れる燃焼室5に、点火コイル6aの二次側に接続された
点火プラグ7と気筒内直接噴射用の燃料噴射弁(インジ
ェクタ)8とが臨まされ、前記点火コイル6aの一次側
に、イグナイタ6bが接続されている。
【0014】また、前記シリンダブロック3に、掃気ポ
ート3aと排気ポート3bとが形成され、前記シリンダ
ブロック3に形成した冷却水通路3cに、水温センサ9
が臨まされている。
【0015】前記掃気ポート3aには給気管10が連通
されており、この給気管10の上流側にエアクリーナ1
1が取付けられ、このエアクリーナ11の下流側に、ア
クセルペダル12に連動して開閉されるスロットル弁1
3が介装されている。前記アクセルペダル12には、ア
クセル開度センサ14が連設されている。
【0016】前記スロットル弁13の下流側には、クラ
ンクシャフト1aの回転によって駆動され、前記燃焼室
5内に新気を供給して強制的に掃気する掃気ポンプ15
が介装されており、この掃気ポンプ15をバイパスする
バイパス通路16に、図示しないアクチュエータによっ
て開閉されるバイパス弁17が介装されている。
【0017】また、前記排気ポート3bには、前記クラ
ンクシャフト1aに連動して開閉する排気ロータリ弁1
8が設けられ、この排気ロータリ弁18を介して排気管
19が連通されている。さらに、この排気管19に触媒
コンバータ20が介装されるとともに、下流端にマフラ
21が接続されている。
【0018】また、前記シリンダブロック3に支承され
たクランクシャフト1aに、クランク角検出用クランク
ロータ22が軸着され、このクランク角検出用クランク
ロータ22の外周に、電磁ピックアップ等からなるクラ
ンク角センサ23が対設されている。さらに、前記クラ
ンクシャフト1aには、図示しない気筒判別用クランク
ロータが前記クランク角検出用クランクロータ22と同
軸的に軸着されており、この気筒判別用クランクロータ
に、電磁ピックアップ等からなる気筒判別用センサ24
が対設されている。
【0019】また、符号25は燃料タンクであり、この
燃料タンク25からエンジン駆動式の高圧燃料ポンプ3
0へ燃料を送給する低圧燃料通路26に、フィードポン
プ27、燃料フィルタ28が順に介装され、低圧用ダイ
ヤフラム式プレッシャレギュレータ29によって調圧さ
れた燃料が、前記高圧燃料ポンプ30に供給されるよう
になっている。
【0020】また、前記高圧燃料ポンプ30から高圧用
電磁式プレッシャレギュレータ37に至る高圧燃料通路
31には、高圧燃料フィルタ32が介装されるととも
に、この高圧燃料フィルタ32と前記高圧用電磁式プレ
ッシャレギュレータ37との間で、燃料チャンバ室33
が形成されており、この燃料チャンバ室33から各気筒
のインジェクタ8に連通する燃料供給路34が分岐され
て所定の高圧燃料が前記インジェクタ8に供給される。
前記燃料チャンバ室33には、脈動圧を緩衝するアキュ
ムレータ35が連通されるとともに、燃料圧力を検出す
る燃料圧力センサ36が臨まされている。
【0021】そして、前記低圧用ダイヤフラム式プレッ
シャレギュレータ29の調圧用余剰燃料排出口と、前記
高圧用電磁式プレッシャレギュレータ37の調圧用余剰
燃料排出口とが、燃料リターン通路38から前記燃料タ
ンク25に連通され、燃料圧力を調圧するためリターン
される燃料が前記燃料タンク25に戻される。
【0022】尚、前記高圧用電磁式プレッシャレギュレ
ータ37は、例えば、リニアソレノイド等からなり、前
記燃料圧力センサ36によって検出された燃料圧力信号
が後述する電子制御装置40へ入力されると、この電子
制御装置40から前記高圧用電磁式プレッシャレギュレ
ータ37へ出力される駆動電流がフィードバック制御さ
れ、前記高圧用電磁式プレッシャレギュレータ37のバ
ルブ開度が可変されて前記燃料タンク25へのリターン
燃料流量が調整されることにより、目標とする燃料圧力
に制御されるようになっている。
【0023】一方、図6の符号40は電子制御装置(E
CU)であり、CPU41、ROM42、RAM43、
バックアップRAM44、及びI/Oインターフェース
45がバスライン46を介して互いに接続されるマイク
ロコンピュータを中核として構成されている。
【0024】前記ECU41には、各部に安定化電圧を
供給する定電圧回路47が内蔵されており、この定電圧
回路47がECUリレー48のリレー接点を介してバッ
テリ49に接続されるとともに、前記バッテリ49に直
接接続され、前記バックアップRAM44に常時バック
アップ電圧を印加するようになっている。
【0025】また、前記バッテリ49には、前記ECU
リレー48のリレーコイルがイグニッションスイッチ5
0を介して接続されるとともに、フィードポンプリレー
51のリレー接点を介して前記フィードポンプ27が接
続されている。
【0026】また、前記I/Oインターフェース45の
入力ポートには、前記バッテリ49が接続されてバッテ
リ電圧がモニタされるとともに、前記水温センサ9、前
記アクセル開度センサ14、前記クランク角センサ2
3、前記気筒判別用センサ24、前記燃料圧力センサ3
6が接続されている。
【0027】一方、前記I/Oインターフェース45の
出力ポートには、前記点火コイル6aを駆動するイグナ
イタ6bが接続されるとともに、前記フィードポンプリ
レー51のリレーコイルを駆動するリレー駆動回路52
a、前記高圧用電磁式プレッシャレギュレータ37を駆
動する高圧用電磁式プレッシャレギュレータ駆動回路5
2b、及び、前記インジェクタ8を駆動するインジェク
タ駆動回路52cからなる駆動回路52が接続されてい
る。
【0028】前記インジェクタ駆動回路52cは、イン
ジェクタ8の噴射時間を指示するための噴射パルス信号
が入力されると、まず比較的大きな開弁電流を通電して
インジェクタ8を高速で開弁させ、その後、開弁状態を
保持するのに必要なだけの比較的小さな保持電流を通電
するよう制御する(詳細は後述する)。
【0029】以下、前記インジェクタ駆動回路52cの
回路構成について説明する。
【0030】図1に示すように、インジェクタ駆動回路
52cには、インジェクタ8のコイルに通電する電流を
制御する電流制御回路60、インジェクタ8に直列接続
された電流検出抵抗53の両端電圧によりインジェクタ
8の通電電流を検出する電流検出回路80、インジェク
タ8への通電を停止したときに発生する逆起電力を放電
するフライホイール回路90、噴射パルス信号に基づい
て、前記電流制御回路60及び前記フライホイール回路
90の作動を制御する各種タイミング信号を生成するタ
イミング信号生成回路110、及び、噴射パルス信号が
オンの期間で前記フライホイール回路90を作動させる
信号を有効とし、噴射パルス信号がオンからオフになっ
たとき、前記信号を無効として前記フライホイール回路
90を噴射パルス信号によって強制的に非作動とするフ
ライホイール回路信号処理手段としてのANDゲート1
30によるAND回路が備えられている。
【0031】前記タイミング信号生成回路110では、
抵抗111とコンデンサ112とからなる積分回路によ
って噴射パルス信号が遅延させられ、比較回路(コンパ
レータ)113,114の非反転入力端子にそれぞれ入
力される。各コンパレータ113,114の反転入力端
子には、定電圧電源VCCに接続される調整抵抗115,
116による基準電圧VREF1,VREF2が、それぞれ印加
される。
【0032】前記調整抵抗116による基準電圧VREF2
は、前記調整抵抗115による基準電圧VREF1よりも高
く設定されており、後述するように、インジェクタ8の
通電電流を開弁時の大電流から保持電流に切換えるタイ
ミングが前記調整抵抗115による基準電圧VREF1に基
づいて決定され、また、インジェクタ8の保持電流制御
開始に際しての閉ループが形成される前に、前記フライ
ホイール回路90を作動させるタイミングが前記調整抵
抗116による基準電圧VREF2に基づいて決定される。
【0033】また、各コンパレータ113,114は、
オープンコレクタタイプのコンパレータであり、前記コ
ンパレータ113の出力端子が抵抗117を介して定電
圧電源VCCに接続され、一方の入力端子に噴射パルス信
号が入力されるEX−ORゲート118の他方の入力端
子に接続されている。また、前記コンパレータ114の
出力端子は、抵抗119を介して定電圧電源VCCに接続
され、ORゲート120の一方の入力端子に接続されて
いる。
【0034】前記EX−ORゲート118の出力端子
は、前記ORゲート120の他方の入力端子に接続され
るとともに前記電流制御回路60に接続され、また、前
記ORゲート120の出力端子は、一方の入力端子に噴
射パルス信号が入力されるANDゲート130の他方の
入力端子に接続されている。さらに、このANDゲート
130の出力端子が前記フライホイール回路90に接続
されている。
【0035】すなわち、前記EX−ORゲート118の
出力信号がインジェクタ8に開弁用電流の通電を指示す
る開弁時電流印加時間パルス信号として前記電流制御回
路60に入力され、また、前記ORゲート120の出力
信号が前記フライホイール回路90の作動及び非作動を
制御するフライホイール回路制御信号として前記AND
ゲート130に入力される。そして、このANDゲート
130による噴射パルス信号とフライホイール回路制御
信号とのAND出力が前記フライホイール回路90に出
力される。
【0036】尚、図中には、前記コンデンサ112の端
子電圧信号をSA、コンパレータ113の出力信号をS
B、コンパレータ114の出力信号をSC、開弁時電流印
加時間パルス信号であるEX−ORゲート118の出力
信号をSD、フライホイール回路制御信号であるORゲ
ート120の出力信号をSE1、ANDゲート130の出
力信号をSE2、前記コンパレータ113の反転入力端子
に印加される信号(基準電圧VREF1)をSF、前記コン
パレータ114の反転入力端子に印加される信号(基準
電圧VREF2)をSGとして示す。
【0037】一方、電流制御回路60、電流検出回路8
0、及び、フライホイール回路90の具体的回路例は、
図2に示される。
【0038】図2に示す電流制御回路60では、2入力
を結線してバッファとして使用されるオープンコレクタ
タイプのANDゲート62に噴射パルス信号が入力さ
れ、このANDゲート62の出力端子に、定電圧電源V
CCを分圧する分圧抵抗63,64の接続点が接続され、
目標電流値基準電圧発生回路61が構成される。
【0039】前記定電圧電源VCCを分圧して生成される
前記目標電流値基準電圧発生回路61からの基準電圧出
力は、抵抗65を介してコンパレータ67の非反転入力
端子に印加され、このコンパレータ67の反転入力端子
に、前記電流検出回路80の出力電圧が抵抗66を介し
て印加される。
【0040】前記コンパレータ67はシュミットコンパ
レータとして構成されており、その出力端子が抵抗69
を介して定電圧電源VCCに接続されるとともに帰還抵抗
68を介して非反転入力端子に接続されている。すなわ
ち、前記コンパレータ67の非反転入力端子に印加され
る電圧が、前記目標電流値基準電圧発生回路61からの
基準電圧を中心とする上下の基準レベルVL,VH(VL<
VH)となるヒステリシスを有し、前記電流検出回路8
0の出力電圧と比較されて、インジェクタ8の電流を保
持電流に制御する動作が行われる。
【0041】そして、前記コンパレータ67の出力端子
がORゲート70の一方の入力端子に接続され、このO
Rゲート70の他方の入力端子には、前記タイミング信
号生成回路110からの開弁時電流印加時間パルス信号
が入力される。前記ORゲート70の出力端子は、ベー
スバイアス抵抗72を介してエミッタ接地されるNPN
型トランジスタ73のベースに、抵抗71を介して接続
されており、前記トランジスタ73のコレクタが、抵抗
74を介してパワーMOS・FET77のゲートに接続
されている。
【0042】前記パワーMOS・FETは、ソースがバ
ッテリ電源VBに接続されるとともに、ソース〜ゲート
間に、定電圧ダイオード75(バッテリ電源VBに対し
て逆方向)及び抵抗76が並列接続されており、ドレイ
ンにインジェクタ8の一方の端子が接続されている。こ
のインジェクタ8の他方の端子は、電流検出抵抗53を
介して接地され、この電流検出抵抗53の両端に、電流
検出回路80が接続されている。
【0043】前記電流検出回路80は、前記電流検出抵
抗53の両端電圧を増幅するオペアンプ83からなり、
このオペアンプ83の非反転入力端子が抵抗81を介し
て前記電流検出抵抗53のインジェクタ8側に接続され
るとともに、反転入力端子が抵抗82を介して、前記電
流検出抵抗53の接地側に接続されている。
【0044】前記オペアンプ83は、出力端子が帰還抵
抗84を介して反転入力端子に接続されるとともに抵抗
85の一端に接続され、この抵抗85の他端が、コンデ
ンサ87を介して接地されるとともに、前記電流制御回
路60の抵抗66を介してコンパレータ67の反転入力
端子に接続されている。さらに、前記オペアンプ83の
非反転入力端子は抵抗86を介して接地されている。
【0045】また、フライホイール回路90では、前記
タイミング信号生成回路110から前記ANDゲート1
30を介して入力される信号が、抵抗91を介して定電
圧電源VCCにプルアップされ、抵抗92を介してNPN
型トランジスタ94のベースに入力される。
【0046】前記トランジスタ94は、ベースバイアス
抵抗93を介してエミッタ接地されており、そのコレク
タに、抵抗95を介してPNP型トランジスタ97のベ
ースが接続されている。このトランジスタ97は、ベー
スがバイアス抵抗96を介してバッテリ電源VBに接続
されるとともに、エミッタがこのバッテリ電源VBに接
続されている。
【0047】さらに、前記トランジスタ97のコレクタ
は、抵抗98を介してNPN型トランジスタ103のベ
ースに接続されており、このトランジスタ103とNP
N型トランジスタ104とがダーリントン接続されてい
る。すなわち、各トランジスタ103,104の各コレ
クタが互いに接続されるとともに、トランジスタ103
のエミッタがトランジスタ104のベースに接続され、
各トランジスタ103,104の各ベース〜エミッタ間
が、それぞれ、抵抗101,102を介して接続されて
いる。
【0048】そして、前記トランジスタ104のエミッ
タが、順方向のダイオード105を介して前記電流制御
回路60のパワーMOS・FETのドレインと前記イン
ジェクタ8との接続点に接続されるとともに、前記トラ
ンジスタ103のベースが、順方向に直列接続された定
電圧ダイオード99,100を介して各トランジスタ1
03,104のコレクタに接続され、さらに、前記電流
検出抵抗53の接地側に接続されている。
【0049】次に、以上の回路構成によるインジェクタ
駆動回路52cの動作について、図3及び図4に示す信
号波形を参照しながら説明する。
【0050】まず、噴射パルス信号がローレベルからハ
イレベルになると、このハイレベルの噴射パルス信号が
タイミング信号生成回路110に入力され、積分回路の
抵抗111を介してコンデンサ112が充電される。そ
して、このコンデンサ112の端子電圧が、前記噴射パ
ルス信号を遅延した信号SAとして各コンパレータ11
3,114の非反転入力端子に印加される。尚、本実施
例及び以下に説明する各実施例では、噴射パルス信号は
ローレベルの状態をOFF、ハイレベルの状態をONと
する。
【0051】各コンパレータ113,114の出力信号
SB,SCは、各々の反転入力端子に印加される基準電圧
VREF1,VREF2(信号SF,SG)よりもコンデンサ11
2の端子電圧(信号SA)が低いときには共にローレベ
ルであり、EX−ORゲート118の出力信号SDがハ
イレベルとなり、ORゲート120の出力信号SE1もハ
イレベルとなる。
【0052】そして、コンデンサ112の充電が進み、
コンパレータ113の非反転入力端子に印加される信号
SAが反転入力端子に印加される信号SFのレベルを越え
ると、コンパレータ113の出力信号SBが反転してハ
イレベルとなり、EX−ORゲート118の出力信号が
ローレベルとなって、ORゲート120の出力信号SE1
もローレベルとなる。
【0053】すなわち、図3に示すように、ハイレベル
の噴射パルス信号が入力されてからコンパレータ113
の出力が反転するまでの期間Tで、インジェクタ8に開
弁時の大電流を通電するためのハイレベルの開弁時電流
印加時間パルス信号SDが生成される。
【0054】この期間Tでは、電流制御回路60におい
て、ハイレベルの信号SDにより、ORゲート70の出
力信号はコンパレータ67の出力状態に拘らずハイレベ
ルとなるため、トランジスタ73がONして最終段のパ
ワーMOS・FETがONされ、インジェクタ8が通電
される。インジェクタ8は応答性を高めるためコイルの
時定数が小さくなっており、電流が急速に立ち上がって
短時間に大電流が流れ、高速開弁して高圧燃料がエンジ
ン1の燃焼室5に直接噴射される。
【0055】このとき、ハイレベルの開弁時電流印加時
間パルス信号SDによってORゲート120からハイレ
ベルのフライホイール回路制御信号SE1が出力され、A
NDゲート130に入力される。噴射パルス信号がハイ
レベルの期間では、ANDゲート130の出力信号SE2
はフライホイール回路制御信号SE1と等価であり、AN
Dゲート130によってフライホイール回路制御信号S
E1が有効とされて選択され、フライホイール回路90へ
入力されることになる。
【0056】フライホイール回路90では、このAND
ゲート130からのハイレベルの信号SE2(=ハイレベ
ルのフライホイール回路制御信号SE1)によってトラン
ジスタ94がONし、トランジスタ97がONするが、
定電圧ダイオード99,100を介して接地されるた
め、トランジスタ103,104はOFF状態となって
いる。
【0057】また、インジェクタ8の電流は電流検出抵
抗53に流れ、その両端電圧として電流検出回路80の
オペアンプ83によって増幅される。そして、電流制御
回路60のコンパレータ67の反転入力端子に印加さ
れ、非反転入力側の基準レベルVHを越えると、コンパ
レータ67の出力信号がローレベルとなる。
【0058】そして、期間Tが過ぎると、信号SDがロ
ーレベルとなり、コンパレータ67の出力信号もローレ
ベルとなっているため、ORゲート70の出力信号がロ
ーレベルとなり、トランジスタ73がOFFしてパワー
MOS・FETがOFFし、インジェクタ8の通電が遮
断される。
【0059】同時に、ローレベルの信号SDとローレベ
ルの信号SCとが入力されるORゲート120の出力信
号SE1、すなわちフライホイール回路90への入力信号
もローレベルとなり、フライホイール回路90のトラン
ジスタ94がOFFとなり、トランジスタ97がOFF
してトランジスタ103,104がOFFに保たれるた
め、インジェクタ8のコイルに発生する逆起電力がトラ
ンジスタ104、ダイオード105を通して放電される
ことなくバッテリ電源側に放電され、インジェクタ8の
通電電流が急速に減少する。
【0060】この状態で、タイミング信号生成回路11
0のコンデンサ112の充電がさらに進み、コンパレー
タ114の非反転入力端子に印加される信号SAのレベ
ルが反転入力端子に印加される信号SGのレベルを越え
ると、コンパレータ114の出力信号SCが反転してハ
イレベルとなり、ORゲート120の出力信号SE1が再
びハイレベルとなる。
【0061】すると、ANDゲート130から入力され
るハイレベルの信号SE2によってフライホイール回路9
0のトランジスタ94がONとなってトランジスタ97
がONし、インジェクタ8のコイルに発生する逆起電力
によってトランジスタ103,104のベースが順方向
にバイアスされ、トランジスタ103,104がONす
る。これにより、インジェクタ8のコイルに蓄えれたエ
ネルギーがトランジスタ104及びダイオード105を
通して放電され、図4に示すよう、インジェクタ8の通
電電流の減少速度が緩やかになる。
【0062】噴射パルス信号がハイレベルである期間に
おいては、ORゲート120の出力信号SE1がハイレベ
ルとなってフライホイール回路90を作動させるタイミ
ング、すなわち信号SCがハイレベルとなるタイミング
は、インジェクタ8の保持電流制御の閉ループが形成さ
れる前に設定されている。そして、フライホイール回路
90が作動状態で電流検出抵抗53の両端電圧が電流検
出回路80のオペアンプ83で増幅されて電流制御回路
60のコンパレータ67の反転入力端子に印加され、非
反転入力端子の基準レベルVLより低下してコンパレー
タ67の出力信号がハイレベルに反転すると、ORゲー
ト70の出力信号がハイレベルとなってパワーMOS・
FET77がONし、保持電流制御の閉ループが形成さ
れる。
【0063】詳細には、電流検出回路80の動作遅れに
より電流制御回路60のコンパレータ67の出力が反転
するまでには遅れが生じ、さらに、電流制御回路60の
動作遅れがあるため、電流検出抵抗53の電圧が、コン
パレータ67の非反転入力端子の基準レベルVLに対応
する検出目標値VL’に達しても、パワーMOS・FE
T77がONされて実際にインジェクタ8の電流が減少
状態から増加に転じるまでには遅れが生じる。
【0064】このため、例えば、図4に示すように、電
流検出抵抗53の電圧が、コンパレータ67の非反転入
力端子の基準レベルVLに対応する検出目標値VL’に達
する前に、タイミング信号生成回路110のコンパレー
タ114の出力信号SCをハイレベルに反転させてフラ
イホイール回路90を作動させるべく、インジェクタ8
のコイルの時定数、コイル抵抗、バッテリ電圧などを考
慮し、抵抗111及びコンデンサ112からなる積分回
路に対して前記調整抵抗116による基準電圧VREF2を
予め適切な値に設定しておく。
【0065】この保持電流制御の閉ループを形成する回
路の動作遅れによるインジェクタ電流値の落込みは、イ
ンジェクタ電流の減少速度が大きいほど大きくなり、回
路の動作遅れを考慮せずに電流検出抵抗の電圧が検出目
標値に達した時点で直ちにインジェクタを駆動するスイ
ッチ素子をONさせる信号が出力されるものとし、この
信号によってフライホイール回路を作動せるようにする
と、回路の動作遅れによるインジェクタ電流値の落込み
が増大し、実際に保持電流制御の閉ループが形成されて
インジェクタを駆動する素子がONになってフライホイ
ール回路が作動する前に、図4に破線で示すように、イ
ンジェクタ電流が大きく落ち込んでしまい、開弁を維持
可能な電流値を下回る可能性がある。
【0066】従って、本実施例では、保持電流の制御開
始に際して閉ループが形成される前、例えば図4に示す
ように、実際にインジェクタ8に流れる電流(インジェ
クタ駆動電流)が目標値となる以前、すなわち電流検出
抵抗53の電圧が検出目標値VL’となる以前に、フラ
イホイール回路90を作動させ、電流の減少速度が緩や
かになった状態で、回路の動作遅れの影響を最小限にす
るとともにインジェクタ駆動電流の落ち込みを最小限に
押さえ、速やかに保持電流制御に移行させるようになっ
ている。
【0067】そして、電流制御回路60のパワーMOS
・FET77がONされて保持電流制御が開始され、イ
ンジェクタ8の電流が増加して電流検出抵抗53の電圧
がコンパレータ67の基準レベルVHに対応する電圧V
H’を越えると、コンパレータ67の出力信号がローレ
ベルに反転し、ORゲート70の出力信号がローレベル
となってパワーMOS・FET77がOFFされる。そ
して、この通電・停止が繰り返されてインジェクタ8に
流れる電流が鋸歯状に制御されて開弁状態が維持され
る。
【0068】やがて、噴射パルス信号がOFF(ローレ
ベル)になると、電流制御回路60の動作が停止し、イ
ンジェクタ8への通電が終了されるが、タイミング信号
生成回路110においては、図3に示すように、コンデ
ンサ112が時定数を持って放電されるため、その端子
電圧(信号SA)がコンパレータ113,114の各反
転入力端子に印加される基準電圧VREF1,VREF2(信号
SF,SG)より低くなるタイミングは、噴射パルス信号
がONからOFFになるタイミングよりも遅れてしま
う。
【0069】すなわち、噴射パルス信号がONからOF
Fになるタイミングに対し、各コンパレータ113,1
14の出力信号SB,SCがハイレベルからローレベルに
なるタイミングが遅れ、コンパレータ114の出力信号
である信号SCとEX−ORゲート118の出力信号SD
との論理和であるフライホイール回路制御信号SE1(O
Rゲート120の出力信号)もハイレベルからローレベ
ルになるタイミングが遅れることになる。
【0070】このため、フライホイール回路制御信号S
E1を直接フライホイール回路90に入力すると、噴射パ
ルス信号がONからOFFになってもフライホイール回
路制御信号SE1の遅れのためフライホイール回路90が
直ちに非作動にならず、逆起電力による電流が僅かであ
ってもインジェクタ8に流れ続けることになり、燃料噴
射が直ちに停止しないおそれがある。
【0071】しかしながら、本実施例では、タイミング
信号生成回路110とフライホイール回路90とを、フ
ライホイール回路信号処理手段としてのANDゲート1
30を介して接続しているため、噴射パルス信号がON
からOFF(ハイレベルからローレベル)になると、そ
の立ち下がりのタイミングに同期してフライホイール回
路制御信号SE1が遮断されて無効とされ、噴射パルス信
号によるローレベルの信号SE2がANDゲート130か
らフライホイール回路90に出力されてフライホイール
回路90を強制的に非作動状態とする。
【0072】これにより、噴射パルス信号がONからO
FFになったときに、直ちにフライホイール回路90を
非作動としてインジェクタ8を確実に閉弁させることが
でき、噴射パルス信号がOFFした後も僅かな燃料の噴
射が継続されるといった事態を回避して噴射量特性の悪
化を防止することができる。
【0073】尚、ORゲート120からのフライホイー
ル回路制御信号SE1をANDゲート130に入力する代
わりに、コンパレータ114の出力信号を、フライホイ
ール回路90を作動させる信号として噴射パルス信号と
共にANDゲート130に入力し、ORゲート120の
出力を直接フライホイール回路90に出力することも可
能である。
【0074】この場合には、噴射パルス信号がONから
OFFになるタイミングに対し、フライホイール回路制
御信号SE1がローレベルになるタイミングが、ORゲー
ト120の伝達遅延時間分だけ本実施例よりも遅くなる
が、コンパレータ114の出力信号の遅れに比較して許
容範囲内とみなせる。
【0075】さらに、各回路が負論理で動作するような
場合には、フライホイール回路信号処理手段として、A
NDゲート130に代えてORゲートを採用すれば良
い。
【0076】図7は本発明の第2実施例に係わり、イン
ジェクタ駆動回路の全体構成図である。
【0077】本実施例は、前述の第1実施例のインジェ
クタ駆動回路52cに代えて、インジェクタ駆動回路1
50を採用するものであり、図7に示すように、このイ
ンジェクタ駆動回路150においては、前述の第1実施
例と同様の電流制御回路60、電流検出回路80、フラ
イホイール回路90を使用し、タイミング信号生成回路
110の一部を変更するとともに、フライホイール回路
信号処理手段としてのANDゲート130に代えてイン
バータ140及びNPN型トランジスタ141を採用す
るものである。
【0078】本実施例では、図7に示すように、タイミ
ング信号生成回路110において、フライホイール回路
制御信号SE1を出力するORゲート120をオープンコ
レクタタイプのORゲート120aとし、このORゲー
ト120aの出力端子と、エミッタが接地された前記ト
ランジスタ141のコレクタとを、プルアップ抵抗14
2を介して定電圧電源VCCに接続するとともにフライホ
イール回路90に接続している。
【0079】そして、前記トランジスタ141のベース
に、前記インバータ140の出力端子が接続され、この
インバータ140に噴射パルス信号が入力されるように
なっている。従って、本実施例では、インバータ140
及びトランジスタ141によって等価的にオープンコレ
クタのバッファを構成し、その出力端子(トランジスタ
141のコレクタ)とオープンコレクタのORゲート1
20aの出力端子とをプルアップ抵抗142を介してワ
イアードANDで接続し、その出力をフライホイール回
路90に入力するようになっている。
【0080】すなわち、噴射パルス信号がハイレベルの
ときには、前記トランジスタ141がOFFして前記O
Rゲート120aの出力信号が有効とされてフライホイ
ール回路90へ入力され、噴射パルス信号がローレベル
のときには、前記トランジスタ141がONし、前記O
Rゲート120aの出力信号が無効とされて噴射パルス
信号によるローレベルの信号がフライホイール回路90
へ入力される。
【0081】本実施例においても、前述の第1実施例と
同様、噴射パルス信号がONからOFFになったときに
は、直ちにフライホイール回路90を非作動としてイン
ジェクタ8を確実に閉弁させ、噴射量特性の悪化を防止
することができる。
【0082】尚、オープンコレクタタイプのORゲート
120aの採用が困難な場合には、オープンコレクタタ
イプのORゲート120aを、通常のトーテムポール出
力タイプのNORゲートと、このNORゲートからの出
力を受けるオープンコレクタタイプのインバータとで置
き換えても良い。
【0083】図8〜図10は本発明の第3実施例に係わ
り、図8はインジェクタ駆動回路の全体構成図、図9は
インジェクタ駆動回路の具体的回路図、図10は各部の
信号波形図である。
【0084】本実施例は、前述の第1実施例のインジェ
クタ駆動回路52cに代えて、インジェクタ駆動回路2
00を採用するものであり、図8に示すように、インジ
ェクタ8を駆動する駆動部210、フライホイール回路
220、基準電圧VREF3,VREF4を発生する基準電圧発
生部240、インジェクタ8に直列接続された電流検出
抵抗201の両端電圧と前記基準電圧発生部240から
の基準電圧VREF3,VREF4とを比較する比較部250、
噴射パルス信号の入力によって駆動制御信号を出力する
とともにフライホイール回路制御信号を出力する制御部
260、及び、制御部260からのフライホイール回路
制御信号と噴射パルス信号とを入力してフライホイール
回路220に出力するフライホイール回路信号処理手段
としてのANDゲート270が備えられている。
【0085】前記基準電圧発生部240で発生する基準
電圧VREF3,VREF4は、VREF3>VREF4となっており、
基準電圧VREF3がインジェクタ8の通電電流を開弁時の
大電流から保持電流に切換えるタイミングを決定する基
準となり、基準電圧VREF4が保持電流制御の目標値とな
る。
【0086】すなわち、噴射パルス信号がONになって
制御部260から駆動部210に駆動制御信号が出力さ
れ、インジェクタ8に駆動電流が流れると、この駆動電
流が電流検出抵抗201の両端電圧として比較部250
に入力され、基準電圧発生部240からの基準電圧VRE
F3,VREF4と比較される。
【0087】そして、インジェクタ8を流れる電流すな
わち電流検出抵抗201の両端電圧が、第1の基準電圧
VREF3を越えると、比較部250からの比較出力によっ
て制御部260から駆動部210へインジェクタ8の駆
動電流を遮断するよう駆動制御信号が出力される。これ
により、インジェクタ8を流れる電流値が低下し、第2
の基準電圧VREF4以下になると、比較部250からの比
較出力により、制御部260からフライホイール回路2
20を非作動状態から作動状態にするためのフライホイ
ール回路制御信号、及び、インジェクタ8の駆動電流を
保持電流に制御するための駆動制御信号が出力される。
【0088】図9は、本実施例におけるインジェクタ駆
動回路200の具体的回路例を示し、この回路例では、
駆動部210は、PNP型パワートランジスタ211と
NPN型トランジスタ214とを中心として構成されて
おり、バッテリ電源VBにトランジスタ211のエミッ
タが接続され、このトランジスタ211のコレクタがイ
ンジェクタ8に接続されている。
【0089】前記トランジスタ211のベースは、抵抗
212を介してバッテリ電源VBに接続されるととも
に、抵抗213を介してトランジスタ214のコレクタ
に接続されており、このトランジスタ214のベースが
抵抗215を介して制御部260のANDゲート264
の出力端子に接続されている。
【0090】フライホイール回路220は、ダイオード
221とNPN型トランジスタ222とを中心として構
成されている。トランジスタ222のコレクタは接地さ
れており、そのベースが抵抗223を介しエミッタに接
続されるとともに、エミッタがダイオード221のアノ
ードに接続され、このダイオード221のカソードが前
記駆動部210のトランジスタ211のコレクタに接続
されている。
【0091】また、前記トランジスタ222のベース
は、エミッタが定電圧電源VCCに接続されるトランジス
タ225のコレクタに、抵抗226を介して接続され、
さらに、定電圧ダイオード224が順方向に接続されて
接地されている。前記トランジスタ225のベースは、
抵抗227を介して定電圧電源VCCに接続されるととも
に抵抗228を介してエミッタ接地のトランジスタ22
9のコレクタに接続されており、このトランジスタ22
9のベースが抵抗230を介してフライホイール回路信
号処理手段としてのANDゲート270の出力端子に接
続されている。
【0092】基準電圧発生部240は、定電圧電源VCC
を分圧する抵抗241,242と、同じく定電圧電源V
CCを分圧する抵抗243,244とから構成されてお
り、抵抗241と抵抗242との接続点が、比較部25
0を構成するコンパレータ251の反転入力端子に接続
され、抵抗243と抵抗244との接続点が、同じく比
較部250を構成するコンパレータ252の非反転入力
端子に接続されている。
【0093】比較部250は、2つのコンパレータ25
1,252を中心として構成されており、コンパレータ
251の非反転入力端子及びコンパレータ252の反転
入力端子は、共に抵抗253を介してインジェクタ8と
電流検出抵抗201との接続点に接続されている。
【0094】コンパレータ251の出力端子は、抵抗2
54を介して定電圧電源VCCにプルアップされ、制御部
260を構成するフリップフロップ261のクロック端
子(CLK端子)に接続されている。一方、コンパレー
タ252は、その出力端子が抵抗255を介して定電圧
電源VCCにプルアップされるとともに帰還抵抗256を
介して非反転入力端子に接続されてシュミットコンパレ
ータとして構成され、さらに、その出力端子が、制御部
260を構成する他のフリップフロップ262のクロッ
ク端子とORゲート263の一方の入力端子とに接続さ
れている。
【0095】制御部260は、フリップフロップ26
1,262、ORゲート263、ANDゲート264、
インバータ265から構成されており、フリップフロッ
プ261,262は、共にD−フリップフロップで、デ
ータ入力端子(D入力端子)がそれぞれ接地されてい
る。
【0096】フリップフロップ261は、セット端子
(S端子)に噴射パルス信号がインバータ265を介し
て入力され、その非反転出力端子(Q出力端子)がフリ
ップフロップ262のセット端子と、一方の入力端子に
前記比較部250のコンパレータ252の出力端子が接
続されるORゲート263の他方の入力端子とに接続さ
れている。
【0097】ORゲート263の出力端子は、ANDゲ
ート264の一方の入力端子に接続され、このANDゲ
ート264の他方の入力端子に噴射パルス信号が入力さ
れる。そして、ANDゲート264の出力端子が駆動部
210のトランジスタ214のベースに抵抗215を介
して接続されている。
【0098】また、フリップフロップ262の反転出力
端子(*Q出力端子)は、フライホイール回路信号処理
手段としてのANDゲート270の一方の入力端子に接
続されており、このANDゲート270の他方の入力端
子に噴射パルス信号が入力され、その出力端子がフライ
ホイール回路220のトランジスタ229のベースに抵
抗230を介して接続されている。
【0099】以上の構成による本実施例のインジェクタ
駆動回路200では、図10に示すように、制御部26
0にハイレベルの噴射パルス信号が入力されると、この
ハイレベルの噴射パルス信号がインバータ265及びA
NDゲート264に入力され、インバータ265によっ
て反転されたローレベルの信号がフリップフロップ26
1のセット端子に入力されてクロック受付け可能状態に
なるとともに、初期状態でフリップフロップ261の非
反転出力(Q出力)がハイレベルでORゲート263の
出力がハイレベルであることから、ANDゲート264
よりハイレベルの駆動制御信号が出力される。これによ
り、駆動部210のトランジスタ214,211がON
し、インジェクタ8が通電されて電流が急速に立ち上が
り、高速で開弁して燃料が噴射される。
【0100】インジェクタ8が通電されると、その駆動
電流は電流検出抵抗201に流れ、その両端電圧が比較
部250に入力されてコンパレータ251の非反転入力
端子及びコンパレータ252の反転入力端子に印加され
る。この電流検出抵抗201の両端電圧が基準電圧VRE
F4を越えると、コンパレータ252の出力がハイレベル
からローレベルに反転して制御部260のフリップフロ
ップのクロック端子に入力されるが、クロック入力の立
ち下がりではD−フリップフロップの出力は変化しない
こと、また、この時点ではフリップフロップ262はセ
ット端子がハイレベルでクロック受付け可能状態にない
ことから、その*Q出力がローレベルのままフライホイ
ール回路220を非作動の状態に保持する。
【0101】次いで、電流検出抵抗201の両端電圧が
基準電圧VREF3(VREF3>VREF4)を越えると、コンパ
レータ251の出力がローレベルからハイレベルに反転
し、その反転出力がフリップフロップ261のクロック
端子に入力される。すると、そのクロック入力の立ち上
がりのエッジでフリップフロップ261のQ出力がハイ
レベルからローレベルに反転し、フリップフロップ26
2をセット状態からクロック受付け可能状態にするとと
もに、ORゲート263、ANDゲート264の出力を
ローレベルに反転させ、駆動部210のトランジスタ2
14,211をともにOFFにする。このため、インジ
ェクタ8の駆動電流が遮断されて急速に減少し、電流検
出抵抗201の検出電圧が低下する。
【0102】そして、検出電圧が基準電圧VREF4以下に
なると、コンパレータ252の出力がローレベルからハ
イレベルに再び反転し、この反転出力がフリップフロッ
プ262のクロック端子に入力されて*Q出力がローレ
ベルからハイレベルに反転してフライホイール回路制御
信号SE3として出力されるとともに、ORゲート263
の出力が再びハイレベルに反転する。
【0103】その結果、ANDゲート270からフライ
ホイール回路制御信号SE3と等価な信号SE4が出力さ
れ、フライホイール回路220のトランジスタ229,
225がONし、インジェクタ8のコイルに発生する逆
起電力によって順方向にバイアスされたトランジスタ2
22がONしてフライホイール回路220が作動状態に
なるとともに、制御部260のANDゲート264から
ハイレベルの信号が出力され、駆動部210のトランジ
スタ214,211が再びONする。
【0104】そして、インジェクタ8の通電が再開され
て保持電流の制御ループが形成され、以後、コンパレー
タ252のヒステリシス特性によってコンパレータ25
2がON,OFFを繰り返すとともに、D端子が接地さ
れたフリップフロップ262が最初のクロック入力での
出力状態(*Q出力がハイレベル)を維持してフライホ
イール回路220を作動状態に保持し、インジェクタ8
のコイルに蓄えられたエネルギーを放出しながらインジ
ェクタ8の駆動電流が保持電流の設定値範囲内となるよ
う制御される。
【0105】その後、噴射パルス信号がONからOFF
になると、制御部260のANDゲート264がローレ
ベルとなり、駆動部210のトランジスタ214,21
1のON,OFFが停止されてインジェクタ8の通電が
終了するが、駆動部210のトランジスタ214,21
1がONしているタイミングで、噴射パルス信号がOF
Fになった場合、比較部250のコンパレータ252の
出力がハイレベルからローレベルに反転するまでには若
干の時間を要する。さらに、噴射パルス信号がインバー
タ265によって反転されてフリップフロップ261の
Q出力がハイレベルのセット状態にされ、このフリップ
フロップ261からのハイレベルのQ出力により、フリ
ップフロップ262の*Q出力がローレベルであるセッ
ト状態に復帰するまでには遅れが生じる。
【0106】従って、いずれにしても、噴射パルス信号
がONからOFFになるタイミングとフリップフロップ
262からのフライホイール回路制御信号SE3がローレ
ベルになるタイミングとの間には遅れが生じるが、本実
施例では、噴射パルス信号がONからOFFになると、
フライホイール回路信号処理手段としてのANDゲート
270によりフライホイール回路制御信号SE3が無効と
されて遮断され、直ちに噴射パルス信号によるローレベ
ルの信号SE4がフライホイール回路220に出力され、
フライホイール回路220を強制的に非作動状態とす
る。
【0107】これにより前述の各実施例と同様、フライ
ホイール回路の作動停止遅れによるインジェクタ8のフ
ライホイール電流のOFF遅れをなくし、インジェクタ
8を確実に閉弁させ、噴射量特性の悪化を防止すること
ができる。
【0108】図11及び図12は本発明の第4実施例に
係わり、図11はインジェクタ駆動回路の要部回路図、
図12は各部の信号波形図である。
【0109】本実施例は、前述の第1実施例のインジェ
クタ駆動回路52cに代えて、図11に示すように、イ
ンジェクタ8の駆動電流を開弁電流から保持電流に切換
え制御する電流制御回路310、フライホイール回路3
20、前記電流制御回路310からの信号によりフライ
ホイール回路制御信号を生成するフライホイール回路制
御信号生成回路330、このフライホイール回路制御信
号生成回路330からのフライホイール回路制御信号と
噴射パルス信号と入力して前記フライホイール回路32
0に出力するフライホイール回路信号処理手段としての
ANDゲート340等を備えたインジェクタ駆動回路3
00を採用するものである。
【0110】本実施例のインジェクタ駆動回路300で
は、一方の端子がバッテリ電源VBに接続されたインジ
ェクタ8の他方の端子が駆動用のNPN型トランジスタ
301のコレクタに接続されている。このトランジスタ
301は、ベースに電流制御回路310からの信号が入
力され、コレクタとベースとがコンデンサ302によっ
て接続されるとともに、ベースとエミッタとが抵抗30
3により接続されている。さらに、前記トランジスタ3
01のエミッタには、電流検出抵抗304が接続されて
接地されており、この電流検出抵抗304の両端電圧が
前記電流制御回路310へ入力され、インジェクタ8に
流れる電流が検出される。
【0111】電流制御回路310は、噴射パルス信号の
入力により、開弁電流を流す期間を指定する開弁時電流
印加時間パルス信号、保持電流を流す期間を指定する保
持電流印加時間パルス信号を生成し、各信号をフライホ
イール回路制御信号生成回路330に出力するととも
に、各信号と前記電流検出抵抗304からの検出電圧信
号により、前記トランジスタ301の駆動を制御してイ
ンジェクタ8の電流が目標範囲内に収まるよう制御す
る。
【0112】フライホイール回路320は、ダイオード
321と、このダイオード321に直列接続されたPN
P型のフライホイールトランジスタ322とがインジェ
クタ8に並列に接続され、さらに、前記フライホイール
トランジスタ322のコレクタ−エミッタ間に定電圧ダ
イオード323が接続されている。
【0113】前記フライホイールトランジスタ322の
ベースには、抵抗324を介してエミッタ接地のNPN
型トランジスタ325のコレクタが接続され、このトラ
ンジスタ325のベースに、抵抗326を介してAND
ゲート340の出力端子が接続されている。
【0114】尚、前記フライホイールトランジスタ32
2のベースとバッテリ電源VBと間にはノイズ防止用の
コンデンサ327が接続され、前記抵抗324には、前
記フライホイールトランジスタ322に印加されるベー
ス電圧の立ち上がり・立ち下がりを早めるスピードアッ
プコンデンサ328が並列接続されている。また、前記
トランジスタ325には保護用の定電圧ダイオード32
9が並列に接続されている。
【0115】前記フライホイール回路制御信号生成回路
330は、ダイオード332,333,334、NPN
型トランジスタ336によるNAND回路であり、定電
圧電源VCCに抵抗331を介してダイオード332のア
ノード及びダイオード333のアノードが接続され、前
記ダイオード332のカソードと、前記ダイオード33
3のカソードとが電流制御回路310に接続されて、そ
れぞれ、開弁時電流印加時間パルス信号、保持電流印加
時間パルス信号が印加される。
【0116】また、各ダイオード332,333と前記
抵抗331との接続点には、ダイオード334のアノー
ドが接続され、このダイオード334のカソードがエミ
ッタ接地のNPN型トランジスタ336のベースに接続
されるとともに、ベースバイアス抵抗335を介して接
地されている。前記トランジスタ336のコレクタは、
抵抗337を介して定電圧電源VCCに接続されるととも
にANDゲート340の一方の入力端子に接続されてい
る。
【0117】そして、前記トランジスタ336のコレク
タ出力がフライホイール回路制御信号としてANDゲー
ト340の一方の入力端子に印加され、また、このAN
Dゲート340の他方の入力端子に噴射パルス信号が印
加される。
【0118】以上の構成による本実施例のインジェクタ
駆動回路300では、図12に示すように、ハイレベル
の噴射パルス信号が電流制御回路310に入力される
と、この噴射パルス信号に基づき、T1の期間では、ロ
ーレベルとなる開弁時電流印加時間パルス信号SIMAXを
生成し、この信号SIMAXと電流検出抵抗304からの検
出電圧信号とに基づいて、駆動用トランジスタ301を
所定周波数でON,OFFさせてインジェクタ8を駆動
し、燃料を噴射させる。
【0119】そして、期間T2の期間で駆動用のトラン
ジスタ301をOFFし、インジェクタ8に流れる電流
を保持電流まで立ち下げた後、期間T3でローレベルと
なる保持電流印加時間パルス信号SIMINを生成し、この
信号SIMINと電流検出抵抗304からの検出電圧信号と
に基づいて駆動用トランジスタ301のON,OFFを
繰り返し、インジェクタ8の駆動電流を保持電流に制御
する。
【0120】この場合、フライホイール回路制御信号生
成回路330では、期間T1の間、開弁時電流印加時間
パルス信号SIMAXがローレベル、且つ保持電流印加時間
パルス信号SIMINがハイレベルであるため、トランジス
タ336のベース電圧がローレベルとなり、トランジス
タ336がOFF状態となってトランジスタ336のコ
レクタ出力であるフライホイール回路制御信号SE5がハ
イレベルとなる。すなわち、開弁時電流印加時間パルス
信号SIMAXと保持電流印加時間パルス信号SIMINとのN
AND出力がフライホイール回路制御信号SE5としてA
NDゲート340に入力されることなり、ANDゲート
340から噴射パルス信号とのAND出力として、フラ
イホイール回路制御信号SE5と等価な出力信号SE6が出
力され、フライホイール回路320に入力される。
【0121】これにより、フライホイール回路320の
トランジスタ325がONしてフライホイールトランジ
スタ322のベースが接地され、フライホイールトラン
ジスタ322がONして駆動用トランジスタ301のO
FF時に発生する逆起電力がフライホイールトランジス
タ322を介して放電され、インジェクタ8の開弁電流
の変動が抑制される。
【0122】また、期間T2においては、開弁時電流印
加時間パルス信号SIMAXと保持電流印加時間パルス信号
SIMINとが共にハイレベルであるため、トランジスタ3
36のベース電圧がハイレベルとなり、トランジスタ3
36がONしてフライホイール回路制御信号SE5がロー
レベルとなる。従って、期間T2においては、ANDゲ
ート340の出力信号SE6がローレベルとなってフライ
ホイールトランジスタ322がOFFし、開弁電流から
保持電流に立ち下がるときに発生する逆起電力がフライ
ホイールトランジスタ322を介して放電されることな
くバッテリ電源側に放電され、インジェクタ8の通電電
流が急速に減少する。
【0123】さらに、期間T3においては、開弁時電流
印加時間パルス信号SIMAXがハイレベルで、保持電流印
加時間パルス信号SIMINがローレベルであるため、これ
らのNAND出力であるフライホイール回路制御信号S
E5が、期間T1と同様、ハイレベルとなり、フライホイ
ールトランジスタ322がONして駆動用トランジスタ
301のOFF時に発生する逆起電力がフライホイール
トランジスタ322を介して放電され、インジェクタ8
の保持電流の変動が抑制される。
【0124】そして、噴射パルス信号がハイレベルから
ローレベル(ONからOFF)になると、駆動用トラン
ジスタ301のON,OFFが停止されてインジェクタ
8の通電が終了するが、フライホイール回路制御信号生
成回路330においては、保持電流印加時間パルス信号
SIMINの僅かな立ち上がり遅れが存在する場合には、こ
の遅れが増幅され、さらに、トランジスタ336のOF
F遅れが加わるなどして、噴射パルス信号がONからO
FFになるタイミングに対し、図12に示すように、フ
ライホイール回路制御信号SE5に遅れが生じるおそれが
ある。
【0125】しかしながら、本実施例においても、噴射
パルス信号がONからOFFになると、ANDゲート3
40によりフライホイール回路制御信号SE5が遮断され
て無効とされ、直ちに噴射パルス信号によるローレベル
の信号SE6がフライホイール回路320に出力されてフ
ライホイール回路320を強制的に非作動状態とするた
め、前述の各実施例と同様、インジェクタ8のフライホ
イール電流のOFF遅れをなくし、インジェクタ8を確
実に閉弁させ、噴射量特性の悪化を防止することができ
る。
【0126】尚、本実施例においては、ANDゲート3
40に代えて、噴射パルス信号によって駆動されるNP
N型トランジスタを採用し、このトランジスタのコレク
タをフライホイール回路制御信号生成回路330のトラ
ンジスタ336のコレクタに接続し、フライホイール回
路320へ接続するようにしても良い。
【0127】また、以上の各実施例においては、インジ
ェクタ駆動電流を、比較的大きな開弁電流を流した後に
開弁状態を保持させるのに必要な保持電流に切換えて制
御する例について説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、例えば、インジェクタ駆動電流を単に
チョッパ制御しながらフライホイール回路を作動させる
ものに対しても適用可能である。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、噴
射時間を指示する噴射パルス信号がオンの期間で、フラ
イホイール回路を作動させる信号を有効として燃料噴射
弁のコイルに発生する逆起電力をフライホイール回路を
介して放電させ、噴射パルス信号がオンからオフになっ
たとき、フライホイール回路を作動させる信号を無効と
してフライホイール回路を噴射パルス信号によって強制
的に非作動とするため、燃料噴射弁の駆動を停止した後
にフライホイール回路の作動停止が遅れて逆起電力によ
る電流が燃料噴射弁に流れ続けることを防止し、燃料噴
射弁を確実に閉弁させて噴射量精度を確保することがで
きる等優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係り、インジェクタ駆動
回路の全体構成図
【図2】同上、電流制御回路とフライホイール回路と電
流検出回路の回路図
【図3】同上、各部の信号波形図
【図4】同上、保持電流制御のタイミング例を示す詳細
波形図
【図5】同上、エンジン制御系の全体構成図
【図6】同上、電子制御系の回路構成図
【図7】本発明の第2実施例に係わり、インジェクタ駆
動回路の全体構成図
【図8】本発明の第3実施例に係り、インジェクタ駆動
回路の全体構成図
【図9】同上、インジェクタ駆動回路の具体的回路図
【図10】同上、各部の信号波形図
【図11】本発明の第4実施例に係わり、インジェクタ
駆動回路の要部回路図
【図12】同上、各部の信号波形図
【符号の説明】
8 インジェクタ(燃料噴射弁) 90 フライホイール回路 130 ANDゲート(フライホイール回路信号処理
手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴射時間を指示する噴射パルス信号がオ
    ンの期間で燃料噴射弁を駆動し、この燃料噴射弁のコイ
    ルに発生する逆起電力をフライホイール回路を介して放
    電するエンジンの燃料噴射弁駆動回路において、 前記噴射パルス信号がオンの期間で前記フライホイール
    回路を作動させる信号を有効とし、前記噴射パルス信号
    がオンからオフになったとき、前記信号を無効として前
    記フライホイール回路を前記噴射パルス信号によって強
    制的に非作動とするフライホイール回路信号処理手段を
    設けたことを特徴とするエンジンの燃料噴射弁駆動回
    路。
JP2072495A 1995-02-08 1995-02-08 エンジンの燃料噴射弁駆動回路 Pending JPH08218926A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111075608A (zh) * 2019-10-15 2020-04-28 陈其安 一种用于小型燃油机的电控化油器
KR102354733B1 (ko) * 2020-09-28 2022-01-25 주식회사 현대케피코 인젝터 구동회로 및 방법
CN114235419A (zh) * 2021-12-21 2022-03-25 中国人民解放军海军工程大学 一种测试不同喷油压力和规律下柴油机性能的试验装置

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CN114235419B (zh) * 2021-12-21 2024-02-09 中国人民解放军海军工程大学 一种测试不同喷油压力和规律下柴油机性能的试验装置

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