JPH08218803A - タービンノズル、タービン動翼及びタービン段落 - Google Patents
タービンノズル、タービン動翼及びタービン段落Info
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Abstract
失を低減させるともに翼高さ方向の流体の流量分布をコ
ントロールすることで段落性能を向上させること。 【構成】 ダイヤフラム内輪3とダイヤフラム外輪2と
の間に形成される環状流路にその周方向に複数のノズル
翼1を列状に配設し、各ノズル翼1をダイヤフラム内輪
側及び外輪側の接合端において固定したタービンノズル
において、ノズル翼1の後端縁とそのノズル翼に隣接す
るノズル翼の背面との最短距離Sと環状ピッチTとの比
S/Tから求められる幾何学的流出角α=sin -1(S/
T)の最小値を翼高さ30〜65%の範囲に位置させ
た。
Description
タービンノズル、タービン動翼、及びその組合わせから
なるタービン段落に関する。
向上を目的として内部効率の向上のための種々の技術が
採用されているが、タービン内部損失のうち特に2次流
れ損失はタービンの各段落に共通する損失であるため、
その改善策が要望されている。
成を示す図であって、複数枚のノズル翼1がダイアフラ
ム外輪2とダイアフラム内林3との間に形成される環状
流路4に周方向に配列されている。
ルの下流側には、図11に示すように、上記各ノズル翼
1に対向して複数枚の動翼5が配設されている。この動
翼5はロータディスク6の外周に周方向に所定間隔で列
状に植設されており、動翼5の外周端には、動翼を固定
するため及び作動流体の漏洩を防止するためシュラウド
7が装着してある。
(a)、(b)に示すフリーボルテックス設計法が多く
採用されている。図12のsin -1(S/T)はノズル翼
1または動翼5の翼列内部で形成された通路部の最小長
さ(スロート)とその周方向の翼枚数から決まる翼間長
さ(環状部でのピッチ)の比を用いたもので幾何学的な
流出角である。
は、ノズル翼は根元部から先端部へsin -1(S/T)が
直線的に増加し、動翼はその逆の傾向で減少する。一
方、上記フリーボルテックス設計法に対して、ノズル翼
の根元部スロートを大にし、先端部スロートを小にした
コントロールドボルテックス設計法もある。
ントロールドボルテックス設計法によって流路を形成し
たノズル翼の内部では、以下に述べる2次流れ損失が発
生し、ノズル翼の下流にある性能に悪影響を及ぼしてい
る。
ノズルをノズル出口側から観察した斜視図である図10
を参照して、ノズル翼1における2次流れの発生機構に
ついて説明する。すなわち、高圧蒸気などの作動流体
は、隣接するノズル翼1の間で形成される翼間流路を流
れるときに流路内で円弧状に曲げられて流れる。このと
きノズル翼1の背面Bから腹面F方向に遠心力を生じ、
この遠心力と静圧が平衡しているため、腹面はFにおけ
る静圧が高くなり、一方背面Bにおいては作動流体の流
速が大きいため静圧が低くなる。そのため、流路内では
腹面Fから背面Bに向って圧力勾配を生じる。この圧力
勾配はダイアフラム外輪2とダイアフラム内輪3の周壁
面上に形成される流速の遅い層、すなわち境界層におい
ても同じである。
さく、作用する遠心力も小さいため、腹面Fから背面B
への圧力勾配に抗しきれずに腹面F側から背面B側に向
かう流れ、すなわち2次流れ8が生ずる。そして、この
2次流れ8はノズル翼1の背面B側に衝突して巻き上が
り、ノズル翼1の内輪側及び外輪側の両接合端におい
て、それぞれ2次流れ渦9a、9bを発生する。このよ
うにして作動流体が保有するエネルギは、2次流れ渦9
a、9bを形成するためにその一部が散逸する。しかも
ノズル流路内で発生する上記2次流れ渦9a、9bは作
動流体の不均一な流れを生じ、ノズル性能を著しく低下
させる。
次流れ渦9a、9bに起因する2次流れ損失を低減する
ためには種々のタービンノズルが研究されている。
通るラジアル線(図10のE)に対して湾曲させて取り
付けた形状を採用したタービンノズルがある。図13
は、この湾曲ノズル1bを採用したタービンノズルを示
す斜視図である。このような湾曲ノズル1bでは翼間流
路における速度ベクトルを根元側ではダイアフラム内輪
3、先端側では逆にダイアフラム外輪2の方向に向ける
効果があり、ダイアフラム内輪3及びダイアフラム外輪
2の両方で境界層の成長が抑制される。その結果図14
の点線P2 に示すように、実線P1 で示す従来の圧力損
失に比して、ノズル根元部、および先端部での圧力損失
が大幅に低減される。
クトルの向きが根元側及び先端側でそれぞれダイアフラ
ム内輪、ダイアフラム外輪の方向となるため、図15の
点線f2 に示すように、流体の流量分布が根元部と先端
部で流量大、中央部で流量小となる。
湾曲ノズルでは、ノズル翼から下流の動翼を通過する
際、図12で示した動翼の幾何学的流出角sin -1(S/
T)の分布では、ノズルで根元部と先端部へと増加させ
た流量を流すのに十分な通路幅が確保できない。このた
め、余剰流量が中央部へと流れ込み、流線も中央部へと
偏向される。したがって、湾曲ノズルの使用によってノ
ズル翼単体の損失を低減しても段落効率が悪化すること
になる。さらに、通常ノズル翼および動翼の翼高さが小
さい時にはノズル翼の根元部と先端部で発生した2次流
れが動翼の内部で発達し、翼高さ中央部で互いに干渉す
ることで損失が増大する。
部の2次流れを抑制するため、この部分に流量を多く流
すが、動翼での流量分布とあまりに異なる分布だと、流
線が偏向されることとなり、ノズルでの損失が減るにも
かかわらず、動翼において損失が増加する等の問題があ
る。
フローパターン(流出角)が不可欠である。
を有し、タービンノズル、タービン動翼の2次流れ損失
を低減させるとともに翼高さ方向の流体の流量分布をも
コントロールすることで段落性能を向上させることがで
きるタービンノズル、タービン動翼及びそれらを組合わ
せたタービン段落を得ることを目的とする。
ラム内輪とダイヤフラム外輪との間に形成される環状流
路の周方向に複数のノズル翼を列状に配設し、各ノズル
翼をダイヤフラム内輪側及び外輪側の接合端において固
定したタービンノズルにおいて、ノズル翼の後端縁とそ
のノズル翼に隣接するノズル翼の背面との最短距離と環
状ピッチの比S/Tから求められる幾何学的流出角α=
sin -1(S/T)の最小値が翼高さ30%〜65%の範
囲に位置するように流路を形成したことを特徴とする。
複数の動翼を列状に配設したタービン動翼において、動
翼の後端縁とその動翼に隣接する動翼の背面との最短距
離と環状ピッチの比S/Tから求められる幾何学的流出
角α=sin -1(S/T)の最小値が翼高さ30%〜65
%の範囲に位置するように流路を形成したことを特徴と
する。
とタービン動翼の組み合わせからなるタービン段落であ
る。
動翼によって、内周壁面近傍に流入した作動流体が内周
壁面側に押圧される一方、外周壁面近傍に流入した作動
流体が外周壁面側に押圧され、翼列間の2次流れが抑制
され、2次流れ損失が低減される。さらにノズルの下流
にある動翼も同様に根元部と先端部で流量が多く流れる
が、動翼内での流体の流れが拘束されることなく動翼の
下流へ導かれ、さらに動翼の高さ方向中央部での損失が
大きい領域の流量が少なくなり、動翼で有効にエネルギ
ーを変換することができる。また、このノズルと動翼の
組合わせによって中央部の損失の大きい部分の流量を減
らし、根元部と先端部の損失の小さい部分の流量を増す
ことができ、段落性能を向上させることができる。
例について説明する。
とノズルダイアフラム内輪3との間に形成される環状流
路4に複数のノズル翼1を周方向に所定間隔をおいて列
状に配設し、各ノズル翼1の先端部及び根元部の接合端
をノズルダイアフラム外輪2とノズルダイアフラム内輪
3に接合することによってタービンノズルが構成されて
いる。また、図2は上記タービンノズルの後方に配設さ
れている動翼5の斜視図であり、図3にノズル翼1およ
び動翼5の流路部における断面を示す。
は動翼の後端縁とそのノズル翼或は動翼に隣接するノズ
ル翼或は動翼の背面との最短距離すなわち流路の最小通
路幅をスロート幅Sとし、環状部の円周長さをノズル数
或は動翼数で割った数を環状ピッチTとした場合、その
比S/Tをノズル或は動翼出口からの流出方向と流量を
決めるパラメータとし、図4の(a)、(b)に、それ
ぞれノズル翼と動翼の幾何学的な流出角sin -1(S/
T)を示す。
実線に示すように、ノズル翼と動翼ともにsin -1(S/
T)を根元部と先端部で点線で示す従来のものより大き
くし、中央部では逆に小さくしてある。この場合におけ
る動翼の損失分布を図5に示しているが、翼長が小さい
時には、中央部で損失が大きくなる傾向がある。しかし
て、本発明においてはノズル及び動翼共に中央部におけ
るsin -1(S/T)を小さくし、流量を減らし、根元部
と先端部のsin -1(S/T)を大きくし、各流量を増や
すようにしてある。
角sin -1(S/T)を選定することによって、動翼の根
元部と先端部での絞りによる中央部への流れの偏向が消
滅し、損失が増加することを防止でき、各段落で有効に
エネルギ変換を行うことができる。
施例に関する試験によれば、下記条件が段落効率の最高
となる。すなわち、翼長は図5の動翼の損失分布になる
範囲とし、高さ(図11のH)は20mm〜55mm、高さ
H/根元部直径D≦0.07、またこの範囲においてsi
n -1(S/T)の最小値を、動翼の損失が大なる領域で
ノズル及び動翼の高さ方向30%〜65%の位置とする
ことが好ましい。
T分布が翼高さ中央部で最小値をもつような構造を有す
るため、動翼中央部の損失が大きい部分の流量を減らし
つつ、内周壁面、外周壁面での2次流れ損失を低減する
効果が得られる。さらに、このようなノズルと動翼を組
み合わせることで、ノズルでの効率向上分を動翼で損な
うことなくタービン段落の効率を向上することができ
る。
1の斜視図であって、このノズル翼からなるタービンノ
ズルは、図7に示すようにsin -1(S/T)分布が翼高
さ中央部で最小点Mをもち、根元部と中央部間及び中央
部と根元部間にそれぞれ極大値N1 、N2 が存在するよ
うにS/Tが大きなくるようにしてある。すなわち、図
6に示すように翼高さ中央部における中央スロート幅S
2 が最小で、その上方及び下方に極大点スロート幅S4
、S5 が形成され、根元部及び先端部ではそれより小
さなスロート幅S1 、S3 となるように形成されてい
る。
つことにより中央の損失の大きい領域の流量を減らすこ
とができ、かつ根元部及び先端側の極大値N1 、N2 よ
り流量を多く流すことで、速度ベクトルを内周壁面及び
外周壁面に向けることとなり、壁面部での2次流れ損失
を低減できる。さらに同形状を有するタービン動翼と組
み合わせることにより、第一実施例と同一の作用を行な
う。
湾曲形のタービンノズルの斜視図であって、この場合も
翼高さ中央部の中央スロート幅S2 が最小となるように
してある。ところで、図13で示すような湾曲ノズルの
場合には、図9の(a)に示すように流出偏向角度が根
元部と先端部で大きく、中央部で小さくなる。したがっ
て、図9の(b)に示すようにsin -1(S/T)を根元
部と先端部で予め小さくし、根元側と先端側で極大値N
1 、N2 をもつようにすることによって、その合成角△
α+sin -1(S/T)が同図(c)に示すように、根元
部と先端部で大、中央部で小の湾曲型ノズルに構成され
ている。
と同様に2次流れ損失を低減でき、同形状を有するター
ビン動翼と組み合わせることによって同様な作用を奏す
る。そしてこのようなタービン段落においてノズルでの
効率向上分を損ねることなく動翼での効率を向上させ、
タービン段落の性能を向上させることができる。
のS/T分布を翼高さ中央部で最小値をもつようにした
ので、損失の大きい領域での流量を減少させることがで
き、内周壁面及び外周壁面での2次流れ損失を低減する
ことができる。さらに、上記形状を有するノズル翼と動
翼を組み合わせた段落とすることにより、流線のシフト
を防ぎ、段落出力を向上させることができる。
より見た斜視図。
り見た斜視図。
るノズル及び動翼の流出角分布説明図。
出側から見た斜視図。
出側より見た斜視図。
向角、(b)はsin -1(S/T)分布、(c)は△α+
sin -1(S/T)の分布を示す図。
sin -1(S/T)分布図。
Claims (6)
- 【請求項1】ダイヤフラム内輪とダイヤフラム外輪との
間に形成される環状流路にその周方向に複数のノズル翼
を列状に配設し、各ノズル翼をダイヤフラム内輪側及び
外輪側の接合端において固定したタービンノズルにおい
て、ノズル翼の後端縁とそのノズル翼に隣接するノズル
翼の背面との最短距離と環状ピッチの比S/Tから求め
られる幾何学的流出角α=sin -1(S/T)の最小値が
翼高さ30%〜65%の範囲に位置するようにしたこと
を特徴とするタービンノズル。 - 【請求項2】幾何学的流出角α=sin -1(S/T)が翼
高さ中央部で最小点を有し、根元部と中央部、先端部と
中央部との間においてそれぞれ極大値をもつように流路
を形成したことを特徴とする、請求項1記載のタービン
ノズル。 - 【請求項3】幾何学的流出角α=sin -1(S/T)が翼
高さ中央部で最小点を有し、根元部と中央部、先端部と
中央部との間においてそれぞれ極大値を有し、ノズル翼
断面を周方向に移動させ湾曲したノズル流路を形成した
ことを特徴とする、請求項1記載のタービンノズル。 - 【請求項4】タービンロータの植込部に複数の動翼を列
状に配設したタービン動翼において、動翼の後端縁とそ
の動翼に隣接する動翼の背面との最短距離と環状ピッチ
の比S/Tから求められる幾何学的流出角α=sin
-1(S/T)の最小値が翼高さ30%〜65%の範囲に
位置するようにしたことを特徴とするタービン動翼。 - 【請求項5】幾何学的流出角α=sin -1(S/T)が翼
高さ中央部で最小点を有し、根元部と中央部、先端部と
中央部との間においてそれぞれ極大値をもつように流路
を形成したことを特徴とする、請求項4記載のタービン
動翼。幾何学的流出角α=sin -1(S/T)が翼高さ中
央部で最小点を有し、根元部と中央部、先端部と中央部
との間においてそれぞれ極大値を有し、動翼断面を周方
向に移動させ湾曲した動翼流路を形成したことを特徴と
する、請求項4記載のタービン動翼。 - 【請求項6】請求項1記載のタービンノズルと請求項4
記載のタービン動翼との組合わせからなるタービン段
落。
Priority Applications (1)
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JP02548995A JP3786443B2 (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | タービンノズル、タービン動翼及びタービン段落 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08218803A true JPH08218803A (ja) | 1996-08-27 |
JP3786443B2 JP3786443B2 (ja) | 2006-06-14 |
Family
ID=12167480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP02548995A Expired - Lifetime JP3786443B2 (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | タービンノズル、タービン動翼及びタービン段落 |
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