JPH08218223A - ポリアミドイミド繊維 - Google Patents

ポリアミドイミド繊維

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JPH08218223A
JPH08218223A JP2554095A JP2554095A JPH08218223A JP H08218223 A JPH08218223 A JP H08218223A JP 2554095 A JP2554095 A JP 2554095A JP 2554095 A JP2554095 A JP 2554095A JP H08218223 A JPH08218223 A JP H08218223A
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JP
Japan
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polyamide
fiber
imide
diisocyanate
acid
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Application number
JP2554095A
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English (en)
Inventor
Hideo Nishino
英雄 西野
Keiichi Uno
敬一 宇野
Tadashi Inukai
忠司 犬飼
Tomoharu Kurita
智晴 栗田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I) 【化1】 で表される構造単位(A)を30モル%以上、および式
(II) 【化2】 で表される構造単位(B)を30モル%以上含有してな
るポリマーからなるポリアミドイミド繊維。破断強度が
3.0g/d以上、かつ破断伸度が10%以上である繊
維物性を有する上記ポリアミドイミド繊維。 【効果】 本発明のポリアミドイミド繊維は、耐熱性お
よび耐薬品性(特に高温耐薬品性)に優れ、難燃性を有
し、かつ従来の設備で安価に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性および耐薬品性
に優れた繊維に関する。さらに詳しくは、排煙設備等で
用いられるバグフィルター用繊維や、様々な耐熱性や耐
薬品性を要求される保護服等に用いられる繊維に関す
る。
【0002】
【従来技術・発明が解決しようとする課題】従来、耐熱
性繊維としては、テレフタル酸クロリドとp−フェニレ
ンジアミンとから合成されるパラ型アラミド繊維や、イ
ソフタル酸クロリドとm−フェニレンジアミンとから合
成されるメタ型アラミド繊維が代表として挙げられる
が、いずれも特殊な方法で製造する必要があるため、特
殊な設備や煩雑な作業が必要であった。
【0003】一方、耐熱性ポリマーの代表とされるポリ
イミド系の繊維についても、例えばポリ(4,4’−オ
キシジフェニレンピロメリットイミド)の繊維化が提案
されているが、これは紡糸、延伸後に高温加熱処理によ
り脱水閉環させる必要があるため、ボイドが発生し、強
度が不十分であるばかりでなく、製造コストが高いとい
う欠点があった。
【0004】本発明の目的は、上記問題点が解決され、
耐熱性および耐薬品性に優れ、難燃性を有し、かつ汎用
設備で安価に製造できる繊維を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高分子量
化が容易で耐熱・耐薬品・難燃性を有し、かつ有機溶媒
に可溶な耐熱性ポリマーからなる繊維が上記の課題を解
決するのに有効であると考え、上記目的を達成すべく鋭
意検討した結果、下記ポリアミドイミド繊維により上記
目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、式(I)
【0007】
【化3】
【0008】で表される構造単位(A)を30モル%以
上、および式(II)
【0009】
【化4】
【0010】で表される構造単位(B)を30モル%以
上含有してなるポリマーからなるポリアミドイミド繊維
に関する。また、本発明は、破断強度が3.0g/d以
上であり、かつ破断伸度が10%以上である繊維物性を
有する上記ポリアミドイミド繊維に関する。
【0011】本発明におけるポリアミドイミドは、酸成
分と、アミン成分またはイソシアネート成分とを反応さ
せることによって得られる。特に、式(I')
【0012】
【化5】
【0013】で表される酸成分と、式(II')
【0014】
【化6】
【0015】〔式中、RはNH2 またはNCOを示
す。〕で表されるアミン成分またはイソシアネート成分
を用いることが必要である。なお、式(I')で表される
酸成分はトリメリット酸無水物であり、式(II')で表さ
れるアミン成分またはイソシアネート成分は、4,4’
−ジアミノジフェニルメタンまたはジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネートである。
【0016】また、上記化合物以外にも、下記に示す酸
成分、アミン成分、イソシアネート成分をさらに用いる
ことができる。
【0017】トリメリット酸無水物以外の酸成分として
は、エチレングリコールジアンヒドロトリメリテート、
プロピレングリコールジアンヒドロトリメリテート、
1,4−ブタンジオールジアンヒドロトリメリテート、
ヘキサメチレングリコールジアンヒドロトリメリテー
ト、ポリエチレングリコールジアンヒドロトリメリテー
ト、ポリプロピレングリコールジアンヒドロトリメリテ
ート等のアルキレングリコールジアンヒドロトリメリテ
ート、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン
酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホン
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキ
シジフタル酸二無水物、ピロメリット酸二無水物等の酸
無水物;テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフ
ェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジ
カルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン
酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、3,
3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸、3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン
酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、マレ
イン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボ
ン酸等、およびこれらの酸クロライド等が挙げられる。
好ましくは3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物で
ある。これらは1種でも2種以上でも用いることができ
る。
【0018】4,4’−ジアミノジフェニルメタン以外
のアミン成分としては、オルトクロロパラフェニレンジ
アミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジア
ミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、2,2’−ビス(アミノフェニル)プロ
パン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジ
アミン、パラキシリレンジアミン、イソホロンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、o−トリジン、3,3’
−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジアミン、
3,3’−ジエチルジフェニルメタン−4,4’−ジア
ミン、3,3’−ジクロロジフェニルメタン−4,4’
−ジアミン、3,3’−ジクロロジフェニル−4,4’
−ジアミン、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’
−ジアミン等が挙げられ、好ましくはo−トリジンであ
る。これらは1種でも2種以上でも用いることができ
る。
【0019】ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシア
ネート以外のイソシアネート成分としては、2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシア
ネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエチルジフェニ
ルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジ
クロロジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト、3,3’−ジクロロジフェニル−4,4’−ジイソ
シアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−
ジメチルジフェニル、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジイソシ
アネート−3,3’−ジメチルジフェニル、オルトクロ
ロパラフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジ
イソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,
4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルスルホンジイソシアネート、3,4’−ジフェニ
ルスルホンジイソシアネート、4,4’−ベンゾフェノ
ンジイソシアネート、3,4’−ベンゾフェノンジイソ
シアネート、2,2’−ジフェニルプロパンジイソシア
ネート、パラキシリレンジイソシアネート等が挙げら
れ、好ましくは4,4’−ジイソシアネート−3,3’
−ジメチルジフェニルである。これらは1種でも2種以
上でも用いることができる。
【0020】当該ポリアミドイミドは、上記共重合成分
の種類や配合量等を適宜変えることにより、その物性を
調節することができる。
【0021】当該ポリアミドイミドにおいては、全構造
単位に対し、構造単位(A)を30モル%以上含有する
ことが必要であり、好ましくは40〜50モル%であ
る。30モル%未満であると、耐薬品性や破断強度が低
くなり、また溶剤への溶解性も低くなる。
【0022】また、当該ポリアミドイミドにおいては、
全構造単位に対し、構造単位(B)を30モル%以上含
有することが必要であり、好ましくは40〜50モル%
である。30モル%未満であると、当該構造単位のよう
な柔軟な分子構造成分が少なくなり、繊維にしたときの
破断伸度が不十分になる。
【0023】なお、当該ポリアミドイミドにおいて、上
記酸成分、およびアミン成分またはイソシアネート成分
は、通常、等モル配合されるが、必要に応じて一方の成
分を多少増減させることができる。例えば、アミン成分
またはイソシアネート成分1モルに対して、酸成分を
0.9〜1.3モル重合させることが好ましく、より好
ましくは0.95〜1.2モルである。
【0024】当該ポリアミドイミドの製造方法は特に限
定されず、イソシアネート法あるいは酸クロリド法等の
溶液重合法(特に低温溶液重合法)等、通常の方法で製
造することができる。
【0025】ポリアミドイミドの重合に使用される溶剤
としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘ
キサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキ
シド、ジメチル尿素等の極性溶剤を使用することが好ま
しい。また、これらと併用して、トルエン、キシレン等
の炭化水素系、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、ジ
オキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、テト
ラヒドロフラン等のエーテル系、酢酸エチル、酢酸−n
−ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系等の溶剤
を混合して用いることもできる。
【0026】当該ポリアミドイミドの重合は、例えば、
60〜250℃(好ましくは80〜200℃)で3〜2
0時間(好ましくは3〜12時間)反応させることによ
り行うことができる。
【0027】また、当該ポリアミドイミドはエポキシ化
合物で変性することもできる。このエポキシ化合物での
変性により、ポリアミドイミドは、紡糸後、延伸、熱処
理により架橋する。そのため、耐熱性および耐薬品性を
一段と向上させることができ、さらに接炎時のドリップ
を抑える効果もある。
【0028】エポキシ化合物としては、本発明の目的を
損なわない限り特に限定されず、2官能または3官能以
上の芳香族、脂肪族または脂環族のいずれのエポキシ化
合物も使用できる。例えば、エピコート828 、エピコー
ト1001(共にビスフェノールA型エポキシ樹脂;油化シ
ェルエポキシ製)等が挙げられる。これらは1種でも2
種以上でも用いることができる。なお、少量で架橋密度
を上げて、耐熱性、難燃性を有し、高強力な繊維を得る
には、多官能性のフェノールノボラック型エポキシ化合
物を用いることが好ましく、例えばエピコート154 (臭
素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;油化シェル
エポキシ製)等が挙げられる。
【0029】エポキシ化合物の配合量は、ポリアミドイ
ミド全体(100重量%)に対して、好ましくは1〜3
0重量%、より好ましくは2.5〜20重量%である。
【0030】ポリアミドイミドのエポキシ化合物による
変性は、自体公知の方法により行えばよく、例えばポリ
アミドイミドとエポキシ化合物溶液との末端反応等によ
り行うことができる。
【0031】また、ポリアミドイミドの繊維としての特
性および加工性を向上させるために、油剤、帯電防止
剤、着色剤、酸化防止剤、無機充填剤等の各種添加剤を
適当量配合することができる。
【0032】上記のようにして得られたポリアミドイミ
ドの対数粘度は、紡糸性等の点から、好ましくは0.5
〜2.5dl/g、より好ましくは0.9〜2.0dl
/gである。なお、当該対数粘度は、ポリマー(ポリア
ミドイミド)0.5g(固形分)をN−メチル−2−ピ
ロリドン100mlに溶解させ、ウベローデ粘度管を用
いて、30℃で測定したものである。
【0033】また、当該ポリアミドイミドの数平均分子
量は、強伸度等の点から、好ましくは15,000〜80,000、
より好ましくは40,000〜70,000である。なお、当該数平
均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ
ィー(GPC)によるポリスチレン換算により求めたも
のである。
【0034】上記ポリアミドイミドを用いて、本発明の
ポリアミドイミド繊維を製造することができる。即ち、
当該ポリアミドイミド繊維は、従来公知の設備を用い
て、湿式紡糸法、乾式紡糸法、乾湿式紡糸法等、通常の
方法で製造することができる。
【0035】溶剤としては、上記ポリアミドイミド製造
の際に用いた溶剤と同様のものが挙げられ、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリッ
クトリアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素等
の極性溶剤を使用することが好ましい。また、これらと
併用して、トルエン、キシレン等の炭化水素系、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン系、ジオキサン、エチレング
リコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル系、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、γ−ブチロ
ラクトン等のエステル系等の溶剤を混合して用いること
もできる。
【0036】湿式紡糸法の場合、例えば、ポリマー溶液
を凝固液中に吐出した後、脱溶剤を行って固化させるこ
と等により、ポリアミドイミド繊維を製造する。なお、
凝固液としては、上記ポリアミドイミドの非溶剤で、か
つ上記溶剤と相溶する溶剤であれば何でも使用できる
が、水やアミド系水溶液を用いるのが最も好ましい。乾
式紡糸法の場合、例えば、ポリマー溶液を加熱気体中に
吐出し、溶剤を蒸発させて固化させること等により、ポ
リアミドイミド繊維を製造する。乾湿式紡糸法の場合、
例えば、ポリマー溶液を加熱気体中に吐出し、直ちに凝
固液中で固化させること等により、ポリアミドイミド繊
維を製造する。
【0037】本発明のポリアミドイミド繊維は、未延伸
のものでも延伸したものでもよいが、強度、耐熱性・耐
薬品性(高温耐薬品性)等をより向上させるために、延
伸させることが好ましい。
【0038】延伸は、例えば窒素雰囲気下、ヒーター加
熱延伸機等を用いて行われる。延伸温度は、好ましくは
300〜400℃、より好ましくは350〜390℃で
あり、延伸倍率は、好ましくは2〜8倍、より好ましく
は3〜6倍である。なお、延伸する際、未延伸糸中の溶
剤含有量は少ない方が好ましく、5重量%以上溶剤が残
存すると、延伸しても十分な物性が得にくい傾向があ
る。
【0039】本発明のポリアミドイミド繊維は、耐熱性
・耐薬品性、強度、耐久性等の点から、破断強度が好ま
しくは3.0g/d以上、より好ましくは4g/d以
上、特に好ましくは4〜20g/dであり、破断伸度が
好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、特
に好ましくは15〜100%である。
【0040】なお、当該破断強度は、テンシロン(東洋
ボールドウイン社製)を用いて、20℃、55%RHの
雰囲気下、引っ張り速度20mm/分、チャック間距離
30mmで繊維を引っ張った際、繊維を破断させるのに
要した応力値を測定して求めたものであり、破断伸度
は、上記のようにして繊維を引っ張った際、繊維が破断
するまでに伸びた割合を測定して求めたものである。ま
た、当該破断強度および破断伸度は、例えば、ポリアミ
ドイミドにおける共重合成分の種類や配合量等を適宜変
えたり、糸にしたときの延伸条件等を変えること等によ
って、調節することができる。
【0041】当該ポリアミドイミド繊維は、難燃性(L
OI値)が好ましくは25以上、より好ましくは28以
上である。これは、JIS K 7201に記載の方法
に従って測定したものである。さらに、当該ポリアミド
イミド繊維は、例えば延伸糸の場合、単糸デニールが好
ましくは0.3〜5d、より好ましくは0.3〜3dで
ある。
【0042】このようにして得られた本発明のポリアミ
ドイミド繊維は、排煙設備等で用いられるバグフィルタ
ー用繊維や、耐熱性や耐薬品性を要求される保護服等、
様々な用途に用いることができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。
【0044】実施例1 反応容器にトリメリット酸無水物(TMA)325.6
5g、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート
(MDI)424.20gを、N−メチル−2−ピロリ
ドン1400gと共に仕込み、撹拌しながら200℃ま
で約1.5時間で昇温した。その後、200℃で約5時
間撹拌を続け、反応を停止した。得られたポリマー(ポ
リアミドイミド)の対数粘度は0.95dl/g、数平
均分子量は53,000であった。このポリマー溶液をワンホ
ールノズルにより吐出し、乾燥炉長1.5mの乾式紡糸
機を使用し、270℃、220m/分の速度で巻取り、
15.3dの未延伸糸を得た。この未延伸糸を真空下に
十分乾燥させ、残留溶剤を約1重量%以下にした後、窒
素雰囲気下、350℃の加熱ゾーン(1m)に20m/
分の速度で通して5.0倍延伸し、2.0dの延伸糸を
得た。
【0045】実施例2 ポリマー溶液紡糸条件を実施例1と同様にし、加熱延伸
条件を表1に記載のようにして延伸し、延伸糸(2.8
d)を得た。
【0046】実施例3 反応容器にトリメリット酸無水物(TMA)215.2
g、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート
(MDI)224.20g、4,4’−ジイソシアネー
ト−3,3’−ジメチルジフェニル(TODI)59.
2gを、N−メチル−2−ピロリドン933.33gと
共に仕込み、撹拌しながら100℃で約3時間反応させ
た。その後、N−メチル−2−ピロリドン266.67
gを加え、200℃で約4時間撹拌を続けた後、反応を
停止した。得られたポリマーの対数粘度は1.15dl
/gであった。このポリマー溶液をワンホールノズルに
より吐出し、乾燥炉長1.5mの乾式紡糸機を使用し、
270℃、200m/分の速度で巻取り、12.8dの
未延伸糸を得た。この未延伸糸を乾燥後、窒素雰囲気
下、350℃の加熱ゾーン(1m)に20m/分の速度
で通して5.0倍延伸し、2.4dの延伸糸を得た。
【0047】実施例4 反応容器にトリメリット酸無水物(TMA)182.1
8g、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート
(MDI)296.55g、3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)7
6.35gを、N−メチル−2−ピロリドン1050g
と共に仕込み、200℃まで約1.5時間で昇温した。
その後、200℃で約5時間撹拌を続け、反応を停止し
た。得られたポリマーの対数粘度は1.32dl/gで
あった。このポリマー溶液をワンホールノズルにより吐
出し、乾燥炉長1.5mの乾式紡糸機を使用し、270
℃、220m/分の速度で巻取り、15.5dの未延伸
糸を得た。この未延伸糸を真空下に十分乾燥させた後、
窒素雰囲気下、320℃の加熱ゾーン(1m)に18m
/分の速度で通して4.0倍延伸し、2.8dの延伸糸
を得た。
【0048】実施例5 ポリマー溶液紡糸条件を実施例4と同様にし、加熱延伸
条件を表1に記載のようにして延伸し、延伸糸(2.8
d)を得た。
【0049】比較例1 反応容器にトリメリット酸無水物(TMA)318.9
4g、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート
(MDI)207.71g、4,4’−ジイソシアネー
ト−3,3’−ジメチルジフェニル(TODI)21
9.35gを、N−メチル−2−ピロリドン1400g
と共に仕込み、撹拌しながら100℃で約3時間反応さ
せた。その後、N−メチル−2−ピロリドン400gを
加え、200℃で約3.5時間撹拌を続けた後、反応を
停止した。得られたポリマーの対数粘度は1.32dl
/gであった。このポリマー溶液をワンホールノズルに
より吐出し、乾燥炉長1.5mの乾式紡糸機を使用し、
290℃、200m/分の速度で巻取り、12.8dの
未延伸糸を得た。この未延伸糸を乾燥後、窒素雰囲気
下、360℃の加熱ゾーン(1m)に20m/分の速度
で通して3.5倍延伸し、2.8dの延伸糸を得た。
【0050】比較例2 ポリマー溶液紡糸条件を比較例1と同様にし、加熱延伸
条件を表1に記載のようにして延伸し、延伸糸(3.2
d)を得た。
【0051】比較例3 反応容器にトリメリット酸無水物(TMA)137.3
7g、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート
(MDI)357.85g、3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)23
0.39gを、N−メチル−2−ピロリドン1400g
と共に仕込み、100℃で約3.5時間反応させた。そ
の後、N−メチル−2−ピロリドン400gを加え、2
00℃で約4時間撹拌を続け、反応を停止した。得られ
たポリマーの対数粘度は1.22dl/gであった。こ
のポリマー溶液をワンホールノズルにより吐出し、乾燥
炉長1.5mの乾式紡糸機を使用し、270℃、220
m/分の速度で巻取り、12dの未延伸糸を得た。この
未延伸糸を乾燥後、窒素雰囲気下、360℃の加熱ゾー
ン(1m)に20m/分の速度で通して3.5倍延伸
し、3.4dの延伸糸を得た。
【0052】比較例4 ポリマー溶液紡糸条件を比較例3と同様にし、加熱延伸
条件を表1に記載のようにして延伸し、延伸糸(2.8
d)を得た。
【0053】比較例5 市販のポリイミド繊維〔Lenzing Co., Ltd;P-84;3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物(BTDA)/ジフェニルメタン−4,4’−ジイ
ソシアネート(MDI)/2,4−トリレンジイソシア
ネート(TDI)=100/80/20(モル%)〕を
用いた。
【0054】なお、得られたポリアミドイミド(ポリマ
ー)の特性は下記方法によって測定した。 対数粘度 ポリマー0.5g(固形分)をN−メチル−2−ピロリ
ドン100mlに溶解させ、ウベローデ粘度管を用い
て、30℃で測定した。 数平均分子量 ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GP
C)によるポリスチレン換算により測定した。
【0055】また、得られたポリアミドイミド繊維の特
性は下記方法によって測定した。その結果を表1に示
す。 破断強度、破断伸度 テンシロン(東洋ボールドウイン社製)を用いて、20
℃、55%RHの雰囲気下、引っ張り速度20mm/
分、チャック間距離30mmで繊維を引っ張った。繊維
を破断させるのに要した応力値を測定して破断強度を求
め、繊維が破断するまでに伸びた割合を測定して破断伸
度を求めた。 高温耐薬品性試験 濃度を調節した溶液に単糸(繊維)を浸し、ガラス製荷
台に巻き取り、テフロン製瓶に荷台ごと入れ、蓋により
密封した。これを200℃に保持した熱風乾燥機に入
れ、2時間放置後、冷却した。水洗を繰り返した後、乾
燥させ、上記と同様にして破断強度および破断伸度を測
定した。当該試験前の破断強度および破断伸度に対す
る、当該試験後の破断強度および破断伸度の割合を計算
して、それぞれの保持率を求め、これを高温耐薬品性の
尺度とした。 難燃性(LOI値) JIS K 7201に記載の方法に従って、繊維の難
燃性を測定した。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明のポリアミドイミド繊維は、耐熱
性および耐薬品性(特に高温耐薬品性)に優れ、難燃性
を有し、かつ従来の設備で安価に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗田 智晴 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表される構造単位(A)を30モル%以上、および式
    (II) 【化2】 で表される構造単位(B)を30モル%以上含有してな
    るポリマーからなるポリアミドイミド繊維。
  2. 【請求項2】 破断強度が3.0g/d以上であり、か
    つ破断伸度が10%以上である繊維物性を有する請求項
    1記載のポリアミドイミド繊維。
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