JPH08218085A - 炭素質固体−水スラリー用添加剤および炭素質固体−水スラリー組成物 - Google Patents

炭素質固体−水スラリー用添加剤および炭素質固体−水スラリー組成物

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JPH08218085A
JPH08218085A JP2973195A JP2973195A JPH08218085A JP H08218085 A JPH08218085 A JP H08218085A JP 2973195 A JP2973195 A JP 2973195A JP 2973195 A JP2973195 A JP 2973195A JP H08218085 A JPH08218085 A JP H08218085A
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JP
Japan
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carbonaceous solid
water
additive
water slurry
carbonaceous
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Application number
JP2973195A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Hayashi
憲一郎 林
Satoshi Yamada
郷司 山田
Hideyuki Nishibayashi
秀幸 西林
Hideyuki Tawara
秀行 田原
Shoichi Takao
彰一 高尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高濃度でも流動性のある炭素質固体−水スラ
リーを与える添加剤およびこれを用いた炭素質固体−水
スラリー組成物を提供する。 【構成】 末端に1個の疎水性置換基を持ち、アルキレ
ンオキサイドを構成単位として有する数平均分子量20
0以上のポリエーテル化合物にモノエチレン性不飽和単
量体をグラフト重合させて得られる水溶性グラフト重合
体を含んでなる炭素質固体−水スラリー用添加剤および
該添加剤を配合してなる炭素質固体−水スラリー組成物
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高濃度炭素質固体−水
スラリー用添加剤および炭素質固体−水スラリー組成物
に関する。より詳しくは、炭素質固体粉末を水中に分散
させ、高濃度炭素質固体でも流動性のある炭素質固体−
水スラリーを与える添加剤および炭素質固体−水スラリ
ー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エネルギー源として広く使用され
ている石油は、その価格上昇が著しく、またその枯渇が
心配されている。そこで安価でかつ安定供給可能な他の
エネルギー源の開発が課題となっており、石炭や石油コ
ークスのような炭素質固体も広く利用に供されようとし
ている。
【0003】しかしながら、石炭や石油コークスは常温
で固体であるため、パイプライン輸送ができず取扱が困
難である上、粉塵飛散による公害の発生や粉塵爆発の危
険性があるなどの短所があり、その利用技術に困難を伴
っていた。従って、こうした炭素質固体の流動化を図
り、パイプライン輸送が可能で取扱いが容易であり、か
つ公害発生や粉塵爆発の危険を防止することができる炭
素質固体の流動化技術が望まれている。
【0004】この流動化技術の1つとして、炭素質固体
を微粉末化しメタノールや燃料油等の媒体中に分散させ
て用いる技術があり、例えば、COM(Coal-Oil-Mixtu
re)が実用化されている。しかし、この方法では、媒体
として油を使用していることから安定供給および価格の
点に問題があり、徐々に安価で入手し易い水を媒体とし
て使用する炭素質固体−水スラリーへと転換しつつあ
る。
【0005】この炭素質固体の水へのスラリー化技術
は、前述した炭素質固体のパイプライン輸送の他に、炭
素質固体の直接燃焼やガス化等、炭素質固体利用時に極
めて広範囲に利用されようとしており、炭素質固体利用
における重要課題となっている。この炭素質固体−水ス
ラリーは、経済上また公害防止の観点から、水分の少な
い高濃度スラリーであることが好ましい。特に、排水処
理や公害上の問題を除くことができる炭素質固体−水ス
ラリーの直接燃焼の場合、石炭−水スラリーの脱水や乾
燥などの処理を施さずに石炭−水スラリーをサイクロン
または乱流バーナーに仕込んで炉内で直接燃焼するため
に、該スラリー中の含有水分をできるだけ少なくする必
要がある。
【0006】しかしながら、公知の技術で炭素質固体の
濃度を高めようとすると、スラリーは著しく増粘し、流
動性を失ってしまうという問題があった。逆に、スラリ
ー中の炭素質固体の濃度を下げると、輸送効率や燃焼効
率等が低下し、さらに炭素質固体−水スラリーを脱水し
て使用する場合は、脱水や乾燥工程に余計に費用が掛か
ったり公害問題を引き起こすなどの問題点があった。
【0007】このような問題を解決するために、種々の
炭素質固体−水スラリー用添加剤が提案されている。例
えば、フェノール類のアルキレンオキシド付加物のホル
マリン縮合物(特開昭59−36537号)、部分脱ス
ルホンしたリグニンスルホン酸塩(特開昭58−452
87号)、ナフタレンスルホン酸塩−ホルマリン縮合物
(特開昭56−21636号および特開昭56−136
665号)などの水溶性共重合体がある。
【0008】しかしながら、いずれも実用上充分な流動
性をスラリーに付与するには多量の添加剤を添加する必
要があったり、スラリーの高濃度化が不十分であった
り、また、炭素質固体の種類によってはスラリー化がで
きなかったり、得られた炭素質固体−水スラリーが経時
的に増粘するという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記問
題点を解決すべく鋭意研究を続けた結果、得られたグラ
フト重合体が、炭素質固体のスラリー化において優れた
効果を発揮することを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0010】したがって、本発明の目的は、高濃度で流
動性のある炭素質固体−水スラリーを容易に製造するこ
との出来る添加剤、および該添加剤を含有する炭素質固
体−水スラリー組成物を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、末端に1個
の疎水性置換基を持ち、アルキレンオキサイドを構成単
位として有する数平均分子量200以上のポリエーテル
化合物(A)にモノエチレン性不飽和単量体(B)を、
グラフト重合させて得られる水溶性グラフト重合体を含
んでなる炭素質固体−水スラリー用添加剤により達成さ
れる。
【0012】本発明はまた、前記水溶性グラフト重合体
とキレート剤とを含んでなる炭素質固体−水スラリー用
添加剤である。
【0013】上記目的は、末端に1個の疎水性置換基を
持ち、エチレンオキサイドを80モル%以上構成単位と
して有する数平均分子量200以上のポリエーテル化合
物(A)に、親水基を含有するモノエチレン性不飽和単
量体(b1)20〜100モル%および共重合可能な他のモ
ノエチレン性不飽和単量体(b2)80〜0モル%からなる
単量体成分(B)を、グラフト重合反応させることによ
り得られる水溶性グラフト重合体を含んでなる炭素質固
体−水スラリー用添加剤によっても達成される。
【0014】本発明はまた、該水溶性グラフト重合体が
重合開始剤の存在下で実質的に溶媒を用いず、100℃
以上の温度でポリエーテル化合物(A)に対して単量体
成分(B)を25重量%以上の量を使用してグラフト重
合反応させる方法によって得られるものである前記炭素
質固体−水スラリー用添加剤である。本発明はさらに、
該水溶性グラフト重合体が単量体成分(b1)として(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸およびスルホエ
チル(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる少な
くとも1種の単量体を使用してなる前記炭素質固体−水
スラリー添加剤である。本発明はまた、前記水溶性グラ
フト重合体とキレート剤とを含んでなる炭素質固体−水
スラリー用添加剤である。
【0015】上記目的は、炭素質固体微粉末40〜90
重量%および炭素質固体微粉末に対して前記添加剤0.
02〜2重量%を配合してなる炭素質固体−水スラリー
組成物によっても達成される。
【0016】本発明において、炭素質固体としては、石
炭や石油コークス等が挙げられる。石炭としては、種
類、産地、水分含有量や化学組成にも関わりなく、いか
なる石炭も利用でき、例えば無煙炭、歴青炭、亜歴青
炭、褐炭等を挙げることができる。
【0017】このような炭素質固体は、公知の湿式また
は乾式粉砕法で、通常、200メッシュパス50重量%
以上、好ましくは70〜90重量%に粉砕して使用す
る。また、スラリー濃度は、微粉炭のドライベースで、
通常、40重量%以上、好ましくは50〜90重量%で
ある。40重量%未満の場合は、経済性、輸送効率およ
び燃焼効率等の面から実用的でない。
【0018】本発明で用いられるポリエーテル化合物
(A)は、エチレンオキサイドおよび/または他のアル
キレンオキサイドを、疎水基を有するアルコールを開始
点として公知の方法で重合することにより得られる。ア
ルコールの疎水基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ドデシル基、オクタデシル
基、プロペニル基、等の炭素数1〜30のアルキル基、
やアルケニル基、フェニル基、p−メチルフェニル基、
ノニルフェニル基、クロルフェニル基、ナフチル基、ア
ントリル基、フェナントリル基等のアリール基、ベンジ
ル基、p−メチルベンジル基、フェニルプロピル基等の
アリール基を置換基として持つアルキル基、シクロヘキ
シル基等の環状アルキル基、シクロペンテニル基等の環
状アルケニル基、ピリジル基、チエニル基等の複素環式
化合物より誘導された有機基等で置換した末端エ−テル
化合物等が挙げられる。エチレンオキサイドと共重合可
能な他のアルキレンオキサイドとしては、特に限定はな
いが、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が
好ましい。また、エチレンオキサイドと共重合可能な他
のアルキレンオキサイドを、全体として20モル%未満
にする必要がある。20モル%以上になると、得られる
グラフト重合体のグラフト率が低下する。
【0019】また、これらのポリエーテルの分子量は2
00以上であり、好ましくは500〜10000、より
好ましくは1000〜8000である。分子量が200
未満では、グラフトしないポリエーテルが多くなり、炭
素質固体−水スラリー分散剤に用いた場合、必要量が多
くなる等の問題が生じ、満足な性能が得られない。
【0020】本発明では、ポリエーテル化合物(A)
に、親水基を含有するモノエチレン性不飽和単量体(b
1)20〜100モル%、好ましくは50〜100モル
%および共重合可能な他のモノエチレン性不飽和単量体
(b2)80〜0モル%、好ましくは50〜0モル%か
らなる単量体成分(B)を、ポリエーテル化合物(A)
100重量部に対して25重量部以上グラフト重合する
必要がある。単量体成分(B)のうち、(b1)成分と
して親水基を含有するモノエチレン性不飽和単量体を、
ポリエーテル化合物(A)100重量部に対して20重
量部以上グラフト重合するのが好ましい。
【0021】親水基を含有するモノエチレン性不飽和単
量体(b1)としては、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラ
コン酸等のカルボキシル基含有単量体やそれらのナトリ
ウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カ
ルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩また
は有機アミン塩;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スル
ホエチル(メタ)アクリレート、3−スルホプロピル
(メタ)アクリレート、2−スルホプロピル(メタ)ア
クリレート、1−スルホプロパン−2−イル(メタ)ア
クリレート、4−スルホブチル(メタ)アクリレート等
のスルホン酸基含有単量体やそれらのナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等
のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩または有機アミ
ン塩;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基
含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド等の各種(メタ)アクリルアミ
ドを挙げることができ、これらの1種または2種以上を
用いることができる。
【0022】単量体(b2)の例としては、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸イソプロピルなどの(メタ)アクリル酸アル
キルエステル;スチレン、p−メチルスチレン等の芳香
族ビニル化合物;酢酸ビニル、酢酸プロペニル、塩化ビ
ニル等を挙げることができ、これらの1種または2種以
上を用いることができる。
【0023】重合開始剤としては、公知のラジカル開始
剤を使用することができるが、有機過酸化物が特に好ま
しい。
【0024】有機過酸化物としては、例えば、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキ
サイド等のケトンパーオキサイド類;t−ブチルハイド
ロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ
イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メ
ンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,
3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等
のハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)p−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(t
−ブチルパーオキシ)p−ジイソプロピルヘキシン等の
ジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシア
セテート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシ
イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート等のパーオキシエステル類;n
−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレ
エート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン
等のパーオキシケタール類;ジベンゾイルパーオキサイ
ド等のジアシルパーオキサイド類等が挙げられる。
【0025】重合開始剤の量は、特に制限はないが、モ
ノエチレン性不飽和単量体に対して好ましくは、0.1
〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%使用
する。これより少なくても多くても、ポリエーテルへの
グラフト効率が低下する。
【0026】本発明によるグラフト重合体は、それ自体
公知の方法によって製造される。好ましくはその製造
は、次のような方法によって行われる。
【0027】グラフト重合は、水またはアルコール、ト
ルエン等の有機溶剤を用いて行なわれるが、無溶媒で行
なうのが好ましい。
【0028】重合温度は、100℃以上、好ましくは1
10〜160℃で行われる。すなわち、100℃未満で
はポリエーテルへの単量体のグラフト効率が低下する。
一方、160℃を越える高い温度では、ポリエーテルお
よびグラフトポリマーの熱分解が起こるおそれがある。
【0029】グラフト重合の際、ポリエーテル化合物
(A)は、その1部または全量を初期に仕込むことが好
ましい。
【0030】このようにして得られる重合体の平均分子
量は、広い範囲のものとすることができ、通常、500
〜500万の範囲が好ましく、より好ましくは1000
〜100万である。
【0031】本発明の炭素質固体−水スラリー用添加剤
の使用量は、特に限定されるものではなく広い範囲で有
効であるが、経済的見地から炭素質固体重量(ドライベ
ース)当り0.02〜2重量%、好ましくは0.1〜1
重量%の比率である。
【0032】本発明の炭素質固体−水スラリー用添加剤
を使用するには、予め石炭に添加剤を混合しておいてか
らスラリー化してもよく、また水の中に予め添加剤を溶
解させておいたものを用いてもよい。もちろん添加剤の
所定量を全量一度に混合しても、また回分式で用いても
よい。
【0033】さらに、添加剤の性質上、スラリー化装置
としては炭素質固体を水にスラリー化するためのものな
らいかなるものでもよい。
【0034】これらの添加方法およびスラリー化方法に
より、本発明の範囲が限定を受けるものではない。
【0035】また、本発明の炭素質固体−水スラリー用
添加剤には、必要に応じて沈降防止剤、キレート剤を併
用することができる。
【0036】沈降防止剤としては、キサンタンガム、グ
ァガム等の天然高分子、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、モ
ンモリロナイト、アタパルジャイト、ベントナイト、カ
オリナイト、セビオライト等の粘土鉱物等が挙げられ
る。
【0037】またキレート剤としては、マロン酸、コハ
ク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルクロン
酸、ジグリコール酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、
エチレンジアミン四酢酸、ピロリン酸、トリポリリン酸
等およびそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類塩、ア
ンモニウム塩、アミン塩等を挙げることができる。な
お、添加量としては、グラフト重合体100重量部に対
して10〜100重量部、好ましくは20〜70重量部
添加することによって更なる炭素質固体−水スラリーの
分散性の向上が得られる。
【0038】本発明の炭素質固体−水スラリー用添加剤
には必要に応じてさらにpH調整剤、防錆剤、防食剤、
酸化防止剤、消泡剤、静電気帯電防止剤、可溶化剤等の
従来公知の他の添加剤を添加することができる。
【0039】本発明の炭素質固体−水スラリー用添加剤
をpH調整剤と併用する場合には、炭素質固体−水スラ
リーのpHが通常4以上、好ましくは7〜10の範囲で
用いられる。
【0040】
【実施例】次に、本発明の石炭−水スラリー用添加剤に
ついて実施例を挙げて更に詳細に説明するが、これらの
実施例に限定されるものではない。なお、例中特にこと
わりのない限り%は重量%を表すものとする。
【0041】合成例1 温度計、撹袢機、窒素導入管および還流冷却器を備えた
ガラス製反応器に、フェノール1モルにエチレンオキサ
イド10モルを付加した付加物15gと水150gを仕
込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら70℃まで加熱し
た。メタクリル酸30gに過酸化ベンゾイル1.5gを
溶解させた溶液を上記の溶液に1時間で滴下した。この
溶液を、さらに2時間70℃に温度を保持して重合を完
了させ、グラフト重合体水溶液(添加剤(1))を得
た。
【0042】合成例2 合成例1と同様の反応器に、ノニルフェノール1モルに
エチレンオキサイド30モルを付加させた付加物100
gを仕込み、窒素雰囲気下で、加熱溶解させ、撹拌下で
130℃まで昇温した。次に温度を130〜132℃に
保ちながら、アクリル酸40gにt−ブチルパーオキサ
イド1.2gを別々に、1時間にわたって連続的に滴下
し、その後80分撹拌を続けた。冷却後、滴下したアク
リル酸の完全中和量の水酸化ナトリウム水溶液(10%
溶液)を加え、撹拌下還流温度で1時間加熱して、グラ
フト重合体のナトリウム塩水溶液(添加剤(2))を得
た。
【0043】合成例3 合成例1と同様の反応器に、オクタデシルアルコール1
モルにエチレンオキサイド90モルおよびプロピレンオ
キサイド10モルを付加させた付加物100gとマレイ
ン酸20gを仕込み、窒素雰囲気下で、加熱溶解させ、
撹拌下で145℃まで昇温した。次に温度を145〜1
47℃に保ちながら、2−スルホエチルメタクリレート
のナトリウム塩水溶液(25%溶液)50g、ジ−t−
ブチルパーオキサイド5.6gを別々に、1時間にわた
って連続的に滴下し、その後30分間撹拌を続けた。冷
却後、水酸化カリウム水溶液にて完全中和を行い、還流
温度で1時間加熱して、グラフト重合体のカリウム塩水
溶液(添加剤(3))を得た。
【0044】なお、本発明は、これらの合成法によりな
んら制限を受けるものではない。
【0045】実施例1〜10 表1に示された単量体(A)、単量体(b1)、単量体
(b2)を表1で示された単量体組成(モル%)で用
い、かつ合成例1〜3のいずれかを用いて重合を行って
グラフト重合体を得た。
【0046】実施例1〜10で得られた本発明の炭素質
固体−水スラリー用添加剤(1)〜(10)を表2およ
び3に示された添加量で含むように調製した水溶液に、
200メッシュのふるいを80%パスするように粉砕し
た炭素質固体(なお性状を表4に示す)を室温にて撹拌
しながら少量ずつ加えた。表2および3に示された炭素
質固体濃度となる全量を加え終わった後、ホモミキサー
(特殊機化工株式会社製)にて5000RPM、10分
間撹拌して炭素質固体−水スラリーを調製した。
【0047】得られた炭素質固体−水スラリーの粘度を
25℃にて測定し、流動性を評価した。炭素質固体−水
スラリー製造直後と1ヶ月後の評価結果を表2および3
に示す。表中において、粘度の低いものが流動性の良い
ことを示す。
【0048】比較例1〜4 比較のために、表2および3に示したような本発明の必
要条件を満たさない市販の添加剤を使用した場合の結果
も表2および3に併記した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】本発明の炭素質固体−水スラリー用添加
剤は、炭素質固体の水中への分散能に極めて優れてお
り、灰分の多い炭素質固体に対しても極めて分散能が高
く、添加剤の少量添加で、高濃度・高流動性を有しかつ
粘度の経時変化の無い炭素質固体−水スラリーを提供で
きるものである。
【0054】本発明の炭素質固体−水スラリー用添加剤
を用いて得られる高濃度炭素質固体−水スラリーを応用
すれば、炭素質固体のパイプライン輸送を経済性良く行
うことが可能となり、固体である炭素質固体の貯蔵上、
輸送上および燃焼上の問題点が解消できる。
【0055】したがって、本発明の炭素質固体−水スラ
リー用添加剤は、炭素質固体の直接燃焼炭素質固体ガス
化等の炭素質固体利用技術の普及に大きく貢献できるも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 郷司 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14番1号 株 式会社日本触媒高分子研究所内 (72)発明者 西林 秀幸 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992−1 株式会社日本触媒高分子研究所内 (72)発明者 田原 秀行 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14番1号 株 式会社日本触媒高分子研究所内 (72)発明者 高尾 彰一 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端に1個の疎水性置換基を持ち、アル
    キレンオキサイドを構成単位として有する数平均分子量
    200以上のポリエーテル化合物(A)にモノエチレン
    性不飽和単量体(B)を、グラフト重合させて得られる
    水溶性グラフト重合体を含んでなる炭素質固体−水スラ
    リー用添加剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水溶性グラフト重合体
    とキレート剤とを含んでなる炭素質固体−水スラリー用
    添加剤。
  3. 【請求項3】 末端に1個の疎水性置換基を持ち、エチ
    レンオキサイドを80モル%以上構成単位として有する
    数平均分子量200以上のポリエーテル化合物(A)
    に、親水基を含有するモノエチレン性不飽和単量体(b1)
    20〜100モル%および共重合可能な他のモノエチレ
    ン性不飽和単量体(b2)80〜0モル%からなる単量体成
    分(B)を、グラフト重合反応させることにより得られ
    る水溶性グラフト重合体を含んでなる炭素質固体−水ス
    ラリー用添加剤。
  4. 【請求項4】 該水溶性グラフト重合体が重合開始剤の
    存在下で実質的に溶媒を用いず、100℃以上の温度で
    ポリエーテル化合物(A)に対して単量体成分(B)を
    25重量%以上の量を使用してグラフト重合反応させる
    方法によって得られるものである請求項3に記載の炭素
    質固体−水スラリー用添加剤。
  5. 【請求項5】 該水溶性グラフト重合体が単量体成分(b
    1)として(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸お
    よびスルホエチル(メタ)アクリレートよりなる群から
    選ばれる少なくとも1種の単量体を使用してなる請求項
    3または4に記載の炭素質固体−水スラリー添加剤。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか一つに記載の水
    溶性グラフト重合体とキレート剤とを含んでなる炭素質
    固体−水スラリー用添加剤。
  7. 【請求項7】 炭素質固体微粉末40〜90重量%およ
    び炭素質固体微粉末に対して請求項1〜6のいずれか一
    つに記載の添加剤0.02〜2重量%を配合してなる炭
    素質固体−水スラリー組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998041598A1 (fr) * 1997-03-18 1998-09-24 Nippon Shokubai Co., Ltd. Suspension eau/matieres solides fortement concentree et procede de fabrication correspondant
JP2007533768A (ja) * 2003-07-25 2007-11-22 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト エチレン系不飽和アニオンモノマーの水溶性ポリマーの水性分散液、その製造法および該水性分散液の使用

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