JPH08216637A - タイヤ空気圧低下検出方法および装置 - Google Patents

タイヤ空気圧低下検出方法および装置

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JPH08216637A
JPH08216637A JP2209095A JP2209095A JPH08216637A JP H08216637 A JPH08216637 A JP H08216637A JP 2209095 A JP2209095 A JP 2209095A JP 2209095 A JP2209095 A JP 2209095A JP H08216637 A JPH08216637 A JP H08216637A
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tire
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air pressure
angular velocity
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実香夫 中島
Toshihiro Toda
敏宏 戸田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】タイヤの回転角速度F2i が求められると、警
報発生に必要なフラグF1をセットするか否かの処理が行
われる(S15〜S18)。一方、車両の速度Vがしきい値VTH
以上の場合には(S19) 、車両の前後加速度Aが負のA
TH1 〜ATH2 の範囲内にあるか否かが判別される(S20)
。その結果、前後加速度Aが上記範囲内にあると判別
されると、車両は制動状態であると判断され、警報発生
に必要なフラグF2をセットするか否かの処理が行われる
(S21〜S28)。 【効果】回転角速度が検出されると判定を行う低速用判
定処理と、車両の高速走行時において、正常内圧時と空
気圧低下時との回転角速度差が相対的に大きくなる制動
時に判定を行う高速用判定処理とが用意されているの
で、車両がどの程度の速度で走行しているか否かにかか
わらず、空気圧が低下しているか否かを正確に検出でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、4輪車両に備えられ
ている各タイヤの空気圧の低下を検出する方法、および
この方法を実施するためのタイヤ空気圧低下検出装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、乗用車やトラック等の4輪車両の
ための安全装置の1つとして、タイヤの空気圧の低下を
検出する装置が発明され、一部には実用化されているも
のもある。上記タイヤ空気圧低下検出装置は、主に以下
に示すような理由によりその重要性が認識され、開発さ
れたものである。すなわち、空気圧が低下すると、たわ
みの増大によりタイヤの温度が上昇する。温度が高くな
るとタイヤに用いられている高分子材料の強度が低下
し、タイヤのバーストに繋がる。通常、タイヤの空気が
0.5 気圧程度抜けても、ドライバはそれに気付かないこ
とが多いから、それを検知できる装置が望まれていた。
【0003】上記タイヤ空気圧低下検出装置における空
気圧低下の検出方法は、たとえば車両に備えられている
4つのタイヤW1 ,W2 ,W3 ,W4 (なお、タイヤW
1 ,W2 はそれぞれ前左右タイヤに対応し、タイヤ
3 ,W4 はそれぞれ後左右タイヤに対応する。また、
以下総称するときは「タイヤWi 」という。)の各回転
角速度F1 ,F2 ,F3 ,F4 (以下総称するときは
「回転角速度Fi 」という)の違いに基づく方法があ
る。
【0004】すなわち、上記方法では、たとえばタイヤ
i に取付けられた車輪速センサから出力される信号に
基づいて、上記タイヤWi の回転角速度Fi が所定のサ
ンプリング周期ごとに検出される。ここで、この検出さ
れた回転角速度Fi は、各タイヤWi の有効ころがり半
径(タイヤの自由動転時において、タイヤが1回転した
ときに車両が進んだ距離を2πで割った値。)がすべて
同一の場合であって、かつ車両が直線走行していれば、
すべて同一である。
【0005】一方、上記タイヤWi の有効ころがり半径
は、たとえばタイヤWi の空気圧の変化に対応するよう
に変化する。すなわち、タイヤWi の空気圧が低下する
と、有効ころがり半径は正常内圧時に比べて小さくな
る。したがって、その空気圧が低下しているタイヤWi
の回転角速度Fi は正常内圧時に比べて速くなる。その
ため、各回転角速度Fi の違いによって、タイヤWi
空気圧低下を検出できる。
【0006】回転角速度Fi の違いによるタイヤWi
空気圧低下の検出のための判定式は、たとえば下記(1)
式に示すようなものである(たとえば特開昭63-305011
号公報、特開平4-212609号公報参照。)。
【0007】
【数1】
【0008】たとえば、各タイヤWi の有効ころがり半
径が仮にすべて同一であるとすれば、回転角速度Fi
すべて同一となるので(F1 =F2 =F3 =F4 )、判
定値Dは0である。そこで、しきい値DTH1 ,D
TH2 (ただし、DTH1 ,DTH2 >0)を設定し、 D<−DTH1 あるいは D>DTH2 ‥‥(2) が満足された場合は、空気圧が低下しているタイヤWi
があると判定され、満足されなかった場合には、空気圧
は低下しているタイヤWi はないと判定される。そし
て、空気圧が低下しているタイヤWi があると判定され
ると、ドライバに対して、たとえば表示器により警報が
発生される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記(1) ,
(2) 式による空気圧低下検出だけでは、車両の走行状態
によっては、誤検出するおそれがあるという不具合があ
る。たとえば、駆動左右タイヤWi のうちいずれか一方
のタイヤWi の空気圧が低下している場合、車両が相対
的に低速で走行しているときには、空気圧が低下してい
るか否かを正確に検出できるが、車両が相対的に高速で
駆動しながら走行しているときには、誤検出するおそれ
がある。次に、この理由について詳述する。
【0010】一般に、駆動タイヤWi では、駆動/制動
力が発生するので、車両の速度VとタイヤWi の速度V
i とは異なる。その差の程度を表す尺度として、いわゆ
るスリップ率Sが下記(3) ,(4) 式のように駆動時と制
動時とに分けてそれぞれ定義されている。 S=(V−rFi )/rFi (S<0) ‥‥(3) S=(V−rFi )/V (S>0) ‥‥(4) 上記(3) ,(4) 式をそれぞれ変形すると、 rFi =V/(1+S) (S<0) ‥‥(5) rFi =V×(1−S) (S>0) ‥‥(6) と表すことができる。
【0011】一方、タイヤWi がグリップ限界に達する
までの間では、スリップ率Sは、下記(7) 式のように表
すこともできる。ただし、下記(7) 式において、Fx
駆動/制動力(駆動時にはFx <0,制動時にはFx
0)、Cx はタイヤWi を構成しているゴムの単位面積
当たりの前後方向の剪断弾性定数、WD はタイヤWi
接地面の幅、およびLはタイヤWi の接地面の長さを表
す。
【0012】
【数2】
【0013】この(7) 式を上記(5) ,(6) 式に代入する
と、
【0014】
【数3】
【0015】をそれぞれ得ることができる。ところで、
タイヤWi の空気圧が低下すると、タイヤWi の有効こ
ろがり半径rは小さくなる。一方、タイヤWi の接地面
積は増加する。そのため、空気圧が低下しているタイヤ
i では、タイヤWi の有効ころがり半径r,タイヤW
i の接地面の幅WD およびタイヤWi の接地面の長さL
は、それぞれ、 r−Δr ただし、0<Δr<r ‥‥(10) WD +ΔWD ただし、0<ΔWD ‥‥(11) L+ΔL ただし、0<L ‥‥(12) と表すことができる。
【0016】この(10)〜(12)式を利用して、駆動時にお
ける上記(8) 式を変形すると、正常内圧のタイヤWi
回転角速度ω0 、および空気圧が低下しているタイヤW
i の回転角速度ω1 は、それぞれ、
【0017】
【数4】
【0018】となる。ここで、上記(13),(14)式から下
記,のような事実を導き出すことができる。 空気圧低下に伴うタイヤWi の有効ころがり半径r
の低下が当該タイヤWi の回転角速度ω1 を増加させる
要因となっている。
【0019】 駆動時にはFx <0なので、上記(14)
式の第2項目は上記(13)式の第2項目よりも小さくな
る。したがって、空気圧が低下しているタイヤWi の回
転角速度ω1 はその低下傾向が抑制される。また、上記
駆動/制動力Fx は、下記(15)式のように表すことがで
きる。ただし、下記(15)式において、μr はころがり抵
抗、Wg は車両総重量、μ1 は空気抵抗係数、Qは車両
の前面投影面積、θは傾斜角度、Wr は回転部相等重
量、gは重力加速度である。
【0020】 −Fx =μr ×Wg +μ1 ×Q×V2 +Wg × sinθ +(Wg +Wr )×A/g ‥‥(15) この(15)式を見て明らかなように、駆動/制動力|Fx
|は車両の速度Vの2乗で増加する。一方、駆動時には
車両の速度Vは上昇する。したがって、高速走行中の駆
動時には、上記(14)式の大括弧部分は小さくなる。その
結果、上記の傾向が助長される。そのため、高速走行
中の駆動時には、空気圧が低下しているタイヤWi の回
転角速度ω1 と正常内圧のタイヤWi の回転角速度ω0
とはほとんど差がなくなる。
【0021】したがって、駆動左右タイヤWi のうちい
ずれか一方のタイヤWi の空気圧が低下している場合に
駆動しながら高速で走行しているときには、タイヤWi
の空気圧が低下しているにもかかわらず、図9に示すよ
うに、判定値Dが0になる可能性があるので、正常内圧
であると誤検出されるおそれがある。このように、上記
(1) ,(2) 式による空気圧低下検出では、駆動左右タイ
ヤW i のうちいずれか一方のタイヤWi の空気圧が低下
している場合、高速走行中の駆動時には、誤検出するお
それがある。そのため、警報の誤発生/誤禁止を招き、
ドライバの警報に対する信頼性を低下させるという不具
合があった。
【0022】そこで、この発明の目的は、上述の技術的
課題を解決し、車両の走行状態にかかわらず、タイヤの
空気圧が低下しているか否かを正確に検出でき、その結
果、警報の誤発生/誤禁止を防止できるタイヤ空気圧低
下検出方法を提供することにある。また、この発明の他
の目的は、車両の走行状態うち、特に車両がどの程度の
速度で走行しているかにかかわらず、タイヤの空気圧が
低下しているか否かを正確に検出でき、その結果、警報
の誤発生/誤禁止を防止できるタイヤ空気圧低下検出方
法を提供することにある。
【0023】さらに、この発明の他の目的は、上記方法
を実施するためのタイヤ空気圧低下検出装置を提供する
ことにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載のタイヤ空気圧低下検出方法は、車両に
備えられている4つのタイヤの各回転角速度を検出し、
車両の走行状態に適した複数の判定手段において、上記
検出された各回転角速度に基づいて、タイヤの空気圧が
低下しているか否かを判定し、上記複数の判定手段のう
ち少なくとも1つの判定手段においてタイヤの空気圧が
低下していると判定された場合には、警報を発生させる
ことを特徴とする。
【0025】また、請求項2記載のタイヤ空気圧低下検
出方法は、上記請求項1記載のタイヤ空気圧低下検出方
法であって、上記判定手段は、回転角速度が検出される
と、この検出された各回転角速度に基づいて、タイヤの
空気圧が低下しているか否かを判定する低速用判定手段
と、回転角速度が検出されると、車両の速度が予め定め
るしきい値以上であって、かつ車両が制動状態である場
合にのみ、上記検出された回転角速度に基づいて、タイ
ヤの空気圧が低下しているか否かを判定する高速用判定
手段とを含むものであることを特徴とする。
【0026】また、請求項3記載のタイヤ空気圧低下検
出装置は、車両に備えられている4つのタイヤの各回転
角速度を検出する回転角速度検出手段と、この回転角速
度検出手段で検出された各回転角速度に基づいて、タイ
ヤの空気圧が低下しているか否かを判定する、車両の走
行状態にそれぞれ適した複数の判定手段と、この複数の
判定手段のうち少なくとも1つの判定手段においてタイ
ヤの空気圧が低下していると判定された場合には警報を
発生する警報発生制御手段とを含むことを特徴とする。
【0027】また、請求項4記載のタイヤ空気圧低下検
出装置は、上記請求項3記載のタイヤ空気圧低下検出装
置であって、車両の速度を検出する速度検出手段と、こ
の速度検出手段で検出された車両の速度が予め定めるし
きい値以上であるか否かを判別する判別手段と、車両が
制動状態であるか否かを検出する制動状態検出手段とを
さらに含み、上記判定手段は、上記回転角速度検出手段
で各回転角速度が検出されると、この検出された各回転
角速度に基づいて、タイヤの空気圧が低下しているか否
かを判定する低速用判定手段と、上記回転角速度検出手
段で各回転角速度が検出されると、上記判別手段におい
て上記速度検出手段で検出された車両の速度が上記しき
い値以上であると判別され、かつ上記制動状態検出手段
において車両は制動状態であると検出された場合にの
み、上記検出された回転角速度に基づいて、タイヤの空
気圧が低下しているか否かを判定する高速用判定手段と
を含むものであることを特徴とする。
【0028】
【作用】上記請求項1または3記載の構成では、車両の
走行状態にそれぞれ適した判定手段が複数用意されてい
る。したがって、車両の走行状態に応じた判定をいずれ
かの判定手段において実現できる。そのため、上記複数
の判定手段のうち少なくとも1つの判定手段においてタ
イヤの空気圧が低下していると判定された場合には、タ
イヤの空気圧は確実に低下していると判断できる。言い
換えれば、すべての判定手段においてタイヤはすべて正
常内圧であると判定された場合には、タイヤは確実に正
常内圧であると判断できる。よって、上記構成によれ
ば、警報の誤発生/誤禁止を防止できる。
【0029】また、請求項2または4記載の構成では、
車両の走行状態のうち、車両がどの程度の速度で走行し
ているかに着目し、低速用判定手段と高速用判定手段と
の2つの判定手段が用意されている。たとえば、駆動左
右タイヤのうちいずれか一方のタイヤの空気圧が低下し
ている場合、車両が高速走行すると、上述のように、空
気圧低下時と正常内圧時との回転角速度差がほとんどな
くなる場合がある。そのため、回転角速度が検出される
と判定を行う判定手段では、誤検出するおそれがある。
一方、本出願人が調べたところ、駆動左右タイヤのうち
いずれか一方のタイヤの空気圧が低下している場合に車
両が高速走行していても、車両が制動状態であるときに
は、空気圧低下時と正常内圧時との回転角速度差は相対
的に大きくなることを見出した。
【0030】そこで、上記構成では、回転角速度が検出
されると判定を行う低速用判定手段だけでなく、回転角
速度が検出された後、車両の速度がしきい値以上であっ
て、かつ車両が制動状態であるという条件が満足された
場合に判定を行う高速用判定手段を用意することにし
た。そのため、上記構成によれば、車両がどの程度の速
度で走行しているかにかかわらず、タイヤの空気圧が低
下しているか否かを正確に検出できる。そのため、警報
の誤発生/誤禁止を防止できる。
【0031】
【実施例】以下では、この発明の実施例を、添付図面を
参照して詳細に説明する。図1は、この発明の一実施例
のタイヤ空気圧低下検出装置の構成を示す概略ブロック
図である。このタイヤ空気圧低下検出装置は、4輪車両
に備えられた4つのタイヤW1 ,W2 ,W3 ,W4 (た
だし、タイヤW1 ,W2 はそれぞれ前左右タイヤに対応
し、タイヤW3 ,W4 はそれぞれ後左右タイヤに対応す
る。また、以下総称するときは「タイヤWi 」とい
う。)の空気圧が低下しているか否かを検出するもの
で、上記各タイヤW1 ,W2 ,W3 ,W4 にそれぞれ関
連して設けられた従来公知の車輪速センサ1を備えてい
る。車輪速センサ1の出力は制御ユニット2に与えられ
る。制御ユニット2には、空気圧が低下したタイヤWi
を知らせるための液晶表示素子,プラズマ表示素子また
はCRT等で構成された表示器3が接続されている。
【0032】図2は、上記タイヤ空気圧低下検出装置の
電気的構成を示すブロック図である。制御ユニット2
は、外部装置との信号の受渡しに必要なI/Oインタフ
ェース2a,演算処理の中枢として機能するCPU2
b,CPU2bの制御動作プログラムが格納されたRO
M2c,およびCPU2bが制御動作を行う際にデータ
等が一時的に書込まれたり、その書込まれたデータ等が
読出されるRAM2d、および後述する警報発生/停止
処理に必要なカウント値Cをカウントするためのカウン
タCNTを含むマイクロコンピュータで構成されてい
る。
【0033】車輪速センサ1では、タイヤWi の回転数
に対応したパルス信号(以下「車輪速パルス」という)
が出力される。CPU2bでは、車輪速センサ1から出
力された車輪速パルスに基づき、所定のサンプリング周
期ΔT(sec) (たとえばΔT=1 )ごとに、各タイヤW
i の回転角速度Fi が算出される。図3、図4および図
5は、上記タイヤ空気圧低下検出装置における警報発生
/停止処理を説明するためのフローチャートである。な
お、この処理はソフトウエア処理で実現される。また、
以下の説明では、車両はFF(フロントエンジン・フロ
ントドライブ)車を例にとって行う。
【0034】このタイヤ空気圧低下検出処理では、先
ず、後で説明するフラグF1,F2がリセットされ(ス
テップS1)、次いで、各車輪速センサ1から出力され
る車輪速パルスに基づいて各タイヤWi の回転角速度F
i が算出される(ステップS2)。ここで、タイヤWi
は、規格内でのばらつき(以下「初期差異」という)が
含まれて製造される。したがって、各タイヤWi の有効
ころがり半径(タイヤの自由動転時において、タイヤが
1回転したときに車両が進んだ距離を2πで割った
値。)は、すべてのタイヤWi がたとえ正常内圧であっ
ても、同一とは限らない。そのため、各タイヤWi の回
転角速度Fi はばらつくことになる。
【0035】そこで、上記ステップS2にて回転角速度
i が算出されると、この算出された回転角速度Fi
初期差異によるばらつきを打消すように補正される(ス
テップS3)。具体的には、 F11 =F1 ‥‥(16) F12 =mF2 ‥‥(17) F13 =F3 ‥‥(18) F14 =nF4 ‥‥(19) と補正される。
【0036】上記補正係数m,nは、たとえば車両を初
めて走行させるとき,タイヤWi の空気圧を補充したと
き,またはタイヤWi を交換したときに取得され、制御
ユニット2のROM2cに予め記憶されている。上記補
正係数m,nは、たとえば車両が直線走行をしているこ
とを条件として回転角速度Fi を算出し、この算出され
た回転角速度Fi に基づいて下記(20),(21)式のように
して取得することが考えられる。
【0037】 m=F1 /F2 ‥‥(20) n=F3 /F4 ‥‥(21) ところで、タイヤWi の回転角速度Fi は、上記初期差
異によるばらつきだけでなく、たとえば車両がコーナー
を走行するときの各タイヤWi の内輪差、および車両の
荷重移動などによってもばらつく。
【0038】より具体的に説明すると、車両がコーナー
を走行する場合には、旋回中心から各タイヤWi までの
距離はすべて異なるので、各タイヤWi の回転距離も各
タイヤWi ごとに異なる。その結果、各タイヤWi の回
転角速度Fi は必然的にばらつく。また、車両の重心に
は、旋回半径Rの逆数および車両の速度Vに比例した車
両の横方向加速度(以下「横G」という)がコーナー外
側方向に向かって作用するので、車両の荷重がコーナー
内側からコーナー外側に移動する。これに伴い、従動タ
イヤW3 ,W4 (この実施例ではFF車を前提にしてい
るから)の各有効ころがり半径は変動する。
【0039】そこで、次に、先ず、車両の荷重移動に起
因するばらつきを排除した車両の旋回半径Rが計算され
る(ステップS4)。より具体的に説明すると、先ず、
初期補正後の回転角速度F13 ,F14 に基づき、下記
(22),(23)式に示すように、従動タイヤW3 ,W4 の速
度V13 ,V14 を算出する。ただし、下記(22),(23)
式において、rは予め記憶されているタイヤWi の半径
の値である。
【0040】 V13 =r×F13 ‥‥(22) V14 =r×F14 ‥‥(23) 次いで、この算出された従動タイヤW3 ,W4 の速度V
3 ,V14 に基づいて、下記(24)式に示すように、車
両の旋回半径R′が算出される。ただし、下記(24)式に
おいて、Twはトレッド幅を表す。
【0041】
【数5】
【0042】そして、この算出された車両の旋回半径
R′に対して、下記(25)式に示すように、車両の荷重移
動に起因するばらつきを排除するような補正が施され
る。ただし、下記(25)式において、γおよびσは定数で
ある。 R=R′×{γ+σ×(V13 +V14 2 } ‥‥(25) 次に、この求められた車両の旋回半径Rに基づいて、各
タイヤWi の内輪差に起因するばらつきを排除するよう
に、上記ステップS3にて算出された初期補正後の回転
角速度F1i が補正される(ステップS5)。具体的に
は、
【0043】
【数6】
【0044】のように補正される。これにより、コーナ
ー内側のタイヤWi とコーナー外側のタイヤWi との内
輪差に起因するばらつきを排除した回転角速度F2i
取得される。なお、上記(26)〜(29)式において、WBは
車両のホイールベースを表す。また、上記(26)〜(29)式
の補正は、上述のように、車両がFF車である場合を想
定した処理である。もしも車両がFR(フロントエンジ
ン・リアドライブ)車であれば、下記(30)〜(33)式のよ
うに補正される。
【0045】
【数7】
【0046】ところで、上記回転角速度Fi は、車両の
旋回半径R,車両の速度V,車両の横Gおよび各タイヤ
i の前後方向加速度(以下単に「前後加速度」とい
う)A i の大きさによってばらつきが大きくなり、その
結果誤判定に繋がるおそれがある。すなわち、旋回半径
Rが相対的に小さい場合には、タイヤWi が横すべりす
るおそれがあるので、算出される回転角速度Fi のばら
つきが大きくなる可能性が高い。また、車両の速度Vが
極低速である場合には、車輪速センサ1の検出精度が著
しく悪くなるので、算出される回転角速度Fi のばらつ
きが大きくなる可能性が高い。さらに、車両の横Gが相
対的に大きい場合には、タイヤWi が横すべりするおそ
れがあるので、算出される回転角速度Fi のばらつきが
大きくなる可能性が高い。さらにまた、各タイヤWi
前後加速度Ai の絶対値が相対的に大きい場合には、た
とえば車両が急加速/急減速することによるタイヤWi
のスリップまたはフットブレーキの影響が考えられるの
で、算出される回転角速度Fiのばらつきが大きくなる
可能性が高い。
【0047】このように、回転角速度Fi に誤差が含ま
れる可能性の高い場合には、その回転角速度Fi を空気
圧低下の検出に採用せずにリジェクト(排除)する方が
好ましい。そこで、次に、車両の速度V、横G、各タイ
ヤWi の前後加速度Ai および車両の前後加速度Aが算
出される(ステップS6)。より具体的に説明すると、
車両の速度Vは、各タイヤWi の速度V2i に基づいて
算出される。上記各タイヤWi の速度V2i は下記(34)
式によって算出される。
【0048】 V2i =r×F2i ‥‥(34) そして、この算出された各タイヤWi の速度V2i に基
づき、車両の速度Vが下記(35)式によって算出される。 V=(V21 +V22 +V23 +V24 )/4 ‥‥(35) 一方、車両の横Gは、この算出された車両の速度Vを利
用して、下記(36)式によって算出される。
【0049】 横G=V2 /(R×9.8 ) ‥‥(36) また、各タイヤWi の前後加速度Ai は、1周期前のサ
ンプリング周期ΔTにおいて算出された各タイヤWi
速度をBV2i とすると、下記(37)式によって算出され
る。なお、下記(37)式において、分母に9.8が挿入さ
れているのは、各タイヤWi の前後加速度Ai をG換算
するためである。
【0050】 Ai =(V2i −BV2i )/(ΔT×9.8) ‥‥(37) また、車両の前後加速度Aは、上記各タイヤWi の前後
加速度Ai に基づいて、下記(38)式のようにして求めら
れる。ただし、下記(38)式において、i=1〜4であ
る。 A=ΣAi /4 ‥‥(38) なお、車両の前後加速度Aは、上記(38)式だけに限ら
ず、車両がFF車かFR車かによって、それぞれ、下記
(39)式または(40)式によって求めるようにしてもよい。
【0051】 A=(A3 +A4 )/2 ‥‥(39) A=(A1 +A2 )/2 ‥‥(40) このように、上記(39)式または(40)式では、駆動力が伝
達されない従動タイヤWi の各前後加速度Ai に基づい
て車両の前後加速度Aが求められている。これは、駆動
タイヤWi の前後加速度Ai を利用すると、駆動タイヤ
i はスリップするおそれがあるため、車両の前後加速
度Aを正確に求めることができない場合があるからであ
る。
【0052】また、上記車両の速度V、横Gおよび車両
の前後加速度Aは、たとえば各量V,横G,Aを求める
ことができるセンサで直接求めるようにしてもよい。そ
して、車両の旋回半径R,車両の速度V,各タイヤWi
の前後加速度Ai および車両の横Gに基づき、上記ステ
ップS5で得られた回転角速度F2i をリジェクトする
か否かが判別される(ステップS7)。具体的には、次
に示す〜の4つの条件のうち、いずれか1つでも該
当した場合には、回転角速度F2i がリジェクトされ
る。
【0053】|R|<RTH(たとえばRTH=30(m) ) V<VTH(たとえばVTH=10(Km/h)) MAX{|Ai |}>ATH(たとえばATH=0.1(g)) |横G|>GTH(たとえばGTH=0.4(g)) 上記ステップS7での判別の結果、回転角速度F2i
リジェクトしない場合には、その回転角速度F2i に基
づいて、判定値Di が下記(41)式によって算出される
(ステップS8)。
【0054】
【数8】
【0055】ところで、上記ステップS6における車両
の速度V,横G、各タイヤWi の前後加速度Ai および
車両の前後加速度Aの算出は、初期差異およびタイヤW
i の内輪差に応じた補正が施された回転角速度F2i
用いて行われる。一方、タイヤWi の有効ころがり半径
は、初期差異およびタイヤWi の内輪差だけでなく、車
両の旋回半径R,速度V,横Gおよび前後加速度Aによ
っても変動する。したがって、上記ステップS8で求め
られる判定値Di には、車両の旋回半径R,速度V,横
Gおよび前後加速度Aを含む変動要因の影響が作用して
いる。
【0056】そこで、車両の旋回半径R,速度V,横G
および前後加速度Aなどの判定値D i の変動要因の影響
を排除するための補正が行われる(ステップS9)。具
体的には、
【0057】
【数9】
【0058】のような補正が施される。なお、このステ
ップS9にて得られた判定値Di ′は、たとえばRAM
2dに一時的に保持される。ここで、上記(42)式におい
て、α1およびα2は係数であり、この係数α1および
α2は各タイヤWi が正常内圧であるとわかっていると
きに試験走行を行い、そのときに算出された車両の速度
V,車両の前後加速度A,車両の横Gまたは旋回半径R
に基づいて予め求められるものである。上記係数α1,
α2は、たとえば制御ユニット2のROM2cに予め記
憶されている。
【0059】上記ステップS9にて得られた補正後の判
定値Di ′を用いて、下記(43)式により、空気圧が低下
しているか否かが判定される(ステップS10)。な
お、下記(43)式において、たとえばDTH1 =DTH2 =0.
1 である。 Di ′<−DTH1 あるいは Di ′>DTH2 ‥‥(43) この結果、判定値Di ′が、図6のSa,Sbに示すよ
うに、−DTH1 ,DTH 2 の間からはみ出していれば、す
なわち上記(43)式を満たしていれば、空気圧は低下して
いると判定される。一方、上記判定値Di ′が−
TH1 ,DTH2 の間にあれば、すなわち上記(43)式を満
たしていなければ、空気圧は低下していないと判定され
る。
【0060】上記ステップS10での判定の結果、タイ
ヤWi の空気圧が低下していると判定されると、カウン
タCNTのカウント値Cが当該カウント値Cの上昇過剰
を防止するための設定された上限しきい値L1 (たとえ
ばL1 =10)未満であるか否かが判別される(ステップ
S11)。その結果、上記カウント値Cが上限しきい値
1 未満であれば、上記カウント値Cがインクリメント
される(ステップS12)。反対に、カウント値Cが上
限しきい値L1 以上であれば、次の図4のステップS1
5に直接移行する。
【0061】一方、上記ステップS10での判別の結
果、タイヤWi の空気圧は低下していないと判定される
と、カウンタCNTのカウント値Cが当該カウント値C
の下降過剰を防止するために設定された定常値L2 (た
とえばL2 =0)よりも大きいか否かが判別される(ス
テップS13)。その結果、上記カウント値Cが定常値
2 よりも大きければ、上記カウント値Cはデクリメン
トされる(ステップS14)。反対に、カウント値Cが
定常値L2 以下であれば、次のステップS15に直接移
行する。
【0062】ステップS15〜S18では、警報発生準
備処理が行われる。より具体的に説明すると、先ず、上
記カウント値Cが警報発生しきい値N1 (たとえばN1
=L1 =10)以上であるか否かが判別される(ステップ
S15)。その結果、上記カウント値Cが警報発生しき
い値N1 以上であると判別されると、警報を発生させる
ため、上記フラグF1がセットされる(ステップS1
6)。一方、上記カウント値Cが警報発生しきい値N1
未満であると判別されると、次に上記カウント値Cが警
報禁止しきい値N2 (たとえばN2 =L2 =0)以下で
あるか否かが判別される(ステップS17)。その結
果、上記カウント値Cが警報禁止しきい値N2 以下であ
ると判別されると、警報発生を禁止するため、上記フラ
グF1がリセットされる(ステップS18)。反対に、
上記カウント値Cが警報禁止しきい値N2 よりも大きい
と判別されると、何の処理も行わず、直接ステップS1
9に移行する。
【0063】このように、警報の発生/禁止に必要なフ
ラグF1のセット/リセットを空気圧が低下している、
または正常内圧であると判定されるたびに行うのではな
く、複数周期にわたって同じ判定がある程度連続して行
われたときに行うようにしているので、ノイズなどの突
発的な影響による警報の誤発生/誤禁止を防止できる。
【0064】ところで、たとえば2つの駆動タイヤWi
のうちいずれか一方の駆動タイヤW i の空気圧が低下し
ている場合、車両が相対的に低速で走行しているときに
は、当該タイヤWi の回転角速度Fi は正常内圧のタイ
ヤWi の回転角速度Fi に比べて速くなるので、上記ス
テップS10において、判定値Di ′は上記(30)式を満
足する。これに対して、車両が相対的に高速で走行して
いるときには、空気圧が低下しているタイヤWi の回転
角速度Fi と正常内圧のタイヤWi の回転角速度Fi
の差はほとんどなくなる場合がある。このとき、判定値
i ′は0になる可能性が高いので、上記ステップS1
0において、タイヤWi の空気圧はすべて正常であると
判定されてしまう。したがって、本来なら警報発生のた
めに上記ステップS15〜S18の警報発生準備処理に
おいてフラグF1をセットしなければならないのに、フ
ラグF1がセットされないか、またはセットされるまで
時間がかかることになる。
【0065】そこで、次に、車両が相対的に高速で走行
している場合に限って再度警報発生準備処理を行うた
め、車両の速度Vが予め定めるしきい値VTH(たとえば
TH=120(Km/h) )以上であるか否かが判別される(ス
テップS19)。その結果、車両の速度Vがしきい値V
TH未満であると判別された場合には、上述のような不具
合は生じないので、後述する高速時の警報発生準備処理
を行う必要はない。そのため、後述する図5のステップ
S29に直接移行する。一方、車両の速度がしきい値V
TH以上であると判別されると、次に説明するステップS
20〜S28までの高速時の警報発生準備処理が行われ
る。
【0066】高速時の警報発生準備処理では、先ず、車
両が制動状態であるか否かを判別するため、車両の前後
加速度Aが負のしきい値ATH1 (たとえばATH1 =−0.
1 )と負のしきい値ATH2 (たとえばATH2 =−0.05)
との間の所定範囲AE に含まれているか否かが判別され
る(ステップS20)。その結果、車両の前後加速度A
が上記所定範囲AE に含まれていないと判別されると、
車両は制動状態ではないとみなされ、その後の高速時の
警報発生準備処理を行わずに、後述する図5のステップ
S29に直接移行する。
【0067】なお、車両が制動状態である場合に限って
高速時の警報発生準備処理を行う理由については後述す
る。一方、上記ステップS20での判別の結果、車両の
前後加速度Aは上記所定範囲AE に含まれていると判別
されると、車両は制動状態であるとみなされ、上記ステ
ップS8で算出された判定値Di ′がn個だけRAM2
dに保持されたか否かが判別される(ステップS2
1)。その結果、判定値Di ′がn個保持されていない
と判別されると、上記ステップS2からの処理が繰り返
される。一方、判定値Di ′がn個保持されたと判別さ
れると、下記(44)式に示すように、そのn個の判定値D
i ′の平均値Davが算出される(ステップS22)。た
だし、下記(44)式において、i=1〜nである。
【0068】 Dav=ΣDi ′/n ‥‥(44) このように、判定値Di ′の平均値Davを求めるのは、
ノイズなどにより突発的に誤った判定値Di ′が求めら
れ、これにより警報が誤発生するのを防止するためであ
る。
【0069】平均値Davが取得されると、現在警報が発
生しているか否かを判断するため、上記フラグF1とは
別に用意されたフラグF2がセットされているか否かが
判別される(ステップS23)。その結果、フラグF2
がセットされていると判別されると、現在発生している
警報が誤警報であったときには直ちに停止させなければ
ならないので、下記(45)式に示すように、上記平均値D
avの絶対値が予め定める第1しきい値DTH3 (たとえば
TH3 =0.05)未満であるか否かが判別される(ステッ
プS24)。
【0070】 |Dav|<DTH3 ‥‥(45) この結果、上記(45)式が満足されたと判別されると、タ
イヤWi の空気圧はすべて正常であり現在発生している
警報は誤警報であるとみなされ、フラグF2はリセット
される(ステップS25)。一方、上記(45)式は満足し
ないと判別されると、いずれかのタイヤWi の空気圧が
低下しているとみなされ、フラグF2はセット状態のま
ま維持される(ステップS26)。
【0071】一方、上記ステップS23での判別の結
果、フラグF2はセットされていないと判別されると、
下記(46)式に示すように、上記平均値Davの絶対値が上
記第1しきい値DTH3 よりも大きい第2しきい値DTH4
(たとえばDTH4 =0.1 )未満であるか否かが判別され
る(ステップS27)。 |Dav|<DTH4 ‥‥(46) この結果、上記(46)式が満足されたと判別されると、上
記ステップS26と同じように、タイヤWi の空気圧は
すべて正常であるとみなされ、フラグF2はリセットさ
れる(ステップS28)。一方、上記(46)式は満足しな
いと判別されると、フラグF2はセットされる(ステッ
プS26)。
【0072】このように、フラグF2をセットするかリ
セットするかのしきい値を第1しきい値DTH3 ,第2し
きい値DTH4 と変えてヒステリシス特性を持たせること
で、警報が発生しにくい、警報がいったん発生する
と停止しにくい、という2つの効果を得ることができ
る。その結果、たとえば車両が比較的長いカーブを走行
しているような誤警報が発生しやすい状況であっても、
警報を正確に発生させることができる。
【0073】以上、ステップS15〜S18において車
両の速度Vに関係のない警報発生準備処理が行われ、ス
テップS20〜S28において高速時の警報発生準備処
理が行われた結果、フラグF1,F2はセットまたはリ
セットされている。図5のステップS29では、上記フ
ラグF1またはフラグF2のうちいずれか一方でもセッ
トされているか否かが判別される。その結果、いずれか
一方でもセットされてると判別されると、いずれかのタ
イヤWi の空気圧が低下していると判別され、警報が発
生される(ステップS30)。この警報発生は、たとえ
ば図1に示す表示器3で行われる。一方、いずれのフラ
グF1,F2もリセットされていると判別されると、タ
イヤWi の空気圧はすべて正常であるとみなされ、警報
発生が禁止される(ステップS31)。
【0074】なお、警報発生に関連して、単に空気圧が
低下していることだけをドライバに報知するよりも、い
ずれのタイヤWi の空気圧が低下しているのかも報知で
きる方が、ドライバにとってはよりわかりやすくなる。
そこで、次に、空気圧が低下しているタイヤWi を特定
する方法について説明する。上記(41)式により求められ
た判定値Di ′に基づくと、 Di ′>0であれば、減圧しているタイヤはW1 または
4i ′<0であれば、減圧しているタイヤはW2 または
3 と特定できる。さらに、この場合において、車両が直進
状態では、 F21 >F22 ならば、減圧しているタイヤはW1 F21 <F22 ならば、減圧しているタイヤはW2 F23 >F24 ならば、減圧しているタイヤはW3 F23 <F24 ならば、減圧しているタイヤはW4 と特定できる。
【0075】以上の結果、空気圧が低下しているタイヤ
i が特定されると、その結果は表示器3へ出力されて
表示される。表示器3における表示形態としては、たと
えば図2に示すように、4つのタイヤW1 ,W2
3 ,W4 に対応する表示ランプのうち、特定されたタ
イヤWi に対応する表示ランプを点灯させる、あるいは
4つの表示ランプを同時に点灯させるようにされてい
る。
【0076】次に、2つの駆動タイヤWi のうちいずれ
か一方の駆動タイヤWi の空気圧が低下している場合に
おいて、制動時に限って高速時における警報発生準備処
理を行う理由について説明する。2つの駆動タイヤWi
のうちいずれか一方の駆動タイヤWi の空気圧が低下し
ている場合において、高速走行中の駆動時には、上記
「発明が解決しようとする課題」の欄で詳述したよう
に、正常内圧のタイヤWi の回転角速度ω0 と空気圧が
低下しているタイヤWi の回転角速度ω1 との差はほと
んどなくなる。
【0077】一方、「発明が解決しようとする課題」の
欄で用いた上記(10)〜(12)式を利用して制動時における
同じく「発明が解決しようとする課題」の欄で用いた上
記(9) 式を変形すると、正常内圧のタイヤWi の回転角
速度ω0 、および空気圧が低下しているタイヤWi の回
転角速度ω1 は、それぞれ、
【0078】
【数10】
【0079】となる。ここで、上記(47),(48)式から次
の′,′のような事実を導き出すことができる。 ′ 空気圧低下に伴うタイヤWi の有効ころがり半径
rの低下が当該タイヤWi の回転角速度ω1 を増加させ
る要因となっている。
【0080】′ 制動時にはFx >0なので、上記(4
8)式の中括弧の部分は上記(47)式の括弧の部分よりも大
きくなる。したがって、空気圧が低下しているタイヤW
i の回転角速度ω1 はその増加傾向が助長される。その
ため、制動時には、空気圧が低下しているタイヤWi
回転角速度ω1 と正常内圧のタイヤWi の回転角速度ω
0 との差は大きくなる。
【0081】以上のように、空気圧が低下しているタイ
ヤWi の回転角速度Fi と正常内圧のタイヤWi の回転
角速度Fi との差は、車両の駆動時にはほとんどなくな
り、車両の制動時には逆に大きくなる。したがって、判
定値Di ′は、図7に示すように、車両の高速走行時に
は、制動状態(前後加速度Aが負の範囲)において0以
外の値をとる。そのため、車両の制動時に限って高速時
の警報発生準備処理を行っている。
【0082】以上のようにこの実施例のタイヤ空気圧低
下検出装置によれば、タイヤWi の回転角速度F2i
求められると判定を行う低速用の空気圧低下判定と、タ
イヤWi の回転角速度F2i が求められた後、車両が高
速で走行し、かつ車両が制動状態であるという条件を満
足した場合に行う高速用の空気圧低下判定とを用意して
いるので、車両がどの程度の速度で走行しているかにか
かわらず、タイヤの空気圧が低下しているか否かを正確
に検出できる。したがって、警報の誤発生/誤禁止を防
止できる。そのため、ドライバの警報に対する信頼性の
向上を図ることができるので、交通安全の向上を図るこ
とができる。
【0083】なお、上記実施例では、タイヤWi の回転
角速度F2i に基づいて車両の前後加速度Aを求め、こ
の求められた車両の前後加速度Aに基づいて車両が制動
状態であるか否かを判別しているが、たとえばフットブ
レーキによる制動時には、各タイヤWi のブレーキパッ
ドの擦り減り方などによって各タイヤWi の回転角速度
F2i がばらつくため、車両の前後加速度Aを正確に求
めることはできない。また、現在の車速を維持するため
の駆動力よりも小さい駆動力がタイヤWi に作用してい
るときには、車両が制動状態ではないのにもかかわら
ず、前後加速度Aが負となる。そのため、エンジンブレ
ーキによる制動状態を車両の制動状態とすることが望ま
しい。
【0084】この発明の実施例の説明は以上のとおりで
あるが、この発明は上述の実施例に限定されるものでは
ない。たとえば上記実施例では、車両が相対的に低速で
走行しているかまたは相対的に高速で走行しているかに
それぞれ対応した判定を行う例について説明したが、た
とえば車両が直線走行中か旋回中か、または車両が加速
中か定速中か減速中かにそれぞれ対応した判定を行うよ
うにしてもよい。
【0085】また、上記実施例では、図4のステップS
20〜ステップS28によって高速時の警報発生準備処
理が行われているが、たとえば上記ステップS20〜S
28の中のステップS22〜S28の処理を図8に示す
ステップP1〜P4の処理に置き換えてもよい。より具
体的に説明すると、図8において、判定値Di ′がn個
保持されている場合には、各判定値Di ′の絶対値がす
べて第2しきい値DTH4 以上であるか否かが判別される
(ステップP1)。その結果、すべての判定値Di ′の
絶対値が第2しきい値DTH4 以上であれば、いずれかの
タイヤWi の空気圧が低下しているとみなされ、警報を
発生させるため、フラグF2がセットされる(ステップ
P2)。
【0086】一方、判定値Di ′の絶対値のうち1つで
も第2しきい値DTH4 未満であれば、次に判定値Di
の絶対値のすべてが上記第2しきい値DTH4 よりも小さ
い第1しきい値DTH3 未満であるか否かが判別される
(ステップP3)。その結果、すべての判定値Di ′の
絶対値が第1しきい値DTH3 未満であると判別される
と、タイヤWi は正常内圧であるとみなされ、フラグF
2がリセットされる(ステップP4)。
【0087】その他この発明の範囲内で種々の設計変更
を施すことは可能である。
【0088】
【発明の効果】以上のように請求項1または3記載のタ
イヤ空気圧低下検出方法またはタイヤ空気圧低下検出装
置によれば、車両の走行状態にそれぞれ適した判定手段
が複数用意されているので、車両の走行状態に応じた判
定をいずれかの判定手段において実現できる。したがっ
て、車両の走行状態にかかわらず、タイヤの空気圧が低
下しているか否かを正確に検出できるので、警報の誤発
生/誤禁止を防止できる。そのため、ドライバの警報に
対する信頼性を向上することができるので、交通安全の
向上を図ることができる。
【0089】また、請求項2または4記載のタイヤ空気
圧低下検出方法またはタイヤ空気圧低下検出装置によれ
ば、回転角速度が検出されると判定を行う低速用判定手
段だけでなく、回転角速度が検出された後、車両の速度
がしきい値以上であって、かつ車両が制動状態であると
いう条件が満足された場合に判定を行う高速用判定手段
が用意されているので、車両がどの程度の速度で走行し
ているかにかかわらず、タイヤの空気圧が低下している
か否かを正確に検出できる。したがって、警報の誤発生
/誤禁止を防止できる。そのため、ドライバの警報に対
する信頼性を向上することができるので、交通安全の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のタイヤ空気圧低下検出装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記タイヤ空気圧低下検出装置の電気的構成を
示すブロック図である。
【図3】上記タイヤ空気圧低下検出装置における警報発
生/停止処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】同じく、上記タイヤ空気圧低下検出装置におけ
る警報発生/停止処理を説明するためのフローチャート
である。
【図5】同じく、上記タイヤ空気圧低下検出装置におけ
る警報発生/停止処理を説明するためのフローチャート
である。
【図6】タイヤの空気圧低下の判定方法を説明するため
の図である。
【図7】車両の高速走行時においては、前後加速度が負
の範囲において、判定値が0以外の値をとることを説明
するための図である。
【図8】この発明の他の実施例にかかる高速走行時の警
報発生準備処理を説明するためのフローチャートであ
る。
【図9】2つの駆動タイヤのうちいずれか一方の駆動タ
イヤの空気圧が低下している場合、車両の速度が上昇し
たときには、判定値が0に近づくことを説明するための
図である。
【符号の説明】
1 車輪速センサ 2 制御ユニット CNT カウンタ Wi ,W1 〜W4 タイヤ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に備えられている4つのタイヤの各回
    転角速度を検出し、 車両の走行状態にそれぞれ適した複数の判定手段におい
    て、上記検出された各回転角速度に基づいて、タイヤの
    空気圧が低下しているか否かを判定し、 上記複数の判定手段のうち少なくとも1つの判定手段に
    おいてタイヤの空気圧が低下していると判定された場合
    には、警報を発生させることを特徴とするタイヤ空気圧
    低下検出方法。
  2. 【請求項2】上記判定手段は、回転角速度が検出される
    と、この検出された各回転角速度に基づいて、タイヤの
    空気圧が低下しているか否かを判定する低速用判定手段
    と、回転角速度が検出されると、車両の速度が予め定め
    るしきい値以上であって、かつ車両が制動状態である場
    合にのみ、上記検出された回転角速度に基づいて、タイ
    ヤの空気圧が低下しているか否かを判定する高速用判定
    手段とを含むものであることを特徴とする請求項1記載
    のタイヤ空気圧低下検出方法。
  3. 【請求項3】車両に備えられている4つのタイヤの各回
    転角速度を検出する回転角速度検出手段と、 この回転角速度検出手段で検出された各回転角速度に基
    づいて、タイヤの空気圧が低下しているか否かを判定す
    る、車両の走行状態にそれぞれ適した複数の判定手段
    と、 この複数の判定手段のうち少なくとも1つの判定手段に
    おいてタイヤの空気圧が低下していると判定された場合
    には警報を発生する警報発生制御手段とを含むことを特
    徴とするタイヤ空気圧低下検出装置。
  4. 【請求項4】車両の速度を検出する速度検出手段と、 この速度検出手段で検出された車両の速度が予め定める
    しきい値以上であるか否かを判別する判別手段と、 車両が制動状態であるか否かを検出する制動状態検出手
    段とをさらに含み、 上記判定手段は、上記回転角速度検出手段で各回転角速
    度が検出されると、この検出された各回転角速度に基づ
    いて、タイヤの空気圧が低下しているか否かを判定する
    低速用判定手段と、上記回転角速度検出手段で各回転角
    速度が検出されると、上記判別手段において上記速度検
    出手段で検出された車両の速度が上記しきい値以上であ
    ると判別され、かつ上記制動状態検出手段において車両
    は制動状態であると検出された場合にのみ、上記検出さ
    れた回転角速度に基づいて、タイヤの空気圧が低下して
    いるか否かを判定する高速用判定手段とを含むものであ
    ることを特徴とする請求項3記載のタイヤ空気圧低下検
    出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006510544A (ja) * 2002-12-20 2006-03-30 コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト 間接的測定によりタイヤ圧検出システムを改良する方法
CN105699011A (zh) * 2016-03-25 2016-06-22 公安部交通管理科学研究所 模拟汽车轮胎旋转和内部气压变化的台架测试系统
JP2018034573A (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 トヨタ自動車株式会社 タイヤ空気圧監視システム

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