JPH08216417A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法

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JPH08216417A
JPH08216417A JP2414295A JP2414295A JPH08216417A JP H08216417 A JPH08216417 A JP H08216417A JP 2414295 A JP2414295 A JP 2414295A JP 2414295 A JP2414295 A JP 2414295A JP H08216417 A JPH08216417 A JP H08216417A
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JP
Japan
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recording liquid
substrate
liquid chamber
ink jet
jet head
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JP2414295A
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English (en)
Inventor
Takashi Kuhara
隆 久原
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、記録液吐出時における化学的反
応、電気化学的反応に対する耐久性を向上することがで
き、これにより、印字寿命を延命化できるとともに記録
液の吐出性を向上することができ、信頼性に優れたイン
クジェットヘッド及びその製造方法を提供することを目
的とする。 【構成】 本発明のインクジェットヘッド1aは、記録
液を吐出するための能動素子3が配設された記録液室6
の基板が、JIS(R3502)に規定するアルカリ溶
出量2.00Na2Omg以下,好ましくは1.00Na2
Omg以下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましく
は1×109Ωm以上のガラス基板2aである構成を有
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録液を物理的原理及
び化学的原理により紙面表面に移動させて印字を行うイ
ンクジェット記録方式のプリンターに用いられるインク
ジェットヘッドに関する。更に詳しくは記録液を吐出す
るための能動素子が配設された基板を有するインクジェ
ットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方式のプリン
ター(以下インクジェットプリンターと称す)等が広く
実用化されている。このインクジェット記録方式として
は、記録液室に充填された記録液を抵抗加熱ヒーター
等の熱発生源で加熱・沸騰させ、この加熱・沸騰により
生じた沸騰気泡の膨張力により記録液をノズル孔等の方
向制御機構を有する記録液吐出部(以下記録液吐出部と
称す)から吐出させ、紙面上に印字させる方法(以下熱
的方法と称す),記録液に高電圧を掛けることにより
生じた静電場により記録液を記録液吐出部から吐出さ
せ、紙面上に印字させる方法(以下静電的方法と称
す),圧電素子の機械的運動により記録液に圧力を加
えその記録液を記録液吐出部から吐出させ、紙面上に印
字させる方法(以下機械的方法と称す),磁性材料を
添加した記録液に外部電磁場を掛けることにより記録液
に運動エネルギーを与え、記録液を記録液吐出部から吐
出させ、紙面上に印字させる方法(以下磁気的方法と称
す),導電性材料を添加した記録液に電気エネルギー
を与えて記録液を加熱・沸騰させ、記録液の自己発熱よ
り生じた沸騰気泡の膨張力により記録液吐出部から吐出
させ、紙面上に印字させる方法(以下電気的方法と称
す)等、多数の動作原理が提案されている。また、これ
らの動作原理を実現させる熱発生源,電極,圧電素子等
の能動素子においても、様々な方法,構造及び製造方法
が提案されている。さらに、印字品質の向上に伴い、よ
り高解像度の印字パターンが要求されているため、前述
した能動素子の殆どが薄膜技術により形成されている。
また、使用されている記録液も印字品質の向上のため、
様々な組成のものが開発されている。例えば、記録液の
構成としては、色材(染料;アゾ染料,酸性染料,塩基
性染料,直接染料等、顔料;カーボンブラック,アゾレ
ーキ顔料,不溶性アゾ顔料,縮合アゾ顔料,キレートア
ゾ顔料,フタロシアニン顔料,ベリレン顔料,ベリノン
顔料,アトラキノン顔料,キナクリドン顔料,ジオキサ
ジン顔料,チオインジコ顔料,イソインドリノン顔料,
キノフタロン顔料,塩基性染料型レーキ,酸性染料型レ
ーキ,ニトロ顔料,アニリンブラック,蛍光顔料,酸化
チタン,酸化鉄等)、溶媒(水等)、溶剤(エチルアル
コール,メチルアルコール,n−プロピルアルコール,
イソプロピルアルコール,n−ブチルアルコール,se
c−ブチルアルコール,tert−ブチルアルコール,
イソブチルアルコール,n−ペンタノール,ジエチレン
グリコール等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテ
ル類等)、乾燥防止剤(エチレングリコール,塩化リチ
ウム,グリセリン,尿素,ソルビタン,ソルビトール,
イノシトール,キレート剤等)、粘度調整剤(グリセリ
ン等)、表面張力調整剤(ジエタノールアミン,トリエ
タノールアミン,アニオン系界面活性剤,ノニオン系活
性剤等)、pH調整剤(水酸化カリウム(KOH),水
酸化ナトリウム(NaOH),ジエタノールアミン
等)、分散剤(蛋白質類,天然ゴム類,セルロース誘導
体,天然高分子,非イオン性高分子,陰イオン界面活性
剤,非イオン界面活性剤等)、発泡剤(イソプロピルア
ルコール,多価アルコール等)、電気伝導度付与剤(ジ
エタノールアミン,モノエタノールアミン等の有機化合
物塩,リチウム(Li)等からなるアルカリ金属化合
物,硫酸アンモニウム,塩化リチウム,塩化ナトリウ
ム,塩化カリウム等)、酸化防止剤(ビタミンC,亜硫
酸ナトリウム,ハイドロキノン,ピラゾリドン,ヒドラ
ジン等)、防腐剤(アルコール,ホルマリン,オマシン
ナトリウム等)等が各動作原理に応じて種々選択され、
使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、複雑な構成の記録液を熱的方法,電気的方
法,磁気的方法,機械的方法,静電的方法を用いた方法
等により、紙面表面に移動させて印字する場合、記録液
吐出時の発熱や電気エネルギーにより起こる化学的反
応,電気化学的反応によって、基板や能動素子が大きな
ダメージを受けてしまい、この結果、耐久性や信頼性に
欠けるという問題点を有していた。すなわち、熱的方
法では、抵抗加熱ヒーター等の熱発生源の発熱により記
録液と基板材料が反応し、基板材料が腐食溶解を起こし
断線を起こしてしまうという問題点を有していた。ま
た、静電的方法では、記録液に電気伝導度付与剤を添
加しているため、基板と記録液の間で電気化学的反応が
起き、この結果、反応ガスの発生や電極溶解を起こして
しまうという問題点を有していた。また、機械的方法
では、圧電素子と基板材料が電気化学的反応によりダメ
ージを受け、剥離を起こしてしまうという問題点を有し
ていた。また、磁気的方法では、記録液に電磁場を与
える電極が記録液との化学反応によりダメージを受け、
剥離を起こしてしまうという問題点を有していた。ま
た、電気的方法では、記録液に電気エネルギーを与え
るための電極と基板材料が電気化学的反応によりダメー
ジを受け剥離を起こしてしまうという問題点を有してい
た。さらに、耐久性の低下にともなって記録液吐出部か
ら吐出された記録液のドット形状が不安定となり、例え
ばスプラッシュ状となり、印字特性等の信頼性に欠ける
という問題点を有していた。
【0004】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、記録液吐出時における化学的反応、電気化学的反応
に対する耐久性を向上することができ、これにより、印
字寿命を延命化できるとともに記録液の吐出性を向上す
ることができ、印字特性等の信頼性に優れたインクジェ
ットヘッドを提供すること、及び、高耐久性,高信頼性
のインクジェットヘッドを高い歩溜まりで安定して製造
できる作業性や生産性,量産性に優れたインクジェット
ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、以下の構成を有している。すなわち、請求
項1に記載のインクジェットヘッドは、記録液が充填さ
れる記録液室と、記録液室に連通又は連設された記録液
吐出部と、を備えたインクジェットヘッドであって、記
録液を吐出するための能動素子が配設された記録液室の
基板が、JIS(R3502)に規定するアルカリ溶出
量2.00Na2Omg以下,好ましくは1.00Na2
mg以下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは
1×109Ωm以上のガラス基板である構成を有してい
る。
【0006】請求項2に記載のインクジェットヘッド
は、請求項1において、ガラス基板の膨張係数が、30
×10-7〜180×10-7/℃である構成を有してい
る。
【0007】請求項3に記載のインクジェットヘッド
は、記録液が充填される記録液室と、記録液室に連通又
は連設された記録液吐出部と、を備えたインクジェット
ヘッドであって、記録液を吐出するための能動素子が配
設された記録液室の基板が、表面に被膜された水ガラス
膜を有する比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×
109Ωm以上の絶縁基板である構成を有している。
【0008】請求項4に記載のインクジェットヘッド
は、記録液が充填される記録液室と、記録液室に連通又
は連設された記録液吐出部と、を備えたインクジェット
ヘッドであって、記録液を吐出するための能動素子が配
設された記録液室の基板が、表面に被膜された水ガラス
膜を有する比抵抗1×103Ωm以上,好ましくは5×
103Ωm以上の半導体基板である構成を有している。
【0009】請求項5に記載のインクジェットヘッド
は、記録液が充填される記録液室と、記録液室に連通又
は連設された記録液吐出部と、を備えたインクジェット
ヘッドであって、記録液を吐出するための能動素子が配
設された記録液室の基板が、表面に被膜されたJIS
(R3502)に準拠した水に対する基板材料の溶解量
2.00mg以下,好ましくは1.00mg以下で、かつ比
抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×109Ωm以上
の金属酸化物膜を有する絶縁基板である構成を有してい
る。
【0010】請求項6に記載のインクジェットヘッド
は、記録液が充填される記録液室と、記録液室に連通又
は連設された記録液吐出部と、を備えたインクジェット
ヘッドであって、記録液を吐出するための能動素子が配
設された記録液室の基板が、表面に被膜されたJIS
(R3502)に準拠した水に対する基板材料の溶解量
2.00mg以下,好ましくは1.00mg以下で、かつ比
抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×109Ωm以上
の金属酸化物膜を有する比抵抗1×103Ωm以上,好
ましくは5×103Ωm以上の半導体基板である構成を
有している。
【0011】請求項7に記載のインクジェットヘッド
は、記録液が充填される記録液室と、記録液室に連通又
は連設された記録液吐出部と、を備えたインクジェット
ヘッドであって、記録液を吐出するための能動素子が配
設された記録液室の基板が、表面に被膜されたJIS
(R3502)に準拠した水に対する基板材料の溶解量
2.00mg以下,好ましくは1.00mg以下で、かつ比
抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×109Ωm以上
の酸化物半導体膜を有する絶縁基板である構成を有して
いる。
【0012】請求項8に記載のインクジェットヘッド
は、記録液が充填される記録液室と、記録液室に連通又
は連設された記録液吐出部と、を備えたインクジェット
ヘッドであって、記録液を吐出するための能動素子が配
設された記録液室の基板が、表面に被膜されたJIS
(R3502)に準拠した水に対する基板材料の溶解量
2.00mg以下,好ましくは1.00mg以下で、かつ比
抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×109Ωm以上
の酸化物半導体膜を有する比抵抗1×103Ωm以上,
好ましくは5×103Ωm以上の半導体基板である構成
を有している。
【0013】請求項9に記載のインクジェットヘッド
は、記録液が充填される記録液室と、記録液室に連通又
は連設された記録液吐出部と、を備えたインクジェット
ヘッドであって、記録液を吐出するための能動素子が配
設された記録液室の基板が、表面に被膜されたJIS
(R3502)に準拠した水に対する基板材料の溶解量
2.00mg以下,好ましくは1.00mg以下で、かつ比
抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×109Ωm以上
の窒化物半導体膜を有する絶縁基板である構成を有して
いる。
【0014】請求項10に記載のインクジェットヘッド
は、記録液が充填される記録液室と、記録液室に連通又
は連設された記録液吐出部と、を備えたインクジェット
ヘッドであって、記録液を吐出するための能動素子が配
設された記録液室の基板が、表面に被膜されたJIS
(R3502)に準拠した水に対する基板材料の溶解量
2.00mg以下,好ましくは1.00mg以下で、かつ比
抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×109Ωm以上
の窒化物半導体膜を有する比抵抗1×103Ωm以上,
好ましくは5×103Ωm以上の半導体基板である構成
を有している。
【0015】請求項11に記載のインクジェットヘッド
は、請求項3乃至10の内いずれか1において、水ガラ
ス膜,金属酸化物膜,酸化物半導体膜又は窒化物半導体
膜の厚みが、0.05〜50μm,好ましくは0.1〜
10μmである構成を有している。
【0016】請求項12に記載のインクジェットヘッド
の製造方法は、請求項3乃至11の内いずれか1に記載
のインクジェットヘッドの製造方法であって、絶縁基板
又は半導体基板の表面に、スパッタリング法,イオンプ
レーティング法,熱分解法,物理蒸着法,反応ガスとし
て酸素ガス,窒素ガス,アルゴンガス,キセノンガスを
用いた反応性スパッタリング法,反応性イオンプレーテ
ィング法等の内いずれか1により、金属酸化物膜,酸化
物半導体膜,又は窒化物半導体膜を被膜する被膜工程を
備えた構成を有している。
【0017】ここで、ガラス基板としては、カリ石灰ガ
ラス,ソーダ石灰ガラス,硼珪酸ガラス,クラウンガラ
ス,亜鉛クラウンガラス,ソーダカリガラス,バリウム
硼珪酸ガラス,96%珪酸ガラス,99.5%珪酸ガラ
ス,燐酸ガラス,低融点ガラス,リチウム珪酸ガラス,
亜鉛アルミ珪酸ガラス,珪酸ジルコニウムガラス等のガ
ラス等が好適に用いられる。熱的,化学的に安定してい
るからである。ガラス基板としては、JIS(R350
2)に規定するアルカリ溶出量2.00Na2Omg以
下,好ましくは1.00Na2Omg以下,更に好ましく
は0.50Na2Omg以下とされるのが好ましい。ガラ
ス基板のアルカリ溶出量が0.50Na2Omgより大き
くなるにつれ記録液吐出部から記録液を吐出する際にこ
の記録液にかかる電気エネルギー等によりガラス基板と
記録液との間に化学的反応や電気化学的反応が生じてガ
ラス基板が溶解し、能動素子が剥離する等、信頼性が低
下する傾向が現れだし、2.00Na2Omgより大きく
なると特にその傾向が著しくなるので、好ましくない。
また、ガラス基板としては、比抵抗1×108Ωm以
上,好ましくは1×109Ωm以上,更に好ましくは1
×1010Ωm以上とされるのが好ましい。ガラス基板の
比抵抗が1×1010Ωmより小さくなるにつれ能動素子
に流れる電流が基板にリークし易くなり能動素子が剥離
するなど信頼性が低下する傾向が現れだし、1×108
Ωmより小さくなると特にその傾向が著しくなるので、
好ましくない。また、ガラス基板の膨張係数は、表面に
形成される能動素子の膨張係数に合わせて、30×10
-7/℃〜180×10-7/℃から適宜選択されるのが好
ましい。能動素子との密着性を向上させることができ
る。
【0018】絶縁基板としては、前記ガラス等の他、酸
化アルミニウム(アルミナ,Al23),酸化チタン
(チタニア,TiO2),ステアタイト(MgO・Si
2),ホルステライト(2MgO・SiO2),ベリリ
ア(BeO),スピネル(MgO・Al23)等のセラ
ミックス等が好適に用いられる。熱的,化学的に安定し
ているからである。絶縁基板の表面に水ガラス膜を被膜
する場合、その比抵抗は、1×108Ωm以上,好まし
くは1×109Ωm以上,更に好ましくは1×1010Ω
m以上とされるのが好ましい。絶縁基板の比抵抗が1×
1010Ωmより小さくなるにつれ特に表面に被膜された
水ガラス膜にピンホール等の欠陥が生じていた場合、能
動素子等にかかる電流がこの絶縁基板にリークしてしま
い、能動素子が剥離する等、信頼性が低下する傾向が現
れだし、1×108Ωmより小さくなると特にその傾向
が著しくなるので、好ましくない。また、絶縁基板の表
面にピンホール等の欠陥を生じさせずに水ガラス膜を被
膜させることができる場合、絶縁基板の比抵抗は特に限
定されるものでない。また、絶縁基板の表面に、金属酸
化物膜,酸化物半導体膜又は窒化物半導体膜を被膜した
場合、絶縁基板の比抵抗は特に限定されることはない
が、前述した比抵抗値のものを用いてもよい。
【0019】半導体基板としては、シリコン,炭化シリ
コン,ダイアモンド,ゲルマニウム等が好適に用いられ
る。半導体基板としては、比抵抗1×103Ωm以上,
好ましくは5×103Ωm以上,更に好ましくは1×1
4Ωm以上とされるのが好ましい。半導体基板の比抵
抗が1×104Ωmより小さくなるにつれ特に表面に被
膜された水ガラス膜,金属酸化物膜,酸化物半導体膜又
は窒化物半導体膜にピンホール等の欠陥が生じていた場
合、能動素子等にかかる電流がこの半導体基板にリーク
してしまい、能動素子が剥離する等、信頼性が低下する
傾向が現れだし、1×103Ωmより小さくなると特に
その傾向が著しくなるので、好ましくない。
【0020】水ガラス膜としては、JIS(R350
2)に規定するアルカリ溶出量2.00Na2Omg以
下,好ましくは1.00Na2Omg以下,更に好ましく
は0.50Na2Omg以下とされるのが好ましい。水ガ
ラス膜のJIS(R3502)に規定するアカリ溶出量
が0.50Na2Omgより大きくなるにつれ水ガラスが
記録液中に溶出し易くなり耐久性が低下する傾向が現れ
だし、2.00Na2Omgより大きくなると特にその傾
向が著しくなるので、好ましくない。また、水ガラス膜
としては、JIS(R3502)に準拠した水に対する
絶縁基板又は半導体基板の各材料(以下基板材料と称
す)の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.00mg以
下,更に好ましくは0.50mg以下とされるのが好まし
い。水ガラス膜のJIS(R3502)に準拠した水に
対する基板材料の溶解量が0.50mgより大きくるにつ
れ基板材料を記録液中に溶出させ易くなり耐久性が低下
する傾向が現れだし、2.00mgより大きくなると特に
その傾向が著しくなるので、好ましくない。また、水ガ
ラス膜としては、比抵抗1×108Ωm以上,好ましく
は1×109Ωm以上,1×1010Ωm以上とされるの
が好ましい。水ガラス膜の比抵抗が1×1010Ωmより
小さくなるにつれ電極等の能動素子にかかる電流が基板
にリークし易くなり能動素子が剥離するなど信頼性が低
下する傾向が現れだし、1×108Ωmより小さくなる
と特にその傾向が著しくなるので、好ましくない。さら
に、水ガラス膜としては、膨張係数30×10-7〜18
0×10-7/℃とされるのが好ましい。表面に形成され
る能動素子の膨張係数に合わせて、水ガラス膜の膨張係
数を30×10-7/℃〜180×10-7/℃から適宜選
択することにより、能動素子との密着性を向上させるこ
とができる。
【0021】金属酸化物膜としては、酸化チタン,酸化
アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化ベリリウム,酸
化タンタル等が挙げられる。金属酸化物膜としては、J
IS(R3502)に準拠した水に対する基板材料の溶
解量2.00mg以下,好ましくは1.00mg以下,更に
好ましくは0.50mg以下とされるのが好ましい。金属
酸化物膜のJIS(R3502)に準拠した水に対する
基板材料の溶解量が0.50mgより大きくなるにつれ基
板材料を記録液中に溶出させ易くなり耐久性が低下する
傾向が現れだし、2.00mgより大きくなると特にその
傾向が著しくなるので、好ましくない。また、金属酸化
物膜としては、比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは
1×109Ωm以上,更に好ましくは1×1010Ωm以
上とされるのが好ましい。金属酸化物膜の比抵抗が1×
1010Ωmより小さくなるにつれ電極等の能動素子にか
かる電流が基板にリークし易くなり能動素子が剥離する
など信頼性が低下する傾向が現れだし、1×108Ωm
より小さくなると特にその傾向が著しくなるので、好ま
しくない。
【0022】酸化物半導体膜としては、SiO2,Si
O,ZnO,TiO,NiO等が挙げられる。酸化物半
導体膜としては、JIS(R3502)に準拠した水に
対する基板材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは
1.00mg以下,更に好ましくは0.50mgとされるの
が好ましい。酸化物半導体膜のJIS(R3502)に
準拠した水に対する基板材料の溶解量が0.50mgより
大きくなるにつれ基板材料を記録液中に溶出させ易くな
り能動素子が剥離するなど信頼性が低下する傾向が現れ
だし、2.00mgより大きくなると特にその傾向が著し
くなるので、好ましくない。また、酸化物半導体膜とし
ては、比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×109
Ωm以上,更に好ましくは1×1010Ωm以上とされる
のが好ましい。酸化物半導体膜の比抵抗が1×1010Ω
mより小さくなるにつれ電極等の能動素子にかかる電流
が基板にリークし易くなり能動素子が剥離するなど信頼
性が低下する傾向が現れだし、1×108Ωmより小さ
くなると特にその傾向が著しくなるので、好ましくな
い。
【0023】窒化物半導体膜としては、Si34,Si
N,GaN等が挙げられる。窒化物半導体膜としては、
JIS(R3502)に準拠した水に対する基板材料の
溶解量2.00mg以下,好ましくは1.00mg以下,更
に好ましくは0.50mg以下とされるのが好ましい。窒
化物半導体膜のJIS(R3502)に準拠した水に対
する基板材料の溶解量が0.50mgより大きくなるにつ
れ基板材料を記録液中に溶出させ易くなり能動素子が剥
離するなど信頼性が低下する傾向が現れだし、2.00
mgより大きくなると特にその傾向が著しくなるので、好
ましくない。また、窒化物半導体膜としては、比抵抗1
×108Ωm以上,好ましくは1×109Ωm以上,更に
好ましくは1×1010Ωm以上とされるのが好ましい。
窒化物半導体膜の比抵抗が1×1010Ωmより小さくな
るにつれ電極等の能動素子にかかる電流が基板にリーク
し易くなり能動素子が剥離するなど信頼性が低下する傾
向が現れだし、1×108Ωmより小さくなると特にそ
の傾向が著しくなるので、好ましくない。
【0024】これら水ガラス膜や金属酸化物膜,酸化物
半導体膜,窒化物半導体膜の厚みは、0.05μm〜5
0μm,好ましくは0.1μm〜10μm,更に好まし
くは0.1μm〜5μmとされるのが好ましい。水ガラ
ス膜や金属酸化物膜,酸化物半導体膜,窒化物半導体膜
の厚みが0.1μmより小さくなるにつれ電極等の能動
素子にかかる電流が基板にリークし易くなり能動素子が
剥離するなど信頼性が低下する傾向が現れだし、0.0
5μmより小さくなると特にその傾向が著しくなり、5
μmより大きくなるにつれ表面のアンジュレーションが
大きくなる傾向が現れだし、能動素子を流れる電流,電
流密度等が不安定になり印字特性等の信頼性が低下する
傾向が認められ、50μmより大きくなると特にその傾
向が著しくなるので、いずれも好ましくない。
【0025】前述した絶縁基板又は半導体基板の表面に
前述した水ガラス膜を被膜形成する方法としては、塗布
法,ディップ法,スピンコート法,印刷法等が挙げられ
る。また、前述した絶縁基板又は半導体基板の表面に前
述した金属酸化物膜,酸化物半導体膜,又は窒化物半導
体膜を被膜形成する方法としては、スパッタリング法,
イオンプレーティング法,熱分解法,蒸着法,反応ガス
として酸素ガス,窒素ガス,アルゴンガス,又はキセノ
ンガスの内いずれか1を用いた反応性スパッタリング
法,反応性イオンプレーティング法,反応性蒸着法等が
挙げられる。前述した水ガラス膜,金属酸化物膜,酸化
物半導体膜,又は窒化物半導体膜を被膜形成する場合、
前述した絶縁基板又は半導体基板の表面は、平均粗さR
a=10μm以下,好ましくはRa=1μm以下とされ
るのが好ましい。絶縁基板又は半導体基板の表面が平均
粗さRa=1μmより大きくなるにつれ段差により電極
抵抗が大きくなる傾向が現れだし、能動素子を流れる電
流,電流密度等が不安定になり印字特性等の信頼性が低
下する傾向が認められ、平均粗さRa=10μmより大
きくなると特にその傾向が著しくなるので、いずれも好
ましくない。
【0026】
【作用】この構成によって、以下の作用を奏する。すな
わち、 (1)JIS(R3502)に規定するアルカリ溶出量
2.00Na2Omg以下,好ましくは1.00Na2Omg
以下のガラス基板を用いたことにより、基板材料の記録
液中への溶出を防止することができ、これにより電極等
の能動素子と基板の密着性を向上させることができる。
また、比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×109
Ωm以上のガラス基板を用いたことことにより、電極等
の能動素子に流れる電流の基板へのリークを防止するこ
とができ、これにより電流が流れたことによる基板と記
録液との間に電気化学反応等を防止することができ、耐
久性を向上させることができる。
【0027】(2)ガラス基板の膨張係数を電極や圧電
素子等の能動素子の膨張係数に合わせて30×10-7
180×10-7/℃としたことにより、膨張係数の違い
による能動素子の剥離等を抑制することができる。
【0028】(3)絶縁基板の表面に水ガラス膜を被膜
したことにより、基板材料の記録液中への溶出を抑える
ことができる。また、絶縁基板の比抵抗を1×108Ω
m以上,好ましくは1×109Ωmとしたことにより、
たとえ水ガラス膜にピンホール等の欠陥が生じていても
能動素子等に印加された電流が前記欠陥からリークする
ことを防止でき、これにより基板と記録液との電気化学
反応等を抑えることができる。
【0029】(4)半導体基板の表面に水ガラス膜を被
膜したことにより、蓄熱を抑えることができ、基板と記
録液との化学反応等を抑えることができる。また、半導
体基板の比抵抗を1×103Ωm以上,好ましくは5×
103Ωm以上としたことにより、水ガラス膜に欠陥が
生じていても能動素子等に印加される電流のリークを防
止することができ、これにより基板と記録液との電気化
学反応等を抑えるこができる。
【0030】(5)絶縁基板の表面に金属酸化物膜を被
膜したことにより、絶縁性を向上させることができ、基
板と記録液との電気化学反応等を抑えることができる。
さらに、金属酸化物膜のJIS(R3502)に準拠し
た水に対する基板材料の溶解量を2.00mg以下,好ま
しくは1.00mg以下としたことにより、記録液中への
基板材料の溶出を抑えることができる。また、金属酸化
物膜の比抵抗1×10 8Ωm以上,好ましくは1×109
Ωm以上としたことにより、基板と記録液との間に電流
が流れるのを抑えることができ、基板と記録液との電気
化学反応等を抑えるこができる。
【0031】(6)半導体基板の表面に金属酸化物膜を
被膜したことにより、絶縁性を向上させることができる
とともに熱の蓄積を低減させることができる。さらに、
金属酸化物膜のJIS(R3502)に準拠した水に対
する基板材料の溶解量を2.00mg以下,好ましくは
1.00mg以下としたことにより、記録液中への基板材
料の溶出を抑えることができる。また、金属酸化物膜の
比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×109Ωm以
上としたことにより、基板と記録液との間に電流が流れ
るのを抑えることができ、基板と記録液との電気化学反
応等を抑えるこができる。また、半導体基板の比抵抗を
1×103Ωm以上,好ましくは5×103Ωm以上とし
たことにより、水ガラス膜に欠陥が生じていても能動素
子等に印加される電流のリークを防止することができ、
これにより基板と記録液との電気化学反応等を抑えるこ
ができる。
【0032】(7)絶縁基板の表面に酸化物半導体膜を
被膜したことにより、耐絶縁性と熱蓄積低減を図ること
ができる。また、酸化物半導体膜のJIS(R350
2)に準拠した水に対する基板材料の溶解量を2.00
mg以下,好ましくは1.00mg以下としたことにより、
基板材料の溶出防止を行うことができる。また、酸化物
半導体膜の比抵抗を1×108Ωm以上,好ましくは1
×109Ωm以上としたことにより、基板材料の溶出防
止を行うことができる。
【0033】(8)半導体基板の表面に酸化物半導体膜
を被膜したことにより、耐絶縁性と熱蓄積低減を図るこ
とができる。また、酸化物半導体膜のJIS(R350
2)に準拠した水に対する基板材料の溶解量を2.00
mg以下,好ましくは1.00mg以下としたことにより、
基板の溶出防止を行うことができる。また、酸化物半導
体膜の比抵抗を1×108Ωm以上,好ましくは1×1
9Ωm以上としたことにより、基板材料の溶出防止を
行うことができる。
【0034】(9)絶縁基板の表面に窒化物半導体膜を
被膜したことにより、耐絶縁性と熱蓄積低減を図ること
ができる。また、窒化物半導体膜のJIS(R350
2)に準拠した水に対する基板材料の溶解量2.00mg
以下,好ましくは1.00mg以下としたことにより、基
板の溶出防止を行うことができる。また、窒化物半導体
膜の比抵抗を1×108Ωm以上,好ましくは1×109
Ωm以上としたことにより、基板材料の溶出防止を行う
ことができる。
【0035】(10)半導体基板の表面に窒化物半導体
膜を被膜したことにより、耐絶縁性と熱蓄積低減を図る
ことができる。また、窒化物半導体膜のJIS(R35
02)に準拠した水に対する基板材料の溶解量2.00
mg以下,好ましくは1.00mg以下としたことにより、
基板の溶出防止を行うことができる。また、窒化物半導
体膜の比抵抗を1×108Ωm以上,好ましくは1×1
9Ωm以上としたことにより、基板材料の溶出防止を
行うことができる。
【0036】(11)水ガラス膜,金属酸化物膜,酸化
物半導体膜,又は窒化物半導体膜の厚みが,0.05〜
50μm,好ましくは0.1〜10μmである場合、基
板に電極等の能動素子に流れる電流のリークを効率よく
防止することができるとともに、能動素子に流れる電流
又は電流密度等を安定化することができ、印字特性等を
向上させることができる。
【0037】(12)絶縁基板,又は半導体基板の表面
に、スパッタリング法,イオンプレーティング法,熱分
解法,蒸着法,反応ガスとして酸素ガス,窒素ガス,ア
ルゴンガス,キセノンガスを用いた反応性スパッタリン
グ法,反応性イオンプレーティング法等の内いずれか1
により、金属酸化物膜,酸化物半導体膜,又は窒化物半
導体膜を被膜形成する被膜形成工程を備えたことによ
り、絶縁基板又は半導体基板の表面に金属酸化物膜,酸
化物半導体膜又は窒化物半導体膜を高い歩溜まりで安定
して被膜形成することができる。さらに、各膜の表面粗
度を容易に制御することができる。
【0038】
【実施例】以下本発明の一実施例におけるインクジェッ
トヘッドについて、図面を参照しながら説明する。
【0039】(実施例1)図1は本発明の第1実施例に
おけるインクジェットヘッドを示す要部断面模式図であ
り、図2は本発明の第1実施例におけるインクジェット
ヘッドの能動素子の能動素子対向部間を示す要部断面斜
視図である。1aは本発明の第1実施例におけるインク
ジェットヘッド、2aはJIS(R3502)に規定す
るアルカリ溶出量1.00Na2Omg以下で、かつ比抵
抗1×109Ωm以上で、かつ膨張係数30×10-7
℃〜180×10-7/℃のカリ石灰ガラス,ソーダ石灰
ガラス,硼珪酸ガラス,クラウンガラス,亜鉛クラウン
ガラス,ソーダカリガラス,バリウム硼珪酸ガラス,9
6%珪酸ガラス,99.5%珪酸ガラス,燐酸ガラス,
低融点ガラス,リチウム珪酸ガラス,亜鉛アルミ珪酸ガ
ラス,珪酸ジルコニウムガラス等のガラス等の絶縁材料
からなるガラス基板、3はガラス基板2aの上面に所定
間隔を持って形成された一対の電極からなる能動素子、
4は各能動素子3の所定部を露出してガラス基板2a及
び各能動素子3の上面に形成された絶縁層、5は絶縁層
4の上面に図1中A−A′線で示した後述する記録液室
6及び記録液吐出部7の中心線と図2中B−B′線で示
した各能動素子3の能動素子対向部間の中心垂線とを略
一致させて接着されたノズルプレート、6はガラス基板
2a,各能動素子3及び絶縁層4から形成された断面略
逆凸字状の溝部とノズルプレート5の下面に形成された
台錐形状の開口部とからなり導電性インク(図示せず)
が充填される記録液室、7は記録液室6に連通され導電
性インクを外方に吐出するノズル孔からなる記録液吐出
部である。尚、一方の能動素子3の他方の能動素子3と
対向する部位を能動素子対向部と称するものとする。
【0040】以上のように構成された本実施例のインク
ジェットヘッドについて、以下その製造方法を図面を参
照しながら説明する。図3は能動素子形成工程を示す要
部平面模式図であり、図4は能動素子形成工程を示す要
部断面模式図であり、図5は絶縁層形成工程を示す要部
平面模式図であり、図6は絶縁層形成工程を示す要部断
面模式図であり、図7はインク導入孔形成工程を示す要
部平面模式図であり、図8はノズルプレート接着工程を
示す要部平面模式図であり、図9はノズルプレート接着
工程を示す要部断面模式図である。図3乃至図9におい
て、8は記録液室6に連通されたインク流路、9はイン
ク流路8に連通されこのインク流路8を介して記録液室
6及び記録液吐出部7に導電性インクを供給するインク
導入孔である。まず、アルカリ溶出量1.00Na2Om
g以下で、かつ比抵抗1×109Ωm以上で、かつ膨張係
数30×10-7/℃〜180×10-7/℃のカリ石灰ガ
ラス,ソーダ石灰ガラス,硼珪酸ガラス,クラウンガラ
ス,亜鉛クラウンガラス,ソーダカリガラス,バリウム
硼珪酸ガラス,96%珪酸ガラス,99.5%珪酸ガラ
ス,燐酸ガラス,低融点ガラス,リチウム珪酸ガラス,
亜鉛アルミ珪酸ガラス,珪酸ジルコニウムガラス等のガ
ラス材料から選択されたガラス基板2aを準備した。こ
こで、基板の大きさや形状としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、直径φ3mm×厚み1mm、直径φ
3mm×厚み0.07mm等の円形状、縦幅37mm×横幅3
7mm×厚み1mm、縦幅37mm×横幅37mm×厚み0.0
7mm等の角形状等が挙げられる。次に、ガラス基板2a
の能動素子3と対向する一面(以下能動素子3対向面と
称す)を平均粗さRa=1μm以下に仕上げ研磨した。
次に、ガラス基板2aの能動素子3対向面に、チタン
(Ti),タンタル(Ta),タングステン(W),白
金(Pt),ハフニウム(Hf),クロム(Cr),ア
ルミニウム(Al)等の単金属,Ni−Fe,NiC
r,TiCr等の金属合金,酸化チタン,酸化ハフニウ
ム,酸化錫,酸化インジウム等の金属酸化物,窒化チタ
ン,窒化クロム等の金属窒化物,炭化チタン,炭化タン
グステン等の金属炭化物,アルチック等のセラミック
ス,炭素,炭素化物等から選択された導電性材料を、蒸
着法,イオンプレーティング法,スパッタリング法,反
応性スパッタリング法等の物理蒸着法,又は化学蒸着法
(以下CVD法と称す)等により被膜形成し、能動素子
形成用の金属薄膜(図示せず)を形成した。ここで、能
動素子3形成用の金属薄膜(又は各能動素子3)の厚み
は、0.5μm〜10μm,好ましくは0.5μm〜3
μmとされるのが好ましい。能動素子3の厚みが0.5
μmより小さくなるにつれ電気抵抗が上昇する傾向が現
れだし、能動素子3の厚みが3μmより大きくなるにつ
れ金属薄膜の内部応力が上昇する傾向が現れだし、10
μmより大きくなると特にその傾向が著しくなり、いず
れも好ましくない。次に、能動素子3形成用の金属薄膜
の上面にフォトレジストを塗布し、能動素子3の形状を
パターニングし、能動素子3形成用のエッチングマスク
を形成した。次に、エッチングマスクが被膜されていな
い金属薄膜の露出部を、ケミカルエッチング法,イオン
ミリング法,リアクティブイオンエッチング法等により
除去し、図3及び図4に示すように、能動素子3を形成
した。次に、各能動素子3の上面に、金(Au),銀
(Ag),銅(Cu),アルミニウム(Al),クロム
(Cr),チタン(Ti),白金(Pt),モリブデン
(Mo),タングステン(W),タンタル(Ta)等か
ら選択された能動素子3の材料(以下能動素子材料と称
す)より比抵抗の小さい導電性材料を、蒸着法,イオン
プレーティング法,スパッタリング法,反応性スパッタ
リング法等の物理蒸着法,又はCVD法等により被膜形
成し、後述する引出し電極形成用の金属薄膜(図示せ
ず)を形成した。ここで、引出し電極形成用の金属薄膜
(又は引出し電極)の厚みは、0.1μm〜5μm,好
ましくは0.5μm〜3μmとされるのが好ましい。金
属薄膜の厚みが0.5μmより小さくなるにつれ電気抵
抗が上昇する傾向が現れだし、0.1μmより小さくな
ると特にその傾向が著しくなり、金属薄膜の厚みが3μ
mより大きくなるにつれ金属薄膜の応力が上昇する傾向
が現れだし、5μmより大きくなると特にその傾向が著
しくなり、いずれも好ましくない。次に、引出し電極形
成用の金属薄膜の上面にフォトレジストを塗布し、後述
する引出し電極の形状をパターニングし、引出し電極形
成用のエッチングマスクを形成した。次に、エッチング
マスクが被膜されていない金属薄膜の露出部を、ケミカ
ルエッチング法,イオンミリング法,リアクティブイオ
ンエッチング法等により除去し、引出し電極(図示せ
ず)を形成した。次に、ガラス基板2a,各能動素子3
及び引出し電極の上面に、耐熱性のポリイミド樹脂,ア
クリル樹脂等のフォトレジストを塗布し、絶縁層4の形
状をパターニングした。次に、適当なベーキング条件で
フォトレジストを硬化させ、図5及び図6に示すよう
に、絶縁層4を形成した。ここで、ベーキング条件とし
ては、例えば、空気中80℃で30分間、または120
℃で30分間、または180℃で30分間プリベーキン
グした後、窒素ガス雰囲気中400℃で1時間メインベ
ーキングすること等が挙げられる。また、図5中左方に
列設された能動素子3の一群と図5中右方に列設された
能動素子3の一群との間(以下能動素子3群間と称す)
には、後述するインク導入孔9を形成するために、絶縁
層4を被膜形成しないものとする。次に、図7に示すよ
うに、能動素子3群間に、エッチング法,サンドブラス
ト法,切削加工法,超音波加工法等により、断面略凹字
状に穿掘し、インク導入孔9を形成した。一方、ポリイ
ミド,アクリル,ポリエチレンテレフタレート等からな
る樹脂シート(図示せず)を準備した。次に、樹脂シー
トの所定部にエキシマレーザ加工,エッチング加工,パ
ンチング加工等により、記録液室6,記録液吐出部7及
びインク流路8を形成し、ノズルプレート5を形成し
た。次に、能動素子3,引出し電極及び絶縁層4が被膜
形成されたガラス基板2aの上面にノズルプレート5
を、各能動素子3の能動素子3対向部間の中心垂線と記
録液室6及び記録液吐出部7の中心線とを略一致させて
接着した。次に、引出し電極に電流導入用配線を行うと
ともに、インク導入孔9の所定部に導電性インクを供給
するインク室を連設させ、本発明の第1実施例における
インクジェットヘッド1aを完成させた。
【0041】以上のように製造された本実施例のインク
ジェットヘッド1aを用いて、印字寿命測定試験及び基
板の外観観察を行った。以下その結果について説明す
る。まず、基板としてアルカリ溶出量0.07Na2Om
g以下で、膨張係数77×10- 7/℃の硼珪酸ガラスか
らなるガラス基板2aを用いた本実施例のインクジェッ
トヘッド1aを準備した。次に、このインクジェットヘ
ッド1aの記録液室6内に、染料と,電解質と,水と,
アルコールと,グリセリンとを有する導電性インクを充
填させた後、能動素子間に交流電圧レベル25V,印字
周期5kHz,パルス周期3MHzの交流電圧を通電
し、印字寿命を測定した。次に、光学顕微鏡を用いて、
印字寿命測定を行ったインクジェットヘッド1aのガラ
ス基板2aの外観観察を行った。これらの結果を(表
1)に示す。
【0042】
【表1】
【0043】この(表1)から明らかなように、本実施
例のインクジェットヘッド1aでは、1億ドット(dot
s)以上の印字寿命を有し、非常に耐久性に優れている
ことがわかった。また、1億ドット以上印字を行って
も、ガラス基板2aと能動素子3の剥離も認めらず、さ
らに、基板の溶解もないことがわかった。
【0044】以上のように本実施例によれば、基板に、
JIS(R3502)に規定するアルカリ溶出量1.0
0Na2Omg以下で、かつ比抵抗1×109Ωm以上で、
かつ膨張係数30×10-7/℃〜180×10-7/℃の
ガラス基板2aを用いたので、記録液吐出時における導
電性インクと基板の化学的反応や電気化学的反応を抑え
ることができ、この結果、基板や能動素子の溶解、基板
と能動素子3の剥離等を防止することができた。したが
って、紙面上に形成された印字のドット形状をスプラッ
シュ状とすることを防止でき、2億ドット以上のドット
形状を安定化させ、記録液吐出性を向上させることがで
きるとともに、さらに、印字寿命を延命化することがで
きた。
【0045】(実施例2)図10は本発明の第2実施例
におけるインクジェットヘッドを示す要部断面模式図で
ある。3は能動素子、4は絶縁層、5はノズルプレー
ト、6は記録液室、7は記録液吐出部であり、これらは
実施例1と同様なものであり同一の符号を付して説明を
省略する。実施例1と異なるのは、本発明の第2実施例
におけるインクジェットヘッド1bが、表面に厚み0.
1μm〜10μmを持って被膜された水ガラス膜10a
を有する比抵抗1×109Ωm以上のカリ石灰ガラス,
ソーダ石灰ガラス,硼珪酸ガラス,クラウンガラス,亜
鉛クラウンガラス,ソーダカリガラス,バリウム硼珪酸
ガラス,96%珪酸ガラス,99.5%珪酸ガラス,燐
酸ガラス,低融点ガラス,リチウム珪酸ガラス,亜鉛ア
ルミ珪酸ガラス,珪酸ジルコニウムガラス等のガラス,
酸化アルミニウム,酸化チタン,ステアタイト,ホルス
テライト,ベリリア,スピネル等のセラミックス等の絶
縁材料からなる絶縁基板2bを備えた点である。
【0046】以上のように構成された本実施例のインク
ジェットヘッド1bについて、以下その製造方法を説明
する。まず、比抵抗1×109Ωm以上のカリ石灰ガラ
ス,ソーダ石灰ガラス,硼珪酸ガラス,クラウンガラ
ス,亜鉛クラウンガラス,ソーダカリガラス,バリウム
硼珪酸ガラス,96%珪酸ガラス,99.5%珪酸ガラ
ス,燐酸ガラス,低融点ガラス,リチウム珪酸ガラス,
亜鉛アルミ珪酸ガラス,珪酸ジルコニウムガラス等のガ
ラス,又は酸化アルミニウム,酸化チタン,ステアタイ
ト,ホルステライト,ベリリア,スピネル等のセラミッ
クス等の絶縁材料からなる絶縁基板2bを準備した。次
に、絶縁基板2bの能動素子対向面を平均粗さRa=
0.5μm以下に仕上げ研磨した。次に、絶縁基板2b
の能動素子3対向面に、水ガラスを塗布し、厚み0.1
μm〜10μmの水ガラス膜10aを被膜形成した。以
下、実施例1と同様にして、本実施例のインクジェット
ヘッド1bを完成させた。
【0047】以上のように製造された本実施例のインク
ジェットヘッド1bを用いて、印字寿命測定試験及び基
板の外観観察を行った。以下その結果について説明す
る。まず、表面に厚み0.3μmを持って被膜されたア
ルカリ溶出量0.10Na2Omgで基板材料の溶出量
0.37mgで膨張係数87×10-7/℃の水ガラス膜1
0aを有するソーダ石灰ガラスからなる絶縁基板2bを
用いた本実施例のインクジェットヘッドを準備した。以
下、実施例1と同様にして、印字寿命測定および絶縁基
板2bの外観観察を行った。これらの結果を(表1)に
示した。
【0048】この(表1)から明らかなように、本実施
例のインクジェットヘッド1bでは、実施例1と同様な
結果を得られることがわかった。
【0049】以上のように本実施例によれば、基板に、
表面に被膜された水ガラス膜10aを有する比抵抗1×
109Ωm以上の絶縁基板2bを用いたので、実施例1
と同様の効果の他、密着性を向上させることができると
ともに表面を平滑化することができる。
【0050】(実施例3)図11は本発明の第3実施例
におけるインクジェットヘッドを示す要部断面模式図で
ある。3は能動素子、4は絶縁層、5はノズルプレー
ト、6は記録液室、7は記録液吐出部であり、これらは
実施例1と同様なものであり同一の符号を付して説明を
省略する。実施例1と異なるのは、本発明の第3実施例
におけるインクジェットヘッド1cが、表面に厚み0.
1μm〜10μmを持って被膜された水ガラス膜10b
を有する比抵抗5×103Ωm以上のシリコン,炭化シ
リコン,ダイアモンド等の半導体材料からなる半導体基
板2cを備えた点である。
【0051】以上のように構成された本実施例のインク
ジェットヘッド1cについて、以下その製造方法を説明
する。まず、比抵抗5×103Ωm以上のシリコン,炭
化シリコン,ダイアモンド等の半導体からなる半導体基
板2cを準備した。次に、半導体基板2cの能動素子3
対向面を平均粗さRa=0.1μm以下に仕上げ研磨し
た。次に、半導体基板2cの能動素子3対向面に、水ガ
ラスを塗布し、厚み0.1μm〜10μmの水ガラス膜
10bを被膜形成した。以下、実施例1と同様にして、
本実施例のインクジェットヘッド1cを完成させた。
【0052】以上のように製造された本実施例のインク
ジェットヘッド1cを用いて、印字寿命測定試験及び基
板の外観観察を行った。以下その結果について説明す
る。まず、基板として表面に厚み0.3μmを持って被
膜されたアルカリ溶出量0.10Na2Omgで基板材料
の溶出量0mgの水ガラス膜10bを有するシリコンから
なる半導体基板を用いた本実施例のインクジェットヘッ
ド1cを準備した。以下、実施例1と同様にして、印字
寿命測定および基板の外観観察を行った。これらの結果
を(表1)に示した。
【0053】この(表1)から明らかなように、本実施
例のインクジェットヘッド1cでは、実施例1と同様な
結果を得られることがわかった。
【0054】以上のように本実施例によれば、基板に、
表面に被膜された水ガラス膜10bを有する比抵抗5×
103Ωm以上の半導体基板を用いたので、実施例1と
同様の効果の他、低熱蓄積や密着性を向上することがで
きる。
【0055】(実施例4)図12は本発明の第4実施例
におけるインクジェットヘッドを示す要部断面模式図で
ある。3は能動素子、4は絶縁層、5はノズルプレー
ト、6は記録液室、7は記録液吐出部であり、これらは
実施例1と同様なものであり同一の符号を付して説明を
省略する。実施例1と異なるのは、本発明の第4実施例
におけるインクジェットヘッド1dが、表面に厚み0.
1μm〜10μmを持って被膜されたJIS(R350
2)に準拠した水に対する基板材料の溶解量1.00mg
以下で、かつ比抵抗1×109Ωm以上の酸化チタン,
酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化ベリリウ
ム,酸化タンタル等の金属酸化物等の絶縁材料からなる
金属酸化物膜11aを有するカリ石灰ガラス,ソーダ石
灰ガラス,硼珪酸ガラス,クラウンガラス,亜鉛クラウ
ンガラス,ソーダカリガラス,バリウム硼珪酸ガラス,
96%珪酸ガラス,99.5%珪酸ガラス,燐酸ガラ
ス,低融点ガラス,リチウム珪酸ガラス,亜鉛アルミ珪
酸ガラス,珪酸ジルコニウムガラス等のガラス,又は酸
化アルミニウム,酸化チタン,ステアタイト,ホルステ
ライト,ベリリア,スピネル等のセラミックス等の絶縁
材料からなる絶縁基板2dを備えた点である。
【0056】以上のように構成された本実施例のインク
ジェットヘッド1dについて、以下その製造方法を説明
する。まず、カリ石灰ガラス,ソーダ石灰ガラス,硼珪
酸ガラス,クラウンガラス,亜鉛クラウンガラス,ソー
ダカリガラス,バリウム硼珪酸ガラス,96%珪酸ガラ
ス,99.5%珪酸ガラス,燐酸ガラス,低融点ガラ
ス,リチウム珪酸ガラス,亜鉛アルミ珪酸ガラス,珪酸
ジルコニウムガラス等のガラス,又は酸化アルミニウ
ム,酸化チタン,ステアタイト,ホルステライト,ベリ
リア,スピネル等のセラミックス等の絶縁材料からなる
絶縁基板2dを準備した。次に、絶縁基板2dの能動素
子対向面を平均粗さRa=0.5μm以下に仕上げ研磨
した。次に、絶縁基板2dの能動素子3対向面の上面
に、溶出量1.00mg以下で、かつ比抵抗1×109Ω
m以上の酸化チタン,酸化アルミニウム,酸化マグネシ
ウム,酸化ベリリウム,酸化タンタル等の絶縁材料を、
スパッタリング法,イオンプレーティング法,熱分解
法,反応ガスとして酸素ガス,窒素ガス,アルゴンガ
ス,キセノンガス等を用いた反応性スパッタリング法,
反応性イオンプレーティング法等により、金属酸化物膜
11aを0.1μm〜10μm被膜形成した。以下、実
施例1と同様にして、本実施例のインクジェットヘッド
1dを完成させた。
【0057】以上のように製造された本実施例のインク
ジェットヘッド1dを用いて、印字寿命測定試験及び基
板の外観観察を行った。以下その結果について説明す
る。まず、基板として表面に厚み0.1μmを持って被
膜された比抵抗1×1010ΩmのTiO2を有するソー
ダ石灰ガラスからなる絶縁基板2dを用いた本実施例の
インクジェットヘッド1dを準備した。以下、実施例1
と同様にして、印字寿命測定および基板の外観観察を行
った。これらの結果を(表1)に示した。
【0058】この(表1)から明らかなように、本実施
例のインクジェットヘッド1dでは、実施例1と同様な
結果を得られることがわかった。
【0059】以上のように本実施例によれば、基板に、
表面に被膜された厚み0.1μm〜10μmで、JIS
(R3502)に準拠した水に対する基板材料の溶解量
1.00mg以下で、かつ比抵抗1×109Ωm以上の金
属酸化物膜11aを有する絶縁基板2dを用いたので、
実施例1と同様の効果の他、密着性を向上させることが
できる。
【0060】(実施例5)図13は本発明の第5実施例
におけるインクジェットヘッドを示す要部断面模式図で
ある。3は能動素子、4は絶縁層、5はノズルプレー
ト、6は記録液室、7は記録液吐出部であり、これらは
実施例1と同様なものであり同一の符号を付して説明を
省略する。実施例1と異なるのは、本発明の第5実施例
におけるインクジェットヘッド1eが、表面に厚み0.
1μm〜10μmを持って被膜されたJIS(R350
2)に準拠した水に対する基板材料の溶解量1mg以下
で、かつ比抵抗1×109Ωm以上の酸化チタン,酸化
アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化ベリリウム,酸
化タンタル等の金属酸化物等の絶縁材料からなる金属酸
化物膜11bを有する比抵抗5×103Ωm以上のシリ
コン,炭化シリコン,ダイアモンド等の半導体材料から
なる半導体基板2eを備えた点である。
【0061】以上のように構成された本実施例のインク
ジェットヘッド1eについて、以下その製造方法を説明
する。まず、比抵抗5×103Ωm以上のシリコン,炭
化シリコン,ダイアモンド等の半導体材料からなる半導
体基板2eを準備した。次に、半導体基板2eの能動素
子3対向面を平均粗さRa=0.1μm以下に仕上げ研
磨した。次に、半導体基板2eの能動素子3対向面に,
溶出量1.00mg以下で、かつ比抵抗1×109Ωm以
上の酸化チタン,酸化アルミニウム,酸化マグネシウ
ム,酸化ベリリウム,酸化タンタル等の金属酸化物等か
らなる絶縁材料を、蒸着法,スパッタリング法,イオン
プレーティング法,反応ガスとして酸素ガス,窒素ガ
ス,アルゴンガス,キセノンガス等を用いた反応性スパ
ッタリング法,反応性イオンプレーティング法等の物理
蒸着法,又はCVD法,熱分解法等により、被膜形成
し、厚み0.1μm〜10μmの金属酸化物膜11bを
被膜形成した。以下、実施例1と同様にして、本実施例
のインクジェットヘッド1eを完成させた。
【0062】以上のように製造された本実施例のインク
ジェットヘッド1eを用いて、印字寿命測定試験及び基
板の外観観察を行った。以下その結果について説明す
る。まず、基板として表面に厚み0.1μmを持って被
膜されたSiO2を有するシリコンからなる半導体基板
2eを用いた本実施例のインクジェットヘッド1eを準
備した。以下、実施例1と同様にして、印字寿命測定お
よび基板の外観観察を行った。これらの結果を(表1)
に示した。
【0063】この(表1)から明らかなように、本実施
例のインクジェットヘッドでは、実施例1と同様な結果
を得られることがわかった。
【0064】以上のように本実施例によれば、基板に、
表面に被膜された厚み0.1μm〜10μmで、JIS
(R3502)に準拠した水に対する基板材料の溶解量
1.00mg以下で、かつ比抵抗1×109Ωm以上の金
属酸化物膜11bを有する比抵抗5×103Ωm以上の
半導体基板を用いたので、実施例1と同様の効果の他、
密着性を向上させることができる。
【0065】(実施例6)図14は本発明の第6実施例
におけるインクジェットヘッドを示す要部断面模式図で
ある。3は能動素子、4は絶縁層、5はノズルプレー
ト、6は記録液室、7は記録液吐出部であり、これらは
実施例1と同様なものであり同一の符号を付して説明を
省略する。実施例1と異なるのは、本発明の第6実施例
におけるインクジェットヘッド1fが、表面に厚み0.
1μm〜10μmを持って被膜されたJIS(R350
2)に準拠した水に対する基板材料の溶解量1.00mg
以下で、かつ比抵抗1×109Ωm以上のシリカ(Si
2),SiO等の酸化物等の半導体材料からなる酸化
物半導体膜,又はSi34,SiN等の窒化物等の半導
体材料からなる窒化物半導体膜12aを有するカリ石灰
ガラス,ソーダ石灰ガラス,硼珪酸ガラス,クラウンガ
ラス,亜鉛クラウンガラス,ソーダカリガラス,バリウ
ム硼珪酸ガラス,96%珪酸ガラス,99.5%珪酸ガ
ラス,燐酸ガラス,低融点ガラス,リチウム珪酸ガラ
ス,亜鉛アルミ珪酸ガラス,珪酸ジルコニウムガラス等
のガラス,酸化アルミニウム,酸化チタン,ステアタイ
ト,ホルステライト,ベリリア,スピネル等のセラミッ
クス等の絶縁材料からなる絶縁基板2fを備えた点であ
る。
【0066】以上のように構成された本実施例のインク
ジェットヘッド1fについて、以下その製造方法を説明
する。まず、カリ石灰ガラス,ソーダ石灰ガラス,硼珪
酸ガラス,クラウンガラス,亜鉛クラウンガラス,ソー
ダカリガラス,バリウム硼珪酸ガラス,96%珪酸ガラ
ス,99.5%珪酸ガラス,燐酸ガラス,低融点ガラ
ス,リチウム珪酸ガラス,亜鉛アルミ珪酸ガラス,珪酸
ジルコニウムガラス等のガラス,酸化アルミニウム,酸
化チタン,ステアタイト,ホルステライト,ベリリア,
スピネル等のセラミックス等からなる絶縁基板2fを準
備した。次に、絶縁基板2fの能動素子3対向面を平均
粗さRa=0.5μm以下に仕上げ研磨した。次に、絶
縁基板2fの能動素子3対向面に溶出量1.00mg以下
で、かつ比抵抗1×109Ωm以上のSiO2,SiO等
の酸化物等の半導体材料又はSi34,SiN等の窒化
物等の半導体材料を、蒸着法,スパッタリング法,イオ
ンプレーティング法,反応ガスとして酸素ガス,窒素ガ
ス,アルゴンガス,キセノンガス等を用いた反応性スパ
ッタリング法,反応性イオンプレーティング法等の物理
蒸着法,又はCVD法,熱分解法等により、被膜形成
し、厚み0.1μm〜10μmの酸化物半導体膜又は窒
化物半導体膜12aを被膜形成した。以下、実施例1と
同様にして、本実施例のインクジェットヘッド1fを完
成させた。
【0067】以上のように製造された本実施例のインク
ジェットヘッド1fを用いて、印字寿命測定試験及び基
板の外観観察を行った。以下その結果について説明す
る。まず、基板として表面に厚み0.2μmを持って被
膜されたSiOを有するバリウム硼珪酸ガラスからなる
絶縁基板2fを用いた本実施例のインクジェットヘッド
1fを準備した。以下、実施例1と同様にして、印字寿
命測定および基板の外観観察を行った。これらの結果を
(表1)に示した。
【0068】この(表1)から明らかなように、本実施
例のインクジェットヘッド1fでは、実施例1と同様な
結果を得られることがわかった。
【0069】以上のように本実施例によれば、基板に、
表面に被膜された厚み0.1μm〜10μmで、JIS
(R3502)に準拠した水に対する基板材料の溶解量
1.00mg以下で、かつ比抵抗1×109Ωm以上の酸
化物半導体膜又は窒化物半導体膜12aを有する絶縁基
板を用いたので、実施例1と同様の効果の他、密着性を
向上させることができる。
【0070】(実施例7)図15は本発明の第7実施例
におけるインクジェットヘッドを示す要部断面模式図で
ある。3は能動素子、4は絶縁層、5はノズルプレー
ト、6は記録液室、7は記録液吐出部であり、これらは
実施例1と同様なものであり同一の符号を付して説明を
省略する。実施例1と異なるのは、本発明の第7実施例
におけるインクジェットヘッド1gが、表面に厚み0.
1μm〜10μmを持って被膜されたJIS(R350
2)に準拠した水に対する基板材料の溶解量1.00mg
以下で、かつ比抵抗1×109Ωm以上のシリカ(Si
2),SiO等の酸化物等の半導体材料からなる酸化
物半導体膜,又はSi34,SiN等の窒化物等の半導
体材料からなる窒化物半導体膜12bを有する比抵抗5
×103Ωm以上のシリコン,炭化シリコン,ダイアモ
ンド等の半導体材料からなる半導体基板2gを備えた点
である。
【0071】以上のように構成された本実施例のインク
ジェットヘッド1gについて、以下その製造方法を説明
する。まず、比抵抗5×103Ωm以上のシリコン,炭
化シリコン,ダイアモンド等の半導体材料からなる半導
体基板2gを準備した。次に、半導体基板2gの能動素
子3対向面を平均粗さRa=0.1μm以下に仕上げ研
磨した。次に、半導体基板2gの能動素子3対向面に溶
出量1.00mg以下で、かつ比抵抗1×109Ωm以上
のSiO2,SiO等の酸化物等の半導体材料又はSi3
4,SiN等の窒化物等の半導体材料を、蒸着法,ス
パッタリング法,イオンプレーティング法,反応ガスと
して酸素ガス,窒素ガス,アルゴンガス,キセノンガス
等を用いた反応性スパッタリング法,反応性イオンプレ
ーティング法等の物理蒸着法,又はCVD法,熱分解法
等により被膜形成し、厚み0.1μm〜10μmの酸化
物半導体膜又は窒化物半導体膜12bを被膜形成した。
以下、実施例1と同様にして、本実施例のインクジェッ
トヘッド1gを完成させた。
【0072】以上のように製造された本実施例のインク
ジェットヘッド1gを用いて、印字寿命測定試験及び基
板の外観観察を行った。以下その結果について説明す
る。まず、基板として表面に厚み0.2μmを持って被
膜されたSiNを有するシリコンからなる半導体基板2
gを用いた本実施例のインクジェットヘッド1gを準備
した。以下、実施例1と同様にして、印字寿命測定およ
び基板の外観観察を行った。これらの結果を(表1)に
示した。
【0073】この(表1)から明らかなように、本実施
例のインクジェットヘッド1gでは、実施例1と同様な
結果を得られることがわかった。
【0074】以上のように本実施例によれば、基板に、
表面に被膜された厚み0.1μm〜10μmで、JIS
(R3502)に準拠した水に対する基板材料の溶解量
1.00mg以下で、かつ比抵抗1×109Ωm以上の酸
化物半導体膜又は窒化物半導体膜12bを有する比抵抗
5×103Ωm以上の半導体基板2gを用いたので、実
施例1と同様の効果の他、熱蓄積を低下させることがで
きる。
【0075】(比較例1)図16は第1比較例における
インクジェットヘッドを示す要部断面模式図である。3
は能動素子、4は絶縁層、5はノズルプレート、6は記
録液室、7は記録液吐出部であり、これらは実施例1と
同様なものであり同一の符号を付して説明を省略する。
実施例1と異なるのは、第1比較例におけるインクジェ
ットヘッド1hが、Na2Oで換算したアルカリ溶出量
3.74Na2Omg以下でかつ比抵抗1×109Ωm以上
のソーダカリガラスからなるガラス基板2hを備えた点
である。以上のように構成された従来の第1比較例にお
けるインクジェットヘッド1hについて、以下その製造
方法を図面を参照しながら説明する。図17は能動素子
形成工程を示す要部平面模式図であり、図18は能動素
子形成工程を示す要部断面模式図であり、図19は絶縁
層形成工程を示す要部平面模式図であり、図20は絶縁
層形成工程を示す要部断面模式図であり、図21はイン
ク導入孔形成工程を示す要部平面模式図であり、図22
はノズルプレート接着工程を示す要部平面模式図であ
り、図23はノズルプレート接着工程を示す要部断面模
式図である。まず、アルカリ溶出量3.74Na2Omg
以下でかつ比抵抗1×109Ωm以上のソーダカリガラ
スからなるガラス基板2hを準備した。以下、図17乃
至図23に示すように、実施例1と同様にして、従来の
第1比較例におけるインクジェットヘッド1hを完成さ
せた。
【0076】以上のように製造された第1比較例のイン
クジェットヘッド1hを用いて、印字寿命測定試験及び
基板の外観観察を行った。以下その結果について説明す
る。まず、第1比較例のインクジェットヘッド1hを準
備した。以下、実施例1と同様にして、印字寿命測定お
よび基板の外観観察を行った。これらの結果を(表1)
に示した。
【0077】この(表1)から明らかなように、第1比
較例のインクジェットヘッド1hでは、1000万ドッ
トで能動素子3が剥離し、印字寿命となっていることが
わかった。
【0078】(比較例2)図24は第2比較例における
インクジェットヘッドを示す要部断面模式図である。3
は能動素子、4は絶縁層、5はノズルプレート、6は記
録液室、7は記録液吐出部であり、これらは実施例1と
同様なものであり同一の符号を付して説明を省略する。
実施例1と異なるのは、第2比較例におけるインクジェ
ットヘッド1iが、比抵抗1×102Ωmのゲルマニウ
ムからなる絶縁基板2iを備えた点である。以上のよう
に構成された従来の第2比較例におけるインクジェット
ヘッドについて、以下その製造方法を図面を参照しなが
ら説明する。図25は能動素子形成工程を示す要部平面
模式図であり、図26は能動素子形成工程を示す要部断
面模式図であり、図27は絶縁層形成工程を示す要部平
面模式図であり、図28は絶縁層形成工程を示す要部断
面模式図であり、図29はインク導入孔形成工程を示す
要部平面模式図であり、図30はノズルプレート接着工
程を示す要部平面模式図であり、図31はノズルプレー
ト接着工程を示す要部断面模式図である。まず、比抵抗
1×102Ωmのゲルマニウムからなる絶縁基板2iを
準備した。以下、図25乃至図31に示すように、実施
例1と同様にして、従来の第2比較例のインクジェット
ヘッド1iを完成させた。
【0079】以上のように製造された第2比較例のイン
クジェットヘッド1iを用いて、印字寿命測定試験及び
基板の外観観察を行った。以下その結果について説明す
る。まず、第2比較例のインクジェットヘッド1iを準
備した。以下、実施例1と同様にして、印字寿命測定お
よび基板の外観観察を行った。これらの結果を(表1)
に示した。
【0080】この(表1)から明らかなように、第2比
較例のインクジェットヘッドでは、電流が基板にリーク
してしまい、導電性インクを沸騰させることができなか
った。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明のインクジェットヘ
ッドによれば、以下の優れた効果を奏する。すなわち、 (1)記録液が充填される記録液室と、記録液室に連通
又は連設された記録液吐出部と、を備えたインクジェッ
トヘッドであって、記録液を吐出するための能動素子が
配設された記録液室の基板が、JIS(R3502)に
規定するアルカリ溶出量2.00Na2Omg以下,好ま
しくは1.00Na2Omg以下で、かつ比抵抗1×108
Ωm以上,好ましくは1×109Ωm以上のガラス基板
であるので、種々の記録液と記録液吐出時の発熱や電気
エネルギーにより起こる化学的反応、電気化学的反応を
抑えることができ、基板とその周辺の良導体膜に大きな
ダメージを与えるのを防止することができる。この結
果、能動素子の剥離や損耗等を低減させることができ、
数十億ドット以上のドット形状を安定させることがで
き、ドット形状をスプラッシュ状とすることがなく、良
好な印字を長時間行うことができ、耐久性や信頼性に優
れたインクジェットヘッドを実現できるものである。
【0082】(2)ガラス基板の膨張係数が、30×1
-7〜180×10-7/℃である場合、電極や圧電素子
等の能動素子と膨張係数を略同じとすることにより、膨
張係数の違いにより能動素子の剥離等を抑制することが
でき、耐久性を向上させることができ、したがって、耐
久性や信頼性に優れたインクジェットヘッドを実現でき
るものである。
【0083】(3)記録液が充填される記録液室と、記
録液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えた
インクジェットヘッドであって、記録液を吐出するため
の能動素子が配設された記録液室の基板が、表面に被膜
された水ガラス膜を有する比抵抗1×108Ωm以上,
好ましくは1×109Ωm以上の絶縁基板であるので、
前述した(1)の効果の他、たとえ水ガラス膜にピンホ
ール等の欠陥が生じていても能動素子等に印加された電
流がリークすることを確実に防止することができ、耐久
性や信頼性に優れたインクジェットヘッドを実現できる
ものである。
【0084】(4)記録液が充填される記録液室と、記
録液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えた
インクジェットヘッドであって、記録液を吐出するため
の能動素子が配設された記録液室の基板が、表面に被膜
された水ガラス膜を有する比抵抗1×103Ωm以上,
好ましくは5×103Ωm以上の半導体基板であるの
で、前述した(1)の効果の他、たとえ水ガラス膜にピ
ンホール等の欠陥が生じていても能動素子等に印加され
た電流がリークすることを確実に防止することができ、
耐久性や信頼性に優れたインクジェットヘッドを実現で
きるものである。
【0085】(5)記録液が充填される記録液室と、記
録液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えた
インクジェットヘッドであって、記録液を吐出するため
の能動素子が配設された記録液室の基板が、表面に被膜
されたJIS(R3502)に準拠した水に対する基板
材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.00mg下
で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×1
9Ωm以上の金属酸化物膜を有する絶縁基板であるの
で、前述した(1)の効果の他、基板材料と記録液との
間に電気化学反応が生じるのを防止することができ、耐
久性や信頼性に優れたインクジェットヘッドを実現でき
るものである。
【0086】(6)記録液が充填される記録液室と、記
録液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えた
インクジェットヘッドであって、記録液を吐出するため
の能動素子が配設された記録液室の基板が、表面に被膜
されたJIS(R3502)に準拠した水に対する基板
材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.00mg下
で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×1
9Ωm以上の金属酸化物膜を有する比抵抗1×103Ω
m以上,好ましくは5×103Ωm以上の半導体基板で
あるので、前述した(1)の効果の他、基板材料と記録
液との間に電気化学反応が生じるのを防止することがで
き、耐久性や信頼性に優れたインクジェットヘッドを実
現できるものである。
【0087】(7)記録液が充填される記録液室と、記
録液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えた
インクジェットヘッドであって、記録液を吐出するため
の能動素子が配設された記録液室の基板が、表面に被膜
されたJIS(R3502)に準拠した水に対する基板
材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.00mg以
下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×
109Ωm以上の酸化物半導体膜を有する絶縁基板であ
るので、前述した(1)の効果の他、基板材料と記録液
との間に電気化学反応が生じるのを防止することがで
き、耐久性や信頼性に優れたインクジェットヘッドを実
現できるものである。
【0088】(8)記録液が充填される記録液室と、記
録液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えた
インクジェットヘッドであって、記録液を吐出するため
の能動素子が配設された記録液室の基板が、表面に被膜
されたJIS(R3502)に準拠した水に対する基板
材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.00mg以
下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×
109Ωm以上の酸化物半導体膜を有する比抵抗1×1
3Ωm以上,好ましくは5×103Ωm以上の半導体基
板であるので、前述した(1)の効果の他、基板材料と
記録液との間に電気化学反応が生じるのを防止すること
ができ、耐久性や信頼性に優れたインクジェットヘッド
を実現できるものである。
【0089】(9)記録液が充填される記録液室と、記
録液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えた
インクジェットヘッドであって、記録液を吐出するため
の能動素子が配設された記録液室の基板が、表面に被膜
されたJIS(R3502)に準拠した水に対する基板
材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.00mg以
下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×
109Ωm以上の窒化物半導体膜を有する絶縁基板であ
るので、前述した(1)の効果の他、基板材料と記録液
との間に電気化学反応が生じるのを防止することがで
き、耐久性や信頼性に優れたインクジェットヘッドを実
現できるものである。
【0090】(10)記録液が充填される記録液室と、
記録液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備え
たインクジェットヘッドであって、記録液を吐出するた
めの能動素子が配設された記録液室の基板が、表面に被
膜されたJIS(R3502)に準拠した水に対する基
板材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.00mg
以下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1
×109Ωm以上の窒化物半導体膜を有する比抵抗1×
103Ωm以上,好ましくは5×103Ωm以上の半導体
基板であるので、前述した(1)の効果の他、基板材料
と記録液との間に電気化学反応が生じるのを防止するこ
とができ、耐久性や信頼性に優れたインクジェットヘッ
ドを実現できるものである。
【0091】(11)水ガラス膜,金属酸化物膜,酸化
物半導体膜,又は窒化物半導体膜の厚みが,0.05〜
50μm,好ましくは0.1〜10μmである場合、密
着性もよく表面も平滑にすることができ、耐久性や印字
特性等の信頼性に優れたインクジェットヘッドを実現で
きるものである。
【0092】(12)絶縁基板,又は半導体基板の表面
に、スパッタリング法,イオンプレーティング法,熱分
解法,蒸着法,反応ガスとして酸素ガス,窒素ガス,ア
ルゴンガス,キセノンガスを用いた反応性スパッタリン
グ法,反応性イオンプレーティング法等の内いずれか1
により、金属酸化物膜,酸化物半導体膜,又は窒化物半
導体膜を被膜形成する被膜形成工程を備えたので、絶縁
基板又は半導体基板の表面に金属酸化物膜,酸化物半導
体膜又は窒化物半導体膜を高い歩溜まりで安定して被膜
形成することができ、作業性や生産性,量産性にすぐれ
たインクジェットヘッドの製造方法を実現できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるインクジェットヘ
ッドを示す要部断面模式図
【図2】本発明の第1実施例におけるインクジェットヘ
ッドの能動素子の能動素子対向部間を示す要部断面斜視
【図3】能動素子形成工程を示す要部平面模式図
【図4】能動素子形成工程を示す要部断面模式図
【図5】絶縁層形成工程を示す要部平面模式図
【図6】絶縁層形成工程を示す要部断面模式図
【図7】インク導入孔形成工程を示す要部平面模式図
【図8】ノズルプレート接着工程を示す要部平面模式図
【図9】ノズルプレート接着工程を示す要部断面模式図
【図10】本発明の第2実施例におけるインクジェット
ヘッドを示す要部断面模式図
【図11】本発明の第3実施例におけるインクジェット
ヘッドを示す要部断面模式図
【図12】本発明の第4実施例におけるインクジェット
ヘッドを示す要部断面模式図
【図13】本発明の第5実施例におけるインクジェット
ヘッドを示す要部断面模式図
【図14】本発明の第6実施例におけるインクジェット
ヘッドを示す要部断面模式図
【図15】本発明の第7実施例におけるインクジェット
ヘッドを示す要部断面模式図
【図16】第1比較例におけるインクジェットヘッドを
示す要部断面模式図
【図17】能動素子形成工程を示す要部平面模式図
【図18】能動素子形成工程を示す要部断面模式図
【図19】絶縁層形成工程を示す要部平面模式図
【図20】絶縁層形成工程を示す要部断面模式図
【図21】インク導入孔形成工程を示す要部平面模式図
【図22】ノズルプレート接着工程を示す要部平面模式
【図23】ノズルプレート接着工程を示す要部断面模式
【図24】第2比較例におけるインクジェットヘッドを
示す要部断面模式図
【図25】能動素子形成工程を示す要部平面模式図
【図26】能動素子形成工程を示す要部断面模式図
【図27】絶縁層形成工程を示す要部平面模式図
【図28】絶縁層形成工程を示す要部断面模式図
【図29】インク導入孔形成工程を示す要部平面模式図
【図30】ノズルプレート接着工程を示す要部平面模式
【図31】ノズルプレート接着工程を示す要部断面模式
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1
i,1j インクジェットヘッド 2a,2h,2j ガラス基板 2b,2d,2f,2i 絶縁基板 2c,2e,2g 半導体基板 3 能動素子 4 絶縁層 5 ノズルプレート 6 記録液室 7 記録液吐出部 8 インク流路 9 インク導入孔 10a,10b 水ガラス膜 11a,11b 金属酸化物膜 12a,12b 酸化物半導体膜又は窒化物半導体膜 13 断熱層 14 抵抗層 15 保護層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録液が充填される記録液室と、前記記録
    液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えたイ
    ンクジェットヘッドであって、前記記録液を吐出するた
    めの能動素子が配設された前記記録液室の基板が、JI
    S(R3502)に規定するアルカリ溶出量2.00N
    2Omg以下,好ましくは1.00Na2Omg以下で、か
    つ比抵抗1×108Ωm以上,好ましくは1×109Ωm
    以上のガラス基板であることを特徴とするインクジェッ
    トヘッド。
  2. 【請求項2】前記ガラス基板の膨張係数が、30×10
    -7〜180×10-7/℃であることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  3. 【請求項3】記録液が充填される記録液室と、前記記録
    液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えたイ
    ンクジェットヘッドであって、前記記録液を吐出するた
    めの能動素子が配設された前記記録液室の基板が、表面
    に被膜された水ガラス膜を有する比抵抗1×108Ωm
    以上,好ましくは1×109Ωm以上の絶縁基板である
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】記録液が充填される記録液室と、前記記録
    液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えたイ
    ンクジェットヘッドであって、前記記録液を吐出するた
    めの能動素子が配設された前記記録液室の基板が、表面
    に被膜された水ガラス膜を有する比抵抗1×103Ωm
    以上,好ましくは5×103Ωm以上の半導体基板であ
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】記録液が充填される記録液室と、前記記録
    液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えたイ
    ンクジェットヘッドであって、前記記録液を吐出するた
    めの能動素子が配設された前記記録液室の基板が、表面
    に被膜されたJIS(R3502)に準拠した水に対す
    る基板材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.0
    0mg以下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましく
    は1×109Ωm以上の金属酸化物膜を有する絶縁基板
    であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】記録液が充填される記録液室と、前記記録
    液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えたイ
    ンクジェットヘッドであって、前記記録液を吐出するた
    めの能動素子が配設された前記記録液室の基板が、表面
    に被膜されたJIS(R3502)に準拠した水に対す
    る基板材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.0
    0mg以下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましく
    は1×109Ωm以上の金属酸化物膜を有する比抵抗1
    ×103Ωm以上,好ましくは5×103Ωm以上の半導
    体基板であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】記録液が充填される記録液室と、前記記録
    液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えたイ
    ンクジェットヘッドであって、前記記録液を吐出するた
    めの能動素子が配設された前記記録液室の基板が、表面
    に被膜されたJIS(R3502)に準拠した水に対す
    る基板材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.0
    0mg以下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましく
    は1×109Ωm以上の酸化物半導体膜を有する絶縁基
    板であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】記録液が充填される記録液室と、前記記録
    液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えたイ
    ンクジェットヘッドであって、前記記録液を吐出するた
    めの能動素子が配設された前記記録液室の基板が、表面
    に被膜されたJIS(R3502)に準拠した水に対す
    る基板材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.0
    0mg以下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましく
    は1×109Ωm以上の酸化物半導体膜を有する比抵抗
    1×103Ωm以上,好ましくは5×103Ωm以上の半
    導体基板であることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】記録液が充填される記録液室と、前記記録
    液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えたイ
    ンクジェットヘッドであって、前記記録液を吐出するた
    めの能動素子が配設された前記記録液室の基板が、表面
    に被膜されたJIS(R3502)に準拠した水に対す
    る基板材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.0
    0mg以下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好ましく
    は1×109Ωm以上の窒化物半導体膜を有する絶縁基
    板であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  10. 【請求項10】記録液が充填される記録液室と、前記記
    録液室に連通又は連設された記録液吐出部と、を備えた
    インクジェットヘッドであって、前記記録液を吐出する
    ための能動素子が配設された前記記録液室の基板が、表
    面に被膜されたJIS(R3502)に準拠した水に対
    する基板材料の溶解量2.00mg以下,好ましくは1.
    00mg以下で、かつ比抵抗1×108Ωm以上,好まし
    くは1×109Ωm以上の窒化物半導体膜を有する比抵
    抗1×103Ωm以上,好ましくは5×103Ωm以上の
    半導体基板であることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  11. 【請求項11】前記水ガラス膜,前記金属酸化物膜,前
    記酸化物半導体膜又は前記窒化物半導体膜の厚みが、
    0.05〜50μm,好ましくは0.1〜10μmであ
    ることを特徴とする請求項1乃至10の内いずれか1に
    記載のインクジェットヘッド。
  12. 【請求項12】請求項3乃至11の内いずれか1に記載
    のインクジェットヘッドの製造方法であって、前記絶縁
    基板又は前記半導体基板の表面に、スパッタリング法,
    イオンプレーティング法,熱分解法,物理蒸着法,反応
    ガスとして酸素ガス,窒素ガス,アルゴンガス又はキセ
    ノンガスの内いずれか1を用いた反応性スパッタリング
    法,反応性イオンプレーティング法等の内いずれか1に
    より、前記金属酸化物膜,前記酸化物半導体膜又は前記
    窒化物半導体膜を被膜する被膜工程を備えたことを特徴
    とするインクジェットヘッドの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003001822A (ja) * 2001-06-25 2003-01-08 Kyocera Corp インクジェット記録ヘッド
JP2016072433A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 大日本印刷株式会社 貫通電極基板及びその製造方法

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