JPH08216285A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08216285A
JPH08216285A JP7026844A JP2684495A JPH08216285A JP H08216285 A JPH08216285 A JP H08216285A JP 7026844 A JP7026844 A JP 7026844A JP 2684495 A JP2684495 A JP 2684495A JP H08216285 A JPH08216285 A JP H08216285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
tire
resin
air permeation
curing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7026844A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhito Yamakawa
賀津人 山川
Osamu Ozawa
小沢  修
Shuichi Takeyama
秀一 武山
Kazuo Suga
和生 菅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP7026844A priority Critical patent/JPH08216285A/ja
Priority to EP96101044A priority patent/EP0723883B1/en
Priority to DE69637877T priority patent/DE69637877D1/de
Priority to DE69637882T priority patent/DE69637882D1/de
Priority to DE69613494T priority patent/DE69613494T2/de
Priority to EP08007365A priority patent/EP1964890A1/en
Priority to US08/591,295 priority patent/US6024816A/en
Priority to EP06006118A priority patent/EP1669411B1/en
Priority to EP99114274A priority patent/EP0952010B1/en
Publication of JPH08216285A publication Critical patent/JPH08216285A/ja
Priority to US09/197,463 priority patent/US6179941B1/en
Priority to US09/447,560 priority patent/US6244317B1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤ内部の空気圧保持性を損なうことな
く、ゴム層との接着性に優れかつ耐水性や耐熱性に優れ
た空気透過防止層を用いてタイヤの軽量化を可能にした
空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。 【構成】 (1)(i)多元共重合ポリアミド系樹脂、
(ii)硬化用樹脂及び(iii)該硬化用樹脂を硬化せしめ
る硬化剤を含む液状組成物を硬化させてなる薄膜で空気
透過防止層を構成した空気入りタイヤ並びに前記液状組
成物を加硫前のグリーンタイヤ又は加硫後のタイヤのカ
ーカス層の表面(又はその表面に設けたゴム層の表面)
をハロゲン化処理した後及び/又は接着剤を塗布した後
に塗布し、硬化せしめて空気透過防止層を構成した空気
入りタイヤの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤ内の空気圧保持
性を損なうことなく、タイヤの軽量化を図ると共に、ゴ
ム層との接着性に優れかつ耐水性や耐熱性に優れた空気
透過防止層を有する空気入りタイヤ及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】燃料消費率の低減は自動車における大き
な技術的課題の一つであり、この対策の一環として空気
入りタイヤの軽量化に対する要求も益々強いものになっ
てきている。
【0003】ところで、空気入りタイヤの内面には、タ
イヤ空気圧を一定に保持するためにハロゲン化ブチルゴ
ムなどのような低気体透過性のゴムからなるインナーラ
イナー層が設けられている。しかしながら、ハロゲン化
ブチルゴムはヒステリシス損失が大きいため、タイヤの
加硫後に、カーカスコード間の間隙において、カーカス
層の内面ゴム及びインナーライナー層に波打ちが生じた
場合、カーカス層の変形とともにインナーライナーゴム
層が変形するので、転動抵抗が増加するという問題があ
る。このため、一般に、インナーライナー層(ハロゲン
化ブチルゴム)とカーカス層の内面ゴムとの間にヒステ
リシス損失が小さいタイゴムと呼ばれるゴムシートを介
して両者を接合している。従って、ハロゲン化ブチルゴ
ムのインナーライナー層の厚さに加えて、タイゴムの厚
さが加算され、層全体として1mm(1000μm)を超
える厚さになり、結果的に製品タイヤの重量を増大させ
る原因の一つになっていた。
【0004】空気入りタイヤのインナーライナー層など
の空気透過防止層としてブチルゴムなどの低気体透過性
ゴムに代えて種々の材料を用いる技術が提案されてい
る。例えば、特公昭47−31761号公報には加硫タ
イヤの内面に、空気透過係数[cm3(標準状態)/cm・se
c ・mmHg]が30℃で1.0×10-12 以下、70℃で
5.0×10-12 以下の、ポリ塩化ビニリデン、飽和ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの合成樹脂の溶液
又は分散液を0.1mm以下で塗布することが開示されて
いる。
【0005】しかしながら、この公報に開示の技術は、
加硫タイヤのカーカス内周面に、もしくはインナーライ
ナー内周面に、特定の空気透過係数を有する合成樹脂の
被覆層を設けて合成樹脂被覆層の厚さを0.1mm以下に
することが記載されているが、この公報に記載された空
気入りタイヤはゴムと合成樹脂との接着性に問題があ
り、またポリアミド系樹脂を空気透過防止層の1態様で
あるインナーライナー層として用いた場合、耐熱性、耐
湿性(又は耐水性)に劣るという欠点を有する。なお、
この公報には多元共重合ポリアミドの使用についての記
載はない。
【0006】特開平5−330307号公報にはタイヤ
内面をハロゲン化処理(従来から知られている塩素化処
理用液、臭素溶液、ヨウ素溶液を使用)し、その上にメ
トキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリウレタ
ンとポリ塩化ビニリデンのブレンド、ポリウレタンとポ
リフッ化ビニリデンのブレンドのポリマー皮膜(膜厚1
0〜200μm)を形成することが開示されているが、
この公報には共重合ナイロンを架橋又は硬化させること
は全く開示していない。更に、この公報に開示の技術に
は、未架橋又は未硬化のポリアミド系樹脂をインナーラ
イナー層として用いた場合、架橋又は硬化させていない
ため空気透過防止層の耐湿性(又は耐水性)や耐熱性に
劣るという問題がある。
【0007】更に特開平5−318618号公報には、
メトキシメチル化ナイロンの薄膜を空気透過防止層とす
る空気入りタイヤが開示されており、この技術によれ
ば、グリーンタイヤ内面にメトキシメチル化ナイロンの
溶液又はエマルジョンを散布又は塗布し、次いでタイヤ
を加硫するか、或いは加硫後タイヤ内面にメトキシメチ
ル化ナイロンの溶液又はエマルジョンを散布又は塗布す
ることによって空気入りタイヤを製造している。しかし
ながら、この公報に開示の技術においても多元共重合ポ
リアミドは使用されておらず、更にタイヤ内面ゴムとメ
トキシメチル化ナイロンの接着処理を行なっていないた
めに、高負荷でタイヤを使用した場合に、メトキシメチ
ル化ナイロン膜がタイヤ内面ゴムから剥離してくるとい
う問題や、メトキシメチル化ナイロンを架橋又は硬化さ
せていないことによる、インナーライナー層の耐湿性
(又は耐水性)及び耐熱性が劣るという問題が未だあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、タイ
ヤの空気圧保持性を損なうことなく、タイヤの軽量化を
可能にし、かつ、ゴム層との接着性並びに耐水性や耐熱
性に優れた空気透過防止層を用いた空気入りタイヤ及び
その製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、(i)
多元共重合ポリアミド系樹脂、(ii)硬化用樹脂及び
(iii)該硬化用樹脂を硬化せしめる硬化剤を含む液状組
成物を硬化させてなる薄膜で空気透過防止層を構成した
空気入りタイヤが提供される。
【0010】本発明に従えば、未加硫ゴムからなるグリ
ーンタイヤのカーカス層の表面又は該カーカス層の表面
に設けたゴム層の表面をハロゲン化処理した面に、又は
ハロゲン化処理に代えて(又はハロゲン化処理に加え
て)、該表面に接着剤を塗布した面に、前記液状組成物
を散布又は塗布して、該グリーンタイヤを加硫せしめて
空気透過防止層を構成することからなる空気入りタイヤ
の製造方法が提供される。
【0011】本発明に従えば、更に、加硫後のタイヤの
カーカス層の表面又は該カーカス層の表面に設けたゴム
層の表面をハロゲン化処理した面に、又はハロゲン化処
理に代えて(又はハロゲン化処理に加えて)、該表面に
接着剤を塗布した面に、前記液状組成物を散布又は塗布
して、前記液状組成物を硬化又は架橋せしめて空気透過
防止層を構成することからなる空気入りタイヤの製造方
法が提供される。
【0012】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明に係る空気入りタイヤの空気透過防止層は、タイヤ内
部の任意の位置、即ちカーカス層の内側又は外側、或い
はカーカス層に隣接して設けられたゴム層の内側又は外
側などのその他の位置に配置することができる。要はタ
イヤ内部からの空気の透過拡散を防止して、タイヤ内部
の空気圧を長期間保持することができればその配置は問
題ではない。
【0013】図1は空気入りタイヤの空気透過防止層の
配置の典型例を例示する子午線方向半断面図である。図
1において、左右一対のビードコア1,1間にカーカス
層2が装架され、このカーカス層2の内側のタイヤ内面
には、インナーライナー層3が設けられている。このイ
ンナーライナー層3は、本発明では前記液状組成物の硬
化体から構成される。図1において4はサイドウォール
を示す。
【0014】本発明において空気透過防止層を構成する
液状組成物は、前述の如く、必須成分として、(i)多
元共重合ポリアミド系樹脂、(ii)硬化用樹脂及び(ii
i)該硬化用樹脂を硬化せしめる硬化剤を含む。ここにお
いて、多元共重合ポリアミド系樹脂とは、特定の共重合
比率の2元ナイロン、例えばナイロン6/ナイロン66
(例えば共重合比70/30〜50/50)、更にはナ
イロン6/ナイロン66/ナイロン610、ナイロン6
/ナイロン66/ナイロン12、ナイロン6/ナイロン
66/ナイロン610/ナイロン12などの構成の三元
又は四元又はそれ以上の多元共重合ポリアミドをいう。
これらの多元共重合ポリアミド系樹脂は単独で使用して
もよく、また併用してもよい。これらの多元共重合ポリ
アミド系樹脂は例えば東レ製CM4000,CM400
1,CM8000などとして市販されている。これらの
多元共重合ポリアミドは、例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノールその他の低級脂肪族アルコール、また
これらのアルコールに水、トリクロロエチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、ベンジルアルコール、フェノー
ル、ギ酸、酢酸などを少量加えた混合溶剤などの溶媒に
可溶である。
【0015】本発明において使用される前記硬化用樹脂
としては、多元共重合ポリアミド系樹脂に対して非反応
性で、それ自身で反応してポリアミド系樹脂を硬化網目
の中に固定する作用(一般にIPN構造と称する)をす
る樹脂であればよい。このような硬化用樹脂としては、
例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂(住友化学工業
(株) ELA−128)、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂などの硬質エポキシ樹脂
及びウレタン変性エポキシ樹脂、可とう性エポキシ樹脂
などの軟質エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0016】これらの硬化用樹脂は多元共重合ポリアミ
ド系樹脂を混合した状態で、以下に説明する硬化剤を配
合した後に常法に従って硬化させることによって多元共
重合ポリアミドをIPN(Inter Penetra
ting PolymerNetwork)化させて固
定化することによって空気透過防止層の耐水性と耐熱性
を向上させることができる。
【0017】本発明において前記硬化用樹脂を硬化させ
るのに使用することができる硬化剤としては、例えばポ
リアミン、ポリアミドアミン(三和化学(株)サンマイ
ド(好ましいアミン価150以上)A−100,A−1
001 180℃×10分で硬化)、酸無水物、チオー
ル化合物、フェノール化合物(レゾール型)、イミダゾ
ール化合物、ジシアンジアミド、酸ヒドラジッド、ルイ
ス酸などを挙げることができる。その他、ユリア樹脂、
メラミン樹脂を使用することもできる。
【0018】本発明に従って空気透過防止層を構成する
には、多元共重合ポリアミド系樹脂及び前記硬化用樹脂
をメタノール、エタノール、プロパノールその他の低級
脂肪族アルコール、またこれらのアルコールに水、トリ
クロロエチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンジル
アルコール、フェノール、ギ酸、酢酸などを少量加えた
混合溶剤等の適当な溶剤中で混合しておいて、硬化剤を
加えて硬化したものを(溶液中で粒子状になっているも
のを塗布し、次いで加熱することによって粒子が溶融し
て連続層となる)塗布しても良いし、はじめに多元共重
合ポリアミド系樹脂と硬化用樹脂を溶剤中で混合してお
き、これに硬化剤を加えて加工の直前に塗布しても良
い。また、一般に潜在性といわれる硬化剤(はじめから
混ぜても固まらない)の場合には、すべての成分を一度
に混合しておいて、タイヤの加硫時に硬化させても良
い。アルコール等に不溶性の硬化剤であっても、懸濁状
態で系の中に存在させることによって使用することがで
きる。溶液中の多元共重合ポリアミド系樹脂、硬化用樹
脂及び硬化用樹脂の硬化剤の合計量の濃度には塗布など
に支障がない限り特に限定はないが、好ましくは5〜3
0重量%程度である。
【0019】本発明に係る空気入りタイヤの第一の製造
方法について、図1に示すように、インナーライナー層
3をカーカス層2の内側に配置する場合について説明す
ると、未加硫ゴムからなるグリーンタイヤのカーカス層
内面に、ハロゲン化処理を施した後又は接着剤を塗布し
た後、前記(i)多元共重合ポリアミド系樹脂、(ii)
該多元共重合ポリアミド系樹脂と相溶性の硬化用樹脂及
び(iii)該硬化用樹脂を硬化せしめる硬化剤を含む組成
物を散布又は塗布し、次いで、このグリーンタイヤを常
法に従って加硫することにより、所望の軽量化空気入り
タイヤを製造することができる。なお、カーカス層の外
周面に空気透過防止層を設ける場合にも、これに順じて
行うことができる。
【0020】一方、加硫後のタイヤのカーカス層の表面
(即ち、内周面)に本発明に従って空気透過防止層を配
置する場合には、常法に従って加硫した加硫後のカーカ
ス層の表面をハロゲン化処理するか又はハロゲン化処理
に代えて(又はハロゲン化処理に加えて)接着剤を塗布
した後、前記本発明に係る液状組成物を散布又は塗布
し、必要に応じて加熱することにより硬化せしめること
によって所望の空気透過防止層を有する軽量化空気入り
タイヤを製造することができる。
【0021】本発明に係る空気入りタイヤの製造方法に
おいてカーカス層の表面に施すハロゲン化処理は従来か
ら一般的に行われている方法によることができ、例えば
一般的なゴムのハロゲン化処理用塩素溶液、臭素溶液、
ヨウ素溶液などを使用することができる。このような溶
液としては、塩素、臭素又はヨウ素を含む水溶液ほかに
12規定塩酸の希釈水溶液も使用でき、更には−N
(X)C(O)−基(式中、Xはハロゲンを示す)を含
む化合物の有機溶剤希釈溶液の使用が好ましい。このよ
うな化合物の具体例としては、トリクロロ−、ジクロロ
−又はモノクロロ−イソシアヌール酸をあげることがで
き、トリクロロイソシアヌール酸の2〜20重量%有機
溶剤溶液(例えばメチルエチルケトンなどのケトン系有
機溶剤溶液又は酢酸エチル等のエステル系有機溶剤溶
液)の使用が最も好ましい。
【0022】本発明に係る空気入りタイヤの製造方法に
おいてカーカス層の表面に塗布する接着剤としては、加
熱時の熱で、加硫中に、カーカス層のゴム及び空気透過
防止層の樹脂との接着反応及び自己硬化反応をするもの
でフェノール樹脂系接着剤、塩化ゴム系接着剤、イソシ
アネート系接着剤等があげられる。このような接着剤の
好ましい例としては、フェノール樹脂系(例えばロード
社製ケムロック 234B)、塩化ゴム系(例えばロー
ド社製ケムロック 205)、イソシアネート系(例え
ばロード社製ケムロック 402)などを用いることが
できる。
【0023】本発明に従った空気透過防止層を接着せし
めるゴム層の材料には特に限定はなく、従来からタイヤ
用ゴム材料として一般に使用されている任意のゴム材料
とすることができる。そのようなゴムとしては、例え
ば、NR,IR,BR,SBR等のジエン系ゴム、ハロ
ゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、
スチレン系エラストマー等にカーボンブラック、プロセ
スオイル、加硫剤等の配合剤を添加したゴム組成物とす
ることができる。
【0024】本発明に係る硬化処理後の空気透過防止層
は、融点が90℃以上、好ましくは100℃以上で、空
気透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg
以下、好ましくは5×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cm
Hg以下である。空気透過係数を25×10-12 cc・cm/
cm2 ・sec ・cmHg以下にすることによって空気透過防止
層の厚さを従来の空気透過防止層の厚さの1/2以下に
することができる。
【0025】一方、ヤング率が1〜500MPa 、好まし
くは10〜300MPa 、厚さが0.01〜1.0mm、好
ましくは0.02〜0.5mmである。ヤング率が1MPa
未満ではタイヤ成型時にシワがよる等によりハンドリン
グが困難になるので好ましくなく、逆に500MPa 超で
は走行時のタイヤ変形に追従できないので好ましくな
い。
【0026】
【実施例】実施例1〜8及び比較例1〜4 以下、実施例に従って本発明を更に具体的に説明する
が、本発明を以下の実施例に限定するものでないことは
言うまでもない。なお実施例1〜4及び比較例1〜2は
タイヤ加硫前に多元共重合ポリアミド系樹脂組成物を塗
布した例で、常法にて成型した未加硫ゴムからなるグリ
ーンタイヤの内面をハロゲン化処理(トリクロロイソシ
アヌール酸の3.3%の酢酸エチル溶液を刷毛にて塗布
し、2時間乾燥)又は接着剤塗布(刷毛にて塗布し、2
時間乾燥)した後、メタノール70重量%及びメチルエ
チルケトン30重量%の混合溶媒に多元共重合ポリアミ
ド樹脂を(実施例は硬化用樹脂、硬化剤を加えて)20
重量%の割合で溶解させた溶液をスプレーにて塗布し、
80℃の温風を2分間当てて乾燥した後、タイヤ加硫機
にて185℃、15分、圧力2.3MPa の条件で加硫成
型した。
【0027】また、実施例5〜8及び比較例3〜4は、
上記と同様の加硫条件で常法により加硫したタイヤの内
面を同様にハロゲン化処理又は接着剤塗布した後、上記
と同様に調整した溶液を、スプレーにて塗布し、表IIに
示すナイロン硬化熱処理条件または接着剤硬化条件に従
って硬化させた。さらには、標準例のタイヤは、インナ
ーライナー層として、以下の配合表のブチルゴム配合を
用いた。 ブチルゴム配合(単位:重量部) ───────────────────────── Br−IIR 100 カーボンブラック(GPF) 60 ステアリン酸 1 石油系炭化水素樹脂*1 10 パラフィン系プロセス油 10 3号ZnO 3 DM 1 硫黄 0.6 ───────────────────────── *1…エッソ化学社製 エスコレッツ1102 以下の例において使用した評価方法は以下の通りであ
る。
【0028】タイヤに使用する多元共重合ポリアミド系
樹脂溶液の作成方法 表I及び表IIに示すナイロン、硬化用樹脂、硬化剤等を
メチルエチルケトン30重量%及びメタノール70重量
%の混合溶媒に、ポリアミド系樹脂/エポキシ樹脂配合
物が30重量%となるように溶解した。
【0029】フィルムサンプルの作成 メタノール70重量%、メチルエチルケトン30重量%
の混合溶媒に20重量%の割合で溶かした各実施例及び
比較例の配合の多元共重合ナイロン溶液を、溶液流延法
(ポリマー溶液をテフロン製のエンドレスベルト上に均
一に流延し、60〜90℃の熱風を当てて連続的に乾燥
し、剥がしてフィルムを作る)により、フィルムを作成
した。なお、フィルムは乾燥後、130℃のヒーター中
で10分間放置して硬化せしめた。(フィルム厚約10
0μm)
【0030】空気透過防止層の空気透過係数測定法 JIS K7126「プラスチックフィルム及びシート
の気体透過度試験方法(A法)」に準じた。 試験片 : 上で作成したフィルムサンプルを用い
た。 試験気体 : 空気(N2 :O2 =8:2) 試験温度 : 30℃
【0031】空気透過防止層のヤング率の測定法 JIS K6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準じ
た。 試験片 : 上で作成したフィルムサンプルを、溶液
の流れ方向(エンドレスベルトの流れた方向)に平行
に、JIS3号ダンベルで打ち抜いた。得られた応力〜
ひずみ曲線の初期ひずみ領域の曲線に接線を引き、その
接線の傾きよりヤング率を求めた。
【0032】融点の測定方法 示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/min で昇
温させ、融点による吸熱のピーク温度を読むか、或い
は、このピークで不明瞭な場合は熱機械試験機(TW
A)にて5gの荷重で圧縮テストをして変曲点温度から
読み取った。
【0033】加硫後の空気透過防止層の破壊の有無 グリーンタイヤに多元共重合ポリアミド系樹脂溶液を塗
布した後、加硫する。ポリアミド系樹脂層の表面を目視
にて観察し、発泡・流れ等の破壊の有無を確認する。
【0034】空気透過防止層/カーカス層の剥離強度測
定試験 JIS K6256「加硫ゴムの接着試験方法」に準じ
た。 試験片 : 完成タイヤを解体し、カーカスコードの
配列方向に幅25mmの短冊状に打ち抜く。 試験温度 : 20℃ 試 験 : サンプルのインナーライナー層とカーカ
ス層は予め剥離させておく。引張試験器のチャックにサ
ンプルのそれぞれの層をつかみ、以下の引張速度で剥離
する。 50.0±5.0mm/min
【0035】長期耐水性・耐吸湿性試験法 165SR13 スチールラジアルタイヤ(リム 13
×41/2 −J)を用いて、空気圧200kPa 、荷重5.
5kN及び室温38℃でφ1707mmドラム上で速度80
km/hで走行する。10000km走行後にタイヤ内面を
目視検査し、インナーライナー層にクラック、目視でき
るしわ、ライナー層の剥離・浮き上がりがあるものを不
合格、ないものを合格と判定する。なお、試験走行の直
前に、タイヤは相対湿度98%及び室温70℃で10日
間放置する。
【0036】長期耐久性試験法 165SR13 スチールラジアルタイヤ(リム 13
×41/2 −J)を用い、空気圧200kPa で1500cc
クラス乗用車に於いて、4名乗用時相当の荷重(65kg
/人)を与え実路上を2万km走行する。走行後に、タイ
ヤをリムから外し、タイヤ内面のライナー層を目視観測
し、ライナー層にクラック、目視できるしわ、ライナー
層の剥離・浮き上がりがあるものを不合格、ないものを
合格と判定する。本試験は、ライナー層の強度劣化、接
着劣化等を実車にて総合的に評価することを目的とす
る。
【0037】長期耐熱性試験法 165SR13 スチールラジアルタイヤ(リム 13
×41/2 −J)を用い、空気圧250kPa 、荷重2.5
kN及び室温45℃でφ1707mmドラム上で、速度14
0km/hにて走行する。25000km走行後に、タイヤ
をリムから外し、タイヤ内面のライナー層を目視観測
し、ライナー層にクラック、目視できるしわ、ライナー
層の剥離・浮き上がりがあるものを不合格、ないものを
合格と判定する。なお、試験走行の直前に、タイヤは室
温80℃以下で14日間放置する。本試験は、ライナー
層の熱劣化による耐久性を室内ドラム上で再現評価する
ことを目的とする。
【0038】タイヤ空気漏れ性能試験法 165SR13 スチールラジアルタイヤ(リム 13
×41/2 −J)を使用して、初期圧力200kPa 、無負
荷条件にて室温21℃で3ヶ月間放置して測定間隔4日
毎に圧力を測定した。測定圧力Pt、初期圧力Po及び
経過日数tとして、関数: Pt/Po=exp(−αt) に回帰してα値を求める。得られたαを用い、t=30
を下式に代入し、 β=[1−exp(−αt)]×100 β値を得る。このβ値を1ヶ月当りの圧力低下率(%/
月)とする。
【0039】得られた結果を以下の表に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従えば、
タイヤ内の空気圧保持性を良好に保持したまま、タイヤ
の軽量化を図ると共に、ゴム層との接着性に優れかつ耐
水性(耐湿性)や耐熱性に優れた空気透過防止層を有す
る空気入りタイヤを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの構造を示す子午線方
向半断面図である。
【符号の説明】
1…ビードコア 2…カーカス層 3…インナーライナー層 4…サイドウォール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 5/06 JGV C09J 5/06 JGV (72)発明者 菅 和生 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)多元共重合ポリアミド系樹脂、
    (ii)硬化用樹脂及び(iii)該硬化用樹脂を硬化せしめ
    る硬化剤を含む液状組成物を硬化させてなる薄膜で空気
    透過防止層を構成した空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 空気透過防止層が空気透過係数25×1
    -12 cc・cm/cm2・sec ・cmHg以下及びヤング率1〜
    500MPa である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 未加硫ゴムからなるグリーンタイヤのカ
    ーカス層の表面又は該カーカス層の表面に設けたゴム層
    の表面をハロゲン化処理した後、該ハロゲン化処理面
    に、(i)多元共重合ポリアミド系樹脂、(ii)硬化用
    樹脂及び(iii)該硬化用樹脂を硬化せしめる硬化剤を含
    む液状組成物を散布又は塗布し、次いで該グリーンタイ
    ヤを加硫せしめて空気透過防止層を構成することを特徴
    とする空気入りタイヤの製造法。
  4. 【請求項4】 未加硫ゴムからなるグリーンタイヤのカ
    ーカス層の表面又は該カーカス層の表面に設けたゴム層
    の表面に接着剤を散布又は塗布した後、該接着剤面に、
    (i)多元共重合ポリアミド系樹脂、(ii)硬化用樹脂
    及び(iii)加熱により該硬化用樹脂を硬化せしめる硬化
    剤を含む液状組成物を散布又は塗布し、次いで該グリー
    ンタイヤを加硫せしめて空気透過防止層を構成すること
    を特徴とする空気入りタイヤの製造法。
  5. 【請求項5】 加硫後のタイヤのカーカス層の表面又は
    該カーカス層の表面に設けたゴム層の表面をハロゲン化
    処理した後、該ハロゲン化処理面に、(i)多元共重合
    ポリアミド系樹脂、(ii)硬化用樹脂及び(iii)該硬化
    用樹脂を硬化せしめる硬化剤を含む液状組成物を散布又
    は塗布し、次いで硬化せしめて空気透過防止層を構成す
    ることを特徴とする空気入りタイヤの製造法。
  6. 【請求項6】 加硫後のタイヤのカーカス層の表面又は
    該カーカス層の表面に設けたゴム層の表面に接着剤を散
    布又は塗布した後、該接着剤面に、(i)多元共重合ポ
    リアミド系樹脂、(ii)硬化用樹脂及び(iii)該硬化用
    樹脂を硬化せしめる硬化剤を含む液状組成物を散布又は
    塗布し、次いで硬化せしめて空気透過防止層を構成する
    ことを特徴とする空気入りタイヤの製造法。
  7. 【請求項7】 空気透過防止層が空気透過係数25×1
    -12 cc・cm/cm2・sec ・cmHg以下及びヤング率1〜
    500MPa である請求項3〜6のいずれか1項に記載の
    空気入りタイヤの製造法。
JP7026844A 1995-01-27 1995-02-15 空気入りタイヤ及びその製造方法 Pending JPH08216285A (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7026844A JPH08216285A (ja) 1995-02-15 1995-02-15 空気入りタイヤ及びその製造方法
EP08007365A EP1964890A1 (en) 1995-01-27 1996-01-25 Pneumatic tire and process for production thereof
DE69637877T DE69637877D1 (de) 1995-01-27 1996-01-25 Luftreifen und Verfahren zur Herstellung
DE69637882T DE69637882D1 (de) 1995-01-27 1996-01-25 Luftreifen und Verfahren zu seiner Herstellung
DE69613494T DE69613494T2 (de) 1995-01-27 1996-01-25 Luftreifen und Verfahren zur Herstellung
EP96101044A EP0723883B1 (en) 1995-01-27 1996-01-25 Pneumatic tire and process for production thereof
US08/591,295 US6024816A (en) 1995-01-27 1996-01-25 Pneumatic tire and process for production thereof
EP06006118A EP1669411B1 (en) 1995-01-27 1996-01-25 Pneumatic tire and process for production thereof
EP99114274A EP0952010B1 (en) 1995-01-27 1996-01-25 Pneumatic tire and process for production thereof
US09/197,463 US6179941B1 (en) 1995-01-27 1998-11-23 Pneumatic tire and process for production thereof
US09/447,560 US6244317B1 (en) 1995-01-27 1999-11-23 Pneumatic tire and process for production thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7026844A JPH08216285A (ja) 1995-02-15 1995-02-15 空気入りタイヤ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08216285A true JPH08216285A (ja) 1996-08-27

Family

ID=12204590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7026844A Pending JPH08216285A (ja) 1995-01-27 1995-02-15 空気入りタイヤ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08216285A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011161981A1 (ja) * 2010-06-25 2011-12-29 横浜ゴム株式会社 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法
CN104085257A (zh) * 2009-04-13 2014-10-08 株式会社普利司通 充气轮胎
US9546266B2 (en) 2013-03-13 2017-01-17 Basf Se Inner liner for a pneumatic tire assembly

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104085257A (zh) * 2009-04-13 2014-10-08 株式会社普利司通 充气轮胎
CN104085257B (zh) * 2009-04-13 2016-06-22 株式会社普利司通 充气轮胎
WO2011161981A1 (ja) * 2010-06-25 2011-12-29 横浜ゴム株式会社 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法
JP2012007092A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法
US8933172B2 (en) 2010-06-25 2015-01-13 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Thermoplastic elastomer composition and manufacturing method therefor
US9546266B2 (en) 2013-03-13 2017-01-17 Basf Se Inner liner for a pneumatic tire assembly

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1669411B1 (en) Pneumatic tire and process for production thereof
JP3692370B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP0722850B1 (en) Polymer composition for tire and pneumatic tire using same
JP3150561B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH08217922A (ja) 空気入りタイヤ
JP3212470B2 (ja) タイヤ用ポリマー組成物
CA1087332A (en) Composition for rubberizing steel cords
NZ207488A (en) Rubber substrate with amine-curable polymer or prepolymer adhered thereto
JPH0740702A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
AU607138B2 (en) Preformed plug - tire repair
JP2001063312A (ja) ラジアルタイヤ
US4923543A (en) Preformed plug - tire repair
JPH08216285A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
KR20140119357A (ko) 공기입 타이어의 제조 방법
CN102529585B (zh) 平衡充气轮胎的平衡垫
JP3449817B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP3620882B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JPH05330307A (ja) タイヤのインナーライナー
EP0316666A1 (en) Amine curable prepolymer or polymer precured elastomer tread application at ambient or relatively low temperatures
JPH0796719A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP3640467B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを使用した空気入りタイヤ
JPH08258504A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JPH09216502A (ja) 空気入りタイヤ
JP6562829B2 (ja) タイヤ及びタイヤの製造方法
JPH11254905A (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ