JPH08215938A - ワイヤ放電加工機における断線ワイヤの処理方法 - Google Patents

ワイヤ放電加工機における断線ワイヤの処理方法

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JPH08215938A
JPH08215938A JP5209695A JP5209695A JPH08215938A JP H08215938 A JPH08215938 A JP H08215938A JP 5209695 A JP5209695 A JP 5209695A JP 5209695 A JP5209695 A JP 5209695A JP H08215938 A JPH08215938 A JP H08215938A
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cut
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 未使用ワイヤを無駄にすることなく自動結線
作業に適したワイヤ先端を得る。 【構成】 ワイヤ断線検出後、ワイヤ先端検出手段14
aでワイヤ先端が検出されるまでワイヤ20を巻き戻し
てその巻き戻し量Wを求める。巻き戻し量Wと設定デー
タ〔(S+V)+α〕または〔(V+S)+Y−T+
α〕とに基いて、実質切断量がM1またはM2となるワ
イヤ送り出し量Mを算出する。ワイヤ先端検出手段14
aを基準にワイヤ長Mだけワイヤ20を送り出し、ワイ
ヤ切断手段14bにより消耗ワイヤを切断して取り除
く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤ放電加工機にお
ける断線ワイヤの処理方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】放電加工部におけるワイヤ断線を検出し
てワイヤ切断手段を駆動し、放電加工部とワイヤ切断手
段との間で切断されたワイヤをワイヤ除去手段によって
取り除くようにしたワイヤ放電加工機が既に公知であ
る。このような機能を備えたワイヤ放電加工機の主要部
の概略を図1に示す。
【0003】図1に示されるように、ワイヤ放電加工機
の本体部は、対向配置された上方機枠部1と下方機枠部
2に大きく2分され、各部1,2は図示しないコラムに
より上下方向の相対移動が可能なように取り付けられて
いる。これは、加工対象となるワークの厚み等により、
ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイド7とワイヤ送給経
路下流側のワイヤガイド18との間隔を調整する必要が
あるからである。
【0004】そして、上方機枠部1に設けられた供給リ
ール9には未使用のワイヤが巻回され、このワイヤは、
転向ローラ21,22に掛け回されてブレーキローラ4
とピンチローラ24との間に案内され、第1のワイヤ切
断用電極13の位置を通ってワイヤ送りパイプ構造12
を貫通し、ワイヤガイド7に至って、更に、ワイヤガイ
ド18をへて転向ローラ23で向きを変えられてワイヤ
巻取ローラ17に至るワイヤ経路を形成する。
【0005】14bは第2のワイヤ切断用電極であり、
ワイヤガイド7とワイヤガイド18との間の放電加工部
でワイヤ断線が生じたことが検出された場合には、ワイ
ヤ送りパイプ構造12のA,B間にエアーを流した状態
で第1のワイヤ切断用電極13と第2のワイヤ切断用電
極14bとの間のワイヤに通電して該ワイヤを加熱し、
ワイヤの温度が上昇する第2のワイヤ切断用電極14b
の位置でワイヤを切断する。つまり、第2のワイヤ切断
用電極14bが実質的なワイヤ切断手段である。
【0006】ワイヤ断線位置および前記切断位置で切断
されて上流側および下流側のワイヤと分離された切断ワ
イヤは、クランプ部26によって把持され、ワイヤ引き
込みユニット6の退避動作(図1において右から左へと
向かう移動)によってワイヤ経路上から引き抜かれ、再
びクランプ部26が開かれることにより上方機枠部1の
外部に除去される。つまり、クランプ部26およびワイ
ヤ引き込みユニット6によってワイヤ除去手段が構成さ
れていることになる。
【0007】このようにしてワイヤ断線位置よりも上流
側のワイヤを積極的に切断して除去するのは、上流側の
ワイヤの先端に放電加工で消耗して表面の荒れたワイヤ
が残るのを防止するため、つまり、自動結線作業等に際
してワークや上下の各ワイヤガイド7,18等にワイヤ
の先端の通りが悪くなるのを防止するためである。
【0008】前述したように、従来のワイヤ放電加工機
では、断線検出後、そのままワイヤ切断用電極14bの
位置でワイヤを切断してこれを除去するようにしていた
ため、実際には放電加工に供されていない上流側の未使
用ワイヤまでが切断除去されることになり、ワイヤが無
駄にされるといった問題があった。
【0009】また、ワイヤガイド7とワイヤガイド18
との間の放電加工部でワイヤ断線が生じるといってもそ
の場所は様々である。例えば、ワークの上面側、つま
り、ワイヤガイド7に近い位置でワイヤ断線が生じた場
合には、断線位置よりも上流側のワイヤをそれほど長く
切断して除去する必要はなく、また、ワークの下面側、
つまり、ワイヤガイド18に近い位置でワイヤ断線が生
じたような場合では、断線位置よりも上流側のワイヤを
相当な長さにわたって切断除去しなければ、放電加工に
供されて表面の荒れたワイヤを取り除くことはできな
い。
【0010】前述した通り、ワイヤガイド7とワイヤガ
イド18との間隔はワークの厚み等により様々に調整さ
れ、ワイヤガイド7とワイヤガイド18とを相当に引き
離して加工を行ったような場合には、ワイヤガイド7か
らかなり離れた位置でワイヤ断線が発生する可能性があ
る。このような場合、断線位置とワイヤ切断用電極14
bの位置で切断分離されるワイヤの長さはかなりのもの
になる。前記従来技術では、1回の切断除去動作で切断
ワイヤを一括して除去する必要があるため、クランプ部
26の移動ストロークを長く構成し、最長の切断長さに
対処できるようにしてワイヤの除去動作を行うようにし
なければならず、上方機枠部1の横幅を大きく構成しな
ければならないので、装置の小形化の実現が難しいとい
った問題が生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、前記従来技術の欠点を解消し、未使用ワイヤを無駄
にすることなく自動結線作業に適したワイヤ先端を得る
ことができ、また、ワイヤ除去手段の移動ストロークが
短くても全長の長い切断ワイヤを処理することのできる
ワイヤ放電加工機における断線ワイヤの処理方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ワイヤ断線検
出後、ワイヤ先端検出手段でワイヤ先端が検出されるま
でワイヤ送給経路上流側に設けられたワイヤ巻き戻し手
段によりワイヤを巻き戻してその巻き戻し量を求め、該
巻き戻し量と設定データとに基いて放電によって消耗し
た部分を除去するためのワイヤ長を算出し、該ワイヤ長
だけワイヤを送り出してワイヤ切断手段によりワイヤを
切断して取り除くようにしたことを特徴とする構成によ
り、未使用ワイヤを無駄にすることなく自動結線作業に
適したワイヤ先端が得られるようにした(請求項1)。
更に、ワイヤ切断手段とワイヤ送給経路上流側のワイヤ
ガイドとの距離に所定値を加算した値を設定データと
し、前記巻き戻し量から前記設定データを減じてワイヤ
長を算出し、この分だけワイヤ送給経路上流側のワイヤ
を送り出して切断することにより、放電加工によって消
耗している可能性のあるワイヤ、つまり、放電加工時に
ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドよりも下流側に位
置していたワイヤの全てを切断除去するようにし、未使
用ワイヤの無駄をなくすと共に自動結線作業に適したワ
イヤ先端を確実に得られるようにした(請求項2)。ま
た、ワイヤ切断手段とワイヤ送給経路上流側のワイヤガ
イドとの距離、ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドの
位置およびワークの厚みを設定データとし、これらデー
タにより求められるワーク上面とワイヤ切断手段との間
の距離に所定値を加算した値を巻き戻し量から減じてワ
イヤ長を算出することにより、放電加工によって明らか
に消耗しているワイヤ、つまり、放電加工時にワーク上
面よりも下流側に位置していたワイヤのみを切断除去
し、未使用ワイヤの無駄を一層効果的になくした(請求
項3)。
【0013】また、ワイヤ断線検出後、ワイヤ送給経路
上流側のワイヤガイドの位置またはワークの厚みに基い
て除去すべきワイヤ長を求め、ワイヤ切断手段によって
ワイヤ送給経路上流側のワイヤ先端から切断できるワイ
ヤの長さの最大値で前記ワイヤ長を除して整数部と余り
とを求め、ワイヤ送りローラと前記ワイヤ切断手段およ
びワイヤ除去手段を作動し、前記整数部に相当する回数
の最大値による切断作業と取り除き作業、および、前記
余りによる切断作業と取り除き作業を行って前記ワイヤ
長分のワイヤを切断して取り除く、もしくは整数部から
「1」減じた数の前記最大値ワイヤ量の切断・取り除き
作業と最大値に余りを加算し「2」で除した値のワイヤ
量の切断・取り除き作業を2回行うようにすることによ
り、ワイヤ除去手段の移動ストロークが短くても全長の
長い切断ワイヤを処理できるようにした(請求項4,請
求項8,請求項9〜請求項11)。更に、ワイヤ断線検
出後、ワイヤ先端検出手段でワイヤ先端が検出されるま
でワイヤ送給経路上流側に設けられたワイヤ巻き戻し手
段によりワイヤを巻き戻してその巻き戻し量を求め、該
巻き戻し量と設定データとに基いて放電によって消耗し
た部分を除去するためのワイヤ長を算出し、前記ワイヤ
切断手段によってワイヤ送給経路上流側のワイヤ先端か
ら切断できるワイヤの長さの最大値で前記ワイヤ長を除
して整数部と余りとを求め、ワイヤ送りローラと前記ワ
イヤ切断手段およびワイヤ除去手段を作動し、前記整数
部に相当する回数の最大値による切断作業と取り除き作
業、および、前記余りによる切断作業と取り除き作業を
行って前記ワイヤ長分のワイヤを切断して取り除くこと
により、全長の長い切断ワイヤの切断除去に対処すると
共に、未使用ワイヤを無駄にすることなく自動結線作業
に適したワイヤ先端が得られるようにした(請求項
5)。そして、更に、ワイヤ切断手段とワイヤ送給経路
上流側のワイヤガイドとの距離に所定値を加算した値を
設定データとし、前記巻き戻し量から前記設定データを
減じてワイヤ長を算出し、前記ワイヤ切断手段によって
ワイヤ送給経路上流側のワイヤ先端から切断できるワイ
ヤの長さの最大値で前記ワイヤ長を除して整数部と余り
とを求め、ワイヤ送りローラと前記ワイヤ切断手段およ
びワイヤ除去手段を作動し、前記整数部に相当する回数
の最大値による切断作業と取り除き作業、および、前記
余りによる切断作業と取り除き作業を行って前記ワイヤ
長分のワイヤを切断して取り除くことにより、全長の長
い切断ワイヤの切断除去に対処すると共に、未使用ワイ
ヤの無駄をなくして自動結線作業に適したワイヤ先端を
確実に得られるようにした(請求項6)。また、ワイヤ
切断手段とワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドとの距
離、ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドの位置および
ワークの厚みを設定データとし、これらデータにより求
められるワーク上面とワイヤ切断手段との間の距離に所
定値を加算した値を巻き戻し量から減じてワイヤ長を算
出し、前記ワイヤ切断手段によってワイヤ送給経路上流
側のワイヤ先端から切断できるワイヤの長さの最大値で
前記ワイヤ長を除して整数部と余りとを求め、ワイヤ送
りローラと前記ワイヤ切断手段およびワイヤ除去手段を
作動し、前記整数部に相当する回数の最大値による切断
作業と取り除き作業、および、前記余りによる切断作業
と取り除き作業を行って前記ワイヤ長分のワイヤを切断
して取り除くことにより、全長の長い切断ワイヤの切断
除去に対処すると共に、放電加工によって明らかに消耗
しているワイヤ、つまり、放電加工時にワーク上面より
も下流側に位置していたワイヤのみを切断除去し、未使
用ワイヤの無駄を一層効果的になくした(請求項7)。
【0014】
【作用】ワイヤ断線検出後、ワイヤ先端検出手段でワイ
ヤ先端が検出されるまでワイヤ送給経路上流側に設けら
れたワイヤ巻き戻し手段によりワイヤを巻き戻してその
巻き戻し量を求め、該巻き戻し量と設定データとに基い
て放電によって消耗した部分を除去するためのワイヤ長
を算出する。
【0015】この際、自動結線作業に適したワイヤ先端
を確実に得ることが主目的であれば、ワイヤ切断手段と
ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドとの距離に所定値
を加算した値を設定データとし、巻き戻し量から前記設
定データを減じてワイヤ長を算出する。また、未使用ワ
イヤの無駄を一層効果的に防止することが主目的であれ
ば、ワイヤ切断手段とワイヤ送給経路上流側のワイヤガ
イドとの距離、ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドの
位置およびワークの厚みを設定データとし、これらデー
タにより求められるワーク上面とワイヤ切断手段との間
の距離に所定値を加算した値を巻き戻し量から減じてワ
イヤ長を算出する。
【0016】図3はワイヤ長の算出に関する原理を示す
概念図である。図3において符号14bはワイヤ切断手
段、符号14aはワイヤ先端検出手段、符号7および1
8は各々ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドとワイヤ
送給経路下流側のワイヤガイドであり、ワイヤガイド7
とワイヤガイド18との間がいわゆる放電加工部であ
る。いま、ワイヤ20上の×印の位置でワイヤ断線が発
生したものと仮定すると、ワイヤ送給経路上流側のワイ
ヤガイド7よりも下流側に位置していたワイヤ20の全
てを切断除去する場合、実際に切断が必要とされる最低
限のワイヤ20の長さは、ワイヤ送給経路上流側のワイ
ヤ20の先端を起点として上流側にM1の長さ、また、
放電加工時にワーク200の上面よりも下流側に位置し
ていたワイヤ20(要するにワーク200に実際に突入
していた部分)のみを切断除去するとするなら、実際に
切断が必要とされる最低限のワイヤ20の長さは、ワイ
ヤ送給経路上流側のワイヤ20の先端を起点として上流
側にM2の長さである。
【0017】なお、M1,M2の各々は実際に切断すべ
きワイヤ20の最低限の長さであって、“消耗した部分
を除去するためのワイヤ長”、つまり、ワイヤ20の送
り出し量そのものではない。
【0018】ここで、先端検出までのワイヤ20の巻き
戻し量をW、ワイヤ先端検出手段14aとワイヤ送給経
路上流側のワイヤガイド7との間の距離をSとすれば、
ワイヤガイド7よりも下流側に位置していたワイヤ20
の全てを切断除去する場合、M1=W−Sとなる。しか
し、図3の例ではワイヤ切断手段14bよりもワイヤ先
端検出手段14aの方がVだけ下流側に位置するので、
ワイヤ先端検出手段14aでワイヤ20の上流側の先端
を検出してから下流側にM1だけワイヤ20を送り出し
て切断作業を行うと、実際に切断されるワイヤ20の量
はM1+V、即ち、切断すべき量M1よりもVだけ長く
なってしまう。従って、ワイヤ先端検出手段14aを基
準として送り出すべきワイヤ20の量Mは、M=W−S
−V=W−(S+V)、即ち、ワイヤ巻き戻し量(W)
から、ワイヤ切断手段14bとワイヤ送給経路上流側の
ワイヤガイド7との間の距離(S+V)を減じた値であ
る。更に、誤差による微小な切り残しを防止するため
(S+V)に所定値α(但しα≦0)を加算して設定デ
ータ〔(S+V)+α〕とし、ワイヤ巻き戻し量Wと設
定データ〔(S+V)+α〕とから、 M=W−〔(S+V)+α〕・・・(1) の式に基いて、ワイヤガイド7よりも下流側に位置して
いたワイヤ20の全てを切断除去する場合のワイヤ長M
を求める。ワイヤ切断手段14bよりもワイヤ先端検出
手段14aの方が上流側に位置する場合ではVの符号が
反転するが、実質的な処理操作に関しては式(1)と同
様である。
【0019】また、放電加工時にワーク200の上面よ
りも下流側に位置していたワイヤ20のみを切断除去す
る場合、実際に切断すべきワイヤ20の最低限の長さM
2は、先端検出までのワイヤ20の巻き戻し量をW、テ
ーブル19を基準面とするワイヤ先端検出手段14aの
高さをX、ワーク200の厚みをTとして、M2=W−
(X−T)となる。テーブル19を基準面とするワイヤ
先端検出手段14aの高さXは、テーブル19を基準面
とするワイヤ送給経路上流側のワイヤガイド7の高さY
にワイヤ先端検出手段14aとワイヤ送給経路上流側の
ワイヤガイド7との間の距離Sを加えた値であるから、
M2=W−(X−T)=W−Y−S+Tである。しか
し、図3の例ではワイヤ切断手段14bよりもワイヤ先
端検出手段14aの方がVだけ下流側に位置するので、
ワイヤ先端検出手段14aでワイヤ20の上流側の先端
を検出してから下流側にM2だけワイヤ20を送り出し
て切断作業を行うと、実際に切断されるワイヤ20の量
はM2+V、即ち、切断すべき量M2よりもVだけ長く
なってしまう。従って、ワイヤ先端検出手段14aを基
準として送り出すべきワイヤ20の量Mは、M=W−Y
−S+T−V=W−〔V+S+(Y−T)〕、即ち、ワ
イヤ巻き戻し量(W)から、ワーク200の上面とワイ
ヤ切断手段14bとの間の距離〔V+S+(Y−T)〕
を減じた値である。更に、誤差による微小な切り残しを
防止するため、〔V+S+Y−T〕に所定値α(但しα
≦0)を加算して〔V+S+Y−T+α〕とし、ワイヤ
巻き戻し量Wと〔V+S+Y−T+α〕とから、 M=W−〔(V+S)+Y−T+α〕・・・(2) の式に基いて、ワーク200の上面よりも下流側に位置
していたワイヤ20のみを切断除去する場合のワイヤ長
Mを求める。このうち、ワイヤ切断手段14bとワイヤ
送給経路上流側のワイヤガイド7との間の距離(V+
S)、ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイド7の高さ
(Y)、ワークの厚み(T)が設定データであり、これ
らから求められる〔V+S+(Y−T)〕がワーク20
0の上面とワイヤ切断手段14bとの間の距離である。
ワイヤ切断手段14bよりもワイヤ先端検出手段14a
の方が上流側に位置する場合ではVの符号が反転する
が、実質的な処理操作に関しては式(2)と同様であ
る。
【0020】そして、切断除去作業に際しては、ワイヤ
切断手段14bによってワイヤ送給経路上流側のワイヤ
の先端から切断できるワイヤの長さの最大値MAXで前
記ワイヤ長Mを除して整数部Nと余りRとを求め、ワイ
ヤ送りローラと前記ワイヤ切断手段14bおよびワイヤ
除去手段を作動し、前記整数部N(若しくはN−1)に
相当する回数の最大値MAXによる切断作業と取り除き
作業、および、前記余りRによる切断作業と取り除き作
業(若しくは(最大値+余り)/2の切断・取り除き作
業を2回)を行って前記ワイヤ長M分のワイヤを切断し
て取り除くようにし、ワイヤ長Mが長い場合であって
も、最大値MAXで制限される切断可能最大長さの範囲
で全長の長いワイヤ長Mに対処できるようにする。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の方法の実施例
を説明する。まず、図1を参照してワイヤ放電加工機に
おける主要部の構成を詳述すると、ワイヤ放電加工機の
本体部の全体は、対向配置された上方機枠部1と下方機
枠部2に大きく2分され、各部1、2は図示しないコラ
ムにより上下方向の相対移動が可能なように取り付けら
れている。これは、加工対象となるワーク200の厚み
等により、ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイド(以
下、上ガイドという)7とワイヤ送給経路下流側のワイ
ヤガイド(以下、下ガイドという)18との間隔を調整
する必要があるからである。
【0022】上方機枠部1には、ワイヤ巻上げユニット
3、ブレーキローラ4、ワイヤ切断機構5、ワイヤ引き
込みユニット6、上ガイド7が配置されている。
【0023】ワイヤ巻上げユニット3は巻上げモータ8
に連結された供給リール9を備え、ブレーキローラ4は
タイミングベルト,パウダークラッチ等を介して正逆回
転可能なブレーキ用モータ10で駆動される。符号11
はブレーキローラ4の回転量(ワイヤ移動量)を検出す
るパルスコーダである。
【0024】ワイヤ切断機構5は、上ガイド7の上方に
配置されたワイヤ送りパイプ構造12とこのパイプ構造
12の入口側と出口側に配置された第1のワイヤ切断用
電極13、および、ワイヤ先端検出手段14aを兼ねる
第2のワイヤ切断用電極(実質的なワイヤ切断手段)1
4bと、圧接用ローラ15で構成されている。
【0025】この電極14bと圧接ローラ15はワイヤ
経路に対し遠近移動可能とされている。即ち、電極14
bと圧接ローラ15は、図示しないソレノイドへの通電
制御を介し、ワイヤ切断手段またはワイヤ先端検出手段
として使用される時には図1に示すように長孔内をワイ
ヤ20経路に入り込むように移動され、また、通常加工
時にはワイヤ20から遠ざけられる。この実施例では、
ワイヤ送りパイプ構造12のA,B間にエアーを流した
状態で第1のワイヤ切断用電極13と第2のワイヤ切断
用電極14bとの間のワイヤ20に通電してワイヤ20
を加熱し、実際にワイヤ20の温度が上昇する第2のワ
イヤ切断用電極14bの位置でワイヤ20の切断作業が
行われるから、図3に示すような作用原理において、ワ
イヤ先端検出手段14aとワイヤ切断手段14bとの間
の距離Vは実質的に零である。
【0026】上ガイド7内にはワイヤ通路に面して加工
用上電極30aが配置され、放電加工時に加工用下電極
30bとの間に加工用の通電が行なわれる。
【0027】下方機枠部2には、ワイヤ巻取りローラ1
6とこれに対向したピンチローラ17および下ガイド1
8が配置されている。符号19はワイヤ放電加工機のテ
ーブル面を示している。加工用下電極30bは下ガイド
18内のワイヤ通路に面して配置される。
【0028】ワイヤ20は、供給リール9から引き出さ
れ、転向ローラ21,22に掛け回されてブレーキロー
ラ4に案内され、第1のワイヤ切断用電極13の位置を
通り、ワイヤ送りパイプ構造12を貫通して上ガイド7
に至り、更に、下ガイド18をへて転向ローラ23で向
きを変えてワイヤ巻取ローラ17に至るワイヤ経路を形
成する。ワイヤ20は、定電流回路により制御されるブ
レーキ用モータ10で駆動されるブレーキローラ4によ
って所定のバックテンションを与えられ、ワイヤ巻取り
ローラ17の牽引作動で走行する。下ガイド18内に配
置された加工用下電極30bは加工用上電極30aと共
に走行中のワイヤに接触して加工用の電力をワイヤ20
に供給する。
【0029】ワイヤ20の通常走行時(放電加工時)に
は、供給リール9の巻上げモータ8は逆方向(破線の矢
印)に空転されている。グリップ部26はワイヤ20の
通常走行時においては開放状態にあり、ワイヤ20とは
接触しない。
【0030】符号24はピンチローラで、ブレーキロー
ラ4の周面に接してワイヤ20とブレーキローラ4との
接触を確実にする。符号25は誘導パイプで、下方機枠
部2において転向ローラ23とワイヤ巻取ローラ17間
に配置され、パイプ内にワイヤ20が貫通される。
【0031】ワイヤ引き込みユニット6は、先端にクラ
ンプ部26を設けたアーム27とこれを引き込むエアシ
リンダ28で構成され、先端のクランプ部26は圧接用
ローラ15の下流側に位置する。ワイヤ引き込みユニッ
ト6は実質的なワイヤ除去手段である。
【0032】ワイヤ送りパイプ構造12は、矢印A,B
で各々示した位置に図示しない導水部及び排水部を有し
ており、前記した通り、ワイヤ切断時にはA,B間でア
ニールが行なわれ、第2のワイヤ切断用電極14bの位
置でワイヤ20が切断される。ワイヤ送りパイプ構造1
2は、全体がワイヤ20と電気的に絶縁された構造とさ
れる。
【0033】更に、このワイヤ送りパイプ機構12は、
第1の切断用電極13と共にスライド部材102に支持
されており、スライド部材102は支柱ガイド103に
沿って図示しない駆動手段によって、図示した最上位置
と上ガイド7に形成された位置決め部71との間(距離
L)で昇降駆動される。この機構は自動結線時に利用さ
れる。
【0034】図2には、テーブル19の位置制御を行う
為のNC装置を兼ねたワイヤ放電加工機制御装置が符号
50で示されている。ワイヤ放電加工機制御装置50
は、マイクロプロセッサからなる中央演算処理装置(以
下、CPUという)51を備えており、CPU51には
プログラムメモリ52、データメモリ53、液晶ディス
プレイLCDを備えた操作盤54及び入出力装置55が
各々バス56を介して接続されている。
【0035】プログラムメモリ52には、ワイヤ放電加
工機の各部及びワイヤ放電加工機制御装置自身を制御す
る為の種々のプログラムが格納されている。また、デー
タメモリには加工プログラムに付随した位置データ、そ
の他の加工条件を定める各種設定データが格納されると
共に、CPU51が行なう各種計算の為のデータ一時記
憶用のメモリとしても利用される。
【0036】入出力装置55には、テーブル駆動部6
0、加工電源部61、ワイヤ切断電源部62、ワイヤ巻
上げ/巻取り制御部63、ワイヤ送り制御部64、パル
スコーダ11、電極機能切換部66、ワイヤ先端検出部
68、表示装置(CRT)69及びその他のワイヤ放電
加工機各部を制御する各部移動制御部70が各々接続さ
れている。
【0037】テーブル駆動部60及び加工電源部61は
周知の構成を有するものであり、加工実行時には通常の
方式に従って各々制御される。ワイヤ切断電源部62は
第1及び第2のワイヤ切断用電極13、14bに必要な
電力を供給するものである。ワイヤ巻上げ/巻取り制御
部63はワイヤ巻取りローラ16を駆動するモータ(図
示省略)及び巻上げモータ8を駆動するものである。
【0038】また、ワイヤ送り制御部64はブレーキロ
ーラ4を駆動するモータ10の駆動制御を行う部分であ
り、ブレーキローラ4の回転量がパルスコーダ11によ
って検出されることは、既に述べた通りである。
【0039】電極機能切換部66は、電極14bの機能
を第2のワイヤ切断用電極14b(ワイヤ切断手段)と
ワイヤ先端検出手段14aのいずれかに切換選択する為
のものであり、ワイヤ先端検出手段としての電極14b
からのワイヤ先端検出信号はワイヤ先端検出部68に入
力される。
【0040】そして、各部移動制御部70は、第2のワ
イヤ切断用電極14bの進退移動、自動結線時のパイプ
構造12の降下移動等を制御する部分を一括して表わし
たものである。
【0041】CPU51はワイヤ20の通常走行時(放
電加工時)においてパルスコーダ11から出力されるフ
ィードバックパルスを逐次検出しており、このフィード
バックパルスが一定時間以上検出されなくなると、ワイ
ヤ20に放電加工部での断線が生じてワイヤ巻取りロー
ラ17の回転によるワイヤ送り、要するに、ブレーキロ
ーラ4の回転が停止たものと見做し、図4に示すような
断線復旧処理を開始する。
【0042】ワイヤ断線の発生を検出したCPU51
は、まず、テーブル駆動部60,加工電源部61,ワイ
ヤ巻上げ/巻取り制御部63に停止指令を出力して各軸
の送りと加工用電極30a,30bとワーク間への加工
電源の供給およびワイヤ巻取ローラ17の駆動を停止さ
せ(ステップS1)、データメモリ53に自動修復実行
フラグがセットされているか否かを判別する(ステップ
S2)。この自動修復実行フラグは、オペレータの要求
に応じ、操作盤54からのキーボード操作で任意にセッ
ト/リセットができるようになっている。
【0043】自動修復実行フラグがセットされていなけ
れば自動運転による修復作業は求められていないので、
CPU51はこのまま処理を終了し、また、自動修復実
行フラグがセットされていれば以下の処理を継続して行
う。
【0044】自動修復実行フラグがセットされているこ
とを確認したCPU51は、タイマに所定時間を設定し
て計時を開始し(ステップS3)、ワイヤ巻取ローラ1
7の駆動を開始して(ステップS4)、前記所定時間の
計時が完了するまでの間にパルスコーダ11からのフィ
ードバックパルスが得られるか否かを判定する(ステッ
プS5,ステップS6)。そして、この間にパルスコー
ダ11からのフィードバックパルスが得られれば、ワイ
ヤ20が送られてブレーキローラ4が回転したものと見
做し、ワイヤ断線はないものと判断して、テーブル駆動
部60,加工電源部61を再駆動して加工を再開する。
【0045】また、ワイヤ巻取ローラ17を所定時間駆
動してもフィードバックパルスが得られない場合には、
放電加工部で実際にワイヤ断線が発生しているものと見
做し、ワイヤ巻取ローラ17の駆動を再び停止する(ス
テップS7)。そして、パルスコーダ11からのフィー
ドバックパルスを積算するカウンタの値をリセットし
(ステップS8)、タイマに所定時間を設定して計時を
開始し(ステップS9)、電極14bの機能をワイヤ先
端検出手段14aに切り替え、ワイヤ巻上げ/巻取り制
御部63に駆動指令を出力して供給リール9の正転つま
りワイヤ20の巻き戻し作業を開始する(ステップS1
0)。
【0046】そして、CPU51は前記所定時間の計時
が完了するまでの間にワイヤ先端検出部68から先端検
出信号が入力されたか否か、つまり、ワイヤ先端検出手
段(ワイヤ先端検出手段の構成は従来から公知なもので
あるのでその説明は省略する)としてのワイヤ切断用電
極14bの位置までワイヤ20の上流側の先端が巻き戻
されたか否かを判定する(ステップS11,ステップS
12)。この間にワイヤ20の先端が検出されなけれ
ば、巻き戻し動作に異常が発生したか、または、上下ガ
イド7,18間の放電加工部以外の場所で断線が生じた
ものと見做し、供給リール9の正転を停止させる(ステ
ップS13)。
【0047】また、この間にワイヤの20の先端が検出
された場合は、供給リール9の正転を停止させた後(ス
テップS14)、前記カウンタの値によって示されるワ
イヤ20の巻き戻し量Wと各種設定データとに基いて、
前述した式(1)もしくは式(2)の演算処理を実行
し、放電によって消耗した部分を除去するためのワイヤ
長M(ワイヤ先端検出手段を基準とするワイヤ送り出し
量)を算出する(ステップS15)。
【0048】既に説明した通り、式(1)は上ガイド7
よりも下流側に位置していたワイヤ20の全てを切断除
去する場合の演算処理、また、式(2)はワーク200
の上面よりも下流側に位置していたワイヤ20のみを切
断除去する場合の演算処理であり、ステップS15で
は、データメモリ53の処理選択フラグの値に応じ、C
PU51がいずれか一方の演算処理を選択的に実行する
ことになる。この選択フラグは、操作盤54からのキー
ボード操作により任意に切り替えが可能である。なお、
ワイヤ切断手段14bと上ガイド7との間の距離(S+
V)はワイヤ放電加工機の構造によって決まる設定デー
タ(実質的には固有値)であり、また、テーブル19を
基準とする上ガイド7の高さ(Y)とワークの厚み
(T)は実行中の加工プログラムからCPU51に読み
込まれた設定データである(式(1)および式(2)参
照)。
【0049】そして、ステップS15の処理によりワイ
ヤ長Mを算出したCPU51は、ステップS16へと移
行し、図6に示されるような消耗ワイヤ廃棄処理(1)
を開始する。
【0050】消耗ワイヤ廃棄処理(1)を開始したCP
U51は、まず、ワイヤ切断手段としての電極14bに
よりワイヤ送給経路上流側のワイヤ20の先端から切断
できるワイヤの長さの最大値MAXで前記ワイヤ長Mを
除して整数部と余りとを求め、各々の値をレジスタN
(整数部)およびレジスタR(余り)に記憶する(ステ
ップB1,ステップB2)。なお、ステップB1におけ
るINTは少数部を切り捨てて整数化するための演算記
号である。
【0051】次いで、CPU51は切断回数を記憶する
レジスタjを0に初期化した後(ステップB3)、レジ
スタjの値を1インクリメントして(ステップB4)、
該レジスタjの値が整数部Nの値を越えているか否か、
即ち、N回分のフルストロークの切断作業が既に実行さ
れているか否かを判別する(ステップB5)。レジスタ
jの値が整数部Nの値を越えていなければ、CPU51
は、フルストロークの切断作業を行うため、ワイヤ送り
量を記憶するレジスタAにMAXの値を格納し(ステッ
プB6)、ステップB7に移行して、図8に示されるよ
うなワイヤ切断処理を開始する。
【0052】なお、ブレーキ用モータ10の駆動により
ブレーキローラ4を駆動すればワイヤ20自体は幾らで
も送り出すことができ、これを電極14bにより任意位
置で切断することは可能であるが、切断した部分のワイ
ヤ20は、ワイヤ引き込みユニット6の1回の動作によ
ってワイヤ送給経路上から排除しなければならないの
で、結果的に、電極14bによって切断することのでき
るワイヤ20の最大値MAXの値は、ワイヤ引き込みユ
ニット6におけるクランプ部26の移動ストローク等に
よって制限を受ける。
【0053】ワイヤ切断処理を開始したCPU51は、
まず、各部移動制御部70に駆動指令を出力してエアシ
リンダ28を作動させ、開放状態で待機位置に位置して
いたクランプ部26を図1に示されるような作動位置へ
と移動させ(ステップC1)、ブレーキローラ4を位置
制御しながら駆動してワイヤ20にレジスタAの値に相
当する送りをかけ(ステップC2)、クランプ部26を
閉じてワイヤ20を把持させる(ステップC3)。次い
で、CPU51はワイヤ切断用電極14bの機能をワイ
ヤ切断手段に切り替えてワイヤ切断電源部62を作動
し、電極13,14b間に通電してアニールを行いなが
ら電極14bの位置でワイヤ20を切断する(ステップ
C4)。そして、再びエアシリンダ28を作動させ、上
下で切断されたワイヤ20を把持したクランプ部26を
待機位置に移動させて(ステップC5)、クランプ部2
6を開いて切断ワイヤを捨てさせ(ステップC6)、1
回分のフルストローク切断を終了する。
【0054】なお、切断時の反動等により上流側のワイ
ヤ20が引き戻されてワイヤ20の先端位置が移動する
ような恐れがあるような場合には、1回分の切断が終了
した時点でワイヤ20の先端位置を修正することが望ま
しいが、その場合は、ワイヤ20に送りを掛けてワイヤ
先端検出手段としての電極14bで一旦その先端を検出
させ、更に、ワイヤ切断手段14bとワイヤ先端検出手
段14aとの間の距離および配置関係に基いてワイヤ2
0をVだけ巻き戻し、ワイヤ20の先端を切断位置に戻
すようにする(図3参照)。
【0055】以下、CPU51は、レジスタjの値が整
数部Nの値を越えるまでの間、前記と同様にしてステッ
プB4〜ステップB7の処理を和繰り返し実行し、全体
としてN回のフルストローク切断を実行する。
【0056】そして、レジスタjの値が整数部Nの値を
越え、N回のフルストローク切断が実行されたことがス
テップB5の判別処理によって確認されると、CPU5
1は、余りRの値をレジスタAに再設定して(ステップ
B8)、前記と同様のワイヤ切断処理を1回実行し(ス
テップB9)、消耗ワイヤ廃棄処理(1)を終了する。
この間にワイヤ先端検出手段としての電極14bを基準
として送り出されるワイヤ20の量は、全体としてN・
MAX+R、要するに、放電によって消耗した部分を除
去するためのワイヤ長Mに匹敵する長さである。
【0057】このように、消耗部分の切断除去に必要と
されるワイヤ長Mがワイヤ放電加工機の構造上1回の動
作によって切断除去できる長さMAXを越えている場合
には、複数回の切断除去動作を繰り返し実行することに
よってワイヤを取り除くようにしているので、ワイヤ除
去手段となるクランプ部26の移動ストロークが短いよ
うな場合であっても全長の長い切断ワイヤを容易に処理
することができる。またクランプ部26の移動ストロー
クが短くても全長の長いワイヤに対処することができる
ので、クランプ部26の移動ストロークを無闇に長くす
る必要がなく、ワイヤ放電加工機の構造全体が小形化さ
れる。
【0058】消耗ワイヤ廃棄処理(1)を終了したCP
U51は、データメモリ53に断線修復スキップの設定
がなされているか否かを判別し(ステップS17)、断
線修復スキップが設定されていれば、更に、断線検出回
数(断線復旧処理の実行回数)が設定値に達しているか
否かを判別する(ステップS18)。なお、断線修復ス
キップは、オペレータの要求に応じ、操作盤54からの
キーボード操作で任意にセット/リセットができる。ま
た、断線検出回数の値は、断線検出毎にカウンタの値を
順次インクリメントして更新記憶するようになってお
り、加工プログラムが次の加工ブロックへと移行する際
には、このカウンタの値が自動的にリセットされる。断
線検出回数の値が設定値に達している場合は、現在実行
中の加工ブロックに対して設定回数分の断線復旧処理を
繰り返し実行しても断線が発生してしまうことを意味す
るので、CPU51は、当該加工ブロックでのワイヤの
再結線作業を放棄し、断線復旧処理を中止して加工プロ
グラムをスキップさせ、次の加工ブロックの処理へと移
行する。
【0059】断線修復スキップの設定がなされていない
場合は断線検出回数の大小に関わらずワイヤの再結線作
業を強制実行する必要があることを意味し、また、断線
修復スキップの設定がなされている場合であっても断線
検出回数が設定値に達していない場合にはワイヤの再結
線作業により当該加工ブロックに対して正常な加工が行
える可能性があるので、CPU51は各軸を駆動制御し
てテーブル19を当該加工ブロックの加工開始孔の位置
に戻し、従来と同様のワイヤの自動結線作業を実行する
(ステップS19)。
【0060】ワイヤの自動結線作業を行った後、CPU
51は、データメモリ53に放電リトレースモードの設
定があるか否かを判別し(ステップS20)、放電リト
レースモードの設定があれば、ワイヤ巻取ローラ17の
回転および加工用電極30a,30bとワーク間への加
工電源の供給を開始して加工開始孔のプログラム位置
(現在位置)から加工プログラムに基いて各軸の送りを
行い(ステップS22)、また、放電リトレースモード
の設定がなければ、各軸の送りのみを行って(ステップ
S21)、断線発生検出時に記憶した加工位置までブロ
グラムの経路に沿ってテーブル19を移動させ(ステッ
プS23)、その後、通常のワイヤ放電加工処理を再開
する。
【0061】なお、放電リトレースモードの設定および
解除は、断線修復スキップの設定操作と同様、オペレー
タの要求に応じ、操作盤54からのキーボード操作で前
記と同様に任意にセット/リセットができる。
【0062】前述した実施例では、ワイヤ切断手段とし
てのワイヤ切断用電極14bにより零以上MAX以下の
長さのワイヤの切断を無制限に行える場合に適用できる
消耗ワイヤ廃棄処理(1)について説明したが、ワイヤ
切断用電極14bとクランプ部26との距離が離れてい
るような場合では、ある一定以下の長さの切断作業をワ
イヤ切断用電極14bとクランプ部26とのコンビネー
ションで実施することが困難となる場合もありえる。
【0063】このような場合は、1回の動作で切断でき
る最小の切断量MINと1回の動作で切断できる最大の
切断量MAXとの関係がMAX≧2・MINとなるよう
にワイヤ切断用電極14bやクランプ部26の取り付け
位置を調整してワイヤ放電加工機を構成することによ
り、図7に示す消耗ワイヤ廃棄処理(2)を用いて対処
することができる。
【0064】消耗ワイヤ廃棄処理(2)は、ワイヤ長M
をMAXで除した時の整数部Nの値よりも1少ない(N
−1)回のフルストローク切断を行って(MAX+R)
に相当する未切断部分を残しておき、最後に、〔(MA
X+R)/2〕に相当する切断処理を2回繰り返して行
うことにより、その最後の切断長さ〔(MAX+R)/
2〕をMIN≦〔(MAX+R)/2〕≦MAXの範囲
内に収めるようにした実施例である。
【0065】つまり、ワイヤ長MがMAXで割り切れる
場合には余りRが最小値0をとり、〔(MAX+R)/
2〕の値が(MAX/2)となるが、MAX≧2・MI
N、要するに、(MAX/2)≧MINであるから、1
回の動作で切断できる最小の切断量MIN以上の長さで
これを切断することが可能である。また、余りRがMA
Xよりも小さくこれに限りなく近い値MAX′をとる場
合には、〔(MAX+R)/2〕の値が〔(MAX+M
AX′)/2〕となるが、MAX′≦MAXであるか
ら、結果的に、〔(MAX+MAX′)/2〕≦MAX
となり、1回の動作で切断できる最大の切断量MAXの
範囲でこれを切断することが可能となる。要するに、ど
のような場合であっても、最後に実行される2回の切断
作業で切断されるワイヤ20の長さ〔(MAX+R)/
2〕は、常に、MIN≦〔(MAX+R)/2〕≦MA
Xの範囲内に収まるのである。
【0066】そこで、消耗ワイヤ廃棄処理(2)を開始
したCPU51は、まず、前記した消耗ワイヤ廃棄処理
(1)の場合と同様にして整数部Nと余りRの値を求め
(ステップA1,ステップA2)、整数部Nの値が0よ
りも大きいか否か(実質的には1以上であるか否か)を
判別する(ステップA3)。
【0067】そして、整数部Nの値が1以上である場
合、つまり、切断のフルストロークMAXで1回以上の
切断作業が行える場合には、CPU51は、前記した消
耗ワイヤ廃棄処理(1)のステップB3〜ステップ7に
相当するステップA4〜ステップA8の処理を実行す
る。但し、ステップA6における判別基準はj>N−1
であるから、最大値MAXによる切断作業が実施される
のはN−1回であって、消耗ワイヤ廃棄処理(1)の場
合に比べて1回少ない。つまり、ステップA12に移行
する時点では、0以上MAX未満の余りRを含む(MA
X+R)の未切断部分が残されていることになる。
【0068】なお、Nの値が1である場合には、最初に
実行されるステップA6の判別結果が真となるので、フ
ルストロークのMAXによる切断作業は1度も実行され
ない。結果的に、どのような場合であっても、ステップ
A12に移行する時点でのワイヤの未切断量は(MAX
+R)である。
【0069】次いで、CPU51は(MAX+R)を2
で除した値〔(MAX+R)/2〕を求め、ワイヤ送り
量を記憶するレジスタAにこの値を格納し(ステップA
12)、レジスタAの値に基いて図8に示すようなワイ
ヤ切断処理を2回繰り返して実行する(ステップA1
3,ステップA14)。
【0070】前述した通り、MIN≦〔(MAX+R)
/2〕≦MAXの関係が成り立っているから、切断可能
な最大量MAXと切断可能な最小量MINとの間の切断
量Aにより確実な切断作業が保証される。
【0071】また、ステップA3の処理で整数部Nの値
が0以下(実質的に0の場合があるのみ)と判別された
場合、つまり、フルストロークMAXによる切断作業を
1回でも実行してしまうと切り過ぎが発生すると判別さ
れた場合には、CPU51は、更に、余りRの値(実質
的にMと同値)が1回の動作で切断できる最小の切断量
MINよりも大きいか否かを判別する(ステップA
9)。そして、Rの値がMINよりも大きければ、余り
Rの値をそのままレジスタAに格納し(ステップA1
0)、レジスタAの値に基いて図8に示すようなワイヤ
切断処理を1回実行する(ステップA14)。この場
合、MIN<R<MAXであるから、切り過ぎや切り残
しを生じることなく、切断作業を行うことができる。
【0072】また、ステップA9の処理で余りRの値が
MIN以下であると判別された場合は、1回の動作で切
断できる最小の切断量MINの値をレジスタAに格納し
(ステップA11)、レジスタAの値に基いて図8に示
すようなワイヤ切断処理を1回実行する(ステップA1
4)。この場合、多少の切り過ぎが生じることになる
が、構造上、やむを得ない。
【0073】なお、ステップA9の判別基準をR≧MI
Nとしてもよいが、R=MINであれば、ステップA1
0およびステップA11でレジスタAに設定される値は
結果的に同値である。
【0074】
【発明の効果】本発明のワイヤ断線処理方法は、ワイヤ
断線時のワイヤ除去作業に際し、放電によって消耗した
部分のワイヤ、即ち、ワイヤ送給経路上流側のワイヤガ
イドよりも下流側のワイヤ部分またはワーク上面よりも
下流側のワイヤ部分のみを切断除去するようにしたの
で、過剰な切断によって未使用部分のワイヤを無駄にす
ることなく、再結線作業に必要とされる荒れのないワイ
ヤ先端を確実に得ることができる。
【0075】また、切断除去すべきワイヤの長さがワイ
ヤ放電加工機の構造上1回の動作によって切断除去でき
る長さを越えている場合には、複数回の切断除去動作を
繰り返し実行することによってワイヤを取り除くように
したので、ワイヤ除去手段の移動ストロークが短いよう
な場合であっても全長の長い切断ワイヤを容易に処理す
ることができる。更に、ワイヤ除去手段の移動ストロー
クが短くても全長の長いワイヤに対処することができる
ので、ワイヤ除去手段の移動ストロークを無闇に長く設
計する必要がなく、ワイヤ放電加工機の構造を小形化す
ることができる。また、複数回の切断除去動作は、ワイ
ヤ放電加工機の構造によって決まる切断可能最大値と余
りとの組み合わせによって実行されるので、切断除去に
必要とされる繰り返し動作の回数は最小となり、切断除
去作業の所要時間が無闇に増長されることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤ放電加工機の主要部を概略で示す図であ
る。
【図2】ワイヤ放電加工機制御装置を示す機能ブロック
図である。
【図3】本発明の方法に関連したワイヤ長の算出に関す
る原理を示す概念図である。
【図4】本発明の一実施例を実現する断線復旧処理を示
すフローチャートである。
【図5】断線復旧処理を示すフローチャートの続きであ
る。
【図6】断線復旧処理の一部を構成する消耗ワイヤ廃棄
処理を示すフローチャートである。
【図7】断線復旧処理の一部を構成する消耗ワイヤ廃棄
処理の他の例を示すフローチャートである。
【図8】消耗ワイヤ廃棄処理の一部を構成するワイヤ切
断処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 上方機枠部 2 下方機枠部 3 ワイヤ巻上げユニット3 4 ブレーキローラ 5 ワイヤ切断機構 6 ワイヤ引き込みユニット(ワイヤ除去手段) 7 ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイド 8 巻上げモータ 9 供給リール 10 ブレーキ用モータ 11 パルスコーダ 12 ワイヤ送りパイプ構造 13 第1のワイヤ切断用電極 14a ワイヤ先端検出手段 14b 第2のワイヤ切断用電極(ワイヤ切断手段) 15 圧接用ローラ 16 ピンチローラ 17 ワイヤ巻取ローラ 18 ワイヤ送給経路下流側のワイヤガイド 19 テーブル面 20 ワイヤ 21 転向ローラ 22 転向ローラ 23 転向ローラ 24 ピンチローラ 25 誘導パイプ 26 クランプ部(ワイヤ除去手段) 27 アーム 28 エアシリンダ 30a 加工用上電極 30b 加工用下電極 50 ワイヤ放電加工機制御装置 51 中央演算処理装置 52 プログラムメモリ 53 データメモリ 54 操作盤 55 入出力装置 56 バス 60 ワークテーブル駆動部 61 加工電源部 62 ワイヤ切断電源部 63 ワイヤ巻上げ/巻取り制御部 64 ワイヤ送り制御部 66 電極機能切換部 68 ワイヤ先端検出部 69 表示装置(CRT) 70 各部移動制御部 71 位置決め部 102 スライド部材 103 支柱ガイド 200 ワーク

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤを切断するためのワイヤ切断手段
    と、切断されたワイヤを把持してワイヤ送給経路から取
    り除くためのワイヤ除去手段とを放電加工部よりも上流
    側のワイヤ送給経路上に備え、放電加工部におけるワイ
    ヤ断線を検出することにより前記ワイヤ切断手段を作動
    してワイヤを切断し、更に、前記ワイヤ除去手段を作動
    して放電加工部とワイヤ切断手段との間で切断されたワ
    イヤを取り除くようにしたワイヤ放電加工機において、
    ワイヤ断線検出後、ワイヤ先端検出手段でワイヤ先端が
    検出されるまでワイヤ送給経路上流側に設けられたワイ
    ヤ巻き戻し手段によりワイヤを巻き戻してその巻き戻し
    量を求め、該巻き戻し量と設定データとに基いて放電に
    よって消耗した部分を除去するためのワイヤ長を算出
    し、該ワイヤ長だけワイヤを送り出して前記ワイヤ切断
    手段によりワイヤを切断して取り除くようにしたことを
    特徴とするワイヤ放電加工機における断線ワイヤの処理
    方法。
  2. 【請求項2】 前記設定データは、前記ワイヤ切断手段
    とワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドとの距離に所定
    値を加算した値であり、前記ワイヤ長は前記巻き戻し量
    より前記設定データを減じた値である請求項1記載のワ
    イヤ放電加工機における断線ワイヤの処理方法。
  3. 【請求項3】 前記設定データは、前記ワイヤ切断手段
    とワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドとの距離、ワイ
    ヤ送給経路上流側のワイヤガイドの位置およびワークの
    厚みであり、これらデータにより求められるワーク上面
    とワイヤ切断手段との間の距離に所定値を加算した値を
    前記巻き戻し量から減じて前記ワイヤ長を算出するよう
    にした請求項1記載のワイヤ放電加工機における断線ワ
    イヤの処理方法。
  4. 【請求項4】 ワイヤを切断するためのワイヤ切断手段
    と、切断されたワイヤを把持してワイヤ送給経路から取
    り除くためのワイヤ除去手段とを放電加工部よりも上流
    側のワイヤ送給経路上に備え、放電加工部におけるワイ
    ヤ断線を検出することにより前記ワイヤ切断手段を作動
    してワイヤを切断し、更に、前記ワイヤ除去手段を作動
    して放電加工部とワイヤ切断手段との間で切断されたワ
    イヤを取り除くようにしたワイヤ放電加工機において、
    ワイヤ断線検出後、ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイ
    ドの位置またはワークの厚みに基いて除去すべきワイヤ
    長を求め、前記ワイヤ切断手段によってワイヤ送給経路
    上流側のワイヤ先端から切断できるワイヤの長さの最大
    値で前記ワイヤ長を除して整数部と余りとを求め、ワイ
    ヤ送りローラと前記ワイヤ切断手段およびワイヤ除去手
    段を作動し、前記整数部に相当する回数の最大値による
    切断作業と取り除き作業、および、前記余りによる切断
    作業と取り除き作業を行って前記ワイヤ長分のワイヤを
    切断して取り除くようにしたことを特徴とするワイヤ放
    電加工機における断線ワイヤの処理方法。
  5. 【請求項5】 ワイヤを切断するためのワイヤ切断手段
    と、切断されたワイヤを把持してワイヤ送給経路から取
    り除くためのワイヤ除去手段とを放電加工部よりも上流
    側のワイヤ送給経路上に備え、放電加工部におけるワイ
    ヤ断線を検出することにより前記ワイヤ切断手段を作動
    してワイヤを切断し、更に、前記ワイヤ除去手段を作動
    して放電加工部とワイヤ切断手段との間で切断されたワ
    イヤを取り除くようにしたワイヤ放電加工機において、
    ワイヤ断線検出後、ワイヤ先端検出手段でワイヤ先端が
    検出されるまでワイヤ送給経路上流側に設けられたワイ
    ヤ巻き戻し手段によりワイヤを巻き戻してその巻き戻し
    量を求め、該巻き戻し量と設定データとに基いて放電に
    よって消耗した部分を除去するためのワイヤ長を算出
    し、前記ワイヤ切断手段によってワイヤ送給経路上流側
    のワイヤ先端から切断できるワイヤの長さの最大値で前
    記ワイヤ長を除して整数部と余りとを求め、ワイヤ送り
    ローラと前記ワイヤ切断手段およびワイヤ除去手段を作
    動し、前記整数部に相当する回数の最大値による切断作
    業と取り除き作業、および、前記余りによる切断作業と
    取り除き作業を行って前記ワイヤ長分のワイヤを切断し
    て取り除くようにしたことを特徴とするワイヤ放電加工
    機における断線ワイヤの処理方法。
  6. 【請求項6】 前記設定データは、前記ワイヤ切断手段
    とワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドとの距離に所定
    値を加算した値であり、前記ワイヤ長は前記巻き戻し量
    より前記設定データを減じた値である請求項5記載のワ
    イヤ放電加工機における断線ワイヤの処理方法。
  7. 【請求項7】 前記設定データは、前記ワイヤ切断手段
    とワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドとの距離、ワイ
    ヤ送給経路上流側のワイヤガイドの位置およびワークの
    厚みであり、これらデータにより求められるワーク上面
    とワイヤ切断手段との間の距離に所定値を加算した値を
    前記巻き戻し量から減じて前記ワイヤ長を算出するよう
    にした請求項5記載のワイヤ放電加工機における断線ワ
    イヤの処理方法。
  8. 【請求項8】 ワイヤを切断するためのワイヤ切断手段
    と、切断されたワイヤを把持してワイヤ送給経路から取
    り除くためのワイヤ除去手段とを放電加工部よりも上流
    側のワイヤ送給経路上に備え、放電加工部におけるワイ
    ヤ断線を検出することにより前記ワイヤ切断手段を作動
    してワイヤを切断し、更に、前記ワイヤ除去手段を作動
    して放電加工部とワイヤ切断手段との間で切断されたワ
    イヤを取り除くようにしたワイヤ放電加工機において、
    ワイヤ断線検出後、ワイヤ送給経路上流側のワイヤガイ
    ドの位置またはワークの厚みに基いて除去すべきワイヤ
    長を求め、前記ワイヤ切断手段によってワイヤ送給経路
    上流側のワイヤ先端から切断できるワイヤの長さの最大
    値で前記ワイヤ長を除して整数部と余りとを求め、ワイ
    ヤ送りローラと前記ワイヤ切断手段およびワイヤ除去手
    段を作動し、前記整数部から「1」減じた数に相当する
    回数の最大値による切断作業と取り除き作業、および、
    前記切断できるワイヤの長さの最大値に前記余りを加算
    して「2」で除した値のワイヤ量の切断作業と取り除き
    作業を2回行って前記ワイヤ長分のワイヤを切断して取
    り除くようにしたことを特徴とするワイヤ放電加工機に
    おける断線ワイヤの処理方法。
  9. 【請求項9】 ワイヤを切断するためのワイヤ切断手段
    と、切断されたワイヤを把持してワイヤ送給経路から取
    り除くためのワイヤ除去手段とを放電加工部よりも上流
    側のワイヤ送給経路上に備え、放電加工部におけるワイ
    ヤ断線を検出することにより前記ワイヤ切断手段を作動
    してワイヤを切断し、更に、前記ワイヤ除去手段を作動
    して放電加工部とワイヤ切断手段との間で切断されたワ
    イヤを取り除くようにしたワイヤ放電加工機において、
    ワイヤ断線検出後、ワイヤ先端検出手段でワイヤ先端が
    検出されるまでワイヤ送給経路上流側に設けられたワイ
    ヤ巻き戻し手段によりワイヤを巻き戻してその巻き戻し
    量を求め、該巻き戻し量と設定データとに基いて放電に
    よって消耗した部分を除去するためのワイヤ長を算出
    し、前記ワイヤ切断手段によってワイヤ送給経路上流側
    のワイヤ先端から切断できるワイヤの長さの最大値で前
    記ワイヤ長を除して整数部と余りとを求め、ワイヤ送り
    ローラと前記ワイヤ切断手段およびワイヤ除去手段を作
    動し、前記整数部から「1」減じた数に相当する回数の
    最大値による切断作業と取り除き作業、および、前記切
    断できるワイヤの長さの最大値に前記余りを加算して
    「2」で除した値のワイヤ量の切断作業と取り除き作業
    を2回行って前記ワイヤ長分のワイヤを切断して取り除
    くようにしたことを特徴とするワイヤ放電加工機におけ
    る断線ワイヤの処理方法。
  10. 【請求項10】 前記設定データは、前記ワイヤ切断手
    段とワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドとの距離に所
    定値を加算した値であり、前記ワイヤ長は前記巻き戻し
    量より前記設定データを減じた値である請求項9記載の
    ワイヤ放電加工機における断線ワイヤの処理方法。
  11. 【請求項11】 前記設定データは、前記ワイヤ切断手
    段とワイヤ送給経路上流側のワイヤガイドとの距離、ワ
    イヤ送給経路上流側のワイヤガイドの位置およびワーク
    の厚みであり、これらデータにより求められるワーク上
    面とワイヤ切断手段との間の距離に所定値を加算した値
    を前記巻き戻し量から減じて前記ワイヤ長を算出するよ
    うにした請求項9記載のワイヤ放電加工機における断線
    ワイヤの処理方法。
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