JPH08215336A - 消火用ノズル - Google Patents

消火用ノズル

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JPH08215336A
JPH08215336A JP2906895A JP2906895A JPH08215336A JP H08215336 A JPH08215336 A JP H08215336A JP 2906895 A JP2906895 A JP 2906895A JP 2906895 A JP2906895 A JP 2906895A JP H08215336 A JPH08215336 A JP H08215336A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 出火位置がある程度限られている場所を効率
的に散布できる消火用ノズルを得る。 【構成】 ノズル本体1に取り付けられるノズルカバー
2に底壁21から周壁22にかけてスリット状に第1の
ノズル孔4と第2のノズル孔5を穿設し、それぞれの上
端縁41、51の高さを異ならしめ、その高低に対応し
て横長穴部44、54の長さを短長とし、ノズルカバー
2の底壁中央部に突部31を持つデフレクタ3を着脱可
能に設け、その突部の上面33は平坦で、高さは最も高
い縦長穴部43よりも低くし、周縁34は最も長い横長
穴部54より内側に位置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば大型バス等のエ
ンジンルーム等のように、出火位置がある程度限られて
いる場所の消火装置に使用される消火用ノズルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、大型バスのエンジンルーム火災の
消火にはハロンガスが使用されていたが、ハロン規制に
伴い、それに代わる消火装置が求められていた。エンジ
ンルームの火災は、燃料パイプの継手や燃料パイプの亀
裂部もしくは腐食孔等から洩れた軽油がエンジンの高熱
部に触れて出火することが多く、その消火については、
燃料が軽油なので水系の消火剤により可能である。
【0003】そこで、水系の消火剤の放出用ノズルとし
て、従来の噴霧ノズルを使用すると、その散布パターン
が円錐形状であるのでノズルの真横の側壁部をカバーす
ることができない。一方、通常の消火用スプリンクラー
ヘッドを使用すると、逆に真横の側壁部に消火液が散布
され過ぎて、本来カバーすべきノズルの下方(ノズルの
正面)が手薄になってしまう。これは、消火用スプリン
クラーヘッドというものが天井から床面に円形に略均等
に散水するように設計されたノズルであるためで、エン
ジンルームのような狭い室の側壁から床面までを均等に
散水するようには設計されていないからである。床面に
略均等に散水させるためには、周囲の床に環状に広く多
くの水を散布する必要があるので、遠方(周囲)を受け
持つノズルの真横の放水孔から、多量に水が出るように
設計されているのである。例えば特開昭54−3459
7号の閉鎖型スプリンクラーヘッドに見られるように、
そのノズルの散水孔は椀型のカバー部材の底壁から周壁
にかけてスリット状に穿設されているが、散水孔の上端
縁は周壁の側面から見て全て同じ高さとなっており、そ
のためこの散水分布は床面に対してドーナツ状に多く散
水されることとなり、床面から側壁までを均等に散水す
るようにはなっていない。また、複数のノズルで対応し
ようとしても、消火液の不必要な重複散布は免れないと
ともに、消火装置の構成が複雑になってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明に
おける課題は、出火位置がある程度限られている場所、
例えばエンジンルームのような場所の消火用として好適
なノズルを得ることであり、水系の消火剤を効率的に散
布するようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明に係る消火用ノズルは、ノズル本体と、底壁
から周壁にかけてスリット状に穿設された複数のノズル
孔を有し、前記ノズル本体に取り付けられるノズルカバ
ーを有する消火用ノズルにおいて、前記ノズル孔の上端
縁の前記底壁内面からの高さを異ならしめてなることを
特徴とするものである。
【0006】好ましくは、前記ノズル孔の上端縁の前記
底壁内面からの高さが規則的な高低を有し、かつ、その
ノズル孔の下端縁の前記周壁内面からの長さが前記上端
縁の高低に対応して規則的な短長となっていることを特
徴とする。すなわち、上端縁が高いノズル孔に対しては
その下端縁から周壁内面までの長さを短くし、上端縁が
低いノズル孔に対してはその下端縁から周壁内面までの
長さを長くするといった規則的な関係でノズル孔を穿設
する。例えば、2種類のノズル孔をノズルカバーに交互
に配置し、その第1のノズル孔の周壁における縦長穴部
を第2のノズル孔の周壁における縦長穴部より長くし、
第1のノズル孔の底壁における横長穴部を第2のノズル
孔の底壁における横長穴部より短くする。
【0007】さらに好ましくは、垂直方向の水流を水平
の半径方向に変えるデフレクタの機能を持つ突部をノズ
ルカバーの底壁中央部に設け、その突部の高さはノズル
孔の最も高い上端縁より低くくし、かつ、その突部の周
縁はノズル孔の最も長い下端縁より内側にある構成とす
る。また、この突部はノズルカバーに対し着脱可能にす
るとよい。
【0008】
【作用】本発明の消火用ノズルは、ノズルカバーにスリ
ット状に穿設されたノズル孔の上端縁の高さを異ならし
めているので、従来のスプリンクラーヘッドのようにノ
ズルの真横に向けて必要以上に多量に散水することがな
く、無駄に消火液が使用されることがない。
【0009】各々のノズル孔は、周壁部における上端縁
の高さが高い場合は底壁部における下端縁から周壁内面
までの長さを短くし、周壁部における上端縁の高さが低
い場合は底壁部における下端縁から周壁内面までの長さ
を長くするという規則的な対応関係で配置されているの
で、上端縁の高い縦長穴部からは消火液をノズルの真横
に向けて多く散布し、長い横長穴部からはノズルの下方
(正面)に向けて多く散布する。よって、この2種類の
ノズル孔の寸法を調整することにより、簡単な構造で散
布バランスのよい、あるいは必要な散布分布を持つノズ
ルを容易に得ることができる。
【0010】平坦な上面を持つ突部をノズルカバーの底
壁中央部に設けることによって、ノズル本体の噴流口か
らの噴流が突部の平坦な上面に衝突した時、半径方向に
曲げられ、突部の平坦面に沿って流れてから、突部より
も高い上端縁を持つ縦長穴部を通ってノズルに対して真
横に飛散する。よって、噴流は突部の平坦面に沿って流
れようとするので、半径方向への射程(ノズルに対して
真横に飛散する射程)を伸ばす。また、突部の周縁はノ
ズル孔の最も長い横長穴部より内側にあるので、突部の
周縁と底壁部とで形成される隅部に負圧が生じ、突部の
平坦面に沿って流れてきた流れを下方へ引っ張り、長い
横長穴部を通ってノズルの下方(正面)に向けて散布す
る。このようなデフレクタ機能を有する突部を設けるこ
とによって、消火液をノズルの側方から下方まで広く分
散できるため、簡単な構造で散布バランスのよいノズル
を得ることができる。
【0011】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る消火用ノズル
の側面図、図2は図1の底面図、図3は図2のA−A線
断面図である。この実施例は、ノズル本体1と、これに
ねじ結合されるノズルカバー2と、ノズルカバー2の底
壁中央部に設けられるデフレクタ3とから構成されてい
る。
【0012】ノズル本体1は、消火液の噴流口11が中
心に穿孔され、拡径部分12の内周面にノズルカバー2
と結合するためのメネジ部13が設けられている。この
ノズル本体1は消火液供給管(図示せず)とオネジ部1
4でねじ結合するようになっており、拡径部分12の外
周部にはスパナ掛け部15が形成されている。
【0013】ノズルカバー2は、底壁21と周壁22を
持つ有底状の筒体からなり、その底壁21から周壁22
にかけてスリット状に穿設された複数のノズル孔4、5
は、上端縁41が高い第1のノズル孔4と、上端縁51
が低い第2のノズル孔5を、交互に配置した構成となっ
ている。すなわち、図4に拡大して示すように、第1の
ノズル孔4の縦長穴部43の長さ、つまりその上端縁4
1の底壁内面23からの高さH1 と、第2のノズル孔5
の縦長穴部53の長さ、つまりその上端縁51の底壁内
面23からの高さH2 とが異なるようにしてある。ま
た、第1のノズル孔4の横長穴部44の長さ、つまりそ
の下端縁42から周壁内面24までの長さa1 と、第2
のノズル孔5の横長穴部54の長さ、つまりその下端縁
52から周壁内面24までの長さa2 は次のような関
係、つまり高い高さH1 を持つ第1のノズル孔4に対し
てはその横長穴部44の長さa1 を短くし、低い高さH
2 を持つ第2のノズル孔5に対してはその横長穴部54
の長さa2 を長くする対応関係で形成されている。ノズ
ルカバー2はまた、ノズル本体1のメネジ部13と結合
するオネジ部25と、ノズルカバー2をねじ結合すると
きに使用する鍔部26と、デフレクタ3をねじ結合する
ためのメネジ部27を有する。
【0014】デフレクタ3は、ノズルカバー2の底壁2
1の中央部に設置される突部31と、底壁21のメネジ
部27に結合するオネジ部32を有する。突部31は円
形の平板とされ、その上面33は平坦面となっている。
また、突部31の高さtは、図4に示すように、最も高
い縦長穴部43の上端縁41よりも低くされ、かつ、突
部31の周縁34は、最も長い横長穴部54の下端縁5
2よりも更に内側に位置するようにされる。したがっ
て、図4において、短いほうの横長穴部44の下端縁4
2と突部31の周縁34との距離b1 は、長いほうの横
長穴部54の下端縁52と突部31の周縁34との距離
2 よりも大きい。明らかに、a1 +b1=a2 +b2
である。また図4から分かるように、突部31をノズル
カバー2の底壁21上に一体に形成することもできる。
【0015】次に、上記のように構成された本実施例の
消火用ノズルの動作を図5〜図7に従って説明する。図
5は消火液がノズルの真横に向けて散布されることを示
し、図6はノズルの下方(正面)に向けて散布されるこ
とを示し、図7は突部31の隅部35における流れの引
っ張り作用を説明する図である。
【0016】図5に示すように、エンジンルーム火災の
消火に際して、薬剤タンクから消火液供給管(いずれも
図示せず)を経由して圧送された水系の消火剤、すなわ
ち水や強化液あるいは泡消火液などの消火液の噴流W1
はノズル本体1の噴流口11を通ってノズルカバー2内
部のデフレクタ3に垂直に衝突する。デフレクタ3の突
部31の上面33は平坦面となっているので、噴流W1
は衝突によって半径方向に曲げられ(W2 )、さらに突
部31の平坦面33に沿って流れ(W3 )、多数の第
1、第2のノズル孔4、5より放出する。この場合にお
いて、平坦面33に沿って流れようとするので、突部3
1よりも高い縦長穴部43を通った流れW4 はノズルに
対して真横に飛散し、半径方向への射程(ノズルに対し
真横に飛散する射程)を伸ばす。それよりも低い縦長穴
部53を通った流れはノズルに対して斜め方向に消火液
を散布する(図6)。一方、平坦面33に沿ってきた流
れW5 は、図6、図7に示すように、突部31の周縁3
4と底壁21とで形成される隅部35に負圧が生じるた
め、その負圧で下方へ引っ張られ(W6 )、最も長い横
長穴部54を通ってノズルの下方(正面)に飛散
(W7 )する。それよりも短い横長穴部44を通った流
れはやや斜め下方に飛散する(図5)。したがって、ノ
ズルの側方から下方まで広く均等に消火液を散布するこ
とができるので、出火位置がある程度限られている場
所、例えばエンジンルームのような狭い空間の側壁から
底面までを1個のノズルでカバーすることができる。
【0017】図4において、このノズルの散布パターン
とノズル孔4、5の各部分の寸法との関係は次のように
なる。t小、H1 大、a1 小、b1 大ならば、ノズルの
真横方向への遠方散布が増える。H2 小、a2 大、b2
小ならば、ノズルの正面方向への下方散布が増える。こ
のように2種類のノズル孔4、5の各部分の寸法を調整
することによって、散布バランスのよいノズル、あるい
は必要な散布分布を持つノズルを容易に得ることができ
る。
【0018】本実施例では、デフレクタ3を、図3に示
すように、ノズルカバー2と着脱可能に構成しているの
で、突部31の高さ寸法が異なるものと取り替えるだけ
で、様々な散布分布を有するノズルに簡易に切り替える
ことができる。また、デフレクタ3は必ずしもねじ(3
2、27)でノズルカバー2と固定する必要はなく、軸
と穴の嵌合により載置する構成でもよい。
【0019】本発明において、ノズル孔は2種類に限ら
れるものではなく、3種類以上でもよい。例えば、縦長
穴部の長さを階段状に減少させ、それに対応して横長穴
部の長さを階段状に増加させるようにしてもよい。上端
縁、下端縁の形状は角形、円弧形等いかなる形状でもよ
い。ノズルカバーの形状は有底筒状のものであればよ
く、多角柱状、椀状、円錐台状等いかなる形状でもよ
い。突部の周縁は底壁に対し直角に形成したが、鈍角あ
るいは鋭角でもよい。このノズルは開放型で示したが、
閉鎖型スリンクラーヘッドのようなものでもよい。上記
実施例では、バスのエンジンルームのように出火場所が
ある程度特定されている場所の消火を効率よく行えるよ
うにした場合について説明した。ところで、消火用ノズ
ルのノズル孔の上端縁の高さを高低低高低低というよう
に配置すれば中央部分に多く周辺部分に少なく、消火液
を散布できる。また、上端縁の高さを高高低高高低とい
うように配置すれば周辺部分に多く中央部分に少なく、
消火液を散布できる。したがって、ノズル孔の配置を特
定場所の消火条件に合わせて変えることにより、エンジ
ンルーム等に限らず他の場所でもそれぞれの特定場所に
合わせた最適な散布状態が簡単に得られる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ノズルカ
バーの周壁部におけるノズル孔の上端縁の高さを異なら
しめているので、ノズルの真横方向への散布量を制限す
ることができるとともに、ノズルの下方(正面)から側
方にわたって広く散布することができる。したがって、
出火位置がある程度限られている場所、例えばエンジン
ルームのような場所の場合でも側壁から底面までを広く
カバーすることができ、効率のよい消火用ノズルが得ら
れる。
【0021】特に、上端縁の高さが高いノズル孔に対し
ては底壁部における横長穴部の長さを短くし、上端縁の
高さが低いノズル孔に対してはその横長穴部の長さを長
くするという規則的な対応関係で複数種類のノズル孔を
配置しているので、散布バランスのよい、あるいは必要
な散布分布を持つノズルを簡単に得ることができる。
【0022】また、ノズルカバーの底壁中央部にデフレ
クタ機能を有する突部を設けることにより、ノズルの真
横方向への射程を伸ばしたり、ノズルの下方への散布量
や角度の変更が自在にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る消火用ノズルの側面図
である。
【図2】図1の底面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】本発明の要部の拡大断面図である。
【図5】第1のノズル孔の動作を示す説明図である。
【図6】第2のノズル孔の動作を示す説明図である。
【図7】突部の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ノズル本体 2 ノズルカバー 3 デフレクタ 4 第1のノズル孔 5 第2のノズル孔 21 ノズルカバーの底壁 22 ノズルカバーの周壁 23 底壁内面 24 周壁内面 31 突部 33 突部の上面 34 突部の周縁 41 第1のノズル孔の上端縁 42 第1のノズル孔の下端縁 43 第1のノズル孔の縦長穴部 44 第1のノズル孔の横長穴部 51 第2のノズル孔の上端縁 52 第2のノズル孔の下端縁 53 第2のノズル孔の縦長穴部 54 第2のノズル孔の横長穴部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル本体と、底壁から周壁にかけてス
    リット状に穿設された複数のノズル孔を有し、前記ノズ
    ル本体に取り付けられるノズルカバーを有する消火用ノ
    ズルにおいて、 前記ノズル孔の上端縁の前記底壁内面からの高さを異な
    らしめてなることを特徴とする消火用ノズル。
  2. 【請求項2】 前記ノズル孔の上端縁の前記底壁内面か
    らの高さが規則的な高低を有し、かつ、そのノズル孔の
    下端縁の前記周壁内面からの長さが前記上端縁の高低に
    対応して規則的な短長となっていることを特徴とする請
    求項1記載の消火用ノズル。
  3. 【請求項3】 2種類の前記ノズル孔を前記ノズルカバ
    ーに交互に配置し、その第1のノズル孔の前記周壁にお
    ける縦長穴部は第2のノズル孔の前記周壁における縦長
    穴部より長く、前記第1のノズル孔の前記底壁における
    横長穴部は前記第2のノズル孔の前記底壁における横長
    穴部より短くなっていることを特徴とする請求項1記載
    の消火用ノズル。
  4. 【請求項4】 前記ノズルカバーの底壁中央部に平坦な
    上面を持つ突部を有し、その突部の高さは前記ノズル孔
    の最も高い上端縁より低くくし、かつ、その突部の周縁
    は前記ノズル孔の最も長い下端縁より内側にあることを
    特徴とすることを特徴とする請求項1、請求項2または
    請求項3記載の消火用ノズル。
  5. 【請求項5】 前記突部が前記ノズルカバーに対し着脱
    可能な構成となっていることを特徴とする請求項4記載
    の消火用ノズル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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