JPH08214821A - 発酵納豆の製造方法 - Google Patents

発酵納豆の製造方法

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JPH08214821A
JPH08214821A JP7046161A JP4616195A JPH08214821A JP H08214821 A JPH08214821 A JP H08214821A JP 7046161 A JP7046161 A JP 7046161A JP 4616195 A JP4616195 A JP 4616195A JP H08214821 A JPH08214821 A JP H08214821A
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JP
Japan
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soybean
soybeans
natto
boiling
water
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JP7046161A
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English (en)
Inventor
Kinji Koide
出 金 司 小
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KOIDE KINUE
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KOIDE KINUE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】より簡略化された過程で、より簡単な装置構成
によって製造することが可能であると共に、長期間に亘
って初期の風味及び外観を安定状態で保存できる発酵納
豆を得る製造方法を提供するにある。 【構成】常温水あるいは温水中にて大豆を膨潤させ、こ
の膨潤化した大豆に加水して加圧下に煮沸し、この煮沸
後の大豆に納豆菌を接種し41〜42℃の温度下で発酵
させ、さらに熟成させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発酵納豆の新規な製造
方法に関する。より詳しくは、一次処理した大豆に加水
して加圧下に煮沸する過程を含む工程からなる製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】発酵納豆は、糸引き納豆とも称せられ貯
蔵が可能な食品として、旧時代には一部の地方で生産さ
れ食されてきたものである。これが、最近タンパク質、
ビタミンB2 など栄養価に富む食品であることが認識さ
れるに及んで、全国的に食されるに至っている。
【0003】旧時代において発酵納豆は、次のような方
法で生産されてきた。即ち、図1に示すように、先ず大
豆が柔かくなるまで蒸煮あるいは煮沸し、次いでこの大
豆に納豆菌をつけ、これを2〜3日間に亘って約42℃
の保温温度下に発酵させ、さらにこれを熟成させる工程
からなる方法であった。
【0004】しかし、近年前記したように全国的規模で
食されるに至って、大量生産に適した製造方法が採用さ
れている。つまり、図2に示すように大豆を常温水中に
て浸漬膨潤させる一次処理工程と、この膨潤大豆を例え
ば1.8kg/cm2もの高い圧力での加圧下に2時間以上蒸
煮する二次処理工程と、この処理後の大豆に納豆菌を接
種し41〜42℃の保温温度下で約15時間に亘って発
酵させる三次処理工程と、その後常温(20〜25℃)
下に約3時間に亘って醸成(熟成)させる四次処理工程
と、及びその後に約28〜30℃の保温温度下で約3時
間に亘って再発酵させる五次処理工程からなる製造方法
であった。
【0005】なお、前記した一次処理工程においては季
節的要因から浸漬すべき水の温度に応じて、大豆の浸漬
時間について差異があり、夏期には約8時間と短く、冬
期には約18時間と長い時間が必要とされる。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】このように、上記した
近年の製造方法は、旧時代での方法では数日を要した製
造時間が約24時間以内の処理時間と短縮された、大量
生産に適した方法である。
【0007】しかし、この従来の製造方法においては、
二次処理工程での蒸煮時に高い加圧力が要求されるた
め、装置構成が大掛りなものとなり、また後処理工程に
おいても再発酵処理など複雑な過程が必要となるなどの
欠点がある。
【0008】さらに、この従来の製造方法によって得ら
れる製品については、保存期間が短いという欠点があ
る。つまり、通常の場合、常温(20〜25℃)下に保
存されるときにあっては5日以内、また冷蔵庫(約5
℃)内で保存されるときにあっても10日以内に、製品
大豆の表面に黒化変色、変性が生じ、また発酵納豆に独
特の風味を失ない、しかもアンモニア等の発生による異
臭が生じる欠点である。
【0009】そこで、本発明ではより簡略化された過程
でより簡単な装置構成によって製造することが可能であ
ると共に、比較的に長い期間に亘って初期の風味、外観
等が安定状態であるように保存できる発酵納豆を得る製
造方法の提供を目的とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明では発酵納豆の製造方法につき、次のよう
に構成した。即ち、常温水あるいは温水中にて大豆を膨
潤させ、この膨張大豆に加水して加圧下に煮沸し、この
煮沸後の大豆に納豆菌を接種し41〜42℃の温度下で
発酵させ、さらに熟成させることを特徴とする。
【0011】この発明において、大豆の膨潤過程は前記
した従来法における一次処理工程に対応する。従って、
季節的要因により8〜18時間の処理時間が必要とな
る。即ち、常温水が25℃以上の場合には8〜10時間
の浸漬時間、また10℃以下の場合には15〜18時間
の浸漬時間であることが目安となる。またこの過程が1
0〜25℃の保温水中にてなされる場合には、10〜1
5時間の浸漬時間で恒常的に実行することができる。ま
たこの過程での水量については、一定量の大豆の全てが
十分に浸漬される量、例えば、大豆60Kgに対し150
lの水量であれば足りる。
【0012】また、前記煮沸過程において、加水量は大
豆を十分に煮沸するに足る量であればよく、特に制限は
ないが、煮沸処理後の除水作業を不要とし得る点から、
前記一次処理後の大豆量に対し重量割合でほぼ同量の水
量であることが好ましい。
【0013】また、この煮沸過程での加圧圧力は、0.
6kg/cm2以上0.8kg/cm2以下であることが好ましい。
この場合の加圧は加圧なべ内に圧搾空気を圧入する方法
あるいは水蒸気を圧入する方法のいずれであってもよい
が、この圧力が0.6kg/cm2未満である場合には、次工
程での発酵に要する時間が長くなったり、または発酵が
うまく生じなかったりし、またこの圧力が0.8kg/cm2
を超える場合には煮沸時に大豆が崩壊状態となるおそれ
がある。
【0014】また、この過程における煮沸時間は、1時
間以上2時間未満であることが好ましい。この時間が1
時間未満である場合には、次工程での発酵が不均一とな
ったり長時間を要したりすることがあり、また2時間以
上の場合には、大豆の崩壊が生じることがある。従っ
て、大豆に形くずれをきたさずかつ均一かつ速やかに次
工程での発酵を確実かつ安定的に生じさせ得る点から、
この煮沸時間は1時間30分前後であることが特に好ま
しい。
【0015】また、前記した発酵過程は41〜42℃の
保温温度条件下に納豆菌を接種した後約15時間の時間
内で実行することが好ましい。この時間であれば、大豆
の全体に発酵が均一に生じると共に、後記する本発明で
の効果が十分有効に得られるからである。
【0016】なお、この発酵過程に適用する納豆菌とし
ては例えば、タンパク質分解酵素をもち、粘物質をつく
る好気性の桿菌等を挙げることができる。
【0017】また、前記した熟成過程は、20〜25℃
の常温下に約3時間に亘って実行することが好ましい。
大豆の温度を常温(約10〜25℃)にまで低下させ、
発酵納豆としての風味を定着させる過程でもある。本発
明は、以上の各過程を経て製品化されるが、これらの工
程順を図3に示した。
【0018】
【作用】本発明において、一次処理された所定量の大豆
は、加水されて加圧下に煮沸される過程において、10
0℃以上の高温水によって加熱処理される。従って、各
大豆はその表面部から芯部にまで速やかにかつ十分に、
しかも均等に煮沸による熱量が及ぶ。この際、一次処理
過程による膨潤化状態と相俟って、各大豆粒中には高温
水が速やかかつ十分に浸透する。
【0019】このように全体的に均質に加熱加水処理さ
れた各大豆は、次の発酵過程において、納豆菌による発
酵にとって好ましい条件を与えられ、大豆の発酵が促さ
れる。なお、この発酵過程においては、発酵温度状態に
おかれてから実質的な発酵が始まるまでの時期(例え
ば、約8時間)と、発酵開始からの時期(例えば、7時
間)とが含まれる。この結果、その後の長期間に亘る保
存においても、部分的なな黒化等の変性、腐敗及び変臭
の発生が防止される。また熟成後に得られる当初の風味
も長期間に亘る保存において保持される。
【0020】
【実施例】
(実施No.1〜No.5)乾燥大豆60kgを約12℃の温
度の水150l中に浸漬して12時間放置した。次い
で、この処理によって膨潤化して増量した大豆90kgを
加圧ナベに移して、これに水90lを加えて後記する一
定の加圧圧力下に煮沸を1時間30分の時間に亘って行
なった。
【0021】次いで、上記した煮沸後の大豆に納豆菌を
充分に接種し、これを専用の樹脂製容器(4×7×1.
5cm大)内に約40g給入し、これをザル状のコンテナ
上に載せた状態で恒温室内に入れた。次いで、この恒温
室内の温度を41〜42℃に保って約15時間に亘って
発酵させた。その後、この恒温室内を常温(18)にま
で低下させて約3時間に亘って熟成させた。この処理後
の前記容器内に存在する大豆の上面全体を覆うように樹
脂フィルムを付着状に配して試料とした。
【0022】なお、上記した処理工程で得られる試料に
つき、前記した煮沸過程における加圧条件に応じて次表
1に示すように実施No.1〜5とした。
【表1】 このように得られた実施No.1〜5のそれぞれの試料に
つき、製造直後、室温(約20℃)下に保存したとき、
及び平均5℃の冷蔵庫内にて保存したときの、外観及び
風味の変化状態を保存性として表1に示した。
【0023】なお、外観は視覚によって判断し、発酵大
豆の良好な形状と色彩(茶褐色)を有するとき○、その
一部にでも形くずれ等の変形が認められるとき△、その
大部分に形くずれ等の変形あるいは黒化等の著しい変色
が認められるとき×、とした。また、風味は臭覚及び口
に含んだときの味覚によって判断し、発酵納豆としての
独得の臭気と味を有するときa、この独得の臭気と味に
僅かに変化が認められるときb、アンモニア臭が生じた
ときc、とした。
【0024】また、対照は前記した従来の製造方法によ
るもので、乾燥大豆60kgを12℃の温度の水150l
中に浸漬して12時間放置して得られた一次処理大豆9
0kgを加圧ナベに移し、これに水蒸気を圧入することに
よって1.8kg/cm2の加圧下に2時間に亘って蒸煮し、
次いで、これを前記試料の場合と同様に41〜42℃の
恒温条件下に約15時間に亘って発酵させ、その後、こ
れを常温(約18℃)にまで低下させて約3時間に亘っ
て熟成、さらに28〜30℃の温度下で再発酵させる等
の工程を経て得られたものである。またこの対照品とし
ては前記同様に樹脂フィルムを付着状に配したものとし
た。
【0025】表1に示した結果から、煮沸過程における
加圧条件が0.6kg/cm2以上0.8kg/cm2以下の範囲に
設定されるときには、室温(約20℃)下での保存の場
合に15日以上の期間、また冷蔵庫(約5℃)内での保
存の場合25日以上の期間に亘って製造時の外観と風味
とが安定状態で保持されることが判る。
【0026】このような保存性能は、対照の結果との比
較において極めて優れていることが判る。なお、対照の
場合には、室温(約20℃)下の保存で、10日の期間
が過ぎた時点(正確には、5日の期間を超える時点)に
おいて、また冷蔵庫(約5℃)内での保存で、15日の
期間が過ぎた時点(正確には、10日の期間を超える時
点において、それぞれ発酵大豆の表面に黒化現象の初期
状態が外観上現われ始めると共に、風味の低下が著しく
生じることを確認することができる。
【0027】なお、実施No.5の場合のように、煮沸過
程における加圧条件が1.0kg/cm2以上となると、この
過程ですでに大豆につき一部に形くずれをきたし、これ
が大豆の形状変化の主要因となり、またこの変形は風味
の低下にも大きく影響することも確認できる。
【0028】また、実施No.1の場合のように、煮沸過
程における加圧条件が、0.6kg/cm2未満であると、風
味の低下が比較的に早く生じることも判る。この原因は
明らかでないが、過程において十分な熱量が得られず、
各大豆について煮沸処理が不均一となったことにより以
後の発酵が不十分となったことによると考えられる。
【0029】
【発明の効果】上述したように本発明は構成されること
から、次のような効果が発揮される。本発明に係る製造
方法では、特に一次処理後の大豆に対し、加水状態で加
圧下に煮沸する工程からなることから、室温下にあって
も保存性の優れた発酵納豆を得ることができる。この結
果、発酵納豆を実質的な貯蔵食品として利用することが
できる。
【0030】また、この工程が煮沸状態で加圧下になさ
れることから、前記した従来方法と比較して、より低い
加圧力で足り、装置構成につきより簡略化された構成の
ものとすることができる。
【0031】また、この加圧下の煮沸工程では、単位時
間により多量の熱量が大豆に付加されるため、速やかに
処理されると共に各大豆の全体が均一に処理される。ま
た、これにより発酵が早められると共に十分に生じる。
この結果、処理工程全体の所要時間の短縮化を図ること
ができる。従って、大量生産により適う。
【図面の簡単な説明】
【図1】旧来の製造方法の工程を示すブロック図
【図2】従来の製造方法の工程を示すブロック図
【図3】本発明の製造方法の工程を示すブロック図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温水あるいは温水中にて大豆を膨潤さ
    せ、この膨潤大豆に加水して加圧下に煮沸し、この煮沸
    後の大豆に納豆菌を接種し41〜42℃の温度下で発酵
    させ、さらに醸成させることを特徴とする発酵納豆の製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記の加圧過程が、0.6kg/cm2以上0.
    8kg/cm2以下の圧力下でなされることを特徴とする請求
    項1の発酵納豆の製造方法。
  3. 【請求項3】前記した煮沸が、1時間以上2時間未満の
    時間に亘ってなされることを特徴とする請求項1又は2
    の発酵納豆の製造方法。
JP7046161A 1995-02-10 1995-02-10 発酵納豆の製造方法 Pending JPH08214821A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014233265A (ja) * 2013-06-04 2014-12-15 株式会社Mizkan Holdings 新規納豆およびその製造方法
CN104222874A (zh) * 2014-08-12 2014-12-24 丁德星 家用纳豆发酵设备及发酵方法

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