JPH0821403A - 密閉式タンクを使用した射出成形機 - Google Patents

密閉式タンクを使用した射出成形機

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JPH0821403A
JPH0821403A JP6181892A JP18189294A JPH0821403A JP H0821403 A JPH0821403 A JP H0821403A JP 6181892 A JP6181892 A JP 6181892A JP 18189294 A JP18189294 A JP 18189294A JP H0821403 A JPH0821403 A JP H0821403A
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JP
Japan
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tank
oil
air
hydraulic
pressure
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JP6181892A
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Inventor
Hiroshi Maki
洋 牧
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Meiki Seisakusho KK
Original Assignee
Meiki Seisakusho KK
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Publication date
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  • Supply Devices, Intensifiers, Converters, And Telemotors (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形機における油圧装置の作動油を外気
から完全に密閉する。 【構成】 密閉された作動油の貯留タンク41と空気溜
42とを、互いにガスの交換が自在となるように連結し
密閉された系を形成する。作動油と外気との接触を全く
なくすことができるので、作動油内への異物混入を起こ
すことがなくなる。また、外部にオイルミストを噴出す
ることもなくなる。前記密閉された系の封入ガス圧を大
気圧より高く設定すると、油圧系全体を高圧の環境に置
くことができる。よって、従来油圧回路内で負圧で運転
していた部分を正圧で運転することが可能となる。前記
ガスとして窒素ガスを用いると、常に作動油が空気と触
れることがなくなる。したがって、作動油の酸化による
劣化を抑えることができる。また、火災の時の作動油へ
の延焼も防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機の油圧駆動
装置の改良に関し、詳しくは密閉式の作動油の貯留タン
クに空気溜を取付け、密閉された系の中で作動油の貯留
タンク内の圧力を一定にするためのガスの吸、排気を行
うことを可能とした密閉式タンクを使用した射出成形機
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在用いられている射出成形機の駆動装
置は、油圧によるものがほとんどである。この油圧駆動
装置を用いた一般的な射出成形機の構造の一例につい
て、図4に示して説明する。
【0003】該射出成形機は、型締ラム1を有し、該ラ
ム1は型締シリンダ2内に摺動自在に嵌挿されていると
共に、その先端には図示しない可動金型を取付けた可動
盤が連結されている。さらに、該ラム1の中央部には高
速型閉め用の小径シリンダ室(以下、型閉油室と称す)
3が形成されており、型閉油室3には型締シリンダ2に
一体に形成されかつ油路を有するブースターラム5が嵌
挿されている。また、型締ラム1の外周部とシリンダ2
とにより型開油室6が形成され、該ラムの後端とシリン
ダ後部とにより高圧圧締用の型締油室7が形成されてい
る。そして、型締シリンダ2の後端部には油室9が設け
られており、該油室9と前記型締油室7との間にはスプ
リング10により閉方向に付勢されているプレフィル弁
11が介在している。
【0004】プレフィル弁は、型閉め時に型締油室7へ
の作動油の流れを許し、高圧圧締時は型締油室7からの
作動油の漏れを防止し、型開時には型締油室7からの作
動油の流出を許すものである。
【0005】一方、オイルタンク12は前記型締ラム1
に対して下方位置に設置されており、かつ該オイルタン
ク12は、メインタンク部12aとプレフィルタンク部
12bとからなる。これら両タンク部は仕切り板13に
て仕切られていると共に、該仕切り板13の上端をオー
バーフローする流路15により連通されており、またオ
イルタンク12の蓋部分12cにはエアブリーザ14が
設置されている。また、メインタンク部12aに設けら
れた吸込み口16aから、モータ17により駆動される
ポンプ19を介して各電磁切換弁20、21、22に連
通され、また切換弁からのドレーン油はそれぞれドレー
ン管27によりメインタンク部12aに戻されている。
そして、プレフィル弁11にて区画されている油室9と
プレフィルタンク部12bとの間は1本の連通管25に
より連通されている。
【0006】上記油圧装置にあっては、高速型閉じ作動
を行う際、型開閉用切換弁20により、型閉油室3内に
油圧を供給すると共に型開油室6をドレーン管27に連
通する。この状態にあっては、型締ラム1は高速で型閉
め方向(図中右方向)に移動し、この際、型締油室7は
負圧になって、該油室に連通管25、油室9およびプレ
フィル弁11を介してプレフィルタンク部12bから大
量の油が吸い込まれる。
【0007】そして、プレフィル弁11を閉じると共
に、高圧圧締用切換バルブ21に基づき、型締油室7に
油圧を供給して高圧圧締作業を行い、この状態で射出充
填を行った後、高速型開き作業が行われる。該型開き作
業にあっては、プレフィル弁11を開き、かつ型開閉用
切換弁20を切り換えて型開油室6に油圧を供給すると
共に、型閉油室3をドレーンする。これにより、型締ラ
ム1は型開き方向(図中左方向)に高速で移動し、この
際、型締油室7の油は、プレフィル弁11、油室9およ
び連通管25を通って勢いよくプレフィルタンク部12
b内に戻される。
【0008】上記装置を発展させたものが、特開平5−
253996号公報第1図に開示されている。この発明
は、型閉め時に発生するオイルタンク内の負圧を一定限
度に抑えるために、オイルタンクにチェック弁と、温度
上昇や型開き時に発生するオイルタンクの圧力上昇を一
定限度に抑えるリリーフ弁とを設けたものである。ま
た、オイルタンク内部の圧力を、タンクと型締油室との
水頭差に略々対応する圧力に保持する。したがって、型
締油室への作動油の吸込みに際し、大きな負圧を生ずる
ことを防止し、型締ラムを素早くかつ滑らかに移動する
と共に、オイルミストのタンク外への漏れを減少するこ
とをねらったものである。
【0009】また、油圧駆動装置は大量の作動油を用い
るために、火災に対して十分な注意を払う必要がある。
このため、特公昭63−24162号公報に開示されて
いるような、不活性ガス封入タンクを油圧系に連結し、
火災等の非常時に該タンク内の不活性ガスをオイルタン
ク内部に充満させ、作動油への引火を防止する装置等が
考え出されている。
【0010】
【発明が解決しょうとする課題】図4に示す油圧駆動装
置を駆動するにあたり、タンクの作動油をポンプにより
汲出して各アクチュエータに圧送するので、タンク内の
作動油量は変動する。この作動油量の変動によりタンク
内圧も変動するために、上記のようにオイルタンクに吸
排気弁を設け、該吸排気弁を通して内外の空気を呼吸自
在とし、設定された圧力に保つことができるようにして
いる。すなわち、吸排気弁によるタンク内部と外気との
空気の流通は、アクチュエータの動作の度に起こりうる
ものである。
【0011】しかしながら、このときの問題点として、
空気吸入時の異物混入がある。吸排気弁には10μm以
下のフィルタを装備しているが、それ以上に微小な塵を
遮断することは不可能であり、それら微小な塵が油圧駆
動装置内部に蓄積し、故障の原因となる。成形原料が熱
硬化性樹脂の場合は、材料が粉体状であるために取扱の
際に飛散しやすく、吸排気弁を通過して作動油内に混入
しやすい。また、高速型開き時には、型締油室7内の作
動油が勢いよくプレフィルタンク部12b内に排出され
るので、該タンク内部の作動油が勢いよく攪拌され、作
動油の表面を泡立て、オイルミストを発生させるととも
に、空気と触れる量を増やし、作動油の劣化を促進す
る。
【0012】この作動油がタンク内に戻るときは、タン
ク内圧は上昇し、タンクからエアブリーザ14を介して
空気を排出することになるが、発生したオイルミストも
一緒に排出し飛散することは避けられず、成形装置周囲
の環境汚染の原因となっている。特に、クリーンルーム
内での成形を行う際には、このオイルミストの噴出は重
大な問題となる。
【0013】また、特開平5−253996号公報に開
示された装置において、タンク内の圧力は、水頭差によ
り正圧に保たれるが、該正圧を維持するために、タンク
内の空気の圧縮性のみを利用しているので、その効果を
十分に得るための大きな空気室を必要とする。したがっ
て、水頭差(約0.3kg/cm2 )により圧縮される
空気量が型締シリンダの要求する作動油量を上回る余裕
のある大きさとする必要がある。このため、一般的にオ
イルタンクは大型となり、かつ油圧系統内部には必要量
の空気しか入っていないので、タンク内圧の上昇により
少しでも空気を放出した後には設定されたタンク内圧を
割ることになり、チェックバルブを通じて空気の吸入を
行うことになるので、異物混入を起こす状態になりやす
い。
【0014】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、密閉式のタンクと空気
溜とで密閉された系を形成し、その内部に清浄な空気を
封入し、オイルタンク内圧を一定に保つために使用する
ことにより外部からの作動油の汚染を防ぎ、かつ噴出す
るオイルミストをなくすことにある。また、油圧系が密
閉されるので、径内部の封入ガスを不活性ガスとするこ
とにより、作動油の酸化を防ぎ、かつ火災発生時の作動
油への延焼も防ぐことができる。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る手段は、油圧駆動のアクチュエータによ
り作動する射出成形機の、前記アクチュエータの作動油
を貯留するための密閉式タンクと空気溜とを、互いにガ
スの交換が自在となるように連結し密閉された系を形成
したことを特徴とする。また、前記密閉された系の封入
ガス圧を大気圧より高く設定することが望ましい。
【0016】本発明において、前記空気溜は容積の拡大
縮小が容易な弾性袋であることが望ましい。さらに、前
記ガスとして窒素ガスを用いることも可能である。
【0017】
【作用】作動油を貯留している密閉式タンクと空気溜と
を、互いにガスの交換が自在となるように連結管により
連結して密閉された系を形成し、型閉め、型開きの作動
に伴い、シリンダ内の油室と貯留タンク内との作動油の
増減が起こったとき、密閉された油圧系の中だけで貯留
タンクの内圧を調整する。また、該タンク内の貯留オイ
ルの増減量を上回る量のガスを空気溜に封入することを
容易とする。
【0018】本発明において、前記密閉された系の封入
ガス圧を大気圧より高く設定したことにより、油圧系全
体を高圧の環境に置き、作動遅れに対応させる。
【0019】前記空気溜は容積の拡大縮小が容易な弾性
袋であるので、ガスの出し入れに際し、空気溜内部の圧
力が高圧になったり、負圧になったりすることもなく、
出し入れのためのポンプ等も必要とせずに、密閉された
油圧系の内圧調整を袋の拡大縮小で行う。
【0020】また、前記ガスとして窒素ガスを用いるこ
とも可能であり、窒素ガスを前記密閉された油圧系に封
入して、作動油が空気と触れることをなくす。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図に基づいて説明する。
【0022】図1は本発明の一実施例を示す密閉式タン
クを使用した射出成形機の油圧装置を示している。作動
油の密閉式貯留タンク(以下、単にタンクと称す)41
と空気溜42とを連結管43で連結する。この密閉され
た油圧系に、あらかじめ必要となる量の清浄な空気を封
入しておく。型締装置44および射出装置45の作動油
は、このタンク41からモータMにより駆動されるポン
プPにより供給される。
【0023】図2に空気溜を示す。空気溜42はケーシ
ング42aの内部に、弾性変形自在な材質、例えば合成
ゴム(NBR)等を用いた袋42bを備えている。袋4
2bは、ケーシング42a内部で膨張収縮自在である。
また、連結管43aには吸排気弁60設けている。
【0024】図3に吸排気弁の構造を示す。吸排気弁6
0は、ボディ61とケーシング62との分割構造であ
り、フィルター63を内蔵している。ボディ61にはね
じ部61aを設け、空気溜42の連結管43aに取付け
ることができる。第1のスプリング67によりバキュー
ムバルブ66を閉方向に付勢している。また、第2のス
プリング70によりスプリングホルダ68を介してスプ
ール69を閉方向に付勢している。また、空気の漏れを
厳しく封じるためにOリング71を各部に設けている。
【0025】型締装置44の油圧回路については、すで
に従来の技術の欄で紹介したものと同様な構造をなして
おり、詳しい説明は省略する。
【0026】射出装置45について、図1を用いて説明
する。射出装置は先端部に樹脂の射出ノズルNを有する
加熱筒Hの内筒部に、射出シリンダ46によって前後に
往復するスクリュ48を設けている。スクリュ48はオ
イルモータ51により回転させ、樹脂をノズルNに供給
するものである。また、射出装置45は図示しない油圧
アクチュエータにより前後動可能であり、樹脂の射出時
には、図中左方向に移動し、金型のスプルーブッシュに
ノズルNを接触させる。
【0027】ここで、射出成形機が作動する際のタンク
41および空気溜42の状態を、図1を用いて説明す
る。
【0028】タンク41内の作動油を型締装置44の型
締ラムに作動油を送り込んだとき等、貯留量が減少する
と減少量の空気が空気溜42からタンク41に移動す
る。このとき、袋42bは収縮し容積が減少する。逆
に、型締ラムが後退し、作動油がタンク41内に戻され
ると貯留量が増加し、タンク41内の空気が空気溜42
に移動する。このとき、袋42bは膨張し容積が増加す
る。このように、通常の油圧装置の作動によるタンク内
の貯留オイルの増減に対しては、空気溜42の袋42b
が自在に容積を変えることにより、タンク41と空気溜
42との間のみで空気の交換を行うことが可能となる。
したがって、油圧系は外気に対しては完全に遮断され
る。ただし、本発明の場合は、空気溜42の袋42bの
容量は、タンク41内で作動油の貯留量が変動する最大
変動量より大きくなるよう余裕をもたせることが必要で
ある。
【0029】上記のように、タンク41、空気溜42お
よび連結管43を有する油圧系は外気と遮断されるた
め、該系内部に外気と異なるガスを封入することも可能
である。作動油は油圧装置を駆動することにより発生す
る熱で油温が上昇するので、空気と反応して酸化が進み
劣化していく。ところが窒素ガスを油圧系内部に封入す
ることにより、作動油が空気に触れることがなくなるの
で、酸化を防止し作動油の劣化を遅くすることが可能と
なる。また、火災が発生した場合には、作動油は窒素ガ
スにより空気と遮断されているので、延焼防止に大変有
効である。また、従来のように別個に消化用窒素ガスボ
ンベを取付ける必要もなくなる。
【0030】さらに、本発明においては油圧系に封入す
るガスの封入圧を、大気圧より高く(0.2kg/cm
2 程度)設定することが望ましい。この内圧は油圧回路
全体に均一に掛かるので、従来ポンプの吸入口やプレフ
ィル弁使用箇所のように、負圧で運転していた箇所が正
圧で運転できるようになる。したがって、ポンプとアク
チュエータとをつなぐパイプを一段細いものを使用する
ことが可能となる。また、従来は負圧を大きくしてアク
チュエータへの作動油の供給を助ける必要があったが、
その必要がなくなるので、一段高いサクションヘッドで
使用することが可能となる。また、プレフィル弁も1サ
イズ小さいものを使用できるようになり、一段高いサク
ションヘッドで使用することが可能となる。
【0031】また、油圧系の封入ガス圧を高く設定する
ことにより、油圧装置の作動後れを解消することができ
る。射出装置の動作を例にとって説明する。
【0032】射出装置45を作動させて、樹脂を可塑化
させるときには、電磁弁49、50のソレノイド49
b、50aを励磁させ、オイルモータ51に作動油を送
り、オイルモータ51の回転軸に係合したスクリュ48
を回転させる。すると溶融樹脂が樹脂溜52で圧縮さ
れ、このときの圧力によりスクリュ48は図中右方向に
後退する。そして、あらかじめ設定された1ショット分
の溶融樹脂が樹脂溜52に蓄積される位置まで後退す
る。したがって、スクリュ48を支持しているピストン
ロッド53は引っ張り力を受け、ピストンロッド53先
端のピストン54は射出シリンダ46内を、スクリュ4
8と同じ距離だけ後退する。射出シリンダ46の油室5
5から排出された作動油は電磁弁49を通り背圧用のリ
リーフ弁56を吹いてクーラ57を経由しタンク41に
戻ろうとする。
【0033】しかしながら、ピストン54が後退するこ
とにより油室47は膨張し、しかも油室55内には存在
し油室47内には存在しないピストンロッド53の体積
の分だけ、よけいに作動油を吸入しようとする。したが
って、油室55から排出されクーラ57を経由した作動
油は、全量油室47に吸い込まれ、なお不足する分は、
タンク41からドレーン管58および電磁弁59を通じ
て吸引することになる。ところが、ドレーン管58は吸
入に適した径を有しておらず、その経路も長い。また、
電磁弁59も容量が小さいものなので油室55へは必要
量の作動油が入り難く、油室47内で大きな負圧を生じ
る。
【0034】このときにノズルN先端部からの樹脂の鼻
垂れ現象を防ぐために、サックバックを必要とする。サ
ックバックとは、油室47に作動油を送り込みスクリュ
48を後退させる動作のことである。ところが、前述の
ごとく油室47内は大きな負圧を生じているので、油室
47内に作動油を送り込んでも正圧になるまでに時間を
要し、サックバック作動後れを発生させる。
【0035】本発明においては、密閉された油圧系にガ
スを高圧で封入することにより、油圧回路各部は常に正
圧を維持するので、サックバック作動遅れを解消するこ
とができる。
【0036】また、前述のごとく油圧系内部は大気圧よ
り高圧に設定されているために、長期の使用により封入
したガスが漏れることが想定される。すると、空気溜4
2の袋42bに貯留されたガスの容量が減り、タンク4
1内の作動油減少時に必要な量のガス補充ができなくな
る。また、クーラ57の破損によりタンク内に冷却水が
侵入し、タンク内容物が増加した場合等、油圧系内部の
圧力が異常に上昇することも想定される。このような非
常事態の際の安全策として、図3に示す吸排気弁60を
取付けている。
【0037】油圧系の内圧が減少し、設定された圧力を
下回ると、バキュームバルブ66を閉方向に付勢してい
る第1スプリング67の弾性力に外気圧が打ち勝つ。し
たがって、該バキュームバルブ66は図中下方に押し下
げられ、外気が吸排気口64からフィルター63を介し
て吸排気管65に侵入する。また、油圧系の内圧が上昇
し設定された圧力を上回ると、スプリングホルダ68を
介してスプール69を付勢している第2スプリング70
の弾性力に油圧系の封入ガスの圧力が打ち勝つ。したが
って、該スプール69は図中上方に押し上げられ、封入
ガスは吸排気管65からフィルター63を介して吸排気
口64より外部に放出される。
【0038】吸排気弁60は非常時に限って作動するも
のであり、通常使用時には、油圧系の密閉状態は保たれ
る。さらに、作動油交換時等油圧装置の整備の際には、
吸排気弁60を解放することにより、空気溜42を取付
けたまま行うことが可能となり、整備性を落とすもので
はない。
【0039】上記のごとく、ガスの封入圧を大気圧より
高く設定することにより多くの効果を得ることができる
が、このことにより装置が誤動作を起こすようなことは
ない。
【0040】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。油圧駆動のアクチュエータによ
り作動する射出成形機の、前記アクチュエータの作動油
を貯留するための密閉式タンクと空気溜とを、互いにガ
スの交換が自在となるように連結し密閉された系を形成
したことにより、貯留タンク内の作動油の増減が起こっ
ても、密閉された油圧系の中だけで内圧を調整すること
が可能となる。よって、作動油と外気との接触を全くな
くすことができ、作動油内への異物混入を起こすことが
なくなる。また、外部にオイルミストを噴出することも
なくなるので、製造環境は常に清浄に保たれる。特にク
リーンルーム内におけるコンパクトディスク等の成形の
際などは、大きな効果を得ることができる。また、前記
タンク内の貯留オイルの増減量以上のガスを空気溜に封
入することも容易であるので、タンク自体にガスを貯留
するための容量を持たせる必要はなくなる。作動油の貯
留タンクは使用する作動油の容積が確保されていれば良
く、小型化することが可能となる。
【0041】本発明において、前記密閉された系の封入
ガス圧を大気圧より高く設定したことにより、油圧系全
体を高圧の環境に置くことができるので、従来油圧回路
内で負圧で運転していた部分を正圧で運転することが可
能となる。したがって各アクチュエータとオイルタンク
との間で、作動油の受渡しが容易になり、アクチュエー
タの作動遅れも解消できる。また、油圧配管等の径を小
さく設定することも可能となり、設計の自由度が高ま
る。
【0042】前記空気溜は容積の拡大縮小が容易な弾性
袋であり、ガスの出し入れに際し、空気溜内部の圧力が
高圧になったり、負圧になったりすることもなく、出し
入れのためのポンプ等も必要としない。また、密閉され
た油圧系の内圧調整は、袋の拡大縮小で行うことができ
るので、油圧系の圧力調整が非常に容易になる。
【0043】また、前記ガスとして窒素ガスを用いるこ
とも可能であり、窒素ガスを前記密閉された油圧系に封
入することにより、常に作動油が空気と触れることがな
くなる。したがって、作動油の酸化による劣化を抑える
ことが可能であり、火災の時の作動油への延焼も防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す密閉式タンクを使用し
た射出成形機の油圧装置を示す摸式図である。
【図2】本発明の一実施例を示す密閉式タンクを使用し
た射出成形機に用いる空気溜の構造を示す摸式図であ
る。
【図3】本発明の一実施例を示す密閉式タンクを使用し
た射出成形機に用いる吸排気弁の構造を示す断面摸式図
である。
【図4】従来例を示す射出成形機の油圧装置を示す摸式
図である。
【符号の説明】
41 作動油の密閉式貯留タンク 42 空気溜 42b 袋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 45/17 8823−4F 45/82 7365−4F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧駆動のアクチュエータにより作動す
    る射出成形機の、前記アクチュエータの作動油を貯留す
    るための密閉式タンクと空気溜とを、互いにガスの交換
    が自在となるように連結し密閉された系を形成したこと
    を特徴とする密閉式タンクを使用した射出成形機。
  2. 【請求項2】 前記密閉された系の封入ガス圧を大気圧
    より高く設定したことを特徴とする請求項1に記載の密
    閉式タンクを使用した射出成形機。
  3. 【請求項3】 前記空気溜は容積の拡大縮小が容易な弾
    性袋であることを特徴とする請求項1または2のいずれ
    か一項に記載の密閉式タンクを使用した射出成形機。
  4. 【請求項4】 前記ガスとして、窒素ガスを用いること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の密閉
    式タンクを使用した射出成形機。
JP6181892A 1994-07-11 1994-07-11 密閉式タンクを使用した射出成形機 Pending JPH0821403A (ja)

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JP (1) JPH0821403A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002303301A (ja) * 2001-04-04 2002-10-18 Nippon High Heat:Kk 液体タンク用気体収容装置
EP1612028A1 (de) * 2004-06-29 2006-01-04 Karl Hehl Spritzgiessmaschine mit einem Aufnahmebehältnis für ein Druckmittel
CN100376808C (zh) * 2005-11-18 2008-03-26 三一重工股份有限公司 混凝土泵车的增压油箱
CN107498019A (zh) * 2016-06-14 2017-12-22 重庆瑞方渝美压铸有限公司 压铸模具
JP2020091020A (ja) * 2018-12-07 2020-06-11 株式会社フクハラ 油圧回路用オイルの延命システム

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