JPH08213686A - 波長安定化光源 - Google Patents

波長安定化光源

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JPH08213686A
JPH08213686A JP29585895A JP29585895A JPH08213686A JP H08213686 A JPH08213686 A JP H08213686A JP 29585895 A JP29585895 A JP 29585895A JP 29585895 A JP29585895 A JP 29585895A JP H08213686 A JPH08213686 A JP H08213686A
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JP
Japan
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wavelength
light
laser
semiconductor laser
optical
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Application number
JP29585895A
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English (en)
Inventor
Shiro Shichijo
司朗 七条
Kiyobumi Muro
清文 室
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体レーザを励起する半導体レーザにおい
て、高出力を維持したまま単一縦モード発振を実現し
て、小形で効率が良く、かつ波長安定性に優れた短波長
光源を提供する。 【解決手段】 短波長光源は、レーザ媒質61をポンピ
ングする半導体レーザ30と、半導体レーザ30に特定
波長の光のみ帰還させる光学的フィードバックをかけ
て、波長の制御や安定化を行う複屈折フィルタ40と、
ポンピング光32を集束するレンズ系33、34と、N
dが1%ドープされたNd:YAGから成るレーザ媒質
61およびKNbO3 から成る非線形光学素子62を含
む光共振器60などで構成される。複屈折フィルタ40
は、リヨット型フィルタの構成であって、厚み2mmの
ノンドープYVO4 から成る複屈折素子41と、偏光子
42と、厚み4mmのノンドープYVO4 から成る複屈
折素子43とで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク装置、
光通信、各種計測などに好適に用いられ、励起用の半導
体レーザと固体レーザおよび非線形光学素子を含む光共
振器とを備えた波長安定化光源に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、光ディスクや画像処理等にお
いて記録再生の高密度化のために短波長の光源が求めら
れており、たとえば半導体レーザを励起光源として高効
率の波長変換によりグリーン光やブルー光などの短波長
光が得られている。安定した情報記録再生を行うために
は、出力光の強度分布がガウシアンの形状であって回折
限界近くまで集光可能であり、かつ出力が安定であるこ
とが要求される。
【0003】たとえば数mW以上の出力光を発生する短
波長光源を得るには、半導体レーザからのレーザ光を波
長変換素子に入射して高調波や和周波を発生させる方式
や、励起用の半導体レーザと固体レーザおよび非線形光
学素子を内部に含む光共振器とを備えた内部共振器型が
有力と考えられている。特に、内部共振器型のSHG
(Second Harmonic Generator)レーザの励起光源用とし
て半導体レーザを用いる場合、波長および出力の安定化
と波長変換の高効率化が重要になる。
【0004】図27は、従来の内部共振器型の短波長光
源を示す概略構成図である。半導体レーザ1から放射さ
れた光はコリメートレンズ2により平行ビームに変換さ
れ、集光レンズ3によってNd:YVO4 などから成る
レーザ媒質4に集光される。レーザ媒質4の入射側端面
4aには、半導体レーザ1の出力波長809nmに対し
て無反射(AR)となり、レーザ媒質4の発振波長10
64nmに対して高反射率(HR)となるコーティング
が施される。出力ミラー6には波長1064nmに対し
てHRコーティングが施され、出力ミラー6およびレー
ザ媒質4の端面4aによって基本波1064nmに対す
る光共振器7が構成される。光共振器7の内部にはKT
P等の非線形光学結晶5が配置され、ここで波長変換さ
れた第2高調波は出力ミラー6から出力される。
【0005】従来、このようなSHG固体レーザの励起
光源として縦モードがマルチモードの半導体レーザが用
いられており、縦モードマルチの半導体レーザは高出力
であるが、その発振波長領域もレーザ媒質の吸収スペク
トルの幅に対して広い。また、半導体レーザ自体の温度
変化や戻り光に起因する位相変化によって、縦モードの
ピーク位置も経時的に変動するため、レーザ媒質での光
吸収量が変化して、レーザ媒質の発振波長や出力の不安
定化を引き起こす原因となる。
【0006】図28は、半導体レーザから戻り光発生位
置までの距離を僅かに変位させた場合のスペクトル変化
を示すグラフであり、上のグラフは変位前、下のグラフ
は変位後のものである。2つのグラフを見ると、マルチ
モードで発振しているため、幾つもの発振スペクトルが
観測されるが、戻り光発生位置が僅かに変位すると発振
スペクトルが大きく変動することが判る。また、距離が
λ/2ずつ変化するごとに発振スペクトルは周期的に変
動する。たとえば、レーザ媒質としてYAG結晶を用い
た場合には、スペクトル変化がYAGの吸収スペクトル
幅10Åより大きくなるため、固体レーザの出力は大き
く変動することになる。
【0007】最近、単一縦モードの半導体レーザの高出
力化が進んでおり、これを固体レーザの励起光源として
用いた場合、半導体レーザの発振線幅は固体レーザの吸
収スペクトル幅に比べて極めて狭いので、吸収効率が増
大して高効率化が可能になるという利点がある。
【0008】しかし、図27において、Nd:YVO4
などのレーザ媒質4の端面4aに施してあるARコーテ
ィングが半導体レーザ1の波長に対して透過率T=93
%程度しかないため、半導体レーザ1への戻り光が生じ
てしまい、半導体レーザ1の発振モードを乱すことがあ
る。特に半導体レーザ1として単一縦モードのものを用
いた場合、半導体レーザ1への戻り光が発生すると、大
きなモードホップや縦モードのマルチ化が起こり、マル
チモードの半導体レーザを用いた場合に比べてより大き
な出力変動が発生する。
【0009】この対策として、単一縦モード半導体レー
ザの波長安定化のために、回折格子を外部共振器として
使用した短波長光源が報告されている(特開平6−75
261号公報)。しかしながら、単一縦モード半導体レ
ーザの出力は現状では100mW程度に過ぎないため、
高出力の固体レーザ励起として不十分である。そこで、
マルチモード半導体レーザを用いて縦シングルモードで
安定に発振させることができれば、より高出力でかつ波
長安定性を達成できる。
【0010】図29は、従来の短波長光源の他の例を示
す概略構成図である。半導体レーザ1から放射された光
は、コリメートレンズ2により平行ビームに変換され、
アイソレータ8を経由して、集光レンズ3によってKT
P等の非線形光学結晶5に集光されて波長変換されて第
2高調波を出力する。
【0011】通常、非線形光学結晶5の表面5a、5b
には、基本波波長に対して無反射(AR)コーティング
を行うが、それでも僅か0.1%以下の戻り光が生じて
しまい、半導体レーザ1にモードジャンプが発生する。
この戻り光対策として、1)所定偏光以外を遮断するア
イソレータ8の使用、2)非線形光学結晶5の入射端面
のARコーティングの性能向上、3)非線形光学結晶5
の傾斜による軸外反射、などが考えられる。
【0012】しかし、1)アイソレータ8は高価であっ
て形状が大きいものしか無いため、光源全体の小型化が
難しくなる。さらに、半導体レーザ1自身の温度変化に
対する波長の揺らぎを防止できないため実用的でない。
また、2)ARコーティングの性能向上に関して、現状
のコーティング技術では難しい状況である。また、3)
アイソレータ8の使用または非線形光学結晶5の斜め配
置等による戻り光カットの方法はある程度の効果が期待
される。しかし、半導体レーザ1の電流をパルス的に変
調して直接変調を行う場合には、1パルスごとに発振波
長が一定せず、波長不安定を生じるため、特に波長変換
の場合にはこうした発振波長のふらつきはそのままSH
G強度雑音となる。そのため、実用的には半導体レーザ
を連続発振させてCW光を発生しておいて、外部変調器
を使用して高速変調することが必要になるが、光源の大
型化やコスト増加をもたらすことになる。
【0013】一方、光通信分野では周辺温度が変化して
も安定に単一波長で単一縦モード発振する半導体レーザ
が要求されている。また波長多重通信等に利用するた
め、発振波長を変化させることのできる可変波長レーザ
が要求されている。
【0014】図30(a)は外部共振器型半導体レーザ
を用いた波長可変光源の例を示す概略構成図であり、図
30(b)はその部分斜視図である。半導体レーザ1か
ら放射された光は、コリメートレンズ2により平行ビー
ムに変換され、液晶を用いた位相シフタ9を経由して、
LiNbO3 などの複屈折素子および偏光ビームスプリ
ッタから成る複屈折フィルタ10を通過して、外部共振
器を構成する出力ミラーから出力される。液晶9に印加
する電圧を調整することによって、単一モード発振で波
長を連続的にスイープできることが報告されている(J.
R.Andrews,Optics Letters,16,732,1991)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように固体レーザ
励起用半導体レーザとして、縦マルチモードの高出力半
導体レーザを使用することが出力や波長安定性の点でよ
り現実的であるが、戻り光の影響によって発振スペクト
ルが大きく変化して、固体レーザの励起効率が低下した
り経時変動するという課題がある。
【0016】シングルパスSHG素子のような半導体レ
ーザを用いた波長変換素子については、波長変換素子か
らの出力を安定化する上で半導体レーザの波長安定性が
非常に重要である。非線形光学結晶の波長許容量は1か
ら3Å程度であり、半導体レーザの縦モードホッピング
幅約10Åと比べて小さく、波長が変化すると非線形光
学結晶の変換効率が大きく低下するからである。
【0017】基本波レーザ、内部共鳴SHG、和周波レ
ーザおよび差周波レーザのような半導体レーザ励起固体
レーザでは、半導体レーザのモードホッピングがレーザ
の吸収量を変えるので基本波の内部パワーが変化し、そ
の結果これら固体レーザ装置の出力が変動する。
【0018】このように半導体レーザの波長安定化が波
長変換素子の出力を安定化する上で極めて重要である。
【0019】本発明の目的は、固体レーザの吸収スペク
トル以上に広がった縦マルチモードの半導体レーザにお
いて、高出力を維持したまま単一縦モード発振を実現し
て、小形で効率が良く、かつ波長安定性に優れた波長安
定化光源を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザ光を発
振する半導体レーザと、所定波長に対して透過率が高く
なるバンドパス特性を有する波長選択素子と、波長選択
素子を経由して半導体レーザに光学的フィードバックを
かけるための反射手段と、半導体レーザから順次、波長
選択素子、反射手段を通過したレーザ光を波長変換する
ための波長変換素子とを備え、半導体レーザの発振波長
が波長変換素子の波長許容度内に安定化されている波長
安定化光源である。本発明に従えば、半導体レーザに対
して波長選択素子を経由して光学的フィードバックをか
けることによって、半導体レーザが波長選択素子で規定
される特定波長で発振するため、単一縦モードのレーザ
光が得られる。したがって、半導体レーザの発振波長を
波長変換素子の波長許容度内に安定化することによっ
て、高調波や和周波等の出力光が安定化する。なお、反
射手段とは、入射した光を100%反射する全反射手段
や、入射した光を0%から100%の範囲で部分的に反
射する部分反射手段を含む概念であり、以下同様であ
る。
【0021】また本発明は、励起光を発振する半導体レ
ーザと、所定波長に対して透過率が高くなるバンドパス
特性を有する波長選択素子と、波長選択素子を経由して
半導体レーザに光学的フィードバックをかけるための反
射手段と、励起光によって励起されるレーザ媒質および
波長変換を行う非線形光学素子を含む光共振器とを備
え、半導体レーザの発振波長がレーザ媒質の吸収スペク
トル内に安定化されている波長安定化光源である。本発
明に従えば、半導体レーザに対して波長選択素子を経由
して光学的フィードバックをかけることによって、半導
体レーザが波長選択素子で規定される特定波長で発振す
るため、単一縦モードのレーザ光が得られる。したがっ
て、半導体レーザの発振波長をレーザ媒質の吸収スペク
トル内に安定化することによって、レーザ媒質によるレ
ーザ発振が安定化し、したがって非線形光学素子から発
生する短波長の光も安定化する。
【0022】また本発明は、励起光を発振する第1半導
体レーザと、ミキシング光を発振する第2半導体レーザ
と、所定波長に対して透過率が高くなるバンドパス特性
を有する波長選択素子と、励起光によって励起されるレ
ーザ媒質および波長変換を行う非線形光学素子を含む光
共振器と、波長選択素子を経由して第1および第2半導
体レーザに光学的フィードバックをかけるための反射手
段とを備える波長安定化光源である。本発明に従えば、
第1および第2半導体レーザに対して波長選択素子を経
由して光学的フィードバックをかけることによって、第
1および第2半導体レーザが、波長選択素子で規定され
る特定波長で発振するため、波長の異なる2つの単一縦
モードレーザ光が得られる。したがって、第1および第
2半導体レーザの発振波長が安定化することによって、
非線形光学素子から発生する和周波光などの非線形光も
安定化する。
【0023】また本発明は、励起光を発振する半導体レ
ーザと、前記励起光の波長範囲内の所定波長の光により
励起されて基本波レーザ光を発するレーザ媒質と、前記
レーザ媒質を含む光共振器と、偏光手段および複屈折素
子からなり前記励起光の前記所定波長の光を優先的に透
過する波長選択素子と、前記波長選択素子を経由して前
記半導体レーザに対して、光学的フィードバックをかけ
るための反射手段とを備える波長安定化光源である。本
発明に従えば、半導体レーザに対して波長選択素子を経
由して光学的フィードバックをかけることによって、半
導体レーザが波長選択素子で規定される特定波長で発振
するため、単一縦モードの励起光が得られる。したがっ
てレーザ媒質で発生する基本波レーザ光の波長も安定化
する。
【0024】また本発明は、レーザ光を発振する半導体
レーザと、前記レーザ光の波長範囲内の所定波長のレー
ザ光を波長変換して短波長レーザ光を発する非線形光学
素子と、偏光手段および複屈折素子からなり前記レーザ
光の前記所定波長のレーザ光を優先的に透過する波長選
択素子と、前記波長選択素子を経由して前記半導体レー
ザに対して、光学的フィードバックをかけるための反射
手段とを備える波長安定化光源である。本発明に従え
ば、半導体レーザに対して波長選択素子を経由して光学
的フィードバックをかけることによって、半導体レーザ
が波長選択素子で規定される特定波長で発振するため、
単一縦モードのレーザ光が得られる。したがって非線形
光学素子で発生する短波長レーザ光の波長も安定化す
る。
【0025】また本発明は、励起光を発振する半導体レ
ーザと、前記励起光の波長範囲内にある所定波長の光に
より励起されて基本波レーザ光を発するレーザ媒質と、
前記基本波レーザ光を波長変換して短波長を発する非線
形光学素子と、前記レーザ媒質と前記非線形光学素子と
を含む光共振器と、偏光手段および複屈折素子からなり
前記励起光の前記所定波長の光を優先的に透過する波長
選択素子と、前記波長選択素子を経由して前記半導体レ
ーザに対して、光学的フィードバックをかけるための反
射手段とを備える波長安定化光源である。本発明に従え
ば、半導体レーザに対して波長選択素子を経由して光学
的フィードバックをかけることによって、半導体レーザ
が波長選択素子で規定される特定波長で発振するため、
単一縦モードの励起光が得られる。したがってレーザ媒
質で発生する基本波レーザ光の波長も安定化し、非線形
光学素子で発生する短波長レーザ光の波長も同様に安定
化する。
【0026】また本発明は、励起光を発振する第1半導
体レーザと、ミキシング光を発振する第2半導体レーザ
と、前記励起光の波長範囲内の所定波長の光により励起
されて基本波レーザ光を発するレーザ媒質と、前記基本
波レーザ光と前記ミキシング光を混合して、ある波長の
レーザ光を発する非線形光学素子と、前記レーザ媒質と
前記非線形光学素子とを含む光共振器と、偏光手段およ
び複屈折素子からなり前記励起光の前記所定波長の光を
優先的に透過する波長選択素子と、前記波長選択素子を
経由して前記第1半導体レーザに対して、光学的フィー
ドバックをかけるための反射手段とを備える波長安定化
光源である。本発明に従えば、第1半導体レーザに対し
て波長選択素子を経由して光学的フィードバックをかけ
ることによって、第1半導体レーザが波長選択素子で規
定される特定波長で発振するため、単一縦モードの励起
光が得られる。さらに、第1半導体レーザによって励起
されるレーザ媒質で発生する基本波レーザ光の波長も安
定化する。したがって、光線形光学素子から発生する和
周波光や差周波光などの非線形レーザ光も同様に安定化
する。
【0027】また本発明は、励起光を発振する第1半導
体レーザと、ミキシング光を発振する第2半導体レーザ
と、前記励起光によって励起されて基本波レーザ光を発
するレーザ媒質と、前記ミキシング光の波長範囲内の所
定波長の光と前記基本波レーザ光とを混合して、ある波
長のレーザ光を発する非線形光学素子と、前記レーザ媒
質と前記非線形光学素子とを含む光共振器と、偏光手段
および複屈折素子からなり前記ミキシング光の前記所定
波長の光を優先的に透過する波長選択素子と、前記波長
選択素子を経由して前記第2半導体レーザに対して、光
学的フィードバックをかけるための反射手段とを備える
波長安定化光源である。本発明に従えば、第2半導体レ
ーザに対して波長選択素子を経由して光学的フィードバ
ックをかけることによって、第2半導体レーザが波長選
択素子で規定される特定波長で発振するため、単一縦モ
ードのミキシング光が得られる。したがって、非線形光
学素子から発生する和周波光や差周波光などの非線形レ
ーザ光も同様に安定化する。
【0028】また本発明は、前記第1半導体レーザの前
記励起光の出射端面が、前記レーザ媒質の励起光入射面
に突き合わせて(butt-coupling)設けられていること
を特徴とする。このように励起光を発振する半導体レー
ザの出射端面とレーザ媒質の励起光入射面を突き合わせ
ることによって、その間の距離が格段に短くなる。たと
えば、半導体レーザの励起光をレーザ媒質中に集光する
ためのレンズを挿入すると、両者の距離は10cm程で
あったが、両者を突き合わせると、この距離は100μ
m以下になる。そうすると、半導体レーザとレーザ媒質
を支持する台の温度変化による熱膨張による距離の変化
も格段に小さくなる。すると環境温度が変化した場合で
も、半導体レーザから出射されたレーザ光の一部がレー
ザ媒質の表面で反射され、半導体レーザに戻る際の位相
変化は無視できる。このため発振波長の安定度が増し、
共振器内の基本波レーザ強度変化はきわめて小さくな
る。和周波レーザ出力は共振器内基本波強度とミキシン
グ光強度の積に比例するので、共振器内基本波レーザ強
度の安定化により和周波出力の安定性が改善される。さ
らに非線形光学材料の基本波吸収による温度変化も一定
値で安定するので、熱膨張と屈折率変化による光学長
(長さ×屈折率)の変化も小さくなる。したがってミキ
シング光を発振する半導体レーザからでたミキシング光
が非線形光学材料を通過し、ある面で反射してミキシン
グ光発振用半導体レーザに戻ってくる光学路の光学長の
変化も小さくなり、ミキシング光発振用半導体レーザの
発振波長の安定度も増加し、前述の基本波レーザ光の安
定性と相まって和周波出力はさらに安定化する。また励
起光発振用半導体レーザとレーザ媒質を突き合わせるこ
とにより、小型になる。
【0029】また本発明は、励起光を発振する第1半導
体レーザと、ミキシング光を発振する第2半導体レーザ
と、前記励起光の波長範囲内にある第1所定波長の光に
よって励起されて基本波レーザ光を発するレーザ媒質
と、前記ミキシング光の波長範囲内の第2所定波長の光
と前記基本波レーザ光とを混合して、ある波長のレーザ
光を発する非線形光学素子と、前記レーザ媒質と前記非
線形光学素子とを含む光共振器と、偏光手段および複屈
折素子からなり前記励起光の前記第1所定波長の光を優
先的に透過する第1波長選択素子と、前記第1波長選択
素子を経由して前記第1半導体レーザに対して、光学的
フィードバックをかけるための第1反射手段と、偏光手
段および複屈折素子からなり前記ミキシング光の前記第
2所定波長の光を優先的に透過する第2波長選択素子
と、前記第2波長選択素子を経由して前記第2半導体レ
ーザに対して、光学的フィードバックをかけるための第
2反射手段とを備える波長安定化光源である。本発明に
従えば、第1および第2半導体レーザに対してそれぞれ
第1および第2波長選択素子を経由して光学的フィード
バックをかけることによって、第1および第2半導体レ
ーザが第1および第2波長選択素子でそれぞれ規定され
る特定波長で発振するため、単一縦モードの励起光およ
び単一縦モードのミキシング光が得られる。さらに、第
1半導体レーザによって励起されるレーザ媒質で発生す
る基本波レーザ光の波長も安定化する。したがって、非
線形光学素子から発生する和周波光や差周波光などの非
線形レーザ光も同様に安定化する。
【0030】また本発明は、前記偏光手段が、前記光学
的フィードバックを受ける前記半導体レーザに含まれる
ことを特徴とする。これによって、装置全体の小型・軽
量化が図られる。また本発明は、前記光学的フィードバ
ックを受ける前記半導体レーザが、量子井戸構造を有す
ることを特徴とする。すなわち、量子井戸構造を有する
半導体レーザは、活性層に垂直方向の偏光成分(TMモ
ード)のゲインはほとんど無いため、TMモードの発振
が困難になる。そのため、TEモードだけが優勢に発振
するため、TEモード方向の偏光子と同等な機能を果た
すことができる。
【0031】また本発明は、前記波長選択素子は、複屈
折素子および偏光子を含むリヨット(Lyot)の複屈折フ
ィルタであることを特徴とする。すなわち波長選択素子
は、複屈折素子および偏光子を含むリヨットの複屈折フ
ィルタであるため、急峻なバンドパス特性を有するフィ
ルタが簡単に得られる。また、部分反射手段は表面反射
コーティングで構成することによって、光学素子の表面
に形成することができ、部分反射ミラー等の特別な装置
が不要になる。
【0032】また本発明は、前記波長選択素子は、複屈
折素子が光軸に対してブリュースタ角で傾いて構成され
る複屈折フィルタであることを特徴とする。すなわち、
波長選択素子は、厚さが異なる複数の複屈折素子が光軸
に対してブリュースタ角で傾いて構成される複屈折フィ
ルタであるため、急峻なバンドパス特性を有するフィル
タが簡単に得られ、波長チューニングも容易になる。ま
た、部分反射手段は表面反射コーティングで構成するこ
とによって、光学素子の表面に形成することができ、部
分反射ミラー等の特別な装置が不要になる。
【0033】また本発明は、前記波長選択素子に使用さ
れる複屈折素子が、液晶であることを特徴とする。すな
わち、波長選択素子に使用される複屈折素子が液晶であ
るため、印加電圧による複屈折率の制御が簡単になり、
波長チューニングが容易になる。
【0034】また本発明は、前記波長選択素子に使用さ
れる複屈折素子が、ノンドープYVO4 またはKNbO
3 から成る結晶であることを特徴とする。すなわち、波
長選択素子に使用される複屈折素子が、ノンドープYV
4 またはKNbO3 から成る結晶であるため、高性能
のフィルタ特性が得られる。
【0035】また本発明は、前記レーザ媒質が複屈折性
を有し、前記波長選択素子の複屈折素子として用いられ
ることを特徴とする。すなわち、レーザ媒質が複屈折性
を有し、波長選択素子の複屈折素子として用いられるこ
とによって、光学素子の兼用が可能になり、全体の小型
化が図られる。
【0036】また本発明は、前記非線形光学素子が複屈
折性を有し、前記波長選択素子の複屈折素子として用い
られることを特徴とする。すなわち、非線形光学素子が
複屈折性を有し、波長選択素子の複屈折素子として用い
られることによって、光学素子の兼用が可能になり、全
体の小型化が図られる。
【0037】また本発明は、基本光を発振する半導体レ
ーザと、所定波長に対して透過率が高くなるバンドパス
特性を有する波長選択素子と、波長選択素子を通過した
基本波を波長変換して、高調波を発生するための非線形
光学素子と、非線形光学素子を通過した基本波を反射し
て、波長選択素子を経由して半導体レーザに光学的フィ
ードバックをかけるための基本波反射手段と、非線形光
学素子で発生した高調波を一方向に重ね合わせるための
高調波反射手段とを備える波長安定化光源である。本発
明に従えば、半導体レーザに対して波長選択素子を経由
して光学的フィードバックをかけることによって、半導
体レーザが波長選択素子で規定される特定波長で発振す
るため、単一縦モードのレーザ光が得られる。また、非
線形光学素子で発生した高調波を一方向に重ね合わせる
ことによって、高調波の光強度が加算的に増加するた
め、高調波の変換効率を向上させることができる。
【0038】以下、本発明の原理を詳説する。図1は、
本発明に係るリヨット(Lyot)の複屈折フィルタの一例
を示す斜視図である。この複屈折フィルタは、2つの偏
光子21、23の間に複屈折素子22を配置して構成さ
れ、偏光子21、23の偏光軸21a、23aが光軸に
対して垂直上方に設定され、複屈折素子22の主軸22
aの方向が偏光軸21a、23aに対して角度45°の
方向に傾斜したものはリヨット(リヨット&オーマン)
の複屈折フィルタとして知られている。
【0039】複屈折素子22の常光および異常光に対す
る屈折率をno、neとし、波長λ、複屈折素子22の
厚みをdとすると、異常光に対する常光の位相差Γは、 Γ=(2π/λ)・(ne−no)・d となり、フィルタ全体の透過率Tは、 T=(1/2)・cos2(Γ/2) で表される。
【0040】図2は、本発明に係るリヨットの複屈折フ
ィルタの他の例を示す斜視図である。この複屈折フィル
タは、フィルタ特性を狭帯域にするため、複屈折素子2
2の厚みをd、2d、4d、8d、…のように順次2倍
に厚くしたものをN個配置して、偏光子21で挟んで直
列にN段配置する。このとき全体の透過率は、
【0041】
【数1】
【0042】で表される。
【0043】図3は、リヨットの複屈折フィルタの具体
例を示す斜視図である。この複屈折フィルタは、ノンド
ープYVO4 結晶から成る厚みd1=1mm、d2=2
mmの2枚の複屈折素子22の間に偏光ビームスプリッ
タ等の偏光子24を配置して構成され、半導体レーザ2
0から放射されたレーザ光は、複屈折フィルタを通過し
た後、外部ミラー25で反射して再び複屈折フィルタを
通過し、半導体レーザ20へTEモードとして帰還し
て、光学的フィードバックが掛けられている。半導体レ
ーザ20の発振波長810nmでのYVO4 結晶の常光
および異常光に対する各屈折率は、no=1.985、
ne=2.202となる。
【0044】図4は、半導体レーザ20へ帰還する光量
の波長依存性を示すグラフである。実線は図3の複屈折
フィルタの往復分の透過率を示し、破線は半導体レーザ
20の利得曲線を示す。図4を見ると、波長808.6
nm、814.2nmにおいて透過率がほぼ1になる急
峻なバンドパス特性を示すことが判る。したがって、半
導体レーザ20の利得曲線を併せて考慮すると、波長8
08.6nmでの単一モード発振が期待される。
【0045】また半導体レーザへの注入電流を増加させ
高出力な状態で使用した場合には、ゲインが増加するた
め、ゲイン中心以外にも複屈折フィルタのバンドパス周
期で決まる波長間隔離れた複数の波長でも発振を生じて
しまうことがある。この際、複屈折フィルタのバンドパ
ス周期を長くし、ゲイン幅の中にバンドパスのピークが
ひとつとなるように設定する必要がある。
【0046】図5、図6に複屈折フィルタ用複屈折板と
してノンドープYVO4 を使用し、厚み1mm、2mm
の組合わせた場合と、0.5mm、1mmを組合わせた
場合のバンドパス特性の違いを比較した。発振しきい値
よりかなり高い電流で駆動した場合、厚み1mm、2m
mの組合わせで(図5)はゲイン中心P2での発振以外
にもP1、P3で示したような波長でも発振を生じる場
合が考えられる。この際、0.5mm、1.0mmと厚
みを薄くすれば、図6に示すようにバンドパス周期が広
がり、ゲイン中心P2のみでの発振が可能となる。
【0047】図7と図8は、光学的フィードバックがか
かった半導体レーザの波長安定化機構を説明するグラフ
である。まず図7において、通常の半導体レーザでは光
学ロスの波長依存性は小さく、殆ど一定の値と考えられ
る。半導体レーザへの注入電流を増加させるとキャリア
が増大しゲイン(利得)が増加し、ゲイン曲線がロス曲
線を上回った波長領域でレーザ発振を開始する。なお、
この波長領域において、共振器長で決まる縦モード間隔
おきに複数の発振線が成立し得る。
【0048】次に図8において、複屈折フィルタを通し
て特定波長域のみの光を選択的に帰還させた場合、共振
器ミラーの反射率が特定波長だけ増加したことに相当す
るため、特定波長に関するロスが急激に減少する。した
がって、特定波長のみゲイン曲線がロス曲線を上回った
状態となり、単一モードまたは数本のマルチモード発振
が実現できる。
【0049】実際にこうしたフィルタ特性を実現させる
には、次の2つの点が重要である。第1点は、各段での
フィルタ特性のピーク位置を一致させることが重要であ
る。このためには初段の複屈折素子の厚みをdとする
と、2段目の複屈折素子の厚さを波長オーダーで精密に
2dに調整する必要がある。
【0050】図9は、各複屈折素子22の厚み誤差によ
る影響を示すグラフである。このグラフでは、図3の複
屈折素子22としてノンドープYVO4 を使用すると仮
定し、実線は1枚目の厚みを1.0mm、2枚目の厚み
を2.0mmという理想的な厚みである場合のフィルタ
特性を示し、一点鎖線は理想的厚みより1μm厚い場合
のフィルタ特性を示す。なお、破線は半導体レーザの利
得曲線を示す。このグラフから、2枚目の厚みが2dよ
り1μm程度ずれてもフィルタリング特性は大きく劣化
することがわかる。これは1段目のフィルタ曲線のピー
ク波長と2段目のピーク位置がずれることに起因する。
したがって、理想的なフィルタ特性を実現させるには、
複屈折素子22の厚みを精度良く加工することが必要に
なる。しかし、実際にはこうした高精度の研磨は困難で
あるため、何らかのチューニング機構が必要となる。
【0051】こうしたチューニング機構として、複屈折
素子22を傾けて入射角度を変える角度チューニング方
法と複屈折素子22の温度を変える温度チューニング方
法がある。
【0052】ここで、図10に示すような座標をとっ
て、光軸をz軸(=a軸)に設定し、x−y平面に対す
る光の入射角度をθ、偏光方向のx軸(fast-axis)から
の角度をφとすると、位相差は次式で表される。
【0053】
【数2】
【0054】図11は、YVO4 結晶から成る厚み2m
mの複屈折素子22をa軸まわりに傾けていった場合の
1段のフィルタ特性の計算結果を示すグラフである。図
11において、θ=0°である垂直入射から5°傾けれ
ばほぼ1周期シフトさせることができ、実用的には充分
であることが判る。
【0055】光の伝搬軸が主軸と一致している場合(垂
直入射の場合θ=0°)では、z軸まわりに回転させて
もフィルタ透過曲線のピーク波長はシフトしない。しか
しながら、僅かに結晶を傾けて入射した場合(θ≠0)
は結晶のz軸まわりの回転によりピーク波長をシフトさ
せることができる。
【0056】次に、狭い波長範囲にフィルタリングをか
ける場合分解能が重要となるが、高い分解能を確保する
ためには、入射ビームを平行光束にする必要がある。図
11から判るように、1Åの分解能を確保するためには
入射角度の広がりを約1°以内に抑える必要がある。
【0057】こうした入射角度分散に敏感でない複屈折
フィルタとして、図12(b)のような配置も知られて
いる(“Optical Wave in Layered Media",P.Yeh Jhon&
Willey 1988)。図12(a)は、2枚の偏光子21の間
に複屈折素子22を介在させた配置であり、図1の構成
と同じである。図12(b)は、結晶厚さdの1枚の複
屈折素子22の代わりに、厚さd/2の結晶から成る複
屈折素子22a、22bを2枚使用し、複屈折素子22
a、22bの主屈折率が小さい軸(fast-axis)を直交
して配置し、さらに2つの複屈折素子22a、22bの
間にλ/2板(2分の1波長板)26を配置する構成で
あり、原理的には1枚の複屈折素子22を2枚に分離し
て偏光を入れ換えることにより角度分散をキャンセルす
るものである。
【0058】この構成では、波長分解能Δλ1/2 とビー
ム発散角度θの関係は、次式で表せる。
【0059】
【数3】
【0060】ここで、λ=8100Å、Δλ1/2 =0.
5Å、no=1.985、ne=2.202とすると、
θ=4°となり、比較的広い発散角で高い分解能を実現
できることが判る。
【0061】図13は、複屈折フィルタの他の例を示す
構成図である。リオットフィルタの基本構成として偏光
子と複屈折素子とが必要であるが、図13に示すよう
に、複屈折素子をブリュースタ角度に傾けて使用するこ
とにより、偏光子を省略することもできる。
【0062】一般に、材料の屈折率をnとし、入射角度
をθiとするとtanθi=nなる入射角度で入射した
光のうち、入射面内に垂直方向(紙面垂直)の偏光成分
(S偏光)は反射成分が存在するが、入射面内に平行な
偏光成分(P偏光)は反射せずに全透過する。この角度
をブリュースタ角度と称する。この角度近傍で使用する
ことにより、P偏光とS偏光の透過率の差を利用するこ
とによって偏光による分離が可能になり、偏光子を省略
することができる。
【0063】図14は、複屈折素子22への入射角度と
透過率の関係を示すグラフである。このグラフは、複屈
折素子22としてノンドープYVO4 を使用した場合、
屈折率の角度依存性を考慮し、P偏光、S偏光の1面当
たりの透過率の入射角度依存性を計算して算出してい
る。グラフを見ると、入射角度66°近傍でP偏光の透
過率が最大(100%)になり、そのときのS偏光の透
過率は約50%となる。
【0064】図13に示すような2枚の複屈折素子22
をブリュースタ角に配置した構成においては、半導体レ
ーザを出射して複屈折フィルタを往復して半導体レーザ
へ再び帰還されるまでに8回ブリュースタ角の面を通過
することになる。したがって、P偏光、S偏光の透過率
はそれぞれ0.3%、100%となり、実際の使用には
充分であることが判る。
【0065】
【発明の実施の形態】以下図面を参考にして本発明の好
適な実施例を詳細に説明する。
【0066】(実施例1)図15は、本発明の第1実施
例を示す構成図である。この短波長光源は、励起用の半
導体レーザとレーザ媒質およびSHG結晶を含んだ内部
共振器型の固体レーザなどで構成される。
【0067】短波長光源は、レーザ媒質61をポンピン
グするための半導体レーザ(SONY社製SLD−32
2XT)30と、半導体レーザ30に特定波長の光のみ
帰還させる光学的フィードバックをかけて、波長の制御
や安定化を行う複屈折フィルタ40と、ポンピング光3
2を集束するレンズ系33、34(Newport社製
F−L20)と、Ndが1%ドープされたNd:YAG
から成るレーザ媒質61およびKNbO3 から成る非線
形光学素子62を含む光共振器60などで構成されてお
り、レーザ媒質61の表面61bと非線形光学素子62
の表面62aは接している。
【0068】ポンピング用の半導体レーザ30は、ペル
チェ素子31に搭載され、温度調整回路(図示せず)に
より所定温度に温度安定化されている。非線形光学素子
62であるKNbO3 は、a−bカット(θ=90°、
φ=60°)で波長946nmに対してタイプIの位相
整合を満足する角度で配置している。
【0069】複屈折フィルタ40は、リヨット型フィル
タの構成となっており、厚み2mmのノンドープYVO
4 から成る複屈折素子41と、偏光ビームスプリッタ等
の偏光子42と、厚み4mmのノンドープYVO4 から
成る複屈折素子43とで構成される。
【0070】コリメートレンズ33、集光レンズ34、
複屈折フィルタ40の各部品41〜43の表面には、励
起用半導体レーザ30の発振波長809nmに対して無
反射(AR)コーティングが施されている。但し、複屈
折素子43の光共振器60側の表面43bには、波長8
09nmに対して反射率20%となるように部分反射コ
ーティングが施されている。したがって、半導体レーザ
30からのポンピング光32は、複屈折フィルタ40を
通過して、複屈折素子43の表面43bで一部反射して
戻り光35が発生し、さらに複屈折フィルタ40を通過
して、特定波長のみ半導体レーザ30に帰還する。その
ためポンピング光32の出力は殆ど変化せずに、特定波
長での単一モードに近いレーザ発振が実現する。
【0071】レーザ媒質61の表面61aには、レーザ
媒質61の発振波長946nmに対して反射率が99.
9%であって、かつポンピング光32の波長809nm
に対して透過率が95%以上となるコーティングが施さ
れている。また、出力ミラー63は、波長946nmに
対して99.9%以上の反射率であって、波長473n
mの第2高調波に対して80%の透過率を有する。こう
してレーザ媒質61の表面61aと出力ミラー63とで
波長946nmに対する光共振器60を構成している。
【0072】また、レーザ媒質61の非線形光学素子6
2側の表面61bおよび非線形光学素子62の両面62
a、62bには、波長946nmに対して透過率が9
9.9%以上となる無反射(AR)コーティングが施さ
れている。
【0073】次に動作を説明する。半導体レーザ30か
ら放射されるポンピング光32の偏光方向は、紙面内に
あって光軸の垂直方向と一致している。このポンピング
光32がレンズ34によって集束されて、レーザ媒質6
1に入射すると、レーザ媒質61中に反転分布が形成さ
れ、光共振器60内で波長946nmのレーザ発振が起
こる。発振した波長946nmの光が非線形光学結晶6
2を通過すると、波長変換されて波長473nmの第2
高調波を発生し、出力ミラー63から外部に出力され
る。
【0074】励起用の半導体レーザ30は、複屈折フィ
ルタ40を使用しない、いわゆるフリーランニング時に
は、波長幅15Å程度でマルチモード発振しているが、
戻り光35による光学的フィードバック時には波長幅
1.5Å程度のほぼ単一モードに近い状態で発振する。
【0075】図16は、半導体レーザ30の発振スペク
トルを示すグラフであり、上のグラフは光学的フィード
バックをかけた場合、下のグラフは光学的フィードバッ
クをかけない場合である。光学的フィードバックをかけ
た場合、半導体レーザ30の発振スペクトルは、熱膨張
等に起因する戻り光35の位相変化に対して大きくジャ
ンプすることは無く、波長幅1.5Å内に存在する極め
て接近した隣接外部共振モードへジャンプするのみであ
る。したがって、レーザ媒質61のYAGの吸収線幅1
0Åに比べて極めて小さいため、吸収効率はあまり変化
せず、固体レーザは安定に発振することになる。
【0076】図17は、短波長光源の出力変動を示すグ
ラフであり、図17(a)は半導体レーザ30に光学的
フィードバックをかけた場合、図17(b)はかけない
場合を示す。図17(a)において、波長473nmの
第2高調波出力には殆ど変動が見られず、実用に耐えら
れるレベルであり、レーザ媒質61を400mWで励起
した場合には、波長473nmで出力5mWの短波長光
が安定して得られる。一方、図17(b)において、第
2高調波出力がステップ的に大きく変化して、半導体レ
ーザ30のモードジャンプに起因した出力変動が観測さ
れている。本実施例1では光フィードバック用の反射手
段を複屈折フィルターの終端面43bに設けたが、この
位置でなくレーザ媒質の面61aに設けてもよい。
【0077】(実施例2)図18は、本発明の第2実施
例を示す構成図である。この短波長光源は、図15と同
様に、励起用の半導体レーザとレーザ媒質およびSHG
結晶を含んだ内部共振器型の固体レーザなどで構成さ
れ、さらに図12で説明したように、複屈折フィルタへ
の入射角度依存性を緩和しつつ高い波長分解能を実現す
るものである。なお本実施例において、実施例1に示し
た要素と同等の要素については同一符号を付して、重複
説明を省略する。
【0078】図15に示す2枚目の複屈折素子43の代
わりに、厚み半分の2枚の複屈折素子44、46の間
に、λ/2板45を介在させて配置する。複屈折素子4
6の光共振器側の表面46bには、半導体レーザ30の
発振波長809nmに対して反射率20%となるように
部分反射コーティングが施されており、半導体レーザ3
0への光学的フィードバックをかけている。
【0079】この構成において、複屈折フィルタ40の
部品点数は若干増加するものの、入射角のズレの許容度
が広がり極めて高い波長分解能を実現するため、半導体
レーザ30からのポンピング光32の波長安定性が格段
に向上する。光学フィードバック用の反射手段は本実施
例2の複屈折素子の面46bのかわりにレーザ媒質の面
61aに設けてもよい。
【0080】(実施例3)図19は、本発明の第3実施
例を示す構成図である。この短波長光源は、図15と同
様に、励起用の半導体レーザとレーザ媒質およびSHG
結晶を含んだ内部共振器型の固体レーザなどで構成さ
れ、さらに図13で説明したように、2枚の複屈折素子
41、43をブリュースタ角度に傾けて偏光子42を省
略した例である。なお本実施例において、実施例1に示
した要素と同等の要素については同一符号を付して、重
複説明を省略する。
【0081】図19において、複屈折素子41、43と
して厚み2mmと4mmのノンドープYVO4 を用い、
垂直入射から約65°傾けたブリュースタ角度になるよ
うに配置している。なお、相互の干渉効果を生じないよ
うに、2枚の複屈折素子41、43の間隔は1mm以上
に設定している。
【0082】半導体レーザ30から出射された波長80
9nmのポンピング光32は、複屈折素子41、43を
通過して、集光レンズ34によってレーザ媒質61に集
光される。レーザ媒質61の入射側表面61aは、波長
809nmに対して反射率5%となる光学特性を有し、
ポンピング光32の一部は戻り光35となって反射さ
れ、複屈折素子43、41を通過して再び半導体レーザ
30の活性層へTEモードとして帰還される。
【0083】この構成において、複屈折素子41、43
をブリュースタ角度に傾けることによって偏光子42を
省略しているため、フィルタ特性を維持しつつ部品点数
の削減が可能になる。
【0084】(実施例4)図20は、本発明の第4実施
例を示す構成図である。この短波長光源は、単一モード
の半導体レーザの光32を非線形光学結晶62に通し、
直接変換により第2高調波を発生させるものである。複
屈折フィルタ40を構成する複屈折性素子として非線形
光学素子62が兼用している例である。なお本実施例に
おいて、実施例1に示した要素と同等の要素については
同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0085】波長860nmの単一モードで発振する半
導体レーザ30(三洋電機製SLD−7033)から出
射されたレーザ光32は、コリメートレンズ11で平行
光束になり、さらに1対のシリンドリカルレンズ36、
37によってビーム形状が円形に整形され、複屈折フィ
ルタ40の一部を構成する非線形光学結晶62に入射す
る。
【0086】複屈折材料41として厚み1mmのノンド
ープYVO4 結晶が使用される。なお、複屈折材料41
は光軸に対して直交する2つの偏光軸で異なる屈折率を
示し、複屈折フィルタ40の複屈折素子として機能す
る。
【0087】非線形光学素子62として結晶長5mmの
a軸カットKNbO3 結晶が使用され、入射側表面62
aには波長860nmに対する無反射(AR)コーティ
ングが施され、出射側表面62bには波長860nmに
対して反射率20%となる部分反射コーティングが施さ
れている。なお、非線形光学素子62は波長変換素子で
あると同時に、入射光の偏光方向をb軸からわずかに傾
けて入射させることによって複屈折フィルタ40の複屈
折素子として機能する。
【0088】複屈折材料41と非線形光学素子62の間
には偏光子42および集光レンズ34が配置される。複
屈折材料41および偏光子42を通過した光32は、集
光レンズ34によって非線形光学素子62の出射側表面
62b上にビームウエストが位置するように集光され
る。
【0089】こうして複屈折材料41、偏光子42およ
び非線形光学素子62を含む複屈折フィルタ40が構成
される。複屈折フィルタ40を通過した光32は、非線
形光学素子62の出射側表面62bで部分的に反射して
戻り光35となって、再び複屈折フィルタ40を通過
し、特定波長のみTEモードとして半導体レーザ30に
帰還され、光学的フィードバックがかかる。これによっ
て半導体レーザ30のレーザ発振が単一モードで安定化
するため、非線形光学結晶62から出射される第2高調
波の出力および波長が安定化される。
【0090】(実施例5)図21は、本発明の第5実施
例を示す構成図である。この短波長光源は、図15と同
様に、励起用の半導体レーザとレーザ媒質およびSHG
結晶を含んだ内部共振器型の固体レーザなどで構成さ
れ、グリーン光源の安定化へ応用した例であって、複屈
折フィルタ40を構成する複屈折性素子としてレーザ媒
質61が兼用している。
【0091】短波長光源は、レーザ媒質61をポンピン
グするための半導体レーザ(SONY社製SLD−32
2XT)30と、半導体レーザ30に特定波長の光のみ
帰還させる光学的フィードバックをかけて、波長の制御
や安定化を行う複屈折フィルタ40と、ポンピング光3
2を集束するレンズ系33、34(Newport社製
F−L20)と、Ndが1%ドープされたNd:YVO
4 から成るレーザ媒質61およびKTPから成る非線形
光学素子62を含む光共振器60などで構成されてお
り、レーザ媒質61の出射側表面61bと非線形光学素
子62の入射側表面62aは接している。
【0092】ポンピング用の半導体レーザ30は、ペル
チェ素子31に搭載され、温度調整回路(図示せず)に
より所定温度に温度安定化されている。
【0093】複屈折フィルタ40は、リヨット型フィル
タの構成となっており、厚み1mmのノンドープYVO
4 から成る複屈折素子41と、光軸の垂直上方に対して
角度φだけ傾斜した偏光子42と、厚み0.5mmのN
d:YVO4 から成るレーザ媒質61とで構成される。
【0094】レーザ媒質61の表面61aの中央付近に
は、フォトリソグラフィ−を利用した微細加工技術を用
いて、入射側に凸状の微小球面61cが形成されてお
り、その開口半径は80μmで、その曲率半径は12m
mである。なお、レーザ媒質61は、入射光の偏光方向
をc軸からわずかに傾けて入射させることによって、複
屈折フィルタ40の複屈折素子として機能する。
【0095】コリメートレンズ33、集光レンズ34、
複屈折フィルタ40の各部品41、42の表面には、励
起用半導体レーザ30の発振波長809nmに対して無
反射(AR)コーティングが施されている。但し、レー
ザ媒質61の非線形光学素子62側の表面61bには波
長1064mmに対して透過率Tが99.9%以上であ
って、表面61bには波長809nmに対して反射率2
0%となるように部分反射コーティングが施されてい
る。したがって、半導体レーザ30からの波長が809
nmのポンピング光32は、複屈折フィルタ40を通過
して、レーザ媒質61の表面61bで一部反射して戻り
光が発生し、さらに複屈折フィルタ40を通過して、特
定波長のみTEモードとして半導体レーザ30に帰還す
る。こうして光学的フィードバックがかかるため、ポン
ピング光32の出力は殆ど変化せずに、特定波長での単
一モードに近いレーザ発振が実現する。
【0096】レーザ媒質61の表面61aには、レーザ
媒質61の発振波長1064nmに対して反射率が9
9.9%であって、かつポンピング光32の波長809
nmに対して透過率が98%となるコーティングが施さ
れている。
【0097】また、より少ない帰還量で確実に波長制御
を行うために、励起用半導体レーザ30の前面反射率を
R=0.1%程度にした無反射コーティングが施された
半導体レーザを用いている。
【0098】一方、非線形光学素子62であるKTP結
晶は、z軸に対して角度θ=90°かつx軸に対してφ
=23.8°の方向に切り出した結晶であり、結晶厚み
3mmのものを使用している。この切り出し角度では、
波長1064nmに対してタイプ2の位相整合が可能で
ある。
【0099】非線形光学素子62の入射側表面62aに
は、波長1064nmおよび波長809nmに対して透
過率99.9%の無反射コーティングが施され、出射側
表面62bには、波長1064nmに対して反射率9
9.98%、第2高調波である波長532nmに対して
透過率95%の光学コーティングが施される。こうして
レーザ媒質61の表面61aに形成された微小球面61
cが凹面鏡となり、非線形光学素子62の出射側表面6
2bが平面鏡となって、波長1064nmに対する光共
振器60を構成している。
【0100】次に動作を説明する。半導体レーザ30か
ら放射されるポンピング光32の偏光方向は、y軸と一
致している。複屈折フィルタ40を通過するポンピング
光32がレンズ34によって集束されて、微小球面61
cを通過してレーザ媒質61に入射すると、レーザ媒質
61中に反転分布が形成され、光共振器60内で波長1
064nmのレーザ発振が起こる。発振した波長106
4nmの光が非線形光学結晶62を通過すると、波長変
換されて波長532nmの第2高調波を外部へ発生す
る。
【0101】このような構成によって、ポンピング光3
2の光学的フィードバックによって励起用半導体レーザ
30のレーザ発振が安定化するため、50mW出力のグ
リーン光を安定して得ることができる。また、レーザ媒
質62を複屈折フィルタ40の一部品として兼用するこ
とにより、部品点数の省略が可能になる。
【0102】(実施例6)図22は、本発明の第6実施
例を示す構成図である。この短波長光源は、励起用およ
びミキシング用の2つの半導体レーザとレーザ媒質およ
び非線形光学結晶を含んだ内部共振器型の固体レーザな
どで構成され、和周波発生によるブルー光源の安定化へ
応用した例である。
【0103】短波長光源は、レーザ媒質61を励起する
波長809nmのポンピング光32を出力する励起用半
導体レーザ(SONY社製SLD−322XT)30
と、波長694nmのミキシング光72を出力するミキ
シング用半導体レーザ70(東芝製TOLD9150)
と、半導体レーザ30、70の波長安定化を行うための
複屈折フィルタ40,48と、ポンピング光32やミキ
シング光72を集束するためのレンズ系33、34、7
3〜76と、Ndが1%ドープされたNd:YVO4
ら成るレーザ媒質61およびKNbO3 から成る非線形
光学素子62を含む光共振器60などで構成されてお
り、レーザ媒質61の出射側表面61bと非線形光学素
子62の入射側表面62aは接している。
【0104】ポンピング用の半導体レーザ30は、ペル
チェ素子31に搭載され、温度調整回路(図示せず)に
より所定温度に温度安定化されている。
【0105】レーザ媒質61の表面61aの中央付近に
は、フォトリソグラフィーを利用した微細加工技術を用
いて、入射側に凸状の微小球面61cが形成されてお
り、その開口半径は80μmで、その曲率半径は12m
mである。
【0106】レーザ媒質61の表面61aには、レーザ
媒質61の発振波長1064nmに対して反射率が9
9.9%であって、かつポンピング光32の波長809
nmおよびミキシング光72の波長694nmに対して
透過率95%以上となるコーティングが施されている。
また、レーザ媒質61の非線形光学素子62側の表面6
1bには、波長1064nmに対して透過率Tが99.
9%以上で、波長694nmに対して透過率Tが95%
以上となるコーティングが施されている。
【0107】一方、非線形光学素子62であるKNbO
3 結晶は、z軸に対して角度θ=90°かつx軸に対し
てφ=0°の方向に切り出したいわゆるa軸結晶で、結
晶厚み5mmのものを使用している。この非線形光学素
子62はペルチェ素子31に搭載され、温度チューニン
グにより位相整合を達成している。
【0108】非線形光学素子62の入射側表面62aに
は、波長1064nmに対して透過率99.9%となる
コーティングが施されている。その出射側表面62bに
は波長1064nmに対して反射率99.98%であっ
て、和周波光の波長420nmに対して透過率95%の
光学コーティングが施されている。こうしてレーザ媒質
61の表面61aに形成された微小球面61cが凹面鏡
となり、非線形光学素子62の出射側表面62bが平面
鏡となって、波長1064nmに対する光共振器60を
構成している。
【0109】一方、半導体レーザ70(東芝製TOLD
9150)から放射された波長694nmのミキシング
光72は、コリメートレンズ73で平行光束になり、1
対のシリンドリカルレンズ74、75で断面円形のビー
ムに整形され、焦点位置調整用のレンズ76を通過し
て、偏光ビームスプリッタ47によって反射され、ポン
ピング光32の光軸と共軸になる。
【0110】第2基本波である波長694nmのミキシ
ング光72は、集光レンズ34によってレーザ媒質61
の出射側表面61b上にビームウエストを形成するよう
集光され、非線形光学素子62に入射される。第1基本
波である波長1064nmのポンピング光と光共振器6
0中に導入した第2基本波である波長694nmのミキ
シング光72の偏光方向は、KNbO3 結晶である非線
形光学素子62のy軸方向になるように設定される。第
1基本波および第2基本波が非線形光学素子62中でミ
キシングされると、和周波光である波長420nmに変
換された出力光が非線形光学素子62の表面62bから
出射される。
【0111】次に、複屈折フィルタ40、48について
説明する。励起用の半導体レーザ30に対して波長安定
化を行う複屈折フィルタ40は、ノンドープYVO4
晶から成る厚み2mmの複屈折素子41と、偏光ビーム
スプリッタ47と、ノンドープYVO4 結晶から成る厚
み4mmの複屈折素子43とで構成される。ミキシング
用の半導体レーザ70に対して波長安定化を行う複屈折
フィルタ48は、ノンドープYVO4 結晶から成る厚み
0.5mmの複屈折素子44と、偏光ビームスプリッタ
47と、前述の複屈折素子43とで構成される。したが
って、偏光ビームスプリッタ47および複屈折素子43
は、両方の複屈折フィルタ40、48で共用されること
になる。
【0112】複屈折素子43の出射側表面43bには、
波長694nmおよび波長809nmに対して反射率が
20%となるような部分反射コーティングが施されてい
る。したがって、半導体レーザ30からのポンピング光
32は、複屈折フィルタ40を通過し、複屈折素子43
の出射側表面43bで部分反射して再び複屈折フィルタ
40を通過して、半導体レーザ30へ光学的フィードバ
ックがかかり、半導体レーザ30の波長安定化が図られ
る。また、半導体レーザ70からのミキシング光72
は、複屈折フィルタ48を通過し、複屈折素子43の出
射側表面43bで部分反射して再び複屈折フィルタ48
を通過して、半導体レーザ70へ光学的フィードバック
がかかり、半導体レーザ70の波長安定化が図られる。
【0113】またミキシング光に対する光学的フィード
バックのための反射手段は複屈折素子43の面43bの
かわりに、レーザ媒質の面61aまたは非線形光学素子
の面62bにコーティングして設けてもよい。
【0114】たとえば、励起用半導体レーザ30の出力
が400mWであって、ミキシング用半導体レーザ70
の出力が30mWの時、和周波光として出力10mWで
波長420nmのブルー光を安定して得ることができ
た。
【0115】(実施例7)図23は、本発明の第7実施
例を示す構成図であり、単一モード半導体レーザの光を
非線形光学結晶で直接波長変換を高効率で行い、かつ半
導体レーザの発振波長を安定化させるものである。
【0116】動作原理について説明する。単一モード半
導体レーザ70を出射した基本波光32はコリメートレ
ンズ33によって平行光束になった後、複屈折フィルタ
40を通過し、集光レンズ34により非線形光学結晶6
2に入射する。非線形光学結晶62を通過した基本波光
32を反射ミラー80によって反射させて、再度非線形
光学結晶62に入射し、さらに複屈折フィルタ40を再
度通過することによって、特定の波長のみ半導体レーザ
70へ光学帰還される。これにより、半導体レーザ70
は安定した一定波長で発振することができる。ここで、
反射ミラー80は基本波および高調波に対して全反射と
なるミラーである。
【0117】このとき第2高調波は非線形光学結晶62
の左右両方向へ出射されるが、右向きに出射した第2高
調波は反射ミラー80によって反射され、左向きに出射
された第2高調波と重ね合わされ、4倍の出力となって
偏光ビームスプリッタ42から下方に出射される。通
常、第2高調波は基本波の位相に対して一定の位相関係
で発生するため、反射ミラー80での基本波と第2高調
波との間の相対的位相関係に変化はないとすると、足し
合わされた第2高調波は打ち消し合う。したがって、こ
れらが打ち消し合わないように反射位相差を調整作製し
た反射ミラーを使用することが望ましい。
【0118】半導体レーザ70として、波長860n
m、出力200mWの単一モードダイオード(SDL製
SDL−5430−C)を使用し、複屈折板41、43
としてそれぞれ厚み2mm、5mmのノンドープYVO
4 を、非線形光学結晶62として結晶長10mmのa軸
カットのKNbO3 結晶を用いて、入力200mWで1
mW出力の波長430nmのブルー光を安定して得るこ
とができた。
【0119】(実施例8)しかしながら複屈折フィルタ
ーにより光学帰還を行った場合、半導体レーザが出力1
50mWを越えると発振スペクトルが3本になることも
ある。(図24(a))そこでさらに複屈折板の厚みお
よび枚数を変更し厚み0.5mmと2.0mmと5mm
の3段の組合わせでおこなったところ、200mWでも
単一モードで発振し(図24(b))安定的にしかも再
現良く1mWの出力が得られた。
【0120】このように出力安定化を行った場合のSH
G出力特性を図25(b)に、安定化を行わなかった場
合を図25(a)に示した。安定化を行っていない場
合、室内温度の変動等により半導体レーザの発振波長に
シャンプが生じるたびSHG出力は大きく変動すること
がわかる。一方複屈折フィルターによる波長安定化を行
った場合、2時間以上にわたり2%以内の変動に抑制さ
れ安定化に極めて有効であることがわかった。
【0121】(実施例9)図26は、本発明の第9実施
例を示す構成図である。この短波長光源は、実施例7と
同様に、単一モード半導体レーザからの基本波光を非線
形光学結晶に往復反射させ、出射された短波長光を重ね
合わせることによって高出力化を図るものである。非線
形光学結晶62の端面62a、62bに球面加工を施し
てモノリシック化し、また出射方向として半導体レーザ
70側に出射させる代わりに第2高調波光を前方に折り
返すことによって、前方に第2高調波光を出力してい
る。
【0122】非線形光学結晶62として結晶長10mm
のa軸カットのKNbO3 結晶を用いて、その両方の端
面には球面加工によって曲率半径r=15mmの球面が
形成されている。その入射側端面62aには、波長43
0nmに対して反射率99.9%、波長860nmに対
して透過率95%となるような光学コーティングが施さ
れる。また、出射側端面62bには、波長860nmに
対して反射率99.9%、波長430nmに対して透過
率95%となるような光学コーティングが施される。
【0123】動作原理について説明する。単一モード半
導体レーザ70を出射した基本波光32はコリメートレ
ンズ33によって平行光束になった後、複屈折フィルタ
40を通過し、集光レンズ34によって非線形光学結晶
62に入射して右向きの第2高調波を発生させる。非線
形光学結晶62の出射側端面62bで反射された基本波
光32は、再度、非線形光学結晶62を通過し、第2高
調波を左向きに発生させる。さらに、左向きの基本波光
32は、複屈折フィルタ40を再度通過することによっ
て、特定の波長のみ半導体レーザ70へ光学帰還され
る。これによって半導体レーザ70は安定した一定波長
で発振することができる。
【0124】このとき第2高調波は非線形光学結晶62
の左右方向に出射されるが、左向きに発生した第2高調
波は非線形光学結晶62の入射側端面62aで反射さ
れ、右向きに出射した第2高調波と重ね合わされ、4倍
の出力となって出射側端面62bから右方に出射され
る。
【0125】半導体レーザ70として、波長860n
m、出力200mWの単一モードダイオード(SDL製
SDL−5430−C)を使用し、複屈折板41、43
としてそれぞれ厚み2mm、5mmのノンドープYVO
4 を、非線形光学結晶62として結晶長10mmのa軸
カットのKNbO3 結晶を用いて、入力200mWで1
mWの波長430nmのブルー光を安定して得ることが
できた。
【0126】(実施例10)第10の実施例を図31に
示す。この短波長光源は励起用の半導体レーザとレーザ
媒質およびSHG結晶を含んだ内部共振型の固体レーザ
とで構成され、実施例1をさらに簡略化した場合であ
る。重複した部分の説明は省略する。固体レーザ励起用
半導体レーザとして活性層に量子井戸を施したタイプの
LDを使用した場合には複屈折素子と構成要素として偏
光子を省略することもできる例である。量子井戸LDは
活性層に垂直方向の偏光成分(TMモード)のゲインは
ほとんど無いためにTMモードでの発振は生じず出力面
にTEモード方向の偏光子を有しているものと同等であ
る。したがって偏光子がなくとも1枚の複屈折板でも複
屈折素子として機能する。複屈折素子41として厚み
0.25mmのノンドープYVO4のみを使用した例で
ある。
【0127】次に動作原理について説明する。
【0128】半導体レーザ30から放射されるポンピン
グ光32は複屈折素子41を通過しYAG結晶61を励
起する。YAG結晶端面61aで部分的に反射されたポ
ンピング光は再び複屈折素子41を通過し半導体レーザ
30に帰還される。半導体レーザ30は偏光子を有した
LDと考えられるため所定の波長のみ強いフィードバッ
ク(波長フィルタリング)がかかるため、所定の波長の
みで発振することが可能である。これにより出力安定化
でき、しかも部品点数を省略でき、さらに小型化を行う
ことができた。
【0129】(実施例11)図32は本発明のレーザダ
イオード励起和周波発生レーザで1064nm光と69
0nmのミキシング光より418nm光のブルーを発生
させた例である。複屈折フィルターによりミキシング用
単一モードLDの波長安定化を行うと同時に固体レーザ
媒質20と励起用LD10をつき合わせて配置すること
により、素子の小型化をはかりさらに安定性を向上させ
た例である。
【0130】このレーザダイオード励起和周波レーザは
レーザ活性媒体20をポンピングする励起用半導体レー
ザ10と、固体レーザ媒質としてNdが1%ドープされ
たNd:YVO4 からなるレーザ媒体20、90度反射
ミラー24およびa軸KNbO3 からなる非線形光学素
子21、出力ミラー22などからなる光共振器25など
から構成されている。励起用半導体レーザ10は固体レ
ーザ媒質20に突き合わせて配置している。励起用LD
としてストライプ幅50μm、出力500mWのものを
用いた。
【0131】レーザ媒質20の表面20aには、レーザ
媒質20の発振波長である波長1064nmに対して反
射率が99.9%であって、かつポンピング光の波長8
09nmに対して透過率が95%以上となるコーティン
グが施されている。
【0132】90度反射ミラー24の表面には波長10
64nmに対して45度入射での反射率が99.9%6
90nmに対して透過率95%となるような光学コーテ
ィングが施されている。またレーザ媒質20の非線形光
学素子21の側の表面20bには、波長1064nmに
対して透過率が99.9%以上となるコーティングが施
されている。出射ミラー22は1064nmで反射率9
9.9%、690nmで反射率70%、418nmでの
透過率95%となるような光学コーティングが施されて
いる。
【0133】半導体レーザ10から放射されるポンピン
グ光は、レーザ媒質20中に反転分布が形成され、N
d:YVO4 結晶の場合は波長1064nmのレーザ発
振が起こる。この発振光は20a面と出力ミラー22と
で構成された共振器25において共振する。
【0134】一方、ミキシング用光源として波長690
nm、出力30mWの半導体レーザ光(東芝TOLD−
9150)30を使用し、集光レンズ32を通過、さら
に複屈折板41,43と偏光子42からなる波長選択素
子44を通過し、21a面上にビームウエストを形成す
るよう集光し非線形光学素子21に入射される。複屈折
板41,43としてノンドープYVO4 からなる厚み
0.5mm、4mmのものをそれぞれ使用した。非線形
結晶21を通過したミキシング光は出射ミラー22によ
り一部反射され再び同じパスを通り波長選択素子44を
再度通過して半導体レーザ30にフィードバックされ
る。この波長選択素子44によりミキシングLDの波長
安定化を行っている。
【0135】1064nmのレーザ光と外部から共鳴器
中に導入した波長690nmの基本波の偏光方向はKN
bO3 結晶のb軸方向になるように配置し、ミキシング
される和周波光である418nmに変換された出力光が
c軸方向の偏光方向で得られる。
【0136】これらの光学素子はペルチエ素子5により
温度調整される。発生した418nmの和周波光50
は、出力ミラー22より出射される。
【0137】本実施例では固体レーザ媒質と励起用LD
10は突き合わせて配置することにより励起用LDの発
振波長を安定化できたため共振器内部の基本波強度が安
定し、また小型化が可能となり全ての素子を同一ペルチ
エ素子5上に配置し一定温度にコントロールさせること
ができるようになったため、10mWの和周波出力を安
定して得ることができた。
【0138】なお上記各実施例では、固体レーザ励起用
の半導体レーザ30として、Nd:YAGまたはNd:
YVO4 の吸収スペクトルの中心波長809nmに固定
した例を説明したが、波長選択素子である2枚の複屈折
素子の角度または温度、電界等でチューニングすること
によって、チューニング波長を任意に設定することがで
きる。したがって、他のレーザ媒質として、たとえばL
iSrF、LiCaF、YLF(LiYF4)、NAB
(NdAl3(BO34)、KNP、NYAB(Ndx
1-XAl3(BO34)、NPP(NdP514)、GG
G(Gd3Ga512)のような材料も使用可能である。
【0139】また実施例4における単一モード半導体レ
ーザに関して、非線形光学結晶のa軸KNbO3 で波長
変換可能な波長860nmを使用する例を説明したが、
他の無機系非線形光学結晶材料、たとえばKAP(KA
sPO4 )、BBO(β−BaB24)、LBO(Li
35)、LiNbO3 、LiTaO3 等で波長変換可
能な波長で使用しても構わない。また、単一モード半導
体レーザの波長変換素子として非線形光学結晶にワンパ
ス(片道)で入射するだけの例を示したが、分極反転導
波路等の波長変換用導波路に導いて短波長に変換する方
法にも適用可能である。
【0140】また上記各実施例において、光共振器中に
非線形光学材料を含まない基本波レーザの安定化に使用
できることは勿論である。
【0141】また上記各実施例において使用した半導体
レーザは、後面反射率95%、前面反射率4%程度の通
常のファブリーペロー型半導体レーザを使用したが、よ
り少ない戻り光量で確実に波長制御を行うためには、前
面反射率を0.1%程度まで下げたARコート半導体レ
ーザを用いることが望ましい。
【0142】また上記各実施例において、Ho、Er、
Tm、Sm、Nd等の希土類をドープしたフッ化物ファ
イバを用いたアップコンバージョンによるファイバ型レ
ーザの励起光源用半導体レーザにも本発明は適用可能で
ある。
【0143】また反射手段は実施例に記したように素子
の面に反射膜をコーティングして設けてもよいし、別に
反射鏡を設けてもよい。
【0144】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、半
導体レーザに対して波長選択素子を経由して光学的フィ
ードバックをかけることによって、半導体レーザが波長
選択素子で規定される特定波長で発振するため、単一縦
モードのレーザ光が得られる。したがって、半導体レー
ザによって励起される固体レーザの発振波長が安定化
し、最終的に非線形光学素子によって発生する高調波や
和周波等の非線形光が安定化する。こうして光出力およ
び波長が安定した短波長光源を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリヨット(Lyot)の複屈折フィルタ
の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るリヨットの複屈折フィルタの他の
例を示す斜視図である。
【図3】リヨットの複屈折フィルタの具体例を示す斜視
図である。
【図4】半導体レーザ20へ帰還する光量の波長依存性
を示すグラフである。
【図5】半導体レーザ20へ帰還する光量の波長依存性
を示すグラフである。
【図6】半導体レーザ20へ帰還する光量の波長依存性
を示すグラフである。
【図7】光学的フィードバックがかかった半導体レーザ
の波長安定化機構を説明するグラフである。
【図8】光学的フィードバックがかかった半導体レーザ
の波長安定化機構を説明するグラフである。
【図9】各複屈折素子22の厚み誤差による影響を示す
グラフである。
【図10】座標系を示す図である。
【図11】YVO4 結晶から成る厚み2mmの複屈折素
子22をa軸まわりに傾けていった場合の1段のフィル
タ特性の計算結果を示すグラフである。
【図12】図12(a)は2枚の偏光子21の間に複屈
折素子22を介在させた配置であり、図12(b)は厚
さd/2の結晶から成る複屈折素子22a、22bを2
枚使用し、その間にλ/2板25を配置する構成図であ
る。
【図13】複屈折フィルタの他の例を示す構成図であ
る。
【図14】複屈折素子22への入射角度と透過率の関係
を示すグラフである。
【図15】本発明の第1実施例を示す構成図である。
【図16】半導体レーザ30の発振スペクトルを示すグ
ラフであり、上のグラフは光学的フィードバックをかけ
た場合、下のグラフは光学的フィードバックをかけない
場合である。
【図17】短波長光源の出力変動を示すグラフであり、
図17(a)は半導体レーザ30に光学的フィードバッ
クをかけた場合、図17(b)はかけない場合を示す。
【図18】本発明の第2実施例を示す構成図である。
【図19】本発明の第3実施例を示す構成図である。
【図20】本発明の第4実施例を示す構成図である。
【図21】本発明の第5実施例を示す構成図である。
【図22】本発明の第6実施例を示す構成図である。
【図23】本発明の第7実施例を示す構成図である。
【図24】半導体レーザの発振スペクトルを示すグラフ
である。
【図25】図25(a)は出力安定化を行わなかった場
合のSHG出力特性を示すグラフであり、図25(b)
は出力安定化を行った場合のSHG出力特性を示すグラ
フである。
【図26】本発明の第9実施例を示す構成図である。
【図27】従来の内部共振器型の短波長光源を示す概略
構成図である。
【図28】半導体レーザから戻り光発生位置までの距離
を僅かに変位させた場合のスペクトル変化を示すグラフ
であり、上のグラフは変位前、下のグラフは変位後のも
のである。
【図29】従来の短波長光源の他の例を示す概略構成図
である。
【図30】図30(a)は外部共振器型半導体レーザを
用いた波長可変光源の例を示す概略構成図であり、図3
0(b)はその部分斜視図である。
【図31】本発明の第10実施例を示す構成図である。
【図32】本発明の第11実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
20、30、70 半導体レーザ 21、23、24、42 偏光子 22、22a、22b、41、43、46、47 複屈
折素子 25 外部ミラー 26、45 λ/2板 31 ペルチェ素子 32 ポンピング光 33、34、73、76 レンズ 35 戻り光 36、37、74、75 シリンドリカルレンズ 40、48 複屈折フィルタ 47 偏光ビームスプリッタ 60 光共振器 61 レーザ媒質 62 非線形光学素子 63 出力ミラー

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を発振する半導体レーザと、 所定波長に対して透過率が高くなるバンドパス特性を有
    する波長選択素子と、 波長選択素子を経由して半導体レーザに光学的フィード
    バックをかけるための反射手段と、 半導体レーザから順次、波長選択素子、反射手段を通過
    したレーザ光を波長変換するための波長変換素子とを備
    え、 半導体レーザの発振波長が波長変換素子の波長許容度内
    に安定化されている波長安定化光源。
  2. 【請求項2】 励起光を発振する半導体レーザと、 所定波長に対して透過率が高くなるバンドパス特性を有
    する波長選択素子と、 波長選択素子を経由して半導体レーザに光学的フィード
    バックをかけるための反射手段と、 励起光によって励起されるレーザ媒質および波長変換を
    行う非線形光学素子を含む光共振器とを備え、 半導体レーザの発振波長がレーザ媒質の吸収スペクトル
    内に安定化されている波長安定化光源。
  3. 【請求項3】 励起光を発振する第1半導体レーザと、 ミキシング光を発振する第2半導体レーザと、 所定波長に対して透過率が高くなるバンドパス特性を有
    する波長選択素子と、 励起光によって励起されるレーザ媒質および波長変換を
    行う非線形光学素子を含む光共振器と、 波長選択素子を経由して第1および第2半導体レーザに
    光学的フィードバックをかけるための反射手段とを備え
    る波長安定化光源。
  4. 【請求項4】 励起光を発振する半導体レーザと、 前記励起光の波長範囲内の所定波長の光により励起され
    て基本波レーザ光を発するレーザ媒質と、 前記レーザ媒質を含む光共振器と、 偏光手段および複屈折素子からなり前記励起光の前記所
    定波長の光を優先的に透過する波長選択素子と、 前記波長選択素子を経由して前記半導体レーザに対し
    て、光学的フィードバックをかけるための反射手段とを
    備える波長安定化光源。
  5. 【請求項5】 レーザ光を発振する半導体レーザと、 前記レーザ光の波長範囲内の所定波長のレーザ光を波長
    変換して短波長レーザ光を発する非線形光学素子と、 偏光手段および複屈折素子からなり前記レーザ光の前記
    所定波長のレーザ光を優先的に透過する波長選択素子
    と、 前記波長選択素子を経由して前記半導体レーザに対し
    て、光学的フィードバックをかけるための反射手段とを
    備える波長安定化光源。
  6. 【請求項6】 励起光を発振する半導体レーザと、 前記励起光の波長範囲内にある所定波長の光により励起
    されて基本波レーザ光を発するレーザ媒質と、 前記基本波レーザ光を波長変換して短波長を発する非線
    形光学素子と、 前記レーザ媒質と前記非線形光学素子とを含む光共振器
    と、 偏光手段および複屈折素子からなり前記励起光の前記所
    定波長の光を優先的に透過する波長選択素子と、 前記波長選択素子を経由して前記半導体レーザに対し
    て、光学的フィードバックをかけるための反射手段とを
    備える波長安定化光源。
  7. 【請求項7】 励起光を発振する第1半導体レーザと、 ミキシング光を発振する第2半導体レーザと、 前記励起光の波長範囲内の所定波長の光により励起され
    て基本波レーザ光を発するレーザ媒質と、 前記基本波レーザ光と前記ミキシング光を混合して、あ
    る波長のレーザ光を発する非線形光学素子と、 前記レーザ媒質と前記非線形光学素子とを含む光共振器
    と、 偏光手段および複屈折素子からなり前記励起光の前記所
    定波長の光を優先的に透過する波長選択素子と、 前記波長選択素子を経由して前記第1半導体レーザに対
    して、光学的フィードバックをかけるための反射手段と
    を備える波長安定化光源。
  8. 【請求項8】 励起光を発振する第1半導体レーザと、 ミキシング光を発振する第2半導体レーザと、 前記励起光によって励起されて基本波レーザ光を発する
    レーザ媒質と、 前記ミキシング光の波長範囲内の所定波長の光と前記基
    本波レーザ光とを混合して、ある波長のレーザ光を発す
    る非線形光学素子と、 前記レーザ媒質と前記非線形光学素子とを含む光共振器
    と、 偏光手段および複屈折素子からなり前記ミキシング光の
    前記所定波長の光を優先的に透過する波長選択素子と、 前記波長選択素子を経由して前記第2半導体レーザに対
    して、光学的フィードバックをかけるための反射手段と
    を備える波長安定化光源。
  9. 【請求項9】 励起光を発振する第1半導体レーザと、 ミキシング光を発振する第2半導体レーザと、 前記励起光の波長範囲内にある第1所定波長の光によっ
    て励起されて基本波レーザ光を発するレーザ媒質と、 前記ミキシング光の波長範囲内の第2所定波長の光と前
    記基本波レーザ光とを混合して、ある波長のレーザ光を
    発する非線形光学素子と、 前記レーザ媒質と前記非線形光学素子とを含む光共振器
    と、 偏光手段および複屈折素子からなり前記励起光の前記第
    1所定波長の光を優先的に透過する第1波長選択素子
    と、 前記第1波長選択素子を経由して前記第1半導体レーザ
    に対して、光学的フィードバックをかけるための第1反
    射手段と、 偏光手段および複屈折素子からなり前記ミキシング光の
    前記第2所定波長の光を優先的に透過する第2波長選択
    素子と、 前記第2波長選択素子を経由して前記第2半導体レーザ
    に対して、光学的フィードバックをかけるための第2反
    射手段とを備える波長安定化光源。
  10. 【請求項10】 前記偏光手段が、前記光学的フィード
    バックを受ける前記半導体レーザに含まれることを特徴
    とする請求項4〜9の何れかに記載の波長安定化光源。
  11. 【請求項11】 前記光学的フィードバックを受ける前
    記半導体レーザが、量子井戸構造を有することを特徴と
    する請求項10記載の波長安定化光源。
  12. 【請求項12】 前記波長選択素子は、複屈折素子およ
    び偏光子を含むリヨット(Lyot)の複屈折フィルタであ
    ることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の波長
    安定化光源。
  13. 【請求項13】 前記波長選択素子は、複屈折素子が光
    軸に対してブリュースタ角で傾いて構成される複屈折フ
    ィルタであることを特徴とする請求項4〜9の何れかに
    記載の波長安定化光源。
  14. 【請求項14】 前記波長選択素子に使用される複屈折
    素子が、液晶であることを特徴とする請求項4〜9の何
    れかに記載の波長安定化光源。
  15. 【請求項15】 前記波長選択素子に使用される複屈折
    素子が、ノンドープYVO4 またはKNbO3 から成る
    結晶であることを特徴とする請求項4〜9の何れかに記
    載の波長安定化光源。
  16. 【請求項16】 前記レーザ媒質が複屈折性を有し、前
    記波長選択素子の複屈折素子として用いられることを特
    徴とする請求項4、6、7または9に記載の波長安定化
    光源。
  17. 【請求項17】 前記非線形光学素子が複屈折性を有
    し、前記波長選択素子の複屈折素子として用いられるこ
    とを特徴とする請求項5〜9の何れかに記載の波長安定
    化光源。
  18. 【請求項18】 基本光を発振する半導体レーザと、 所定波長に対して透過率が高くなるバンドパス特性を有
    する波長選択素子と、 波長選択素子を通過した基本波を波長変換して、高調波
    を発生するための非線形光学素子と、 非線形光学素子を通過した基本波を反射して、波長選択
    素子を経由して半導体レーザに光学的フィードバックを
    かけるための基本波反射手段と、 非線形光学素子で発生した高調波を一方向に重ね合わせ
    るための高調波反射手段とを備える波長安定化光源。
  19. 【請求項19】前記第1半導体レーザの前記励起光の出
    射端面が、前記レーザ媒質の励起光入射面に突き合わせ
    て(butt-coupling)設けられていることを特徴とする
    請求項8記載の波長安定化光源。
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