JPH08213286A - アルミニウム電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液

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JPH08213286A
JPH08213286A JP3292895A JP3292895A JPH08213286A JP H08213286 A JPH08213286 A JP H08213286A JP 3292895 A JP3292895 A JP 3292895A JP 3292895 A JP3292895 A JP 3292895A JP H08213286 A JPH08213286 A JP H08213286A
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electrolytic capacitor
electrolytic solution
electrolytic
aluminum
weight
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JP3292895A
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Hidemi Yamada
秀美 山田
Hiroyuki Kurihara
博之 栗原
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Elna Co Ltd
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Elna Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アルミニウム電解コンデンサ内部のアルミニウ
ム電解コンデンサ駆動用電解液が外部に漏洩しないアル
ミニウム電解コンデンサを得る。 【構成】下記の構造式[1]に示したカルボン酸のグア
ニジン塩を溶質としたことを特徴とするアルミニウム電
解コンデンサ駆動用電解液。 【化1】 (式中、Xは芳香族カルボン酸、脂肪族飽和ジカルボン
酸または脂肪族不飽和ジカルボン酸を示し、Rは置換基
を示す。Rの炭素数は1〜4である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解コンデンサ駆動用電
解液およびその電解コンデンサ駆動用電解液を使用した
アルミニウム電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム電解コンデンサは、表面に
酸化皮膜を形成した陽極箔と陰極箔とをセパレータを介
して巻回したコンデンサ素子に電解コンデンサ駆動用電
解液を含浸し、このコンデンサ素子を封口体とともに外
装ケース内に組み込んだ構造を有する。また、陽極箔お
よび陰極箔にそれぞれ固着されたリード線は封口体を介
して外部に引き出されている。
【0003】このような構造を有するアルミニウム電解
コンデンサ(以下、「電解コンデンサ」という。)は、
電極箔の表面に形成された酸化皮膜を誘電体として用い
ている。電解コンデンサ駆動用電解液(以下、「電解
液」という。)は、この電解コンデンサの陽極箔表面に
形成された酸化皮膜に接し、真の陰極として機能してい
る。さらには、酸化皮膜を誘電体に用いる構造を有する
電解コンデンサは通電中、常に酸化皮膜を電解液との化
学反応により修復し、コンデンサ特性を安定させてい
る。よって、電解コンデンサの特性を向上させるため
に、電解液は高い電気伝導性と優れた酸化皮膜修復能力
および高温使用下での長期信頼性などが求められてい
る。
【0004】電解コンデンサの特性の向上を図るため
に、従来は電解液には非プロトン溶媒を主溶媒としてカ
ルボン酸またはその塩を溶解したものがよく用いられて
いる。最近では、カルボン酸の第4級アンモニウム塩を
溶質とした電解液が高い電気伝導性と優れた酸化皮膜修
復能力および高温使用下での長期信頼性などの特性に優
れているためによく用いられている。
【0005】例えば、特開昭62−145715号公報
にはγ−ブチロラクトンを主溶媒とし、芳香族カルボン
酸の第4級アンモニウム塩を溶質とした電解液が開示さ
れている。芳香族カルボン酸の第4級アンモニウム塩を
溶質とした電解液は、特に低電圧用電解コンデンサによ
く用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
上述した芳香族カルボン酸の第4級アンモニウム塩など
からなる第4級アンモニウム塩を溶質とした電解液は、
電圧を印加した場合に電解液のpHが上昇し、強アルカ
リが発生してしまうという問題があった。このために従
来、第4級アンモニウム塩を溶質とした電解液を使用し
た電解コンデンサに電圧を印加すると、陰極側のタブ端
子近傍の電解液に強アルカリが発生していた。強アルカ
リとなった電解液は、電圧を印加した電解コンデンサの
陰極側のタブ端子を腐蝕させ、さらには陰極側のタブ端
子に嵌合するゴム封口体の透孔部を膨潤させてしまう。
よって、陰極側のゴム封口体に穿設された透孔とタブ端
子との嵌合を弱めて、ゴム封口体とタブ端子の間から電
解液が外部に漏液し易くなるという問題があった。
【0007】この問題点を解決するために、第4級アン
モニウム塩に代えてカルボン酸の第3級アンモニウム塩
を溶質とした電解液など様々な電解液が提案されてい
る。しかし、第4級アンモニウム塩を溶質とした電解液
と比較すると電気伝導度および長期信頼性などの電解液
の特性が劣っているのが現状である。
【0008】また、第4級アンモニウム塩を溶質とした
電解液をゴム封口体の厚みの薄い小形の電解コンデンサ
に用いるために種々の検討がなされている。例えば、陰
極側のタブ端子の表面に強アルカリへの耐蝕性向上のた
めに化成皮膜を形成したり、強アルカリへの耐蝕性に優
れたゴムを封口体に採用したりしているが、未だ完全に
は解決されていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した従来の
課題に鑑みなされたもので、本発明者らは種々の実験と
検討を重ねた結果、上述した課題を克服することのでき
るグアニジン塩を溶質とした電解液を発明した。
【0010】本発明に係る電解液の特徴は、好ましくは
非プロトン溶媒を主溶媒として下記の化13に示す構造
式[1]のカルボン酸のグアニジン塩を溶質したことに
ある。さらに本発明による電解コンデンサの特徴は、好
ましくは非プロトン溶媒を主溶媒として下記に示す構造
式[1]のカルボン酸のグアニジン塩を溶質とした電解
液を用いたことにある。
【0011】
【化13】
【0012】(式中、Xは芳香族カルボン酸、脂肪族飽
和ジカルボン酸または脂肪族不飽和ジカルボン酸を示
し、Rは置換基を示す。Rの炭素数は1〜4である。)
【0013】芳香族カルボン酸の具体例としてはフタル
酸、安息香酸、サリチル酸、レゾルシル酸がある。
【0014】構造式[1]に示される芳香族カルボン酸
のグアニジン塩の代表的な具体例としてはフタル酸テト
ラメチルグアニジン塩、安息香酸テトラメチルグアニジ
ン塩、サリチル酸テトラメチルグアニジン塩、レゾルシ
ル酸テトラメチルグアニジン塩
【0015】フタル酸テトラエチルグアニジン塩、安息
香酸テトラエチルグアニジン塩、サリチル酸テトラエチ
ルグアニジン塩、レゾルシル酸テトラエチルグアニジン
【0016】フタル酸テトラプロピルグアニジン塩、安
息香酸テトラプロピルグアニジン塩、サリチル酸テトラ
プロピルグアニジン塩、レゾルシル酸テトラプロピルグ
アニジン塩
【0017】フタル酸テトラブチルグアニジン塩、安息
香酸テトラブチルグアニジン塩、サリチル酸テトラブチ
ルグアニジン塩、レゾルシル酸テトラブチルグアニジン
【0018】フタル酸トリメチルエチルグアニジン塩、
安息香酸トリメチルエチルグアニジン塩、サリチル酸ト
リメチルエチルグアニジン塩、レゾルシル酸トリメチル
エチルグアニジン塩
【0019】フタル酸ジメチルジエチルグアニジン塩、
安息香酸ジメチルジエチルグアニジン塩、サリチル酸ジ
メチルジエチルグアニジン塩、レゾルシル酸ジメチルジ
エチルグアニジン塩
【0020】フタル酸メチルトリエチルグアニジン塩、
安息香酸メチルトリエチルグアニジン塩、サリチル酸メ
チルトリエチルグアニジン塩またはレゾルシル酸メチル
トリエチルグアニジン塩などが挙げられる。
【0021】さらには、下記の化14に示す構造式
[2]のフタル酸テトラメチルグアニジン塩が容易に合
成して作り出すことできることから、本発明に係る電解
液の溶質として用いることが特に好ましい。
【0022】
【化14】
【0023】また本発明に係る構造式[1]の脂肪族飽
和ジカルボン酸の具体例としてはマロン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二
酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二
酸、タプシン酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二
酸、ノナデカン二酸、アイコサン二酸、またはドコサン
二酸などが挙げられる。
【0024】構造式[1]の脂肪族飽和ジカルボン酸の
グアニジン塩の代表的な具体例としては、マロン酸テト
ラメチルグアニジン塩、コハク酸テトラメチルグアニジ
ン塩、グルタル酸テトラメチルグアニジン塩、アジピン
酸テトラメチルグアニジン塩
【0025】マロン酸テトラエチルグアニジン塩、コハ
ク酸テトラエチルグアニジン塩、グルタル酸テトラエチ
ルグアニジン塩、アジピン酸テトラエチルグアニジン塩
【0026】マロン酸テトラプロピルグアニジン塩、コ
ハク酸テトラプロピルグアニジン塩、グルタル酸テトラ
プロピルグアニジン塩、アジピン酸テトラプロピルグア
ニジン塩
【0027】マロン酸テトラブチルグアニジン塩、コハ
ク酸テトラブチルグアニジン塩、グルタル酸テトラブチ
ルグアニジン塩、アジピン酸テトラブチルグアニジン塩
【0028】マロン酸トリメチルエチルグアニジン塩、
コハク酸トリメチルエチルグアニジン塩、グルタル酸ト
リメチルエチルグアニジン塩、アジピン酸トリメチルエ
チルグアニジン塩
【0029】マロン酸ジメチルジエチルグアニジン塩、
コハク酸ジメチルジエチルグアニジン塩、グルタル酸ジ
メチルジエチルグアニジン塩、アジピン酸ジメチルジエ
チルグアニジン塩などが挙げられる。
【0030】さらには、下記の化15に示す構造式
[3]のマロン酸テトラメチルグアニジン塩または下記
の化16に示す構造式[4]のコハク酸テトラメチルグ
アニジン塩が容易に合成して作り出すことできることか
ら、本発明に係る電解液の溶質として用いることが特に
好ましい。
【0031】
【化15】
【0032】
【化16】
【0033】さらに本発明に係る構造式[1]の脂肪族
不飽和ジカルボン酸の具体例としてはマレイン酸、シト
ラコン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタコン酸、アリ
ルマロン酸、テラコン酸、メサコン酸またはムコン酸な
どがある。
【0034】脂肪族不飽和ジカルボン酸のグアニジン塩
の代表的な具体例としては、マレイン酸テトラメチルグ
アニジン塩、シトラコン酸テトラメチルグアニジン塩、
フマル酸テトラメチルグアニジン塩、イタコン酸テトラ
メチルグアニジン塩
【0035】マレイン酸テトラエチルグアニジン塩、シ
トラコン酸テトラエチルグアニジン塩、フマル酸テトラ
エチルグアニジン塩、イタコン酸テトラエチルグアニジ
ン塩
【0036】マレイン酸テトラプロピルグアニジン塩、
シトラコン酸テトラプロピルグアニジン塩、フマル酸テ
トラプロピルグアニジン塩、イタコン酸テトラプロピル
グアニジン塩
【0037】マレイン酸テトラブチルグアニジン塩、シ
トラコン酸テトラブチルグアニジン塩、フマル酸テトラ
ブチルグアニジン塩、イタコン酸テトラブチルグアニジ
ン塩
【0038】マレイン酸トリメチルエチルグアニジン
塩、シトラコン酸トリメチルエチルグアニジン塩、フマ
ル酸トリメチルエチルグアニジン塩、イタコン酸トリメ
チルエチルグアニジン塩
【0039】マレイン酸ジメチルジエチルグアニジン
塩、シトラコン酸ジメチルジエチルグアニジン塩、フマ
ル酸ジメチルジエチルグアニジン塩、イタコン酸ジメチ
ルジエチルグアニジン塩
【0040】マレイン酸メチルトリエチルグアニジン
塩、シトラコン酸メチルトリエチルグアニジン塩、フマ
ル酸メチルトリエチルグアニジン塩またはイタコン酸メ
チルトリエチルグアニジン塩などが挙げられる。
【0041】さらには、下記の化17に示す構造式
[5]のマレイン酸テトラメチルグアニジン塩または下
記の化18に示す構造式[6]のシトラコン酸テトラメ
チルグアニジン塩が容易に合成して作り出すことできる
ことから、本発明に係る電解液の溶質として用いること
が特に好ましい。
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】本発明に係る電解液において、電解液中の
構造式[1]に示されるカルボン酸のグアニジン塩の含
有量は種々に選択し得るが、含有量が1重量%未満であ
ると電解液特性が不充分である。また、構造式[1]に
示されるカルボン酸のグアニジン塩の電解液中の含有量
が60重量%を超えると、構造式[1]に示されるカル
ボン酸のグアニジン塩が溶解しづらくなる。よって、構
造式[1]に示されるカルボン酸のグアニジン塩の含有
量は電解液中1重量%〜60重量%が好ましい。さらに
は、飽和溶液の状態が最も電気伝導度が高く好適であ
る。しかし、構造式[1]に示されるカルボン酸のグア
ニジン塩の電解液中の含有量が40重量%を超えると、
低温で構造式[1]に示されるカルボン酸のグアニジン
塩が析出しやすくなるので、さらに好ましくは10重量
%〜40重量%である。
【0045】本発明に係る電解液に溶媒として用いる非
プロトン溶媒としてはβ−ブチロラクトン、γ−ブチロ
ラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、
γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ヘプタ
ラクトン、γ−ヒドロキシ−n−カプリル酸ラクトン、
γ−ノナラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクト
ンおよびγ−ウンデカラクトンなどのラクトン類が挙げ
られ、これらのラクトン類を単独または混合して溶媒と
して用いるのが好ましい。特に好ましくは、γ−ブチロ
ラクトンを用いるのが安価であり好ましい。また、本発
明に用いられる非プロトン溶媒はラクトン類のみに限定
するものではない。
【0046】また、本発明においては非プロトン溶媒を
単独で用いてもよいが、非プロトン溶媒に他の溶媒を混
合してもよい。この場合、混合する溶媒はグリコール類
が好ましい。非プロトン溶媒にグリコール類を混合した
場合は、非プロトン溶媒単独で本発明に係る構造式
[1]に示されるグアニジン塩を溶解するよりも高い電
気伝導度を得られやすい。非プロトン溶媒に混合するグ
リコール類としてはエチレングリコール、エチレングリ
コールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジア
ルキルエ−テル、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエ
チレングリコールおよびグリセリンなどが挙げられる。
これらグリコール類を各々単独で非プロトン溶媒と混合
して主溶媒として用いるか、これらのグリコール類を混
合するとともに非プロトン溶媒とも混合して主溶媒とし
て用いるのが好ましい。さらには、エチレングリコール
を非プロトン溶媒に混合して用いるのが安価であるので
好ましい。また、本発明で混合される溶媒はグリコール
類のみに限定するものではない。
【0047】本発明に係る電解液において、ラクトン類
とグリコール類の混合割合は重量比95対5から70対
30程度が電解液の特性上好適である。
【0048】従って、本発明はラクトン類とグリコール
類を混合して主溶媒とし、上述した構造式[2]を有す
るフタル酸テトラメチルグアニジン塩、または構造式
[3]を有するマロン酸テトラメチルグアニジン塩、ま
たは構造式[4]を有するコハク酸テトラメチルグアニ
ジン塩、または構造式[5]を有するマレイン酸テトラ
メチルグアニジン塩、または構造式[6]を有するシト
ラコン酸テトラメチルグアニジン塩を溶解して電解液と
するのがより好ましい。
【0049】以上のことから本発明に係る電解コンデン
サは、ラクトン類とグリコール類を混合して主溶媒と
し、構造式[2]を有するフタル酸テトラメチルグアニ
ジン塩、または構造式[3]を有するマロン酸テトラメ
チルグアニジン塩、または構造式[4]を有するコハク
酸テトラメチルグアニジン塩、または構造式[5]を有
するマレイン酸テトラメチルグアニジン塩、または構造
式[6]を有するシトラコン酸テトラメチルグアニジン
塩を溶解して電解液として用いるのがより好ましい。
【0050】本発明に係る電解液は、本発明に係る電解
液の酸化皮膜修復能力などの電解液特性を向上させるた
めに無機酸を電解液中に添加してもよい。さらには、無
機酸塩を電解液特性向上のために電解液中に添加しても
よい。また、無機酸および無機酸塩を混合して電解液中
に添加してもよい。
【0051】添加する無機酸および無機酸塩の種類と電
解液への添加量は硼酸0.1重量%〜10重量%、好ま
しくは0.1重量%〜5重量%、硼酸塩0.1重量%〜
10重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%、リン
酸0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%
〜5重量%およびリン酸塩0.1重量%〜10重量%、
好ましくは0.1重量%〜5重量%である。
【0052】また、上述した無機酸および無機酸塩と同
様に本発明に係る電解液の酸化皮膜修復能力などの電解
液特性向上のためにマンニット、ソルビットなどの多糖
類を添加してもよい。さらには、多糖類を無機酸または
無機酸塩と混合して電解液中に添加してもよい。多糖類
の電解液への添加量は各々0.1重量%〜10重量%、
好ましくは0.1重量%〜5重量%である。
【0053】さらには、ニトロ化合物などをガス吸収剤
として0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.1重
量%〜5重量%添加してもよい。
【0054】さらに、電解コンデンサの初期の損失角の
正接(tanδ)を改善するために、本発明に係る電解
液にケトン類を0.1重量%〜10重量%、好ましくは
0.1重量%〜5重量%を添加してもよい。
【0055】本発明に係る電解液のpHは必要に応じて
所望のpH調整剤を添加することによりpH4〜pH1
2、好ましくはpH5〜pH7に調整される。また、電
解液中に水分が存在するとアルミニウム箔の腐蝕の原因
などとなるので、存在しないのがより望ましいが、5重
量%程度以下であれば特に不都合は生じない。
【0056】
【実施例】まず、本発明に係る芳香族カルボン酸のグア
ニジン塩を用いた電解液の組成を比較例とともに説明す
る。なお、比較例1、2および実施例1、2について
は、電気伝導度(μS/cm;液温40℃にて)と火花
発生電圧(V;液温85℃にて)を測定した。
【0057】〈比較例1〉
【0058】 電解液組成;フタル酸テトラメチルアンモニウム塩 25重量% γ−ブチロラクトン 74重量% 水 1重量% 電気伝導度は13000μS/cm、火花発生電圧は5
0Vであった。
【0059】〈比較例2〉
【0060】 電解液組成;フタル酸テトラメチルアンモニウム塩 25重量% γ−ブチロラクトン 70重量% エチレングリコール 5重量% 電気伝導度は12000μS/cm、火花発生電圧は6
0Vであった。
【0061】〈比較例3〉
【0062】 電解液組成;安息香酸メチルトリエチルアンモニウム塩 25重量% γ−ブチロラクトン 60重量% ジエチレングリコール 15重量%
【0063】〈比較例4〉
【0064】 電解液組成;サリチル酸メチルトリエチルアンモニウム塩 20重量% γ−ブチロラクトン 60重量% エチレングリコール 10重量% プロピレングリコール 10重量%
【0065】〈実施例1〉
【0066】 電解液組成;フタル酸テトラメチルグアニジン塩 25重量% γ−ブチロラクトン 74重量% 水 1重量% 電気伝導度は16000μS/cm、火花発生電圧は8
5Vであった。
【0067】〈実施例2〉
【0068】 電解液組成;フタル酸テトラメチルグアニジン塩 25重量% γ−ブチロラクトン 70重量% エチレングリコール 5重量% 電気伝導度は18000μS/cm、火花発生電圧は9
0Vであった。
【0069】〈実施例3〉
【0070】 電解液組成;安息香酸テトラエチルグアニジン塩 25重量% γ−ブチロラクトン 60重量% ジエチレングリコール 15重量%
【0071】〈実施例4〉
【0072】 電解液組成;サリチル酸トリメチルエチルグアニジン塩 20重量% γ−ブチロラクトン 60重量% エチレングリコール 10重量% プロピレングリコール 10重量%
【0073】比較例2の電解液と実施例2の電解液を用
いて定格電圧10V100μF(製品サイズ;直径6.
3mm、軸長7mm)の電解コンデンサを各々50個作
製した。次に、比較例2および実施例2の電解液にて作
製した電解コンデンサに、定格電圧6.3Vを印加しな
がら85℃の温度、湿度85%で高温負荷試験を200
0時間実施した。試験後に、比較例2および実施例2の
電解コンデンサの電解液の漏液検査を目視にて行なっ
た。これを比較例2および実施例2の電解液の電気伝導
度および火花発生電圧とともに電解コンデンサの漏液個
数を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】実施例2の電解液は比較例2の電解液と比
べて電気伝導度および火花発生電圧が共に高い。さらに
は、比較例2および実施例2の電解液を用いて作製した
電解コンデンサの高温負荷試験後の目視検査の結果、従
来のカルボン酸の第4級アンモニウム塩を溶質とした比
較例2の電解コンデンサは全数漏液しているのに比べて
実施例2の電解コンデンサは電解液の漏液が皆無である
ことが分かる。
【0076】次に、比較例1、3および実施例1、3に
よる電解液を用いて定格電圧63V22μF(製品サイ
ズ;直径5mm、軸長11mm)の電解コンデンサを各
々50個作製し、静電容量(μF)、損失角の正接(t
anδ)および漏れ電流(1分値;μA)を測定した。
次に、作製した電解コンデンサに定格電圧63Vを印加
しながら温度85℃、湿度85%の雰囲気中に3000
時間暴露して耐湿負荷試験を行なった。
【0077】比較例1、3および実施例1、3による電
解液を用いて作製した電解コンデンサそれぞれの静電容
量(μF)、損失角の正接(tanδ)および漏れ電流
(1分値;μA)の平均値と、負荷試験後の電解コンデ
ンサの外部への電解液の漏液状態を目視検査した結果を
表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】実施例1、3の電解コンデンサは比較例3
の電解コンデンサに比べて損失角の正接(tanδ)お
よび漏れ電流(1分値;μA)に優れていることが分か
る。さらには、比較例3の電解コンデンサは全個漏液が
発生し、電解コンデンサの陰極側のタブ端子と嵌合され
るゴム封口体の透孔部が腐蝕および膨潤していることが
確認された。これに対して実施例1、3の電解コンデン
サの漏液は皆無であり、電解コンデンサの陰極側のタブ
端子と嵌合されるゴム封口体の透孔部に腐蝕および膨潤
が見られなかった。よって、本発明に係る構造式[1]
に示される芳香族カルボン酸のグアニジン塩を用いた電
解液は強アルカリを発生しないことが分かる。
【0080】以上のことから本発明に係る構造式[1]
に示される芳香族カルボン酸のグアニジン塩を用いた電
解液は、従来の第4級アンモニウム塩を用いた電解液に
比べて優れた電解液特性と長期信頼性があることが分か
る。
【0081】次に、本発明に係る脂肪族飽和ジカルボン
酸のグアニジン塩を用いた電解液の組成を比較例ととも
に説明する。なお、比較例6〜8および実施例10〜1
2については、電気伝導度(μS/cm;液温40℃に
て)と火花発生電圧(V;液温85℃にて)を測定し
た。
【0082】〈比較例6〉
【0083】 電解液組成;マロン酸テトラメチルアンモニウム塩 23重量% γ−ブチロラクトン 76重量% 水 1重量% 電気伝導度は9000μS/cm、火花発生電圧は60
Vであった。
【0084】〈比較例7〉
【0085】 電解液組成;コハク酸テトラメチルアンモニウム塩 20重量% γ−ブチロラクトン 79重量% 水 1重量% 電気伝導度は8500μS/cm、火花発生電圧は82
Vであった。
【0086】〈比較例8〉
【0087】 電解液組成;マロン酸テトラメチルアンモニウム塩 20重量% γ−ブチロラクトン 70重量% エチレングリコール 10重量% 電気伝導度は8000μS/cm、火花発生電圧は80
Vであった。
【0088】〈比較例9〉
【0089】 電解液組成;コハク酸テトラプロピルアンモニウム塩 20重量% γ−ブチロラクトン 60重量% ジエチレングリコール 20重量%
【0090】〈比較例10〉
【0091】 電解液組成;グルタル酸メチルトリエチルアンモニウム塩 20重量% γ−ブチロラクトン 60重量% エチレングリコール 10重量% プロピレングリコール 10重量%
【0092】〈比較例11〉
【0093】 電解液組成;アジピン酸テトラプロピルアンモニウム塩 22重量% γ−ブチロラクトン 60重量% エチレングリコール 18重量%
【0094】〈実施例10〉
【0095】 電解液組成;マロン酸テトラメチルグアニジン塩 23重量% γ−ブチロラクトン 76重量% 水 1重量% 電気伝導度は12000μS/cm、火花発生電圧は1
00Vであった。
【0096】〈実施例11〉
【0097】 電解液組成;コハク酸テトラメチルグアニジン塩 20重量% γ−ブチロラクトン 79重量% 水 1重量% 電気伝導度は10000μS/cm、火花発生電圧は1
10Vであった。
【0098】〈実施例12〉
【0099】 電解液組成;マロン酸テトラメチルグアニジン塩 20重量% γ−ブチロラクトン 70重量% エチレングリコール 10重量% 電気伝導度は11000μS/cm、火花発生電圧は1
20Vであった。
【0100】〈実施例13〉
【0101】 電解液組成;コハク酸テトラエチルグアニジン塩 20重量% γ−ブチロラクトン 60重量% ジエチレングリコール 20重量%
【0102】〈実施例14〉
【0103】 電解液組成;グルタル酸テトラエチルグアニジン塩 20重量% γ−ブチロラクトン 60重量% エチレングリコール 10重量% プロピレングリコール 10重量%
【0104】〈実施例15〉
【0105】 電解液組成;アジピン酸テトラメチルグアニジン塩 22重量% γ−ブチロラクトン 60重量% エチレングリコール 18重量%
【0106】〈実施例16〉
【0107】 電解液組成;マロン酸テトラメチルグアニジン塩 20重量% γ−ブチロラクトン 67重量% エチレングリコール 10重量% ソルビット 3重量%
【0108】〈実施例17〉
【0109】 電解液組成;コハク酸テトラメチルグアニジン塩 20重量% γ−ブチロラクトン 79重量% p−ニトロベンズアルデヒド 1重量%
【0110】〈実施例18〉
【0111】 電解液組成;マロン酸テトラメチルグアニジン塩 25重量% γ−バレロラクトン 65重量% ジエチレングリコール 10重量%
【0112】〈実施例19〉
【0113】 電解液組成;マロン酸トリメチルエチルグアニジン塩 25重量% γ−ブチロラクトン 40重量% γ−バレロラクトン 35重量%
【0114】比較例6〜8、実施例10〜12の電解液
を用いて定格電圧50V10μF(製品サイズ;直径5
mm、軸長7mm)の電解コンデンサを各々50個作製
した。次に、作製した電解コンデンサに定格電圧50V
を印加しながら95℃、湿度95%で高温負荷試験を2
000時間実施した。次に、高温負荷試験後の各々電解
コンデンサからの電解液の漏液の有無を目視にて検査し
た。表3に電解コンデンサ漏液個数を電解液の電気伝導
度および火花発生電圧とともに示す。
【0115】
【表3】
【0116】比較例6〜8に比べ実施例10〜12は共
に電気伝電導度が優れ、さらに電解液の火花発生電圧は
比較例6の電解液が60Vであるのに対して実施例10
の電解液は100V、同様に比較例7の電解液が82V
であるのに対して実施例11の電解液は110Vであ
り、また比較例8の電解液が80Vであるのに対して実
施例12の電解液は120Vであるというように実施例
の電解液は比較例の電解液と比較して火花発生電圧が格
段に高い。さらには、高温負荷試験後の電解液の漏液を
起こした電解コンデンサの個数が比較例6〜8は全てで
漏液しているのに比べて、実施例10〜12は電解液の
漏液個数が皆無である。
【0117】次に、比較例9〜比較例11および実施例
12〜実施例19による電解液を用いて定格電圧63V
12μF(製品サイズ;直径6.3mm、軸長7mm)
の電解コンデンサを各々50個作製し、静電容量(μ
F)、損失角の正接(tanδ)および漏れ電流(1分
値;μA)を測定した。次に、作製した電解コンデンサ
に定格電圧63Vを印加しながら温度85℃、湿度85
%の雰囲気中に3000時間暴露して耐湿負荷試験を行
なった。
【0118】比較例9〜比較例11および実施例12〜
実施例19による電解液を用いて作製した電解コンデン
サそれぞれの静電容量(μF)、損失角の正接(tan
δ)および漏れ電流(1分値;μA)の平均値と、負荷
試験後の電解コンデンサの外部への電解液の漏液の有無
を目視検査した結果を表4に示す。
【0119】
【表4】
【0120】実施例12〜実施例19の電解コンデンサ
は比較例9〜比較例11の電解コンデンサに比べて損失
角の正接(tanδ)および漏れ電流(1分値;μA)
に優れていることが分かる。さらには、比較例9〜比較
例11の電解コンデンサは全て漏液が発生し、電解コン
デンサの陰極側のタブ端子と嵌合されるゴム封口体の透
孔部が腐蝕および膨潤していることが確認された。これ
に対して実施例12〜実施例19の電解コンデンサの漏
液は皆無であり、電解コンデンサの陰極側のタブ端子と
嵌合されるゴム封口体の透孔部に腐蝕および膨潤が見ら
れなかった。よって、本発明に係る構造式[1]の脂肪
族飽和ジカルボン酸のグアニジン塩を用いた電解液は強
アルカリを発生しないことが分かる。
【0121】以上のことから本発明に係る構造式[1]
の脂肪族飽和ジカルボン酸のグアニジン塩を用いた電解
液は、従来の第4級アンモニウム塩を用いた電解液に比
べて優れた電解液特性と長期信頼性があることが分か
る。
【0122】さらに本発明に係る脂肪族不飽和ジカルボ
ン酸のグアニジン塩を用いた電解液の組成を比較例とと
もに説明する。なお、比較例12および実施例20につ
いては、電気伝導度(μS/cm;液温40℃にて)と
火花発生電圧(V;液温85℃にて)を測定した。
【0123】〈比較例12〉
【0124】 電解液組成;マレイン酸テトラエチルアンモニウム塩 25重量% γ−ブチロラクトン 74重量% 水 1重量% 電気伝導度は19000μS/cm、火花発生電圧は4
5Vであった。
【0125】〈比較例13〉
【0126】 電解液組成;マレイン酸テトラメチルアンモニウム塩 25重量% γ−ブチロラクトン 70重量% エチレングリコール 5重量%
【0127】〈比較例14〉
【0128】 電解液組成;シトラコン酸テトラプロピルアンモニウム塩 25重量% γ−ブチロラクトン 60重量% ジエチレングリコール 15重量%
【0129】〈比較例15〉
【0130】 電解液組成;フマル酸メチルトリエチルアンモニウム塩 20重量% γ−ブチロラクトン 60重量% エチレングリコール 10重量% プロピレングリコール 10重量%
【0131】〈比較例16〉
【0132】 電解液組成;イタコン酸テトラプロピルアンモニウム塩 25重量% γ−ブチロラクトン 60重量% エチレングリコール 15重量% プロピレングリコール 10重量%
【0133】〈実施例20〉
【0134】 電解液組成;マレイン酸テトラメチルグアニジン塩 25重量% γ−ブチロラクトン 74重量% 水 1重量% 電気伝導度は20000μS/cm、火花発生電圧は7
0Vであった。
【0135】〈実施例21〉
【0136】 電解液組成;マレイン酸テトラメチルグアニジン塩 25重量% γ−ブチロラクトン 70重量% エチレングリコール 5重量%
【0137】〈実施例22〉
【0138】 電解液組成;シトラコン酸テトラエチルグアニジン塩 25重量% γ−ブチロラクトン 60重量% ジエチレングリコール 15重量%
【0139】〈実施例23〉
【0140】 電解液組成;フマル酸テトラエチルグアニジン塩 20重量% γ−ブチロラクトン 60重量% エチレングリコール 10重量% プロピレングリコール 10重量%
【0141】〈実施例24〉
【0142】 電解液組成;イタコン酸テトラメチルグアニジン塩 25重量% γ−ブチロラクトン 60重量% エチレングリコール 15重量%
【0143】〈実施例25〉
【0144】 電解液組成;マレイン酸テトラメチルグアニジン塩 20重量% γ−ブチロラクトン 67重量% エチレングリコール 10重量% マンニット 3重量%
【0145】〈実施例26〉
【0146】 電解液組成;シトラコン酸テトラメチルグアニジン塩 20重量% γ−ブチロラクトン 79重量% p−ニトロフェノール 1重量%
【0147】〈実施例27〉
【0148】 電解液組成;マレイン酸トリメチルエチルグアニジン塩 25重量% γ−バレロラクトン 65重量% エチレングリコール 10重量%
【0149】〈実施例28〉
【0150】 電解液組成;マレイン酸ジメチルジエチルグアニジン塩 25重量% γ−ブチロラクトン 40重量% γ−バレロラクトン 35重量%
【0151】比較例12の電解液と実施例20の電解液
を用いて定格電圧10V100μF(製品サイズ;直径
6.3mm軸長7mm)の電解コンデンサを各々50個
作製した。次に、作製した電解コンデンサに定格電圧1
0Vを印加しながら85℃、湿度95%で高温負荷試験
を2000時間実施した。次に、高温負荷試験後の各々
の電解コンデンサからの電解液の漏液の有無を目視にて
検査した。表5に電解コンデンサの漏液個数を電解液の
電気伝導度および火花発生電圧とともに示す。
【0152】
【表5】
【0153】比較例12の電解液と実施例20の電解液
の電気伝導度は実施例の方がよい。しかし、比較例12
の電解液の火花発生電圧が45Vであるのに対して実施
例20の電解液の火花発生電圧は70Vであり、実施例
20の電解液は比較例12の電解液と比べて火花発生電
圧が格段に高い。さらには、高温負荷試験後の電解液の
漏液を起こした電解コンデンサの個数が比較例12は全
てであるのに対して実施例20の電解コンデンサは電解
液の漏液が皆無であることが分かる。
【0154】次に、比較例13〜比較例16および実施
例21〜実施例28による電解液を用いて定格電圧25
V47μF(製品サイズ;直径6.3mm、軸長7m
m)の電解コンデンサを各々50個作製し、静電容量
(μF)、損失角の正接(tanδ)および漏れ電流
(1分値;μA)を測定した。その後、作製した電解コ
ンデンサに定格電圧25Vを印加しながら温度85℃、
湿度85%の雰囲気中に3000時間暴露して耐湿負荷
試験を行なった。
【0155】比較例13〜比較例16および実施例21
〜実施例28による電解液を用いて作製した電解コンデ
ンサそれぞれの静電容量(μF)、損失角の正接(ta
nδ)および漏れ電流(1分値;μA)の平均値と、負
荷試験後の電解コンデンサの外部への電解液の漏液の有
無を目視検査した結果を表6に示す。
【0156】
【表6】
【0157】実施例21〜実施例28の電解コンデンサ
は比較例13〜比較例16の電解コンデンサに比べて損
失角の正接(tanδ)および漏れ電流(1分値;μ
A)に優れていることが分かる。さらには、比較例13
〜比較例16の電解コンデンサは各々50個中全てで漏
液が発生し、電解コンデンサの陰極側のタブ端子と嵌合
されるゴム封口体の透孔部が腐蝕および膨潤しているこ
とが確認された。これに対して実施例21〜実施例28
の電解コンデンサの漏液は皆無であり、電解コンデンサ
の陰極側のタブ端子と嵌合されるゴム封口体の透孔部に
腐蝕および膨潤が見られなかった。よって、本発明に係
る構造式[1]の脂肪族不飽和ジカルボン酸のグアニジ
ン塩を用いた電解液は強アルカリを発生しないことが分
かる。
【0158】以上のことから本発明に係る構造式[1]
の脂肪族不飽和ジカルボン酸のグアニジン塩を用いた電
解液は、従来の第4級アンモニウム塩を用いた電解液に
比べて優れた電解液特性と長期信頼性があることが分か
る。
【0159】
【発明の効果】上述したように、構造式[1]に示され
るカルボン酸のグアニジン塩を溶質としたことにより、
電圧を印加しても強アルカリの発生しない電解液を得る
ことができる。よって、電解コンデンサの陰極側のタブ
端子と嵌合されるゴム封口体の透孔部から外部へ電解液
が漏液しない、従来の第4級のアンモニウム塩を溶質と
した電解コンデンサに比べて長期信頼性に格段に優れた
電解コンデンサを得ることができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の構造式[1]に示したカルボン酸の
    グアニジン塩を溶質としたことを特徴とするアルミニウ
    ム電解コンデンサ駆動用電解液。 【化1】 (式中、Xは芳香族カルボン酸、脂肪族飽和ジカルボン
    酸または脂肪族不飽和ジカルボン酸を示し、Rは置換基
    を示す。Rの炭素数は1〜4である。)
  2. 【請求項2】下記の構造式[2]にて示されるフタル酸
    テトラメチルグアニジン塩を溶質としたことを特徴とす
    るアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液。 【化2】
  3. 【請求項3】下記の構造式[3]に示したマロン酸テト
    ラメチルグアニジン塩を溶質としたことを特徴とするア
    ルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液。 【化3】
  4. 【請求項4】下記の構造式[4]に示したコハク酸テト
    ラメチルグアニジン塩を溶質としたことを特徴とするア
    ルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液。 【化4】
  5. 【請求項5】下記の構造式[5]に示したマレイン酸テ
    トラメチルグアニジン塩を溶質としたことを特徴とする
    アルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液。 【化5】
  6. 【請求項6】下記の構造式[6]に示したシトラコン酸
    テトラメチルグアニジン塩を溶質としたことを特徴とす
    るアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液。 【化6】
  7. 【請求項7】アルミニウム陽極箔とアルミニウム陰極箔
    とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に電解
    コンデンサ駆動用電解液を含浸し、このコンデンサ素子
    を封口体とともに外装ケース内に組み込んだ構造を有す
    る電解コンデンサにおいて、溶媒に、下記の構造式
    [1]に示したカルボン酸のグアニジン塩を溶解した電
    解コンデンサ駆動用電解液を用いたことを特徴とするア
    ルミニウム電解コンデンサ。 【化7】 (式中、Xは芳香族カルボン酸、脂肪族飽和ジカルボン
    酸または脂肪族不飽和ジカルボン酸を示し、Rは置換基
    を示す。Rの炭素数は1〜4である。)
  8. 【請求項8】アルミニウム陽極箔とアルミニウム陰極箔
    とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に電解
    コンデンサ駆動用電解液を含浸し、このコンデンサ素子
    を封口体とともに外装ケース内に組み込んだ構造を有す
    る電解コンデンサにおいて、溶媒に、下記の構造式
    [2]にて示されるフタル酸テトラメチルグアニジン塩
    を溶解した電解コンデンサ駆動用電解液を用いたことを
    特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。 【化8】
  9. 【請求項9】アルミニウム陽極箔とアルミニウム陰極箔
    とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に電解
    コンデンサ駆動用電解液を含浸し、このコンデンサ素子
    を封口体とともに外装ケース内に組み込んだ構造を有す
    る電解コンデンサにおいて、溶媒に、下記の構造式
    [3]に示したマロン酸テトラメチルグアニジン塩を溶
    解した電解コンデンサ駆動用電解液を用いたことを特徴
    とするアルミニウム電解コンデンサ。 【化9】
  10. 【請求項10】アルミニウム陽極箔とアルミニウム陰極
    箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に電
    解コンデンサ駆動用電解液を含浸し、このコンデンサ素
    子を封口体とともに外装ケース内に組み込んだ構造を有
    する電解コンデンサにおいて、溶媒に、下記の構造式
    [4]に示したコハク酸テトラメチルグアニジン塩を溶
    解した電解コンデンサ駆動用電解液を用いたことを特徴
    とするアルミニウム電解コンデンサ。 【化10】
  11. 【請求項11】アルミニウム陽極箔とアルミニウム陰極
    箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に電
    解コンデンサ駆動用電解液を含浸し、このコンデンサ素
    子を封口体とともに外装ケース内に組み込んだ構造を有
    する電解コンデンサにおいて、溶媒に、下記の構造式
    [5]に示したマレイン酸テトラメチルグアニジン塩を
    溶解した電解コンデンサ駆動用電解液を用いたことを特
    徴とするアルミニウム電解コンデンサ。 【化11】
  12. 【請求項12】アルミニウム陽極箔とアルミニウム陰極
    箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に電
    解コンデンサ駆動用電解液を含浸し、このコンデンサ素
    子を封口体とともに外装ケース内に組み込んだ構造を有
    する電解コンデンサにおいて、溶媒に、下記の構造式
    [6]に示したシトラコン酸テトラメチルグアニジン塩
    を溶解した電解コンデンサ駆動用電解液を用いたことを
    特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。 【化12】
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