JPH08213035A - 燃料電池用集電体とその製造方法 - Google Patents
燃料電池用集電体とその製造方法Info
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- JPH08213035A JPH08213035A JP7039095A JP3909595A JPH08213035A JP H08213035 A JPH08213035 A JP H08213035A JP 7039095 A JP7039095 A JP 7039095A JP 3909595 A JP3909595 A JP 3909595A JP H08213035 A JPH08213035 A JP H08213035A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い導電性や機械強度等の特性を備え、生産
性に富んだ集電体を生産性良く製造する。 【構成】 まず、ニッケルが線状形状で3次元的に絡ま
った3次元網目状構造体ニッケル74を準備する。この
3次元網目状構造体ニッケル74は、発泡ウレタンへの
ニッケルの電気メッキ,その後のウレタンの焼失を経て
製造される。次いで、成形型の下型70に、熱膨張黒鉛
の堆積層72,3次元網目状構造体ニッケル74,熱膨
張黒鉛の堆積層76をこの順に重なるようにセットす
る。続いては、凹凸形状の金型面を有する上型78を降
下させて両金型を型締めする。この型締めにより、3次
元網目状構造体ニッケル74は圧縮成形され、成形型内
の3次元網目状構造体ニッケル74の上面は凹凸面とな
る。しかも、3次元網目状構造体ニッケル74の空隙に
は、熱膨張黒鉛が圧縮充填される。
性に富んだ集電体を生産性良く製造する。 【構成】 まず、ニッケルが線状形状で3次元的に絡ま
った3次元網目状構造体ニッケル74を準備する。この
3次元網目状構造体ニッケル74は、発泡ウレタンへの
ニッケルの電気メッキ,その後のウレタンの焼失を経て
製造される。次いで、成形型の下型70に、熱膨張黒鉛
の堆積層72,3次元網目状構造体ニッケル74,熱膨
張黒鉛の堆積層76をこの順に重なるようにセットす
る。続いては、凹凸形状の金型面を有する上型78を降
下させて両金型を型締めする。この型締めにより、3次
元網目状構造体ニッケル74は圧縮成形され、成形型内
の3次元網目状構造体ニッケル74の上面は凹凸面とな
る。しかも、3次元網目状構造体ニッケル74の空隙に
は、熱膨張黒鉛が圧縮充填される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電解質膜を挟持する
一対の電極に接触し、該一対の電極からの集電に用いら
れると共に、前記電極側にガス供給用のガス流路を有す
る燃料電池用集電体と、その製造方法に関する。
一対の電極に接触し、該一対の電極からの集電に用いら
れると共に、前記電極側にガス供給用のガス流路を有す
る燃料電池用集電体と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の燃料電池用集電体(以
下、単に集電体という)には、電極からの集電をする都
合上、当然に高い導電性が必要である。しかも、この導
電性ばかりか、燃料電池のタイプ、例えばいわゆる固体
高分子型や固体電解質型等の種々のタイプに限らず、ガ
ス不透過性や、耐食性,機械強度等をも必要とする。そ
して、電極にガスを供給するためのガス流路は、高導電
性材料からなる板材にエンドミル,フライス等の切削加
工を施して形成されていた。例えば、特開平6−310
153では、この高導電性材料からなる板材の平面度を
維持したまま、ガス流路を切削成形する技術が提案され
ている。
下、単に集電体という)には、電極からの集電をする都
合上、当然に高い導電性が必要である。しかも、この導
電性ばかりか、燃料電池のタイプ、例えばいわゆる固体
高分子型や固体電解質型等の種々のタイプに限らず、ガ
ス不透過性や、耐食性,機械強度等をも必要とする。そ
して、電極にガスを供給するためのガス流路は、高導電
性材料からなる板材にエンドミル,フライス等の切削加
工を施して形成されていた。例えば、特開平6−310
153では、この高導電性材料からなる板材の平面度を
維持したまま、ガス流路を切削成形する技術が提案され
ている。
【0003】ところで、固体高分子型燃料電池では、上
記した特性に加えて軽量化を図るために、緻密質カーボ
ンの板材を採用し、この板材に切削加工を経てガス流路
を形成したものを集電体としていた。
記した特性に加えて軽量化を図るために、緻密質カーボ
ンの板材を採用し、この板材に切削加工を経てガス流路
を形成したものを集電体としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、緻密質
カーボンの板材からなる集電体では、軽量化は図れるも
のの、以下のような問題があった。
カーボンの板材からなる集電体では、軽量化は図れるも
のの、以下のような問題があった。
【0005】緻密質カーボンは、その製造に、針状コー
クスやピッチの有機溶媒との混練,板状体への成形,焼
成および黒鉛化,その後の樹脂含浸によるガス不透過処
理といった多くの工程を必要とする。しかも、集電体と
するには、その後更に、ガス流路の切削形成を必要とす
る。このうち、緻密質カーボンの製造の際の焼成は、1
300℃の温度で約2週間程度の期間に亘って熱処理す
る必要がある。また、黒鉛化は、3000℃の温度で約
1週間程度の期間に亘って熱処理する必要がある。この
ため、緻密質カーボンの製造に少なくとも3週間程度を
要することになり、生産性が悪かった。また、ガス流路
の切削形成に加え、板材とするためのダイヤモンドカッ
タによるスライス切削をも必要とするので、工数増加と
それに伴うコスト増が避けられなかった。
クスやピッチの有機溶媒との混練,板状体への成形,焼
成および黒鉛化,その後の樹脂含浸によるガス不透過処
理といった多くの工程を必要とする。しかも、集電体と
するには、その後更に、ガス流路の切削形成を必要とす
る。このうち、緻密質カーボンの製造の際の焼成は、1
300℃の温度で約2週間程度の期間に亘って熱処理す
る必要がある。また、黒鉛化は、3000℃の温度で約
1週間程度の期間に亘って熱処理する必要がある。この
ため、緻密質カーボンの製造に少なくとも3週間程度を
要することになり、生産性が悪かった。また、ガス流路
の切削形成に加え、板材とするためのダイヤモンドカッ
タによるスライス切削をも必要とするので、工数増加と
それに伴うコスト増が避けられなかった。
【0006】ところで、これらの問題点は、長期間を要
する焼成や黒鉛化、或いはガス流路の切削形成を、省略
若しくは簡略化すればある程度解決される。このために
考えられる工夫としては、緻密質カーボンに替えて熱膨
張黒鉛を用いることが挙げられる。この熱膨張黒鉛は、
天然鱗片状黒鉛への比較的簡単な処理、例えば酸処理,
水洗,約950℃×数時間の熱処理で得ることができ
る。そして、この熱膨張黒鉛を予備成形の後にプレス成
形すれば、ネットシェイプにより形成したガス流路を有
する集電体となり、熱膨張黒鉛からなる集電体では、ガ
ス流路形成のための切削を必要としない。
する焼成や黒鉛化、或いはガス流路の切削形成を、省略
若しくは簡略化すればある程度解決される。このために
考えられる工夫としては、緻密質カーボンに替えて熱膨
張黒鉛を用いることが挙げられる。この熱膨張黒鉛は、
天然鱗片状黒鉛への比較的簡単な処理、例えば酸処理,
水洗,約950℃×数時間の熱処理で得ることができ
る。そして、この熱膨張黒鉛を予備成形の後にプレス成
形すれば、ネットシェイプにより形成したガス流路を有
する集電体となり、熱膨張黒鉛からなる集電体では、ガ
ス流路形成のための切削を必要としない。
【0007】よって、熱膨張黒鉛からなる集電体は、上
記した問題点を解決できるものの、熱膨張黒鉛自体は層
状構造を有することに起因して、層の厚み方向に対する
導電性が低下すると共に、機械的強度、特に層に沿った
方向の機械的強度に劣る。このため、熱膨張黒鉛からな
る集電体を緻密質カーボンからなる集電体に替えて用い
ても、現実的な解決にはならない。
記した問題点を解決できるものの、熱膨張黒鉛自体は層
状構造を有することに起因して、層の厚み方向に対する
導電性が低下すると共に、機械的強度、特に層に沿った
方向の機械的強度に劣る。このため、熱膨張黒鉛からな
る集電体を緻密質カーボンからなる集電体に替えて用い
ても、現実的な解決にはならない。
【0008】本発明は、こうした問題点に鑑みてなさ
れ、集電体として必要な高い導電性や機械強度等の特性
を備えると共に、生産性に富んだ集電体を提供すること
と、生産性に富む集電体の製造方法を提供することとを
その目的とする。
れ、集電体として必要な高い導電性や機械強度等の特性
を備えると共に、生産性に富んだ集電体を提供すること
と、生産性に富む集電体の製造方法を提供することとを
その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために請求項1記載の燃料電池用集電体で採用した手
段は、電解質膜を挟持する一対の電極に接触し、該一対
の電極からの集電に用いられると共に、前記電極側にガ
ス供給用のガス流路を有する燃料電池用集電体であっ
て、高導電性材料からなる3次元網目状構造物を前記ガ
ス流路を有する形状の集電体基材とし、該集電体基材に
おける前記3次元網目状構造物の空隙に導電性を有する
集電体材料を充填してなることをその要旨とする。
るために請求項1記載の燃料電池用集電体で採用した手
段は、電解質膜を挟持する一対の電極に接触し、該一対
の電極からの集電に用いられると共に、前記電極側にガ
ス供給用のガス流路を有する燃料電池用集電体であっ
て、高導電性材料からなる3次元網目状構造物を前記ガ
ス流路を有する形状の集電体基材とし、該集電体基材に
おける前記3次元網目状構造物の空隙に導電性を有する
集電体材料を充填してなることをその要旨とする。
【0010】そして、上記目的を達成するために請求項
2記載の燃料電池用集電体の製造方法で採用した手順
は、高導電性材料を3次元的に絡ませて製造された前記
3次元網目状構造物を準備する工程と、前記ガス流路形
成用の金型を有する成形型を用いて、該準備した構造物
の前記ガス流路を有する形状への型成形と、該型成形さ
れる構造物の空隙への前記集電体材料の充填とを行なう
工程とを備える。
2記載の燃料電池用集電体の製造方法で採用した手順
は、高導電性材料を3次元的に絡ませて製造された前記
3次元網目状構造物を準備する工程と、前記ガス流路形
成用の金型を有する成形型を用いて、該準備した構造物
の前記ガス流路を有する形状への型成形と、該型成形さ
れる構造物の空隙への前記集電体材料の充填とを行なう
工程とを備える。
【0011】また、請求項3記載の燃料電池用集電体の
製造方法では、前記成形型を用いて型成形と充填とを行
なう工程を、前記集電体材料を、前記成形型の型締めに
より前記構造物の空隙に圧縮充填する工程を有するもの
とした。
製造方法では、前記成形型を用いて型成形と充填とを行
なう工程を、前記集電体材料を、前記成形型の型締めに
より前記構造物の空隙に圧縮充填する工程を有するもの
とした。
【0012】請求項4記載の燃料電池用集電体の製造方
法では、前記成形型を用いて型成形と充填とを行なう工
程を、前記集電体材料を、前記成形型内において前記構
造物の空隙に射出充填する工程を有するものとした。
法では、前記成形型を用いて型成形と充填とを行なう工
程を、前記集電体材料を、前記成形型内において前記構
造物の空隙に射出充填する工程を有するものとした。
【0013】
【作用】以上のように構成された請求項1記載の燃料電
池用集電体では、ガス流路を有する形状の集電体基材を
高導電性材料からなる3次元網目状構造物とするので、
この集電体基材自体でも高導電性材料の有する高い導電
性を発揮する。また、集電体基材における3次元網目状
構造物の空隙には導電性を有する集電体材料が充填され
ているので、集電体基材の発揮する導電性を低下させる
ことはない。
池用集電体では、ガス流路を有する形状の集電体基材を
高導電性材料からなる3次元網目状構造物とするので、
この集電体基材自体でも高導電性材料の有する高い導電
性を発揮する。また、集電体基材における3次元網目状
構造物の空隙には導電性を有する集電体材料が充填され
ているので、集電体基材の発揮する導電性を低下させる
ことはない。
【0014】その一方、請求項1記載の燃料電池用集電
体は、高導電性材料からなる3次元網目状構造物の集電
体基材をいわゆる心材とし、その空隙に他の材料たる集
電体材料が充填された複合材としての構造を有する。よ
って、機械強度に富む。しかも、集電体基材は3次元網
目状構造物であるため、ガス流路を有する形状とするに
当たり、3次元網目状構造物の変形性を利用して型形成
等によるネットシェイプ加工を採ることができ、エンド
ミル,フライス等の切削加工を要しない。
体は、高導電性材料からなる3次元網目状構造物の集電
体基材をいわゆる心材とし、その空隙に他の材料たる集
電体材料が充填された複合材としての構造を有する。よ
って、機械強度に富む。しかも、集電体基材は3次元網
目状構造物であるため、ガス流路を有する形状とするに
当たり、3次元網目状構造物の変形性を利用して型形成
等によるネットシェイプ加工を採ることができ、エンド
ミル,フライス等の切削加工を要しない。
【0015】請求項2記載の燃料電池用集電体の製造方
法では、高導電性材料を3次元的に絡ませて製造され当
該高導電性材料からなる3次元網目状構造物を準備し、
この準備した構造物をガス流路形成用の金型を有する成
形型を用いて型成形することで、金型の形状を3次元網
目状構造物に転写し、ガス流路を形成する。その一方、
型成形される構造物の空隙にはその成形型を用いて集電
体材料を充填する。よって、エンドミル,フライス等の
切削加工ではなく、成形型を用いた型形成によるネット
シェイプ加工を経てガス流路形成が完成する。
法では、高導電性材料を3次元的に絡ませて製造され当
該高導電性材料からなる3次元網目状構造物を準備し、
この準備した構造物をガス流路形成用の金型を有する成
形型を用いて型成形することで、金型の形状を3次元網
目状構造物に転写し、ガス流路を形成する。その一方、
型成形される構造物の空隙にはその成形型を用いて集電
体材料を充填する。よって、エンドミル,フライス等の
切削加工ではなく、成形型を用いた型形成によるネット
シェイプ加工を経てガス流路形成が完成する。
【0016】請求項3記載の燃料電池用集電体の製造方
法では、3次元網目状構造物の空隙への集電体材料の充
填を成形型の型締めによる圧縮充填により行なうので、
周知の成形型の型締めで集電体材料の充填が完了する。
法では、3次元網目状構造物の空隙への集電体材料の充
填を成形型の型締めによる圧縮充填により行なうので、
周知の成形型の型締めで集電体材料の充填が完了する。
【0017】請求項4記載の燃料電池用集電体の製造方
法では、3次元網目状構造物の空隙への集電体材料の充
填を成形型への集電体材料の射出により行なうので、周
知の射出成形で集電体材料の充填が完了する。
法では、3次元網目状構造物の空隙への集電体材料の充
填を成形型への集電体材料の射出により行なうので、周
知の射出成形で集電体材料の充填が完了する。
【0018】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、本発明にかかる燃料電池用集電体を固
体高分子型燃料電池の集電体に適用した実施例について
説明する。
かにするために、本発明にかかる燃料電池用集電体を固
体高分子型燃料電池の集電体に適用した実施例について
説明する。
【0019】図1は、実施例の固体高分子型燃料電池1
0のセル構造の模式図である。この図1に示すように、
セルは、固体高分子電解質膜(以下、単に電解質膜とい
う)12と、この電解質膜12を両側から挟んでサンド
イッチ構造とするガス拡散電極としてのアノード20お
よびカソード30と、このサンドイッチ構造を両側から
挟みつつアノード20又はカソード30に接触する集電
体40,50と、集電体40,50の外側に配置され各
セルを仕切るセパレータ60とを備える。この集電体4
0,50は、アノード20又はカソード30に接触して
これらとの間の電子の授受を経て集電に用いられると共
に、アノード20又はカソード30にガス(燃料ガス又
は酸化ガス)を流路溝から供給する。なお、上記セパレ
ータ60は、集電体40,50がガス不透過性であれ
ば、省略してもよい。
0のセル構造の模式図である。この図1に示すように、
セルは、固体高分子電解質膜(以下、単に電解質膜とい
う)12と、この電解質膜12を両側から挟んでサンド
イッチ構造とするガス拡散電極としてのアノード20お
よびカソード30と、このサンドイッチ構造を両側から
挟みつつアノード20又はカソード30に接触する集電
体40,50と、集電体40,50の外側に配置され各
セルを仕切るセパレータ60とを備える。この集電体4
0,50は、アノード20又はカソード30に接触して
これらとの間の電子の授受を経て集電に用いられると共
に、アノード20又はカソード30にガス(燃料ガス又
は酸化ガス)を流路溝から供給する。なお、上記セパレ
ータ60は、集電体40,50がガス不透過性であれ
ば、省略してもよい。
【0020】電解質膜12は、高分子材料、例えばフッ
素系スルホン酸高分子樹脂により形成された厚さ100
μmないし200μmのイオン交換膜であり、湿潤状態
で良好な電気電導性を示す。本実施例にあっては、この
電解質膜12として、デュポン社製のナフィオン115
(Nafion115:商品名)を用いた。
素系スルホン酸高分子樹脂により形成された厚さ100
μmないし200μmのイオン交換膜であり、湿潤状態
で良好な電気電導性を示す。本実施例にあっては、この
電解質膜12として、デュポン社製のナフィオン115
(Nafion115:商品名)を用いた。
【0021】アノード20およびカソード30は、炭素
繊維からなる糸で織成したカーボンクロスを電極基材と
し、電解質膜12側は、アノード側触媒層22およびカ
ソード側触媒層32とされている。アノード20を例に
採りその構成を詳しく説明すると、カーボンクロスに
は、カーボンブラックをPTFE溶液(ポリテトラフロ
オロエチレン溶液)に混合・混練してその固形分が50
%としたペーストがクロスの隙間に練り込まれている。
そして、アノード側触媒層22は、触媒としての白金を
担持した白金担持カーボン(40%Pt)をナフィオン
115の原材料であるフッ素系スルホン酸高分子樹脂溶
液に混合・混練してその固形分が50%としたペースト
を、電極基材であるカーボンクロス表面に塗布して形成
されている。
繊維からなる糸で織成したカーボンクロスを電極基材と
し、電解質膜12側は、アノード側触媒層22およびカ
ソード側触媒層32とされている。アノード20を例に
採りその構成を詳しく説明すると、カーボンクロスに
は、カーボンブラックをPTFE溶液(ポリテトラフロ
オロエチレン溶液)に混合・混練してその固形分が50
%としたペーストがクロスの隙間に練り込まれている。
そして、アノード側触媒層22は、触媒としての白金を
担持した白金担持カーボン(40%Pt)をナフィオン
115の原材料であるフッ素系スルホン酸高分子樹脂溶
液に混合・混練してその固形分が50%としたペースト
を、電極基材であるカーボンクロス表面に塗布して形成
されている。
【0022】集電体40,50は、後述の3次元網目状
構造物を集電体基材とし、この集電体基材における3次
元網目状構造物の空隙にカーボンを充填してなるもので
あり、その厚みは約1.5mmである。なお、その製造
工程については後述する。集電体40には、複数のリブ
42がほぼ1mmピッチで形成されており、このリブ4
2とアノード20の表面とで燃料ガスと水蒸気との混合
ガスの流路溝45を形成している。この流路溝45は、
溝深さが約0.5mmであり、一方の端部で燃料ガスの
吸気マニホールド(図示せず)と接続され、他方の端部
で燃料ガスの排気マニホールド(図示せず)と接続され
ている。また、集電体50にも、複数のリブ52が形成
されており、このリブ52とカソード30とで酸化ガス
の流路をなす流路溝55を形成している。この流路溝5
5は、流路溝45と同一形状であり、一方の端部で酸化
ガスの吸気マニホールド(図示せず)と接続され、他方
の端部で酸化ガスの排気マニホールド(図示せず)と接
続されている。
構造物を集電体基材とし、この集電体基材における3次
元網目状構造物の空隙にカーボンを充填してなるもので
あり、その厚みは約1.5mmである。なお、その製造
工程については後述する。集電体40には、複数のリブ
42がほぼ1mmピッチで形成されており、このリブ4
2とアノード20の表面とで燃料ガスと水蒸気との混合
ガスの流路溝45を形成している。この流路溝45は、
溝深さが約0.5mmであり、一方の端部で燃料ガスの
吸気マニホールド(図示せず)と接続され、他方の端部
で燃料ガスの排気マニホールド(図示せず)と接続され
ている。また、集電体50にも、複数のリブ52が形成
されており、このリブ52とカソード30とで酸化ガス
の流路をなす流路溝55を形成している。この流路溝5
5は、流路溝45と同一形状であり、一方の端部で酸化
ガスの吸気マニホールド(図示せず)と接続され、他方
の端部で酸化ガスの排気マニホールド(図示せず)と接
続されている。
【0023】セパレータ60は、カーボンを圧縮してガ
ス不透過としたガス不透過カーボンにより形成されてお
り、電解質膜12,アノード20,カソード30,集電
体40,50により構成されるセルをその厚み方向に積
層する際の隔壁をなす。こうして形成された各部材をセ
パレータ60,集電体40,アノード20,電解質膜1
2,カソード30,集電体50,セパレータ60の順に
複数個積層して固体高分子型燃料電池10を構成する。
ス不透過としたガス不透過カーボンにより形成されてお
り、電解質膜12,アノード20,カソード30,集電
体40,50により構成されるセルをその厚み方向に積
層する際の隔壁をなす。こうして形成された各部材をセ
パレータ60,集電体40,アノード20,電解質膜1
2,カソード30,集電体50,セパレータ60の順に
複数個積層して固体高分子型燃料電池10を構成する。
【0024】次に、集電体40,50と上記構成の固体
高分子型燃料電池10の製造方法について、順次説明す
る。
高分子型燃料電池10の製造方法について、順次説明す
る。
【0025】まず、集電体40,50の製造工程につい
て、第1の製造方法および第2の製造方法の順に順次説
明する。なお、集電体40と集電体50は、同一の構造
であるため一方(集電体40)についてのみ説明する。
て、第1の製造方法および第2の製造方法の順に順次説
明する。なお、集電体40と集電体50は、同一の構造
であるため一方(集電体40)についてのみ説明する。
【0026】集電体の第1の製造方法における第1の工
程では、高導電性材料であるニッケルが線状形状で3次
元的に絡まった3次元網目状構造体ニッケル(3次元網
目状構造物)を準備する。この3次元網目状構造体ニッ
ケルは、スポンジ状に発泡した発泡ウレタンにニッケル
を電気メッキし、その後、このメッキ済みの発泡ウレタ
ンを加熱処理に処してウレタンを焼失して取り除くこと
で製造される。本実施例では、住友電気工業社製の3次
元網目状構造体ニッケル(商品名:セルメット,型番:
#2又は#3又は#4)を準備した。準備した3次元網
目状構造体ニッケルは、その厚みが約3mm又は5mm
の板状体である。
程では、高導電性材料であるニッケルが線状形状で3次
元的に絡まった3次元網目状構造体ニッケル(3次元網
目状構造物)を準備する。この3次元網目状構造体ニッ
ケルは、スポンジ状に発泡した発泡ウレタンにニッケル
を電気メッキし、その後、このメッキ済みの発泡ウレタ
ンを加熱処理に処してウレタンを焼失して取り除くこと
で製造される。本実施例では、住友電気工業社製の3次
元網目状構造体ニッケル(商品名:セルメット,型番:
#2又は#3又は#4)を準備した。準備した3次元網
目状構造体ニッケルは、その厚みが約3mm又は5mm
の板状体である。
【0027】その後の第2の工程では、図2に示すよう
に、下型(雌型)と上型(雄型)とを対向させた成形型
の下型70に、熱膨張黒鉛の堆積層72,準備した3次
元網目状構造体ニッケル74,熱膨張黒鉛の堆積層76
の順に重なるようセットする。この3次元網目状構造体
ニッケル74の上下の堆積層72,76における熱膨張
黒鉛は、日本化成社製の熱膨張黒鉛(品番:8099)
であり、天然鱗片状黒鉛の酸処理,水洗を経て950℃
の熱処理で得られたものである。この場合、熱膨張黒鉛
の堆積層72,堆積層76は、3次元網目状構造体ニッ
ケル74の空隙を熱膨張黒鉛で埋めるに十分な量の熱膨
張黒鉛(粉体)が堆積されている。なお、後述の圧縮成
形の際における熱膨張黒鉛の空隙への入り込みを高める
ために、各堆積層72,76を、粉体の熱膨張黒鉛をフ
ェノールやエポキシ等の樹脂に混合・混練した熱膨張黒
鉛のペーストを流し込むことで形成してもよい。
に、下型(雌型)と上型(雄型)とを対向させた成形型
の下型70に、熱膨張黒鉛の堆積層72,準備した3次
元網目状構造体ニッケル74,熱膨張黒鉛の堆積層76
の順に重なるようセットする。この3次元網目状構造体
ニッケル74の上下の堆積層72,76における熱膨張
黒鉛は、日本化成社製の熱膨張黒鉛(品番:8099)
であり、天然鱗片状黒鉛の酸処理,水洗を経て950℃
の熱処理で得られたものである。この場合、熱膨張黒鉛
の堆積層72,堆積層76は、3次元網目状構造体ニッ
ケル74の空隙を熱膨張黒鉛で埋めるに十分な量の熱膨
張黒鉛(粉体)が堆積されている。なお、後述の圧縮成
形の際における熱膨張黒鉛の空隙への入り込みを高める
ために、各堆積層72,76を、粉体の熱膨張黒鉛をフ
ェノールやエポキシ等の樹脂に混合・混練した熱膨張黒
鉛のペーストを流し込むことで形成してもよい。
【0028】続く第3の工程では、図2に示すように、
下面に凹凸が形成された金型面を有する上型78を降下
させて、図3に示すようにこの上型78と下型70とを
型締めし、熱膨張黒鉛の堆積層72,3次元網目状構造
体ニッケル74,熱膨張黒鉛の堆積層76を圧縮した。
この際のプレス荷重は、1ton/cm2 に設定した。
この上型78と下型70とからなる成形型を用いた圧縮
成形により、厚みが約3mmの板状体であった3次元網
目状構造体ニッケル74は、上下の金型により圧縮成形
に付されると共に、上型78の凹凸はこの3次元網目状
構造体ニッケル74に転写される。このため、成形型内
の3次元網目状構造体ニッケル74の上面は凹凸面とな
り、その成形型内の3次元網目状構造体ニッケル74の
厚みは圧縮成形により、最終的な集電体40の厚みであ
る約1.5mmとなる。
下面に凹凸が形成された金型面を有する上型78を降下
させて、図3に示すようにこの上型78と下型70とを
型締めし、熱膨張黒鉛の堆積層72,3次元網目状構造
体ニッケル74,熱膨張黒鉛の堆積層76を圧縮した。
この際のプレス荷重は、1ton/cm2 に設定した。
この上型78と下型70とからなる成形型を用いた圧縮
成形により、厚みが約3mmの板状体であった3次元網
目状構造体ニッケル74は、上下の金型により圧縮成形
に付されると共に、上型78の凹凸はこの3次元網目状
構造体ニッケル74に転写される。このため、成形型内
の3次元網目状構造体ニッケル74の上面は凹凸面とな
り、その成形型内の3次元網目状構造体ニッケル74の
厚みは圧縮成形により、最終的な集電体40の厚みであ
る約1.5mmとなる。
【0029】その一方、3次元網目状構造体ニッケル7
4の空隙には、上型78と下型70との型締めにより、
3次元網目状構造体ニッケル74の下面からは堆積層7
2の熱膨張黒鉛が、上面からは堆積層76の熱膨張黒鉛
が入り込み、当該空隙には熱膨張黒鉛が圧縮充填され
る。また、この型締めにより、3次元網目状構造体ニッ
ケル74の圧縮成形体の下面および上面の凹凸表面に
は、熱膨張黒鉛からなる黒鉛層が形成される。
4の空隙には、上型78と下型70との型締めにより、
3次元網目状構造体ニッケル74の下面からは堆積層7
2の熱膨張黒鉛が、上面からは堆積層76の熱膨張黒鉛
が入り込み、当該空隙には熱膨張黒鉛が圧縮充填され
る。また、この型締めにより、3次元網目状構造体ニッ
ケル74の圧縮成形体の下面および上面の凹凸表面に
は、熱膨張黒鉛からなる黒鉛層が形成される。
【0030】その後の第4の工程では、型締めされてい
た成形型を離型して型成形品を取り出す。取り出した成
形品は、図4に示すように、その上面に流路溝45とリ
ブ42とを交互に有する集電体40となる。この場合、
図4に示す集電体40の流路溝45はその深さ,ピッチ
等が上型78の金型面における凹凸の転写により形成さ
れる。そして、当該金型面の凹凸は予め上記した深さ
(0.5mm)やピッチ(約1mm)とされていること
で、得られた集電体40は、上記した寸法でネットシェ
イプされた流路溝45を有する集電体となる。また、こ
の集電体40は、図4におけるその表面の一部領域Aを
拡大した図5に示すように、その下面および上面のリブ
42,流路溝45の表面に、熱膨張黒鉛からなる黒鉛層
44を有し、3次元網目状構造体ニッケル74の圧縮成
形体の空隙に熱膨張黒鉛を圧縮充填した集電体となる。
つまり、この第4の工程で、最終的に集電体40が完成
する。集電体50についても同様である。なお、図にお
いては、図示する都合上、空隙には隙間があるよう示さ
れているが、実際は熱膨張黒鉛が隙間なく充填されてい
る。
た成形型を離型して型成形品を取り出す。取り出した成
形品は、図4に示すように、その上面に流路溝45とリ
ブ42とを交互に有する集電体40となる。この場合、
図4に示す集電体40の流路溝45はその深さ,ピッチ
等が上型78の金型面における凹凸の転写により形成さ
れる。そして、当該金型面の凹凸は予め上記した深さ
(0.5mm)やピッチ(約1mm)とされていること
で、得られた集電体40は、上記した寸法でネットシェ
イプされた流路溝45を有する集電体となる。また、こ
の集電体40は、図4におけるその表面の一部領域Aを
拡大した図5に示すように、その下面および上面のリブ
42,流路溝45の表面に、熱膨張黒鉛からなる黒鉛層
44を有し、3次元網目状構造体ニッケル74の圧縮成
形体の空隙に熱膨張黒鉛を圧縮充填した集電体となる。
つまり、この第4の工程で、最終的に集電体40が完成
する。集電体50についても同様である。なお、図にお
いては、図示する都合上、空隙には隙間があるよう示さ
れているが、実際は熱膨張黒鉛が隙間なく充填されてい
る。
【0031】上記した第1〜第4の工程までを有する第
1の製造方法を経て完成した集電体40の特性は、以下
の通りであった。以下、説明の便宜上、この第1の製造
方法による集電体を集電体40Aおよび集電体50Aと
呼ぶこととする。
1の製造方法を経て完成した集電体40の特性は、以下
の通りであった。以下、説明の便宜上、この第1の製造
方法による集電体を集電体40Aおよび集電体50Aと
呼ぶこととする。
【0032】引っ張り強度:約50MPa 固有抵抗値:約2000μΩcm ガス透過性:10-6cc/atm/sec以下(対ヘ
リウムガス)
リウムガス)
【0033】なお、既述したように各堆積層72,76
を熱膨張黒鉛のペーストを流し込むことで形成した場合
には、上記の第4の工程に続いて、以下の処理に処す
る。つまり、型から取り出した集電体40を熱処理し
て、熱膨張黒鉛のペーストにおけるフェノールやエポキ
シ等の樹脂を炭化させ、最終的に集電体40を完成す
る。なお、この熱処理の工程自体を省略することもでき
る。また、この熱処理をへて完成した集電体40にあっ
ては、の固有抵抗値は約2000μΩcmより大きく
なる。
を熱膨張黒鉛のペーストを流し込むことで形成した場合
には、上記の第4の工程に続いて、以下の処理に処す
る。つまり、型から取り出した集電体40を熱処理し
て、熱膨張黒鉛のペーストにおけるフェノールやエポキ
シ等の樹脂を炭化させ、最終的に集電体40を完成す
る。なお、この熱処理の工程自体を省略することもでき
る。また、この熱処理をへて完成した集電体40にあっ
ては、の固有抵抗値は約2000μΩcmより大きく
なる。
【0034】次に、集電体の第2の製造方法について説
明する。この第2の製造方法では、上記した第1の製造
方法と、その第1の工程については同一である。つま
り、第1の工程では、高導電性材料であるニッケルが線
状形状で3次元的に絡まった3次元網目状構造体ニッケ
ル74(厚み約3mm又は5mmの板状体)を準備す
る。
明する。この第2の製造方法では、上記した第1の製造
方法と、その第1の工程については同一である。つま
り、第1の工程では、高導電性材料であるニッケルが線
状形状で3次元的に絡まった3次元網目状構造体ニッケ
ル74(厚み約3mm又は5mmの板状体)を準備す
る。
【0035】その後の第2の工程では、図6に示すよう
に、雌型80と雄型82とを対向させた射出成形用の成
形型の雌型80に、準備した3次元網目状構造体ニッケ
ル74をセットする。続く第3の工程では、図7に示す
ように、雌型80に対向して凹凸が形成された金型面を
有する雄型82を雌型80側に移動してこの両金型を型
締めし、3次元網目状構造体ニッケル74を予備的に圧
縮した。この際のプレス荷重は、1ton/cm2 に設
定した。この雄型82と雌型80とからなる射出成形用
の成形型を用いた予備的な圧縮成形により、厚みが約3
mmの板状体であった3次元網目状構造体ニッケル74
はほぼその厚みが1.5mmとなるまで圧縮されると共
に、雄型82の凹凸はこの3次元網目状構造体ニッケル
74に転写される。このため、成形型内の3次元網目状
構造体ニッケル74の片面は凹凸面となる。
に、雌型80と雄型82とを対向させた射出成形用の成
形型の雌型80に、準備した3次元網目状構造体ニッケ
ル74をセットする。続く第3の工程では、図7に示す
ように、雌型80に対向して凹凸が形成された金型面を
有する雄型82を雌型80側に移動してこの両金型を型
締めし、3次元網目状構造体ニッケル74を予備的に圧
縮した。この際のプレス荷重は、1ton/cm2 に設
定した。この雄型82と雌型80とからなる射出成形用
の成形型を用いた予備的な圧縮成形により、厚みが約3
mmの板状体であった3次元網目状構造体ニッケル74
はほぼその厚みが1.5mmとなるまで圧縮されると共
に、雄型82の凹凸はこの3次元網目状構造体ニッケル
74に転写される。このため、成形型内の3次元網目状
構造体ニッケル74の片面は凹凸面となる。
【0036】続く第4の工程は、図8に示すように、射
出成形装置90から以下のようにしてカーボンペースト
を射出する。つまり、射出成形装置90のホッパ92に
は、カーボンブラック(粒径約30nm)を熱硬化性樹
脂であるフェノールの溶液に混合・混練してその固形分
が50%としたカーボンペーストが投入されており、こ
のカーボンペーストを加熱シリンダ94の先端の射出ノ
ズル96から射出する。この際、加熱シリンダ94の後
端の射出シリンダ98のピストンロッドが前進し、その
射出条件は、以下のように設定した。
出成形装置90から以下のようにしてカーボンペースト
を射出する。つまり、射出成形装置90のホッパ92に
は、カーボンブラック(粒径約30nm)を熱硬化性樹
脂であるフェノールの溶液に混合・混練してその固形分
が50%としたカーボンペーストが投入されており、こ
のカーボンペーストを加熱シリンダ94の先端の射出ノ
ズル96から射出する。この際、加熱シリンダ94の後
端の射出シリンダ98のピストンロッドが前進し、その
射出条件は、以下のように設定した。
【0037】金型温度:180℃, 加熱シリンダ94における加熱温度:80℃, 加熱シリンダ94のスクリュー回転数:50rpm, 射出速度:10秒, 射出成形圧力:70MPa{約700kg/cm2 } 背圧力:2MPa{約20kg/cm2 } 射出保圧時間(樹脂硬化時間):60秒
【0038】この第4の工程におけるカーボンペースト
の射出により、3次元網目状構造体ニッケル74の空隙
にはカーボンペーストが入り込み、当該空隙にはカーボ
ンペーストが射出充填される。なお、カーボンペースト
の射出量は、予備的に圧縮済みの3次元網目状構造体ニ
ッケル74における空隙をカーボンペーストで埋めるに
十分な量とされている。また、この第4の工程は、上記
した第3の工程において雄型82と雌型80とが接合し
た後であれば、第3の工程と平行して行なうことができ
る。
の射出により、3次元網目状構造体ニッケル74の空隙
にはカーボンペーストが入り込み、当該空隙にはカーボ
ンペーストが射出充填される。なお、カーボンペースト
の射出量は、予備的に圧縮済みの3次元網目状構造体ニ
ッケル74における空隙をカーボンペーストで埋めるに
十分な量とされている。また、この第4の工程は、上記
した第3の工程において雄型82と雌型80とが接合し
た後であれば、第3の工程と平行して行なうことができ
る。
【0039】その後の第5の工程では、射出シリンダ9
8のピストンロッドの後退と雄型82の後退とを行な
い、成形品を取り出す。取り出した成形品は、第1の製
造方法による場合と同様、図4に示すように、その上面
に流路溝45とリブ42とを交互に有する集電体40と
なる。この場合、集電体40の流路溝45の形状等も第
1の製造方法による場合と同様となり、得られた集電体
40は、ネットシェイプされた流路溝45を有する集電
体となり、最終的な集電体40が完成する。なお、この
第2の製造方法で得られた集電体40は、3次元網目状
構造体ニッケルの圧縮成形体の空隙にカーボンペースト
を圧縮充填しているものの、その表面には、図5に示す
ような黒鉛層44を有しない。
8のピストンロッドの後退と雄型82の後退とを行な
い、成形品を取り出す。取り出した成形品は、第1の製
造方法による場合と同様、図4に示すように、その上面
に流路溝45とリブ42とを交互に有する集電体40と
なる。この場合、集電体40の流路溝45の形状等も第
1の製造方法による場合と同様となり、得られた集電体
40は、ネットシェイプされた流路溝45を有する集電
体となり、最終的な集電体40が完成する。なお、この
第2の製造方法で得られた集電体40は、3次元網目状
構造体ニッケルの圧縮成形体の空隙にカーボンペースト
を圧縮充填しているものの、その表面には、図5に示す
ような黒鉛層44を有しない。
【0040】上記した第1〜第5の工程までを有する第
2の製造方法を経て完成した集電体40の特性は、以下
の通りであった。以下、説明の便宜上、この第2の製造
方法による集電体を集電体40Bおよび集電体50Bと
呼ぶこととする。
2の製造方法を経て完成した集電体40の特性は、以下
の通りであった。以下、説明の便宜上、この第2の製造
方法による集電体を集電体40Bおよび集電体50Bと
呼ぶこととする。
【0041】引っ張り強度:約80MPa 固有抵抗値:約3000μΩcm ガス透過性:10-6cc/atm/sec以下(対ヘ
リウムガス)
リウムガス)
【0042】第2の製造方法から製造した集電体40
B,50Bでは、上記した第1の製造方法から製造した
集電体40A,50Aに比べてその固有抵抗値が悪化し
たものの、強度は向上した。
B,50Bでは、上記した第1の製造方法から製造した
集電体40A,50Aに比べてその固有抵抗値が悪化し
たものの、強度は向上した。
【0043】上記の第2の製造方法の第5の工程に続い
て、以下の工程を追加することもできる。つまり、第5
の工程を経て得られた集電体40を熱処理して、カーボ
ンペーストにおけるフェノールを炭化させる。この工程
を経れば、3次元網目状構造体ニッケルの圧縮成形体の
空隙に圧縮充填されていたカーボンペーストの樹脂成分
(フェノール)の炭化により、樹脂成分での導電性の低
下を抑制でき、上記固有抵抗値(約3000μΩc
m)を低下させることができる。
て、以下の工程を追加することもできる。つまり、第5
の工程を経て得られた集電体40を熱処理して、カーボ
ンペーストにおけるフェノールを炭化させる。この工程
を経れば、3次元網目状構造体ニッケルの圧縮成形体の
空隙に圧縮充填されていたカーボンペーストの樹脂成分
(フェノール)の炭化により、樹脂成分での導電性の低
下を抑制でき、上記固有抵抗値(約3000μΩc
m)を低下させることができる。
【0044】このようにして集電体40,50(集電体
40A,50A又は集電体40B,50B)が得られる
と、固体高分子型燃料電池10の製造に着手する。つま
り、まず、この集電体40,50のほか、厚さ100μ
mないし200μmの電解質膜12(ナフィオン115
の膜)と、アノード側触媒層22形成済みのアノード2
0と、カソード側触媒層32形成済みのカソード30
と、セパレータ60とを用意する。
40A,50A又は集電体40B,50B)が得られる
と、固体高分子型燃料電池10の製造に着手する。つま
り、まず、この集電体40,50のほか、厚さ100μ
mないし200μmの電解質膜12(ナフィオン115
の膜)と、アノード側触媒層22形成済みのアノード2
0と、カソード側触媒層32形成済みのカソード30
と、セパレータ60とを用意する。
【0045】次いで、図1に示すように、電解質膜12
をアノード20とカソード30とで挟んでサンドイッチ
構造とした上で、これらをホットプレスする(130℃
×10MPa{約100kg/cm2 })。こうしてア
ノード20,電解質膜12およびカソード30からなる
固体高分子型燃料電池10の主要部が製造される。その
後は、集電体40,50(集電体40A,50A又は集
電体40B,50B)をその流路溝45,55がアノー
ド20或いはカソード30になるよう、アノード20,
カソード30に接合し、これを両側のセパレータ60を
境に必要セル数分積層する。そして、この積層体をフレ
ーム等で固定し、固体高分子型燃料電池10を完成させ
る。
をアノード20とカソード30とで挟んでサンドイッチ
構造とした上で、これらをホットプレスする(130℃
×10MPa{約100kg/cm2 })。こうしてア
ノード20,電解質膜12およびカソード30からなる
固体高分子型燃料電池10の主要部が製造される。その
後は、集電体40,50(集電体40A,50A又は集
電体40B,50B)をその流路溝45,55がアノー
ド20或いはカソード30になるよう、アノード20,
カソード30に接合し、これを両側のセパレータ60を
境に必要セル数分積層する。そして、この積層体をフレ
ーム等で固定し、固体高分子型燃料電池10を完成させ
る。
【0046】次に、上記した実施例の集電体40,50
(集電体40A,50A又は集電体40B,50B)を
用いた固体高分子型燃料電池10と、緻密質カーボンの
板材に切削加工を施してガス流路を形成した従来の集電
体を用いた固体高分子型燃料電池(従来電池)との比較
評価について説明する。なお、第1の製造方法で製造し
た集電体40A,50Aを用いた実施例の固体高分子型
燃料電池10を便宜上実施例電池Aと呼び、第2の製造
方法で製造した集電体40B,50Bを用いた実施例の
固体高分子型燃料電池10を実施例電池Bと呼ぶことと
する。
(集電体40A,50A又は集電体40B,50B)を
用いた固体高分子型燃料電池10と、緻密質カーボンの
板材に切削加工を施してガス流路を形成した従来の集電
体を用いた固体高分子型燃料電池(従来電池)との比較
評価について説明する。なお、第1の製造方法で製造し
た集電体40A,50Aを用いた実施例の固体高分子型
燃料電池10を便宜上実施例電池Aと呼び、第2の製造
方法で製造した集電体40B,50Bを用いた実施例の
固体高分子型燃料電池10を実施例電池Bと呼ぶことと
する。
【0047】比較評価としては、従来電池と実施例電池
Aおよび実施例電池Bのそれぞれについて測定したI−
V特性を採用した。その結果を図9に示す。この場合の
測定条件および電池スペックは、以下の通りとした。な
お、従来電池における集電体(緻密質カーボンからなる
集電体)の厚みや流路溝の深さ等は、各実施例電池にお
ける集電体と同一である。
Aおよび実施例電池Bのそれぞれについて測定したI−
V特性を採用した。その結果を図9に示す。この場合の
測定条件および電池スペックは、以下の通りとした。な
お、従来電池における集電体(緻密質カーボンからなる
集電体)の厚みや流路溝の深さ等は、各実施例電池にお
ける集電体と同一である。
【0048】電極面積:144cm2 (12cm×12
cm), セル温度:80℃, 供給ガス(水素/アノード20,空気/カソード30)
加湿:フル加湿, 供給ガス圧:2atm, 供給ガス流量:理論流量のストイキ比の2倍
cm), セル温度:80℃, 供給ガス(水素/アノード20,空気/カソード30)
加湿:フル加湿, 供給ガス圧:2atm, 供給ガス流量:理論流量のストイキ比の2倍
【0049】図9から明らかなように、実施例電池Aの
I−V特性は従来電池より優れており、実施例電池Bで
は従来電池より若干劣った。このように実施例電池Bが
I−V特性で従来電池より若干劣ったのは、この実施例
電池Bの集電体40B,50Bの固有抵抗値が、3次
元網目状構造体ニッケルの圧縮成形体の空隙にはカーボ
ンペーストの樹脂成分(フェノール)が残存しているこ
とによりやや高い値(約3000μΩcm)であるの
で、この抵抗増による電圧低下が起きていると考えられ
る。しかし、セルの電解質膜12の膜抵抗は約1mΩで
あるのに対して、実施例電池Bの集電体40B,50B
自体の固有抵抗とアノード20,カソード30への集電
体40B,50Bの接触による接触抵抗との和は約0.
3mΩに過ぎない。よって、固体高分子型燃料電池の実
用に際しては、実施例電池Bはなんら遜色なく実用に十
分値する固体高分子型燃料電池といえる。なお、実施例
電池Aの集電体40A,50A自体の固有抵抗とアノー
ド20,カソード30への集電体40A,50Aの接触
による接触抵抗との和は約0.2mΩである。
I−V特性は従来電池より優れており、実施例電池Bで
は従来電池より若干劣った。このように実施例電池Bが
I−V特性で従来電池より若干劣ったのは、この実施例
電池Bの集電体40B,50Bの固有抵抗値が、3次
元網目状構造体ニッケルの圧縮成形体の空隙にはカーボ
ンペーストの樹脂成分(フェノール)が残存しているこ
とによりやや高い値(約3000μΩcm)であるの
で、この抵抗増による電圧低下が起きていると考えられ
る。しかし、セルの電解質膜12の膜抵抗は約1mΩで
あるのに対して、実施例電池Bの集電体40B,50B
自体の固有抵抗とアノード20,カソード30への集電
体40B,50Bの接触による接触抵抗との和は約0.
3mΩに過ぎない。よって、固体高分子型燃料電池の実
用に際しては、実施例電池Bはなんら遜色なく実用に十
分値する固体高分子型燃料電池といえる。なお、実施例
電池Aの集電体40A,50A自体の固有抵抗とアノー
ド20,カソード30への集電体40A,50Aの接触
による接触抵抗との和は約0.2mΩである。
【0050】以上換言すると、本実施例の固体高分子型
燃料電池10(実施例電池A,B)は、従来の固体高分
子型燃料電池と比べても電池特性上なんら遜色ないもの
であるといえる。そして、本実施例の製造方法で製造し
た集電体40,50(集電体40A,50Aおよび集電
体40B,50B)は、集電体として必要な高い導電性
や機械強度等の特性を備えるといえる。しかも、この集
電体40,50(集電体40A,50Aおよび集電体4
0B,50B)の製造に当たっては、従来必要であった
長期間の焼成や黒鉛化およびガス流路の切削加工等が一
切不要であり、流路溝を有する最終の所望形状の集電体
をネットシェイプにより得ることができる。
燃料電池10(実施例電池A,B)は、従来の固体高分
子型燃料電池と比べても電池特性上なんら遜色ないもの
であるといえる。そして、本実施例の製造方法で製造し
た集電体40,50(集電体40A,50Aおよび集電
体40B,50B)は、集電体として必要な高い導電性
や機械強度等の特性を備えるといえる。しかも、この集
電体40,50(集電体40A,50Aおよび集電体4
0B,50B)の製造に当たっては、従来必要であった
長期間の焼成や黒鉛化およびガス流路の切削加工等が一
切不要であり、流路溝を有する最終の所望形状の集電体
をネットシェイプにより得ることができる。
【0051】従って、本実施例によれば、集電体として
必要な高い導電性や機械強度等の特性を備えた集電体を
高い生産性で製造できる。しかも、長期間の焼成や黒鉛
化およびガス流路の切削加工等の省略を通して、工期短
縮は勿論、工程数の低減とそれに伴うコスト低減を図る
ことができる。
必要な高い導電性や機械強度等の特性を備えた集電体を
高い生産性で製造できる。しかも、長期間の焼成や黒鉛
化およびガス流路の切削加工等の省略を通して、工期短
縮は勿論、工程数の低減とそれに伴うコスト低減を図る
ことができる。
【0052】また、第1の製造方法によれば、熱膨張黒
鉛の充填に加え、集電体40,50上面のリブ42,流
路溝45の表面に熱膨張黒鉛からなる黒鉛層44を形成
するので、集電体自体の固有抵抗値の低下とアノード2
0,カソード30との接触抵抗の低下を通して、電池特
性(I−V特性)の向上を図ることができる。しかも、
第1の製造方法によれば、3次元網目状構造体ニッケル
74の空隙への充填物を熱膨張黒鉛としたので、熱膨張
黒鉛自体の有するガス不透過性により、集電体自体につ
いても高いガス不透過性を発現させる。このため、第1
の製造方法で製造した集電体を用いた固体高分子型燃料
電池10では、セルを区画するセパレータ60が不要と
なり、小型・軽量化を図ることができる。
鉛の充填に加え、集電体40,50上面のリブ42,流
路溝45の表面に熱膨張黒鉛からなる黒鉛層44を形成
するので、集電体自体の固有抵抗値の低下とアノード2
0,カソード30との接触抵抗の低下を通して、電池特
性(I−V特性)の向上を図ることができる。しかも、
第1の製造方法によれば、3次元網目状構造体ニッケル
74の空隙への充填物を熱膨張黒鉛としたので、熱膨張
黒鉛自体の有するガス不透過性により、集電体自体につ
いても高いガス不透過性を発現させる。このため、第1
の製造方法で製造した集電体を用いた固体高分子型燃料
電池10では、セルを区画するセパレータ60が不要と
なり、小型・軽量化を図ることができる。
【0053】また、第2の製造方法によれば、カーボン
ブラックの射出充填により集電体自体の機械強度を向上
させる。このため、第2の製造方法で製造した集電体を
用いた固体高分子型燃料電池10では、アノード20と
カソード30との間のガス差圧やセル内外の差圧に基づ
き高い応力が発生しても、当該応力に対する耐久性を高
めることができる。
ブラックの射出充填により集電体自体の機械強度を向上
させる。このため、第2の製造方法で製造した集電体を
用いた固体高分子型燃料電池10では、アノード20と
カソード30との間のガス差圧やセル内外の差圧に基づ
き高い応力が発生しても、当該応力に対する耐久性を高
めることができる。
【0054】更に、第1,第2の製造方法とも、汎用の
プレスや射出成形装置を用いればよく特別な装置を必要
としないので、新たな設備投資を招くことはなく、この
点からもコスト低減を図ることができる。また、第1,
第2の製造方法とも、流路溝を有する最終の所望形状の
集電体をネットシェイプにより得ることができるので、
流路溝の深さ,ピッチ等は勿論、集電体自体の厚みやそ
の形状についての設計自由度の向上を図ることができ
る。そして、集電体の薄葉化により固体高分子型燃料電
池10の小型化を図ることもできる。
プレスや射出成形装置を用いればよく特別な装置を必要
としないので、新たな設備投資を招くことはなく、この
点からもコスト低減を図ることができる。また、第1,
第2の製造方法とも、流路溝を有する最終の所望形状の
集電体をネットシェイプにより得ることができるので、
流路溝の深さ,ピッチ等は勿論、集電体自体の厚みやそ
の形状についての設計自由度の向上を図ることができ
る。そして、集電体の薄葉化により固体高分子型燃料電
池10の小型化を図ることもできる。
【0055】以上本発明のいくつかの実施例について説
明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0056】例えば、上記した実施例では、集電体4
0,50をアノード20側又はカソード30側にのみガ
ス供給用の流路溝を有するものとしたが、これに限るわ
けではない。より具体的には、第1の製造方法により、
集電体40,50を3次元網目状構造体ニッケル74
(圧縮成形)の空隙に熱膨張黒鉛を充填して製造した場
合には、集電体40,50はガス不透過となる。そし
て、このようにガス不透過の集電体とすれば各セルを区
画するセパレータ60が不要となる。この場合には、集
電体40,50をその両側に流路溝を有するものとする
こともできる。そして、両側に流路溝を有する集電体を
製造するには、成形型の上型と下型とをこの流路溝形成
用の金型面を有する金型とし、当該成形型を用いればよ
い。
0,50をアノード20側又はカソード30側にのみガ
ス供給用の流路溝を有するものとしたが、これに限るわ
けではない。より具体的には、第1の製造方法により、
集電体40,50を3次元網目状構造体ニッケル74
(圧縮成形)の空隙に熱膨張黒鉛を充填して製造した場
合には、集電体40,50はガス不透過となる。そし
て、このようにガス不透過の集電体とすれば各セルを区
画するセパレータ60が不要となる。この場合には、集
電体40,50をその両側に流路溝を有するものとする
こともできる。そして、両側に流路溝を有する集電体を
製造するには、成形型の上型と下型とをこの流路溝形成
用の金型面を有する金型とし、当該成形型を用いればよ
い。
【0057】また、3次元網目状構造物として、発泡ウ
レタンへのニッケルの電気メッキを経た製造した3次元
網目状構造体ニッケル74を採用した。しかし、この3
次元網目状構造物をニッケル以外の高導電性材料、例え
ば銀等を発泡ウレタンに電気メッキして製造した3次元
網目状構造物とすることもできる。更には、ニッケル等
の高導電性材料の極小径の線材を織り込む等の手法によ
り3次元網目状に絡ませた構造物や、高導電性材料の極
小径の線材を編み込んだメッシュ体を積層した構造物
を、3次元網目状構造物とすることもできる。
レタンへのニッケルの電気メッキを経た製造した3次元
網目状構造体ニッケル74を採用した。しかし、この3
次元網目状構造物をニッケル以外の高導電性材料、例え
ば銀等を発泡ウレタンに電気メッキして製造した3次元
網目状構造物とすることもできる。更には、ニッケル等
の高導電性材料の極小径の線材を織り込む等の手法によ
り3次元網目状に絡ませた構造物や、高導電性材料の極
小径の線材を編み込んだメッシュ体を積層した構造物
を、3次元網目状構造物とすることもできる。
【0058】また、上記した実施例では、その製造した
集電体を固体高分子型燃料電池に用いた場合を例に採り
説明したが、固体電解質型燃料電池の集電体として用い
ることもできることは勿論である。
集電体を固体高分子型燃料電池に用いた場合を例に採り
説明したが、固体電解質型燃料電池の集電体として用い
ることもできることは勿論である。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の燃
料電池用集電体では、ガス流路を有する形状の集電体基
材を高導電性材料からなる3次元網目状構造物とし、こ
の構造物の空隙には導電性を有する集電体材料を充填す
る。このため、請求項1記載の燃料電池用集電体は、3
次元網目状構造物の集電体基材を材とする複合材として
の構造を有する。しかも、集電体基材は3次元網目状構
造物であるため、ガス流路を有する形状とするに当た
り、3次元網目状構造物の変形性を利用して型形成等に
よるネットシェイプ加工を採ることができ、エンドミ
ル,フライス等の切削加工を要しない。この結果、請求
項1記載の燃料電池用集電体は、集電体として必要な高
い導電性や機械強度等の特性を備え、生産性に富んだ集
電体となる。
料電池用集電体では、ガス流路を有する形状の集電体基
材を高導電性材料からなる3次元網目状構造物とし、こ
の構造物の空隙には導電性を有する集電体材料を充填す
る。このため、請求項1記載の燃料電池用集電体は、3
次元網目状構造物の集電体基材を材とする複合材として
の構造を有する。しかも、集電体基材は3次元網目状構
造物であるため、ガス流路を有する形状とするに当た
り、3次元網目状構造物の変形性を利用して型形成等に
よるネットシェイプ加工を採ることができ、エンドミ
ル,フライス等の切削加工を要しない。この結果、請求
項1記載の燃料電池用集電体は、集電体として必要な高
い導電性や機械強度等の特性を備え、生産性に富んだ集
電体となる。
【0060】請求項2ないし請求項4記載の燃料電池用
集電体の製造方法では、ガス流路形成用の金型の形状を
3次元網目状構造物に転写し、ガス流路を形成する。そ
の一方、型成形される構造物の空隙にはその成形型を用
いて集電体材料を充填する。よって、エンドミル,フラ
イス等の切削加工ではなく、成形型を用いた型形成によ
るネットシェイプ加工を経てガス流路形成が完成する。
このため、請求項2ないし請求項4記載の燃料電池用集
電体の製造方法によれば、燃料電池用集電体を高い生産
性で容易に製造することができる。
集電体の製造方法では、ガス流路形成用の金型の形状を
3次元網目状構造物に転写し、ガス流路を形成する。そ
の一方、型成形される構造物の空隙にはその成形型を用
いて集電体材料を充填する。よって、エンドミル,フラ
イス等の切削加工ではなく、成形型を用いた型形成によ
るネットシェイプ加工を経てガス流路形成が完成する。
このため、請求項2ないし請求項4記載の燃料電池用集
電体の製造方法によれば、燃料電池用集電体を高い生産
性で容易に製造することができる。
【0061】請求項3および請求項4記載の燃料電池用
集電体の製造方法によれば、集電体材料の充填を、成形
型の型締めや成形型への集電体材料の射出といった従来
から周知の工程で行なうことができる。このため、燃料
電池用集電体をより容易に製造することができる。
集電体の製造方法によれば、集電体材料の充填を、成形
型の型締めや成形型への集電体材料の射出といった従来
から周知の工程で行なうことができる。このため、燃料
電池用集電体をより容易に製造することができる。
【図1】実施例にかかる固体高分子型燃料電池10のセ
ル構造の模式図。
ル構造の模式図。
【図2】実施例における集電体の第1の製造方法の工程
を説明するための説明図。
を説明するための説明図。
【図3】同じく第1の製造方法の工程を説明するための
説明図。
説明図。
【図4】同じく第1の製造方法の工程と製造された集電
体を説明するための説明図。
体を説明するための説明図。
【図5】製造された集電体の表面の一部領域を拡大して
模式的に示す拡大模式図。
模式的に示す拡大模式図。
【図6】実施例における集電体の第2の製造方法の工程
を説明するための説明図。
を説明するための説明図。
【図7】同じく集電体の第2の製造方法の工程を説明す
るための説明図。
るための説明図。
【図8】同じく集電体の第2の製造方法の工程を説明す
るための説明図。
るための説明図。
【図9】実施例の固体高分子型燃料電池10(実施例電
池A,B)と従来の燃料電池との評価を説明するための
グラフ。
池A,B)と従来の燃料電池との評価を説明するための
グラフ。
10…固体高分子型燃料電池 12…電解質膜 20…アノード 22…アノード側触媒層 30…カソード 32…カソード側触媒層 40,50…集電体 42…リブ 44…黒鉛層 45,55…流路溝 52…リブ 55…流路溝 60…セパレータ 70…下型 74…3次元網目状構造体ニッケル 78…上型 80…雌型 82…雄型 90…射出成形装置 94…加熱シリンダ 96…射出ノズル 98…射出シリンダ
Claims (4)
- 【請求項1】 電解質膜を挟持する一対の電極に接触
し、該一対の電極からの集電に用いられると共に、前記
電極側にガス供給用のガス流路を有する燃料電池用集電
体であって、 高導電性材料からなる3次元網目状構造物を前記ガス流
路を有する形状の集電体基材とし、該集電体基材におけ
る前記3次元網目状構造物の空隙に導電性を有する集電
体材料を充填してなることを特徴とする燃料電池用集電
体。 - 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池用集電体の製造
方法であって、 高導電性材料を3次元的に絡ませて製造された前記3次
元網目状構造物を準備する工程と、 前記ガス流路形成用の金型を有する成形型を用いて、該
準備した構造物の前記ガス流路を有する形状への型成形
と、該型成形される構造物の空隙への前記集電体材料の
充填とを行なう工程とを備えることを特徴とする燃料電
池用集電体の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の燃料電池用集電体の製造
方法であって、 前記成形型を用いて型成形と充填とを行なう工程は、 前記集電体材料を、前記成形型の型締めにより前記構造
物の空隙に圧縮充填する工程を有する燃料電池用集電体
の製造方法。 - 【請求項4】 請求項2記載の燃料電池用集電体の製造
方法であって、 前記成形型を用いて型成形と充填とを行なう工程は、 前記集電体材料を、前記成形型内において前記構造物の
空隙に射出充填する工程を有する燃料電池用集電体の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7039095A JPH08213035A (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 燃料電池用集電体とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7039095A JPH08213035A (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 燃料電池用集電体とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08213035A true JPH08213035A (ja) | 1996-08-20 |
Family
ID=12543530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7039095A Pending JPH08213035A (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 燃料電池用集電体とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08213035A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008177047A (ja) * | 2007-01-18 | 2008-07-31 | Mitsubishi Materials Corp | 燃料電池 |
JP2014089893A (ja) * | 2012-10-30 | 2014-05-15 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 燃料電池 |
-
1995
- 1995-02-02 JP JP7039095A patent/JPH08213035A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008177047A (ja) * | 2007-01-18 | 2008-07-31 | Mitsubishi Materials Corp | 燃料電池 |
JP2014089893A (ja) * | 2012-10-30 | 2014-05-15 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 燃料電池 |
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