JPH08212604A - 情報記録再生装置及び情報記録再生方法 - Google Patents

情報記録再生装置及び情報記録再生方法

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JPH08212604A
JPH08212604A JP7008453A JP845395A JPH08212604A JP H08212604 A JPH08212604 A JP H08212604A JP 7008453 A JP7008453 A JP 7008453A JP 845395 A JP845395 A JP 845395A JP H08212604 A JPH08212604 A JP H08212604A
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JP
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recording medium
recording
conductive probe
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information recording
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Application number
JP7008453A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kado
博行 加道
Takao Toda
隆夫 任田
Osamu Kusumoto
修 楠本
Kazuo Yokoyama
和夫 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B2005/0002Special dispositions or recording techniques
    • G11B2005/0005Arrangements, methods or circuits
    • G11B2005/0021Thermally assisted recording using an auxiliary energy source for heating the recording layer locally to assist the magnetization reversal

Abstract

(57)【要約】 【目的】 走査型探針顕微鏡技術を応用し、1Tbit
/inch2 以上の超高密度でしかも記録安定性が高
く、また、高精度かつ高速に再生を行うことのできる情
報記録再生装置及び情報記録再生方法を提供する。 【構成】 白金薄膜からなる導電性基体1の上に、相変
化材料であるアモルファス状態のGeSb2 Te4 薄膜
2を形成し、これを記録媒体3として用いる。導電性探
針4を、SiN薄膜によって作製したカンチレバー6の
先端部に一体に形成すると共に、記録媒体3に対向して
配置する。また、記録媒体を、窒素を充填したボックス
5内に設置する。カンチレバー6を、X、Y及びZ方向
に精密駆動可能なアクチュエーター7に取り付ける。ま
た、導電性探針4を、保護抵抗9を介して電源8に接続
する。導電性探針4と記録媒体3との間に流れる電流
を、記録媒体3に接続した電流増幅器10を介して出力
端子12により検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型探針顕微鏡(以
下「SPM」という)技術を応用した情報記録再生装置
及び情報記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、走査トンネル顕微鏡(以下「ST
M」という)や原子間力顕微鏡(以下「AFM」とい
う)等を含むSPM技術を応用した超高密度記録方法が
提案されている。SPMによって記録媒体の表面形状に
変化を起こさせたり、記録媒体の表面の物理的性質に変
化を与える方法として、探針を直接記録媒体に押し付け
る機械的加工法、探針と基板との間に強電界を発生させ
て探針材料を記録媒体表面に堆積させたり、記録媒体表
面から物質を除去する電界蒸発法等が知られている。こ
れらの記録方法によれば、いずれの場合でも記録密度を
1Tbit/inch2 以上に超高密度化する可能性が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、これらの情
報記録再生技術は加工安定性の面で問題が多い。例え
ば、電界蒸発法を用いる場合、記録媒体あるいは探針材
料を電界蒸発させるために必要なかつ十分な電界を発生
させるべく、探針と記録媒体との間に比較的大きな電圧
を印加する必要がある。しかし、探針と記録媒体との間
に高電圧を印加する条件の下では、記録媒体に情報を記
録する際、探針の先端形状が記録するたびに変化するた
め、探針の寿命が課題となり、安定した情報記録を実現
するには至っていない。
【0004】一方、上記電界蒸発法の問題点を解決する
方法として、例えば、"Appl. Phys.Lett., Vol.61, No.
8, 24 August 1992, pp.1003-1005" に記載されている
ように、記録媒体に接触させた探針をレーザー光で加熱
し、PMMA表面を形状変化させる方法が提案されてい
る。この方法によれば、探針からの熱エネルギーを利用
して記録媒体に情報記録を行うため、探針と記録媒体と
の間に電圧を印加する必要はなく、探針の寿命を延ばす
ことが可能である。しかし、この方法では、情報記録速
度は探針の加熱速度及び冷却速度に律速され、100k
Hz程度が限界となっている。
【0005】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するため、SPM技術を応用し、1Tbit/inc
2 以上の超高密度でしかも記録安定性が高く、また、
高精度かつ高速に再生を行うことができる情報記録再生
装置及び情報記録再生方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る情報記録再生装置の構成は、相変化材
料、形状変化材料及び磁性材料から選ばれる少なくとも
1つを含む無機記録媒体と、前記記録媒体の表面に接近
又は接触し、前記記録媒体に対して相対的に移動可能な
導電性探針とを備え、前記導電性探針が接近又は接触す
る前記記録媒体上の領域を加熱することにより、前記領
域の状態を変化させて前記記録媒体上に情報を記録する
ようにしたものである。
【0007】また、本発明に係る情報記録再生方法は、
相変化材料、形状変化材料及び磁性材料から選ばれる少
なくとも1つを含む無機記録媒体の表面に導電性探針を
接近又は接触させ、前記導電性探針が接近又は接触する
前記記録媒体上の所定の領域を加熱することにより、前
記導電性探針が接近又は接触する前記記録媒体上の領域
の状態を変化させて前記記録媒体上に情報を記録するよ
うにしたものである。
【0008】また、前記本発明装置の構成においては、
記録媒体を予め所定の温度に加熱する記録媒体加熱手段
がさらに備わっているのが好ましい。また、前記本発明
方法の構成においては、記録媒体を予め所定の温度に加
熱した状態で、導電性探針が接近又は接触する前記記録
媒体上の所定の領域を追加熱することにより、前記導電
性探針が接近又は接触する前記記録媒体上の領域の状態
を変化させて前記記録媒体上に情報を記録するのが好ま
しい。
【0009】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成においては、導電性探針と記録媒体との間
に電圧を印加することにより、前記導電性探針が接触す
る前記記録媒体上の領域を加熱するのが好ましい。
【0010】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成においては、導電性探針が接近又は接触す
る記録媒体上の領域に光を照射することにより、前記領
域を加熱するのが好ましい。また、この場合には、光照
射手段が、レーザー素子と、前記レーザー素子からのレ
ーザー光を記録媒体に集光する光学系とを有するのが好
ましい。
【0011】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成においては、導電性探針が接近又は接触す
る記録媒体上の領域を、加熱された前記導電性探針によ
って加熱するのが好ましい。また、この場合には、光を
導電性探針に照射することにより、前記導電性探針を加
熱するのが好ましい。この場合には、さらに、光照射手
段が、レーザー素子と、前記レーザー素子からのレーザ
ー光を記録媒体に集光する光学系とを有するのが好まし
い。また、この場合には、導電性探針の加熱手段が、前
記導電性探針の近傍に設けられたヒーターであるのが好
ましい。また、この場合には、記録操作中、導電性探針
を常時加熱しておくと共に、前記導電性探針と前記記録
媒体とを通常離反させておき、記録時に前記導電性探針
を前記記録媒体の表面に接近又は接触させるのが好まし
い。また、この場合には、導電性探針を常時記録媒体の
表面に接近又は接触させておき、前記導電性探針が前記
記録媒体上の所定の記録位置に到達した時点で、前記導
電性探針を所定時間所定温度に加熱するのが好ましい。
【0012】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成においては、相変化材料の状態変化が第1
の相から第2の相への変化であるのが好ましい。また、
この場合には、相変化材料である記録媒体は最初アモル
ファス状態にあり、前記記録媒体の所定の領域を前記相
変化材料の結晶化時間よりも長い時間、前記記録媒体の
結晶化温度以上でかつ融点以下の温度に加熱し、前記所
定の領域をアモルファス状態から結晶状態へ相変化させ
ることにより、情報を記録するのが好ましい。また、こ
の場合には、相変化材料である記録媒体は最初結晶状態
にあり、前記記録媒体の所定の領域を前記相変化材料の
融点以上の温度に加熱し、前記所定の領域を結晶状態か
らアモルファス状態へ相変化させることにより、情報を
記録するのが好ましい。
【0013】また、前記本発明装置の構成においては、
相変化材料が、Ge、Sb、Te、Sn、Ga、Se、
Pb、Bi及びInから選ばれる少なくとも1つを含む
材料であるのが好ましい。また、この場合には、相変化
材料を加熱するときの前記相変化材料のまわりの雰囲気
が非酸化雰囲気であるのが好ましい。
【0014】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成においては、磁性材料である記録媒体の状
態変化が磁化方向の変化であるのが好ましい。また、こ
の場合には、記録媒体の加熱温度が、磁性材料の磁化方
向を反転させることのできる温度以上の温度であるのが
好ましい。また、この場合には、記録媒体に磁界を印加
するための磁界発生手段がさらに備わっているのが好ま
しい。また、この場合には、記録媒体のうち少なくとも
記録する領域に外部から磁界を印加するのが好ましい。
【0015】また、前記本発明装置の構成においては、
磁性材料が、GdCo、GdFe、TbFe、DyF
e、GdFeBi、GdTbFe、GdFeCo、Gd
TbFeCoのアモルファス系の磁性材料、MnBi、
MnCuBi、MnAlGe、PtCo、CrO2 、C
oCr、EuO、PtMnSb、HfTaFe、CoC
rFeO4 、BiAlGdIG、BiGaYIGの多結
晶系の磁性材料及びGdIG、BiSmErGaIGの
単結晶系の磁性材料から選ばれる少なくとも1種類を含
む材料であるのが好ましい。
【0016】また、前記本発明装置の構成においては、
形状変化材料が、熱可塑性材料、Cu、Ag、Au、Z
n、Cd、Ga、In、Eu、Gd、Ti、Ge、P
b、Sb、Bi、Teの金属又はこれらを組み合わせた
合金、酸化物材料及び炭化物材料から選ばれる1つであ
るのが好ましい。
【0017】また、前記本発明装置の構成においては、
固定端と自由端を有するカンチレバーがさらに備わり、
導電性探針が前記カンチレバーの自由端に設けられてい
るのが好ましい。また、この場合には、導電性探針とカ
ンチレバーとが一体に形成され、前記導電性探針は前記
カンチレバーの自由端側の先端を略直角に折り曲げたも
のであるのが好ましい。また、この場合には、導電性探
針の少なくとも先端部が透磁率の大きい導電性磁性材料
で構成されているのが好ましい。また、この場合には、
導電性探針を記録媒体表面に接近又は接触させたときに
生じるカンチレバーの変位を検出する機構がさらに備わ
っているのが好ましい。この場合には、さらに、導電性
探針が磁性材料を含んでいるのが好ましい。
【0018】また、前記本発明装置の構成においては、
記録媒体が、所定の軸を中心軸として回転する円筒状又
は円柱状の回転体の円筒面又は円柱面に設けられ、前記
記録媒体の表面を記録面とするのが好ましい。また、こ
の場合には、固定端と自由端を有するカンチレバーがさ
らに備わり、導電性探針が前記カンチレバーの自由端に
設けられ、かつ、前記カンチレバーの変位を検出する手
段と、前記導電性探針を記録面に垂直な方向及び回転体
の中心軸方向に相対的に移動させる手段とがさらに備わ
っているのが好ましい。また、この場合には、固定端と
自由端を有するカンチレバーがさらに備わり、導電性探
針が前記カンチレバーの自由端に設けられ、かつ、前記
カンチレバーの固定端と自由端を結ぶ方向が、回転体の
中心軸方向とほぼ直交するのが好ましい。また、この場
合には、回転体を構成する材料の室温での熱膨脹係数
が、3×10-6/℃以下であるのが好ましい。
【0019】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成においては、記録媒体の表面に接近又は接
触させた導電性探針を用いて、記録された情報を再生す
るのが好ましい。また、この場合には、記録媒体の電導
度を測定することにより、情報を再生するのが好まし
い。この場合には、さらに、記録媒体の電導度を測定す
る手段が、導電性探針と前記記録媒体との間に電圧を印
加する電圧印加装置と、前記導電性探針と前記記録媒体
との間に流れる電流を検出する電流検出装置とを有し、
前記記録媒体の表面に接触させた前記導電性探針と前記
記録媒体との間に前記電圧印加装置によって電圧を印加
し、前記導電性探針と前記記録媒体との間に流れる電流
を前記電流検出装置によって検出することにより、前記
記録媒体の導電度を測定するのが好ましく、さらには、
導電性探針と記録媒体との間に流れる電流によって加熱
される前記導電性探針及び前記記録媒体の温度が前記記
録媒体の状態を変化させる温度以下となるように、前記
導電性探針と前記記録媒体との間に所定の電圧を印加す
るのが好ましい。この場合には、さらに、導電性探針と
記録媒体との間に電圧を印加し、前記導電性探針と前記
記録媒体との間に流れる電流を検出することにより、前
記記録媒体の電導度を測定するのが好ましく、さらに
は、導電性探針と記録媒体との間に流れる電流によって
加熱される前記導電性探針及び前記記録媒体の温度が前
記記録媒体の状態を変化させる温度以下の温度となるよ
うに、前記導電性探針と前記記録媒体との間に所定の電
圧を印加するのが好ましい。また、この場合には、記録
媒体の表面の形状を測定することにより、情報を再生す
るのが好ましい。この場合には、さらに、記録媒体の表
面の形状を測定する手段が、導電性探針の位置を検出す
る位置検出装置を有し、前記記録媒体の表面に接触させ
た前記導電性探針の位置を前記位置検出装置によって検
出することにより、前記記録媒体の表面の形状を測定す
るのが好ましい。また、この場合には、導電性探針と記
録媒体との間に作用する力の変化を検出することによ
り、情報を再生するのが好ましい。この場合には、さら
に、固定端と自由端を有するカンチレバーがさらに備わ
り、導電性探針が前記カンチレバーの自由端に設けら
れ、かつ、導電性探針と記録媒体との間に作用する力の
変化が、前記カンチレバーのたわみによって検出される
のが好ましい。また、この場合には、記録媒体の磁化方
向を測定することにより、情報を再生するのが好まし
い。この場合には、さらに、記録媒体の磁化方向を測定
する手段が、導電性探針と記録媒体との間の磁気力を検
出する磁気力検出装置を有し、前記記録媒体の表面に接
近又は接触させた前記導電性探針と前記記録媒体との間
の磁気力を前記磁気力検出装置によって検出することに
より、前記記録媒体の磁化方向を測定するのが好まし
い。また、この場合には、導電性探針と記録媒体との間
に発生する磁気力を検出することにより、磁化方向反転
によって記録された情報を再生するのが好ましい。
【0020】また、前記本発明装置の構成においては、
記録媒体表面にレーザー光を照射する手段と、前記レー
ザー光を検出する手段とがさらに備わっているのが好ま
しい。
【0021】また、前記本発明方法の構成においては、
記録媒体表面にレーザー光を照射し、前記記録媒体から
の反射光を検出することにより、記録された情報を再生
するのが好ましい。
【0022】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成においては、導電性探針が接近又は接触す
る記録媒体上の記録部分を加熱することにより、前記記
録部分の状態を変化させて情報を消去するのが好まし
い。また、この場合には、導電性探針と記録媒体との間
に電圧を印加することにより、前記導電性探針が接触す
る前記記録媒体上の領域を加熱するのが好ましい。ま
た、この場合には、導電性探針が接近又は接触する記録
媒体上の領域に光を照射することにより、前記領域を加
熱するのが好ましい。この場合には、さらに、光照射手
段が、レーザー素子と、前記レーザー素子からのレーザ
ー光を記録媒体に集光する光学系とを有するのが好まし
い。また、この場合には、導電性探針が接近又は接触す
る記録媒体上の領域を、加熱された前記導電性探針によ
って加熱するのが好ましい。この場合には、さらに、光
を導電性探針に照射することにより、前記導電性探針を
加熱するのが好ましく、さらには、光照射手段が、レー
ザー素子と、前記レーザー素子からのレーザー光を記録
媒体に集光する光学系とを有するのが好ましい。
【0023】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成において、相変化材料の状態変化が第1の
相から第2の相への変化である場合には、結晶状態で記
録された記録媒体上の記録部分を前記記録媒体の融点以
上の温度に加熱し、前記記録部分を結晶状態からアモル
ファス状態へ相変化させることにより、情報を消去する
のが好ましい。また、アモルファス状態で記録された記
録媒体上の記録部分を結晶化時間よりも長い時間前記記
録媒体の結晶化温度以上でかつ融点以下の温度に加熱
し、前記記録部分をアモルファス状態から結晶状態へ相
変化させることにより、情報を消去するのが好ましい。
【0024】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成において、磁性材料である記録媒体の状態
変化が磁化方向の変化である場合には、導電性探針と記
録媒体との間に所定の電流を発生させる電圧を印加し、
磁性材料の磁化方向を反転させることのできる温度以上
に加熱することにより、前記磁性材料の磁化方向を反転
させて情報を消去するのが好ましい。
【0025】
【作用】前記本発明装置の構成によれば、相変化材料、
形状変化材料及び磁性材料から選ばれる少なくとも1つ
を含む無機記録媒体と、前記記録媒体の表面に接近又は
接触し、前記記録媒体に対して相対的に移動可能な導電
性探針とを備え、前記導電性探針が接近又は接触する前
記記録媒体上の領域を加熱することにより、前記領域の
状態を変化させて前記記録媒体上に情報を記録するもの
であるため、前記記録媒体の相状態(例えば、結晶状態
とアモルファス状態)、表面形状(凹凸)あるいは磁化
方向などを変化させることによって前記記録媒体上に容
易に情報を記録することのできる情報記録再生装置を実
現することができる。また、この場合、先端曲率半径の
小さい探針を用いることにより、記録する情報の高密度
化を図ることもできる。
【0026】また、前記本発明方法の構成によれば、相
変化材料、形状変化材料及び磁性材料から選ばれる少な
くとも1つを含む無機記録媒体の表面に導電性探針を接
近又は接触させ、前記導電性探針が接近又は接触する前
記記録媒体上の所定の領域を加熱することにより、前記
導電性探針が接近又は接触する前記記録媒体上の領域の
状態を変化させて前記記録媒体上に情報を記録するよう
にしたので、前記記録媒体の相状態(例えば、結晶状態
とアモルファス状態)、表面形状(凹凸)あるいは磁化
方向などを変化させることによって前記記録媒体上に容
易に情報を記録することができる。
【0027】また、前記本発明装置の構成において、記
録媒体を予め所定の温度に加熱する記録媒体加熱手段が
さらに備わっているという好ましい例によれば、以下の
ような作用を奏することができる。すなわち、例えば、
初期状態(情報が記録されていない状態)が結晶状態で
ある記録媒体に情報を記録しようとする場合、記録媒体
加熱手段によって記録媒体を予め結晶化温度以上に加熱
しておくことにより、以前に記録されていた情報をすべ
て消去することができる。その結果、以前に記録されて
いた情報を消去しながら新たな情報を記録する、いわゆ
るオーバーライト操作が可能となる。また、導電性探針
と記録媒体との間に電圧を印加することにより、前記導
電性探針が接触する前記記録媒体上の領域を加熱する場
合には、探針からの電流による抵抗加熱によって状態変
化を起こさせたい記録媒体の表面を、状態変化を起こさ
ない程度の温度まで、記録媒体加熱手段(例えば、レー
ザー光やヒーター)を用いて予め加熱した状態で、比較
的少ない電流による熱エネルギーを重畳することによ
り、記録媒体の表面の状態を変化させて情報を記録する
ことが可能となる。その結果、記録時に探針と記録媒体
との間に印加する電圧を低く抑えることが可能となるた
め、書き込み時間を短縮することができると共に、探針
の寿命を長くすることもできる。
【0028】また、前記本発明方法の構成において、記
録媒体を予め所定の温度に加熱した状態で、導電性探針
が接近又は接触する前記記録媒体上の所定の領域を追加
熱することにより、前記導電性探針が接近又は接触する
前記記録媒体上の領域の状態を変化させて前記記録媒体
上に情報を記録するという好ましい例によれば、導電性
探針が接近又は接触する前記記録媒体上の領域を、導電
性探針と記録媒体との間に電圧を印加することによって
加熱する場合に、探針からの電流による抵抗加熱によっ
て状態変化を起こさせたい記録媒体の表面を、状態変化
を起こさない程度の温度まで、別の手段、例えば、レー
ザー光やヒーターを用いて予め加熱した状態で、比較的
少ない電流による熱エネルギーを重畳することにより、
記録媒体の表面の状態を変化させて情報を記録すること
が可能となる。その結果、記録時に探針と記録媒体との
間に印加する電圧を低く抑えることが可能となるので、
書き込み時間を短縮することができると共に、探針の寿
命を長くすることもできる。
【0029】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成において、導電性探針と記録媒体との間に
電圧を印加することにより、前記導電性探針が接触する
前記記録媒体上の領域を加熱するという好ましい例によ
れば、加熱源を外部に設けることが可能となるため、前
記導電性探針及び記録媒体の周囲の構造が複雑になるこ
とはない。
【0030】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成において、導電性探針が接近又は接触する
記録媒体上の領域に光を照射することにより、前記領域
を加熱するという好ましい例によれば、記録媒体上の前
記領域を非接触で加熱することが可能となるため、加熱
機構を簡略化することができる。
【0031】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成において、導電性探針が接近又は接触する
記録媒体上の領域を、加熱された前記導電性探針によっ
て加熱するという好ましい例によれば、前記記録媒体に
情報を記録した後、前記探針を記録媒体から引き離して
記録媒体への加熱を中止するようにすることにより、探
針の加熱時間や冷却時間に記録速度を律速されることは
ないので、記録速度を上げることが可能となる。そし
て、探針と記録媒体との間に流れる電流のジュール熱を
用いて情報を記録する場合と異なり、探針と記録媒体と
の間に電圧を印加する必要はないので、探針の寿命を長
くすることができると共に、長期間にわたって安定に情
報を記録することができる。また、この場合、導電性探
針の加熱手段が、前記導電性探針の近傍に設けられたヒ
ーターであるという好ましい例によれば、加熱時間を短
縮することが可能となる。また、この場合、記録操作
中、導電性探針を常時加熱しておくと共に、前記導電性
探針と前記記録媒体とを通常離反させておき、記録時に
前記導電性探針を前記記録媒体の表面に接近又は接触さ
せるという好ましい例によれば、予め所定の温度に加熱
した探針を記録媒体の表面に接近又は接触させて情報を
記録し、情報を記録した後は記録媒体の表面から探針を
引き離すことによって加熱を中断することができる。こ
のため、探針の加熱時間や冷却時間に記録速度が律速さ
れることはなく、高速に記録することが可能となる。ま
た、この場合、導電性探針を常時記録媒体の表面に接近
又は接触させておき、前記導電性探針が前記記録媒体上
の所定の記録位置に到達した時点で、前記導電性探針を
所定時間所定温度に加熱するという好ましい例によれ
ば、探針からの熱伝導や熱輻射等による記録媒体の加熱
を防止することができる。例えば、相変化材料を含む記
録媒体を用い、アモルファス状態から結晶状態に相変化
させることにより情報を記録するように構成した場合
に、情報非記録時に探針からの熱伝導や熱輻射等によっ
て誤って情報が記録されるのを防止することが可能とな
る。
【0032】また、前記本発明装置又は前記本発明方法
の構成において、相変化材料の状態変化が第1の相から
第2の相への変化であるという好ましい例によれば、相
変化材料が熱によって安定に第1の相から第2の相へ変
化するため、情報の記録を安定に行うことができる。ま
た、この場合、相変化材料である記録媒体は最初アモル
ファス状態にあり、前記記録媒体の所定の領域を前記相
変化材料の結晶化時間よりも長い時間、前記記録媒体の
結晶化温度以上でかつ融点以下の温度に加熱し、前記所
定の領域をアモルファス状態から結晶状態へ相変化させ
ることにより、情報を記録するという好ましい例によれ
ば、情報を記録する領域が結晶相であるため、長期間安
定して情報を保存ししておくことが可能となる。また、
この場合、相変化材料である記録媒体は最初結晶状態に
あり、前記記録媒体の所定の領域を前記相変化材料の融
点以上の温度に加熱し、前記所定の領域を結晶状態から
アモルファス状態へ相変化させることにより、情報を記
録するという好ましい例によれば、情報を記録する領域
がアモルファス相であるため、結晶相の場合と異なり、
結晶化時間を待つ必要がないので、記録時間の短縮化、
すなわち記録の高速化が可能となる。
【0033】また、前記本発明装置の構成において、相
変化材料が、Ge、Sb、Te、Sn、Ga、Se、P
b、Bi及びInから選ばれる少なくとも1つを含む材
料であるという好ましい例によれば、高速で安定した相
変化を達成することができ、信頼性の高い情報記録を高
速で行うことができる。また、この場合、相変化材料を
加熱するときの前記相変化材料のまわりの雰囲気が非酸
化雰囲気であるという好ましい例によれば、記録媒体や
探針の劣化を防止することができると共に、温度変化に
対する安定性をも増すことができるので、長時間にわた
って安定に動作させることができる。
【0034】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成において、磁性材料である記録媒体の状態
変化が磁化方向の変化であるという好ましい例によれ
ば、記録媒体が磁性材料を含む場合、記録媒体をキュリ
ー温度以上に加熱することにより、磁化方向を変化させ
て情報を記録することができる。また、この場合、記録
媒体に磁界を印加するための磁界発生手段がさらに備わ
っているという好ましい例によれば、記録媒体のうち情
報を記録しようとする領域に磁界を印加することによ
り、記録媒体の磁化方向を確実に変化させることができ
るので、SN比の高い記録再生が可能な情報記録再生装
置を実現することができる。
【0035】また、前記本発明装置の構成において、形
状変化材料が、熱可塑性材料、Cu、Ag、Au、Z
n、Cd、Ga、In、Eu、Gd、Ti、Ge、P
b、Sb、Bi、Teの金属又はこれらを組み合わせた
合金、酸化物材料及び炭化物材料から選ばれる1つであ
るという好ましい例によれば、記録媒体の表面を加熱
し、形状変化材料の溶融、蒸散、昇華などによって記録
媒体の表面に孔等の形状変化を起こすことができるの
で、記録媒体への情報記録が容易になる。また、熱可塑
性材料、金属又は合金、酸化物材料及び炭化物材料等は
安価であるため、記録媒体を安価に作製することができ
る。また、前記本発明装置の構成において、固定端と自
由端を有するカンチレバーがさらに備わり、導電性探針
が前記カンチレバーの自由端に設けられているという好
ましい例によれば、探針が記録媒体表面の凸部等に衝突
しても、その衝撃をカンチレバーのたわみ等によって吸
収することができ、探針に大きな力が働くことはないの
で、探針や記録媒体が損傷を受けることはない。従っ
て、走査トンネル顕微鏡(STM)のように探針と記録
媒体表面の凸部等との衝突を防止するために探針の位置
を常に記録媒体表面の細かい凹凸に対応させて制御する
必要はないので、高速で記録再生を行うことができる。
また、この場合、導電性探針とカンチレバーとが一体に
形成され、前記導電性探針は前記カンチレバーの自由端
側の先端を略直角に折り曲げたものであるという好まし
い例によれば、導電性探針とカンチレバーを金属薄膜に
より形成することにより、記録媒体として磁性材料を含
むものを用いる場合に、カンチレバーの背部に磁界発生
手段を設けることができる。また、この場合、導電性探
針の少なくとも先端部が透磁率の大きい導電性磁性材料
で構成されているという好ましい例によれば、記録媒体
として磁性材料を含むものを用いる場合に、外部磁界、
又は情報を記録する微小領域のまわりの記録媒体によっ
て形成される磁界を探針の先端で集束させることができ
るので、情報の記録を確実に行うことができると共に、
ビット面積が小さく高密度化が可能な情報記録再生装置
を実現することができる。また、この場合、導電性探針
を記録媒体表面に接近又は接触させたときに生じるカン
チレバーの変位を検出する機構がさらに備わっていると
いう好ましい例によれば、記録媒体表面の形状を変化さ
せて記録した情報を、記録時と同じ探針を用いて再生す
ることのできる情報記録再生装置を実現することができ
る。この場合、さらに、導電性探針が磁性材料を含んで
いるという好ましい例によれば、磁化方向の変化を記録
時と同じ探針を用いて再生することができる。
【0036】また、前記本発明装置の構成において、記
録媒体が、所定の軸を中心軸として回転する円筒状又は
円柱状の回転体の円筒面又は円柱面に設けられ、前記記
録媒体の表面を記録面とするという好ましい例によれ
ば、記録媒体を回転させる際に、記録面の中心軸方向の
変動を小さく抑えることができる。その結果、トラッキ
ング制御を高速・高精度に行うことができる。また、こ
の場合、固定端と自由端を有するカンチレバーがさらに
備わり、導電性探針が前記カンチレバーの自由端に設け
られ、かつ、前記カンチレバーの変位を検出する手段
と、前記導電性探針を記録面に垂直な方向及び回転体の
中心軸方向に相対的に移動させる手段とがさらに備わっ
ているという好ましい例によれば、記録面に記録された
情報を記録面の微細構造の変化として検出し、読み出す
ことができる。また、この場合、固定端と自由端を有す
るカンチレバーがさらに備わり、導電性探針が前記カン
チレバーの自由端に設けられ、かつ、前記カンチレバー
の固定端と自由端を結ぶ方向が、回転体の中心軸方向と
ほぼ直交するという好ましい例によれば、情報を記録・
再生する際のエラーを低減することができる。また、こ
の場合、回転体を構成する材料の室温での熱膨脹係数
が、3×10-6/℃以下であるという好ましい例によれ
ば、回転体の温度に対する影響が極めて小さくなり、ト
ラッキングの安定性が向上する。
【0037】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成において、記録媒体の表面に接近又は接触
させた導電性探針を用いて、記録された情報を再生する
という好ましい例によれば、情報記録時と同じ探針を用
いることができるので、記録媒体まわりの構造を簡略化
することができる。また、この場合、記録媒体の電導度
を測定することにより、情報を再生するという好ましい
例によれば、GbSb 2 Te4 などの相変化材料が結晶
状態とアモルファス状態で電導度を異にすることから、
記録媒体として相変化材料を含むものを用いた場合に、
記録状態か未記録状態かを見分けて、情報の再生を確実
に行うことができる。この場合、さらに、記録媒体の電
導度を測定する手段が、導電性探針と前記記録媒体との
間に電圧を印加する電圧印加装置と、前記導電性探針と
前記記録媒体との間に流れる電流を検出する電流検出装
置とを有し、前記記録媒体の表面に接触させた前記導電
性探針と前記記録媒体との間に前記電圧印加装置によっ
て電圧を印加し、前記導電性探針と前記記録媒体との間
に流れる電流を前記電流検出装置によって検出すること
により、前記記録媒体の電導度を測定するという好まし
い例によれば、前記導電性探針と前記記録媒体との間に
流れる電流を検出することによって前記記録媒体の相状
態(結晶状態又はアモルファス状態)を見分けることが
可能となるので、記録された情報を容易に再生すること
ができる。さらに、導電性探針と記録媒体との間に流れ
る電流によって加熱される前記導電性探針及び前記記録
媒体の温度が前記記録媒体の状態を変化させる温度以下
となるように、前記導電性探針と前記記録媒体との間に
所定の電圧を印加するという好ましい例によれば、探針
を記録媒体に接近又は接触させても記録媒体の状態は変
化しないので、安定して情報を再生することが可能とな
る。また、この場合、記録媒体の表面の形状を測定する
ことにより、情報を再生するという好ましい例によれ
ば、GbSb2 Te 4 などの相変化材料が結晶状態とア
モルファス状態で形状を異にすることから、記録媒体と
して相変化材料を用いた場合に、記録状態か未記録状態
かを見分けて、情報の再生を確実に行うことができる。
この場合、さらに、記録媒体の表面の形状を測定する手
段が、導電性探針の位置を検出する位置検出装置を有
し、前記記録媒体の表面に接触させた前記導電性探針の
位置を前記位置検出装置によって検出することにより、
前記記録媒体の表面の形状を測定するという好ましい例
によれば、導電性探針の位置を検出することによって前
記記録媒体の相状態(結晶状態又はアモルファス状態)
を見分けることが可能となるので、記録された情報を容
易に再生することができる。また、この場合、導電性探
針と記録媒体との間に作用する力の変化を検出すること
により、情報を再生するという好ましい例によれば、記
録媒体の状態が変化した領域と変化していない領域と
で、探針の先端と記録媒体の表面との間に作用する引力
や斥力等の物理量が異なることから、記録媒体の表面の
形状が変化した領域と変化していない領域とを区別して
情報を再生することができる。この場合、さらに、固定
端と自由端を有するカンチレバーがさらに備わり、導電
性探針が前記カンチレバーの自由端に設けられ、かつ、
導電性探針と記録媒体との間に作用する力の変化が、前
記カンチレバーのたわみによって検出されるという好ま
しい例によれば、カンチレバーのたわみ量を、例えば、
カンチレバーの背面にレーザー光等を照射し、カンチレ
バーからの反射光を2分割フォトダイオード等によって
検出する、いわゆる光てこ法などを用いて測定すること
により、探針と記録媒体との間に作用する力を検出する
ことが可能である。また、この場合、記録媒体の磁化方
向を測定することにより、情報を再生するという好まし
い例によれば、Tb−Fe−Coなどの磁性材料が記録
状態と未記録状態で磁化方向を異にすることから、記録
媒体として磁性材料を用いた場合に、記録状態か未記録
状態かを見分けて、情報の再生を確実に行うことができ
る。この場合、さらに、記録媒体の磁化方向を測定する
手段が、導電性探針と記録媒体との間の磁気力を検出す
る磁気力検出装置を有し、前記記録媒体の表面に接近又
は接触させた前記導電性探針と前記記録媒体との間の磁
気力を前記磁気力検出装置によって検出することによ
り、前記記録媒体の磁化方向を測定するという好ましい
例によれば、探針と記録媒体との間の磁気力を検出する
ことによって前記記録媒体の状態(磁化方向の違い)を
見分けることが可能となるので、記録された情報を容易
に再生することができる。
【0038】また、前記本発明装置の構成において、記
録媒体表面にレーザー光を照射する手段と、前記レーザ
ー光を検出する手段とがさらに備わっているという好ま
しい例によれば、GbSb2 Te4 などの相変化材料が
結晶状態とアモルファス状態で屈折率を異にすることか
ら、記録媒体表面にレーザー光を照射し、その反射光を
検出することにより、結晶状態とアモルファス状態を見
分けることが可能となるので、記録された情報を容易に
再生することができる。
【0039】また、前記本発明装置の構成又は前記本発
明方法の構成において、導電性探針が接近又は接触する
記録媒体上の記録部分を加熱することにより、前記記録
部分の状態を変化させて情報を消去するという好ましい
例によれば、前記記録媒体の相状態(例えば、結晶状態
とアモルファス状態)や磁化方向などを変化させること
によって前記記録媒体上に記録された情報を容易に消去
することができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。 <第1の実施例>図1は本発明に係る情報記録再生装置
の第1の実施例を示す構成図である。図1に示すよう
に、厚さ100nmの白金薄膜からなる導電性基体1の
上には、相変化材料である厚さ20nmのアモルファス
状態のGeSb2 Te4 薄膜2が形成されており、これ
が記録媒体3として用いられている。記録媒体3に対向
して配置された導電性探針4は、SiN薄膜によって作
製されたカンチレバー6の先端部に一体に形成されてい
る。これにより、記録又は再生中に起こり得る記録媒体
3の表面との衝突による衝撃を和らげることができる。
また、カンチレバー6と導電性探針4の表面には、導電
性を安定させるために、厚さ30nmのCr薄膜と厚さ
70nmの金薄膜とが順次蒸着されている。ここで、導
電性探針4は、記録媒体3の表面に接触させた状態で設
置されている。また、記録媒体3は、表面の酸化を抑え
るために、窒素を充填したボックス5内に設置されてい
る。
【0041】カンチレバー6は、X方向、Y方向及びZ
方向に精密駆動可能なアクチュエーター7に取り付けら
れている。これにより、導電性探針4を記録媒体3の表
面に沿って0.1nm以下の精度で移動させることがで
きる。また、導電性探針4は、導電性探針4と記録媒体
3との間に電圧を印加することのできる電源8に20M
Ωの保護抵抗9を介して接続されている。導電性探針4
と記録媒体3との間に流れる電流は、記録媒体3に接続
された電流増幅器10を介して出力端子12によって検
出される。
【0042】以下、図1、図2を参照しながら、記録時
の動作について説明する。図2に、導電性探針4と記録
媒体3との間に0〜2Vの電圧を印加したときの電流
値、すなわち電圧−電流特性を示す。
【0043】図2に示すように、相変化材料であるGe
Sb2 Te4 は、情報記録前のアモルファス状態(a)
では高抵抗な性質を示す。また、記録後の結晶状態
(b)では、低抵抗な性質を示す。
【0044】導電性探針4は、アクチュエーター7によ
って記録媒体3の表面に接触しながら、面内方向に2m
m/secの速度で移動する。そして、導電性探針4が
記録すべき位置に達した瞬間に、電源8によって記録媒
体3と導電性探針4との間に2V、10μsecのパル
ス電圧を印加する。記録媒体3のうち導電性探針4との
接触部分11は、導電性探針4と記録媒体3との間に流
れる電流の抵抗加熱によって10μsecの間、約20
0℃に加熱され、アモルファス状態から結晶状態に相変
化する。これにより、記録媒体3に情報が記録される。
【0045】尚、相変化材料を結晶化する速度は、加熱
温度に依存する。例えば、GeSb 2 Te4 を相変化材
料として用いた場合、印加電圧を上げ、記録媒体3の表
面を400℃程度まで抵抗加熱すれば、記録時間を10
0nsec程度に短縮することができる。
【0046】次に、記録した情報の再生方法について説
明する。GeSb2 Te4 などの相変化材料では、結晶
状態とアモルファス状態で導電性が異なるため、この導
電性の変化を利用することにより、記録された情報を読
み取ることができる。すなわち、図1に示すように、導
電性探針4を記録媒体3の表面に接触させ、電源8によ
って導電性探針4と記録媒体との間に電圧を印加し、ア
クチュエーター7によって導電性探針4を記録媒体3の
表面に沿って移動させながら、記録媒体3と導電性探針
4との間に流れる電流を電流増幅器10を通して出力端
子12により検出すれば、結晶状態とアモルファス状態
とを見分けることができるので、記録された情報を読み
取ることができる。但し、この再生時の電流は、電流に
よる抵抗加熱によって記録媒体3が相変化を起こさない
程度の大きさである必要がある。GeSb2 Te4 の場
合には、流れる電流の抵抗加熱による記録媒体3の表面
の温度上昇が100℃以下となるような電圧、例えば
0.5Vを印加することによって情報の再生を行った。
【0047】図2に示すように、印加電圧を0.5Vに
設定した場合、流れる電流値は、結晶相ではIb、アモ
ルファス相ではIaとなるため、導電性探針4が位置す
る領域の電流値を検出すれば、データビットの状態が結
晶相かアモルファス相かを見分けることによって情報を
再生することができる。
【0048】この方法によって再生された記録部分1
1、すなわち結晶領域の大きさは、直径が約20nmの
円であった。記録ビットがこの程度の大きさの場合に
は、1Tbit/in2 程度の情報を記録することが可
能である。また、この記録ビットの大きさは、加熱され
る範囲、すなわち導電性探針4と記録媒体3との接触面
積に依存する。従って、先端曲率半径の小さい探針を用
いることにより、さらなる高密度化を図ることができ
る。
【0049】尚、本実施例においては、結晶状態とアモ
ルファス状態の導電性の違いを検出することによって情
報の再生を行っているが、必ずしもこの方法に限定され
るものではない。例えば、相変化に伴う記録媒体3の形
状の変化を検出することによっても、情報の再生を行う
ことができる。GeSb2 Te4 の場合には、アモルフ
ァス相から結晶相へ相変化することにより、数%の体積
増加が生じる。このような体積増加を検出するために
は、従来のAFM技術を利用する場合と同様に、カンチ
レバー6の変位を検出すればよい。この場合には、例え
ば、カンチレバー6の背面にレーザー光を照射し、その
反射光を2分割フォトダイオードによって検出する光て
こ法などを用いるのが有効である。
【0050】また、本実施例においては、相変化材料と
してGeSbTeを用いているが、必ずしもこれに限定
されるものではなく、Ge、Sb、Te、Sn、Ga、
Se、Pb、Bi及びInから選ばれる少なくとも1つ
を含んでいればよい。例えば、GeTe、GeTeS
n、SbTe、SbSe、SnTe、PbTe、BiS
e、GeSe、InSbTeなどの高速で安定した相変
化を達成することのできる化合物材料を用いることがで
きる。
【0051】また、記録時の印加電圧が6V以上になる
と、導電性探針4の金属皮膜がはがれるおそれがあるた
め、印加電圧は2〜6Vであるのが好ましい。また、本
実施例においては、酸化を抑えるために情報の記録再生
を窒素雰囲気中で行っているが、必ずしもこの構成に限
定されるものではなく、シリコンオイルなどの記録媒体
3及び導電性探針4に対して不活性な液体中で行っても
同様の効果を得ることができる。
【0052】図3に、大気中で導電性探針4と記録媒体
3との間に0〜3Vの電圧を印加したときの電流値、す
なわち電圧−電流特性を示す。作製された記録媒体3
は、大気中では、印加電圧が2V付近以下までは、10
MΩ以上の絶縁特性を示す。さらに、2V以上の電圧を
印加すると、導電性が急激に向上し、その後、2V以下
に電圧を下げても、記録媒体3の表面は絶縁特性を示さ
ず、電流は流れ続けた。
【0053】次に、図1、図4、図5を参照しながら、
記録された情報を消去する方法について説明する。一般
に、相変化材料をアモルファス状態から結晶状態に変化
させるには、相変化材料を結晶化温度以上融点以下に加
熱する。また、相変化材料を結晶状態からアモルファス
状態に変化させるには、相変化材料を融点以上に加熱す
る。GeTe2 Sb4 などの相変化材料では、結晶相と
アモルファス相が可逆的に変化する。従って、結晶状態
で記録した部分(記録部分)11を消去するには、記録
部分11を融点まで加熱し、急冷することにより、アモ
ルファス相に相変化させればよい。これにより、記録さ
れている情報を消去することができる。GeTe2 Sb
4 薄膜2の場合、その融点は約600℃であるため、導
電性探針4と記録媒体3との間に電圧を印加し、抵抗加
熱によってこの温度まで記録媒体3の記録部分11を加
熱すれば、GeTe2 Sb4 薄膜2は再びアモルファス
状態に戻るので、結晶状態で記録されたデータ・ビット
を消去することができる。
【0054】尚、図4に示すように、記録媒体3の記録
部分11に半導体レーザー(出力:30mW)75から
のレーザー光を照射し、記録部分11を昇温することに
よっても、データ・ビットを消去することができる。
【0055】また、本実施例においては、アモルファス
相から結晶相への相変化によって記録を行っているが、
逆に、結晶相からアモルファス相への相変化によって記
録を行うことも可能である。図5に、それぞれの相変化
記録の原理図を示す。一例として、記録時又は消去時に
おける導電性探針4からの熱伝導による記録媒体3の昇
温パターン及び導電性探針4と記録媒体3との間に流れ
る電流の電流加熱による記録媒体3の昇温パターンと、
記録前後のデータ・ビットとの関係を示している。図5
(a)は、データ・ビットが結晶相で形成される場合を
示している。すなわち、電流加熱によって記録媒体3が
結晶化温度以上融点以下に加熱され(昇温パターン10
1)、記録媒体3が結晶化することによりデータ・ビッ
ト103が形成される。また、電流加熱によって記録媒
体3が融点以上の温度に加熱され(昇温パターン10
2)、記録媒体3がアモルファス化することによりデー
タ・ビット104が消去される。この場合には、記録状
態として結晶状態を用いているため、結晶状態の安定性
により長期間にわたって安定にデータを記録することが
できる。
【0056】図5(b)、(c)は、記録されていたデ
ータ・ビットを消去しながら記録を行うオーバーライト
型の記録・消去方法を示している。図5(b)の場合
は、熱伝導によって結晶化温度以上融点以下に加熱した
後(昇温パターン105)、さらに電流加熱によって融
点以上に加熱することにより(昇温パターン106)、
データ・ビット107はアモルファス状態で記録され
る。また、記録されない部分も常に熱伝導によって結晶
化温度以上に加熱されているため(昇温パターン10
5)、以前に記録されていたデータ・ビット108はす
べて消去される。これにより、以前に記録されていたデ
ータ・ビット108を消去しながら、新たなデータ・ビ
ット107を記録する、いわゆるオーバーライト操作が
可能となる。また、図5(c)の場合は、熱伝導によっ
て結晶化温度以下に加熱した後(昇温パターン10
9)、さらに電流加熱によって結晶化温度以上融点以
下、融点以上の2通りの加熱を施すことにより(昇温パ
ターン110)、データ・ビット111はアモルファス
状態で記録される。また、記録されない部分も常に電流
加熱によって結晶化温度以上に加熱されているため、以
前に記録されていたデータ・ビット112はすべて消去
される。これにより、以前に記録されていたデータ・ビ
ット112を消去しながら、新たなデータ・ビット11
1を記録する、いわゆるオーバーライト操作が可能とな
る。この場合、記録時においては、結晶相からアモルフ
ァス相への変化となるので、記録動作の高速化が可能と
なる。
【0057】さらに、電流加熱によって記録媒体3を加
熱し、データビットを記録する方法としては、相変化材
料への相変化を利用する方法以外にも、熱可塑性材料や
Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Eu、G
d、Ti、Ge、Pb、Sb、Bi、Te等の金属又は
これらを組み合わせた合金、あるいは酸化物材料や炭化
物材料を記録媒体として用い、記録媒体の表面を本実施
例と同様の方法で加熱し、記録媒体の材料の溶融、蒸
散、昇華等によって、記録媒体の表面に孔等の形状変化
を起こす方法も考えられる。また、GdCo、GdF
e、TbFe、DyFe、GdFeBi、GdTbF
e、GdFeCo、GdTbFeCoのアモルファス系
の磁性材料、MnBi、MnCuBi、MnAlGe、
PtCo、CrO2 、CoCr、EuO、PtMnS
b、HfTaFe、CoCrFeO4 、BiAlGdI
G、BiGaYIG等の多結晶系の磁性材料や、GdI
G、BiSmErGaIG等の単結晶系の磁性材料を記
録媒体とし、記録媒体の表面を本実施例と同様の方法で
加熱し、磁化の方向を変化させる方法も考えられる。こ
の場合、導電性探針と記録媒体との間の磁気力をカンチ
レバーのたわみとして検出することにより、磁化の方向
を測定して情報を再生することができる。
【0058】<第2の実施例>図6は、本発明に係る情
報記録再生装置の第2の実施例を示す構成図である。図
6に示すように、ポリカーボネートの透明基体17の上
には、磁性材料である厚さ50nmのTb−Fe−Co
薄膜18が形成されており、これが記録媒体19として
用いられている。探針20としては、三角形のNi箔先
端を垂直に曲げたものが用いられており、記録媒体19
に対向して配置されている。Ni箔は磁気力顕微鏡のカ
ンチレバー21としても動作し、記録又は再生中に起こ
り得る記録媒体19の表面との衝突による衝撃を和ら
げ、また、記録媒体19の表面からの磁気力によるたわ
みを検出することにより、磁気的に記録されたデータビ
ットを読み取ることができる。カンチレバー21は、X
方向、Y方向及びZ方向に精密駆動可能なアクチュエー
ター22に取り付けられている。これにより、探針20
を記録媒体19の表面に沿って0.1nm以下の精度で
移動させることができる。探針20は、探針20と記録
媒体19との間に電圧を印加することのできる電源23
に接続されている。記録媒体19の裏面には、出力が5
mW程度のレーザー素子24と、レーザー素子24から
のレーザー光を記録媒体19の表面に集光し加熱するた
めの光学系25とが設置されている。また、カンチレバ
ー21の背面には、磁界発生装置26が設置されてお
り、これにより記録媒体19に磁界を印加することがで
きるようにされている。
【0059】以下、図6を参照しながら、記録時の動作
について説明する。記録媒体19は、常に磁界発生装置
26から800Oeの磁界を印加された状態にある。探
針20は、アクチュエータ22によって記録媒体19の
表面に接触しながら、面内方向に2mm/secの速度
で移動する。記録媒体19は、レーザー素子24と光学
系25とによって探針20の表面に集光されたレーザー
光により常時100℃程度に加熱された状態にされてい
る。記録媒体19への記録は、電源23により、探針2
0と記録媒体19との間にパルス幅10μsecのパル
ス電圧を印加することによって行った。パルス電圧が印
加される部分27は、探針20と記録媒体19との間に
流れる電流の抵抗加熱によって10μsecの間、19
0℃まで加熱され、記録媒体19の磁化方向が外部磁場
方向に向く。パルス電圧を印加した後は、記録媒体19
が冷却されて磁化の方向が固定されるため、データビッ
トを記録することができる。
【0060】情報の再生は、導電性探針20と記録媒体
19との間の磁気力をカンチレバー21のたわみとして
検出し、磁化方向を測定することにより行った。尚、本
実施例においては、電圧変調によって記録を行ったが、
必ずしもこの方法に限定されるものではない。例えば、
レーザー光と直流電圧により、常に190℃まで加熱し
た状態で、磁界発生装置26の磁界を変調することによ
っても、記録を行うことが可能である。
【0061】また、記録媒体19の加熱も、レーザー光
による直接加熱に限定されるものではない。例えば、探
針20をレーザー光あるいはヒーターによって加熱し、
探針20からの熱伝導を利用することによっても行うこ
とができる。
【0062】また、磁性材料としては、GdCo、Gd
Fe、TbFe、DyFe、GdFeBi、GdTbF
e、GdFeCo、GdTbFeCo等のアモルファス
系の磁性材料、MnBi、MnCuBi、MnAlG
e、PtCo、CrO2 、CoCr、EuO、PtMn
Sb、HfTaFe、CoCrFeO4 、BiAlGd
IG、BiGaYIG等の多結晶系の磁性材料や、Gd
IG、BiSmErGaIG等の単結晶系の磁性材料を
用いることができる。
【0063】さらに、Ge、Sb、Te、Sn、Ga、
Se、Pb、Bi、Inのうち少なくとも1種類以上を
含む相変化材料を記録媒体として用い、記録媒体の表面
を本実施例と同様の方法で加熱し、相変化を起こすこと
により、情報をデータ・ビットとして記録することも可
能である。この場合、再生は、第1の実施例の場合と同
様に探針を用いて電導度を測定することにより行った。
【0064】また、熱可塑性材料やCu、Ag、Au、
Zn、Cd、Ga、In、Eu、Gd、Ti、Ge、P
b、Sb、Bi、Te等の金属又はこれらを組み合わせ
た合金、あるいは酸化物材料や炭化物材料等を記録媒体
として用い、記録媒体の表面を本実施例と同様の方法で
加熱し、記録媒体の材料の溶融、蒸散、昇華などによっ
て記録媒体の表面に孔等の形状変化を起こすことによ
り、情報の記録を行うことも可能である。この場合、再
生は、第1の実施例の場合と同様に探針を用いて表面形
状を測定することにより行った。
【0065】<第3の実施例>図7は本発明に係る情報
記録再生装置の第3の実施例を示す構成図である。図7
に示すように、導電性基体29の上には、相変化材料で
ある厚さ20nmのアモルファス状態のGe−Sb−T
e薄膜76が形成されており、これが記録媒体28とし
て用いられている。記録媒体28の記録面28aに対向
してカンチレバー31が配置されており、カンチレバー
31の自由端には探針30が設けられている。カンチレ
バー31はSi薄膜等で作製されている。これにより、
記録又は再生中に探針30が記録媒体28の記録面28
aに衝突した場合の衝撃を和らげることができる。ま
た、探針30は、カンチレバー31の先端部に一体に形
成されており、導電性を高めるために探針30及びカン
チレバー31の表面は厚さ100nmの金薄膜32で被
覆されている。カンチレバー31は、X方向、Y方向及
びZ方向に精密駆動可能なアクチュエーター33に取り
付けられている。これにより、探針30を記録媒体28
の表面に沿って0.1nm以下の精度で移動させること
ができる。探針30は電源34に接続されており、これ
により探針30と記録媒体28との間に電圧を印加する
ことができるようにされている。探針30と記録媒体2
8との間に流れる電流は、導電性基体29に接続された
電流増幅器35を通して検出される。探針30の近傍に
は出力が10mW程度のレーザー素子36及び光学系3
7が設けられており、これにより探針30を加熱するこ
とができるようにされている。
【0066】次に、図7を参照しながら、記録時の動作
について説明する。レーザー素子36から出力されたレ
ーザー光を光学系37によって探針30に集光し、探針
30を常に300℃に加熱する。アクチュエーター33
を駆動し、探針30をカンチレバー31と共に記録媒体
28の記録面28aから離した状態で、記録面28aに
平行に2mm/secの速度で移動させる。探針30の
先端が情報を記録すべき所定の領域の真上に到達すると
同時に、アクチュエーター33を駆動して、探針30の
先端を記録媒体28の記録面28aに1μsecの間接
触させる。記録媒体28のうち探針30と接触した所定
の領域(以下「記録部」という)38は、加熱された探
針30からの熱伝導によって約300℃に加熱され、ア
モルファス状態から結晶状態に相変化する。これによ
り、記録媒体28に情報が記録される。
【0067】次に、記録した情報の再生方法について説
明する。Ge−Sb−Teなどの相変化材料では、結晶
状態とアモルファス状態とで電導度が異なる。このた
め、この電導度の変化を利用することにより、記録した
情報を読み取ることができる。例えば、図7に示すよう
に、導電性探針30を記録媒体28の記録面28aに接
触させ、電源34によって探針30と記録媒体28との
間に電圧を印加し、探針30と記録媒体28との間に流
れる電流を電流増幅器35を通して検出する。これによ
り、結晶相とアモルファス相とを見分けることができる
ので、記録した情報を読み取ることができる。
【0068】<第4の実施例>図8は、本発明に係る情
報記録再生装置の第4の実施例を示す構成図である。
尚、図7に示す第3の実施例と図8に示す第4の実施例
とは、探針30が常時記録媒体28の記録面28aに接
触しながら移動する点を除き、他の構成は実質的に同一
である。このため、共通する事項についての説明は省略
する。
【0069】次に、図8を参照しながら、記録時の動作
について説明する。探針30は、アクチュエーター33
によって記録媒体28の記録面28aに接触しながら、
面内方向に2mm/secの速度で移動する。探針30
が記録すべき所定の位置に到達した時、レーザー素子3
6からパルス幅10μsecのパルス状のレーザー光を
出力する。レーザー素子36から出力されたレーザー光
は光学系37によって探針30に集光され、探針30を
加熱する。記録媒体28の記録面28aの記録部38
は、加熱された探針30からの熱伝導によって約200
℃まで加熱され、アモルファス状態から結晶状態に相変
化する。これにより、記録媒体28に情報を記録するこ
とができる。本実施例による情報再生は第3の実施例の
場合と実質的に同一であるため、説明は省略する。
【0070】尚、上記第3及び第4の実施例において
は、探針30をカンチレバー31の自由端に形成し、記
録媒体28に接触させながら情報の記録及び再生を行っ
ているが、必ずしもこの方法に限定されるものではな
い。例えば、探針30を直接アクチュエーター33に取
り付け、加熱した探針30を記録媒体28に接触させず
に、0.3〜3nm程度の距離まで接近させることによ
り、記録媒体28の状態を変化させて情報を記録するこ
とも可能である。この場合、記録媒体28の結晶化温度
以上の温度まで加熱するには、加熱された探針30から
の輻射熱を利用することができる。また、再生は、探針
30と記録媒体28との間に、記録媒体28の温度が結
晶化温度以下になる程度のトンネル電流が流れる電圧を
印加し、トンネル電流の変化を検出することによって行
うことができる。
【0071】図9(a)及び(b)に、ヒーターを用い
て探針30を加熱する方法を示す。図9(a)は、探針
30の基部に設けられたヒーター39を用いて探針30
を加熱する場合を示す。また、探針30がカンチレバー
31の先端に設けられている場合には、図9(b)に示
すように、カンチレバー31を構成する薄膜上に抵抗材
料40を設け、抵抗加熱を利用して探針30を加熱する
ことができる。
【0072】また、上記第3及び第4の実施例において
は、第1の実施例に示した磁性材料や熱可塑性材料を記
録媒体とし、これを加熱することによって情報を記録す
ることもできる。
【0073】<第5の実施例>図10は、本発明に係る
情報記録再生装置の第5の実施例を示す側面図である。
【0074】図10において、円筒状又は円柱状の回転
体42は、その中心軸43の回りに回転可能なように固
定台44に設けられた軸受等によって軸支されている。
回転体42の中心軸43は回転駆動装置45に係合さ
れ、回転体42は回転駆動装置45によって所定の回転
速度で回転される。回転体42の円筒面又は円柱面には
記録媒体41が設けられている。回転体42は、例え
ば、直径20mm、長さ20mmの金属製の円柱であ
る。記録媒体41としては、厚さ0.05μmのGe−
Sb−Te合金からなる相変化材料薄膜を用いた。この
記録媒体41は、回転体42の表面上にスパッタリング
法によって作製した。また、記録媒体41は回転体42
等を介して外部に電気的に接続されている。
【0075】固定台44には、回転体42に対向してリ
ニア移動機構46が設けられている。リニア移動機構4
6には、半導体レーザー47、フォトダイオード48及
びスペーサー49を介して圧電微動装置50が設けられ
ている。圧電微動装置50には、カンチレバー51が回
転体42に対向して設けられている。カンチレバー51
の自由端には、導電性の探針52が接着剤等によって固
定されている。また、カンチレバー51の背面、すなわ
ち半導体レーザー47及びフォトダイオード48と対向
する面には、金属薄膜53が設けられている。探針52
は、例えば長さ10μmの酸化亜鉛の針状結晶からな
り、厚さ0.6μm、長さ100μm、幅20μmの矩
形状窒化珪素からなる薄膜カンチレバー51の先端に固
定されている。尚、酸化亜鉛の針状結晶の比抵抗は数Ω
・cmである。探針52としては、市販の誘電体薄膜か
らなるピラミッド状探針付カンチレバーの探針が設けら
れている面に金属を被覆することによっても形成するこ
とができる。カンチレバー51の表面には厚さ0.1μ
m程度の金属薄膜53が設けられており、金属薄膜53
の一端は導電性の探針52に接続されている。これによ
り、半導体レーザー47から照射されるレーザー光を金
属薄膜53によって反射することができると共に、導電
性の探針52に電圧を印加したり、記録媒体41の微小
部分の導電性を測定することができる。尚、半導体レー
ザー47は、例えば赤色発光半導体レーザーであり、フ
ォトダイオード48は2分割フォトダイオードである。
半導体レーザー47及びフォトダイオード48は、カン
チレバー51にレーザー光を照射し、その反射光を検出
するためのものであり、光てこを構成している。この光
てこによってカンチレバー51の変位(撓み)を検出
し、カンチレバー51のバネ定数から探針52と記録媒
体41との間に働く力を測定することができる。
【0076】圧電体微動装置50は、記録媒体41の表
面に垂直な方向(Z方向)と、記録媒体41の探針直下
での移動方向(X方向)とZ方向の双方に直交する方向
(Y方向)に探針52を制御するためのものである。ま
た、リニア移動機構46は、探針52、カンチレバー5
1、カンチレバー51の変位測定系(半導体レーザー4
7及びフォトダイオード48)、圧電体微動装置50な
どをY方向に大きく移動させるためのものである。圧電
体微動装置50及びリニア移動機構46をY方向に制御
することにより、データ列のトラッキングを行うことが
できる。また、リニア移動機構46と回転駆動装置45
は、固定台44に高い剛性で結合されており、装置全体
の共振周波数を高く保持している。
【0077】次に、以上のように構成された情報記録再
生装置を用いた情報の書き込み/読み出し操作について
説明する。まず、回転駆動装置45を駆動し、探針52
の直下での記録媒体41の移動速度が1cm/secと
なるように、回転体42を回転させる。次いで、半導体
レーザー47からカンチレバー51の金属薄膜53にレ
ーザー光を照射し、その反射光をフォトダイオード48
によって検出することにより、探針52から記録媒体4
1に印加される力を検出する。この検出力が一定となる
ように、圧電体微動装置50を用いて探針52をZ方向
にフィードバック制御し、探針52が記録媒体41に印
加する力がほぼ一定値(約1×10-8N)となるように
する。尚、記録媒体41の回転にと伴う記録面の回転体
42の半径方向(Z方向)の変動はミクロンオーダーで
あった。しかし、使用したカンチレバー51のばね定数
が0.3N/mと小さい(柔らかい)ため、フィードバ
ック制御の時定数を記録媒体41の記録面の凹凸の周期
以下に小さくする必要はなく、フィードバック制御の時
定数がmsecのオーダーであっても、記録媒体41の
表面に損傷を与えることはなかった。そして、この状態
で金属薄膜53を介して探針52に5V、1μsecの
パルス電圧を2μsecごとの間隔で印加した。これに
より、非晶質状態の記録媒体41の微小領域に電流か流
れ、当該微小領域の温度が結晶化温度以上に加熱され、
当該微小領域が結晶質状態に変化した。これにより、情
報の書き込みを行った。尚、トラックピッチは0.1μ
mで行なった。このように小さな斥力が働く領域で動作
させれば、探針52と記録媒体41との摩擦力を小さく
することができ、記録再生速度を高めることができる。
【0078】情報の読み出しは、書き込み操作と同様に
探針52を記録媒体41に接触させた状態で記録媒体4
1を回転させ、探針52に0.1Vの電圧を印加しなが
ら金属薄膜53と回転体42との間に流れる電流を検出
することにより行なった。記録媒体41の回転に伴う読
み出し時のY方向の変動は0.03μm以下であり、
0.1μmのトラックピッチで書き込まれた情報を容易
にトラッキングすることができた。
【0079】尚、カンチレバー51の固定端と自由端を
結ぶ方向と回転体42の中心軸43の方向とをほぼ直交
させることにより、データーの書き込み及び読み出しの
エラーをきわめて減少させることができた。カンチレバ
ー51と回転体42をこのように配置することにより、
探針52の記録媒体41の記録面に対する追従性が向上
したためと考えられる。
【0080】また、記録媒体41を形成する回転体42
を、室温での熱膨張係数が、3×10-6/℃以下である
材料で構成することにより、トラッキングの安定性をよ
り向上させることができた。このような材料としてはイ
ンバー合金が最適であった。
【0081】さらに、記録媒体41の表面に記録媒体4
1及び探針52に対して不活性な液体、例えば粘度の低
いシリコンオイルを塗布したり、探針52や記録媒体4
1を含む装置全体を粘度の低いシリコンオイル中に保持
することにより、記録媒体41や探針52の劣化を防
ぎ、また温度変化に対する安定性も増し、長期にわたっ
て安定に動作させることができた。
【0082】<第6の実施例>図11は本発明に係る情
報記録装置の第6の実施例を示す構成図である。図11
に示すように、導電性基体62の上には、相変化材料で
ある厚さ20nmのアモルファス状態のGeSb2 Te
4 薄膜63が形成されており、これが記録媒体64とし
て用いられている。すなわち、記録媒体64としては、
初期状態における抵抗値の大きいものが用いられてい
る。記録媒体64に対向して配置された導電性探針65
は、SiN薄膜で作製されたカンチレバー67の先端部
に一体に形成されている。これにより、記録又は消去中
に起こり得る記録媒体64の表面との衝突による衝撃を
和らげることができる。また、カンチレバー67と導電
性探針65の表面には、導電性を付与するために厚さ1
00nmの金薄膜が被覆されている。尚、GeSb2
4 薄膜(相変化材料)63の表面を酸化させないため
に、記録媒体64と導電性探針65は、窒素を充填した
ボックス66内に設置されている。カンチレバー67
は、X方向、Y方向及びZ方向に精密駆動可能なアクチ
ュエーター68に取り付けられている。これにより、導
電性探針65を記録媒体64の表面に沿って0.1nm
以下の精度で移動させることができる。また、導電性探
針65は、導電性探針65と記録媒体64との間に電圧
を印加することのできる電源69に1MΩの保護抵抗7
0を介して接続されている。そして、導電性探針65と
記録媒体64との間に電圧を印加することにより、導電
性探針65と記録媒体64との間に流れる電流の抵抗加
熱によって記録媒体64が相変化を起こし、これがデー
タ・ビットとして記録又は消去される。また、記録媒体
64に記録された情報を再生するために、出力1mWの
半導体レーザー71からのレーザー光がハーフミラー7
2を通して記録媒体64に照射され、その反射光がハー
フミラー72を通して光検出器73により検出される構
成となっている。
【0083】以下、図11を参照しながら、記録時の動
作について説明する。導電性探針65は、アクチュエー
タ68によって記録媒体64の表面を接触しながら、面
内方向に2mm/secの速度で移動する。そして、導
電性探針65が記録すべき位置に達した瞬間に、電源6
9によって記録媒体64と導電性探針65との間に3
V、10μsecのパルス電圧を印加する。記録媒体6
4のうちパルス電圧を印加していない部分は、結晶化温
度まで達しないために、アモルファス状態(初期状態)
のままであるが、記録媒体64のうち導電性探針65と
の接触部分74は、流れる電流の抵抗加熱によって10
μsec(相変化材料であるアモルファス状態のGeS
2 Te4 薄膜2の結晶化時間よりも長い時間)の間、
約200℃[相変化材料であるアモルファス状態のGe
Sb2 Te4 薄膜2の結晶化温度以上融点(約600
℃)以下の温度]まで加熱され、アモルファス状態から
結晶状態に相変化するため、情報を記録することができ
る。
【0084】尚、記録媒体64として、初期状態におけ
る抵抗値が小さいもの(結晶状態の相変化材料)を用い
る場合には、このように相変化材料を融点以上の所定の
温度に加熱し、結晶状態からアモルファス状態へ相変化
させることにより、データ・ビットを記録することがで
きる。
【0085】次に、記録した情報の再生方法について説
明する。GeSb2 Te4 などの相変化材料では、結晶
状態とアモルファス状態とで屈折率が異なるため、この
屈折率の変化を利用することにより、記録した情報を読
み取ることが可能となる。すなわち、光を照射してその
反射光を検出すれば、結晶状態とアモルファス状態とを
区別することができる。従って、図11に示すように、
半導体レーザー71からのレーザー光をハーフミラー7
2を通して記録媒体64に照射し、その反射光をハーフ
ミラー72を通して光検出器73で検出することによ
り、記録されているデータ・ビットの再生を行った。こ
のように、レーザー光はデータ・ビットの再生のみに使
用されるため、出力の高いレーザー素子を必要としな
い。その結果、安価な情報記録装置を実現することがで
きる。
【0086】尚、記録された情報を消去するには、上記
第1の実施例の場合と同様に、記録媒体64の記録部分
74を融点まで加熱して、急冷すればよい。また、記録
媒体64として、初期状態における抵抗値が小さいもの
(結晶状態の相変化材料)を用いる場合には、このよう
に相変化材料の結晶化時間よりも長い所定の時間の間、
相変化材料の結晶化温度以上融点以下の所定の温度に加
熱し、アモルファス状態から結晶状態へ相変化させるこ
とにより、記録されているデータ・ビットを消去するこ
とができる。
【0087】<第7の実施例>図12は本発明に係る情
報記録装置の第7の実施例を示す構成図である。図12
に示すように、導電性基体77の上には、磁性材料であ
る厚さ20nmのアモルファス状態のTb−Fe−Co
薄膜78が形成されており、これが記録媒体79として
用いられている。ここで、Tb−Fe−Co薄膜78
は、記録媒体79の表面に垂直な方向に磁化されてい
る。記録媒体79に対向して配置された導電性探針80
は、SiN薄膜で作製されたカンチレバー82の先端部
に一体に形成されている。これにより、記録又は消去中
に起こり得る記録媒体79の表面との衝突による衝撃を
和らげることができる。また、図14に示すように、カ
ンチレバー82と導電性探針80の表面には、導電性を
付与するために厚さ100nmの金薄膜93が被覆され
ている。また、図12に示すように、磁性材料であるT
b−Fe−Co薄膜78の表面を酸化させないために、
記録媒体79と導電性探針80は、窒素を充填したボッ
クス81内に設置されている。カンチレバー82は、X
方向、Y方向及びZ方向に精密駆動可能なアクチュエー
ター83に取り付けられている。これにより、導電性探
針80を記録媒体79の表面に沿って1nm以下の精度
で移動させることができる。また、導電性探針80は、
導電性探針80と記録媒体79との間に電圧を印加する
ことのできる電源84に1MΩの保護抵抗85を介して
接続されている。そして、導電性探針80と記録媒体7
9との間に電圧を印加することにより、導電性探針80
と記録媒体79との間に流れる電流の抵抗加熱によって
記録媒体79が部分的にキュリー温度以上に加熱される
ため、この部分の磁化方向が変化し、これがデータ・ビ
ットとして記録又は消去される。また、記録媒体79に
記録された情報を再生するために、出力1mWの半導体
レーザー86からのレーザー光が偏光子90及びビーム
スプリッタ87を通して記録媒体79に照射され、その
反射光がビームスプリッタ87及び検光子91を通して
光検出器88により検出される構成となっている。
【0088】以下、図12を参照しながら、記録時の動
作について説明する。導電性探針80は、アクチュエー
タ83によって記録媒体79の表面を接触しながら、面
内方向に2mm/secの速度で移動する。そして、導
電性探針80が記録すべき位置に達した瞬間に、電源8
4によって記録媒体79と導電性探針80との間に3
V、10μsecのパルス電圧を印加する。記録媒体7
9のうち導電性探針80との接触部分89は、流れる電
流の抵抗加熱によって約200℃に加熱され、磁性材料
であるTb−Fe−Co薄膜78のキュリー点を超え
る。このため、加熱された部分の磁化方向が周囲の磁界
に影響され、周囲とは逆方向に磁化される。つまり、記
録媒体79の全面が上方向に磁化されていた場合には、
加熱された部分は下方向に磁化される。このように磁化
方向が変化することにより、情報を記録することができ
る。この場合、図13に示すように、少なくとも導電性
探針80が接触する部分に外部からコイル92によって
磁界を印加してやれば、記録する領域の記録媒体79の
磁化方向を確実に変化させることができ、SN比の高い
記録再生が可能となる。
【0089】また、図14に示すように、カンチレバー
82の先端部に設けられた導電性探針80の少なくとも
先端部を、Co、Ni、Feなどの透磁率の大きい導電
性磁性材料99で構成すれば、小さな外部磁界を用いた
場合であっても、磁力線を導電性探針80の先端で集束
させることができ、確実に記録を行うことができると共
に、ビット面積を小さくして高密度化を図ることができ
る。
【0090】次に、記録した情報の再生方法について説
明する。図12に示すように、磁化方向が変化した部分
(情報が記録された部分)89は、レーザービームを用
いることにより、光と磁気の相互作用によって読み出す
ことができる。ファラデー効果を用いて磁性材料に光を
透過させて透過光を検出する方式や、磁気カー効果を用
いて磁性材料に光を照射し、反射光を検出する方式があ
る。本実施例においては、磁気カー効果を用いて、記録
した情報の再生を行った。
【0091】半導体レーザー86からのレーザー光を偏
光子90及びビームスプリッタ87を通して記録媒体7
9に照射する。記録媒体79からの反射光は、記録媒体
79の表面の磁化方向によって偏光角が変化する。この
変化は、ビームスプリッタ87及び検光子91を通過し
た後の光強度として光検出器88で検出される。これに
より、記録媒体79に記録された情報を再生することが
できる。
【0092】尚、導電性基体77を透明な材料、例えば
ガラス基板上に透明導電膜を形成したもので構成するこ
とにより、レーザー光を透過させ、ファラデー効果によ
って記録媒体79の表面の磁化方向による偏光角の変化
を検出することもできる。
【0093】次に、記録した情報を消去する方法につい
て説明する。消去は、基本的には記録時と同様に、記録
媒体79と導電性探針80との間にパルス電圧を印加
し、磁性材料をキュリー点以上に加熱することによって
行う。そして、この際、外部から印加する磁界の向き
を、記録されていない部分の磁性材料の磁化方向と同じ
方向に設定することにより、データ・ビットを消去する
ことができる。
【0094】尚、本実施例においては、記録媒体79に
用いる磁性材料としてTb−Fe−Coを用いている
が、必ずしもこれに限定されるものではなく、Tb、G
d及びDyから選ばれる少なくとも1種類を含むアモル
ファス材料であればよい。例えば、Gd−Fe−Co、
Gd−Tb−Fe、Gd−Fe−Bi、Gd−Feなど
のGd化合物や、Dy−Fe、Tb−Feなどを用いる
こともできる。これらの磁性材料を用いれば、長期間に
わたって安定に動作させることができる。また、これら
の磁性材料は、レーザー光の波長が600〜900nm
である場合に高い感度を有している。再生用レーザーと
して緑色などの短波長レーザー光を用いる場合には、磁
性材料としてPt−Co、Co−Cr及びCrO2 から
選ばれる1種類の材料を用いることにより、SN比が高
く高感度で再生することができる。
【0095】また、本実施例においては、外部磁界を発
生させる手段としてコイル92を用いているが、必ずし
もこれに限定されるものではなく、例えば永久磁石を用
いることもできる。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録媒体の相状態(例えば、結晶状態とアモルファス状
態)、表面形状(凹凸)あるいは磁化方向などを変化さ
せることによって前記記録媒体上に容易に情報を記録す
ることができる。また、この場合、先端曲率半径の小さ
い探針を用いることにより、記録する情報の高密度化を
図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報記録再生装置の第1の実施例
を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施例の窒素雰囲気下における
記録中の電圧−電流特性図である。
【図3】本発明の第1の実施例の大気中における記録中
の電圧−電流特性図である。
【図4】本発明に係る情報記録再生装置の第1の実施例
の他の態様を示す構成図である。
【図5】本発明の第1の実施例における相変化記録の原
理図である。
【図6】本発明に係る情報記録再生装置の第2の実施例
を示す構成図である。
【図7】本発明に係る情報記録再生装置の第3の実施例
を示す構成図である。
【図8】本発明に係る情報記録再生装置の第4の実施例
を示す構成図である。
【図9】本発明の第2〜第4の実施例におけるヒータを
用いた探針加熱方法を示す構成図である。
【図10】本発明に係る情報記録再生装置の第5の実施
例を示す構成図である。
【図11】本発明に係る情報記録再生装置の第6の実施
例を示す構成図である。
【図12】本発明に係る情報記録再生装置の第7の実施
例を示す構成図である。
【図13】本発明の第7の実施例における記録媒体まわ
りの他の態様を示す構成図である。
【図14】本発明の第7の実施例における導電性探針の
他の態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1、29、62、77 導電性基体 2、63 GeSb2 Te4 薄膜 3、19、28、41、64、79 記録媒体 4、65、80 導電性探針 5、81 ボックス 6、21、31、51、67、82 カンチレバー 7、22、33、83 アクチュエーター 8、23、34、69、84 電源 9、70、85 保護抵抗 10、35 電流増幅器 11 記録部分(接触部分) 12 出力端子 17 透明基体 18、78 Tb−Fe−Co薄膜 20、30、52 探針 24、36 レーザー素子 25、37 光学系 26 磁界発生装置 27 パルス電圧印加部分 32、93 金薄膜 38 記録部 39 ヒーター 40 抵抗材料 42 回転体 43 中心軸 44 固定台 45 固定駆動装置 46 リニア移動機構 47 半導体レーザー 48 フォトダイオード 49 スペーサー 50 圧電体微動装置 53 金属薄膜 71、86 半導体レーザー 72 ハーフミラー 73 光検出器 74 接触部分(記録部分) 87 ビームスプリッター 88 光検出器 90 偏光子 91 検光子 92 コイル 101、102、105、106、109、110 昇
温パターン 103、104、107、108、111、112 デ
ータ・ビット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 11/10 586 C 9296−5D H01J 37/28 Z // G01N 37/00 A (31)優先権主張番号 特願平6−76067 (32)優先日 平6(1994)4月14日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−126172 (32)優先日 平6(1994)6月8日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−298510 (32)優先日 平6(1994)12月1日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−305143 (32)優先日 平6(1994)12月8日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 横山 和夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (58)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相変化材料、形状変化材料及び磁性材料
    から選ばれる少なくとも1つを含む無機記録媒体と、前
    記記録媒体の表面に接近又は接触し、前記記録媒体に対
    して相対的に移動可能な導電性探針とを備え、前記導電
    性探針が接近又は接触する前記記録媒体上の領域を加熱
    することにより、前記領域の状態を変化させて前記記録
    媒体上に情報を記録する情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】 相変化材料、形状変化材料及び磁性材料
    から選ばれる少なくとも1つを含む無機記録媒体の表面
    に導電性探針を接近又は接触させ、前記導電性探針が接
    近又は接触する前記記録媒体上の所定の領域を加熱する
    ことにより、前記導電性探針が接近又は接触する前記記
    録媒体上の領域の状態を変化させて前記記録媒体上に情
    報を記録する情報記録再生方法。
  3. 【請求項3】 記録媒体を予め所定の温度に加熱する記
    録媒体加熱手段がさらに備わった請求項1に記載の情報
    記録再生装置。
  4. 【請求項4】 記録媒体を予め所定の温度に加熱した状
    態で、導電性探針が接近又は接触する前記記録媒体上の
    所定の領域を追加熱することにより、前記導電性探針が
    接近又は接触する前記記録媒体上の領域の状態を変化さ
    せて前記記録媒体上に情報を記録する請求項2に記載の
    情報記録再生方法。
  5. 【請求項5】 導電性探針と記録媒体との間に電圧を印
    加することにより、前記導電性探針が接触する前記記録
    媒体上の領域を加熱する請求項1に記載の情報記録再生
    装置又は請求項2に記載の情報記録再生方法。
  6. 【請求項6】 導電性探針が接近又は接触する記録媒体
    上の領域に光を照射することにより、前記領域を加熱す
    る請求項1に記載の情報記録再生装置又は請求項2に記
    載の情報記録再生方法。
  7. 【請求項7】 光照射手段が、レーザー素子と、前記レ
    ーザー素子からのレーザー光を記録媒体に集光する光学
    系とを有する請求項6に記載の情報記録再生装置。
  8. 【請求項8】 導電性探針が接近又は接触する記録媒体
    上の領域を、加熱された前記導電性探針によって加熱す
    る請求項1に記載の情報記録再生装置又は請求項2に記
    載の情報記録再生方法。
  9. 【請求項9】 光を導電性探針に照射することにより、
    前記導電性探針を加熱する請求項8に記載の情報記録再
    生装置又は情報記録再生方法。
  10. 【請求項10】 光照射手段が、レーザー素子と、前記
    レーザー素子からのレーザー光を記録媒体に集光する光
    学系とを有する請求項9に記載の情報記録再生装置。
  11. 【請求項11】 導電性探針の加熱手段が、前記導電性
    探針の近傍に設けられたヒーターである請求項8に記載
    の情報記録再生装置。
  12. 【請求項12】 記録操作中、導電性探針を常時加熱し
    ておくと共に、前記導電性探針と前記記録媒体とを通常
    離反させておき、記録時に前記導電性探針を前記記録媒
    体の表面に接近又は接触させる請求項8に記載の情報記
    録再生方法。
  13. 【請求項13】 導電性探針を常時記録媒体の表面に接
    近又は接触させておき、前記導電性探針が前記記録媒体
    上の所定の記録位置に到達した時点で、前記導電性探針
    を所定時間所定温度に加熱する請求項8に記載の情報記
    録再生方法。
  14. 【請求項14】 相変化材料の状態変化が第1の相から
    第2の相への変化である請求項1に記載の情報記録再生
    装置又は請求項2に記載の情報記録再生方法。
  15. 【請求項15】 相変化材料である記録媒体は最初アモ
    ルファス状態にあり、前記記録媒体の所定の領域を前記
    相変化材料の結晶化時間よりも長い時間、前記記録媒体
    の結晶化温度以上でかつ融点以下の温度に加熱し、前記
    所定の領域をアモルファス状態から結晶状態へ相変化さ
    せることにより、情報を記録する請求項14に記載の情
    報記録再生装置又は情報記録再生方法。
  16. 【請求項16】 相変化材料である記録媒体は最初結晶
    状態にあり、前記記録媒体の所定の領域を前記相変化材
    料の融点以上の温度に加熱し、前記所定の領域を結晶状
    態からアモルファス状態へ相変化させることにより、情
    報を記録する請求項14に記載の情報記録再生装置又は
    情報記録再生方法。
  17. 【請求項17】 相変化材料が、Ge、Sb、Te、S
    n、Ga、Se、Pb、Bi及びInから選ばれる少な
    くとも1つを含む材料である請求項1に記載の情報記録
    再生装置。
  18. 【請求項18】 相変化材料を加熱するときの前記相変
    化材料のまわりの雰囲気が非酸化雰囲気である請求項1
    7に記載の情報記録再生装置。
  19. 【請求項19】 磁性材料である記録媒体の状態変化が
    磁化方向の変化である請求項1に記載の情報記録再生装
    置又は請求項2に記載の情報記録再生方法。
  20. 【請求項20】 記録媒体の加熱温度が、磁性材料の磁
    化方向を反転させることのできる温度以上の温度である
    19に記載の情報記録再生装置又は情報記録再生方法。
  21. 【請求項21】 記録媒体に磁界を印加するための磁界
    発生手段がさらに備わった請求項19に記載の情報記録
    再生装置。
  22. 【請求項22】 記録媒体のうち少なくとも記録する領
    域に外部から磁界を印加する請求項19に記載の情報記
    録再生方法。
  23. 【請求項23】 磁性材料が、GdCo、GdFe、T
    bFe、DyFe、GdFeBi、GdTbFe、Gd
    FeCo、GdTbFeCoのアモルファス系の磁性材
    料、MnBi、MnCuBi、MnAlGe、PtC
    o、CrO2 、CoCr、EuO、PtMnSb、Hf
    TaFe、CoCrFeO4 、BiAlGdIG、Bi
    GaYIGの多結晶系の磁性材料及びGdIG、BiS
    mErGaIGの単結晶系の磁性材料から選ばれる少な
    くとも1種類を含む材料である請求項1に記載の情報記
    録再生装置。
  24. 【請求項24】 形状変化材料が、熱可塑性材料、C
    u、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Eu、G
    d、Ti、Ge、Pb、Sb、Bi、Teの金属又はこ
    れらを組み合わせた合金、酸化物材料及び炭化物材料か
    ら選ばれる1つである請求項1に記載の情報記録再生装
    置。
  25. 【請求項25】 固定端と自由端を有するカンチレバー
    がさらに備わり、導電性探針が前記カンチレバーの自由
    端に設けられている請求項1に記載の情報記録再生装
    置。
  26. 【請求項26】 導電性探針とカンチレバーとが一体に
    形成され、前記導電性探針は前記カンチレバーの自由端
    側の先端を略直角に折り曲げたものである請求項25に
    記載の情報記録再生装置。
  27. 【請求項27】 導電性探針の少なくとも先端部が透磁
    率の大きい導電性磁性材料で構成されている請求項25
    に記載の情報記録再生装置。
  28. 【請求項28】 導電性探針を記録媒体表面に接近又は
    接触させたときに生じるカンチレバーの変位を検出する
    機構がさらに備わった請求項25に記載の情報記録再生
    装置。
  29. 【請求項29】 導電性探針が磁性材料を含む請求項2
    8に記載の情報記録再生装置。
  30. 【請求項30】 記録媒体が、所定の軸を中心軸として
    回転する円筒状又は円柱状の回転体の円筒面又は円柱面
    に設けられ、前記記録媒体の表面を記録面とする請求項
    1に記載の情報記録再生装置。
  31. 【請求項31】 固定端と自由端を有するカンチレバー
    がさらに備わり、導電性探針が前記カンチレバーの自由
    端に設けられ、かつ、前記カンチレバーの変位を検出す
    る手段と、前記導電性探針を記録面に垂直な方向及び回
    転体の中心軸方向に相対的に移動させる手段とがさらに
    備わった請求項30に記載の情報記録再生装置。
  32. 【請求項32】 固定端と自由端を有するカンチレバー
    がさらに備わり、導電性探針が前記カンチレバーの自由
    端に設けられ、かつ、前記カンチレバーの固定端と自由
    端を結ぶ方向が、回転体の中心軸方向とほぼ直交する請
    求項30に記載の情報記録再生装置。
  33. 【請求項33】 回転体を構成する材料の室温での熱膨
    脹係数が、3×10-6/℃以下である請求項30に記載
    の情報記録再生装置。
  34. 【請求項34】 記録媒体の表面に接近又は接触させた
    導電性探針を用いて、記録された情報を再生する請求項
    1に記載の情報記録再生装置又は請求項2に記載の情報
    記録再生方法。
  35. 【請求項35】 記録媒体の電導度を測定することによ
    り、情報を再生する請求項34に記載の情報記録再生装
    置又は情報記録再生方法。
  36. 【請求項36】 記録媒体の電導度を測定する手段が、
    導電性探針と前記記録媒体との間に電圧を印加する電圧
    印加装置と、前記導電性探針と前記記録媒体との間に流
    れる電流を検出する電流検出装置とを有し、前記記録媒
    体の表面に接触させた前記導電性探針と前記記録媒体と
    の間に前記電圧印加装置によって電圧を印加し、前記導
    電性探針と前記記録媒体との間に流れる電流を前記電流
    検出装置によって検出することにより、前記記録媒体の
    電導度を測定する請求項35に記載の情報記録再生装
    置。
  37. 【請求項37】 導電性探針と記録媒体との間に流れる
    電流によって加熱される前記導電性探針及び前記記録媒
    体の温度が前記記録媒体の状態を変化させる温度以下と
    なるように、前記導電性探針と前記記録媒体との間に所
    定の電圧を印加する請求項36に記載の情報記録再生装
    置。
  38. 【請求項38】 導電性探針と記録媒体との間に電圧を
    印加し、前記導電性探針と前記記録媒体との間に流れる
    電流を検出することにより、前記記録媒体の電導度を測
    定する請求項35に記載の情報記録再生方法。
  39. 【請求項39】 導電性探針と記録媒体との間に流れる
    電流によって加熱される前記導電性探針及び前記記録媒
    体の温度が前記記録媒体の状態を変化させる温度以下の
    温度となるように、前記導電性探針と前記記録媒体との
    間に所定の電圧を印加する請求項38に記載の情報記録
    再生方法。
  40. 【請求項40】 記録媒体の表面の形状を測定すること
    により、情報を再生する請求項34に記載の情報記録再
    生装置又は情報記録再生方法。
  41. 【請求項41】 記録媒体の表面の形状を測定する手段
    が、導電性探針の位置を検出する位置検出装置を有し、
    前記記録媒体の表面に接触させた前記導電性探針の位置
    を前記位置検出装置によって検出することにより、前記
    記録媒体の表面の形状を測定する請求項40に記載の情
    報記録再生装置。
  42. 【請求項42】 導電性探針と記録媒体との間に作用す
    る力の変化を検出することにより、情報を再生する請求
    項34に記載の情報記録再生装置又は情報記録再生方
    法。
  43. 【請求項43】 固定端と自由端を有するカンチレバー
    がさらに備わり、導電性探針が前記カンチレバーの自由
    端に設けられ、かつ、導電性探針と記録媒体との間に作
    用する力の変化が、前記カンチレバーのたわみによって
    検出される請求項42に記載の情報記録再生装置。
  44. 【請求項44】 記録媒体表面にレーザー光を照射する
    手段と、前記記録媒体からの反射光を検出する手段とが
    さらに備わった請求項1に記載の情報記録再生装置。
  45. 【請求項45】 記録媒体表面にレーザー光を照射し、
    前記記録媒体からの反射光を検出することにより、記録
    された情報を再生する請求項2に記載の情報記録再生方
    法。
  46. 【請求項46】 記録媒体の磁化方向を測定することに
    より、情報を再生する請求項34に記載の情報記録再生
    装置又は情報記録再生方法。
  47. 【請求項47】 記録媒体の磁化方向を測定する手段
    が、導電性探針と記録媒体との間の磁気力を検出する磁
    気力検出装置を有し、前記記録媒体の表面に接近又は接
    触させた前記導電性探針と前記記録媒体との間の磁気力
    を前記磁気力検出装置によって検出することにより、前
    記記録媒体の磁化方向を測定する請求項46に記載の情
    報記録再生装置。
  48. 【請求項48】 導電性探針と記録媒体との間に発生す
    る磁気力を検出することにより、磁化方向反転によって
    記録された情報を再生する請求項34に記載の情報記録
    再生方法。
  49. 【請求項49】 導電性探針が接近又は接触する記録媒
    体上の記録部分を加熱することにより、前記記録部分の
    状態を変化させて情報を消去する請求項1に記載の情報
    記録再生装置又は請求項2に記載の情報記録再生方法。
  50. 【請求項50】 導電性探針と記録媒体との間に電圧を
    印加することにより、前記導電性探針が接触する前記記
    録媒体上の領域を加熱する請求項49に記載の情報記録
    再生装置又は情報記録再生方法。
  51. 【請求項51】 導電性探針が接近又は接触する記録媒
    体上の領域に光を照射することにより、前記領域を加熱
    する請求項49に記載の情報記録再生装置又は情報記録
    再生方法。
  52. 【請求項52】 光照射手段が、レーザー素子と、前記
    レーザー素子からのレーザー光を記録媒体に集光する光
    学系とを有する請求項51に記載の情報記録再生装置。
  53. 【請求項53】 導電性探針が接近又は接触する記録媒
    体上の領域を、加熱された前記導電性探針によって加熱
    する請求項49に記載の情報記録再生装置又は情報記録
    再生方法。
  54. 【請求項54】 光を導電性探針に照射することによ
    り、前記導電性探針を加熱する請求項53に記載の情報
    記録再生装置又は情報記録再生方法。
  55. 【請求項55】 光照射手段が、レーザー素子と、前記
    レーザー素子からのレーザー光を記録媒体に集光する光
    学系とを有する請求項54に記載の情報記録再生装置。
  56. 【請求項56】 結晶状態で記録された記録媒体上の記
    録部分を前記記録媒体の融点以上の温度に加熱し、前記
    記録部分を結晶状態からアモルファス状態へ相変化させ
    ることにより、情報を消去する請求項14に記載の情報
    記録再生装置又は情報記録再生方法。
  57. 【請求項57】 アモルファス状態で記録された記録媒
    体上の記録部分を結晶化時間よりも長い時間前記記録媒
    体の結晶化温度以上でかつ融点以下の温度に加熱し、前
    記記録部分をアモルファス状態から結晶状態へ相変化さ
    せることにより、情報を消去する請求項14に記載の情
    報記録再生装置又は情報記録再生方法。
  58. 【請求項58】 導電性探針と記録媒体との間に所定の
    電流を発生させる電圧を印加し、磁性材料の磁化方向を
    反転させることのできる温度以上に加熱することによ
    り、前記磁性材料の磁化方向を反転させて情報を消去す
    る請求項19に記載の情報記録再生装置又は情報記録再
    生方法。
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