JPH08211543A - 光熱写真および感熱写真成分における銀源としての新規な銀カルボキシレート化合物 - Google Patents

光熱写真および感熱写真成分における銀源としての新規な銀カルボキシレート化合物

Info

Publication number
JPH08211543A
JPH08211543A JP7277503A JP27750395A JPH08211543A JP H08211543 A JPH08211543 A JP H08211543A JP 7277503 A JP7277503 A JP 7277503A JP 27750395 A JP27750395 A JP 27750395A JP H08211543 A JPH08211543 A JP H08211543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
dye
photothermographic
image
photosensitive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7277503A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3647944B2 (ja
Inventor
David R Whitcomb
デイビッド・ロバート・ウィットコウム
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minnesota Mining and Manufacturing Co filed Critical Minnesota Mining and Manufacturing Co
Publication of JPH08211543A publication Critical patent/JPH08211543A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3647944B2 publication Critical patent/JP3647944B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49809Organic silver compounds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/4989Photothermographic systems, e.g. dry silver characterised by a thermal imaging step, with or without exposure to light, e.g. with a thermal head, using a laser

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、白黒及びカラー光熱写真及び感熱
写真画像形成成分における新規な銀カルボキシレート化
合物の使用を提供する。 【解決手段】 白黒感熱写真又は光熱写真成分における
銀源として、又は染料ベースの感熱写真又は光熱写真カ
ラー画像形成構造用酸化剤として作用することができる
銀カルボキシレート類は一般式;R3-X-(CH2-CH2
-X)n-L-CR12-COO-+Ag(式中、R1及びR2
はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル、置換ア
ルキル、芳香族又は置換芳香族であり;R3はアルキル
基、アリール基、L-CR12-COO-+Agであり;L
はCR12をXに結合する結合基であり;XはO、S、
及びNR4からなる群から選択され、ここでR4はアルキ
ル、置換アルキル、芳香族、又は置換芳香族から選択さ
れ;及びnは0〜12の整数である)によって表すことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白黒及びカラー光
熱写真および感熱写真画像形成成分における新規な銀カ
ルボキシレート化合物の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】液体現像剤なしに熱で処理されるハロゲ
ン化銀含有光熱写真画像形成材料(即ち、熱現像可能な
写真成分)は長年この分野で知られてきた。これらの材
料はまた、「ドライシルバー」組成物又はエマルジョン
としれ公知であり、一般にその上に:(a)光照射時に
銀原子を発生する感光性材料;(b)非感光性還元性銀
源;(c)銀イオン(例えば、非感光性還元性銀源中の
銀イオン)用還元剤(即ち、現像剤);及び(d)バイ
ンダーが被覆形成されてなる支持体を含有している。
【0003】感光性材料は一般に感光性ハロゲン化銀で
あり、これは非感光性還元性銀源に触媒近接しなければ
ならない。触媒近接は、銀原子(銀スペック、クラスタ
ー、又は核としても公知)を写真ハロゲン化銀の光照射
又は露光により生じた時に、その核が還元性銀源の還元
を触媒することができるようなこれら2つの材料の密接
した物理的関係を必要とする。銀原子(Ag0)は銀イ
オン還元用触媒であり、感光性ハロゲン化銀は非感光性
還元性銀源に多くの異なった状態で触媒的に近接するよ
うに配置することができると長らく理解されている。例
えば、触媒近接を還元性銀源のハロゲン含有源との部分
メタセシスによって(例えば、米国特許第3,457,075号
参照);ハロゲン化銀と還元性銀源材料との共沈によっ
て(例えば、米国特許第3,839,049号参照);及び感光
性写真ハロゲン化銀と非感光性還元性銀源とを密接に結
び付ける他の方法によって達成することができる。
【0004】非感光性還元性銀源は銀イオンを含有する
材料である。典型的には、好ましい非感光性還元性銀源
は10〜30個の炭素原子を有する長鎖脂肪族カルボン酸の
銀塩である。ベヘン酸又は類似の分子量の酸の混合物の
銀塩が一般的に使用される。他の有機酸の塩又は他の有
機材料、例えば銀イミダゾレート類が提案されている。
米国特許第4,260,677号は無機又は有機銀塩の錯体の非
感光性還元性銀源としての使用を開示している。
【0005】写真及び光熱写真成分では共に、写真ハロ
ゲン化銀の露光は銀原子(Ag0の小さいクラスターを
生じる。これらクラスターの画像状分布は潜像としてこ
の分野で公知である。この潜像は一般に通常の手段によ
っては見ることができない。従って、感光性エマルジョ
ンは更に処理して可視画像を製造しなければならない。
これは銀原子のクラスター(即ち、潜像)を有するハロ
ゲン化銀粒子に触媒近接した銀イオンの還元によって達
成される。高温で、潜像の存在中で非感光性還元性銀源
(例えば、銀ベヘネート)を銀イオン用還元剤によって
還元する。これは銀元素の白黒画像を形成する。
【0006】有機銀塩用還元剤(しばしば「現像剤」と
して示される)は、銀イオンを金属銀に還元することが
できるいかなる材料でも、好ましくは有機材料でもよ
い。常套の写真現像剤、例えばメチルガレート、ヒドロ
キノン、置換ヒドロキノン類、ヒンダードフェノール
類、カテコール、ピロガロール、アスコルビン酸、及び
アスコルビン酸誘導体が有用であるが、ヒンダードビス
フェノール還元剤が伝統的に好ましい。
【0007】白黒光熱写真成分における可視画像は銀元
素(Ag0)によって全て製造されるので、エマルジョ
ン中の銀の量を最大画像濃度を減少させることなく容易
に減少させることはできない。しかし、銀の量の低減は
エマルジョン中に使用される源材料のコストを減少させ
及び/又は機能を向上させる為にしばしば求められる。
例えば、調整剤を導入して光熱写真成分の銀画像の色を
改良してもよい。エマルジョン層中の銀の量を増加させ
ることなく写真及び光熱写真エマルジョンにおける最大
画像濃度を増加させる他の方法はエマルジョン中に染料
形成材料(例えば、ロイコ染料)を導入することによ
る。画像形成時、染料形成材料を酸化し、染料及び還元
した銀画像が同時に露光領域中に形成される。このよう
にして、染料増強銀画像を製造することができる。
【0008】多くの方法がドライ銀システムを用いてカ
ラー画像を得るために提案されてきた。ある方法は染料
形成カップラー材料をドライ銀システム中に導入するこ
とを包含している。色形成ドライ銀システムは有機銀化
合物、マゼンタ、イエロー、又はシアン染料形成カップ
ラー、アミノフェノール現像剤、塩基性放出剤(例え
ば、グアニジニウムトリクロロアセテート)、及びポリ
(ビニルブチラール)中の臭化銀の組み合わせを含有し
てもよい。例えば、色形成ドライ銀システムは銀ベヘネ
ート、2価又は4価のイエロー、マゼンタ又はシアン染
料形成カップラー、スルホンアミドフェノール現像剤、
アミン(例えばn-オクタデシルアミン)及びポリ(ビ
ニルブチラール)中の臭化ヨウ化銀の組み合わせを含有
してもよい。
【0009】カラー画像は染料形成又は染料放出化合物
のエマルジョン中への導入によって形成することもでき
る。画像形成時、染料形成又は染料放出材料を酸化し
て、染料及び還元した銀画像を同時に露光領域中に形成
する。例えば、ロイコ染料化合物がしばしばエマルジョ
ン中に導入される。ロイコ染料は色保有染料の還元状態
である。これは一般に無色又はわずかに着色している。
画像形成時、ロイコ染料を酸化して、染料及び還元した
銀画像を同時に露光領域中に形成する。
【0010】多色光熱写真画像形成成分は典型的にバリ
ヤー層によってお互いに個別に保持された2以上の単色
形成エマルジョン層(しばしば各エマルジョン層は色形
成反応物を有する1組の2重層を含有している)を含有
している。ある感光性光熱写真エマルジョン層を覆うバ
リヤー層は典型的に次の感光性光熱写真エマルジョン層
の溶剤に不溶である。少なくとも2又は3の個別の色形
成エマルジョン層を有する光熱写真成分が米国特許第4,
021,240号及び4,460,681号に開示されている。染料画像
及びロイコ染料を有する多色画像を製造する種々の方法
が、米国特許第3,180,731号;3,531,286号;3,761,270
号;4,022,617号;4,460,681号;4,883,747号;及びリ
サーチ・ディスクロージャー(Reseach Disclosure)1989
年3月、第29963項に示されるようにこの分野で公知で
ある。
【0011】液体現像剤なしに熱を用いて画像形成及び
処理する感熱写真画像形成構造(即ち、熱現像可能な材
料)は画像形成の分野で幅広く知られており画像形成を
助けるために熱の使用に依存している。これらの成分は
一般にその上に:(a)感熱性還元性銀源;(b)感熱
性還元性銀源用還元剤(即ち現像剤);及び(c)バイ
ンダーが被覆形成されてなる支持体(例えば、紙、プラ
スチック、金属、ガラス等)を含有している。
【0012】典型的な感熱写真構造では、画像形成層は
長鎖脂肪酸の銀塩に基づいている。典型的に、好ましい
非感光性還元性銀塩は10〜30個の炭素原子を有する長鎖
脂肪族カルボン酸の銀塩である。ベヘン酸又は類似の分
子量の酸の混合物の銀塩が一般的に使用される。高温
時、銀ベヘネートを銀イオン用還元剤、例えばメチルガ
レート、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン類、ヒンダー
ドフェノール類、カテコール、ピロガロール、アスコル
ビン酸、及びアスコルビン酸誘導体等によって還元し、
これによって、銀元素を有する画像を形成する。還元剤
が酸化して染料を形成又は放出することができる材料、
例えばロイコ染料である場合に、着色画像を形成する。
【0013】多くの場合、感熱構造を感熱写真記録装
置、例えば、熱プリンター、熱ファクシミリ等のサーマ
ルヘッドと接触させる。このような場合には、粘着防止
層を画像形成層の表面に被覆形成して感熱写真構造の使
用する装置のサーマルヘッドへの粘着を防止する。得ら
れた感熱写真構造を次に高温、典型的に約60〜225℃の
範囲で加熱し、画像形成する。
【0014】画像形成分野は光熱写真および熱写真の分
野を写真の分野と明らかに異にするものとして長く認め
てきた。光熱写真および熱写真成分はウエット処理を必
要とする常套のハロゲン化銀写真成分とは全く異なって
いる。
【0015】光熱写真および熱写真画像形成成分では可
視画像を熱によって成分内部に導入された現像剤の反応
の結果として製造する。熱は現像にとって不可欠であり
100℃以上の温度が一般に必要である。一方、常套のウ
エット処理写真画像形成成分は水性処理浴中で処理する
ことを要して可視画像を提供し(例えば、現像及び定着
浴)、現像は通常中程度の温度(例えば、30〜50℃)で
行われる。
【0016】光熱写真成分では、少量のハロゲン化銀し
か光を獲得するのに用いず、異なった状態の銀(例え
ば、銀ベヘネート)を用いて熱で画像を生じさせる。従
って、ハロゲン化銀は非感光性還元性銀源の現像用の触
媒として作用する。一方、常套のウエット処理写真成分
は現像時に銀に変化する1状態の銀(例えば、ハロゲン
化銀)のみを使用する。更に、光熱写真成分は常套のウ
エット処理ハロゲン化銀に使用する単位面積当たりのハ
ロゲン化銀の量の100分の1程度の少量しか要しない。
【0017】光熱写真および熱写真システムは非感光性
銀塩、例えば銀ベヘネートを用い、これは現像剤と共に
潜像を現像するのに寄与する。一方、写真システムは画
像形成処理において直接非感光性銀塩を用いない。その
結果、光熱写真および熱写真成分における画像は主に非
感光性銀塩(銀ベヘネート)の還元によって製造される
のに対して、写真白黒成分における画像は主にハロゲン
化銀によって製造される。
【0018】光熱写真および熱写真成分では、システム
中の「化学薬品」のすべてを成分自身に導入する。例え
ば、光熱写真および熱写真成分は現像剤(即ち、非感光
性還元性銀源用還元剤)を成分内に有するが、常套の写
真成分はそうでない。現像剤の光熱写真成分中への導入
は写真成分に比べて光熱写真成分の被覆形成時の「かぶ
り」の増加した状態を導く。一般にインスタント写真と
よばれるものでさえ現像剤化学薬品は物理的に現像を要
するまでハロゲン化銀と分離されている。光熱写真およ
び熱写真成分の調製及び製造において被覆形成、貯蔵、
及び後処理エージング時のかぶりの形成を最小限にする
多くの努力がなされてきた。
【0019】同様に、光熱写真成分では、非露光のハロ
ゲン化銀は現像後にそのまま残り、その成分は更なる現
像に対して安定でなければならない。一方、写真成分か
らはハロゲン化銀は現像後除去され、更なる画像形成
(即ち、定着工程)を防止する。
【0020】光熱写真および熱写真成分では、バインダ
ーは幅広い変更が可能であり、多くのバインダーがこれ
らの成分を調製するのに有用である。一方、写真成分は
だいたい排他的に親水性バインダー、例えばゼラチンに
限定される。
【0021】光熱写真および熱写真成分は熱処理を要す
るので、違った考え方を提案し製造及び使用に全く異な
った問題を提案する。更に、画像形成工程時に直接的な
効果を持たせる添加剤(例えば、安定化剤、かぶり防止
剤、速度向上剤、増感剤、超増感剤等)の効果は、それ
らが光熱写真および熱写真成分中に導入されるか写真成
分中に導入されるかに依存して変化する。
【0022】光熱写真成分と写真成分との間の相違は
D.H.クロスターボール(Klosterboer)によって画像
形成処理及び材料(Imaging Processes and Materials)
(ネブレッツ(Neblette's)第8版),J.スタージ(Stu
rge)等編集,バン・ノーストランド・レインホールド(V
an Nostrand Reinhold):ニューヨーク,1989年,第9
章に;及び非常套的画像形成処理(Unconventional Imag
ing Processes),E.ブリンクマン(Brinckman)等,ザ
・フォーカル・プレス(The Focal Press):ロンドン及
びニューヨーク,1978年,74〜75ページに記載されてい
る。
【0023】感光性記録材料は、記録された画像の品質
に低下を生じるハレーションとして公知の現象の被害を
受けている。このような低下は感光性層に当てる画像形
成光の一部が吸収されず、代わりに感光性層が被覆形成
されているフィルムベースへと通過する時に生じる。ベ
ースに到達した光の一部は逆に反射して裏側から感光性
層に当たる可能性がある。従って、反射した光は、ある
場合には感光性層の総露光に顕著に寄与する可能性があ
る。感光性成分中のいかなる粒子物質も成分を通過した
光を散乱させる可能性がある。ベースフィルムから反射
した散乱光は、その感光性層を第2の経路をとって、予
定の露光位置に隣接する領域上に露光を生じる。この効
果が画像低下をもたらす。感光性層は光散乱粒子を含有
するのでハロゲン化銀に基づく写真材料(光熱写真材料
を含む)はこの状態の画像低下になりがちであり(T.
H.ジェームス(James),写真処理理論(The Theory of
the Photographic Process)第4版,マクミラン(MacMil
lan)1977年第20章参照)、ハレーション防止及びアキ
ュータンス剤をしばしば光熱写真成分に添加し又はそれ
とともに被覆形成する。減少した光散乱特性を備えた光
熱写真材料を有することが望ましい。
【0024】直視又は投影用の透明支持体上に被覆形成
する場合には、感熱写真記録材料はくもりとして公知の
現象の被害を受ける。くもりは直視画像の品質に低下を
生じ、感熱写真層に当たる光の一部が伝達されずに代わ
りに散乱された場合に生じる。感熱写真成分中のいかな
る粒子物質でも成分を通過した光を散乱させる可能性が
ある。銀ベースの感熱写真材料は熱的に感応性の層が光
散乱粒子、例えば銀塩を含有するのでこの状態の画像の
低下になりがちである。
【0025】光に安定な銀カルボキシレート類は、室温
で有機溶剤に貧溶解性であることで公知である。その結
果、銀カルボキシレート/有機溶剤混合物を基材上に被
覆形成し乾燥た場合には銀カルボキシレートの不連続(d
iscrete)粒子(分子の均一分布の反対)を基材上に形成
する。銀カルボキシレートのような不連続粒子は光散乱
を生じるので、これは高い透明度を要する光熱写真およ
び熱写真成分における銀源としてのこれらの使用を制限
する。材料の炭化水素鎖の長さを増加して溶解させるこ
とによる有機溶剤への溶解性を改善する通常の処理は銀
カルボキシレートの場合には効果を与えない。長いアル
キル鎖(例えば8〜22個の炭素原子を有するもの)を有
するカルボン酸の銀塩は短いアルキル鎖を有するカルボ
ン酸の銀塩ほど良好な溶解性を有さない。従って、光熱
写真および熱写真成分に使用するための溶解性の銀カル
ボキシレート化合物に対する必要性が残っている。
【0026】G.スミス(Smith),D.サガティス(Saga
tys),C.チャンプベル(Campbell),D.リンチ(Lync
h)及びC.ケナード(Kennard),オースト・ジェイ・ケ
ミストリー(Aust.J,Chemistry)1990年,第43巻,1707頁
は置換フェノキシアセテート類の銀錯体の分子構造を記
載している。
【0027】特開昭54-131922号公報(1978年)は安息香
酸のアルコキシ誘導体の銀錯体を液晶材料として開示し
ている。
【0028】米国特許第3,330,633号及び3,554,750号は
チオエーテル結合を有するカルボキシレート類の銀錯体
を写真成分におけるハロゲン化銀にたいする置き換え材
料として開示している。
【0029】米国特許第4,994,352号はアロコキシ基で
置換されていてもよいカルボン酸の金属塩を開示してい
る。これらの材料を金属塩を熱的に分解することを可能
にする光吸収染料とともに導入する。アリコキシ又はポ
リアルコキシ基の特別な効果は記載されていない。
【0030】米国特許第4,943,515号は染料が銀カルボ
キシレート錯体によって提供された銀原子と錯形成する
情報記録システムを開示している。銀カルボキシレート
化合物は酢酸のフェノキシ誘導体を含有している。アル
コキシ又はポリアルコキシ基の特別な効果は記載されて
いない。
【0031】
【発明の要旨】本発明によれば、ある新規の銀カルボキ
シレートが白黒感熱写真又は光熱写真成分における銀源
として、又は染料ベースの感熱写真又は光熱写真カラー
画像形成構造における酸化剤として作用することができ
ることを見いだした。このような銀カルボキシレート類
は調製した光熱写真および熱写真成分用に使用される溶
剤に増加した溶解性を有する。このような増加した溶解
性のために、銀カルボキシレート/溶剤混合物を光熱写
真又は感熱写真基材上に被覆形成し乾燥したとき、得ら
れたエマルジョン層は個々の銀カルボキシレート分子が
バインダー全体に一様に分布してなる。従来の場合のよ
うなエマルジョン層中のもっと大きな銀カルボキシレー
ト粒子にくらべて、発明のカルボキシレート類のエマル
ジョン層全体へのより完全で繊細な分布は光散乱を十分
に低下させ鮮明度を増加させることとなる。
【0032】本発明の銀カルボキシレート類は一般式; R3-X-(CH2-CH2-X)n-L-CR12-COO-+Ag(I) (式中:R1及びR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲ
ン、アルキル基又はアリール基であり;R3はアルキル
基、アリール基、L-CR12-COO-+Agであり;L
はCR12をXに結合する結合基であり;XはO、S、
及びNR4からなる群から選択され、ここでR4はアルキ
ル、置換アルキル、芳香族、又は置換芳香族から選択さ
れ;及びnは0〜12の整数である)によって表すことが
できる。
【0033】好ましくはR1及びR2はそれぞれ独立して
水素、1〜4個の炭素原子のアルキル基、5〜6個の炭
素原子のアリール基、又はハロゲン基であり、より好ま
しくは、R1及びR2は水素である。
【0034】R3は好ましくは1〜4個の炭素原子のア
ルキル基、又は5〜6個の炭素原子のアリール基であ
る。より好ましくは、R3は1〜4個の炭素原子のアル
キル基である。最も好ましくは、R3はメチル又はエチ
ルである。
【0035】Xは好ましくはOである。
【0036】R4は好ましくは1〜4個の炭素原子のア
ルキル基である。最も好ましくは、R4はメチル又はエ
チルである。
【0037】好ましくは、Lは単結合、CH2、CR1
2又はアリーレン基(例えば、C64)である。より好
ましくは、Lは単結合である。
【0038】nは好ましくは0〜5の整数である。
【0039】R3及びR4の選択に依存して、Lによって
CR12に結合される鎖部分の原子の総数(即ち、L、
X、炭素、水素、及びR3中の原子)は約14〜22の間で
あることが好ましい。
【0040】従って、本発明のある実施態様は、安定で
高解像度の高濃度画像を与えることができる熱現像可能
な光熱写真成分を提供する。これらの成分は: (a)感光性ハロゲン化銀; (b)式(I)の銀カルボキシレート化合物を含有する
非感光性還元性銀源; (c)非感光性還元性銀源用還元剤;及び (d)バインダーを含有する少なくとも1つの感光性画
像形成光熱写真エマルジョン層を有する支持体を包含す
る。
【0041】更なる実施態様では、本発明は (a)式(I)の銀カルボキシレート化合物を含有する
非感光性還元性銀源; (b)非感光性還元性銀源用還元剤;及び (c)バインダーを含有する画像形成層で被覆された支
持体を包含する感熱写真成分を提供する。
【0042】発明の感熱写真及び光熱写真成分ではとも
に、非感光性還元性銀源用還元剤は任意に酸化して染料
を形成する又は事前に形成されている染料を放出するこ
とができる化合物を含有してもよい。好ましくは、染料
形成材料はロイコ染料である。
【0043】本明細書中で使用する「エマルジョン層」
の語により、感光性銀塩と銀源材料を含有する光熱写真
成分の層を意味する。本明細書中で使用する「光熱写真
成分」の語により、少なくとも1つの光熱写真エマルジ
ョン層と支持体、表面コート層、ブロッキング層等のい
ずれかを含有する構造を意味する。
【0044】本明細書中で用いる実質的に水なし条件で
の加熱は、80〜250℃の温度での加熱を意味する。「実
質的に水なし条件」という用語は反応システムが空気中
で水と等価であり、反応を後退又は促進させるための水
は外部から成分に特別に又は積極的に供給されないこと
を意味する。このような条件はT.H.ジェームズ(Jam
es')写真処理理論(The Theory of the Photographic Pr
ocess),第4版,374頁に開示されている。
【0045】この技術領域でよく理解されているよう
に、かなりの程度の置換が許されているだけでなく、し
ばしば有効である。この出願全体で使用されるある種の
技術の論議及び説明を簡略化する手段として、「基」及
び「部分」という用語は置換が許される又は置換しても
よい化学種と、置換が許されない又はそのような置換を
してはならない化学種とに区別して使用する。従って、
「基」という用語を使用して化学置換基を記載する場合
には、記載された化学材料は基本的な基と常套の置換を
有する基とを包含する。「部分」という用語を使用して
化学化合物又は置換基を記載する場合には、非置換化学
材料しか含まれないことを意図している。例えば、「ア
ルキル基」という言い方は純粋なオープン鎖及び環状置
換炭化水素アルキル置換基、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、t-ブチル、シクロヘキシル、アダマンチル、
オクタデシル等だけでなく、この分野で公知の更なる置
換基、例えばヒドロキシル、アルコキシ、ビニル、フェ
ニル、ハロゲン原子(F、Cl、Br、及びI)、シア
ノ、ニトロ、アミノ、カルボキシル等を有するアルキル
置換基も包含することを意図している。一方、「アルキ
ル部分」という言い方は純粋なオープン鎖及び環状置換
炭化水素アルキル置換基、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、t-ブチル、シクロヘキシル、アダマンチル、オ
クタデシル等だけの包含に限定される。活性な構成成分
と反応する置換基、例えば非常に強い求電子性又は酸化
性置換基は不活性又は無害ではないのでもちろん通常の
当業者によって排除される。
【0046】本発明の他の特色、効果及び利益は詳細な
説明、実施例及び請求の範囲から明らかである。
【0047】 〔発明の詳細な説明〕白黒感熱写真又は光熱写真成分に
おける銀源として、又は染料ベースの感熱写真又は光熱
写真カラー画像形成構造用の酸化剤として作用すること
ができる銀カルボキシレート類は一般式: R3-X-(CH2-CH2-X)n-L-CR12-COO-+Ag(I) によって表すことができる。R1及びR2はそれぞれ独立
して水素、ハロゲン、アルキル基又はアリール基であ
る。R1及びR2は水素であるのが好ましい。R3はアル
キル基、アリール基、又はL-CR12-COO-+Agで
ある。好ましくは、R3は1〜4個の炭素原子のアルキ
ル基、又は5〜6個の炭素原子のアリール基である。よ
り好ましくは、R3は1〜4個の炭素原子のアルキル基
である。最も好ましくは、R3はメチル又はエチルであ
る。LはCR12をXに結合する結合基である。好まし
くは、Lは単結合、CH2-、CR12又はアリーレン基
(例えば、C64)である。より好ましくは、Lは単結
合である。XはO、S、及びNR4からなる群から選択
され、ここでR4はアルキル、置換アルキル、芳香族、
又は置換芳香族から選択さる。Xは好ましくはOであ
る。XがNR4の場合には、R4は好ましくは1〜4個の
炭素原子のアルキル基である。もっとも好ましくは、R
4はメチル又はエチルである。nは0〜12、好ましくは
0〜5の整数である。
【0048】R3及びR4の選択に依存して、Lによって
CR12に結合される鎖部分の原子の総数(即ち、L、
X、炭素、水素、及びR3中の原子)は約14〜22の
間であることが好ましい。一般に、カルボキシレート鎖
が長いほど(即ちnが大きいほど)式(I)の化合物は
溶解性であろう。逆にR1-R4の鎖の長さが長いほど及
び/又はR1-R4で表されるアリール基の数が大きいほ
ど式(I)の化合物は溶解性が低くなるであろう。従っ
て、これら2つの末端間の調整をとって所望のレベルの
溶解度を達成しなければならない。
【0049】本発明の感光性成分は: (a)感光性ハロゲン化銀; (b)式(I)の銀カルボキシレート化合物を含有する
非感光性還元性銀源; (c)非感光性還元性銀源用還元剤;及び (d)バインダーを含有する少なくとも1つの感光性画
像形成光熱写真エマルジョン層を有する支持体を包含す
る。
【0050】他の実施態様では、本発明は (a)式(I)の銀カルボキシレート化合物を含有する
非感光性還元性銀源; (b)非感光性還元性銀源用還元剤;及び (c)バインダーを含有する画像形成層で被覆された支
持体を包含する感熱写真構造を提供する。
【0051】発明の感熱写真及び光熱写真構造ではとも
に、非感光性銀源用還元剤は任意に酸化して染料を形成
する又は事前に形成されている染料を放出することがで
きる化合物を含有してもよい。好ましくは、染料形成材
料はロイコ染料である。
【0052】本発明の銀カルボキシレート化合物は当業
者に明らかな合成無機化学の方法により形成することが
できる。例えば、化合物1〜5は1分子の無機酸の銀塩
(即ち、硝酸銀)の1分子のアルコキシ-カルボン酸の
アルカリ金属塩との反応によって調製される。このよう
な化合物の調製はまた後のこの出願の実施例1に詳述す
る。
【0053】代表的な本発明の銀カルボキシレート化合
物を以下に示す。これらの代表的なものは例示であり限
定を意図するものではない。
【化1】
【0054】式(I)の銀カルボキシレート化合物(上
記のものを含む)はカルボン酸の銀塩として記載され
る。実際の使用では、これらの銀カルボキシレート化合
物は2つの銀原子の2つのカルボキシレート基との配位
錯体を形成すると信じられている。このような配位錯体
は以下の式で表すことができる:
【0055】
【化2】
【0056】前述したような式(I)の銀カルボキシレ
ート化合物に加えて、さらに非感光性有機銀塩を式
(I)の化合物とともに使用してもよい。このような追
加の非感光性有機銀塩は比較的光に安定で還元剤と反応
して銀画像を形成する銀塩である。有機酸の銀塩、特に
長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。鎖は典型的に
10〜30、好ましくは15〜28個の炭素原子を含有する。
【0057】銀石鹸分散体を形成するために使用する方
法はこの分野で公知でありリサーチ・ディスクロージャ
ー(Research Disclosure)1983年4月,22812項、リサー
チ・ディスクロージャー1983年8月,23419項、及び米
国特許第3,985,565号に開示されている。
【0058】ハロゲン含有化合物を式(I)の銀カルボ
キシレート化合物及びいずれかの追加の有機銀塩に添加
して銀カルボキシレート化合物及びいずれかの追加の有
機銀塩の銀をハロゲン化銀に部分的に変換することを含
む未精製の処理を使用することも有効である。
【0059】本発明の光熱写真成分に使用するとき、追
加の有機銀塩は好ましくは80℃以上の温度に露光された
光触媒(例えばハロゲン化銀)と還元剤の存在中で加熱
したときに銀画像を形成する銀塩である。
【0060】本発明の光熱写真成分を使用して白黒、モ
ノクロ、又はフルカラー画像を調製してもよい。本発明
の光熱写真成分を、例えば常套の白黒又はカラー光熱写
真に、電気的に生じる白黒又はカラーハードコピー記録
に、グラフィックアートの分野に、及びデジタルカラー
プルーフィングに使用することができる。本発明の成分
は高い写真速度、強吸収白黒又はカラー画像、及びドラ
イで高速の処理を提供する。
【0061】光熱写真成分に使用するとき、現像の出発
点を形成するハロゲン化銀及び非感光性還元性銀源材料
は触媒近接、即ち反応的結び付きでなければならない。
「触媒近接」又は「反応的結び付き」とはこれらが同じ
層中に、隣接層中に、又は1マイクロメートル(1μ
m)以下の厚さを有する中間層によって互いに分離され
た層中にあるべきことを意味する。ハロゲン化銀及び非
感光性還元性銀源材料は同じ層中に存在することが好ま
しい。
【0062】光熱写真成分に使用するとき、感熱構造の
露光後に得られる潜像は約80〜約250℃(176°F〜482°
F)のかなりの高温で約1秒から2分間材料を加熱する
ことによって現像することができる。露光及び現像は潜
像露光後又はこれと同時に実質的に水なし条件で行い白
黒銀画像を形成する。
【0063】非感光性銀源用還元剤が酸化して染料を形
成する又は事前に形成されていた染料を放出することが
できる化合物を含有する場合には、染料画像は露光領域
又は非露光領域中のいずれかに露光された感光性ハロゲ
ン化銀とともに銀画像の形成と同時に得られる。
【0064】本発明の感熱写真成分を使用する場合に
は、追加の有機銀塩は好ましくは80℃以上に還元剤の存
在中で加熱したときに銀画像を形成する銀塩である。
【0065】本発明の感熱写真成分を使用して白黒又は
モノクロ画像を調製することもできる。
【0066】非感光性還元性銀源の総量(式(I)の銀
カルボキシレート化合物と任意に追加の有機銀塩化合
物)は好ましくはエマルジョン層の15〜70重量%の量存
在する。より好ましくはエマルジョン層の30〜55重量%
のレベルで存在する。
【0067】(感光性ハロゲン化銀)前述したように、
本発明は光熱写真構造中に感光性ハロゲン化銀を含有す
る。感光性ハロゲン化銀はいかなる感光性ハロゲン化
銀、例えば、臭化銀、ヨウ化銀、塩化銀、臭化ヨウ化
銀、塩化臭化ヨウ化銀、塩化臭化銀等でもよい。還元性
銀源として機能する有機銀化合物に触媒近接して配置さ
れるかぎり、感光性ハロゲン化銀をいかなる状態でエマ
ルジョン層に添加することもできる。
【0068】ハロゲン化銀は感光性であればいかなる形
態であってもよく、限定されないが、立方体、八面体、
斜方12面体、斜方晶、四面体、他の多面体等があり、そ
の上にエピタキシャル成長を有してもよい。平板状粒子
は好ましくなく、本発明の光熱写真成分に使用される最
も好ましくない結晶状態であることは事実である。真に
平板状粒子(例えば5:1以上のアスペクト比を有す
る)の狭い粒子サイズ分布を現存の技術によって0.10μ
mの平均直径サイズ以下の好ましい粒子サイズで容易に
提供することはできない。5:1以下のアスペクト比を
有する「平板状」、「薄片状(laminar)」又は「シグ
マ」粒子としてこの分野で示される粒子があり、例えば
米国特許第4,806,461号に開示されており、これは2:
1以上のアスペクト比と0.5μm以下の厚さ及び0.3以下
の粒子直径平均を備えた薄片状粒子と呼ばれる「平板
状」二重平面粒子を示しているが、このような粒子が薄
片状又は平板状粒子として当業者の考慮の範囲内である
かは明確でないとともに、これらは、ハロゲン化銀粒子
について体積に対するより高い占有表面積比(例えば、
米国特許第4,425,425号及び4,425,426号のような粒子の
被膜重量に対するより高い投影領域)を提供するという
平板状粒子の本来の開示の認識された利益を伴わず、こ
の用語の範囲を曖昧にする定義に過ぎない。
【0069】ハロゲン化銀粒子は全体に均一な比のハロ
ゲン化物を有してもよく;例えば、臭化銀とヨウ化銀を
連続的に変化するの割合で有する勾配のあるハロゲン化
物濃度を有してもよく;又はあるハロゲン化物の割合の
不連続コアと別のハロゲン化物の割合の不連続シェルを
有するコア-シェルタイプのものでもよい。光熱写真成
分及びこれらの材料を調製する方法に有用なコア-シェ
ルタイプハロゲン化銀粒子は係属中の米国特許出願第08
/199,114号(1994年2月22日出願)に記載されている。
イリジウムをドープしたコアを有するコア-シェルハロ
ゲン化銀はとくに好ましい。イリジウムをドープしたこ
のタイプのコア-シェル粒子は係属中の米国特許出願第0
8/239,984号(1994年5月9日出願)に記載されてい
る。
【0070】ハロゲン化銀を前もって(即ち事前形成)
調製しバインダー中で有機銀塩と混合した後被膜溶液を
調製するのに使用してもよい。ハロゲン化銀はいかなる
手段によって、例えば米国特許第3,839,049号により事
前形成してもよい。ハロゲン化銀を事前形成し式(I)
の銀カルボキシレート化合物及び追加の有機銀塩ととも
にバインダー中で混合して被膜溶液を調製してもよい。
ハロゲン化銀、銀カルボキシレート化合物及びいずれか
の追加の有機銀塩をボールミル中で混合スル、又はこれ
らを長時間にわたってホモジナイザー(homogenizer)
中で均一にすることも効果的である。このタイプの材料
はしばしば「事前形成エマルジョン」として示される。
ハロゲン化銀及び有機銀塩を調製する方法及びこれらを
混合する手段はリサーチ・ディスクロージャー,1978年
6月,17029項;米国特許第3,700,458号及び4,076,539
号及び日本特許出願昭49-13224号、昭51-42529号及び昭
和50-17216号に記載されている。事前形成されたハロゲ
ン化銀エマルジョンを本発明の材料に使用する場合に
は、非洗浄又は洗浄して溶解性塩を除去することができ
る。後者の場合、溶解性塩を冷却保存及び濾過して除去
することができ、又はエマルジョンを凝結洗浄、例えば
米国特許第2,618,556号;2,614,928号;2,565,418号;
3,241,969号及び2,489,341号に記載されている操作によ
ってすることができる。
【0071】未精製処理、即ちハロゲン含有化合物を有
機銀塩に添加して部分的に有機銀塩の銀をハロゲン化銀
に変換する処理を用いることも効果的である。
【0072】本発明に使用する感光性ハロゲン化銀を約
0.005モル〜約0.5モル;好ましくは約0.01モル〜約0.15
モル/1モルの非感光性還元性銀塩;より好ましくは0.
03モル〜0.12モル/1モルの非感光性還元性銀塩の範囲
で使用することができる。
【0073】本発明に使用するハロゲン化銀を化学的及
び光学的に常套のウエット処理のハロゲン化銀又は最新
の熱現像性写真材料を増感するのに使用するのと同様な
方法で増感してもよい。例えば、化学増感剤、例えば硫
黄、セレン、テルル等を含有する化合物、又は金、白
金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム等
を含有する化合物、還元剤、例えばハロゲン化錫等、又
はその組み合わせで化学的に増感してもよい。これらの
操作の詳細はT.H.ジェームズ,写真処理理論,第4
版,第5章149〜169頁に記載されている。好適な化学増
感操作はシェパード(Shepard),米国特許第1,623,499
号;ウォーラー(Waller),米国特許第2,399,083号;マ
ックベイフ(McVeigh),米国特許第3,297,447号;及びダ
ン(Dunn),米国特許第3,297,446号にも記載されてい
る。
【0074】増感染料の感光性ハロゲン化銀への添加
は、可視及び赤外光に対してスペクトル増感によって高
い感応性を有するハロゲン化銀を提供する作用をする。
従って、感光性ハロゲン化銀はスペクトル的にハロゲン
化銀を増感させる種々の公知の染料でスペクトル的に増
感してもよい。使用することができる増感染料の非限定
的な例としては、シアニン染料、メロシアニン染料、錯
体シアニン染料、錯体メロシアニン染料、ホロポーラ(h
olopolar)シアニン染料、ヘミシアニン染料、スチリル
染料及びヘミオキサノール染料がある。これらの染料の
うち、シアニン染料、メロシアニン染料、及び錯体メロ
シアニン染料が特に有用である。
【0075】添加される増感染料の適量は一般に約10
-10〜10-1モル/1モルのハロゲン化銀;より好ましく
は約10-8〜10-3モル/1モルのハロゲン化銀である。
【0076】(非感光性還元性銀源用還元剤)白黒光熱
写真及び感熱写真構造に使用する場合には、本発明は非
感光性還元性銀源材料用還元剤を含有する。
【0077】有機銀塩用還元剤は銀イオンを金属銀に還
元することができるいかなる材料でも、好ましくは有機
材料でもよい。常套の写真現像剤には、例えばメチルガ
レート、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン類、ヒンダー
ドフェノール類、カテコール、ピロガロール、アスコル
ビン酸、アスコルビン酸誘導体、ロイコ染料等がある。
ヒンダードフェノール還元剤が好ましい。
【0078】幅広い範囲の還元剤がドライ銀システムに
おいて開示されており、アミドキシム類、例えばフェニ
ルアミドキシム、2-チエニルアミドキシム、及びp-フ
ェノキシ-フェニルアミドキシム;アジン類、例えば4-
ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒドアジ
ン;脂肪族カルボン酸アリールヒドラジド類とアスコル
ビン酸の組み合わせ、例えばアスコルビン酸と組み合わ
せた2,2'-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニルベー
タフェニルヒドラジド;ポリヒドロキシベンゼンとヒド
ロキシルアミンとの組み合わせ;レダクトン及び/又は
ヒドラジン、例えばヒドロキノン及びビス(エトキシエ
チル)ヒドロキシルアミンの組み合わせ、ピペリジノヘ
キソースレダクトン、又はホルミル-4-メチルフェニル
ヒドラジン;ヒドロキサム酸類、例えばフェニルヒドロ
キサム酸、p-ヒドロキシフェニルヒドロキサム酸及び
o-アラニンヒドロキサム酸;アジン類とスルホンアミ
ドフェノール類の組み合わせ、例えばフェノチアジンと
p-ベンゼンスルホンアミドフェノール又は2,6-ジクロ
ロ-4-ベンゼンスルホンアミドフェノール;α-シアノ
フェニル酢酸誘導体、例えばエチルα-シアノ-2-メチル
フェニルアセテート、エチルα-シアノ-フェニルアセテ
ート;ビス-o-ナフトール類、例えば2,2'-ジヒドロキ
シル-1-ビナフチル、6,6'-ジブロモ-2,2'-ジヒドロキシ
-1,1'-ビナフチル、及びビス(2-ヒドロキシ-1-ナフチ
ル)メタンによる;ビス-o-ナフトールと1,3-ジヒドロ
キシベンゼン誘導体の組み合わせ、例えば2,4-ジヒドロ
キシベンゾフェノン又は2,4-ジヒドロキシアセトフェノ
ン;5-ピラゾロン類、例えば3-メチル-1-フェニル-5-ピ
ラゾロン;レダクトン類、例えばジメチルアミノヘキソ
ースレダクトン、アンヒドロジヒドロアミノヘキソース
レダクトン、及びアンヒドロジヒドロ-ピペリドン-ヘキ
ソースレダクトン;スルホンアミドフェノール還元剤、
例えば2,6-ジクロロ-4-ベンゼンスルホンアミドフェノ
ール及びp-ベンゼンスルホンアミドフェノール;イン
ダン-1,3-ジオン類、例えば2-フェニルインダン-1,3-ジ
オン;クロマン類、例えば2,2-ジメチル-7-t-ブチル-6
-ヒドロキシクロマン;1,4-ジヒドロピリジン類、例え
ば2,6-ジメトキシ-3,5-ジカルボエトキシ-1,4-ジヒドロ
ピリジン;ビスフェノール類、例えばビス(2-ヒドロキ
シ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)メタン、1,1-ビス
(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメ
チル-ヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェ
ニル)プロパン、4,4-エチリデン-ビス(2-t-ブチル-6
-メチルフェノール)、及び2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロパン;アスコルビン酸誘導
体、例えば1-アスコルビルパルミテート及びアスコルビ
ルステアレート;不飽和アルデヒド類及びケトン類;及
び3-ピラゾリドン類(フェニドン類)がある。
【0079】還元剤は画像形成層の1〜10重量%存在す
るべきである。多層構造においては還元剤をエマルジョ
ン層以外の層に添加するならば、約2〜15重量%のわず
かにより高い割合がより好ましい傾向にある。
【0080】(任意の染料形成又は染料放出材料)必要
であれば、還元性銀源用還元剤は酸化して直接又は間接
的に染料を形成又は放出することができる化合物でもよ
い。
【0081】染料形成又は放出材料は、好ましくは約80
℃〜約250℃(176°F〜482°F)の温度に約1秒〜約2
分間継続して加熱したときに酸化して着色状態になるこ
とができるいかなる無色又はわずかに着色した化合物で
あってもよい。染料又は画像受容層とともに使用する場
合には、染料はエマルジョン層及び中間層を通過して本
発明の成分の画像受容層中へと拡散することができる。
【0082】ロイコ染料は酸化時に染料を形成する染料
放出材料の一種である。銀イオンによって酸化されて可
視画像を形成することができればいかなるロイコ染料を
も本発明に使用することができる。pH感応性及び酸化
性の両方であるロイコ染料を使用することができるが、
好ましくはない。pHの変化にのみ感応性であるロイコ
染料は、酸化して着色状態になるのではないので、本発
明に有用な染料の範囲に含まれない。
【0083】ここで使用するように、「色に変化があ
る」という用語は:(1)無色またはわずかな着色状態
(0.2以下の光強度)から着色状態(少なくとも0.2ユニ
ットの光強度における増加)への変化;及び(2)色味
の実質的変化を包含する。
【0084】ここで使用するように、「ロイコ染料」又
は「ブロックロイコ染料」とは一般に無色又は非常にわ
ずかに着色した染料の還元状態であって、ロイコ又はブ
ロックロイコ染料の染料状態への酸化時に着色画像を形
成することができる。従って、ロイコ又はブロックロイ
コ染料(即ち、ブロック染料放出化合物)は対応する染
料が吸収するよりも電磁波スペクトルの可視範囲を強く
吸収しない。得られた染料は直接染料が形成されたシー
ト上に、又は染料又は画像受容層とともに使用する場合
にはエマルジョン層及び中間層を通過して拡散し画像受
容層上に画像を生成する。
【0085】本発明の光熱写真成分に使用することがで
きる代表的な種類のロイコ染料としてはこれに限定され
ないが:色原体ロイコ染料、例えばインドアニリン、イ
ンドフェノール又はアゾメチンロイコ染料;イミダゾー
ルロイコ染料、例えば米国特許第3,985,565号に記載さ
れているような2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェ
ニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール;アジン、ジアジ
ン、オキサジン又はチアジン核を有する染料、例えば米
国特許第4,563,415号;4,622,395号;4,710,570号;及
び4,782,010号に記載されているようなもの;及び米国
特許第4,923,792号に記載されているようなベンジリデ
ンロイコ化合物がある。
【0086】本発明に有用なある種のロイコ染料はアゾ
メチンロイコ染料又はインドアニリンロイコ染料から誘
導されたものである。多くのこれらの染料は常套のウエ
ット処理写真に有用であるので、これらはしばしばここ
では「色原体ロイコ染料」として示される。色原体染料
はp-フェニレンジアミン化合物又はp-アミノフェノー
ル化合物の写真タイプのカップラーとの酸化的カップリ
ングによって調製する。例えば米国特許第4,374,921号
に記載されるような対応する染料の還元は、色原体ロイ
コ染料を形成する。ロイコ色原体染料は米国特許4,594,
307号にも記載されている。短鎖カルバモイル保護基を
有するシアンロイコ色原体染料はヨーロッパ公開特許出
願第533,008号に記載されてイる。色原体ロイコ染料の
評論に対してはK.ベンカタラマン(Venkataraman),合
成染料の化学(The Chemistry ofSynthetic Dyes),アカ
デミック・プレス(Academic Press):ニューヨーク,19
52年;第4巻,第VI章を参照。:
【0087】本発明に有用な他の種類のロイコ染料は
「アルダジン」及び「ケタジン」ロイコ染料である。こ
のタイプの染料は米国特許第4,587,211号及び4,795,697
号に記載されている。ベンジリデンロイコ染料もまた本
発明に有用である。このタイプの染料は米国特許第4,92
3,792号に記載されている。
【0088】酸化時に拡散性の染料を形成するまた別の
種類の染料放出材料は事前形成染料放出(PDR)又は
酸化還元染料放出(RDR)材料として公知である。こ
れらの材料では有機銀化合物用還元剤は酸化時に容易に
移動する事前形成染料を放出する。これらの材料の例は
スワイン(Swain),米国特許第4,981,775号に開示されて
いる。
【0089】更に、他の画像形成材料のように、例え
ば、日本特許出願第昭59-165,054に記載されているよう
に、染料部分を有する化合物の移動度が、ハロゲン化銀
又は有機銀塩との高温での酸化還元反応の結果として変
化する材料を使用することができる。
【0090】また更に、この分野で公知のように還元剤
は常套の写真染料カップラー又は現像剤を酸化時に放出
する化合物でもよい。
【0091】異なった色形成層中で形成又は放出される
染料はもちろん異なっているべきである。反射最大吸収
において少なくとも60nmの差が好ましい。より好ましく
は、形成又は放出される染料の吸収最大は少なくとも80
〜100nmの差がある。3つの染料が形成される場合に
は、2つは好ましくは少なくともこれら最小限の差があ
り、第3の物は好ましくは他の染料の少なくとも1つと
少なくとも150nm、より好ましくは少なくとも200nmの差
がある。銀イオンによって酸化されて可視染料を形成又
は放出することができる還元剤が前述したように本発明
に有用である。
【0092】本発明に使用する還元剤として使用する任
意のロイコ染料の総量は、還元剤が使用されるそれぞれ
独立した層の総重量に基づいて、好ましくは0.5〜25重
量%の範囲、より好ましくは1〜10重量%の範囲であ
る。
【0093】(バインダー)感光性ハロゲン化銀(使用
するとき)、非感光性還元性銀源(例えば、銀アルコキ
シ-カルボキシレート化合物)、還元剤、任意のロイコ
染料、及び他の本発明に使用する添加剤は一般にここで
以下に記載するような少なくとも1つのバインダーに添
加される。
【0094】本発明に使用することができるバインダー
は個々に又は互いに組み合わせて使用することができ
る。バインダーはポリマー状材料、例えば天然及び合成
樹脂から選択され、バインダーが溶液又はけん濁液中の
エマルジョンの他の構成成分を保持できるほど十分に極
性であることが好ましい。
【0095】典型的な親水性バインダーは透明又は半透
明親水性コロイドである。親水性バインダーの例として
は:天然物質、例えばタンパク質(例えば、ゼラチン、
ゼラチン誘導体、セルロース誘導体等);多糖類(例え
ば、澱粉、アラビアゴム、プルラン、デキストリン
等);及び合成ポリマー、例えば、水溶性ポリビニル化
合物(例えば、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニ
ルピロリドン)、アクリルアミドポリマー等)がある。
親水性バインダーの他の例はラテックス状に分散された
ビニル化合物であり、これは写真成分の寸法安定性を向
上させる目的で使用される。
【0096】典型的な疎水性バインダーの例はポリビニ
ルアセタール類、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセテー
ト、セルロースアセテート、ポリオレフィン類、ポリエ
ステル類、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ
カーボネート類、メタクリレートコポリマー、マレイン
酸無水物エステルコポリマー、ブタジエン-スチレンコ
ポリマー等である。コポリマー及びターポリマーもポリ
マーの定義に含まれる。ポリビニルアセタール類、例え
ばポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール、及
びビニルコポリマー、例えばポリビニルアセテート及び
ポリ塩化ビニルは特に好ましい。バインダーは個々に又
は互いに組み合わせて使用することができる。バインダ
ーは親水性でも疎水性でもよいが、好ましくは疎水性で
ある。
【0097】バインダーは親水性であっても疎水性であ
ってもよいが、好ましくは銀含有層においては疎水性で
ある。任意に、ポリマーバインダーを2以上組み合わせ
て使用してもよい。
【0098】バインダーは一般にエマルジョン層の約30
〜約90重量%、好ましくは約45〜約85重量%のレベルで
使用する。ロイコ染料の割合及び活性が特別の現像時間
及び温度を必要とする場合には、バインダーはそれらの
条件に対抗できねばならない。一般に、バインダーはそ
の構造的完全性を20°F(121℃)で60秒間で分解したり
損失したりしないことが好ましく、その構造的完全性を
350°F(177℃)で60秒間で分解したり損失したりしな
いことがより好ましい。
【0099】ポリマーバインダーはその内部に成分を分
散させて保持するのに十分な量、即ち、バインダーとし
ての活性の有効範囲内で使用する。有効範囲は当業者に
よって適宜決定される。
【0100】(光熱写真及び感熱写真配合)光熱写真及
び感熱写真エマルジョン層用の配合はバインダー、感光
性ハロゲン化銀(使用するとき)、非感光性還元性銀源
(式(I)の銀カルボキシレート及び任意に、追加の有
機銀塩化合物を含む)、非感光性還元性銀源用還元剤
(例えば、任意のロイコ染料)及び任意の添加剤を不活
性有機溶剤、例えばトルエン、2-ブタノン又はテトラ
ヒドロフラン中に溶解及び分散させることによって調製
することができる。
【0101】画像を改良する「調整剤」又はその誘導体
の使用が非常に望ましいが、成分にとって本質的ではな
い。調整剤はエマルジョン層の0.01〜10重量%、好まし
くは0.1〜10重量%の量存在してもよい。調整剤は米国
特許第3,080,254号;3,847,614号及び4,123,282号に示
されているように光熱写真の分野で公知の材料である。
【0102】調整剤の例としては:フタルイミド及びN
-ヒドロキシフタルイミド;環状イミド類、例えばスク
シンイミド、ピラゾリン-5-オン類、キナゾリノン、1-
フェニルウラゾール、3-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン
及び2,4-チアゾリジンジオン;ナフタルイミド類、例え
ばN-ヒドロキシ-1,8-ナフタルイミド;コバルト錯体、
例えばコバルトヘキサミントリフルオロアセテート;メ
ルカプタン類、例えば、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾ
ール、2,4-ジメルカプト-ピリミジン、3-メルカプト-4,
5-ジフェニル-1,2,4-トリアゾール、及び2,5-ジメルカ
プト-1,3,4-チアジアゾール;N-(アミノメチル)アリ
ールジカロボキシイミド類、例えば(N,N-ジメチル
アミノメチル)-フタルイミド、及びN-(ジメチルアミ
ノメチル)ナフタレン-2,3-ジカルボキシイミド;ブロ
ックピラゾール類、イソチウロニウム誘導体、及びある
種の光漂白剤の組み合わせ、例えばN,N-ヘキサメチ
レン-ビス(1-カロバモイル-3,5-ジメチルピラゾー
ル)、1,8-(3,6-ジアゾオクタン)ビス(イソチウロニウ
ム)トリフルオロアセテート、及び2-(トリブロモメチ
ルスルホニルベンゾチアゾール)の組み合わせ;メロシ
アニン染料、例えば3-エチル-5-[(3-エチル-2-ベンゾ
チアゾリニリデン)-1-メチル-エチリデン]-2-チオ-2,
4-o-アゾリジンジオン;フタラジノン、フタラジノン
誘導体、又は金属塩又はこれらの誘導体の、例えば4-
(1-ナフチル)フタラジノン、6-クロロフタラジノ
ン、5,7-ジメトキシフタラジノン、及び2,3-ジヒドロ-
1,4-フタラジンジオン;フタラジン+1以上のフタル酸
誘導体の組み合わせ、例えばフタル酸、4-メチルフタル
酸、4-ニトロフタル酸、及びテトラクロロフタル酸無水
物、キナゾリンジオン類、ベンゾキサジン又はナフトキ
サジン誘導体;トーン改良剤としてだけでなく未精製ハ
ロゲン化銀形成用のハロゲン化物イオン源として機能す
るロジウム錯体、例えばアンモニウムヘキサクロロロデ
ート(III)、臭化ロジウム、硝酸ロジウム及びカリウ
ムヘキサクロロロデート(III);無機過酸化物及び過
硫酸物、例えばアンモニウムパーオキシドスルフェート
及び過酸化水素;ベンゾキサジン-2,4-ジオン類、例え
ば1,3-ベンゾキサジン-2,4-ジオン、8-メチル-1,3-ベン
ゾキサジン-2,4-ジオン及び6-ニトロ-1,3-ベンゾキサジ
ン-2,4-ジオン;ピリミジン類及びアシム-トリアジン
類、例えば2,4-ジヒドロキシピリミジン、2-ジヒドロキ
シ-4-アミノピリミジン、及びアザウラシル;及びテト
ラアザペンタレン誘導体、例えば3,6-ジメルカプト-1,4
-ジフェニル-1H,4H-2,3a,5,6a-テトラアザペンタ
レン及び1,4-ジ-(o-クロロフェニル)-3,6-ジメルカ
プト-1H,4H-2,3a,5,6a-テトラアザペンタレンがあ
る。
【0103】光熱写真成分に使用する場合には、本発明
に使用する光熱写真成分を更に、更なるかぶりの生成に
対して保護してもよく、保存中の感応性の損失に対して
安定化させることができる。発明の実施にとって必要で
はないが、水銀(II)塩をエマルジョン層にかぶり防止
剤として添加することが有効であってもよい。この目的
に対して好ましい水銀(II)塩は酢酸水銀及び臭化水
銀である。
【0104】単独で又は組み合わせて使用することがで
きる好適なかぶり防止剤及び安定化剤としては、米国特
許第2,131,038号及び米国特許第2,694,716号に記載され
ているチアゾリウム塩;米国特許第2,886,437号及び2,4
44,605号に記載されているアザインデン類;米国特許第
2,728,663号に記載されている水銀塩;米国特許第3,28
7,135号に記載されているウラゾール類;米国特許第3,2
35,652号に記載されているスルホカテコール類;英国特
許第623,448号に記載されているオキシム類;米国特許
第2,839,405号に記載されている多価金属塩;米国特許
第3,220,839号に記載されているチウロニウム塩;米国
特許第2,566,263号及び2,597,915号に記載されているパ
ラジウム、白金及び金の塩がある。
【0105】発明の光熱写真及び感熱写真成分は可塑剤
及び潤滑剤、例えば、ポリアルコール類例えば、グリセ
リン及び米国特許第2,960,404号に記載されているタイ
プのジオール類;脂肪酸又はエステル類、例えば米国特
許第2,588,765号及び3,121,060号に記載されている物;
及びシリコン樹脂、例えば英国特許第955,061号に記載
されているものを含んでもよい。
【0106】本発明の光熱写真及び感熱写真成分は画像
染料安定化剤を含有してもよい。このような画像染料安
定化剤は英国特許第1,326,889号;及び米国特許第3,43
2,300号;3,698,909号;3,574,627号;3,573,050号;3,
764,337号;及び4,042,394号によって例示される。
【0107】本発明による光熱写真成分は更に、米国特
許第3,253,921号;2,274,782号;2,527,583号;2,956,8
79号;5,266,452号及び5,314,795号に記載されているも
ののような光吸収材料、ハレーション防止、アキュータ
ンス、及びフィルター染料を含有することができる。必
要であれば、染料を例えば米国特許第3,282,699号に記
載されているように媒染することができる。
【0108】ここに記載するエマルジョン層を含有する
光熱写真及び感熱写真成分はつや消し剤、例えば澱粉、
二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、及び米国特許第2,99
2,101号及び2,701,245号に記載されているタイプのビー
ズを含有するポリマー状ビーズを含有してもよい。
【0109】本発明によるエマルジョンを帯電防止又は
導電性層を含有する光熱写真及び感熱写真成分に使用し
てもよく、このような層は溶解性塩、例えば塩化物、硝
酸塩、蒸着金属層、イオン性ポリマー、例えば米国特許
第2,861,056号及び3,206,312号に記載されているもの又
は不溶性無機塩例えば米国特許第3,428,451号に記載さ
れているものを含有する。
【0110】(光熱写真及び感熱写真配合及び構造)本
発明の光熱写真及び感熱写真成分は支持体上の1又は複
数の層から構成されていてもよい。単一層構造はハロゲ
ン化銀(使用するとき)、非還元性銀源材料、還元剤、
及びバインダーだけでなく、任意の材料、例えば調整
剤、染料形成材料、被覆助剤、及び他の補助剤を含有す
るべきである。2層構造はあるエマルジョン層(通常支
持体に隣接する層)中にハロゲン化銀(使用すると
き)、非還元性銀源材料を、第2の層又は両層中にいく
つかの他の構成成分を含有するべきであるが、すべての
構成成分を含有する単一エマルジョン層被膜と保護表面
コートを含有する2層構造を想定することが可能であ
る。多色光熱写真ドライ銀構造はこれら2重層のセット
を各色に対して有してもよく、又は米国特許第4,708,92
8号に記載されているようにすべての構成成分を単一層
内に有してもよい。多層、多色光熱写真成分の場合、米
国特許第4,460,681号に記載されているように、個々の
エマルジョン層は一般に個々の感光性層の間の官能性、
又は非官能性バリヤー層の使用によって互い分離して保
持される。
【0111】本発明に使用する光熱写真及び感熱写真成
分をワイヤー巻き付けロッド被覆形成、浸漬被覆形成、
エアーナイフ被覆形成、カーテン被覆形成、又は米国特
許第2,681,294号に記載されているタイプのホッパーを
用いた押し出し被覆形成を含む種々の被覆形成操作によ
って被覆形成することができる。必要であれば、2以上
の層を米国特許第2,761,791号及び英国特許第837,095号
に記載されている操作によって同時に被覆形成してもよ
い。エマルジョン層の典型的な湿潤厚さは約10〜約100
マイクロメートル(μm)の範囲であり、層を20℃〜10
0℃の範囲の温度で強制的エアー内で乾燥することがで
きる。層の厚さは、染料の色に補色のカラーフィルター
を用いたマクベス・カラー・デンシトメーター・モデル
(MacBethColor Densitometer Model)TD 504で測定し
て、0.2以上、より好ましくは0.5〜2.5の範囲の最大画
像濃度を提供するように選択する。
【0112】更に、いくつかの場合、特に異なったエマ
ルジョン層の画像形成化学薬品を分離することが望まし
い場合には、異なったエマルジョン層を透明な支持体の
両側上に被覆形成することが望ましくてもよい。
【0113】好ましくはポリマー状材料を含有するバリ
ヤー層が本発明の光熱写真成分中に存在してもよい。バ
リヤー層の材料用のポリマーは天然及び合成ポリマー、
例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸、スロホネート化ポリスチレン等から選択することが
できる。ポリマーは任意にバリヤー助剤、例えばシリカ
と混合することができる。
【0114】場合によっては、配合をスプレイ乾燥又は
カプセル化して固形粒子を形成し、これを次に第2のお
そらく異なったバインダー中に再分散することができ、
次いで支持体上に被覆形成してもよい。
【0115】エマルジョン層用の配合は被膜助剤、例え
ばフルオロ脂肪族ポリエステル類を含有することもでき
る。
【0116】現像条件は使用する構造に依存して変化す
るが、典型的には潜像露光した材料を好適な高温で加熱
することを包含するであろう。
【0117】光熱写真成分に使用する場合には、感熱構
造の露光後に得られた潜像は、材料を適当な高温、例え
ば約80℃〜約250℃、好ましくは約120℃〜約200℃で、
充分な時間、一般には1秒〜2分間加熱することによっ
て現像することができる。加熱は典型的な加熱手段、例
えばホットプレート、アイロン、加熱ローラー、カーボ
ン又はチタンホワイト等を用いた熱発生剤によって行っ
てもよい。
【0118】いくつかの手段では、現像は2段階で行わ
れる。熱現像をより高温、例えば約150℃で約10秒間行
った後、熱拡散をより低い温度、例えば80℃で移動性溶
剤の存在中で行う。より低温での第2の加熱工程は更な
る現像を防止し、既に形成された染料をエマルジョン層
から受容層へ拡散させる。
【0119】感熱写真成分に使用する場合には、画像は
単に熱スタイル又はプリントヘッドを用いて前述の温度
で加熱することによって、又は熱吸収材料と全体的に接
触させて加熱することによって現像してもよい。
【0120】(支持体)本発明に使用する光熱写真及び
感熱写真エマルジョンは幅広い種類の支持体上に被覆形
成することができる。支持体又は基材は画像形成の要求
に依存して幅広い範囲の材料から選択することができ
る。支持体は透明であっても不透明であってもよい。典
型的な支持体としてはポリエステルフィルム、副(su
bbed)ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、セルロースニトレートフィルム、セ
ルロースエステルフィルム、ポリビニルアセタールフィ
ルム、ポリカーボネートフィルム、及び関連する又は樹
脂状材料だけでなく、ガラス、紙、金属等がある。典型
的には、可撓性支持体、特に部分的にアセチレート化さ
れた又はバライタ及び/又はα-オレフィンポリマー、
特に2〜10個の炭素原子を有するα-オレフィンのポ
リマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ンブテンコポリマー等で被覆された紙支持体を使用す
る。支持体用の好ましいポリマー状材料としては良好な
熱安定性を有するポリマー、例えばポリエステル類があ
る。特に好ましいポリエステルはポリ(エチレンテレフ
タレート)である。
【0121】また、耐熱背面層を有する支持体を例えば
米国特許第4,460,681号及び4,374,921号に示されている
ようなカラー光熱写真画像形成システムに使用してもよ
い。
【0122】(画像受容層)酸化して染料を形成又は放
出することができる化合物を含有する光熱写真及び感熱
写真システムの反応物及び反応生成物が画像形成後に接
触して残る場合には、種々の問題が生じる。例えば、エ
マルジョンの露光領域上の還元した金属の銀画像による
染料汚染のために、熱現像がしばしば不鮮明でくもった
カラー画像を形成する。更に、得られた印刷は非画像背
景領域中に色を現像する傾向にある。これはしばしば
「ロイコ染料背景」として示される。この「背景ステイ
ン」は染料形成又は染料放出化合物と還元剤との間のゆ
っくりとした後処理反応によって生じる。従って、画像
形成時に形成された染料を受容体、又は画像受容層に転
写することが望ましい。
【0123】従って、光熱写真及び感熱写真成分は更に
画像受容層を含有してもよい。酸化して染料を形成する
又は放出することができる化合物、例えばロイコ染料を
用いた光熱写真成分から誘導される画像は、典型的に画
像受容層へと転写される。
【0124】使用するならば、エマルジョン層の露光領
域の熱現像時に発生する染料は現像条件下画像受容又は
染料受容層内へと移動してそこに止まる。染料受容層を
使用する染料と類似のポリマー状材料から構成してもよ
い。当然、これは染料のイオン的又は本質的特性に依存
して変化する。
【0125】画像受容層はいかなる可撓性又は剛直で透
明な熱可塑性ポリマーから作られた層でもありうる。画
像受容層は好ましくは少なくとも0.1μm、より好まし
くは約1〜10μmの厚さと、約20℃〜約200℃のガラス
転移温度(Tg)を有する。本発明では、ポリマーが染
料を吸収し定着することができればいかなる熱可塑性ポ
リマー又はポリマーの組み合わせをも使用することがで
きる。ポリマーが染料媒染剤として機能するので、追加
の定着剤は必要でない。画像受容層を調製するのに使用
することができる熱可塑性ポリマーとしてはポリエステ
ル類、例えばポリエチレンテレフタレート類;ポリオレ
フィン類、例えばポリエチレン;セルロース類、例えば
セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロ
ースプロピオネート;ポリスチレン;ポリ塩化ビニル;
ポリ塩化ビニリデン;ポリビニルアセテート;塩化ビニ
ルとビニルアセテートのコポリマー;塩化ビニリデンと
アクリロニトリルのコポリマー;スチレンとアクリロニ
トリルのコポリマー;等がある。
【0126】染料画像の光強度及び画像受容層中の染料
画像の実際の色は、染料媒染剤として、及び染料を吸収
及び定着することができるものとして機能する画像受容
層のポリマーの特性に大きく依存する。0.3〜3.5(好ま
しくは1.5〜3.5)の範囲の反射光強度、又は0.2〜2.5
(好ましくは1.0〜2.5)の範囲の透過光強度を有する染
料画像が望ましい。
【0127】画像受容層は少なくとも1つの熱可塑性ポ
リマーを有機溶剤(例えば2-ブタジエン、アセトン、
テトラヒドロフラン)に溶解し、得られた溶液を支持体
ベース又は基材上に種々のこの分野で公知の被覆形成手
段、例えばカーテン被覆形成、押し出し被覆形成、浸漬
被覆形成、エアーナイフ被覆形成、ホッパー被覆形成及
び被膜溶液を用いた他の被覆形成手段により塗布するこ
とによって形成することができる。溶液を被覆形成した
後、画像受容層を乾燥(例えば、オーブン中で)し溶剤
を除去する。画像受容層は光熱写真成分に剥離可能に接
着していてもよい。剥離可能な画像受容層は米国特許第
4,594,307号に記載されている。
【0128】エマルジョン層を調製するのに使用するバ
インダー及び溶剤の選択は画像受容層の感光性成分から
の剥離可能性に顕著に影響する。好ましくは、画像受容
層用バインダーはエマルジョン層を被覆形成するのに使
用する溶剤に非混和性でエマルジョン層用に使用するバ
インダーと適合性である。好ましいバインダー及び溶剤
の選択はエマルジョン層と画像受容層との間の弱い接着
を生じ、エマルジョン層の良好な剥離可能性を促進す
る。
【0129】光熱写真成分はまた、被膜添加剤を含有し
てエマルジョン層の剥離可能性を改良することができ
る。例えば、エチルアセテートに溶解するフルオロ脂肪
族ポリエステルをエマルジョン層の約0.02〜0.5重量
%、好ましくは0.1〜0.3重量%の量で添加することがで
きる。このようなフルオロ脂肪族ポリエステルの代表的
な例は「フルオラド(Fluorad)FC 431」(ミネソタ
州,セント・ポール,3M社から入手することができる
フルオリネート化界面活性剤)である。場合によって
は、被膜添加剤を画像受容層に同量の範囲で添加して剥
離可能性を向上させることができる。溶剤は剥離工程で
は使用する必要ない。剥離可能な層は好ましくは1〜50
g/cmの層割れ抵抗(delaminating resistance)とその層
割れ抵抗以上、好ましくは少なくとも2倍以上の破断時
の引っ張り強度を有する。
【0130】好ましくは、画像受容層は潜像露光された
エマルジョン層が熱現像、例えば加熱シュー-アンド-ロ
ーラータイプ(shoe-and-roller-type)の熱プロセッサー
にさらした後に形成する染料の転写を促進するために、
エマルジョン層に隣接する。
【0131】黄色染料形成又は染料放出化合物を含有す
る青感応性エマルジョンを有する光熱写真多層構造をマ
ゼンタ染料形成又は染料放出化合物を含有する緑感応性
エマルジョンでオーバーコートすることができる。一方
これらの層をシアン染料形成又は染料放出化合物を含有
する赤感応性エマルジョン層でオーバーコートすること
ができる。画像形成及び加熱して潜像状態中に黄色、マ
ゼンタ、及びシアン染料を形成又は放出する。このよう
に形成又は放出された染料は画像受容層へと移動しても
よい。画像受容層は永久的に構造の一部であってもよ
く、除去可能、「すなわち剥離可能に接着」し、次いで
構造から剥離してもよい。色形成層は米国特許第4,460,
681号に記載されているように互い個々の感光性層間の
官能性又は非官能性バリヤー層の使用によって分離して
保持されることができる。例えば米国特許第4,619,892
号に示されているような違った色の対応もまた感応性と
染料形成又は放出との間の青-黄色、緑-マゼンタ、又は
赤-シアンの関係よりもむしろ使用することができる。
違った色の対応は特に画像形成がより長い波長の光源、
特に赤又は近赤外光源を使用して行われたときに有用で
あり、レーザー及びレーザーダイオードによるデジタル
アドレスを可能にする。
【0132】必要であれば、エマルジョン層中に形成又
は放出される染料を分離して被覆形成された画像受容シ
ート上に露光エマルジョン層を画像受容シートと密接に
対面させて配置し得られたコンポジット構造を加熱する
ことによって転写することができる。層が約0.5〜300秒
間約80〜220℃の温度で均一に接触した場合に、良好な
結果がこの第2の実施態様で達成することができる。
【0133】別の実施態様では、多色画像は単一の画像
受容シートを2以上の潜像露光された光熱写真成分(各
成分は異なった色の染料を形成又は放出する)と連続的
に見当合わせして重ね、前述したように加熱してこのよ
うに形成又は放出した染料を転写することによって調製
することができる。この方法は特に形成又は放出する染
料が色再現用に国際的に認められた標準(標準ウェブオ
フセット印刷色又はSWOP色)に適合した色味を有す
る場合にカラープルーフの製造に特に好適である。この
性質を有する染料は米国特許第5,023,229号に開示され
ている。この実施態様では光熱写真成分は好ましくは形
成又は放出する染料の色にかかわらず同じ波長範囲にす
べて増感する。例えば、成分は紫外線に常套の印刷フレ
ーム上で正面の接触露光で増感することができ、又はよ
り長い波長、特に赤又は近赤外に増感することができ、
レーザー及びレーザーダイオードによるデジタルアドレ
スを可能にする。
【0134】請求の範囲に定義されるように本発明の精
神又は範囲から逸脱することなく、適当な改良及び変更
が前述の開示から可能である。本発明の目的及び効果を
以下の実施例によりここで例示するが、これらの実施例
で示す特定の材料及びその量は他の条件及び細部ととも
に本発明を不当に限定するものと解されるべきでない。
【0135】
【実施例】以下の実施例で使用するすべての材料は特に
示さない限り例えばアルドリッチ・ケミカル(Aldrich C
hemical)社(ウィスコンシン州、ミルウォーキー)のよ
うな標準的市販源から容易に入手できた。以下の追加の
用語及び材料を用いた。2-(2-メトキシエトキシ)酢酸
(化合物4の調製に使用)及び2-[2-(2-メトキシエト
キシ)エトキシ]酢酸(化合物5の調製に使用)はスイ
ス,ブッヘス(Buchs),フルカ・ケミカル(Fluka Chemic
al)社から得た。他のアルコキシカルボン酸はアルドリ
ッチ・ケミカル社から得た。ブトバー(Butvar)TMB-72
はミズーリ州,セント・ルイス,モンサント(Monsanto)
社から入手可能なポリビニルブチラールである。PET
はポリエチレンテレフタレートである。PHZはフタラ
ジン、4,5-ベンゾ-1,2-ジアジンである。CAO-5はビ
ス(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)メ
タンであって、ペンシルバニア州,フィラデルフィア,
ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)社から入手可
能である酸化防止剤である。これは光熱写真及び感熱写
真成分用の現像剤として使用し以下に示す構造を有す
る。
【化3】 ビノール(Vinol)523はポリビニルアルコールである。V
YNSはユニオン・カーバイド(Union Cabide)から入手
可能である塩化ビニル/ビニルアセテートコポリマーで
ある。
【0136】(銀アルコキシカルボキシレート化合物の
調製)銀アルコキシカルボキシレート類を対応するアル
コキシ-カルボン酸のナトリウム塩の硝酸銀との反応に
よって調製した。CH3CH2-O-CH2COO-Ag
+(R1、R2=H;R3=CH3CH2;L=単結合;X=
O;n=0)の調製を示す。80ミリリットルの水に、0.
90gのCH3CH2-O-CH2COOHを、次いで0.27gの
NaOH、及び20ミリリットルの水中に溶解した1.13g
のAgNO3の溶液を添加した。無色の固体を濾過し洗浄
し及び空気乾燥した。化合物は非常にアセトン及びテト
ラヒドロフランに溶解性である。
【0137】nが2以上の場合には式(I)の化合物の
過剰に高い溶解性のために、わずかに異なった操作を使
用した。硝酸銀(1.68g)を25ミリリットルlのアセトニト
リルに溶解した。トリエチルオルトホルメート(1ミリ
リットル)を、次いで1.84gの2-[2-(2-メトキシエト
キシ)エトキシ]酢酸(化合物5の調製に使用)及び1.
01gのトリエチルアミンを添加した。トリエチルアンモ
ニウムニトレートを除去するための濾過、次いで減圧で
溶剤除去して銀塩を得た。この材料はアセトン、トルエ
ン及び水に0.1モル/リットル以上の溶解性を有する。
【0138】一方、比較例の非アルコキシ化合物、銀ブ
チレート、CH3CH2CH2COO-Ag+はアセトン又
はテトラヒドロフランに不溶性である。追加の銀アルコ
キシ-カルボキシレート類を類似の手段で調製した。
【0139】(実施例1)以下の実施例は感熱写真成分
における銀アルコキシ-カルボキシレート類の使用を例
示する。7.0gの銀カルボキシレートと7.0gのポリビニル
ブチラール(ブトバーTMB-72)の5%エタノール溶液
の混合物を暗所で2時間ガラスボールとともに振ること
によってミルした。得られた溶液を4ミル(101.6μ
m)の透明ポリエステル支持体上に#40ワイヤー巻き付
けロッド(メイヤー・ロッド(Meyer Rod))を用いて被
覆形成した。試料をオーブン中で80℃で2分間乾燥し、
1インチ×6インチ(2.54cm×15.24cm)のストリップ
に切断した。このストリップをCAO-5現像剤の2%
エタノール溶液又はCAO-5現像剤とPHZ調整剤の
(各2%)エタノール溶液で層形成し(streak)、空気乾
燥した。試料をサーマルエッジ(レイカート・ホット・
ベンチ(Reichert Hot BenchTM))上に15秒間置き、除去
してすぐに実験室のベンチ表面に置くことによって室温
に戻した。熱画像形成のオンセットに対する温度及びお
およそのDmaxを測定した。表1に示す結果は熱構造に
おける銀アルコキシ-カルボキシレート類の効果を例示
する。
【0140】以下の表では、Tonsetは試料の暗くなり
始める温度であり、TDmaxは試料の最大暗さに達する温
度である。調整剤を有して及び有さないで調製した試料
を評価した。
【表1】
【0141】(実施例2)以下の操作を用いて画像形成
構造を未精製で、即ち中間の銀錯体を分離せずに調製し
た。アルコキシ-カルボン酸と水酸化ナトリウムの1:
1モル比をポリビニルアルコール(ビノール523)の5
%水溶液中で混合した。化学量論量の硝酸銀を添加し反
応物を撹拌して溶液にした。溶液をナイフコーターを用
いて4ミル(101.6μm)の湿潤厚さに4ミルのポリエ
ステル上に被覆形成し、空気乾燥した。結晶性の透明な
フィルムを得た。熱反応性を上述のように決定した。
【0142】以下の表2Aに示す結果は感熱成分を未精
製で生じた銀アルコキシ-カルボキシレート錯体を使用
して調製することができることを例示している。
【表2】
【0143】2C-1〜2C-4で表示し銀デカノエート
及び銀ヘキサノエート分散体を用いた比較例被膜を調製
し上述のように被覆形成した。これらの化合物は発明の
銀アルコキシ-カルボキシレート化合物と同程度の鎖長
さを有する。各々これらの化合物を用いたフィルムは白
色で、不透明の外観を有し、銀デカノエート及び銀ヘキ
サノエートのポリビニルアルコール/水溶剤混合物中へ
の貧溶解性を示した。これらのフィルムの画像形成特性
を以下の表2Bに示し、公知の構造に対して典型的な方
法で画像形成した。
【表3】
【0144】(実施例3)以下の実施例は銀アルコキシ
-カルボキシレート類のカラー画像形成構造における使
用を例示している。上記実施例1及び2で調製した感熱
写真成分をロイコ染料の2%エタノール又はテトラヒド
ロフラン溶液で層形成し空気乾燥した。試料をサーマル
エッジ(レイカート・ホット・ベンチ(Reichert Hot Be
nchTM))上に6秒間置き、すぐに実験室のベンチ上にて
室温に熱的に戻した。熱画像形成のオンセットに対する
温度及びおおよそのDmaxを測定した。結果は添付の表
に示し、単純な構造が光熱写真及び感熱写真カラー画像
形成のためにこれら新規の銀アルコキシ-カルボキシレ
ート化合物の熱的に活性化された画像形成特性を可能に
することを例示している。
【0145】試験したロイコ染料は以下の構造を有す
る。ロイコ染料1は米国特許第4,782,010号に記載され
ているロイコオキサジン染料である。ロイコ染料2はロ
イコベンズイミダゾール染料であって米国特許第3,985,
565号に記載されている。ロイコ染料3はヒドロキノン
ロイコ染料であって米国特許第4,460,681号に記載され
ている。ロイコ染料4は米国特許第4,587,211号及び4,7
95,697号に記載されているロイコケタジン染料である。
【化4】
【表4】
【0146】(実施例4)以下の実施例は本発明の銀ア
ルコキシ-カルボキシレート化合物の光熱写真成分にお
ける使用を例示している。硝酸銀(0.176g)及び2-[2-
(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(0.170g)をポ
リビニルアルコール(ビノール523)の5%水溶液10.0g
に溶解した。1.0gの水酸化ナトリウム水溶液(0.10gの
水酸化ナトリウムを1.0gの水に溶解して調製した)の添
加、次いで1.0gの臭化亜鉛溶液(0.17gの臭化亜鉛を10.
0ミリリットルのメタノールに溶解して調製した)の添
加を行った。ナイフコーターを用いて混合物を被覆形成
した。赤色安全光を使用した。混合物を3ミル(76.2μ
m)の間隔設定で4ミル(101.6μm)の透明なポリエ
ステル支持体上に被覆形成した。被膜を15分間空気乾燥
し、次いでオーブン中で80℃で8分間乾燥した。この材
料は未精製で調製した臭化銀を含有しているので紫外線
にのみ感応性である。
【0147】乾燥したフィルムを次に以下の材料から調
製された表面コート溶液でオーバーコートした。
【表5】 溶液を#24ワイヤー巻き付けロッド(メイヤー・バー)
を用いて被覆形成し空気中で乾燥させた。
【0148】試料をマイクロフィッチ複写機を用いて20
秒間露光した。試料の1/2を黒色の紙で覆った。試料の
他の半分を露光した。試料を加熱ドラムタイプの装置で
240°F(115.6℃)で8秒間現像した。露光領域は
現像し(即ち黒色に変化した)、一方非露光領域は透明
に残った。
【0149】(実施例5)以下の実施例は本発明の銀ア
ルコキシ-カルボキシレート化合物の感熱写真成分にお
ける使用を例示している。化合物2(0.5g)と10gのブ
トバーTMB-76ポリビニルブチラール樹脂の5%エタノ
ール溶液を2時間ガラスボールとともに容器内で振っ
た。ナイフコーターを用いて混合物を被覆形成した。溶
解した化合物2と溶解していない化合物2の両方を含有
する混合物を3ミル(76.2μm)の湿潤厚さで4ミル
(101.6μm)の透明ポリエステル支持体上に被覆形成
した。被膜を15分間空気中で乾燥し次いでをオーブン中
で65℃で1分間乾燥した。乾燥したフィルムを次いで0.
72gのCAO-5を36gのVYNSの7%2-ブタノン溶液
に溶解することによって調製した表面コート溶液でオー
バーコートした。表面コート溶液を#26ワイヤー巻き付
けロッド(メイヤー・バー)を用いて被覆形成し2.34ミ
ル(59μm)の表面コート厚さを得空気中で乾燥した。
感熱写真成分のシートを熱画像形成システムとして評価
した。電気信号を用いてアトランテック・サーマル・レ
スポンス・テスター、モデル(Atlantek Thermal Respon
se Tester,Model)200のサーマルヘッドを駆動した。装
置は300ドット/インチのプリントヘッドを有し15.5ボル
ト、1156オーム、3msの「オンタイム」、及び25m
sの「サイクルタイム」にセットされていた。テキスト
及びチェッカーボードの両方のパターンを達成した。
【0150】表3は種々の有機溶剤における本発明の化
合物5の溶解度を比較している。銀ラルレート及び銀ベ
ヘネートの溶解度は文献に報告されている値から取って
いる。以下に示すように、本発明の写真及び感熱写真成
分に使用した化合物5は銀ラルレート及び銀ステアレー
トの溶解度の約1,000〜10,000倍の溶解度を有する。
【表6】 請求の範囲に定義するような本発明の精神又は範囲から
逸脱することなく適当な改良及び変更が前述の記載より
可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)感光性ハロゲン化銀; (b)式 R3-X-(CH2-CH2-X)n-L-CR12-COO-+Ag (式中:R1及びR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲ
    ン、アルキル基又はアリール基であり;R3はアルキル
    基、アリール基、L-CR12-COO-+Agであり;L
    はCR12をXに結合する結合基であり;XはO、S、
    及びNR4からなる群から選択され、ここでR4はアルキ
    ル、置換アルキル、芳香族、又は置換芳香族から選択さ
    れ;及びnは0〜12の整数である)の銀カルボキシレー
    ト化合物を含有する非感光性還元性銀源; (c)非感光性還元性銀源用還元剤;及び (d)バインダーを含有する少なくとも1つの熱現像可
    能な感光性画像形成光熱写真エマルジョン層を有する支
    持体を包含する光熱写真成分。
  2. 【請求項2】 (a)式 R3-X-(CH2-CH2-X)n-L-CR12-COO-+Ag (式中:R1及びR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲ
    ン、アルキル基又はアリール基を表し;R3はアルキル
    基、アリール基、L-CR12-COO-+Agであり;L
    はCR12をXに結合する結合基であり;XはO、S、
    及びNR4からなる群から選択され、ここでR4はアルキ
    ル、置換アルキル、芳香族、又は置換芳香族から選択さ
    れ;及びnは0〜12の整数である)の銀カルボキシレー
    ト化合物を含有する非感光性還元性銀源; (b)非感光性還元性銀源用還元剤;及び (c)バインダーを含有する画像形成層で被覆された支
    持体を包含する光熱写真成分。
  3. 【請求項3】 該非感光性還元性銀源用該還元剤が、酸
    化して染料を形成又は放出することができる化合物を含
    有する請求項1又は2の成分。
  4. 【請求項4】 R3が1〜4個の炭素原子を有するアル
    キル基である請求項1又は2の成分。
  5. 【請求項5】 nが0〜5の整数である請求項1又は2
    の成分。
  6. 【請求項6】 R1及びR2が水素、R3が1〜4個の炭
    素原子を有するアルキル基、XがO、Lが単結合、及び
    nが0、1又は2である請求項1又は2の成分。
JP27750395A 1994-10-31 1995-10-25 光熱写真および感熱写真成分 Expired - Fee Related JP3647944B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US331683 1994-10-31
US08/331,683 US5491059A (en) 1994-10-31 1994-10-31 Silver carboxylate compounds as silver sources in photothermographic and thermographic elements

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08211543A true JPH08211543A (ja) 1996-08-20
JP3647944B2 JP3647944B2 (ja) 2005-05-18

Family

ID=23294922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27750395A Expired - Fee Related JP3647944B2 (ja) 1994-10-31 1995-10-25 光熱写真および感熱写真成分

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5491059A (ja)
EP (1) EP0710877B1 (ja)
JP (1) JP3647944B2 (ja)
DE (1) DE69520925T2 (ja)

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5891615A (en) * 1997-04-08 1999-04-06 Imation Corp. Chemical sensitization of photothermographic silver halide emulsions
US5939249A (en) * 1997-06-24 1999-08-17 Imation Corp. Photothermographic element with iridium and copper doped silver halide grains
US6110630A (en) * 1998-06-18 2000-08-29 Beckman Coulter, Inc. Efficient activated cyanine dyes
US6472131B1 (en) 2000-05-04 2002-10-29 Eastman Kodak Company Asymmetric silver salt dimers and imaging compositions, materials and methods using same
EP1484641A1 (en) * 2003-06-06 2004-12-08 Agfa-Gevaert Binders for use in the thermosensitive elements of substantially light-insensitive thermographic recording materials.
US20060019205A1 (en) * 2004-07-21 2006-01-26 Eastman Kodak Company Thermographic materials processable at lower temperatures
US7468241B1 (en) 2007-09-21 2008-12-23 Carestream Health, Inc. Processing latitude stabilizers for photothermographic materials
JP4865664B2 (ja) 2007-09-28 2012-02-01 富士フイルム株式会社 多孔性担体内で2以上の液を混合する方法
EP2065706B1 (en) 2007-11-29 2012-11-07 FUJIFILM Corporation Immunochromatography method
US7622247B2 (en) * 2008-01-14 2009-11-24 Carestream Health, Inc. Protective overcoats for thermally developable materials
EP2159270A1 (de) 2008-08-28 2010-03-03 Bayer MaterialScience AG Verfahren zur Herstellung von elektrisch leitfähigen Strukturen
DE102011000562A1 (de) 2011-02-08 2012-08-09 Solarworld Innovations Gmbh Verfahren zur Erzeugung von lötbaren Kontaktstrukturen auf einer Substratoberfläche
MX2016009696A (es) * 2014-01-27 2017-03-27 Aidance Skincare & Topical Solutions Llc Formulaciones de antibióticos tópicas..
US9335623B2 (en) 2014-03-24 2016-05-10 Carestream Health, Inc. Thermally developable imaging materials
US9523915B2 (en) 2014-11-04 2016-12-20 Carestream Health, Inc. Image forming materials, preparations, and compositions
TWI537331B (zh) 2015-04-21 2016-06-11 王式禹 水溶性抗菌壓克力高分子銀鹽
US9982349B2 (en) 2015-05-11 2018-05-29 Eastman Kodak Company Method for making electrically-conductive articles
US9566569B2 (en) 2015-05-11 2017-02-14 Eastman Kodak Company Metal catalytic compositions and articles therefrom
US9746770B2 (en) 2015-06-02 2017-08-29 Carestream Health, Inc. Thermally developable imaging materials and methods
EP3496951B1 (en) 2016-08-09 2021-06-23 Eastman Kodak Company Silver ion carboxylate n-heteroaromatic complexes and uses
US9718842B1 (en) 2016-08-09 2017-08-01 Eastman Kodak Company Silver ion carboxylate primary alkylamine complexes
US10356899B2 (en) 2016-08-09 2019-07-16 Eastman Kodak Company Articles having reducible silver ion complexes or silver metal
US10087331B2 (en) 2016-08-09 2018-10-02 Eastman Kodak Company Methods for forming and using silver metal
CN109563106B (zh) 2016-08-09 2021-07-27 柯达公司 银离子羧酸根烷基伯胺络合物
US10186342B2 (en) 2016-08-09 2019-01-22 Eastman Kodak Company Photosensitive reducible silver ion-containing compositions
US9809606B1 (en) 2016-08-09 2017-11-07 Eastman Kodak Company Silver ion carboxylate N-heteroaromatic complexes
US10311990B2 (en) 2016-08-09 2019-06-04 Eastman Kodak Company Photosensitive reducible silver ion-containing compositions
US10314173B2 (en) 2016-08-09 2019-06-04 Eastman Kodak Company Articles with reducible silver ions or silver metal
WO2018102125A1 (en) 2016-11-29 2018-06-07 Eastman Kodak Company Silver ion alpha-oxy carboxylate-oxime complexes for photolithographic processes to generate electrically conducting metallic structures
US10358725B2 (en) 2017-06-14 2019-07-23 Eastman Kodak Company Compositions and methods for forming articles having silver metal
US10364500B2 (en) 2017-06-14 2019-07-30 Eastman Kodak Company Compositions and methods for forming articles having silver metal

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1214083B (de) * 1964-08-14 1966-04-07 Agfa Gevaert Ag Lichtempfindliches photographisches Material mit mindestens einer lichtempfindlichen Silbersalzemulsionsschicht
DE1472757C3 (de) * 1965-05-19 1973-11-08 Agfa-Gevaert Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur Herstellung photo graphischer Bilder
GB1366298A (en) * 1970-11-19 1974-09-11 Agfa Gevaert Lightsensitive heat-processable photographic recording material
JPS5334515A (en) * 1976-09-10 1978-03-31 Canon Inc Thermodevelopable photosensitive material
JPS54131922A (en) * 1978-04-03 1979-10-13 Agency Of Ind Science & Technol Photosensitive organic silver salt
US4460681A (en) * 1983-03-15 1984-07-17 Minnesota Mining And Manufacturing Company Image enhancement of photothermographic elements
EP0143424B1 (en) * 1983-11-25 1990-06-27 Fuji Photo Film Co., Ltd. Heat-developable light-sensitive materials
US4670374A (en) * 1984-10-01 1987-06-02 Minnesota Mining And Manufacturing Company Photothermographic accelerators for leuco diazine, oxazine, and thiazine dyes
JPS63153537A (ja) * 1986-12-17 1988-06-25 Fuji Photo Film Co Ltd 情報記録媒体
US4994352A (en) * 1988-11-25 1991-02-19 The Dow Chemical Company Dye-enhanced deposition of elemental metals and metalloids on substrates

Also Published As

Publication number Publication date
EP0710877B1 (en) 2001-05-16
EP0710877A2 (en) 1996-05-08
EP0710877A3 (en) 1996-10-30
US5491059A (en) 1996-02-13
JP3647944B2 (ja) 2005-05-18
DE69520925D1 (de) 2001-06-21
DE69520925T2 (de) 2001-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3647944B2 (ja) 光熱写真および感熱写真成分
JP3626199B2 (ja) 自動化装置内で使用するための光熱写真用および熱転写用要素
EP0723188B1 (en) Sulfonyl hydrazine developers for photothermographic and thermographic elements
JP3609413B2 (ja) コア−シェル型ハロゲン化銀粒子を含有する光熱写真要素
JP3614854B2 (ja) 光熱写真要素用増感剤
EP0792476B1 (en) Photothermographic element with reduced woodgrain interference patterns
EP0733942B1 (en) Mottle reducing agent for photothermographic and thermographic elements
JPH08509821A (ja) 光熱写真成分
US5466804A (en) Silver-carboxylate/1,2-diazine compounds as silver sources in photothermographic and thermographic elements
WO1996015478A2 (en) Photothermographic element with improved adherence between layers
EP0766842B1 (en) Phthalimide blocked post-processing stabilizers for photothermography
EP0767929A1 (en) Blocked leuco dyes for photothermographic elements
US5370988A (en) Print stabilizers and antifoggants for photothermography
US5521059A (en) Ribonucleic acid (RNA) as an antifoggant and print stabilizer for photothermographic elements
US20030203322A1 (en) Photothermographic element with reduced woodgrain interference patterns
CA2173185A1 (en) Hydantoin compounds as antifoggants, print stabilizers, and speed enhancers for photothermographic elements
JPH07175164A (ja) 画像形成及び色形成用途における金属カルボキシレートとその使用
CA2170586A1 (en) Deoxyribonucleic acid (dna) as an antifoggant and print stabilizer for photothermographic elements

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees