JPH08209448A - スクワラン含有芯鞘複合繊維 - Google Patents

スクワラン含有芯鞘複合繊維

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JPH08209448A
JPH08209448A JP2017195A JP2017195A JPH08209448A JP H08209448 A JPH08209448 A JP H08209448A JP 2017195 A JP2017195 A JP 2017195A JP 2017195 A JP2017195 A JP 2017195A JP H08209448 A JPH08209448 A JP H08209448A
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JP
Japan
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squalane
fiber
polymer
core
sheath
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JP2017195A
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English (en)
Inventor
Hideki Maki
秀樹 真木
Shunichi Hasegawa
俊一 長谷川
Naomi Nitta
直美 新田
Izumi Yuasa
泉 湯淺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 染色加工、水洗などの後加工や後処理、また
は、洗濯、長期間の着用や使用などを経た後も、素肌の
保湿効果を有するスクワランを、高い状態で徐々に放出
できる繊維を提供することを目的とする。 【構成】 ポリエステルからなる鞘部およびスクワラン
を保持させた平均粒径0.03μmのシリカを10%含
有するポリエチレンからなる芯部より構成される芯鞘型
複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、深海性鮫の肝油の主成
分であるスクアレン(C3050)を水素化することによ
り得られるC3062の炭化水素であり、耐寒性潤滑油、
化粧品の原料となり保湿性を有するスクワランを徐放
し、また、染色、洗濯、および各種後加工などを経ても
スクワランの放出能が失われたり低下することなく、長
期間にわたり高い徐放性能を維持することのできる保湿
効果を有する芯鞘型複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特定の化合物の徐放効果を持った繊維と
しては、芳香繊維などがあり、例えば特開平3−768
15号公報には精油を含有させたα−オレフィン重合体
または変性オレフィン重合体を芯部とした中実芯鞘型複
合短繊維が開示されている。しかし、これらの徐放性繊
維では、徐放効果が後加工や短期間の使用により低下し
てしまうという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、染色
加工、水洗などの後加工や後処理、または、洗濯、長期
間の着用や使用などを経た後も、素肌の保湿効果を有す
るスクワランを、高い状態で徐々に放出できる繊維を提
供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
種々の検討を重ねた結果、スクワラン成分を多孔性物質
に保持させ、それを低融点の重合体に含有させたものを
芯部とし、その周囲をそれよりも融点の高い繊維形成重
合体からなる芯部で包囲して芯鞘型複合繊維を形成する
と、耐久性のある徐放性を有する上記の課題に合致した
繊維が得られることを見いだした。すなわち、本発明
は、繊維形成性重合体からなる鞘部、およびスクワラン
を保持させた多孔性物質を含有する低融点重合体からな
る芯部よりなることを特徴とする芯鞘型複合繊維であ
る。
【0005】本発明において、鞘部を構成する重合体と
しては、繊維形成性能を有する熱可塑性重合体であれば
特に限定されず、例えばポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロ
ン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン等を挙げることができ、そのうちでもポリエステ
ル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましく、特に、物
理的・化学的特性の点からポリエステルが好ましい。ポ
リエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、共重合成分を含むポリエチ
レンテレフタレートや、ポリブチレンテレフタレート等
を挙げることができ、これらに限らず繊維形成性のポリ
エステルはいずれも使用できる。
【0006】本発明では、上記のような繊維形成性重合
体からなる鞘部が、低融点重合体からなる芯部を包囲し
ているので、芯部の機械的特性が多少低かったり、芯部
を構成する重合体が多少繊維形成性に欠けていても、紡
糸時の工程性が良好であり、しかも繊維全体として良好
な形成保持性、物理的・機械的・化学的特性を有する優
れた複合繊維を得ることができる。
【0007】また、芯部を構成する低融点重合体として
は、鞘部を形成する繊維形成性重合体よりも融点が低い
熱可塑性重合体を使用する。その場合に、鞘部を構成す
る繊維形成性重合体と芯部を構成する低融点重合体は同
じ種類の重合体であっても、または異なる重合体であっ
てもよい。ここで同じ種類の重合体とは、例えば、ホモ
ポリエステルと共重合ポリエステルというような関係を
いう。芯部を構成する低融点重合体の例としては、ポリ
エチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、低融点ポリ
プロピレンなどの低融点オレフィン系重合体、低融点ポ
リエステル、低融点ポリアミドなどを挙げることがで
き、上記の鞘部と芯部を組み合わせることにより本発明
の複合繊維を製造することができる。
【0008】本発明の複合繊維では、鞘部と芯部の割合
は特に限定されないが、紡糸時の工程性、複合繊維の機
械的強度などの物性、徐放性能等の点から重量比で鞘
部:芯部=1:0.25〜1.5になるように複合紡糸
するのが望ましい。
【0009】そして本発明では芯部を構成する低融点重
合体中に多孔性物質に保持されたスクワラン成分を含有
させるが、この多孔性物質としては、スクワラン成分を
余り強く吸着しすぎて徐放能が失われないような保持能
を有し、且つ繊維の紡糸時の加熱などによって変性を受
けないものがよい。例えば、シリカ、ゼオライト、炭酸
カルシウム、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等
の無機微粒子を挙げることができ。徐放能、紡糸時の安
定性の点から特にシリカがよい。多孔性物質は、その平
均粒径が、0.01〜3μmの範囲にあるのが好まし
く、0.01〜1μmの物がより好ましい。平均粒径
が、0.01μmよりも小さいと、熱による凝集により
紡糸工程でのフィルターの目詰まりの恐れがあり、また
3μmよりも大きいと、やはり紡糸時に目詰まりや断糸
を生じ、延伸工程での毛羽の発生や、巻き付き、品質の
低下などを生じ易い。
【0010】これら多孔性物質の孔にスクワランを吸着
させることにより多孔性物質に保持させることとなる
が、多孔性物質におけるスクワラン成分の保持量は、多
孔性物質とスクワラン成分の合計重量に基づいて、スク
ワラン成分を5〜60重量%保持させるのがよい。保持
量が5重量%よりも少ないと、目的とする徐放性を発揮
しにくくなり、60重量%よりも多いと、スクワラン成
分を保持させた多孔性物質を芯部を構成する低融点重合
体に均一に混合分散させにくくなる。
【0011】またスクワラン成分を保持させた多孔性物
質は、低融点重合体との合計重量に基づいて、0.17
重量%以上50重量%以下の割合で低融点重合体中に配
合するのが好ましく、10重量%以下であるのがより好
ましい。多孔性物質の配合量が、50重量%を超える
と、複合繊維を製造する際、芯部の曳糸性が低下し紡糸
が不安定になり、複合繊維の強度などの物性が低下する
場合があり、0.17重量%以下ではスクワランの放出
能の点に問題が生じる恐れがある。また、その際のスク
ワラン成分の含有割合は、芯部を構成する低融点重合体
の全重量に基づいて0.1〜20重量%程度になるよう
にするのが同じく、芯部の曳糸性やスクワランの徐放性
の点から好ましい。
【0012】スクワラン成分を保持させた多孔性物質の
低融点重合体中への添加方法は、低融点重合体中に均一
に混合分散させ得る方法であればよいが、スクワラン成
分を保持させた多孔性物質を高濃度で含有する低融点重
合体のマスターバッチやマスターチップを予め製造して
おき、これを低融点重合体と混合するのが均一な混合分
散をさせ得る上で望ましい。また、芯部及び鞘部は、必
要に応じて有機重合体繊維に通常使用する紫外線吸収
剤、酸化防止剤、滑剤、難燃剤、可塑剤、染顔料等の添
加剤を含有してもよい。
【0013】本発明の複合繊維は、熱可塑性重合体を用
いて複合繊維を製造する従来公知の製造法により製造す
ることができ、特に制限はされない。また、捲縮、交
絡、混繊、流体撹乱加工、染色等の加工を必要に応じて
施すことができる。
【0014】本発明の断面形状に制限はなく、例えば、
丸断面、偏平断面、ドッグボーン断面、T形断面、V形
断面、3〜6角形断面、3〜14葉断面など任意の断面
形状とすることができる。また、繊維の太さも特に制限
されず、種々の用途に適した太さにできる。
【0015】本発明の複合繊維は、フィラメント状、短
繊維状等の任意の形態にすることができるが、とくに本
発明においては短繊維状にして使用するのが望ましい。
本発明の複合繊維を短繊維状にして使用すると、切断さ
れた両端部において芯部がむき出した状態になり、その
部分からスクワラン成分が、徐々に放出され、高い徐放
性能を有することとなる。
【0016】本発明のスクワラン含有芯鞘型複合繊維の
用途としては、おもに衣類などがあり、短繊維から紡績
糸を作り、その紡績糸から編織物を製造することによ
り、保湿効果のあるスクワラン成分が徐々に放出される
ことになり、保湿効果を持った衣類を得ることができ
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 《実施例1》 (1)スクワランを、シリカとスクワランの合計重量に
基づいて60重量%の割合で保持させたシリカ(平均粒
径0.03μm)を低密度ポリエチレン(MI=50)
に含有させたポリエチレンマスターチップを製造し、こ
れに高密度ポリエチレン(MI=20)を加えて希釈
し、芯部用ポリエチレン組成物の全重量に基づいて、ス
クワランを5.0重量%の割合で含有する芯部用ポリエ
チレン組成物を製造した。
【0018】次に通常のポリエチレンテレフタレートを
鞘部、上記の方法により得られたポリエチレン組成物を
芯部として、鞘部:芯部=70:30の割合で複合紡糸
繊維用装置に供給し、吐出量450g/min、巻取り
速度900m/min、紡糸温度295℃で紡糸し、断
面丸型の芯鞘型複合繊維を製造した。これを公知の方法
で、延伸、捲縮、熱処理をした後、切断し単繊維繊度
1.7Dr、カット長は38mmの短繊維原綿を得た。
この繊維はスクワランを徐放し、保湿性を有していた。
【0019】(2)上記の方法で得られた複合繊維のス
クワラン放出の耐久性の評価とし、100ml共栓付三
角フラスコに試料を10g入れヘキサン90mlを加え
30分放置し液を回収し、さらに試料を2回に分けてヘ
キサン60mlで洗浄し、この洗浄液を先の回収液に加
え、これを抽出液とし、抽出量を測定する方法を用い
た。この方法で、洗濯処理、アルカリ減料処理後21日
経過した試料のスクワランを抽出した後、室温で1時間
風乾してから一日放置し、再度スクワランの抽出を行
う。同様に(放置→抽出の操作を3回繰り返した。但
し、抽出3回めの試料は、抽出2回完了後7日間放置し
たもので行った。また、対照として後加工によりスクワ
ランを繊維表面に付与させたものについても同様に抽出
テストを行った。
【0020】 表−1 抽出回数と抽出量(%) 試 料 0回目 1回目 2回目 3回目 洗 濯 処 理 0.29 0.14 0.12 0.07 アルカリ減量処理 0.71 0.27 0.09 0.05 対 照 品 0.54 0 0 0
【0021】結果は抽出回数の増加にともない抽出量は
減少しているが、継続してスクワランが放出されてい
る。
【0022】《比較例1》ポリエチレンテレフタレート
を紡糸装置に供給し、吐出量586g/min、巻取り
速度980m/min、紡糸温度285℃で紡糸したも
のを延伸、捲縮、熱処理をした後、切断して単繊維繊度
1.5Dr、カット長38mmの短繊維を製造し、実施
例1−(1)で得られた芯鞘型複合繊維について、下記
の方法により保湿性の評価を行った。
【0023】(1)中央に温湿度センサーをセットした
ステンレス製立方体の側面4ケ所にある窓に試料不織布
を張り恒温恒湿器にて調湿(36℃×80%RH)した
後、恒温恒湿器を低湿度(36℃×30%RH)に設定
することにより高湿度から低湿度に移行する過程で、ス
テンレス製立方体内の湿度がどの様に変化するのかを比
較した。
【0024】表−2 保湿性の評価 試 料 通常PET30%RH到達時の湿度 比較例1 30%RH 実施例1 33%RH
【0025】上記比較の結果、実施例1の芯鞘型複合繊
維の方が湿度を高く保つことがわかった。
【0026】
【発明の効果】本発明の芯鞘型複合繊維では、スクワラ
ンを多孔性物質に保持させて芯部を構成する低融点重合
体に配合していることにより、保湿効果を有し、また、
染色などの後処理、洗濯、着用や使用等を経てもスクワ
ランを高い割合で長期間にわたって放出することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯淺 泉 倉敷市玉島乙島7471番地 株式会社クラレ 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維形成性重合体からなる鞘部およびス
    クワランを保持させた多孔性物質を含有する低融点重合
    体からなる芯部よりなることを特徴とする芯鞘型複合繊
    維。
  2. 【請求項2】 短繊維である請求項1に記載のスクワラ
    ン含有芯鞘型複合繊維。
  3. 【請求項3】 鞘部を構成する繊維形成重合体がポリエ
    ステルであり、芯部を構成する低融点重合体がオレフィ
    ン系重合体である請求項1または2に記載のスクワラン
    含有芯鞘型複合繊維。
JP2017195A 1995-02-08 1995-02-08 スクワラン含有芯鞘複合繊維 Pending JPH08209448A (ja)

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JP2017195A JPH08209448A (ja) 1995-02-08 1995-02-08 スクワラン含有芯鞘複合繊維

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7891022B2 (en) 2002-06-28 2011-02-22 S.T. Chemical Co., Ltd. Moisture retentive gloves and process for producing the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7891022B2 (en) 2002-06-28 2011-02-22 S.T. Chemical Co., Ltd. Moisture retentive gloves and process for producing the same

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