JPH08209334A - 被覆硬質合金 - Google Patents
被覆硬質合金Info
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- JPH08209334A JPH08209334A JP3461195A JP3461195A JPH08209334A JP H08209334 A JPH08209334 A JP H08209334A JP 3461195 A JP3461195 A JP 3461195A JP 3461195 A JP3461195 A JP 3461195A JP H08209334 A JPH08209334 A JP H08209334A
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- improved
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、残留圧縮応力が高い欠点を改善
し、残留圧縮応力を低減することにより皮膜の密着性を
高め、強いては被覆工具の耐剥離性を改善すると同時に
厚膜化をも可能とする技術を提供するものである。 【構成】 皮膜の主成分として、(TiAlFe M)
CNからなる皮膜において、MはY、Dy、Nd、C
a、Ce、Srより選ばれる1種以上の金属、またはそ
れらの多層化により構成する。
し、残留圧縮応力を低減することにより皮膜の密着性を
高め、強いては被覆工具の耐剥離性を改善すると同時に
厚膜化をも可能とする技術を提供するものである。 【構成】 皮膜の主成分として、(TiAlFe M)
CNからなる皮膜において、MはY、Dy、Nd、C
a、Ce、Srより選ばれる1種以上の金属、またはそ
れらの多層化により構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、耐摩耗性、耐欠損性
に優れる切削工具として用いられる被覆切削工具及び耐
摩耗工具として用いられる被覆耐摩工具に関する。
に優れる切削工具として用いられる被覆切削工具及び耐
摩耗工具として用いられる被覆耐摩工具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来PVD法による硬質皮膜は、TiN
が主流であったが、最近TiCN膜があるいは(TiA
l)Nといった新しい種類の皮膜が開発され注目されて
きている。TiCNはビッカース硬さが3000近くあ
り、TiNのビッカース硬さ2200に比べ格段に硬く
耐摩耗性を著しく高める効果も持つ。一方(TiAl)
NはTiとAlの比率により異なるが、概略2300〜
2800のビッカース硬さを有し、TiNに比べ耐摩耗
性を高める一方耐酸化性が著しく優れるため刃先が高温
になる切削条件下などで優れた特性を発揮するものであ
る。
が主流であったが、最近TiCN膜があるいは(TiA
l)Nといった新しい種類の皮膜が開発され注目されて
きている。TiCNはビッカース硬さが3000近くあ
り、TiNのビッカース硬さ2200に比べ格段に硬く
耐摩耗性を著しく高める効果も持つ。一方(TiAl)
NはTiとAlの比率により異なるが、概略2300〜
2800のビッカース硬さを有し、TiNに比べ耐摩耗
性を高める一方耐酸化性が著しく優れるため刃先が高温
になる切削条件下などで優れた特性を発揮するものであ
る。
【0003】また、(TiAl)N膜の皮膜の改善とし
てTi/Alの比率を限定した特公平5−67705号
や、(TiAlZr)N、(TiAlV)Nといった更
に多元系の皮膜にした米国特許4871434号等が提
案され、更に改善が計られている。しかしながら、これ
らの新しい皮膜は、Alの含有により耐酸化性は向上し
たものの、まだ十分に満足されるものではなく、また皮
膜に残留する圧縮応力がTiN皮膜の1.5倍以上と高
く、次のような種々の問題点を有するものである。
てTi/Alの比率を限定した特公平5−67705号
や、(TiAlZr)N、(TiAlV)Nといった更
に多元系の皮膜にした米国特許4871434号等が提
案され、更に改善が計られている。しかしながら、これ
らの新しい皮膜は、Alの含有により耐酸化性は向上し
たものの、まだ十分に満足されるものではなく、また皮
膜に残留する圧縮応力がTiN皮膜の1.5倍以上と高
く、次のような種々の問題点を有するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】皮膜の密着力は、皮膜
の残留圧縮応力が高くなるほど弱くなるものであり、こ
れら新しい皮膜はその密着性がTiNに比べ劣るもので
ある。又、この残留応力が高いことは皮膜の密着性を悪
くするだけでなく、膜厚が厚くなるに従い残留応力が増
加するため皮膜の厚膜化への技術上の障害ともなり厚膜
化が実現されていないのも現状である。
の残留圧縮応力が高くなるほど弱くなるものであり、こ
れら新しい皮膜はその密着性がTiNに比べ劣るもので
ある。又、この残留応力が高いことは皮膜の密着性を悪
くするだけでなく、膜厚が厚くなるに従い残留応力が増
加するため皮膜の厚膜化への技術上の障害ともなり厚膜
化が実現されていないのも現状である。
【0005】残留圧縮応力を低減する最も簡単な方法
は、被覆工程における被覆パラメーターを変更すること
が考えられる。本発明者は、アークイオン放電法により
鋼基板上へTiNを3μm成膜する場合、被覆パラメー
ターである窒素分圧、バイアス電圧に付いて、残留圧縮
応力を調べてみたところ、バイアス電圧−50Vにおい
ては−2GPa、同 −100Vにおいては−5GPa
の残留圧縮応力を示した。又、窒素分圧を10-1Pa下
においては−1GPa、同100 Paにおいては−2G
Paの残留圧縮応力を示した。この様に、成膜パラメー
ターを変えることにより容易に残留圧縮応力は変更可能
ではあるが、アークイオン放電法やホロカソード法等に
おいては、それぞれの最適なパラメーターの範囲を有す
ること、及びパラメーターの変更により成膜される皮膜
の膜特性が全く異なってしまうことの理由により、事実
上、パラメーターを変更することにより残留圧縮応力を
低減することは不可能であった。
は、被覆工程における被覆パラメーターを変更すること
が考えられる。本発明者は、アークイオン放電法により
鋼基板上へTiNを3μm成膜する場合、被覆パラメー
ターである窒素分圧、バイアス電圧に付いて、残留圧縮
応力を調べてみたところ、バイアス電圧−50Vにおい
ては−2GPa、同 −100Vにおいては−5GPa
の残留圧縮応力を示した。又、窒素分圧を10-1Pa下
においては−1GPa、同100 Paにおいては−2G
Paの残留圧縮応力を示した。この様に、成膜パラメー
ターを変えることにより容易に残留圧縮応力は変更可能
ではあるが、アークイオン放電法やホロカソード法等に
おいては、それぞれの最適なパラメーターの範囲を有す
ること、及びパラメーターの変更により成膜される皮膜
の膜特性が全く異なってしまうことの理由により、事実
上、パラメーターを変更することにより残留圧縮応力を
低減することは不可能であった。
【0006】一方、耐酸化性においては、Alを含む皮
膜は確かに酸化開始温度は、TiN、TiCNに比べ高
く、耐酸化性には優れるものの酸化が連続的に進行する
条件下においては酸化進行速度は、TiN、TiCNと
比べほとんど変わりのないものである。つまり、酸化に
より生成する酸化皮膜は、TiN、TiCNの場合と同
様Alを含有する皮膜においても、ルチル構造を有し、
ポーラスな皮膜である。従って、酸化進行に対する抵抗
は、ルチル構造であるがために極めて低い結果となるわ
けである。
膜は確かに酸化開始温度は、TiN、TiCNに比べ高
く、耐酸化性には優れるものの酸化が連続的に進行する
条件下においては酸化進行速度は、TiN、TiCNと
比べほとんど変わりのないものである。つまり、酸化に
より生成する酸化皮膜は、TiN、TiCNの場合と同
様Alを含有する皮膜においても、ルチル構造を有し、
ポーラスな皮膜である。従って、酸化進行に対する抵抗
は、ルチル構造であるがために極めて低い結果となるわ
けである。
【0007】
【本発明の目的】本発明は上述の残留圧縮応力が高い欠
点を改善し、残留圧縮応力を低減することにより皮膜の
密着性を高め、強いては被覆工具の耐剥離性を改善する
と同時に厚膜化をも可能とする技術を提供するものであ
る。加えて、TiとAlを含有する窒化物、炭窒化物皮
膜の耐酸化性をさらに改善し、酸化が連続的に進む高速
切削において、より長寿命を示す皮膜を提供するもので
ある。
点を改善し、残留圧縮応力を低減することにより皮膜の
密着性を高め、強いては被覆工具の耐剥離性を改善する
と同時に厚膜化をも可能とする技術を提供するものであ
る。加えて、TiとAlを含有する窒化物、炭窒化物皮
膜の耐酸化性をさらに改善し、酸化が連続的に進む高速
切削において、より長寿命を示す皮膜を提供するもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、(Ti
Al)Nを基本にこれに各種元素を添加する検討を行っ
た結果、次のような知見を得た。表1は、3μmの(T
iAl)N皮膜をアークイオンプレーティング法によ
り、バイアス電圧 −120V、窒素圧力10-1Paの
条件下で成膜するときに種々の元素を添加した場合の残
留圧縮応力を3μmのTiNの残留圧縮応力を1とした
場合の比で示している。
Al)Nを基本にこれに各種元素を添加する検討を行っ
た結果、次のような知見を得た。表1は、3μmの(T
iAl)N皮膜をアークイオンプレーティング法によ
り、バイアス電圧 −120V、窒素圧力10-1Paの
条件下で成膜するときに種々の元素を添加した場合の残
留圧縮応力を3μmのTiNの残留圧縮応力を1とした
場合の比で示している。
【0009】
【表1】
【0010】表1より、(TiAl)N皮膜中に軟質金
属を分散、または固溶体化させることにより、膜中の残
留応力が減少する傾向があることがわかる。また耐酸化
性においては、(TiAlFe)Nを基本にこれに各種
元素を添加する検討を行った結果、Y、Dy、Nd、C
e、Ca、Srのうちいずれか1種以上の添加により耐
酸化性が著しく改善される知見を得た。表2は、3μm
の(TiAlFe)N皮膜をアークイオンプレーティン
グ法により、バイアス電圧120V、窒素圧力10-1P
aの条件下で成膜するときにYを添加した場合の酸化開
始温度、及び850℃大気中での酸化速度を、3μmの
TiN、(TiAl)N皮膜と比較した結果を示す。
属を分散、または固溶体化させることにより、膜中の残
留応力が減少する傾向があることがわかる。また耐酸化
性においては、(TiAlFe)Nを基本にこれに各種
元素を添加する検討を行った結果、Y、Dy、Nd、C
e、Ca、Srのうちいずれか1種以上の添加により耐
酸化性が著しく改善される知見を得た。表2は、3μm
の(TiAlFe)N皮膜をアークイオンプレーティン
グ法により、バイアス電圧120V、窒素圧力10-1P
aの条件下で成膜するときにYを添加した場合の酸化開
始温度、及び850℃大気中での酸化速度を、3μmの
TiN、(TiAl)N皮膜と比較した結果を示す。
【0011】
【表2】
【0012】表2より、(TiAlFe)N皮膜中にY
を固溶体化させることにより、皮膜の耐酸化性が向上す
ることがわかる。尚、同様の結果がDy、Nd、Ca、
Ce、Srにおいても得られた。よって、本願発明は、
主成分としてTiとAl及び/またはその固溶体の窒化
物、炭窒化物より構成された0.5〜10μmの膜厚か
ら成る硬質皮膜の主成分の1部をFe族金属及びMで示
される金属で置換した被覆硬質合金の該皮膜組成をモル
比において、(Tia Alb Fe族c Md)CxN1-xと
表した場合、a、b、c、d、xがそれぞれ、a+b+
c+d=1、0.3≦a≦0.7、0.3≦b≦0.
7、0.01≦c≦0.2、0.001≦d≦0.2、
0≦x≦1より成る皮膜であり、MはY、Dy、Nd、
Ca、Ce、Srのうちいずれか1種以上の金属であ
り、さらに、主成分の一部をFe及びMで置換された
(TiFeM)の窒化物、炭窒化物の層とAlの窒化物
から成る層を5層以上の多層にし、厚膜化を達成したも
のである。
を固溶体化させることにより、皮膜の耐酸化性が向上す
ることがわかる。尚、同様の結果がDy、Nd、Ca、
Ce、Srにおいても得られた。よって、本願発明は、
主成分としてTiとAl及び/またはその固溶体の窒化
物、炭窒化物より構成された0.5〜10μmの膜厚か
ら成る硬質皮膜の主成分の1部をFe族金属及びMで示
される金属で置換した被覆硬質合金の該皮膜組成をモル
比において、(Tia Alb Fe族c Md)CxN1-xと
表した場合、a、b、c、d、xがそれぞれ、a+b+
c+d=1、0.3≦a≦0.7、0.3≦b≦0.
7、0.01≦c≦0.2、0.001≦d≦0.2、
0≦x≦1より成る皮膜であり、MはY、Dy、Nd、
Ca、Ce、Srのうちいずれか1種以上の金属であ
り、さらに、主成分の一部をFe及びMで置換された
(TiFeM)の窒化物、炭窒化物の層とAlの窒化物
から成る層を5層以上の多層にし、厚膜化を達成したも
のである。
【0013】
【作用】(TiAl)化合物の皮膜中にFe族を添加す
ることにより、膜中の残留応力を減少させ、膜の耐衝撃
性、特に断続切削等の機械的な衝撃に対しても剥離しに
くい膜となる。また、耐酸化性においては、(TiAl
Fe)化合物の皮膜中にY等を添加することにより、皮
膜の耐酸化性を向上させることが可能である。特に酸化
速度において著しい改善が可能になる理由は、Yを添加
した場合、形成される酸化皮膜の形態がルチル構造では
なくアナターゼ構造を示すためである。つまり、Y等の
添加により非常に緻密な酸化膜が形成され酸化の進行が
形成された酸化膜中の酸素の拡散に律速される形態をと
ることにより、酸化の進行が著しく抑制されるわけであ
る。従って、酸化が連続的に進行する高速切削におい
て、皮膜の酸化がごく表面のみで発生し、これが酸化に
対し保護膜として作用し、皮膜内部にまで酸化が進行せ
ず、長寿命が得られるわけである。
ることにより、膜中の残留応力を減少させ、膜の耐衝撃
性、特に断続切削等の機械的な衝撃に対しても剥離しに
くい膜となる。また、耐酸化性においては、(TiAl
Fe)化合物の皮膜中にY等を添加することにより、皮
膜の耐酸化性を向上させることが可能である。特に酸化
速度において著しい改善が可能になる理由は、Yを添加
した場合、形成される酸化皮膜の形態がルチル構造では
なくアナターゼ構造を示すためである。つまり、Y等の
添加により非常に緻密な酸化膜が形成され酸化の進行が
形成された酸化膜中の酸素の拡散に律速される形態をと
ることにより、酸化の進行が著しく抑制されるわけであ
る。従って、酸化が連続的に進行する高速切削におい
て、皮膜の酸化がごく表面のみで発生し、これが酸化に
対し保護膜として作用し、皮膜内部にまで酸化が進行せ
ず、長寿命が得られるわけである。
【0014】以下、数値限定した理由に付いて説明す
る。(TiAl)化合物膜中に固溶体/混合体として添
加するFe族は、0.01未満では残留応力を低減する
のに十分な効果がなく、0.2を越えると皮膜中のFe
族の量が多くなりすぎ耐摩耗性、耐溶着性等が劣化する
ため0.01≦c≦0.2の範囲とした。また、(Ti
AlFe族)化合物膜中に固溶体/混合体として添加す
るY等は共通して、0.01未満では耐酸化性を向上す
るのに必ずしも十分な効果がなく、0.20を越えると
皮膜の硬さが著しく低下し、著しく耐摩耗性を劣化する
傾向にあるため0.001≦c≦0.20の範囲とし
た。
る。(TiAl)化合物膜中に固溶体/混合体として添
加するFe族は、0.01未満では残留応力を低減する
のに十分な効果がなく、0.2を越えると皮膜中のFe
族の量が多くなりすぎ耐摩耗性、耐溶着性等が劣化する
ため0.01≦c≦0.2の範囲とした。また、(Ti
AlFe族)化合物膜中に固溶体/混合体として添加す
るY等は共通して、0.01未満では耐酸化性を向上す
るのに必ずしも十分な効果がなく、0.20を越えると
皮膜の硬さが著しく低下し、著しく耐摩耗性を劣化する
傾向にあるため0.001≦c≦0.20の範囲とし
た。
【0015】尚、上記の元素はターゲット材として固溶
体化しても、また各元素を個別のターゲットとして蒸着
時に成分を調整してもさらに固溶体ターゲットと個別タ
ーゲットを組み合わせても同様の効果が得られる。
体化しても、また各元素を個別のターゲットとして蒸着
時に成分を調整してもさらに固溶体ターゲットと個別タ
ーゲットを組み合わせても同様の効果が得られる。
【0016】皮膜中のCNの比率は、0≦x≦1、すな
わち炭化物、窒化物、炭窒化物の範囲としたのは、(T
iAl)膜中に固溶体/混合体として添加したFe族の
効果により応力が緩和されるため、硬さの高い炭化物で
も十分に使用でき、また硬さのやや低い窒化物、炭窒化
物においてもFe族の量を調整することにより十分な性
能を有するため0≦x≦1の範囲とした。
わち炭化物、窒化物、炭窒化物の範囲としたのは、(T
iAl)膜中に固溶体/混合体として添加したFe族の
効果により応力が緩和されるため、硬さの高い炭化物で
も十分に使用でき、また硬さのやや低い窒化物、炭窒化
物においてもFe族の量を調整することにより十分な性
能を有するため0≦x≦1の範囲とした。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本願発明を詳細に説明す
る。84WC−3TiC−1TiN−3TaC−9Co
の組成になるよう市販の2.5μmのWC粉末、1.5
μmのTiC粉末、同TiN粉末、1.2μmのTaC
粉末をボールミルにて96時間混合し、乾燥造粒の後、
SNMA432のスローアウェイインサートをプレス
し、焼結後、所定の形状に加工した。この超硬合金基体
上にPVD法により、各種合金ターゲット、各元素単独
のターゲットを用意し、表3に示すような皮膜を形成し
た。
る。84WC−3TiC−1TiN−3TaC−9Co
の組成になるよう市販の2.5μmのWC粉末、1.5
μmのTiC粉末、同TiN粉末、1.2μmのTaC
粉末をボールミルにて96時間混合し、乾燥造粒の後、
SNMA432のスローアウェイインサートをプレス
し、焼結後、所定の形状に加工した。この超硬合金基体
上にPVD法により、各種合金ターゲット、各元素単独
のターゲットを用意し、表3に示すような皮膜を形成し
た。
【0018】
【表3】
【0019】尚、比較のため従来例で記載した膜に付い
ても行った。次いで、これらの皮膜をスクラッチテスタ
ーにより、0から徐々に荷重を上げ、引っかいていき、
膜が剥離する荷重を求めた。それらの結果を表4に示
す。
ても行った。次いで、これらの皮膜をスクラッチテスタ
ーにより、0から徐々に荷重を上げ、引っかいていき、
膜が剥離する荷重を求めた。それらの結果を表4に示
す。
【0020】
【表4】
【0021】また、下記に示す工具が繰り返し衝撃を受
ける切削条件にて切削テストを行い最大摩耗が0.2m
mに達するまでの寿命時間を求め、その結果を表4に併
記する。 切削条件 被削材 (4つ溝付き丸棒)S50C Hs32 切削速度 200m/min 送り 0.15mm/rev 切込み 2mm 切削油 なし
ける切削条件にて切削テストを行い最大摩耗が0.2m
mに達するまでの寿命時間を求め、その結果を表4に併
記する。 切削条件 被削材 (4つ溝付き丸棒)S50C Hs32 切削速度 200m/min 送り 0.15mm/rev 切込み 2mm 切削油 なし
【0022】表4の結果より、スクラッチ荷重において
は明確に違いがでていないが、機械的衝撃が加わる耐衝
撃性の試験では使用初期に剥離を生じて、異状摩耗をき
たしたことが分かる。なお、実施例では窒化物の皮膜を
使用したが、蒸着時の雰囲気を窒素、メタン等の分圧を
調整することにより様々な組成比率の炭窒化物の製作も
可能である。
は明確に違いがでていないが、機械的衝撃が加わる耐衝
撃性の試験では使用初期に剥離を生じて、異状摩耗をき
たしたことが分かる。なお、実施例では窒化物の皮膜を
使用したが、蒸着時の雰囲気を窒素、メタン等の分圧を
調整することにより様々な組成比率の炭窒化物の製作も
可能である。
【0023】
【実施例2】84WC−3TiC−1TiN−3TaC
−9Coの組成になるよう市販の2.5μmのWC粉
末、1.5μmのTiC粉末、同TiN粉末、1.2μ
mのTaC粉末をボールミルにて96時間混合し、乾燥
造粒の後、SNMG432のスローアウェイインサート
をプレスし、焼結後、所定の形状に加工した。この超硬
合金基体上にPVD法により、各種(TiAlFeY)
合金のターゲットを用い、表5に示すような皮膜を形成
した。尚、比較のため従来例で記載した膜も形成した。
−9Coの組成になるよう市販の2.5μmのWC粉
末、1.5μmのTiC粉末、同TiN粉末、1.2μ
mのTaC粉末をボールミルにて96時間混合し、乾燥
造粒の後、SNMG432のスローアウェイインサート
をプレスし、焼結後、所定の形状に加工した。この超硬
合金基体上にPVD法により、各種(TiAlFeY)
合金のターゲットを用い、表5に示すような皮膜を形成
した。尚、比較のため従来例で記載した膜も形成した。
【0024】
【表5】
【0025】次いで、これらの皮膜をコーティングされ
たスローアウェイインサートを大気中で徐々に昇温し、
酸化増が認められる温度を測定した。また、大気中90
0℃において、時間とともに酸化増量を測定し、酸化速
度を算出した。これらの結果も表5に併記する。更に、
下記に示す高速切削条件にて切削テストを行い最大摩耗
が0.2mmに達するまでの時間を求め、その結果も表
5に併記する。
たスローアウェイインサートを大気中で徐々に昇温し、
酸化増が認められる温度を測定した。また、大気中90
0℃において、時間とともに酸化増量を測定し、酸化速
度を算出した。これらの結果も表5に併記する。更に、
下記に示す高速切削条件にて切削テストを行い最大摩耗
が0.2mmに達するまでの時間を求め、その結果も表
5に併記する。
【0026】表5より、Yを添加した皮膜は、格段に酸
化速度が遅く、また、そのことが連続高速切削において
著しい長寿命化に寄与している事が明らかである。
化速度が遅く、また、そのことが連続高速切削において
著しい長寿命化に寄与している事が明らかである。
【0027】
【発明の効果】本発明の被覆硬質合金は、従来のTi
N、TiAlNに比べ、硬さの低い元素を添加/固溶さ
せることにより、皮膜の残留圧縮応力を低め密着性を向
上させ、断続切削などにおいて、格段に長い工具寿命が
得られるものである。また、本発明は超硬合金を主に説
明してきたがTiCN基サーメットに適用した場合にも
優れた効果を現すことは自明である。
N、TiAlNに比べ、硬さの低い元素を添加/固溶さ
せることにより、皮膜の残留圧縮応力を低め密着性を向
上させ、断続切削などにおいて、格段に長い工具寿命が
得られるものである。また、本発明は超硬合金を主に説
明してきたがTiCN基サーメットに適用した場合にも
優れた効果を現すことは自明である。
Claims (2)
- 【請求項1】 主成分としてTiとAl及び/またはそ
の固溶体の窒化物、炭窒化物より構成された0.5〜1
0μmの膜厚から成る硬質皮膜の主成分の1部をFe族
金属及びMで示される金属で置換した被覆硬質合金の該
皮膜組成をモル比において、(Tia Alb Fe族c M
d)CxN1-xと表した場合、a、b、c、d、xがそれ
ぞれ、a+b+c+d=1、0.3≦a≦0.7、0.
3≦b≦0.7、0.01≦c≦0.2、0.001≦
d≦0.2、0≦x≦1より成る皮膜であり、MはY、
Dy、Nd、Ca、Ce、Srのうちいずれか1種以上
の金属であることを特徴とする被覆硬質合金。 - 【請求項2】 請求項1記載の被覆硬質合金において、
主成分の一部をFe及びMで置換された(TiFeM)
の窒化物、炭窒化物の層とAlの窒化物から成る層を5
層以上の多層にしたことを特徴とする被覆硬質合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03461195A JP3638332B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 被覆硬質合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03461195A JP3638332B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 被覆硬質合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08209334A true JPH08209334A (ja) | 1996-08-13 |
JP3638332B2 JP3638332B2 (ja) | 2005-04-13 |
Family
ID=12419175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03461195A Expired - Fee Related JP3638332B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 被覆硬質合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3638332B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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