JPH08209221A - 酸素吹き込み用ランス - Google Patents

酸素吹き込み用ランス

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JPH08209221A
JPH08209221A JP7014168A JP1416895A JPH08209221A JP H08209221 A JPH08209221 A JP H08209221A JP 7014168 A JP7014168 A JP 7014168A JP 1416895 A JP1416895 A JP 1416895A JP H08209221 A JPH08209221 A JP H08209221A
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molten metal
lance
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furnace
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浩志 岡本
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素を吹き込む作業に際して、溶融金属やス
ラグの飛散を抑制する。 【構成】 ランスチップ14に、ストレート形ノズル2
2と断面急拡大ノズル21とをそれぞれ二個ずつ合計4
個のノズルを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料の溶解、溶融
金属の昇温・精錬等に用いられる炉、特に溶銑を使用す
る電気炉に酸素を吹き込むためのランスに関する。
【0002】
【従来の技術】電気炉としては、直流電気炉と交流電気
炉とが知られている。前者は、炉内に装入された金属材
料の上方に設けられた上部電極と、炉底あるいは側壁等
に設けられた下部電極との間に電流を流して発生したア
ークを熱源として金属の溶解、溶融金属の精錬等を行う
ものである。一方、後者は、前記金属材料の上方に設け
られた3本の電極間に電流を流して発生したアークを熱
源として金属材料の溶解、溶融金属の精錬等を行うもの
である。
【0003】この種の電気炉においては、金属材料の溶
解促進、溶融金属の精錬等を行うためにランスを用いて
炉内の溶融金属に酸素や粉体を吹き込む作業が一般に行
われている。従来のランスとしては、例えば、実開平2
−38457号公報に記載のものが知られている。この
ランスaは、図10に示すように、自走台車bに搭載さ
れて電気炉cの側壁から炉c内に挿入されたもので、該
ランスaの先端部には一個の酸素吹き込み用ノズルdが
形成されている。
【0004】ところで、このランスaは、通常、40A
程度の小径のパイプが用いられている。従って、酸素吹
き込み用ノズルdのノズル内背圧(ノズル出口側のガス
圧力)を臨界圧(ノズル内圧力/雰囲気圧力>1.8
9)に維持するにはパイプ内の酸素流量が極めて多くな
って現実的でないので、ノズル内背圧を臨界圧以下、す
なわち、ノズルdからの酸素噴射速度を音速以下にして
いる。そして、酸素噴射速度が音速以下であることと上
述したようにノズルdの数が一個であることから、酸素
の利用効率をあげるためにランスaの先端部を溶融金属
eに浸漬して該溶融金属e内で酸素ジェットを噴射して
いる。
【0005】しかしながら、このようにランスaの先端
部を溶融金属eに浸漬すると、溶融金属eの熱によって
ランスaが次第に消耗してしまうので自走台車bに新た
なランスaを供給しなければならず、ランスaの供給作
業が面倒になると共に供給する新たなランスaのコスト
も多大なものとなる不都合がある。また、ランスaの先
端が熱で曲がって上方に酸素ジェットが噴射されるよう
な状況になると炉壁が熱負荷に耐えられなくなって炉壁
の損傷を招き炉の操業ができなくなるという不都合があ
る。
【0006】そこで、このような不都合を解消するため
に、特開平6−192718号公報に記載の水冷式ラン
スが提案されている。この水冷式ランスfは、図11に
示すように、電気炉cの側壁に設けられた作業口gから
炉内に挿入されたものであり、挿入状態では溶融金属e
表面の上方に配置されている。また、ランスfの先端部
には溶融金属eの表面に向けて酸素ジェットを超音速で
噴射する末広がり形状のラバール形ノズルhが形成され
ている。ここで、ラバール形ノズルhとは、図12に示
すように、断面形状を末広がり形状とすることにより、
通常のストレート形ノズルや断面急拡大ノズルでは達成
できなかった超音速での酸素ジェットの噴射を可能にし
たものである。このように、水冷式ランスfは、ラバー
ル形ノズルhを用いて酸素ジェットを超音速で噴射する
ことにより、溶融金属eへの酸素供給量を増大して、換
言すれば、酸素の利用効率を高めて溶融金属eの上方位
置からの酸素噴射を可能にし、これにより、ランスfの
先端部を溶融金属eに浸漬しなくて済むようにして上述
した不都合を解消している。
【0007】また、溶融金属の精錬を行う転炉において
も、上述した水冷式ランスが用いられている。この水冷
ランスは、図示は省略するが転炉の上部炉口部から挿入
されており、ノズルはラバール形ノズルが用いられて超
音速(500m/s以上)で溶融金属に向けて酸素ジェ
ットを噴射するようになっている。また、溶融金属の表
面からノズルまでの高さ(以下、「ランスハイト」とい
う。)は、噴射された酸素ジェットの溶融金属表面到達
速度が50m/s以下となるように2〜4mの範囲で設
定される。このように溶融金属表面到達速度を50m/
s以下にすることにより、酸素ジェットが溶融金属表面
に衝突した際の溶融金属及びスラグの飛散量を抑制して
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
水冷式ランスfを電気炉cに用いた場合には、水冷式ラ
ンスfを電気炉cの側壁の作業口gから挿入しており、
しかも、電気炉cの高さは転炉の約1/2程度であるた
め、ランスハイトを高くすることができない。この場
合、転炉のようにランスfを炉の上部から挿入してラン
スハイトを高くすることが考えられるが、電気炉cの上
部には電極が設けられているためにランスfを電気炉c
の上部から挿入することは困難である。従って、電気炉
cに用いた場合は、ノズルhからの酸素噴射速度は転炉
の場合とほぼ同等で500m/s以上を有しているにも
かかわらず溶融金属表面到達速度は100m/s以上と
なり、酸素ジェットが溶融金属e表面に与える衝撃エネ
ルギーは転炉の場合と比べて局所的に極めて大きくな
る。この結果、該衝撃エネルギーが溶融金属やスラグ等
に攪拌力やせん断力として作用して粒状化された該溶融
金属やスラグが多量に飛散するという不都合が生じる。
【0009】そして、飛散した溶融金属やスラグが電気
炉内の炉壁或いはガス排気用のエルボ等に付着すると、
電極と炉蓋とがショートして大電流が流れてしまい、こ
の結果、炉蓋が焼損したり、炉の側壁を覆う水冷ボック
スの水冷配管の水漏れが生じたり、電極挿入部(小天
井)の寿命が低下したり、炉蓋付着地金が溶融金属に落
下して溶融金属の温度が低下したり、或いはカーボン外
れ等の種々の弊害を招く。また、飛散した溶融金属等が
炉蓋に付着すると炉蓋の重量が増加して炉蓋の昇降が不
能となり、さらに、水冷式ランスに付着すると該ランス
が溶損し、さらに、溶融金属の多量の飛散より鉄の歩留
りが低下するという種々の弊害を招く。
【0010】本発明はかかる不都合を解消するためにな
されたものであり、炉内の溶融金属へ酸素を吹き込む作
業に際して、新たなランスの供給を不要にすることがで
きるのは勿論のこと、溶融金属やスラグの飛散を良好に
抑制することができる酸素吹き込み用ランスを提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1に係る酸素吹き込み用ランスは、炉内の
溶融金属の上方に配置され該溶融金属の表面に向けて酸
素ジェットを噴射するノズルを先端部に備えたランスに
おいて、前記ノズルを一端部から他端部までの断面形状
が均一なストレート形ノズルとすると共に、該ノズルを
複数形成したことを特徴とする。
【0012】請求項2に係る酸素吹き込み用ランスは、
炉内の溶融金属の上方に配置され該溶融金属の表面に向
けて酸素ジェットを噴射するノズルを先端部に備えたラ
ンスにおいて、該ノズルを酸素流入側と酸素流出側とに
それぞれ小径部と大径部とが形成された断面急拡大ノズ
ルとすると共に、該ノズルを複数形成したことを特徴と
する。
【0013】請求項3に係る酸素吹き込み用ランスは、
炉内の溶融金属の上方に配置され該溶融金属の表面に向
けて酸素ジェットを噴射するノズルを先端部に備えたラ
ンスにおいて、前記ノズルは、一端部から他端部までの
断面形状が均一にされたストレート形ノズルと、酸素流
入側と酸素流出側とにそれぞれ小径部と大径部とが形成
された断面急拡大ノズルとをそれぞれ一個以上有するこ
とを特徴とする。
【0014】請求項4に係る酸素吹き込み用ランスは、
前記炉が電気炉であり、該電気炉の側壁と上部電極との
間の溶融金属の表面に酸素ジェットが噴射されるように
前記ノズルを配置したことを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1の発明では、ノズルを、ノズル内背圧
が臨界圧力以上であっても噴射速度が高々音速にしか達
しないストレート形ノズルとすることによって、酸素ジ
ェットの噴射速度を音速以下にして溶融金属表面到達速
度を遅くし、これにより溶融金属表面に与える衝撃エネ
ルギーを小さくする。また、ストレート形ノズルを複数
形成することで、噴射速度を音速以下にすることによっ
て生じる溶融金属への酸素供給量不足を補って酸素と溶
融金属とを効率的に反応させると共に、溶融金属表面に
おける酸素ジェットの衝突面積を増大させて単位面積当
たりの衝撃エネルギーを小さくする。
【0016】請求項2の発明では、断面急拡大ノズルの
小径部(のど径)と大径部(出口径)との比及びノズル
内背圧を調整することによって酸素ジェットの噴射速度
を音速以下の任意の速度に設定して溶融金属表面到達速
度を遅くし、これにより溶融金属表面に与える衝撃エネ
ルギーを小さくする。また、断面急拡大ノズルを複数形
成することで、噴射速度を音速以下にすることによって
生じる溶融金属への酸素供給量不足を補って酸素と溶融
金属とを効率的に反応させると共に、溶融金属表面にお
ける酸素ジェットの衝突面積を増大させて単位面積当た
りの衝撃エネルギーを小さくする。
【0017】請求項3の発明では、ノズルを、噴射速度
が共に音速以下のストレート形ノズルと断面急拡大ノズ
ルとで構成することによって、酸素ジェットの噴射速度
を音速以下にして溶融金属表面到達速度を遅くし、これ
により溶融金属表面に与える衝撃エネルギーを小さくす
る。断面急拡大ノズルについては、請求項2と同様に小
径部(のど径)と大径部(出口径)との比及びノズル内
背圧を調整することによって酸素ジェットの噴射速度を
音速以下の任意の速度にする。また、ストレート形ノズ
ルと断面急拡大ノズルとをそれぞれ一個以上形成するこ
とで、噴射速度を音速以下にすることによって生じる溶
融金属への酸素供給量不足を補って酸素と溶融金属とを
効率的に反応させると共に、溶融金属表面における酸素
ジェットの衝突面積を増大させて単位面積当たりの衝撃
エネルギーを小さくする。
【0018】請求項4の発明では、炉が電気炉である場
合に、該電気炉の側壁と上部電極との間の溶融金属の表
面に酸素ジェットが噴射されるように前記ノズルを配置
することによって、上部電極に酸素ジェットが直接当た
らないようにして該上部電極の損耗量を低減する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図5を参照
して説明する。図1は本発明の一実施例である酸素吹き
込み用ランスを電気炉に配置した状態を示す概略断面
図、図2は図1の部分的詳細図、図3は図2の平面図、
図4は酸素吹き込み用ランスの断面図、図5は図4の矢
印方向から見た図である。尚、本実施例では、炉とし
て溶銑を使用する直流電気炉を例に採る。
【0020】まず、図1を参照して直流電気炉(以下、
電気炉と略称する。)1から説明すると、符号2は耐火
物からなる炉体、3は炉体2の側壁4を覆う水冷ボック
ス、5は炉体2の上部に設けられた炉蓋、6は炉蓋5の
中心部から小天井7を介して電気炉1内に昇降自在に挿
入された上部電極であり、上部電極6と炉体2の炉底8
等に取り付けた下部電極(図示せず)との間に直流電流
を流して上部電極6にアークを発生させることにより、
該アークを熱源として電気炉1内に装入されたスクラッ
プの溶解、溶融金属9の精錬及び溶銑の昇温等を行う。
【0021】そして、溶融金属9の加熱補助、精錬及び
溶銑の加熱補助を行うべく、図2及び図3に示すよう
に、炉体2の側壁4に形成された作業口10から粉体吹
き込み用ランス11と2本の水冷式酸素吹き込み用ラン
ス12a,12bとがそれぞれ電気炉1内に挿入されて
いる。各ランス11,12a,12bは、駆動装置(図
示せず)よって電気炉1内での位置調整及び電気炉1へ
の進退移動ができるようになっている。
【0022】次に、本発明の一実施例である酸素吹き込
み用ランス12a,12bを図2〜図5を参照して説明
する。尚、水冷式酸素吹き込み用ランス12a,12b
は、図3に示すように、互いに水平方向に対称配置され
た点を除いてその構成が同一であるので、ここでは水冷
式酸素吹き込み用ランス12aのみを説明する。酸素吹
き込み用ランス12aは、図2及び図3に示すように、
作業口10から電気炉1内に挿入されたランス本体13
と、該ランス本体13の先端部に設けられたランスチッ
プ14とを備える。
【0023】ランス本体13は、作業口10から略水平
方向に電気炉1内に挿入された直線状の水平部15と、
該水平部15の先端から上方に傾斜して直線状に延出す
る傾斜部16とを備える。ランス本体13の内部中央に
は、図4に示すように、酸素流通路17が形成され、該
酸素流通路17の外側には冷却水流通路18が形成され
ている。ランス本体14の傾斜部16の先端にはランス
チップ14が接続されている。
【0024】ランスチップ14は、図2及び図4に示す
ように、傾斜部16の先端から下方に屈曲して延出され
ており、その先端面が側壁4と上部電極6との間の溶融
金属9の表面を向くようにされている(図3参照)。ラ
ンスチップ14の内部には、ランス本体13に対応して
酸素流通路19及び冷却水流通路20が形成されてい
る。また、図2に示すように、ランスチップ14の最先
端部は水平部15の軸線延長線X1 より上方に配置され
ており、これにより、直線状のランスに比べてランスハ
イトを高くとれるようにすると共に、電気炉1内でのラ
ンス12aの位置の調整範囲を広くしてランスハイト調
整の際の自由度の向上を図っている。ランスチップ14
の先端面には、断面急拡大ノズル21及びストレート形
ノズル22がそれぞれ二個ずつ形成されている。
【0025】断面急拡大ノズル21は、図4に示すよう
に、酸素流入側と酸素流出側とにそれぞれ小径部23と
大径部24とが形成されたものであり、小径部(のど
径)23と大径部(出口径)24との比及びノズル内背
圧を調整することによって酸素ジェットの噴射速度を音
速以下の任意の速度に設定できるようにされている。そ
して、本実施例では、図5に示すように、二個の断面急
拡大ノズル21を、ランスチップ14の先端面において
下側、即ち、溶融金属9の表面に近い側の面に横方向に
互いに離間して形成している。また、断面急拡大ノズル
21の指向方向の延長線が側壁4と上部電極6との間の
溶融金属9の表面に到達するようにし、これにより断面
急拡大ノズル21から噴射された酸素ジェットが上部電
極6に直接当たらないようにしている。
【0026】ストレート形ノズル22は、図4に示すよ
うに、一端部から他端部までの断面形状が均一にされた
ものであり、ノズル内背圧が臨界圧力以上であっても噴
射速度が高々音速にしか達しないようにされている。そ
して、本実施例では、図5に示すように、二個のストレ
ート形ノズル22を、ランスチップ14の先端面におい
て上側、即ち、溶融金属9の表面から遠ざかる側の面に
横方向に互いに離間して形成している。また、断面急拡
大ノズル21と同様に、ストレート形ノズル22の指向
方向の延長線が側壁4と上部電極6との間の溶融金属9
の表面に到達するようにし、これによりストレート形ノ
ズル22から噴射された酸素ジェットが上部電極6に直
接当たらないようにしている。
【0027】尚、ストレート形ノズル22の指向方向の
延長線と溶融金属9の表面とのなす角度(衝突角度)
は、断面急拡大ノズル21の指向方向の延長線と溶融金
属9の表面とのなす角度より小さくなっている(図2参
照)。また、本実施例では、断面急拡大ノズル21及び
ストレート形ノズル22をそれぞれ二個ずつ形成してい
るが、断面急拡大ノズル21及びストレート形ノズル2
2がそれぞれ一個以上であればノズル21,22の個数
は特に限定されるものではない。
【0028】ここで、本実施例では、酸素吹き込み用ラ
ンス12a,12bの各送酸量を60Nm3 /min、
ランスハイトを300〜1250mmとした場合に、溶
融金属9の表面に近い、即ち、酸素ジェットの速度減衰
が小さい側の断面急拡大ノズル21の噴射速度を150
m/sに調整して酸素ジェットの溶融金属表面到達速度
を50m/s以下に抑制し、一方、溶融金属9の表面か
ら遠い、即ち、酸素ジェットの速度減衰が大きい側のス
トレート形ノズル22の噴射速度を300m/sとして
酸素ジェットの溶融金属表面到達速度を50m/s以下
に抑制しており、これにより断面急拡大ノズル21及び
ストレート形ノズル22から噴射された酸素ジェットの
溶融金属表面に到達した流速をバランスさせている。
【0029】次に、電気炉1の操業手順に従って酸素吹
き込み用ランス12a,12bによる酸素吹き込み方法
を説明する。まず、製鋼原料のスクラップを直流電気炉
1に装入した後、上部電極6からアークを飛ばしてスク
ラップを溶解する。次いで、溶銑を直流電気炉1に装入
した後、作業口10近傍におけるスクラップに向けて酸
素吹き込み用ランス12a,12bの各断面急拡大ノズ
ル21及びストレート形ノズル22から酸素ジェットを
噴射してスクラップの溶解の促進、いわゆるカッティン
グ作業を行う。
【0030】作業口10近傍のスクラップの溶解が進行
すると、酸素吹き込み用ランス12a,12bを電気炉
1内の奥方向に前進させつつ断面急拡大ノズル21及び
ストレート形ノズル22から酸素ジェットを噴射して作
業口10近傍から奥にかけてのスクラップを順次溶解す
る。スクラップの溶解がほぼ終了した時点で酸素吹き込
み用ランス12a,12bを上昇(図2において二点鎖
線で示す。)させてランスハイトを高くとり、この状態
で断面急拡大ノズル21及びストレート形ノズル22か
ら酸素ジェットを溶融金属9の表面に向けて噴射して該
溶融金属9の昇温・精錬を行う。
【0031】この時、上述したように酸素吹き込み用ラ
ンス12a,12bの各断面急拡大ノズル21及びスト
レート形ノズル22から噴射される酸素ジェットの噴射
速度を共に音速以下にして酸素ジェットの溶融金属表面
到達速度を従来の1/2の50m/s以下にしているの
で、溶融金属9表面に与える衝撃エネルギーを大幅に小
さくすることができ、しかも、ランスチップ14には断
面急拡大ノズル21及びストレート形ノズル22を二個
ずつ合計四個のノズルを形成しているので、噴射速度を
音速以下にすることによって生じる溶融金属9への酸素
供給量不足が良好に補われて酸素と溶融金属9との効率
的な反応が可能になると共に、溶融金属9表面における
酸素ジェットの衝突面積が増大されて単位面積当たりの
衝撃エネルギーを小さくすることができる。この結果、
溶融金属やスラグ等に作用する攪拌力やせん断力を従来
に比べて大幅に低減することができ、この結果、溶融金
属やスラグの飛散を大幅に少なくすることができる。
【0032】また、断面急拡大ノズル21の指向方向の
延長線及びストレート形ノズルの指向方向の延長線が共
に側壁4と上部電極6との間の溶融金属9の表面に到達
するようにして、各ノズル21,22から噴射された酸
素ジェットが上部電極6に直接当たらないようにしてい
るので該上部電極6の損耗量の低減を図ることができ
る。
【0033】さらに、酸素吹き込み用ランス12a,1
2bを溶融金属9の表面の上方に配置して酸素ジェット
を噴射しているので、従来のように溶融金属9の熱でラ
ンスが消耗するようなことがなく、従って、酸素吹き込
み作業に際して新たなランスの供給を不要にすることが
できる。尚、実施例では、ランスチップ14の先端面に
断面急拡大ノズル21及びストレート形ノズル22をそ
れぞれ二個ずつ形成しているが、必ずしもこれに限定す
る必要はなく、図6及び図7に示すように、全てのノズ
ルをストレート形ノズル22にしてもよく、また、図8
及び図9に示すように、全てのノズルを断面急拡大ノズ
ル21にしてもよい。全てのノズルをストレート形ノズ
ル22にする場合は、例えば、ランスチップ14の先端
面にストレート形ノズル22を周方向に72°ピッチで
五箇所形成する。
【0034】また、上記実施例では、酸素吹き込み用ラ
ンス12a,12bを作業口10から挿入した場合を例
に採ったが、必ずしもこれに限定されるものではなく、
側壁4或いは炉蓋5から酸素吹き込み用ランス12a,
12bを挿入してもよく、また、場合によっては転炉に
本発明の酸素吹き込み用ランス12a,12bを適用す
ることもできる。
【0035】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、請求項
1の発明によれば、ノズルをストレート形ノズルにする
ことによって、酸素ジェットの溶融金属表面到達速度を
遅くして溶融金属表面に与える衝撃エネルギーを小さく
し、また、該ノズルを複数形成することで、溶融金属へ
の酸素供給量不足を補って酸素、粉体と溶融金属とを効
率良く反応させると共に、溶融金属表面における単位面
積当たりの衝撃エネルギーを小さくしているので、溶融
金属やスラグ等に作用する攪拌力やせん断力を大幅に低
減することができ、従来に比べて溶融金属やスラグの飛
散を大幅に少なくすることができるという効果が得られ
る。
【0036】また、酸素吹き込み用ランスを溶融金属の
表面の上方に配置して酸素ジェットを噴射しているの
で、従来のように溶融金属の熱でランスが消耗するよう
なことがなく、従って、酸素吹き込み作業に際して新た
なランスの供給を不要にすることができるという効果が
得られる。請求項2の発明によれば、請求項1の効果に
加えて、断面急拡大ノズルの小径部(のど径)と大径部
(出口径)との比及びノズル内背圧を調整することによ
って酸素ジェットの噴射速度を音速以下の任意の速度に
設定することができるという効果が得られる。
【0037】請求項3の発明によれば、請求項1の効果
に加えて、複数のノズルの一部のノズルから噴射される
酸素ジェットの噴射速度を音速以下の任意の速度にする
ことができるという効果が得られる。請求項4の発明に
よれば、電気炉の側壁と上部電極との間の溶融金属の表
面に酸素ジェットが噴射されるように前記ノズルを配置
することによって、上部電極に酸素ジェットが直接当た
らないようにして該上部電極の損耗量を低減することが
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である酸素吹き込み用ランス
を電気炉に配置した状態を示す概略断面図である。
【図2】図1の部分的詳細図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】酸素吹き込み用ランスの断面図である。
【図5】図4の矢印方向から見た図である。
【図6】本発明の他の実施例である酸素吹き込み用ラン
スの断面図である。
【図7】図6の−線断面図である。
【図8】本発明の他の実施例である酸素吹き込み用ラン
スの断面図である。
【図9】図8の矢印方向から見た図である。
【図10】従来の酸素吹き込み用ランスを説明するため
の説明的概略図である。
【図11】従来の他の酸素吹き込み用ランスを説明する
ための説明的概略図である。
【図12】図11の酸素吹き込み用ランスの先端部の断
面図である。
【符号の説明】
1…電気炉 4…側壁 6…上部電極 9…溶融金属 12a,12b…酸素吹き込み用ランス 21…断面急拡大ノズル 22…ストレート形ノズル 23…小径部 24…大径部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内の溶融金属の上方に配置され該溶融
    金属の表面に向けて酸素ジェットを噴射するノズルを先
    端部に備えたランスにおいて、前記ノズルを一端部から
    他端部までの断面形状が均一なストレート形ノズルとす
    ると共に、該ノズルを複数形成したことを特徴とする酸
    素吹き込み用ランス。
  2. 【請求項2】 炉内の溶融金属の上方に配置され該溶融
    金属の表面に向けて酸素ジェットを噴射するノズルを先
    端部に備えたランスにおいて、該ノズルを酸素流入側と
    酸素流出側とにそれぞれ小径部と大径部とが形成された
    断面急拡大ノズルとすると共に、該ノズルを複数形成し
    たことを特徴とする酸素吹き込み用ランス。
  3. 【請求項3】 炉内の溶融金属の上方に配置され該溶融
    金属の表面に向けて酸素ジェットを噴射するノズルを先
    端部に備えたランスにおいて、前記ノズルは、一端部か
    ら他端部までの断面形状が均一にされたストレート形ノ
    ズルと、酸素流入側と酸素流出側とにそれぞれ小径部と
    大径部とが形成された断面急拡大ノズルとをそれぞれ一
    個以上有することを特徴とする酸素吹き込み用ランス。
  4. 【請求項4】 前記炉が電気炉であり、該電気炉の側壁
    と上部電極との間の溶融金属の表面に酸素ジェットが噴
    射されるように前記ノズルを配置したことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸素吹き込み用ラ
    ンス。
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