JPH0820841A - 転動部材 - Google Patents

転動部材

Info

Publication number
JPH0820841A
JPH0820841A JP15387994A JP15387994A JPH0820841A JP H0820841 A JPH0820841 A JP H0820841A JP 15387994 A JP15387994 A JP 15387994A JP 15387994 A JP15387994 A JP 15387994A JP H0820841 A JPH0820841 A JP H0820841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
steel
less
rolling
machinability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15387994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3538900B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Hoshino
俊幸 星野
Takashi Iwamoto
岩本  隆
Satoshi Yasumoto
聡 安本
Akihiro Matsuzaki
明博 松崎
Kenichi Amano
虔一 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP15387994A priority Critical patent/JP3538900B2/ja
Publication of JPH0820841A publication Critical patent/JPH0820841A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3538900B2 publication Critical patent/JP3538900B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 転動疲労寿命を損なうことなく、冷間鍛造性
あるいは切削加工といった加工性に優れた転動部材を提
案すること。 【構成】 少なくとも、重量%で、C:0.1 〜1.5 mass
%、Si:0.5 〜2.0 mass%、Mn:0.1 〜2.5 mass%、
N:0.0015〜0.0150mass%、O:0.0020mass%以下を含
有し、かつAl:0.01〜0.5 mass%、B:0.0003〜0.0150
mass%、Ti:0.005 〜0.05mass%、REM :0.0005〜0.02
00mass%、およびZr:0.005 〜0.2 mass%のうちから選
ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不
可避的不純物からなる成分組成を有すると共に、組織が
主として黒鉛とフェライトからなるものであって、表層
部には硬化層を設けてなることを特徴とする転動部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ころ軸受、玉軸受と
いった転がり軸受に用いて好適な、加工性および転動疲
労寿命特性に優れた転動部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車ならびに産業機械等で用いられる
転がり軸受などの転動部材は、高炭素クロム軸受鋼2種
(JIS規格:SUJ2)が最も多く利用されている。
この鋼種は、0.95〜1.10mass%のCと0.90〜1.60mass%
のCrを含有していることから硬質であるため、まず球状
化焼鈍を行って加工性を向上させたのち、成形加工し、
その後に焼き入れ・焼き戻し処理を施すことによって転
がり軸受に必要な硬さを確保している。
【0003】これに対し、従来、特開平2−54739 号公
報では、主要成分が; C:0.45〜0.80重量%、Si:0.10〜2.0 重量%、Mn:0.
20〜2.0 重量%、P:0.015 重量%以下、S:0.015 重
量%以下、Cr:2.0 重量%以下、Al:0.015 〜0.060 重
量%、Ti:0.0020重量%以下、N:0.003 〜0.020 重量
%、O:0.0015重量%以下からなる軸受鋼を提案してい
る。この従来軸受鋼は、C含有量を低減することによっ
て、上述した球状化焼鈍処理を簡略化したり、あるいは
省略しても加工性の低下しない軸受鋼として開発された
ものである。しかしながら、最近では、こうした転動部
材の場合、加工形状が複雑化していることから、素材の
加工性の一層の改善ならびに製造コストの低減を図るこ
とが強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
記の問題を有利に克服し、転動疲労寿命を損なうことな
く、冷間鍛造性あるいは切削加工といった加工性に優れ
た転動部材を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】さて、発明者らは上記の
目的を実現すべく鋭意研究を行った結果、加工前に黒鉛
とフェライトを主体とする金属組織とすることによっ
て、被切削性あるいは冷間鍛造性が著しく向上すること
を見い出し、本発明に想到した。
【0006】すなわち、本発明は、 (1) C:0.1 〜1.5 mass%、Si:0.5 〜2.0 mass%、M
n:0.1 〜2.5 mass%、N:0.0015〜0.0150mass%、
O:0.0020mass%以下を含有し、かつAl:0.01〜0.5 ma
ss%、B:0.0003〜0.0150mass%、Ti:0.005 〜0.05ma
ss%、REM :0.0005〜0.0200mass%、およびZr:0.005
〜0.2 mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を
含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組
成を有すると共に、組織が主として黒鉛とフェライトか
らなるものであって、表層部には硬化層を設けてなるこ
とを特徴とする転動部材。 (2) 上記(1) に記載の転動部材の成分に加え、さらに、
Cr:1.0 mass%以下、Mo:1.0 mass%以下、V:0.5 ma
ss%以下、Nb:0.5 mass%以下、Ni:3.0 mass%以下、
Cu:3.0 mass%以下、Co:3.0 mass%以下のうちから選
ばれるいずれか1種または2種以上の元素を含むことを
特徴とする転動部材である。 (3) 上記(1) , (2) に記載の転動部材は、C:0.2 〜1.
3 mass%、Si:0.7 〜1.7 mass%、Mn:0.4 〜2.0 mass
%、N:0.0020〜0.0050mass%、O:0.0015mass%以下
を含有し、かつAl:0.020 〜0.050 mass%、B:0.0005
〜0.0025mass%、Ti:0.01〜0.03mass%、REM :0.0020
〜0.015 mass%、およびZr:0.01〜0.2 mass%の組成の
ものが好ましい転動部材と言える。 (4) 上記(1), (2), (3) に記載の転動部材が、表層部の
オーステナイト量が、体積比にして10〜35%であること
を特徴とする転動部材。 (5) なお、上記各転動部材の表面層に形成される硬化層
は、浸漬焼入れ処理、高周波焼入れ処理、浸炭焼入れ処
理または浸炭窒化焼入れ処理によって、部材表面を硬度
Hv 650以上にした改質層のことである。
【0007】
【作用】以下、本発明において部材の成分組成を上記の
範囲に限定した理由について説明する。 C:0.1 〜1.5 mass% Cは、黒鉛相を形成する上で不可欠なだけでなく、機械
部品の強度を確保する上でも重要な元素であるが、含有
量が0.1 mass%に満たないとその効果が小さく、一方1.
5 mass%を超えて添加してもその効果は飽和に達するの
で、0.1 〜1.5mass%の範囲に限定した。好ましくは 0.
2〜1.3 mass%の範囲とする。
【0008】Si:0.5 〜2.0 mass% Siは、溶製時の脱酸のために必要な元素であり、また鋼
中のセメンタイトを不安定にして黒鉛化を促進させる元
素としても有用であり、さらに焼もどし軟化抵抗を高
め、強度ならびに転動疲労寿命を向上させるので、積極
的に添加する。しかし、その含有量が0.5 mass%未満で
は上記の効果に乏しく、一方2.0 mass%を超えて含有さ
せても黒鉛化促進の効果は飽和に達し、また液相の発生
する温度領域が低下し、熱間圧延時の適正温度領域が狭
まるので、0.5 〜2.0 mass%の範囲とした。好ましくは
0.7〜1.7 mass%の範囲とする。
【0009】Mn:0.1 〜2.5 mass% Mnは、鋼材の強度を確保する上で有効なだけでなく、脱
酸材としても有用な元素である。また、焼入れ性を高め
て強度ならびに転動疲労寿命の向上にも寄与する。しか
しながら、その含有量が0.1 mass%に満たないと、上記
の各作用に対する寄与が少なく、一方 2.5mass%を超え
て含有されると効果が飽和することに加えて靱性の劣化
を招くので、0.1 〜2.5 mass%の範囲に限定した。好ま
しくは 0.4〜2.0 mass%の範囲とする。
【0010】次に、本発明においては、転動部材として
の基本的な特性である黒鉛化を促進して転動疲労寿命を
向上させるという共通した作用効果を担う、B, Al, RE
M ,TiおよびZrを所定量添加する。これらの添加元素に
ついての限定理由を以下に説明する。
【0011】Al:0.01〜0.5 mass% Alは、脱酸に寄与するだけでなく、黒鉛化を促進させる
有用元素でもある。即ち、Alの添加により鋼中に生成さ
れるAl酸化物は、BNの析出核となり、黒鉛の結晶化を
促進させる点でも効果が認められる。そこで本発明で
は、Alを積極的に添加するが、含有量が0.01mass%に満
たないとその添加効果に乏しく、一方 0.5mass%を超え
て含有させても黒鉛化促進効果が飽和する上、熱間変形
能の著しい低下を招くので、0.01〜0.5 mass%の範囲で
含有させるものとした。好ましくは0.02〜0.05mass%の
範囲がよい。
【0012】B:0.0003〜0.0150mass% Bは、窒化物(BN)を形成することにより、セメンタ
イトの安定化を抑制して黒鉛結晶化の核となって黒鉛化
を促進すると同時に、焼入れ性を高めて、強度ならびに
転動疲労寿命を向上させるので積極的に添加する。0.00
03mass%未満では添加効果に乏しく、一方 0.0150mass
%を超えると効果が飽和に達するだけでなく熱間加工性
を低下させるので、0.0003〜0.0150mass%に限定した。
好ましくは0.0005〜0.0025mass%の範囲とする。
【0013】REM :0.0005〜0.0200mass% REM ( 希土類元素) は、酸素と結合し、酸化物として鋼
中に微細分散することによって、黒鉛の核となる窒化物
の微細分散を助成するのみならず、自らも黒鉛結晶化の
核となり、黒鉛化を促進する作用を担う。この作用は0.
0005mass%以上の添加をもって発揮されるが、0.0200ma
ss%を超えて添加してもその作用効果が飽和するだけで
はなく被削性の劣化を招くので、0.0005〜0.0200mass%
に限定した。好ましくは0.0020〜0.015 mass%の範囲と
する。
【0014】Ti:0.005 〜0.05mass% Tiは、TiNを形成することにより、Nによるセメンタイ
トの安定化を抑制し、黒鉛の結晶化の核となって黒鉛化
を促進すると同時に、溶製時の脱酸材として必要なこと
から積極的に添加するが、0.005 mass%未満ではその添
加効果に乏しく、一方0.05mass%を超えて含有させても
その効果は飽和に達するだけでなく、転動疲労寿命の劣
化を招くので、0.005 〜0.05mass%の範囲に限定した。
好ましくは0.01〜0.03mass%とする。
【0015】Zr:0.005 〜0.2 mass% Zrは、Nと結合して窒化物を形成することにより、Nに
よる鉄炭化物 (セメンタイト) の安定化を抑制するとと
もに、窒化物が黒鉛の核として作用し、黒鉛化を促進す
る元素であるから積極的に添加する。しかし、その含有
量が0.005 mass%未満では添加の効果に乏しく、一方
0.2mass%を超えてもその添加効果が飽和するだけでな
く、被削性の劣化を招くので、0.005 〜0.2 mass%の範
囲に限定した。好ましくは0.01〜0.2 mass%の範囲とす
る。
【0016】N:0.0015〜0.0150mass% Nは、B, Al, Tiなどと結合して窒化物を形成すること
により、これを核として黒鉛の結晶化が促進し、かつ結
晶粒を微細化して強度, 靱性を向上させるので積極的に
用いる。こうした効果は、0.0015mass%以上の添加を必
要とするが、0.0150mass%を超えると鉄炭化物 (セメン
タイト) が安定化してかえって黒鉛化を阻害するので、
0.0015〜0.0150mass%の範囲に限定した。好ましくは0.
0020〜0.0050mass%の範囲とする。
【0017】O:0.0020mass%以下 Oは、硬質な酸化物系非金属介在物を形成し、転動疲労
寿命を低下させることから、可能な限り低いことが望ま
しく、0.0020mass%以下とする。
【0018】次に、本発明においては、焼入れ性を高め
て強度ならびに転動疲労寿命, すなわち転がり寿命を向
上させるという共通した目的の下に、表1に示す理由に
より、さらに下記の量を上限とする強化元素を添加す
る。 Cr≦1.0 mass%、 Mo:≦1.0 mass%、V≦0.5 mass
%、 Nb:≦0.5 mass%、Ni≦3.0 mass%、 Cu:≦3.
0 mass%、Co≦3.0 mass%
【0019】
【表1】
【0020】さらに、本発明においては、被削性を改善
するために適正量のS, Se, Te, Pb, Bi, Ca, Mg, P,
Sn, As, S等を添加しても、本発明で目的とする黒鉛
化, 加工性, ならびに転動疲労寿命を阻害することな
く、容易に被削性を改善することができる。なお、P
は、鋼の靱性ならびに転動疲労寿命を低下させることか
ら、0.025 mass%以下、さらに0.015 mass%以下の範囲
とすることが好ましい。また、Sは、Mnと結合してMnS
を形成し、被削性を向上させる。しかし、多量に含有さ
せると転動疲労寿命を低下させることから、0.025 mass
%以下、好ましくは0.015 mass%以下に抑えるのがよ
い。
【0021】また、本発明においては、上述した鋼成分
組成の調整が重要であることは言うまでもないが、さら
に金属組織も重要である。すなわち、本発明の金属組織
は、主として黒鉛とフェライトからなる組織とする必要
がある。ただし、添加C量の約50%未満がセメンタイト
として存在しても、転動疲労寿命の確保、十分な被切削
性あるいは熱間鍛造性を得る上では弊害はない。
【0022】次に、本発明材料は、表層部の硬化層にお
ける残留オーステナイト量(γ量)を体積比にして10〜
35%にすることが有効である。このような量の残留オー
ステナイトが鋼材表層部組織中に存在すると、初期の繰
り返し応力負荷によりマルテンサイトへ加工誘起変態し
て強度を高めるとともに、非金属介在物の悪影響を緩和
し、転動疲労寿命を向上させる。しかし、あまり多すぎ
る場合(>35%) には硬さを十分満足しきれず、かえっ
て転動疲労寿命を低下させる。従って、本発明において
残留オーステナイト量は10〜35%の範囲、好ましくは15
〜25%の範囲とする。
【0023】
【実施例】表2〜表10に示す化学組成を有する鋼材を常
法にて溶製し、連続鋳造によりブルームとした後、ビレ
ット圧延を経て52mmφの棒鋼とした。次いで、700 ℃で
10h の等温保持後空冷することからなる黒鉛化処理を施
した。この時、一部の供試材については、785 ℃で5h
の等温保持を行い、650 ℃まで15℃/h で徐冷後に空冷
することからなる炭化物球状化処理を施した。
【0024】次に、上記黒鉛化処理あるいは炭化物球状
化処理後、 840 ℃で30min の加熱保持しその後、油焼入れ。 15kHzの高周波焼入れ。 カーボンポテンシャル:0.8 %で930 ℃で4hの加
熱保持し、その後、油焼入れのいずれかの硬化熱処理を
行い、180 ℃×2hの焼もどしを行った。なお、一部の試
験片についてはの加熱温度を高め、残留γ量を強制的
に増加させた。そして、ラッピング仕上によって12mmφ
×22mmの円筒状試験片を得た。この時、試験片試験面粗
度はいずれもRa:0.1 μm以下とした。試練片は、ラジ
アル型転動疲労試験機により、ヘルツ最大接触応力:60
0 kgf/mm2 、繰り返し応力数:約46500cpm、潤滑:#68
タービン飛沫油、の条件で転動疲労寿命試験を行った。
その試験結果は、ワイブル分布に従うものとして確率紙
上にプロットし、B50寿命 (累積破損確率:50%での剥
離発生までの総負荷回数) を求め、鋼材No. 1 をそれぞ
れ1として評価した。
【0025】なお、黒鉛化処理あるいは炭化物球状化処
理を行った供試材については、その黒鉛化率ならびに平
均黒鉛粒径を測定した。被削性試験については、高速度
工具鋼SKH4を用い、切り込み:2mm、送り:0.25mm
/rev., および速度:70m/min で実施し、切削不能とな
るまでの時間を工具寿命として評価した。冷間鍛造試験
については、15mmφ×22.5mmH の試験片を切削加工によ
り作成し、端面完全拘束の条件で逐次圧縮を実施し、加
工時の変形抵抗および限界圧縮率を求めた。ここで、限
界圧縮率は試験片に割れが発生を始める圧縮率と定義し
た。評価結果を表2〜10にまとめて示す。
【0026】 Bベース材(表2の1, 表2の2) C量が本発明範囲よりも低い鋼材No.25 、Si量が低い鋼
材No. 26、B量が低い鋼材No.27 ならびにSi量が低い鋼
材No.28 では、変形抵抗ならびに限界圧縮率にて評価さ
れる冷間鍛造性、工具寿命にて評価される切削性、ある
いは転動疲労寿命のいずれかが、従来の浸漬焼入れ鋼(
鋼材No.1) 、高周波焼入れ鋼( 鋼材No.2) 、あるいは浸
炭焼入れ鋼( 鋼材No.3およびNo.4) のいずれかに劣って
いる。これに対し、本発明鋼である鋼材No.5〜No.24
は、冷間鍛造性、切削性、および転動疲労寿命は、いず
れもどの従来鋼( 鋼材No.1, 鋼材No.2, 鋼材No.3, およ
びNo.4) よりも優れている。なかでも、Cr, Mo, Nb, C
u, Coより選ばれる1種あるいは2種以上を添加した鋼
材No.14 〜No.25 は、鍛造性あるいは切削性を著しく阻
害することなく転動疲労寿命を向上させている。さら
に、No.10 とNo.11 は、同一鋼材により焼入れ温度を代
えて残留γ量を変化させたものであるが、残留γ量が高
い鋼材No.11 の転動疲労寿命は残留γ量が低い鋼材No.1
0 よりも改善されており、軸受部材の寿命向上に有効で
あることがわかる。
【0027】
【0028】
【0029】 Alベース材(表3の1, 表3の2, 表
4の1, 表4の2) CおよびAl量が本発明の範囲よりも低いNo.47 およびN
o.48 鋼は、従来鋼よりも被削性が低下している。ま
た、O量が本発明の範囲よりも高いNo.50 鋼において
は、冷間鍛造性および被削性は従来鋼よりも優れている
にも拘わらず転動疲労寿命が従来鋼よりも低い。No.51
〜No.69 にAl−B複合添加鋼の諸特性を示す。いずれの
鋼も従来鋼に比較して転動疲労寿命, 冷間鍛造性および
被削性は優れている。また、Al単独添加材に比較して黒
鉛化率が高く、その結果、被削性および冷間鍛造性が向
上している。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】 REM ベース材(表5の1, 表5の2,
表6の1, 表6の2) No.88, 89 および90鋼は、C, Si, REM が本発明範囲外
の場合である。これらの鋼はいずれも黒鉛化率が低く、
このために被削性は従来鋼よりも劣っている。また、冷
間鍛造性は従来鋼よりも優れているが、発明例であるN
o.70 〜87鋼に比較すると、とくに変形抵抗が上昇して
いる。また、No.91 鋼は、冷間鍛造性および被削性とも
に優れているがO量が高く、その結果、転動疲労寿命は
従来鋼よりも低い。No.92 〜110 鋼は、REM とB、REM
とAlおよびREM −B−Alの複合添加鋼の場合の特性を示
す。REM 単独添加の場合に比較して黒鉛化率が向上し、
その結果、冷間鍛造性および被削性もREM 単独添加の場
合に比較して向上している。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】 Tiベース材(表7の1, 表7の2, 表
8の1, 表8の2) No.129, 130 および131 鋼は、C, Si, Tiが本発明範囲
外の場合である。これらの鋼はいずれも黒鉛化率が低く
このために被削性は従来鋼よりも劣っている。また、冷
間鍛造性は従来鋼よりも優れているが、発明例であるN
o.111〜128 鋼に比較するととくに変形抵抗が上昇して
いる。また、No.132鋼は冷間鍛造性および被削性ともに
優れているがO量が高く、その結果、転動疲労寿命は従
来鋼よりも低い。No.133〜151 鋼は、TiとB, REM ,Al
の複合添加鋼の場合の特性を示す。REM 単独添加の場合
に比較して黒鉛化率が向上し、その結果、冷間鍛造性お
よび被削性もTi単独添加の場合に比較して向上してい
る。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】 Zrベース材(表9の1, 表9の2, 表
10の1, 表10の2) No.170, 171 および172 鋼は、C, Si, REM が本発明範
囲外の場合である。これらの鋼はいずれも黒鉛化率が低
く、このために被削性は従来鋼よりも劣っている。ま
た、冷間鍛造性は従来鋼よりも優れているが、発明例で
あるNo.152〜169鋼に比較すると、とくに変形抵抗が上
昇している。また、No.173は、冷間鍛造性および被削性
ともにすぐれているがO量が高く、その結果、転動疲労
寿命は従来鋼よりも低い。No.174〜192 鋼は、ZrとAl,
B, TiおよびREM 複合添加鋼の場合の特性を示す。Zr単
独添加の場合に比較して黒鉛化率が向上し、その結合、
冷間鍛造性および被削性もZr単独添加の場合に比較して
向上している。
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、所定の化
学組成を有する鋼材を成形加工前に黒鉛とフェライトを
主体とする組織とし、次いで硬化熱処理を行うことによ
って得られる、加工性に優れた軸受部材であるから、転
がり軸受や歯車といった転動部品において、転動疲労寿
命を損なうことなく成形のための鍛造あるいは切削加工
性を著しく向上することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安本 聡 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 松崎 明博 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 天野 虔一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.1 〜1.5 mass%、 Si:0.5 〜2.0 mass%、 Mn:0.1 〜2.5 mass%、 N:0.0015〜0.0150mass%、 O:0.0020mass%以下を含有し、かつAl:0.01〜0.5 ma
    ss%、 B:0.0003〜0.0150mass%、 Ti:0.005 〜0.05mass%、 REM :0.0005〜0.0200mass%、 およびZr:0.005 〜0.2 mass%のうちから選ばれる1種
    または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純
    物からなる成分組成を有すると共に、組織が主として黒
    鉛とフェライトからなるものであって、表層部には硬化
    層を設けてなることを特徴とする転動部材。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の転動部材の成分に加え、
    さらに、 Cr:1.0 mass%以下、Mo:1.0 mass%以下、 V:0.5 mass%以下、Nb:0.5 mass%以下、 Ni:3.0 mass%以下、Cu:3.0 mass%以下、 Co:3.0 mass%以下のうちから選ばれるいずれか1種ま
    たは2種以上の元素を添加した成分組成にしたことを特
    徴とする転動部材。
  3. 【請求項3】表層部のオーステナイト量が、体積比にし
    て10〜35%であることを特徴とする、請求項1または2
    に記載の転動部材。
JP15387994A 1994-07-05 1994-07-05 転動部材 Expired - Fee Related JP3538900B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15387994A JP3538900B2 (ja) 1994-07-05 1994-07-05 転動部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15387994A JP3538900B2 (ja) 1994-07-05 1994-07-05 転動部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0820841A true JPH0820841A (ja) 1996-01-23
JP3538900B2 JP3538900B2 (ja) 2004-06-14

Family

ID=15572110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15387994A Expired - Fee Related JP3538900B2 (ja) 1994-07-05 1994-07-05 転動部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3538900B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004285474A (ja) * 2003-03-04 2004-10-14 Komatsu Ltd 転動部材およびその製造方法
JP2004292945A (ja) * 2003-03-11 2004-10-21 Komatsu Ltd 転動部材およびその製造方法
JP2009102733A (ja) * 2003-03-04 2009-05-14 Komatsu Ltd 転動部材の製造方法
WO2010140596A1 (ja) * 2009-06-05 2010-12-09 株式会社神戸製鋼所 機械構造用鋼
WO2012008405A1 (ja) * 2010-07-14 2012-01-19 新日本製鐵株式会社 被削性に優れた機械構造用鋼
JP2015030900A (ja) * 2013-08-05 2015-02-16 新日鐵住金株式会社 軸受及び転がり軸受並びにこれらの製造方法
JP2015030899A (ja) * 2013-08-05 2015-02-16 新日鐵住金株式会社 軸受用鋼

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004285474A (ja) * 2003-03-04 2004-10-14 Komatsu Ltd 転動部材およびその製造方法
JP2009102733A (ja) * 2003-03-04 2009-05-14 Komatsu Ltd 転動部材の製造方法
JP2004292945A (ja) * 2003-03-11 2004-10-21 Komatsu Ltd 転動部材およびその製造方法
WO2010140596A1 (ja) * 2009-06-05 2010-12-09 株式会社神戸製鋼所 機械構造用鋼
US9062360B2 (en) 2009-06-05 2015-06-23 Kobe Steel, Ltd. Steel for machine structural use
US20120063945A1 (en) * 2009-06-05 2012-03-15 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel Ltd.) Steel for machine structural use
JP5136725B2 (ja) * 2010-07-14 2013-02-06 新日鐵住金株式会社 被削性に優れた機械構造用鋼
CN102985577A (zh) * 2010-07-14 2013-03-20 新日铁住金株式会社 切削性优良的机械结构用钢
KR101423439B1 (ko) * 2010-07-14 2014-07-24 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 피삭성이 우수한 기계 구조용 강
WO2012008405A1 (ja) * 2010-07-14 2012-01-19 新日本製鐵株式会社 被削性に優れた機械構造用鋼
US9139894B2 (en) 2010-07-14 2015-09-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Steel for machine structure exhibiting excellent machinability
JP2015030900A (ja) * 2013-08-05 2015-02-16 新日鐵住金株式会社 軸受及び転がり軸受並びにこれらの製造方法
JP2015030899A (ja) * 2013-08-05 2015-02-16 新日鐵住金株式会社 軸受用鋼

Also Published As

Publication number Publication date
JP3538900B2 (ja) 2004-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5432105B2 (ja) 肌焼鋼およびその製造方法
JP3779078B2 (ja) 転動疲労寿命に優れる軸受用鋼
JPH06293939A (ja) 高温転動疲労性に優れた軸受部品
JP4502929B2 (ja) 転動疲労特性および結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼用鋼
JP4291941B2 (ja) 曲げ疲労強度に優れた軟窒化用鋼
JP3565960B2 (ja) 軸受用鋼、軸受および転がり軸受
JP4347763B2 (ja) 高温浸炭用鋼およびその製造方法
JP3538900B2 (ja) 転動部材
JP3411086B2 (ja) 繰り返し応力負荷によるミクロ組織変化の遅延特性に優れた軸受部材
JP3411088B2 (ja) 繰り返し応力負荷によるミクロ組織変化の遅延特性に優れた軸受部材
JP3249646B2 (ja) 被削性および冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼
JP3308838B2 (ja) 軸受用鋼
JP3233674B2 (ja) 軸受用鋼
JP3253677B2 (ja) 被削性に優れた機械構造用鋼
JP3308836B2 (ja) 軸受用鋼
JPH04337048A (ja) 異常層の少ない浸炭用鋼
JP3317516B2 (ja) 軸受用鋼
JP3408324B2 (ja) 軸受用鋼および軸受部材
JP3241436B2 (ja) 加工性に優れた軸受用鋼
JP3299034B2 (ja) 冷間鍛造性、被削性並びに焼入れ焼戻し後の機械的性質および疲労強度特性に優れた機械構造用鋼
JP2011179048A (ja) 冷間加工性に優れた浸炭用鋼
JP3411388B2 (ja) 熱処理生産性ならびに繰り返し応力負荷によるミクロ組織変化の遅延特性に優れた軸受部材
JP2753998B2 (ja) 浸炭異常層の少ない浸炭用鋼
JP3411087B2 (ja) 繰り返し応力負荷によるミクロ組織変化の遅延特性に優れた軸受部材
JP3379823B2 (ja) 軸受用鋼および軸受部材

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040315

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080402

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120402

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees