JPH08207763A - 鉄道動力車 - Google Patents

鉄道動力車

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JPH08207763A
JPH08207763A JP1362595A JP1362595A JPH08207763A JP H08207763 A JPH08207763 A JP H08207763A JP 1362595 A JP1362595 A JP 1362595A JP 1362595 A JP1362595 A JP 1362595A JP H08207763 A JPH08207763 A JP H08207763A
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vehicle
pressure
bogie
compressed air
switching solenoid
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JP1362595A
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English (en)
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Moriaki Hatsuta
衛明 八田
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】走行速度、加速度や線路の勾配による軸重の移
動に伴う動輪の空転を防ぐ。 【構成】台車台枠10と車体との間の走行方向に、空気ば
ね9A,9Bを設ける。圧搾空気源14に接続した高さ調
整弁15の出側を切換電磁弁16A,16Bを介して空気ばね
9A,9Bに接続する。圧搾空気源14には、三位置切換
電磁弁17を接続し、この出側を切換電磁弁16A,16Bに
接続する。空気ばね9A,9Bの圧力をトランスデュー
サ20A,20Bで検出し、制御装置21に入力する。台車台
枠10が空気ばね9Bから空気ばね9Aの方向に駆動され
る場合には、切換電磁弁16Bを励磁して、三位置切換電
磁弁17側に切り換える。制御装置21は、三位置切換電磁
弁17から切換電磁弁16Bを接続する管路の空圧を解放し
て、切換電磁弁16Bから空気ばね9Bへの圧力を減ら
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道動力車に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の一般的な電気機関車に組
み込まれた鉄道車両用動力台車の概略構成を示す側面図
である。図5において、二組の動輪1A,1Bの中心に
圧入された図示しない車軸の両端には、詳細省略した軸
箱3A,3Bが装着されている。各軸箱3A,3Bの上
面には、コイル状の軸ばね4A,4Bが縦に取り付けら
れ、二組の軸ばね4A,4Bの上面には、図示しない平
面図においては略H字形の台車台枠2が搭載されてい
る。
【0003】台車台枠2の中心部には、心皿部6が設け
られ、台車台枠2の両側の上面には、一対の枕ばね5
A,5Bが対称的に縦に設けられ、これらの枕ばね5
A,5Bは、これらの枕ばね5A,5Bの上面に搭載さ
れた車体7の荷重によって圧縮されている。各動輪1
A,1Bの下端には、各動輪が走行するレールの踏面8
が示され、心皿部6の中心に示した点Aは、台車台枠2
から車体7に駆動推進力を伝える作用点を示す。
【0004】この台車台枠2から車体7への作用点とな
る点Aは、一般的には、レールの踏面8の位置よりも上
方に位置しており、図5に示すように、レールの踏段8
との間に高さHの差がある。
【0005】このように構成された鉄道車両用動力台車
においては、この動力台車が図中の矢印で示すように左
方向へ駆動推進力Fを発生すると、その反作用として、
台車台枠2には推進力Fと高さHを乗じた回転モーメン
トが働く。
【0006】この回転モーメントの方向は、点Aを中心
とした紙面時計回りとなるため、進行方向前側の動輪1
Aに対しては軸重を軽減する作用が働き、動輪1Bに対
しては軸重が増える作用が働くので、動輪1A,1B間
で軸重が移動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、機関車が動
輪とレール踏面との間で所定の牽引力を発揮するために
は、動輪とレールの踏面との接触面の間の摩擦係数の他
に、所定の軸重を確保することが必要である。
【0008】ところが、図5に示す動力台車では、台車
台枠2から車体部7に駆動推進力を伝達する作用点A
が、レール踏面8からHだけ上方に位置しているため、
前述したように、図5においては時計方向に働く回転モ
ーメントによって、進行方向前側の動輪1Aの軸重が減
少し、動輪1Aの空転が発生しやすくなる。
【0009】このため、大きな牽引力を発生させる必要
のある電気機関車では、この軸重の移動を減らすため
に、図5における作用点Aの位置を極力レールの踏面8
に近づける構成、すなわち、図中のHを極力低くするこ
とが必要となる。
【0010】そのためには、動力台車から牽引力を受け
る心皿部6を車体部7から下方に伸ばすことになるが、
すると、それだけ台車台枠の上下方向の曲げ量も増える
ので、必要強度を確保するためには、台車台枠2と心皿
部6が大形化するだけでなく重量も増える。
【0011】また、図5における作用点Aを、見かけ上
レールの踏面8上に位置するようにして軸重の移動を防
ぐ、いわゆる逆ハ型リンク構成や、ジャックマン方式の
リンク構成も採用されているが、台車台枠の構造が複雑
となる。そこで、本発明は、上記課題を解決するため
に、軸重の移動に伴う動輪の空転を防ぐことのできる鉄
道動力車を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明の
鉄道動力車は、台車と車体の間の前後に挿着された空気
ばねと、圧縮空気源に接続され車体と台車間の変位で開
閉される高さ調整弁と、圧縮空気源に接続され供給する
圧縮空気圧を調整する調整弁と、この調整弁及び高さ調
整弁の他側に接続された第1及び第2の切換電磁弁と、
前記空気ばねの圧力と車両の走行条件が入力され調整弁
及び第1、第2の切換電磁弁を制御する制御装置とを具
備したことを特徴とする。
【0013】また、請求項2に記載の発明の鉄道動力車
は、台車と車体の間に挿着された空気ばねと、圧縮空気
源に接続され車体と台車間の変位で開閉される高さ調整
弁と、圧縮空気源に接続され供給する圧縮空気圧を調整
する第1及び第2の調整弁と、この第1及び第2の調整
弁の他側に片側が接続された第1及び第2の切換電磁弁
と、この空気ばねの圧力と車両の走行条件が入力され第
1及び第2の調整弁及び第1、第2の切換電磁弁を制御
する制御装置とを具備したことを特徴とする。
【0014】また、請求項3に記載の発明の鉄道動力車
は、制御装置に入力される車両の走行条件を、台車に搭
載された駆動用電動機の速度信号としたことを特徴とす
る。また、請求項4に記載の発明の鉄道動力車は、制御
装置に入力される車両の走行条件を、車両に搭載された
傾斜計の出力としたことを特徴とする。
【0015】また、請求項5に記載の発明の鉄道動力車
は、制御装置に入力される走行条件を、台車の動輪の空
転を検出する空転検出装置の出力としたことを特徴とす
る。さらに、請求項6に記載の発明の鉄道動力車は、高
さ調整弁を、台車に連結されたロッドを介して駆動した
ことを特徴とする。
【0016】
【作用】請求項1に記載の発明においては、台車と車体
の間の前後に挿着された空気ばねの圧力は、この圧力の
検出信号と車両の走行条件が入力され、調整弁と第1及
び第2の切換電磁弁を制御する制御装置によって、走行
条件に対応した値にそれぞれ制御される。
【0017】また、請求項2に記載の発明においては、
台車と車体の間の前後に挿着された空気ばねの圧力は、
この圧力の検出信号と車両の走行条件が入力され、第
1、第2の調整弁と第1及び第2の切換弁を制御する制
御装置によって、走行条件に対応した値にそれぞれ制御
される。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の鉄道動力車の第1の実施例
を示す図で、従来の技術で示した図5に対応する図であ
る。図1において、符号9A,9Bは、台車台枠10の進
行方向に対して前後方向に対称的に搭載された一対のダ
イヤフラム式空気ばねを示す。
【0019】このダイヤフラム式空気ばね9A,9B
は、上部が図示しない車体の下面に、下部がゴム座を介
して台車台枠10の上面にそれぞれ固定されており、いわ
ゆるボルスタレス構造となっている。
【0020】符号11A,11Bは動輪を、符号12A,12B
は軸箱を、符号13A,13Bは軸ばねを示す。この実施例
でも、図5に示す従来の鉄道動力車と同様の心皿部を有
するが、図1では図形の錯綜化を防ぐために省略してい
る。
【0021】符号14は、図示しない空気ポンプに接続さ
れた圧搾空気源を示し、この圧搾空気源14は図1に示す
ように、二つの配管経路で空気ばね9A,9Bに連通さ
れている。
【0022】その一つは、高さ調整弁15を経て分岐した
後、それぞれ切換電磁弁16A,16Bを介して空気ばね9
A,9Bに接続する管路である。他は、三位置切換電磁
弁17を経て分岐した後、それぞれ前述した切換電磁弁16
A,16Bを介して空気ばね9A,9Bに接続する管路で
ある。
【0023】高さ調整弁15の調整レバー18の先端は、ロ
ッド19で台車台枠10に連結されており、高さ調整弁15と
台車台枠10との高さ方向の相対変位が生じた場合に調整
レバー18が揺動する。
【0024】すなわち、台車台枠10に対する高さ調整弁
15の位置が高くなると、調整レバー18は、先端がロッド
19で下側に引っぱられて反時計方向に揺動し、逆の場合
にはロッド19で上方に押されて、時計方向に揺動する。
【0025】このように構成された鉄道動力車において
は、調整レバー18が揺動すると、高さ調整弁15は、車体
の高さが所定の値よりも低い場合には、弁を開いて圧搾
空気源14から切換電磁弁16A,16Bに圧搾空気を供給す
る。
【0026】一方、車体の高さが所定の値よりも高い場
合には、切換電磁弁16A,16B側の管路を開いて圧力を
開放する動作をそれぞれ相対変位量に応じて行って、車
体の高さを一定に保つ。
【0027】また、切換電磁弁16A,16Bは、消磁状態
では高さ調整弁15からそれぞれ空気ばね9A,9Bへの
管路を連通し、励磁状態では三位置切換電磁弁17からそ
れぞれ空気ばね9A,9Bへの管路を連通する。
【0028】一方、三位置切換電磁弁17は、消磁状態で
は圧搾空気源14からの供給を遮断し、逆に励磁される
と、圧搾空気源14からそれぞれ切換電磁弁16A,16Bへ
の管路を連通するか、又は、後述するように、切換電磁
弁16A,16B側の管路の圧力を開放する。
【0029】符号20A,20Bは、トランスデューサを示
し、それぞれ空気ばね9A,9Bに片側が接続されて各
空気ばね9A,9Bの圧力を検出し、その検出結果を制
御装置21に入力する。
【0030】すると、この制御装置21は、上位の制御装
置からの指令とトランスデューサ20A,20Bによる空気
ばね9A,9Bの圧力の検出値をもとに、切換電磁弁16
A,16B及び三位置切換電磁弁17を破線で示す各信号線
を介して制御する。
【0031】この実施例では、前述したように、切換電
磁弁16A,16Bと三位置切換電磁弁17が消磁状態では、
圧搾空気源14から高さ調整弁15を介して空気ばね9A,
9Bに供給する経路で圧搾空気が供給され、空気ばね9
A,9Bが並列に配置されている以外は、枕ばねに空気
ばねを用いた一般の台車と同様となる。
【0032】すなわち、車体の高さが規定値より低くな
ると、前述したように、高さ調整弁15の調整レバー18の
揺動により、圧搾空気源14から空気ばね9A,9Bに圧
搾空気が供給され、逆に、車体の高さが規定値より高く
なると、高さ調整弁15から圧力が開放されるので、外的
な制御を行わずに車体の高さを常に一定に保つ。
【0033】次に、このように構成された鉄道動力車に
おいて、進行方向前側の動輪の軸重を増やす方法につい
て述べる。図1において、矢印Aで示す紙面左側を進行
方向とすると、進行方向前側の動輪11Aの軸重を増やす
ときには、まず、切換電磁弁16Bを励磁して空圧供給路
を三位置切換電磁弁17側に切り換える。
【0034】次に、空気ばね9Aと空気ばね9Bの圧力
差が、軸重の移動量に対応した規定の値となるように、
三位置切換電磁弁17を制御装置21で制御する。すなわ
ち、空気ばね9A,9Bの圧力を検出したトランスデュ
ーサ20A,20Bの信号によって、空気ばね9Bの圧力が
空気ばね9Aの圧力よりも所定の値だけ低くなるよう
に、三位置切換電磁弁17に対して、切換電磁弁16B側の
圧力を開放させるように励磁して、空気ばね9Bの圧力
を調節する。
【0035】すると、車体の高さが一時的に規定値より
低くなるが、同時に調整レバー18が揺動する高さ調整弁
15によって、圧搾空気が圧搾空気源14から空気ばね9A
に供給されるので、車体は空気ばね9A,9Bの圧力差
を所定の値に維持しながら所定の高さに復元する。
【0036】このように、この鉄道動力車では、トラン
スデューサ20A,20Bによる空気ばね9A,9Bの圧力
の検出値をもとに、制御装置21で切換電磁弁16Bと三位
置切換電磁弁17を制御することで、車体の高さを所定の
値に保ちながら、進行方向前側の空気ばね9Aの内圧を
上げることができ、結果として動輪1Aの軸重を増やす
ことができる。
【0037】また、車両の走行方向が矢印Aと逆向きと
なって、動輪1Bの軸重を増やす場合には、前述した方
法とは逆に切換電磁弁16Aを励磁し、空気ばね9Aの圧
力が空気ばね9Bの圧力よりも所定の値だけ低くなるよ
うに、三位置切換電磁弁17を制御装置21で制御する。
【0038】このように、本実施例によれば、車体の高
さを所定の値に保ちながら、進行方向の前後に配置され
た空気ばねを任意の圧力差に設定することができる。し
たがって、起動時には、進行方向前側の空気ばねの圧力
を後側の圧力よりも推進力に応じて高くなるように制御
することで、進行方向前側の動輪の軸重を増やし、起動
推進力によって生じる、進行方向前側の軸重の減少(す
なわち軸重移動)を防ぐことができる。
【0039】したがって、始動時における動輪の空転の
発生を防ぐことのできる鉄道動力車を提供することがで
きる。また、台車台枠から車体部に牽引力を伝達する作
用点の位置を上方に移動しても、本発明の鉄道動力車は
有効に作用するので、心皿部の小形化と軽量化を図るこ
とができる。
【0040】また、進行方向の前後に配置した空気ばね
の内圧をある範囲内で任意に設定することができるの
で、駆動推進力の変化に応じて、前後の空気ばねの圧力
差を制御することで、安定した牽引力を発揮することが
できる。
【0041】この駆動推進力の変化については、たとえ
ば、電気機関車における電動機の速度制御信号や、電動
機の電流値を検出するようにしてもよい。また、空気ば
ねの圧力制御は多少の遅れを伴うため、始動時には前後
の空気ばねに予め圧力差を与えるようにしてもよく、前
後の空気ばねの圧力差をモニタし、その時点において発
生させる電動機の駆動トルクを電動機の制御装置側で制
御するようにしてもよい。
【0042】さらに、空転検出機能を備えた車両につい
ては、空転発生検出時に空転発生側の車輪の軸重を増や
すように空気ばねの圧力を制御することで、より安定し
た牽引力を発揮することができる。
【0043】一方、図1に示す台車が制動される場合に
は、軸重は駆動推進力発生時と逆方向、すなわち、進行
方向後側の車輪の軸重が減少する方向に移動する。した
がって、この場合には、減速度に応じて進行方向後側の
空気ばねの圧力を前側の空気ばねの圧力よりも高くなる
ように制御することで、安定した制動力を得ることがで
きる。
【0044】一方、本発明は、鉄道動力車が勾配区間を
走行する場合にも、その作用効果を発揮することができ
る。すなわち、車両が勾配区間を走行する場合には、上
方側の車輪の軸重が減少する。
【0045】したがって、線路の勾配に対応した分だけ
上方側の空気ばねの圧力が高くなるように、前述した駆
動推進力に応じた空気ばねの圧力制御に対して、補正制
御することで、勾配区間を走行する車両においても、勾
配と推進力に応じて、安定した牽引力と制動力を得るこ
とができる。なお、勾配の検出は、車体に傾斜計を設け
て検出してもよい。また、図1では、ボルスタレス構造
の動力台車に適用した場合で説明したが、ボルスタを有
する動力台車においても、同様の効果を発揮することが
できる。
【0046】したがって、このように構成された鉄道動
力車においては、台車の動輪の軸重配分を車両の走行状
況に応じて任意に制御することができるので、駆動推進
力発生時や制動時、あるいは勾配区間においても、必要
な軸重を確保することが可能となり、例えば、電気機関
車においては、その牽引能力を最大限に発揮することが
できる。
【0047】また、本発明による空気ばねの圧力制御系
は、例えば非通電時など、前後の空気ばねの圧力差制御
を行わない状態では、一般的な空気ばねと同等の空気系
統となり、例えば、他の機関車に牽引される場合等にお
いても何ら支障なく適用することができる。
【0048】図2は、本発明の鉄道動力車の第2の実施
例を示す図で、図1に対応する図である。図2において
は、図1に示した実施例における三位置切換電磁弁17
が、高さ調整弁15と同様の圧力調整弁22に置き換えられ
ている。
【0049】図2において、圧力調整弁22の調整レバー
23の先端は、ロッド24を介して回動アクチュエータ25の
レバー25aの先端に連結されている。圧力調整弁22は、
調整レバー23が水平位置近傍では締切状態となり、調整
レバー23が上方に揺動すると、この調整レバー23の揺動
角に対応して圧搾空気源14から切換電磁弁16A,16Bへ
供給される圧搾空気量が増し、下方に揺動すると、その
揺動角に対応して切換電磁弁16A,16B側の圧力が低下
する。回動アクチェエータ25は、制御装置26からの指令
により任意の回動角度に動作する。
【0050】図1に示す実施例では、前後に配置された
空気ばね9Aと空気ばね9Bの圧力の制御を、三位置切
換電磁弁17を切り換えることで行ったが、本施例では、
回動アクチュエータ25を動作させることにより、空気ば
ね9Aと空気ばね9Bへの圧力供給量および開放量を任
意に設定する。
【0051】これにより、前後の空気ばねの圧力差制御
をよりきめ細かく行うことができる。なお、本実施例に
おける作用および効果は、基本的に図1に示す実施例と
同等である。
【0052】図3は、本発明の鉄道動力車の第3の実施
例を示す図で、図1乃至図2に対応する図である。図1
に示す実施例では、圧力差調整用の圧搾空気の供給経路
を三位置切換電磁弁17から分岐させて、それぞれの切換
電磁弁16A,16Bに並列に接続していたが、本実施例で
は、圧力差調整用の三位置切換電磁弁27A,27Bを、前
後に配置した空気ばね9A,9Bにそれぞれ個別に接続
したものである。
【0053】すなわち、圧搾空気源14から三位置切換電
磁弁27Aを介して切換電磁弁16Aに接続する管路と、圧
搾空気源14から三位置切換電磁弁27Bを介して切換電磁
弁16Bに接続する管路が設けられており、他は図1と同
一構成となっている。
【0054】次に、本実施例において、動輪11A側の軸
重を増やす方法について述べる。まず、切換電磁弁16
A,16Bを共に励磁して三位置切換電磁弁27A,27B側
に切り換える。また、三位置切換電磁弁27Aを空気ばね
9Aの内圧が増えるように、三位置切換電磁弁27Bを空
気ばね9Bの内圧が減少するように、それぞれ一定時間
だけ励磁して切り換えた後、切換電磁弁16Aと三位置切
換電磁弁27Aの励磁を中止する。
【0055】次に、空気ばね9Aと空気ばね9Bの圧力
差が軸重移動量に対応した任意の値となるように、三位
置切換電磁弁27Bを制御する。すなわち、空気ばね9
A,9Bの圧力をトランスデューサ20A,20Bで検出
し、空気ばね9Bの圧力が空気ばね9Aの圧力よりも一
定の値だけ低くなるように、空気ばね9Bの圧力を調節
する。
【0056】図1に示す実施例においては、空気ばね9
Aと空気ばね9Bの内圧が等しい状態から最終的に空気
ばね9Aの内圧が高まる作用は、空気ばね9Bの内圧を
下げることにより車体の高さが下がり、この結果高さ調
整弁15から空気ばね9Aに圧搾空気が供給されるためで
ある。よって、空気ばね9A,9Bが規定の圧力差に安
定するには、ある時間を要する。
【0057】本実施例では、空気ばね9A,9Bの内圧
を、所定の圧力差に近い値に強制的に設定したあと、図
1の実施例に示す圧力制御に移行するものであり、これ
により前後の空気ばねの圧力差の設定時間を短縮化する
ことができる。
【0058】なお、三位置切換電磁弁27Aを空気ばね9
Aの内圧が増えるように、また、三位置切換電磁弁27B
を空気ばね9Bの内圧が減少するように励磁する時間
は、設定圧力差や空気系統の特性、車体重量、実測値等
を加味し、任意に定めればよい。
【0059】図4は、図3に示した第3の実施例の他の
実施例を示す構成図である。本実施例は、図3に示す第
3の実施例における三位置切換電磁弁27A,27Bを、図
2に示す圧力調整弁および圧力調整弁の調整レバーを動
作させるアクチェエータに置き換えた構成である。
【0060】本実施例における作用および効果は、図3
に示す第3の実施例と基本的に同等であるが、圧力調整
弁は調整レバーの回動角度により圧搾空気源からの連通
量、あるいは切換電磁弁側の圧力開放量を可変できるの
で、よりきめ細かな圧力制御が可能となる。
【0061】
【発明の効果】以上、第1の発明によれば、台車と車体
の間の前後に挿着された空気ばねと、圧縮空気源に接続
され車体と台車間の変位で開閉される高さ調整弁と、圧
縮空気源に接続され供給する圧縮空気圧を調整する調整
弁と、この調整弁及び高さ調整弁の他側に片側が接続さ
れた第1及び第2の切換電磁弁と、空気ばねの圧力と車
両の走行条件が入力され調整弁及び第1、第2の切換電
磁弁を制御する制御装置とを具備することで、台車と車
体の間の前後に挿着された空気ばねの圧力を、この圧力
の検出信号と車両の走行条件が入力され、調整弁と第1
及び第2の切換電磁弁を制御する制御装置によって、走
行条件に対応した値にそれぞれ制御したので、走行条件
で発生する軸重の移動による動輪の空転を防ぐことので
きる鉄道動力車を得ることができる。
【0062】また、第2の発明によれば、台車と車体の
間の前後に挿着された空気ばねと、圧縮空気源に接続さ
れ車体と台車間の変位で開閉される高さ調整弁と、圧縮
空気源に接続され供給する圧縮空気圧を調整する第1及
び第2の調整弁と、この第1及び第2の調整弁の他側に
片側が接続された第1及び第2の切換電磁弁と、空気ば
ねの圧力と車両の走行条件が入力され第1及び第2の調
整弁及び第1、第2の切換電磁弁を制御する制御装置と
を具備することで、台車と車体の間の前後に挿着された
空気ばねの圧力を、この圧力の検出信号と車両の走行条
件が入力され、第1、第2の調整弁と第1及び第2の切
換弁を制御する制御装置によって、走行条件に対応した
値にそれぞれ制御したので、走行条件で発生する軸重の
移動による動輪の空転を防ぐことのできる鉄道動力車を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄道動力車の第1の実施例を示す図。
【図2】本発明の鉄道動力車の第2の実施例を示す図。
【図3】本発明の鉄道動力車の第3の実施例を示す図。
【図4】本発明の鉄道動力車の第4の実施例を示す図。
【図5】従来の鉄道動力車の一例を示す図。
【符号の説明】
9A,9B…空気ばね、10…台車台枠、11A,11B…動
輪、12A,12B…軸箱、13A,13B…軸ばね、14…圧搾
空気源、15…高さ調整弁、16A…切換電磁弁、17…三位
置切換電磁弁、18…調整レバー、19…ロッド、20A,20
B…トランスデューサ、21…制御装置。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車と車体の間の前後に挿着された空気
    ばねと、圧縮空気源に接続され車体と台車間の変位で開
    閉される高さ調整弁と、前記圧縮空気源に接続され供給
    する圧縮空気圧を調整する調整弁と、この調整弁及び前
    記高さ調整弁の他側に接続され前記空気ばねに圧縮空気
    を供給する第1及び第2の切換電磁弁と、前記空気ばね
    の圧力と車両の走行条件が入力され前記調整弁及び前記
    第1、第2の切換電磁弁を制御する制御装置とからなる
    鉄道動力車。
  2. 【請求項2】 台車と車体の間の前後に挿着された空気
    ばねと、圧縮空気源に接続され車体と台車間の変位で開
    閉される高さ調整弁と、前記圧縮空気源に接続され供給
    する圧縮空気圧を調整する第1及び第2の調整弁と、こ
    の第1及び第2の調整弁の他側に片側が接続された第1
    及び第2の切換電磁弁と、前記空気ばねの圧力と車両の
    走行条件が入力され前記第1及び第2の調整弁及び前記
    第1、第2の切換電磁弁を制御する制御装置とからなる
    鉄道動力車。
  3. 【請求項3】 制御装置に入力される車両の走行条件
    を、台車に搭載された駆動用電動機の速度制御信号とし
    たことを特徴とする請求項1乃至2のいづれかに記載の
    鉄道動力車。
  4. 【請求項4】 制御装置に入力される車両の走行条件
    を、車両に搭載された傾斜計の出力としたことを特徴と
    する請求項1乃至2のいづれかに記載の鉄道動力車。
  5. 【請求項5】 制御装置に入力される走行条件を、台車
    の動輪の空転を検出する空転検出装置の出力としたこと
    を特徴とする請求項1乃至2のいづれかに記載の鉄道動
    力車。
  6. 【請求項6】 高さ調整弁を、台車に連結されたロッド
    を介して駆動したことを特徴とする請求項1乃至5のい
    づれかに記載の鉄道動力車。
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